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2017年10月30日

安倍晋三『総書記』が就任(Fake Newsより)

1日に招集された日本の特別国会は、安倍晋三総書記を再選し、
安倍晋三総書記の名前を冠した指導思想を盛り込んだ日本国憲法改正案を採択した。
新たな指導部を構成する内閣府中央委員を選出したが、
後継候補と目されていた小泉進次郎氏の起用は見送られ、
自らが信頼を置く人物を登用するなど、大きな権力を集中させる形となった。


……
………近親憎悪(苦笑)

野党の質問時間を削って、議席数に応じた配分、
つまり与党に質問時間を寄越せという、よく分からない要求が出ているようです。
森友・加計学園問題でも思ったことですが、時間がある民進党はともかくとして、
自由党や社民党といった党は質問時間が5分もなく、
他党の追及内容を繰り返さざるを得なかったりと、時間配分が機能していない面を感じました。
それをさらに削るということは、まさに挨拶して終わり、社民党とか2分もないんじゃ…
それって野党の存在価値って、あるんですか?
完全なる政党政治の否定ですよ、コレ。

与党議員なら、国会質問ではなく、国会の委員会審議や党内の法案作成委員会で力を発揮すべき。
芸能人じゃないんだから、TVに出たいだけというのは、いかにも中身のない3期生らしい発想(苦笑)
ただ目立ちたいなら、「このハゲ―!」と叫んだり、浦和レッズ叩いたり、不倫でもしてれば?
野党の唯一の仕事も奪ったら、何が残るというのか。
自分の手柄のために、民主主義を汚す意味が分かりません。
そんなに国会質問したいなら、下野すれば?

結局、安倍政権の目指す先は、総理自身や右翼支持者が最も嫌う中国共産党の政治なんですよね…
一党独裁・個人独裁体制で好き勝手にやりたいのが見え見え。
そこが矛盾して見えるというか、単純に近親憎悪で羨ましいだけなんじゃないのかと思えたり。
共謀罪や特定秘密保護法もみんな中国共産党化したいようにしか見えんのですよ…
そういうところが安倍晋三『総書記』なんですよねぇ…


◆政治ネタ 方向性が見えない希望の党
そういえば、合流を希望しながら参議院残留となった渡辺喜美氏や、
自由党ではなく無所属で立候補した小沢一郎氏らはどうなったんでしょうね?
小沢氏は自由党に戻るのでしょうが… 渡辺喜美氏は何だったのか、と。
裏でタッグを組んでいたのは、実は小池氏と渡辺喜美氏だったという感じなのに…

改めて希望の党の選挙戦略に立ち返りますと、
東京を始めとして関東圏はかなり勝てると甘い予測を立てていたことが分かります。
「排除」発言を始めとする民進党議員の選別が敗因と挙げられがちですが、
それ以前に選挙戦略が未熟過ぎた、見通しが甘すぎた感は否めません。
都議選で見せた「風」頼みの選挙戦略は通用しなかったということでしょう。

小池氏からすれば、民進党という倒産企業を拾ってやるぐらいの感覚で、
完全に相手の足元を見た強気な交渉をしていたのだと思います。
「当選したいならガタガタ文句言うな」、ぐらいの感覚。
それに対して民進党議員にはやはり野党第一党のプライドが残っていて、
魂までは売り飛ばさないと予想外の抵抗を見せたことで、
希望の党のバタバタ感ばかりが目立ってしまった、といったところでしょう。
そういう意味では「驕っていた」と言われても仕方ありません。

かつて渡辺喜美氏らが率いていた「みんなの党」もそうですが、
自民党に代わる改革保守政党を標榜した政党は悉く消えて行っています。
結局、野党なのに自民党に擦り寄っていって方向性を失い、
運が良ければ保守党のように吸収してもらえ、運が悪ければ路頭に迷うのがパターン。
このまま自民党に帰りたいけど帰れない人達が尻尾を振り続けて帰れる日を待つのか、
それとも野党の中核として政権交代を目指していくのか、
早い段階で方向性を定めて欲しいです。
現段階では前者にしか見えねーですよ…


◆プロ野球ネタ 日本シリーズはソフトバンクが2連勝
2試合目の決勝点となったホームクロスプレーのビデオ判定ですが…
日本シリーズは監督会議でルールの確認等をするので、
レギュラーシーズンとはルールの運用が異なるわけで、
予め工藤監督が積極的なビデオ判定をお願いしてたから、判定が覆ったのでしょうけど…
コリジョンルールに全く抵触しないのに、
ホームクロスプレーをビデオ判定するってのはどうなんでしょうか?
それなら、際どいホームのプレーは全部ビデオ判定になっちゃうんじゃないの?

というのも、昨年も工藤監督が抗議して判定が覆った試合があったわけで…
その時はコリジョンルールの名目でビデオ判定したと思うんですが、
コリジョンルールは適用されなかったものの、アウト判定が覆ってセーフに、
それって明らかに運用外じゃねーの?と不思議に思ったものです。
…まぁ、ライオンズ戦だったわけですけどね。本当に酷い目にあった…

誤審を認めることは大切ですが、かといって簡単に判定が覆ってしまうと、
判定が悪く変わったチームにとってはわだかまりしか残りません。
それなら、いっそ審判をAIにして全部カメラ映像で自動判定すれば良いこと。
もはや審判が判定する必要性もない。
審判が存在する必要性はあるのか?、そういう根本的な問いがなされそうな感じです。

2017年10月27日

渡辺周総理大臣誕生(Fake Newsより)

11月1日、「第195回特別国会」を招集し、衆参両院で行われた総理大臣指名選挙で、
希望の党の渡辺周氏(55歳)を第98代目の内閣総理大臣に指名し、
再選を目指した自民党の安倍晋三氏(63歳)がまさかの落選となった。

希望の党は先月22日の総選挙では50議席に留まり、第三党に終わったものの、
先月27日の希望の党の両院議員総会で首相指名選挙では渡辺周氏に投票することが決まると、
「(※どうせ落ちるのだから)思い切った政策を打ち出そう」ということになり、
現在放映中のアニメで、渡辺周氏の地元・沼津を舞台にした『ラブライブ!サンシャイン!!』を参考に、
私立高校を含めた授業料無償化を『ラブライブ』開催による収益金で行うと発表した。
この政策に素早く反応したのが立憲民主党の代表の枝野幸男氏(53歳)で、
アイドル産業によって経済を再生させる『ライブミクス』を提唱し、
首相指名選挙では渡辺周氏に投票することを決めた。
この動きに社民党と共産党も続き、民進党系無所属議員、
さらに公明党と一部の自民党議員も続くことになり、過半数の票を獲得することになった。

自民党の造反議員のコメント「正直ノリだった。今は後悔していない」

5日にはトランプ米大統領の訪日が予定されており、急遽、会談場所を秋葉原に変更し、
『ラブライブ!』のラッピング自動車を発注するなど、
アニメ国家日本を最大限にアピールする会談になることが予想される。



……
………コメントすることもねぇよ(笑)
いや、普通にアリじゃね?とか書いてて思っちゃった俺は末期…
でも実は『ラブライブ!』見たことないんです…本当にスイマセン(苦笑)

つーか、本当に『ラブライブ!』とかやっちゃって、
優勝した高校生はSMAPに代る東京五輪のイメージキャラとかにしちゃったら?
現実とアニメでライブしようよ(笑)


◆政治ネタ 旧民進党の解体~親会社と子会社~
もう参議院・民進党を解体する必要はない感じがします。
参議院・民進党を親会社のような位置に置き、
希望の党、中道新党、立憲民主を子会社とする連立組織にすれば良いんじゃね?

経済界では親会社の意向が強すぎるので、親会社から議決権を完全に剥奪。
参議院・民進党は、どちらかと言えば裁判所等の調停機関といった役割にして、
衆議院の傘下政党の政策の擦り合わせ・調整を行うことに徹する。
一方の衆議院の傘下政党は政策の提言を行い、
参議院・民進党の方針に基本的に従うことにします。

党籍の移動をできるだけ簡潔にし、政策によって衆議院傘下政党間の移動を自由化、
参議院・民進党所属で政策提言したい議員は衆議院へ鞍替え、
逆に政策調整をしたい議員は参議院へ鞍替えをする。
政権交代時の総理大臣は比例第1党から選出し、小選挙区は候補者一本化。
政党の規模は50ー60人程度の中規模に留め、それ以上になる場合は分党する。
中規模に留めるのは活発な政策議論をするため、大政党ではそれができないから。

参議院は解散総選挙がないですし、政策調整をするには最適な機関だと思うのです。
どうせ単独で政権を取る力なんて持てないのですから、
古巣の連携力を生かした新たな政治構造の構築をしてみても面白いのではないでしょうか。

2017年10月26日

プロ野球ドラフト会議

注目の早稲田実業・清宮選手は日本ハムへ…
大谷投手のポスティングメジャーが決定的なので、
そういう意味ではスター入替でちょうど良い上に、
早期メジャー希望の清宮選手には最高の環境ではあるのですが…
日本の野球ファンからすれば、大谷投手同様に20代そこそこで居なくなられるのは…
正直、悲しいというか、球界の損失のように思えてしまいます。
もうどうせなら、来年メジャー行けば?的な投げやりな気持ち。
アメリカの大学へ行くのが正解だった気がしますなぁ…

広陵の中村捕手は広島、JR東日本の田嶋投手はオリックス。
西武は清宮選手と面談はしましたが、最初から田嶋投手の1位路線だった気がします。
それを外してしまうというか、福良監督に先に取られてしまったのは残念。
パッと見た感じで、ドラフトの成功組は、
広島・横浜・オリックス・日ハム・中日・ロッテといったところでしょうか。
まぁ、こればかりは蓋を開けてみないと分かりませんがね。

埼玉西武ライオンズのドラフトに関しては、微妙としか言いようがない。
左腕投手が欲しかったのは分かりますが、
田嶋投手を外して斉藤投手では明らかに格落ち感があり、失敗を際立たせる結果。
ロッテに指名された履正社・安田選手など、タイプの違う選手で良かった気が。
地元の西川選手が2位というのも、3位から一つずつ繰り上がった感が強いです。
それでいて中日4位の清水投手を取っていなかったりと、
地元優先ドラフトでもなかった印象…
5位でアンダースローの与座投手を取っている辺り、
牧田投手の残留は諦めムードなんでしょうか、むしろそちらの方が気になる…


◆政治ネタ データで予測する今回の総選挙と次回の総選挙
小選挙区は候補者次第で選挙結果は幾らでも変わってしまうので、
比例代表選挙の方で第44回総選挙(郵政解散)~第48回までの議席率を考えてみました。
 自民党=最小30%(政権交代) ~最大42.8%(郵政)
 公明党=最小11.6%(政権交代)~最大14.4%(前回)
 民主党=最小16.7%(自公復活)~最大48.3%(政権交代)
 共産党=最小 4.4%(自公復活)~最大11.1%(前回)
ざっと見て、各党の固定票はこんな感じと推測します。
 自民党=30%、創価学会10%、リベラル系15%、共産党5% 固定票 合計60%
浮動票の予測数字はこんな感じ。
 保守系=8%、学会婦人票=5%、リベラル系5%、無党派層22% 浮動票 合計40%

第44回の郵政選挙は自民党の圧倒的勝利を印象付けましたが、
比例の数字を見ると、無党派層の5%程を取り込んだに過ぎず、
大半の15%ほどは政権交代を期待しての民主党に流れていたことが分かります。

第45回の政権交代選挙では、民主党が保守層と学会婦人票も取り込み、
無党派層も全て固めるなど、圧倒的な勝利を遂げたことが分かります。

第46回の自公復活選挙では、維新やみんなの党が受け皿となっており、
保守系5%と学会婦人票、リベラル票が流れて無党派層の大半がそちらへ移動、
自民党は固定票以外では保守系2%しか取っておらず、
自民党に対する期待というよりは、民主党への失望が大きかったことが分かります。

第47回の総選挙では、安倍政権が保守層の8%を固め、公明党も学会婦人票を固め、
リベラル票は民主党に4%、共産党に1%流れ、無党派層の5%が政権批判票として流れています。

今回の総選挙では、自民党が保守層の8%を固める一方、
公明党は学会婦人票の2%しか固められず、残りは立憲民主党に流れたと予想。
立憲民主はリベラル票の固定票の大半と浮動票5%に学会婦人票2%と無党派層5%を獲得、
惨敗印象の共産党も前回凄かっただけで、実はリベラル票or無党派層の1%を獲得。
希望の党は18%取っているので、惨敗と言われながらも無党派層の10%以上は取っています。

当初、希望の党がターゲットにしていたのは、保守層と学会婦人票の政権批判票でした。
しかし、結果から言えば、保守層は切り崩せずに、そのまま自民党支持票に回り、
学会婦人票も憲法改正・安保等の穏健さと判官贔屓によって立憲民主に流れた感があります。
そこら辺がブレーキになった最大の要因ですが、
だからといって無党派層に見放された感じもなく、
失ったリベラル票と同程度には無党派層に割り込んでいることが分かります。
「ライトな無党派層」という言い方が適切かどうかは分かりませんが、
あまり政治に関心がないけれど、とりあえず選挙には行くという人もいますから、
小池都知事は何となく知っている、TVで見るからという理由で、
良くも悪くも公示前の騒動で目立ったことで、無党派層を獲得した可能性はあります。

このデータから見る希望の党と立憲民主党の目指す方向性ですが、
希望の党は当初目指した浮動票の保守層8%と無党派層20%を獲得することに全力になれば良く、
当初の改革保守政党の路線を貫くことが必要です。
その上で小池都知事が都政で実績を残し、目玉となる有名人候補を用意するなど、
無党派層にアピールしやすい政治をすれば良いことになります。
一方の立憲民主党はリベラル票を固めた上で、学会婦人票を取り込むこと、
学会婦人票とは創価学会の婦人部の活動によって動きやすい主婦層のことなので、
女性にアピールできる政策、女性の社会進出や子育て支援、原発ゼロ、
社会保障拡充の路線を強めていくと良いことになります。
その上で、両党が連立を組めば、
希望・立憲民主共に25%ずつの配分となり、自公の40%を超えることになります。

逆に言えば、両党単独で政権を目指しても(無党派層全てが議席配分されたと仮定)、
立憲民主党は最大40%、希望の党は最大30%程度にしか伸ばせず、
自公の40%を超えることはできなくなります。

加えて、小選挙区制度を考えれば、共産党の票が死に票になるわけにはいかず、
共産党との選挙協力も必要不可欠です。
計算上は共産党との連立を組まなくても政権奪取できそうですから、
早い段階で希望の党と立憲民主党が連立政権のタッグを組んだ上で、
共産党との選挙協力を構築していくことが、自公政権打倒の近道になります。

そのためには、まず、希望の党が方向性を明確にすることが必要です。
未だにリベラル系に対する嫌悪感が見られますが、単独での政権奪取は不可能です。
その自惚れの結果が小池バッシングであり、希望の党の惨敗の結果(小選挙区)です。
小池都知事の「排除」発言は、保守系の本音とも言えるわけで、
その態度を改めて初めて希望の党が前へ進むことができます。
逆に言えば、それが改まらなければ、維新の会のように消滅していくか、
かつての保守党のように自民党に吸収合併されるのを待つ未来しかありません。
わだかまりを捨てて、立憲民主党へ歩み寄ること、
野党共闘の再構築が希望の党が生き抜く道だと知るべきでしょう。

2017年10月23日

選挙総括~二大政党制の「夢」散~(追記)

今回の衆議院総選挙は、良くも悪くも小池東京都知事に振り回され続け、
「どんぐりころころ」の如く、「小池にはまってさぁ大変」な選挙でした(苦笑)
二大政党制の実現に賭けた民進党・前原代表の目論見が完全に崩れ去ったことは、
二大政党制の限界を示すものでもあったように思えます。
アメリカの政治を見ていてもそうでしょう?
トランプ大統領は共和党の大統領なのに、共和党の議会と上手くいっていない。
二大政党といえども、党内が一枚岩になることは、ありえないわけです。

今回の選挙の特徴は、やはり「スピード」でしょう。
解散表明から公示前にかけての希望の党の結成、民進党の解体、立憲民主党の誕生と、
1週間足らずのうちに、怒涛の如く政治状況が変わっていきました。
あまりにも流れが変わるものだから、週刊誌の政治記事が全くついていけない、
日ごとに変わる政治状況に政治専門家と謂われる人達も右往左往でした。

もう一つが「ツィッター」の存在。
今回躍進した立憲民主党の勝因もツィッターにあったことは間違いありません。
あまりのフォロワーの数の多さに、「判官贔屓では?」という声や、
一部には「ロボットフォロワーだ」と揶揄する声も聞かれた程。
判官贔屓があった面は否めませんが、それだけであの数になるとは思えません。
枝野代表が立憲民主党の結成前に民進党本部から出てきた時に報道陣の前で呟いた
「カラオケで『不協和音』を歌うんだ」というあの一言、
非公認キャラの「立憲民主くん」が広く画像拡散したこと、
そういうある種の「ネタ的要素」が若年層の共感を呼んだ面は否定できません。
勿論、「ネタ」で政治をやってもらっては困るわけですが(苦笑)、
そういうある種の政治家の何気ない一言、「人間臭さ」が身近な共感を呼んだのも確か。
元々、政治家は広く国民の要望を聞いて実現するのが仕事です。
それが一部の有権者の要望しか聞かなくなったことが「お友達優先」の今の政治、
身近な雰囲気を感じる立憲民主党は自分達の声も聞いてくれるのではないか、
そういう期待感があったことは間違いないと思われます。

今後は野党第一党として、立憲民主党にかかる期待も大きくなることが予想されます。
同時に、今度は民進党出身者で希望の党から立憲民主党に擦り寄る人や、
選挙協力をした社民党と共産党との距離感も問題になってきます。
政党政治ですから、所属議員の数が多いほど優位なのは間違いありませんが、
逆に数が増えれば増える程に、個々の議員の考え方の違いや、
国民との意思との乖離は大きくなってしまいます。
これは二大政党制の明確な「限界」です。
日本の大企業にも言えることですが、組織が大きくなればなるほどに、
内部の意思疎通を欠き、「顧客」や「個人」よりも「組織」が優先してしまうのです。
そこが旧民主党・民進党の失敗であり、今の自民党にも同じことが言えます。

今回の選挙によって、「二大政党制」の夢は散り果てました。
今後さらにスピード感を増していく政治に、大政党が付いていけなくなるのは間違いありません。
機動的な意思決定をするために、「政党」は小規模に留め、国民の意見を集約することに務める。
一方で国会は「数の論理」であることを否定できないので、
「統一会派」を結成して政権与党と対峙し、政権奪取を狙うことが必要であると考えます。
その時に党利党略で主導権争いが起きないように、各党の「専門性」を磨いておくことが大切。
民主党政権時代に国民新党が金融を担当していたように、
各党の強みを作ることで、個々の存在価値を高めつつ、政策に責任を持たせることができます。
自民党が総合商社なら、野党連立政権は専門店の連携で勝負するのが良いと思います。

今は日本は、政治も経済においても、大きな行き詰まりを迎えています。
これまでは大資本・大政党が良しとされてきましたが、今はその大きさが逆に仇となっています。
スピード感の欠如や組織腐敗、人間性の喪失を無くすためにも、
「人が見える単位での中規模の切り分け」は必要不可欠でしょう。
今回の立憲民主党の成功は、切り分け(スリム化)の成功例だったと言えます。
その成功体験を今後の政治状況・経済状況に生かしていって欲しいですね。


◆野党共闘失敗の影の主役「共産党」の今後
選挙戦序盤は、自民党VS希望の党、希望の党の失速で自民党の勝利が確実視されると、
公明党VS立憲民主党の選挙戦(主戦場は北海道)になるなど、
明らかに蚊帳の外に置かれた共産党ですが、鍵を握っていたのも共産党でした。
野党共闘の一部復活という形で立憲民主党の勝利に貢献しつつも、
民進党に裏切られたそもそもの原因も共産党に無いわけではありません。

有権者が批判票の受け皿として共産党を避けた理由も同じで、
共産党には政権担当能力が無いことに原因があります。
政党の生き残りを賭けた小規模な選挙でなら、共産党との選挙協力は大きいことは確か、
ただ、政権選択選挙となった場合、共産党に譲った議席が致命傷になりかねません。
仮に選挙協力の結果、共産党に10議席を譲ることになったとして、
与党の過半数割れを引き起こしたとしても、共産党の議席はカウントされないため、
共産党との連立が組めない故に、政権交代ができないケース(例:羽田内閣)が出てきます
(ただ、恩恵的には議席以上の票を期待できるので、トータル的にはトントンでしょうが)。
民進党の前原代表が共産党との選挙協力を渋ったのも、分からなくもありません。

仮に、今後、立憲民主党・社民党・共産党+αで過半数を超える勢力を作れたとしても、
共産党が政権に入るのかどうかは真剣に考えなければなりません。
ある意味、旧社会党が事実上崩壊し、共産党が生き残ることができたのは、
新党ブームの時も政権から外れていた万年野党だったからこそとも言えます。
自公政権の打倒という目的は同じでも、達成後の政権の枠組みが異なるジレンマ、
そこが共産党の最大のネックです。

自分自身は東西冷戦を知らないわけではありませんが、
既に生まれたころには共産主義の限界が見えていた頃だったこともあり、
共産党に対するアレルギーはありません。
ただ、自分より上の世代では、共産党に対するアレルギーも根強いものがあるでしょう。
このまま共産党は万年野党を貫いていくのか、
それとも共産党という名前を捨ててでも、平等な社会の実現という政策実現を掲げるのか、
旧社会党に突き付けられた現実が、今度は共産党にも突き付けられていると言えます。

これはどの党にも言えることですが、各政党が全部をやる必要はないと思っています。
自民党は総合病院であるならば、野党連合は専門病院で連携すれば良い話。
政策の優先順位を決めて、この政策に関しては他党に譲らない、
ここまでなら譲れると妥協点を作ることが必要だと思います。
共産党なら何でしょうね…
戦争をしないのは譲れないラインで、教育が専門になってくるんでしょうかね?
社民党なら消費者問題・非正規雇用から、立憲民主党は労働者の立場から、
といったように政策ごとの棲み分けを決めることが必要だと思われます。
「軍隊のない国」という理想は党是として残しつつも、
現実には戦争が存在し、周辺国が軍隊を持っている以上、自衛権は否定できませんから、
そこは「戦争をしない」という条件で、他の政党に任せれば良いということ、
党の「理想(主義主張)」と連立政権が描く「現実(政策)」とを上手く分けることが、
政権担当能力を示しつつも、逆に党の独自性を失わない唯一の方法だと考えます。

二大政党制であれ、多党制であれ、批判のみの政党では生き残れません。
逆説的に言えば、自民党一党独裁体制だったからこそ、共産党という批判党が必要とされました。
それが崩れ去った以上は必要とされなくなっちゃうんです。
自公一強政治だからこそ共産党が必要とされ、自公一強政治が終われば必要なくなるジレンマ、
それが共産党の抱える最大の問題点です。
旧社会党の轍を踏まずに、いかに政党価値を高められるか、
野党再編のカギを握るのは共産党内の変革だと思います。


◆ニュースネタ 古賀茂明氏の総選挙に関するコラム
北朝鮮問題とか、経済問題とか、議論にならなかった点に対するツッコミが、
ほぼ同一だったので、リンクを掲載。
これを見てから書いたんじゃないですよ、本当に(笑)
それぐらい似通ってたからビックリ。みんな、心の内ではそう思ってたんですかねぇ?

(24日追記)
◆政治ネタ 希望の党の真の敗因「本気さが感じられなかった」
落選した若狭氏らがテレビ番組に出演して、色々とコメントしていますが…
「排除」という言葉で潮目が変わったことは確かですが、
「排除」というキツイ言葉そのものに原因があったわけではありません。
にこやかに「排除」という言葉を口にできてしまう「軽々しさ」に対して、
政権を取りに行く「本気度合い」が全く感じられなかったためです。

合流を決定した民進党の両院議員総会が紛糾しなかったことを疑問視する意見もありますが、
あの場面での前原代表は、間違いなく「本気で」政権交代を目指していたことは確か、
その「本気」が民進党議員や有権者に伝わったことで、
「希望の党はひょっとしたら行けるかもしれない」という期待に変えました。
しかし、その民進党の「本気」を笑顔で「排除」とぶった切ってしまうその無神経さ、
それが両者の温度差をはっきりと国民に伝えてしまい、
希望の党に対する「疑念」に変えてしまったのだと思います。

突然の解散総選挙によって、国民は選択肢を奪われ、路頭に迷いかけていた中、
颯爽と登場した希望の党がどういう政党なのか、国民が注目していたのは間違いありません。
それが民進党の合流によって「政権選択選挙」の色合いが強くなったのにも関わらず、
「排除」の発言によって水を差すどころか、液体窒素をぶっ掛けた、
凍り付いた瞬間、何かがおかしいということに国民は気づいたんです。
公示前の小池都知事の出馬観測や、公示後の首班指名を誰にするのかという質問、
しつこいように何度も繰り返されたのは、誰もが希望の党の本気度を疑っていたからです。
実際に政権を取れる見込みなんてないのに、口では「政権選択」と繰り返す、
その空々しさが疑念に疑念を呼び、希望の党の立ち位置を余計に分からなくしたんです。

逆に極右的保守勢力からすれば、民進党の合流自体は嫌悪するものだったでしょうし、
実際に日本のこころ出身の中山成彬氏はツィッター上で嫌悪感を吐露していました。
つまり、小池都知事は保守とリベラルの良い所取りをしようとして、
都知事と国政の良い所取りをしようとして、両方の支持を失ったということです。
そこに「本気度」はなく、「気軽さ」だけが目立った。
その軽薄さが「小池ファースト」だと批判され、集中砲火を浴びた原因でしょう。

その意味では、最も「本気度」が感じられたのは立憲民主党の枝野党首でした。
まさに背水の陣、後がないという状況での結党会見、
その「本気」が国民に伝わった(バリバリの極右の石原慎太郎氏にでさえ)からこそ、
大幅な議席を獲得できたのは間違いありません。

「本気さ」というといかにも精神論に聞こえますが、
やはり人間の判断材料に「感情」というものは付いて回るものです。
「本気さ」が国民に伝わったかどうか、選挙の明暗を分けた点はそこだったと思います。


◆ニュースネタ 田原総一朗の怒り
言いたいことはよく分かります(笑)
大体において「野党が酷過ぎる」って言う人は、「政治への関心が酷過ぎる」人です(苦笑)
「野党がだらしない」という言葉もよく聞きますが、「なんとなく」に過ぎないケースが多々。
要は与党がテレビに映る回数が多いから、与党が頑張ってるように見えるだけで、
地道な活動しかできない野党はテレビに映る回数が少ないために、「何もやってない」ように見える。

少なくとも、今の国会答弁を少しでも聞いたことがあれば、そんな感想は抱けないはずなんです。
おそらく、このテレビを見ていて、「田原総一朗って何なの?」と思った思いそのままを、
安倍総理を始めとする内閣の面々に感じるはずですから(苦笑)
暖簾に腕押し。一方通行で関係のない話をされちゃうんだから、何を頑張れば良いのでしょうか?
下着ドロとか、昔の武勇伝でもゆっくり聞いてあげれば良いんですかね?(笑)

あと、女子アナに対して、田原氏がニュースに質問返しするのは珍しくない話。
今の女性政治家の多くがアナウンサー出身なのは、
かつて女性の社会進出の象徴がアナウンサーであったためです。
同時にインテリの象徴でもあったことから、アナウンサー出身の政治家が多いわけです。
それに比べて、今の女性アナウンサーはどちらかと言えばアイドル寄り、
田原氏からすれば、そういう女性アナウンサーの風潮を心配しているのでしょう。
実際に、質問されてパッと答えられる女性アナウンサーの方が珍しくなりましたからねぇ…
当たり障りのない答えをしどろもどろにするアナウンサーの本当に多いこと…


◆政治ネタ 結論:野党再編私案
二大政党制は歪みが大きいので(自民党は政権権力の名の下に歴史的に結集している政党)、
多党制による専門政党連立政権の樹立を目指す目標で、野党再編案を述べると、
①共産党⇒労働党へ変化
②社民党⇒立憲民主党へ吸収合併
③無所属・生活・希望の一部⇒中道新党
④希望・維新⇒保守党
政策の違いによって、まず4つの野党へと分かれる。

そして、政党公約とは別に統一政策を作り、統一会派を作って自公政権と対決する。
統一政策を作る際は、絶対に譲れないライン(ex戦争は絶対しない)だけを各党が設け、
残りは振り分けた各専門政党の政策に基本的に従うとする。
各党の公約は「理想」として残すも、現実的な「政策実現」を目指すために妥協する。

小選挙区は「政権の枠組みを選ぶ選挙」と割り切って、統一候補を擁立する。
比例選挙は「政党を選ぶ選挙」と割り切って、国民に連立政権のリーダーを選んでもらう。
自公政権を倒し、真の寛容な改革保守政権を実現する。

…まぁ、現実には各党の歴史的対立や個人的感情、支持団体の軋轢もあったりと、
簡単にまとまる話ではないと思いますが、
今の選挙制度で勝つためには、野党が一致団結しなければなりません。
単純な選挙協力だけでは、政権交代時の軋轢が出てきてしまうというのが今回の教訓。

それでも、野党だけにこれだけ注目が集まった選挙は珍しく、
与党議員の顔よりも野党議員の顔の方が目立つ選挙だったのは間違いありません。
「野党が変われば、日本の政治が変わる」、その精神で頑張って欲しいですね。

2017年10月22日

2021、日本終了のお知らせm(_ _)m

私は自民党に投票していません。
私は自民党に投票していません!
 …大事なことなので2回言いました。

北朝鮮へ圧力を加え続けた結果、横田基地に核弾頭を撃たれて東京が放射能汚染されたり、
東京オリンピックが終わって建設需要・住宅需要が一段落した結果、
明らかに供給過剰な空き室アパート・マンションの不動産価格が大暴落し、
株高に支えられていた国際競争力を失った大企業が一気に事実上の倒産、
それを救済衣装と国家が財政出動した結果、自転車操業の国家財政は破綻、
晴れてギリシアのお友達になれました、めでたし、めでたし…

…なんて、ならないように、抜本的な経済対策を打って欲しいのですが、
それには大企業の「適当な解体」が必要不可欠なわけで、
それが経団連とベッタリの自民党政権にやれるとはとても思えません。
せめて不動産対策ぐらいはと思いつつも、
トンネル落盤事故時の国土再生計画とか、働き方改革とか、
スローガン止まりの骨抜き改革にしかなっていないだけに、望み薄かな、と思ったり…
そのツケは2021年以降に支払われるのは間違いないと思われます。
安倍総理は良い時期に総理をやって終わることができそうですね、
はいはい、幸せですね、国民を不幸にしてくれて本当にありがとうございました。


選挙結果に関しては、残念ながら、概ね予測通り。
現時点で期日前を含めた最終的な投票率は出ていませんが、極端には悪くなさそうです。
立憲民主党が希望の党を超す予測が出ている辺り、
安倍政権の批判票を一身に浴びたのが立憲民主党だったと言えそうです。
結局、希望の党と民進党の合流話のゴタゴタが野党再編を不可能なものとし、
安倍政権への批判票が自民党に戻る結果となったのは間違いないでしょう。
「野党よりはマシ」、その残念過ぎる判断が今回の選挙結果だったように思えます。

◆自民党の課題
安倍総理を始めとして野党を「看板の架け替え」と散々批判してましたが、
自分から見れば、「自民党という看板にただしがみついているバカ」にしか感じられず。
どの候補者からも、具体的な独自政策が見えてこない、
まるで金太郎飴、どの候補者も言ってることは同じ、
ここまで与党候補者の無策っぷりを感じたのは初めてです。

自民党内の公約をひたすら語ってれば当選できる、安倍総理に気に入られる、
変に媚びた感じしか伝わってこないんですよ。
自分なら「こうする!」、泉田元新潟県知事の「原発ストップ」は夢物語と思えるものの、
敢えて党の方針に反しても独自政策を訴えられた候補がどれだけいたのか?
まさに「サラリーマン議員」、上司に媚びることしか能がない議員に何ができるのか?
自民党の人材枯渇は今後も止まりそうもありません。

各地で遊説していた小泉進次郎氏も、あなたが取り組んでいた農業改革はどこに行ったの?
あなたがするべきなのは批判ではなく、政策じゃないの?
政権内に取り込まれてから、どうにも歯応えがなくなっているように思えます。

◆立憲民主党の課題
国民の支持を集めた立憲民主党も、本当の力が試されるのはこれからです。
まずは民進党の解体、希望の党との分党がスムーズに行われるか否か、です。
仮に、今、希望の党から離党者が出て、無所属議員や立憲民主党とが再結集し、
民進党を新たに作り直すとなってしまえば、国民の期待は一気になくなってしまうでしょう。

立憲民主党が躍進したのは「リベラルという分かりやすさ」、
ゴチャゴチャして分かりづらかった民進党が解体されたことで、
有権者にはっきりと「立場」が見えたことにあります。
勿論、今後、野党第一党として政権交代を目指していく以上は、
希望の党や無所属議員と連携していくことが必要となりますが、
あくまでもそれは国会内の「統一会派」に止め、「政党」としての独自性は失わないで欲しいです。

「二大政党制」という理想からは少し離れてしまいますが、
価値観が多様化する中では、色々な考え方を持つ政党があっても構わないと思います。
強固な結集ではなく、リベラ理的な寛容な結集を目指し、
野党の政策連携を強化した結果としての政権交代を実現してもらいたいです。

◆希望の党の課題
予想通り独自候補は軒並み落選、若狭氏も小選挙区は落選、
結局は地盤を持っていた民進党出身議員が議席を守っただけという大惨敗でした。
小池東京都知事は代表続投の意向のようですが、面子丸潰れの状況の中で、
どれだけ自分がイニシアチブを取れるのか、大いに疑問があります。

また、小池氏以外に民進党出身者の誰がイニシアチブを取っていくのか。
実際に希望の党をどういう政党に仕上げていくのか、
もしくはまとまらずに再び解党してしまうのか、
民進党からの移籍組は再度決断を迫られることになります。
先行離党組の細野氏らも今度こそ議員としての資質が試される場面、
ここからが本当の闘いです、それを国民がどう評価していくのか、
議員生命を掛けた戦いになるのは間違いありません。

◆共産党ほか野党の課題
共産党が伸び悩んだのは、選挙戦の主題が「安全保障政策」だったためでしょう。
昔に比べれば、遥かに現実的な安全保障政策を取っているとはいえ、
やはり自衛隊は違憲だとしていた頃のイメージは消えません
(実際に違憲判断で暫時的存続らしいですが…それが余計に分かりづらい)。
憲法改正に反対するのも良いのですが、逆に平和憲法を尊重するなら、
むしろ核兵器禁止を憲法化するように提言したりと、
真の「積極的な平和主義」を標榜するなど、受け身の政策から攻めの政策に転じるべきでしょう。
政権批判能力や情報収集能力の高さには定評があり、必要な政党だとは思いますが、
「共産」という名前にいつまでも拘らずに、
時代に即した労働者主義政策を実現する政党になってもらいたいです。

維新の会は完全に埋没感あり。自公政権の応援団なのか、野党なのか「立場」が見えません。
「大阪都構想」が流れたことで、何がしたい政党なのか見えてこないのが問題。

社民党も共産党と同じ。立憲民主党の登場で、さらなる埋没感があります。
かつては民主党と連立を組んでいたこともありますし(辺野古問題で離脱)、
労働政策的には立憲民主党との差異はないでしょうから、
合流を視野に連携を模索することが必要かと思われます。
その場合には現実的な安全保障政策をどう考えるか、そこのコンセンサスが重要でしょうね。


今回の選挙の結果によって、安倍政権が存続することはほぼ確実でしょうから、
希望の党を含めた野党には、
森友・加計学園問題を始めとする安倍政権の体質の問題の追及を終わらせないこと、
北朝鮮問題の今後の対応、経済政策の具体的中身を詰めていくこと、
この選挙では政策の中身が語られず、スローガンのみが飛びかう選挙だっただけに、
具体的政策に関しても厳しい追及をしていって欲しいです。


◆社会ネタ 日本の社会は「ネコ型社会」?
最近、特にそう思うようになりました。
犬は人に懐き、猫は場所に居着くとよく言われますが、
同じように、アメリカやヨーロッパは「イヌ型社会」=関係性重視で、
日本は「ネコ型社会」=場所重視によって、社会が成立しているように思えます。
「遠くの親戚より近くの他人」、この言葉が日本の社会を如実に表しています。

東日本大震災による福島原発の事故、それによって故郷を追われてしまった人達…
住む場所が変わっても、関係性が変わらなければ問題ない、
ということは日本ではありえないわけで、
住む場所が変わってしまうと、関係性そのものが変化してしまうわけです。
引っ越した友人、故郷を去った・出て行った友人、
場所が変わるだけで、関係性が根本的に変わってしまうのが日本の社会の特徴です。

「場所」への執着、それを感じるのは部活動の「部室」です。
よく考えてみれば、部室など必要ありません。
着替えは更衣室ですれば良いし、用具は倉庫があれば問題ない、
ミーティングしたければ会議室を確保すれば良い、
実際にアメリカでは日本の「部室」なるものは存在せず、
用途に応じて教室等を利用するのみです。
日本のように、部活動とは無関係に部室でおしゃべりしたり、
食事をしたりするということはないわけです。

日本の企業も同じです。大事なのは「場所」、会社という場所があるかどうか。
近年は在宅ワークも増えてきましたが、やはり通勤がメイン、
通勤している人と在宅ワーカーでは、どうしても仲間意識に欠ける面があります。
同じ場所で仕事をすることが、日本人にとっての「労働」なのかもしれません。
東芝メモリを売却する時に、最終的な決め手となったのが「経営権」の問題でした。
結局、利益云々よりも、「東芝」という場所がなくなることを恐れた、と言えます。
極端なことを言えば、会社なんて潰しちゃっても全く問題ないわけです。
問題は「人材」の離散なわけで、新しい会社にみんな入れば全く問題がない、
けれど、日本では会社が倒産すると社員は散り散りになってしまいます。
「場所」を失ったネコは、群れずに新しい場所を探しに行くわけです。

この日本人の無意識的な「ネコ力」によって、
欧米の働き方を真似ようとしても、イヌにはなれないわけです。
自分達がネコであることを自覚した上で、イヌの生活を真似るのか、
イヌを真似ずにネコ型の制度設計を一から作り上げていくのか、を選ぶ必要があります。
いずれにせよ、自分達がネコであることを自覚することが、
自らを客観視すること繋がるのは間違いないと思います。


◆ニュースネタ 「完全失業率」の見落とし
以前から失業率を測る上で、「完全失業率」の数字はおかしいと思っていましたが…
具体的な説明と数字が出てくる記事がなかったので、スルー気味でしたが、
ようやく納得する説明を読むことができたので、↑リンクを掲載。

「完全失業率」が見落としているのは、求職者の面から言えば、
1年を超える長期的失業者の存在と、非正規社員で妥協せざるを得なかった失業者です。
失業保険が切れた失業者に対しての再雇用は相変わらず厳しく、
一時的に再就職を断念し、資格取得やセミナー受講を優先する人も多いです。
後者は失業保険が切れる前に駆け込み的に派遣登録した場合です。
そういった人は1年後に再就職に臨む可能性が高いと思われます。

求人の面から言えば、「求人の質」の問題があります。
完全失業率の求人数に雇用形態の区別はありませんから、
正社員の募集も非正規社員も募集も同じ求人数に数えられます。
民主党政権時代に問題となった「偽装請負契約」も、安倍政権以降は常態化しており、
実質的な雇用契約にも関わらず、請負契約にすることで、
保険料の支払いを免れたり、給与支払いを厳格化するケースが増えています
(一般的に請負は雇用よりも法律上の保護がされないため)。
フルタイムの仕事であっても、計算上明らかに最低賃金を下回っていることから、
最低賃金に合わせた給与体系ではなく、
出勤日数を減らすことで最低賃金を下回らないようにしたりと、
明らかに求人の質が下がっていることが分かります。

いわゆる「雇用のミスマッチ」は完全失業率の数字以上に起こっていることは確実ですが、
今の政権は完全失業率の数字を盾に何の対策も打っていません。
穴だらけの「完全失業率」の数字に何の意味があるのか、
労働環境の評価など、雇用のミスマッチを解消する対策を打たなければ、
根本的な失業対策になりえないように思えます。

2017年10月17日

政治的中立性≠無関心

公示前は『緑のたぬき』一色だった政治報道が公示後はシーン…
当たり障りのない党首討論と各党代表者を招いた深まらない議論だけで、
本当に選挙をやっているのか分からなくなるぐらいです(苦笑)
各報道機関があまりにも政治的中立性を意識し過ぎて、
腫れ物に触るかのような選挙報道ばかりで、全く内容が伴っていません。

公示直後にTBSやテレ朝で森友・加計学園問題を聞こうとして失敗した影響が、
出ているのでしょうか…
実際、安倍総理は選挙戦を通して説明すると言っているのだから、
聞いたって全然構わない話でしょうに…

各党首、各候補が一方的に言うだけに終わっていて、全く議論が深まらない、
なんという一方通行感か、これが「選挙」なんですか?
過度な政治的中立性の意識が政治的無関心に繋がってしまっています。


◆政治ネタ 公示から1週間後の選挙情勢
公示から1週間が経っての情勢予測は、ほぼ予想通りといった感じでしょうか。
自公が堅調、希望の党が失速、立憲民主が躍進、共産が減。
公示前の報道は『希望の党』一色でしたが、
「排除」発言以降、小池新党の正体が早々にバレてしまい、
『⇒失望の党』と有権者が見なした結果、与党回帰に流れた感じでしょうか。
ただ、一方で態度を明らかにしていない有権者も半分近くいるだけに、
「希望の党バッシング」が薄まるのに対して、「政権批判」が強まるでしょうから、
このまま自公が堅調で行くとは言い切れない面もあります。

希望の党や維新の会が思っていたよりも票を集められない理由は、
国民から見て政党の「立ち位置」がよく分からない点でしょう。
政策だけを見れば、維新の会は大阪での実績がありますし、
希望の党の公約は民主党時代そのままのリベラル的人気取り政策が大半…
政策だけなら国民に受け入れられる可能性があるのですが、
そうならないのは国民が「政策」よりも「立場」を重視しているからに他なりません。
自公政権に協力するのか、野党として政権交代を目指すのか、
その「立場」が曖昧でどっちつかずのため、評価されないのです。
総理候補を敢えて明言しないという『緑のたぬき』の戦略が完全に裏目に出てます。
残りの選挙期間で「対安倍政権」だけでなく「対自民党」を打ち出せるかが鍵でしょう。

一方で、選挙において有権者が覚悟しなければならないことは、
過去も選挙での勝利を理由に安倍政権が『自己正当化』を行ってきた点です。
口では森友・加計学園問題を説明すると言っていますが、
そう言うだけで中身には触れず、終いには『詐欺師に騙された』と言うだけ…
(北方領土が返ってこなかったら、プーチンを『詐欺師』と呼ぶんですかね?)
このまま選挙で勝利したことを理由に、「国民の信任を受けた」として、
森友・加計学園問題は終了と言うに決まっています(苦笑)
同じことは、安保法改正、特定秘密保護法、共謀罪にも言えるわけで、
そういう都合の良い『自己正当化』を行ってきた政権なのですから、
「選挙の勝利=安倍政権批判のリセット」と考えているのは間違いないと思われます。

残り1週間、選挙戦がどうなっていくのか、注目したいです。


◆ニュースネタ 北朝鮮問題
「仮にも国家なのだから北朝鮮が核兵器を使うことはない」というのは楽観的過ぎる気がします。
通常兵器に関しては明らかにアメリカ・韓国・日本よりも落ちるのは間違いないわけで、
全面戦争に突入するぐらいなら、核兵器を使用して『恐怖の大王』を印象付ける方が得です。

その場合、韓国に核兵器を使うことは考えられません。
自国への放射能の影響が懸念されますし、何よりも「領土的野心」が韓国に対してはあるはず。
そうなると、「領土的野心」のない日本、特に地理的に離れた太平洋側、
つまりは東京に撃つ可能性は否定できません。

北朝鮮が核を撃てば、アメリカも核を撃って滅ぼしてくれるというのも楽観的過ぎます。
おそらく北朝鮮の軍事基地は国境線付近に構えるでしょうから、
核を撃てば韓国や中国にも影響が出る可能性が高く、実際上は撃てないと思われます。
発射リスクが低いのは北朝鮮であることは明らかで、
戦争になった場合は、東京全体が人質になることは覚悟しなければなりません。

それと、国連演説でトランプ大統領が横田めぐみさんの例を出したのは良かったのかどうか…
少なくとも、金正日の頃は拉致問題を「外交カード」として使っていたのは間違いありませんが、
金正恩になると「外交カード」としての拉致問題は極端に減っています。
むしろ、戦争になりかけた時に「人質」として「外交カード」に使われてしまわないか、
忘れ去られた「外交カード」が最悪の形で使われてしまわないか、一抹の不安があります。
安倍政権は「(経済的)圧力」「(軍事的)圧力」を繰り返していますが、
その中で拉致問題をどうやって解決していくのか、その道筋が全く見えてきません。


◆経済ネタ アベノミクスの成果?
「雇用の回復はアベノミクスの成果だ」みたいな言説を見かけますが、
実際は、団塊の世代の退職と就職氷河期時代の人材絞り込みによる若手・中堅のスカスカ現象により、
企業の新卒採用意欲が高まっているだけだと思うのですが…
もうアベノミクス開始から5年も経つわけで、本当に成果を出しているのなら、
アメリカやヨーロッパ諸国と同じようにデフレ経済を脱却していなければなりません。

「アベノミクス」は実際の所、日本の民主党政権時代にアメリカやヨーロッパた行っていた
「通貨安戦争」を今もやってるだけですから…
アメリカやヨーロッパは内需が拡大してインフレ気味を懸念して通貨高に切り替えたわけですが、
日本はいつまで経ってもデフレからインフレにならない…その時点で失敗は明らかです。

アベノミクスの当初に言われていたのは、企業が海外から国内に回帰して雇用が増えるという循環でした。
しかし、実際には企業が国内設備投資を拡大せずに、内部留保の貯め込みに繋がっています。
輸出量が必ずしも増えているわけでもなく、あくまで企業が儲かっているのは為替相場と株価によるもの、
日本の商品が売れているから儲けが出ている、というわけではないということです。
通貨安と株価で投機的経済は上向きである一方、
企業の国際競争力はむしろ低下していることから、実体経済は下向きに推移していて、
最終的にトントンになっている、といったところでしょうか。

今の日本の大企業は「守り」に入ってしまっています。
攻めて企業合併に乗り出せば、不良債権掴ませられる始末…
それも厳密には「攻め」と言えない消極的な買い物だったりするわけで…
特許ビジネスと言えば聞こえは良いものの、
中小企業から技術を買うだけで、それを活かすことができない。
「特許」は「保護される権利」ではなく、「使う権利」という初歩的な所が分かっていない。
子会社化したりして機動性を増そうとしても、親会社の意向が強すぎてグループ化も全く意味がない。
籠城戦にちょこちょこと遊撃隊を出しても消耗戦になるだけ。
10年100年と戦える籠城戦に意味はあるのですか?という話。

さすがに「財閥解体」のように大企業をバラバラにしろとまでは言いませんが、
逆に肥大化しただけの「組織のための組織」みたいな大企業はもう立ち行かなくなっているのも事実。
政治状況でさえ1日に1日と刻々と変わり、週刊誌の記事がゴミになるぐらいなのに、
経済状況なんて1時間1時間で刻々と変わってしまうもの、
機動性に富んだ企業規模にすることが、日本経済の根本的な立て直しに繋がると思うのですが…


◆ライオンズネタ 2位なのにクライマックスシリーズ1stで敗退…
初戦の勝利で乗って行けるかなと思ったのですが…
まぁ、なんとも呆気ない。
特に3戦目は毎回のようにチャンスを作っても、あと一本が出ず。
最終的には楽天投手陣のコントロール・継投にかわされてしまった形です。

総合的に見ると、ライオンズは普段通りの野球に徹し過ぎてしまった、
逆に楽天は短期決戦のデータ野球で得点を稼ぎ、失点を防いだ印象です。
短期決戦なので、「気持ち」の部分も非常に大切なのですが、
それ以上に緊張からくる「ミス」も出てくるわけで、
それを最小限に留める工夫=データの活用が足りなかったのかな、と思えます。

まぁ、どうせ勝ち抜けても、福岡でソフトバンクに勝てる気がしないので、
その前に負けて良かった、というのは負け惜しみでしかありませんが、気持ち半分。
辻監督に代わってから、攻撃・守備共にチーム力は確実に上がってきていると思うので、
あとは対ソフトバンクの苦手意識払拭して、「勝てるチーム」を目指して欲しいです。

野手は源田・山川・鬼崎・岡田選手らが順調に成長してますし、
リリーフも平井・野田・大石投手らが結果を残してきています。
あとは先発投手の整備、そこを最大の課題として取り組んでもらいたいですね。

2017年10月09日

「朝鮮出兵」2

安倍総理が初めて「年末~来年にかけての北朝鮮情勢の悪化の懸念」に言及したようです。
かねてから言われていた、本当の解散理由が、事実上、明らかにされたと言えます。
今現在、アメリカが交渉に向けて動いているのも時間稼ぎなのは明らかで、
中国では共産党大会という一大政治イベントが行われていることを考えれば、
今は北朝鮮問題が停滞しやすい時期、そこを狙って解散総選挙を行った可能性は高いと思われます。

問題は、安倍総理自身が北朝鮮情勢の悪化にどこまで対応するつもりがあるのか、です。
前回も書いたように、日本が経済的圧力に留まる限りは、誰も圧力姿勢を批判しません。
問題なのはアメリカが軍事的圧力に本格的に乗り出した時、
どこまでアメリカに追随していくのか、ということです。

まず、アフガンやイラク戦争等で米軍が取ってきた「空爆」作戦が効果を発揮するとは思えません。
北朝鮮は山間部で、敵の基地がどこにあるのかも定かではありませんし、
時間をかければかけるほど、弾道ミサイルによる反撃、最悪の場合は核兵器を撃たれかねず、
時間をかけて「空爆」によって破壊し尽くすお得意の作戦は無理があります。
そうなると、「斬首作戦」のように、電撃的な作戦で一網打尽にするという可能性が高く、
アメリカがその方針で行った場合に、日本がそこに参加するのか否か。
その場合は不意打ち前提、実際に北朝鮮が攻撃していない状況でしょうから、
「自衛による先制攻撃」に日本が加担するか否かが重要な問題になってきます。

「斬首作戦」が上手くいかなければ、大規模な地上戦を行わざるを得なくなり、
その場合は中国の出陣を期待しての南北からの両面攻撃に移ると想定されますが、
その時の南からの攻撃で、どれだけアメリカ自身が地上軍を担ってくれるのか。
日本や韓国はアメリカ軍が主体になってくれると思い込んでいますが、
近年の傾向として、自国の兵士が危険にさらされやすい地上軍の派遣にアメリカは消極的です。
シリア内戦のように、最前線に兵士を置かず、指揮・命令系統を中心に担う形になった時、
韓国政府が二の足を踏まないのかどうか、
その場合に日本の自衛隊が最前線で戦わされるのではないか、そういった危惧は常に残ります。
仮に、南戦線が上手く機能しなければ、
一番美味しい所だけをいただこうとする中国の参戦は現実味を帯びませんし、
南戦線の構築に日本が巻き込まれる可能性はほぼ確実だと思われます。

自衛隊の主力が朝鮮出兵に駆り出されてしまえば、相対的に本土防衛力は落ちますし、
当然、日本への反撃も激しくなることが予想され、避難誘導等の対応も遅れがちになるでしょう。
仮に戦争が早期終結したとしても、中国やロシアは米軍による支配は望まないでしょうから、
治安の維持を中国・韓国・自衛隊で行うことになった時、
韓国側からの反発はないのか、中国やロシアとの軍事的緊張は高まらないのか、
21世紀の「義和団事件」になってしまわないか、慎重な検討を要するように思えます。
自衛隊や民間人に甚大な被害を払った結果、掴んだのは平和ではなく、さらなる軍事的緊張だとすれば、
それこそ何のために北朝鮮を攻めたのか分からなくなってしまいます。

中国やロシアはそうなることを恐れて「対話」と言っている面もあり、
日本は何の裏付けがあって「圧力」と言い続けることができるのか?
それを日本政府、安倍政権には是非とも示していただきたいものです。

今まで、こういった最悪の事態は全て「憲法9条」によって守られ、
「集団的自衛権の行使は認めない」という政府解釈が防波堤となっていました。
それが安倍政権になって取り払われた時、「自衛」の名目で何が行われるのか、
北朝鮮への軍事対応になった時、それはもう普通の「戦争」と変わらないように思えます。
安倍政権が北朝鮮に対する軍事的選択肢を排除していないということは、
上記のような展開になる可能性があるということですから、
国民は真剣に安保体制がどうあるべきか、今回の選挙で考えなければなりません。
実際に戦線が拡大し、自衛隊・国民に甚大な被害が出てから、
「こんなことになるとは思っていなかった!?」とならないように、賢明な判断が必要です。


◆政治ネタ 衆議院選ここまでの展開
色々な評論見てますが、一番痛烈に的を射ているのが日刊スポーツの記事だったり…
これまでの客観的な流れ=全くの同意
ガラパゴスなのはむしろ『緑のたぬき』
『緑のたぬき』はマクロンではなく、むしろルペン。

連日話題の衆議院議員選挙は、華々しく飛び出した『緑のたぬき』将軍が大幅に失速、
立憲民主党の候補者が60人超と予想以上に集まったことや、
『ICAN』のノーベル平和賞受賞で政府に逆風、市民団体勢力に追い風となり、
選挙が終わってみたら、「排除」した側の小池労働党よりも、
「排除」された側の立憲民主党の方が議席を取る可能性も出てきました。
ただ、その場合は、与党支持者の批判票が割れなかったことになるので、
自公の単独過半数は守られてしまうかもしれません。
そこら辺、ギリギリの攻防という印象、今後の選挙戦次第でしょうね。

小池労働党から選挙公約が発表されましたが、どれも抽象的・人気取り的なものが多く、
ベーシックインカムや内部留保への課税はどちらかと言えば、リベラル的政策、
「ユリノミクス」は結局「アベノミクス」の追認でしかなく、批判ではありません。
要は自分の関心のある分野(憲法改正と安保)ではリベラルを排除しといて、
自分の関心のない分野(経済や労働政策)ではリベラルでも構わないということなのか…?
こんな公約掲げるなら、リベラル系を排除する意味なんてなかったのでは?

それに加えて、メディアで石破氏や野田聖子氏を「お友達」と称するようでは…
つまり、「お友達」だから「仲間」の候補者を立てなかったということですか?
安倍政権の「お友達内閣」「お友達ファースト」を批判できないじゃありませんか。
「政権選択選挙」なのに、自民候補者の一部と公明候補者に対抗馬がいない摩訶不思議。
「民進党ブーメラン」と揶揄された以上の、「小池ブーメラン」が炸裂しそうな勢いです(苦笑)


◆政治ネタ(追記分) 立憲民主党の比例候補に元広島市長の秋葉忠利氏
広島市長時代に「ヒロシマの日」に痛烈な政府批判を繰り広げていたのが印象深いです。
最近は長崎の方が辛辣になってきてますがねー

『ICAN』がノーベル平和賞を受賞したわりには、
核兵器禁止条約に対する話題がいまひとつ盛り上がっていないのは不満でした。
党首討論でも共産党が少し触れたぐらいで、なかなか話題にも挙がらない…
その流れの中で、立憲民主党から秋葉氏の名前が出てきたのは凄く嬉しく思います。

安倍総理の掲げる憲法9条の改正=3項の追加「自衛隊と文民統制の明記」に対して、
9条の改正いいじゃありませんか、
3項に「いかなる場合でも核兵器を永久に放棄する。また、核廃絶に不断の努力を行う」の
どちらが9条3項に相応しいのか、国民投票で決めれば良いじゃないですか。
憲法は国民と政府の約束、今こそ核廃絶を政府に約束させる時でしょう。

自衛隊の明記が必要なのか、核廃絶の明記が必要なのか、
是非とも国民に問いてもらいたいですね。


◆プロ野球ネタ 戦力外・引退の季節…
プロ野球は優勝チームが決定し、各チームの順位も決まってくると、
球界を去る人にフォーカスが当たってしまう季節となります。
今年、引退する一番の大物選手というと、ロッテの井口選手でしょうが、
次期監督候補として名前が挙がっているだけに、あまりしんみりした気持ちにならないのが不思議。
ライオンズファンとしては、巨人で引退する片岡選手が寂しく思えます。
移籍後は満足な活躍ができなかったのが残念ですね…
もっとも、ライオンズ出た時からその可能性は半分くらい感じてましたけど…
球団に残っていれば、チームリーダーとして幹部候補生として活躍できただろうにと考えると残念です。

そのライオンズを去るのは、渡辺直人選手、上本選手、大崎選手、鬼崎選手、木村昇吾選手、
岩尾投手に佐藤勇投手の計7人。
巨人にFA移籍した片岡選手に代って、内野のチームリーダーとなったのが渡辺直人選手でした。
ベンチでは選手を叱咤激励し、試合ではスーパーサブとして、
主力の欠場時や代打・守備固めとして広く活躍し、チームになくてはならない存在となりました。
鬼崎選手や木村昇吾選手のうち、誰かはチームに残すと思ったのですが、
今や中村剛也選手やメヒア選手、栗山選手でさえ、ベンチスタートという試合も多くなったので、
中堅・ベテラン勢がまとめて出されることになってしまいました…
世代交代が進んだ証拠であるとはいえ、寂しい気持ちもありますね…

上本選手も岡田選手の成長に押し出された形、
大崎選手は代打の切り札として活躍しましたが、近年は1軍での出番がほとんどなし、
岩尾投手と佐藤勇投手は期待をかけられながらも結果を残すことができませんでした。
成績的には妥当なところではありますが、やっぱり寂しい気持ちを感じずにはいられません。

これからチームはクライマックスシリーズを戦うことになりますが、
勝ち抜いた先の福岡でのソフトバンク戦の相性を考えると、少しげんなりした気持ちになります…
まぁ、ただ、失うものは何もないので、まずは楽天と白熱した戦いで勝利し、
勢いをもってソフトバンクと戦い、福岡での呪縛を解き放ってもらいたいです。
菊池雄星投手がソフトバンクに勝てば、勝機はあると思います。
最後まで頑張ってもらいたいですね。

2017年10月05日

赤い狐と緑の狸(+ワカメ)

結果は緑のタヌキの完勝でした。天ぷらとお揚げでは勝負にならなかったよorz
(涙目の)赤いキツネは名を捨てて実を取ろうとしましたが、見事に失敗。
何故か後ろに立っていたワカメラーメンはしてやったりって所でしょうか。
全く中身がなかったわりに、今回の合流劇を象徴する一枚絵でした(苦笑)

民進党の解党決定時に、一部で「民進党乗っ取り説」を唱えるメディアがありましたが、
前原代表の性格を考えれば、それはないだろうと思ってはいましたが、
考えてみると、民進党内部にはみんなの党や(旧)維新の党出身のお家騒動経験者が多く、
そういう権謀術数を経験した議員が前原代表に助言を与えた可能性も否定できません。
「名を捨てて実を取る」、この「実」が「希望の党の実権」であるならば、
これまでの流れは、無所属ではなく新党を結成した枝野氏の動き以外は、
「想定の範囲内」だったと言えることもできます。

その『赤いきつね』が、今日、小池都知事と会談したのは、
表面的には小池都知事に出馬のお願いをしに行ったように思えますが、
今の情勢で小池都知事が出馬するとは本当の所は前原代表も考えていないわけで、
小池都知事が最初に維新の党を例示したのは、
前原代表の方から維新の党を例示して、共同代表を立てるように言ったからでしょう。
あわよくば、自分がと期待し、それが無理なら民進党出身者で、という腹積もり、
それが成れば、民進党出身者が圧倒的多数を誇るので、
選挙後に希望の党を乗っとることも不可能ではないと考えていたのかもしれません。

一方の『緑のたぬき』からすれば、仮に民進党内にそういう動きがあったとしても、
前原代表程度は取るに足らないと考えており、その点では無頓着です。
一番民進党内部の動きを警戒しているのは、『ワカメ』こと若狭議員でしょう。
自分が『緑のたぬき』の一番の側近という自負がある『ワカメ』は、
なんとしても民進党出身者に主導権を渡したくない、
渡さなければ自分が重職にありつけると考えているわけです。
そんな『ワカメ』の動きが、新党協議時に民進党離党者に嫌われて話が進まず、
『緑のたぬき』がリセットすることで、ようやく新党結成が可能になったわけです。
『赤いきつね』もそこに合流する決意をしたことで、
『ワカメ』の民進党への警戒心はさらに強まり、
それが「排除リスト」の公表や、日曜朝の一次候補47人の先行発表宣言に繋がり、
さらなる候補者調整の難航、そして一部決裂が枝野氏への離党に繋がったのでしょう。
今日の前原代表の会見でも、枝野氏らの選挙区で候補者調整が対立していたことを明らかにしていて、
『ワカメ』が最後まで譲らなかったことが、
枝野氏らの「話が違う」という離反に繋がったことは間違いないと思われます。

そういった『ワカメ』の強い警戒感に、『緑のたぬき』も多少警戒心を強め、
今日の会談でも敢えて共同代表や総理候補を明らかにせず、
『赤いきつね』が期待するような返答は何もしなかったと考えられます。


◆政治ネタ 『緑のたぬき』が想定している総理候補は?=公明党代表?
それでは、『緑のたぬき』の中で、誰が総理候補なのかと言えば、
一番最初に名前を挙げた「公明党・山口代表」なのだと思います。
今日の会見でも、維新の会の例示の後に村山内閣の話を持ち出してきており、
それは反目する勢力であっても手を結んで首相候補になり得るという意味であると同時に、
少数政党から首相候補を出しても構わないという意味にも取れます
(当時、反自民の野党共闘内閣によって細川連立政権が誕生したものの、
 羽田内閣時に連立の最大勢力だった旧社会党が離反、自民党との連立政権が誕生した)。
現在の政治状況で、その位置に近いのが「公明党」です。
もっとも、『緑のたぬき』が公明党を引っこ抜こうとしているのか、
逆に自分がそちらに擦り寄っていくつもりなのか、それは選挙結果次第でしょうが、
自分にとって最も都合の良い人物を考えると、公明党の代表しか考えられません。

世間的には、自民党の石破氏や野田氏ら反安倍勢力を推すと予想されていますが、
自民党の場合は政権内クーデーターがよく起こるという問題があります。
『緑のたぬき』が総理を狙うのは東京オリンピック以降でしょうから、
これから3年の間、その政権が安定するという必然性はまるでありません。
そう考えると、党首がめったに変わらない公明党というのは非常に都合が良くなります。
ある意味、人間がもっとも本音が出やすいのは気分の良い時、
新党を結成して「してやったり」と思った、その夜に名前を挙げた公明党代表は、
あながちリップサービスや嘘と言えない面もあります。
今回の選挙区調整で公明党の怒りも削がれつつありますし、
安倍政権に対してはともかく、公明党に擦り寄っていく可能性はより高まるのではないでしょうか。

そうすると、小池労働党のターゲットは、
自民党支持層の反安倍票、
創価学会の女性票、
無党派層のうち政治がよく分からない浮動層(特に女性なら誰でもいいや的な女性)、ですかね?
…もっとも、無党派層は先日の逆風でどう変わってくるかは分かりませんが…
それと民進党の合流が吉と出るか凶と出るか(間違いなく凶にしかならんけど)…


◆政治ネタ 小池労働党の共同代表は誰?=中山恭子参議院議員?
首班指名を誰にするのかというのは、
確かに「選挙後に考える」という言い分も通らないわけでもありません。
現に維新の党は松井大阪府知事と片山参議院議員で、どちらも総理にはなれません。
とはいえ、「単独過半数を目指す」と言っている政党が、
総理候補を決めないというのも明らかに矛盾しています。
まぁ、それでも今と同じくのらりくらりと交わし続け、
首班指名は最後まで明言しないんでしょうけどねー。

それでも党首討論に参加する国会議員の代表は決めなければならず、
首班指名を自由に行うために、参議院議員を選んでくると思われます。
となれば、該当者は日本のこころ出身の中山恭子参議院議員でしょう。
問題は、『緑のたぬき』の腹のうちではそう決まっていても、
中山議員の方が固辞している可能性です。
民進党合流決定時に、夫である中山成彬氏が「安倍政権交代は許されない」とか、
民進党議員の合流を痛烈に批判しています。
現に、旦那の方はまだ公認候補と立てられていませんし、
民進党合流以降の2人の関係がどうなっているのか、定かではありません。
最終的に旦那を公認発表した後に、共同代表として発表するのか、
どうしても固辞される場合は、日曜の党首討論に代理で出てもらい、
なし崩し的に代表に据える、という可能性もあるかもしれません。

『緑のたぬき』自身は討論に弱い傾向にあり、
そういう意味では中山恭子議員を立てた方が自公の追及を交わすことができ、
のらりくらりと切り抜けられる可能性があります。
そういった討論の弱さが、安倍総理には勝てても、政策通の岸田氏に勝つ見込みがない理由なんですが…

まぁ、でも、都民ファーストの都議2人が離党したように、
組織作りは下手くそと言いますか、まるで誰も信用していませんよねぇ…
口では民進党出身議員を「仲間」と言いつつ、相談相手からは「排除」、
初期メンバー=譜代大名、民進党合流組=外様大名な、「封建制」を平然と言えちゃう頭が凄い。
公明党への配慮や自民党内の非主流派への配慮など、
自身は「柵(しがらみ)」だらけというのは、傍から見ていて笑えます(苦笑)


◆政治ネタ 『緑のたぬき』の狙いは?=×細川連立政権 〇村山連立政権
いずれにせよ、『緑のたぬき』の頭の中では、
当初想定された「細川連立政権」時のような野党共闘による政権交代は眼中になく、
自民党を削っての与党過半数割れに追い込んだ上で、
自民党と拮抗しているのならば、公明党を抱き込んでの政権交代、
そこまで議席を伸ばせなかったのならば、安倍政権を交代させた上での自公維大連立狙い、
イメージ的には「村山連立政権」時の政権交代に近いように思えます。

そこら辺の選挙戦略がはっきりしてきたのではないでしょうか。
保守の二大政党狙いではありますが、常に政権交代が起こる形ではありません。
当初期待された「自公政権を倒しての二大政党制の確立」とは、
程遠い結果となったのは間違いありません。


これだけ党利党略、権謀術数を見せつけられると、「政治家」として誰を選ぶのかではなく、
「人」として誰が信頼できるのか、という選挙になってくるように思えます。
例えば、権力者に気に入られようと「忖度(そんたく)」ばかりのYESマンとか、
選挙に勝つためには政党や理念・信条をコロコロ変える風見鶏とか、
自分に従わない人間には「刺客」を送るぞと脅す脅迫者だとか、
ガバガバ金を使うのもアレですが、写真撮影に3万円取ったりするがめつい奴とか、
そういう政治家として以前に、人間としてダメ・好ましくない人間には票を入れてはならず、
信念を曲げない気骨のある政治家を支持したいものです。

2017年10月04日

「朝鮮出兵」

カンニング竹山氏の小池都知事評が的を射ていたように、小池旋風は収束の気配ですから、
小池人民共和国の希望労働党の「緑のたぬき」将軍様の話はもう十分でしょうね。
たぬきが何を言おうと「二枚舌」としか思えませんし、
希望労働党の候補者が何を叫ぼうとも、どうせ「将軍様にリセットされるんでしょ」でオワリ。
何が悲しくてロボットに投票しないといかんのか。早く人間になってくださいね(苦笑)

今日の本題は、時系列を戻しまして、「安倍政権の解散理由」です。
「国難突破解散」、世間的には「ボク難突破解散」とか「国難はお前だ」と揶揄されてますが、
確かに私自身も解散表明直後は野党の選挙態勢が整わないうちの不意打ち解散と見ましたが、
果たして、解散の理由はそれだけだろうかと考えると、やはり説得力が欠けるものがあります。
森友・加計学園問題の追及を避けるためや、麻生副総理に騙されたとか、どれも消極的な理由ばかり。
いくら空気の読めない総理といえども、目標が「自公連立過半数」という最低限のハードルにするのは、
議席が減るのは覚悟の上でということ、ならば、それなりの理由、積極的な理由があるはずです。
自民党の選挙公約では、解散理由の消費税の使い道変更の優先順位が下がったうえ、
超高齢社会はどこに消えたの?という感じで、やはりこれらは後付けの理由だったのでしょう。
本命は「北朝鮮問題」にあることは間違いないです。

解散表明の会見でも「北朝鮮問題」は触れられていましたが、果たしてこれが争点になるのか否か。
幾らなんでも、この情勢の中で、韓国の「太陽政策」で行こうと主張する政党はありません。
少なくとも、「経済的圧力」に止まる限りは、北朝鮮に対する「圧力」姿勢は支持するはず。
ですから、本来、北朝鮮対応に差は生じず、争点になり得ないはずなんです。

それでも、敢えて「北朝鮮問題」を持ってきたのは、主要争点以外に狙いがあるからでしょう。
今までも選挙では「アベノミクス」と叫びながらも、選挙で信任されたことを理由にして、
「安保法制改正」や「特定秘密保護法」といった国民評価の低い法案を強行採決してきました。
つまり、今回も「北朝鮮問題」を陰にして、何らかの法案を用意しているのは間違いありません。

ここに来て、安保法制賛成の希望労働党が誕生すると同時に、安保法制反対の民進党が解体され、
いつの間にか「安保法制は是認された」という雰囲気になってしまっています。
安倍総理はよく「憲法改正論者」だと言われますが、
安倍総理にとって「憲法改正」は手段に過ぎず、目的ではありません。
元々は自主憲法論者ですから、9条に自衛隊を明記するといった憲法改正は意味がありません
安倍総理の目的は「日本を普通の国家にすること=戦争ができる国家にすること」なので、
ある意味で、北朝鮮問題は「渡りに船」、国民に危機感を煽る最大のチャンスだと言えます。

そこで考えられるのが、日本に核ミサイルが撃たれてしまう前に、
自衛のためにアメリカと共に先制攻撃が許されるという、事実上の「朝鮮出兵」です。
アメリカが北朝鮮に対して軍事行動に移った時、
日本が後方支援だけでなく、前線に立つ、そういう論法を考えているのではないでしょうか。
国連でのアメリカと共に今でも軍事行動を起こしそうな強気な姿勢・発言を見ていると、
その可能性は全くないと否定することはできません。
本来、日本は軍事的圧力を持たないのですから、圧力一辺倒で行くのは不可能なはずなのに、
その姿勢を曲げないというのは、軍事的圧力の選択肢を考えていなければできないことです
(とはいえ、本当は憲法9条で「武力による威嚇」を永久に放棄しているわけですが…)。

戦前の日本も「自衛」の名の下に侵略行為を犯してしまいましたし、
今の北朝鮮も「自衛」の名の下でミサイル発射・核開発を進めています。
今後、安倍政権が「自衛」の名の下に「朝鮮出兵」を行う可能性も十分あり得ると言えましょう。
安保容認・抑止力強化が叫ばれる今こそ、日本を「普通の国=戦争可能な国」にするチャンスと考えるはず。
このタイミングで選挙を行ったのも、北朝鮮問題に対する軍事的な準備を進めているということ、
それが今選挙をやらなければならない最大の理由のように思えます。

安倍政権には過去何度となく国民が騙されているだけに、
今度こそ選挙の時には「聞いてなかった」と言って後の祭りにならないように、
有権者が安倍政権の本当の狙いを「忖度」して、一票を投じてもらいたいと思います。
あらゆる意味で、日本のターニングポイントに来ていることは間違いありません。


◆政治ネタ 「寛容な改革保守」-「寛容な」=「極右政党」?
希望労働党の緑のたぬき将軍様が設立会見の時に「寛容な改革保守」政党を目指すと言ってましたが、
既にその時から言われていることですが、この3つの概念は、本来、それぞれ別々の考え方を指します。
「寛容な」=リベラル、「改革」=左派、「保守」右派の3つのグループを指すこともあって、
当初国民が広く野党再編を行って政権打倒を目指す政党と勘違いするのも無理からぬことでした。

それが民進党の合流決定以降、「リベラル派はお断り」としたことで、
「寛容な改革」がごっそりと抜け落ちてしまうことになりました。
となると、「改革」は左派を指すのではなく、程度の問題「ドラスティック」を意味すると考えられ、
「ドラスティックな保守政党」=「極右政党」となってしまいます。
アメリカのトランプ大統領やフランスのルペン旋風のような「極右勢力の台頭」と同じ流れに見るのも、
的外れだとは言えないように思えます。

国民が小池旋風から目を覚ますきっかけとなった「排除の論理」、
今は民進党議員にだけ向けられていますが、
それが一般国民に「排除」の矛先が向いた時、日本でも「極右政党」が誕生した、と言えましょう。

たぬき将軍様の考え方自体は極右ですが、政策的にはまだ極右になっている雰囲気はありませんが…
最も極右に走る可能性が高い、排除の論理を繰り出す可能性が高いのは、「
地方自治」における「地方の排除」でしょうね。
地方交付税の廃止・自治体の自主財源を叫びだしたら、要注意です。
そういう意味では、「三都物語」はかなりギリギリな線、
まだ都市から日本を盛り上げるというプラス面しか言ってないのでセーフですが、
発想的には都市優遇地方切捨てになりかねないだけにギリギリラインです。
…まぁ、ライン超えるのは時間の問題だと思いますけどねぇ…
そういう意味でも監視の目を怠ることはできません。
将軍様の核開発並みの監視体制が必要ですね(苦笑)

2017年10月03日

「絶望の党」

一体、「希望の党」は誰のための政党なんでしょうか?
いやいや、小池東京都知事のための政党だということは確実なんですが(苦笑)
有権者におけるターゲットは何処なのか? どんな支持層を狙っているのか、さっぱり分かりません。

当初は、都議選と同じく安倍政権への批判票(自民党支持層の一部)を取り込む予定が、
民進党との合流話によって(リベラル派を選別しても)候補者の多くが民進党出身者ですから、
自民党支持層からすれば「看板の架け替え」に他ならず、
安倍政権への批判票を取り込めるかと考えると、甚だ疑問です
(そもそも、選挙終わったら大半の民進党出身者が離党しそうですし…)。

…かといって、民進党支持層が骨抜きにされた希望の党の立候補者をそのまま支持するかと言えば、
そちらも甚だ疑問があり、憲法改正と安保法制への抵抗感・不安は根強いものがあります。
支持団体の連合も各県・各団体に任せる方針のようですし、まとまった組織支援は結局得られず。
連合が民進出身議員以外を応援することは、ほぼあり得ない情勢です。

残るは無党派層ですが、土日に表面化した「選別」と「政権交代への消極的姿勢」が、
それまで吹いていた小池旋風の風を止ませ、
共産党の指摘する「自民党への補完勢力」という見方の方が強くなり始めており、
期待された小池旋風も止み始めているように見えます。

さらに、ここに来て政策協定書の内容が波紋を呼んでいて、結局は「金か」という雰囲気…、
協定書の内容も曖昧、かつ、後で何とでも言えるような詐欺師まがいの内容であったために、
それに対して涙を呑んで署名した議員は、アホじゃねーのと思ってしまうほど…
小池都知事に騙された前原代表、涙を呑んで署名させられた希望の党公認の民進党議員、
なるほど、自分ではしっかりしているつもりでもオレオレ詐欺に引っかかる理由が分かります(苦笑)

小池都知事の狙いも、前原代表が言ったような「二大政党制の実現」ではなく、
自民党との大連立狙い(今の維新の会の立ち位置)であることが明らかになってきましたし、
結果から言えば、野党共闘をぶち壊した上に、民進党を分裂させて、
ワンマン社長が務める第二自民党を作っただけ、というのが客観的な構図です。
そりゃ裏で自民党と繋がってるんじゃないの?という陰謀論を言われても仕方ない感じですよねぇ…
(さすがに、そこまで計算してるとは思えませんが)
これではまさに「緑のたぬき(キツネかと思ったら狸だった)」、小池人民共和国の誕生です(苦笑)
結局、国民が期待し過ぎた感は否めず、小池旋風も事実上の終焉です。
二枚舌のペテン師であることが永田町以外の世間一般に明らかにされただけ。
次の次なんて、もうないですよ? これでジ・エンド。

一方の騙された民進党の議員にとっては、「退くも地獄、進むも地獄」となってしまいました。
選挙に強ければ無所属で当選して様子見も可能でしょうが、立憲民主党で勝てるかどうかも分からず。
希望の党に進んだ民進党議員は有権者の洗礼を浴びざるを得ず、その「変節」をどうやって説明するのか、
選挙の洗礼を乗り越えたとしても、待っているのは小池氏の奴隷生活、ドMじゃなきゃ耐えられん(w
選挙では物を言わなきゃいけない、でも議員になれば物を言えなくなる、
それで良いのなら頑張ってくださいという感じですが、とても応援する気にはなれません…

今や希望の党は民進党議員にとっての「絶望の党」になっています。
まぁ、これが国民に対する「禊」ということで、ここを勝ち抜いた強い議員が、
真の二大政党制を実現する新政党を作ってもらいたいです。
もう残る楽しみは、解散からこの一連の流れに対する池上無双だけですね(笑)


◆政治ネタ 民進党解散の実態~希望の党に二大政党制を実現する考えはあるのか?~
まぁ、ほぼ予想通りだったように思われます。
インタビューで枝野氏は「全員が行けるほど甘くない」と考えていたようですし、
前原代表の方も「リベラル派はいけないかもしれない」と分かっていたような感じです。
ただ、両者と連合にとって誤算だったのは、
希望の党側がリベラル派に対抗馬を立てたこと、でしょう。

前原代表は枝野氏に「無所属なら対抗馬は立てない」と引き留めたようですが、
希望の党の細野氏は「そんなことは言っていない」と明言しています。
つまり、嘘を吐いたのは小池都知事で、立憲民主党を作ったから対抗馬を立てたのではなく、
対抗馬が立ったから枝野氏は約束が違うと立憲民主党を作った、のだと思います。
対抗馬を立てるということは、分裂選挙が決定的になるわけで、
支援する連合としてはどちらを応援して良いのか分からなくなるだけに「話が違う」となる。
分裂選挙になるということは、政権批判票が分散し、政権与党打倒が遠のくわけで、
希望の党側は最初から前原代表が考えていた「二大政党制の実現」は考えてなかったと思われます。

二大政党制の実現を本気で考えているのなら、「排除の論理」といった乱暴な形は取らず、
政策的違いから入党を断ることはあっても、
選挙協力ないしは対抗馬を立てるなどして喰い合いを起こさないように調整したはずです。
それをしなかったということは、本気ではない、建前の論理だったということです。

批判の多い希望の党の「政策協定書」の中で、
私が気になっているのは金持ってこいの⑨ではなく、最後の⑩の部分です。
「選挙期間が終了するまで、希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わないこと。」
現状では維新の会と東京と大阪それぞれに候補者を立てないという不可侵条約しか結ばれておらず、
民進党出身議員が維新の会を批判する必要性はありません。
希望の党の独自候補に含めて維新出身の政治家もいるので、そちらを念頭に置いたのかもしれませんが、
それこそ原発ゼロ以上に「わざわざ政策協定書に書くまでもない事柄」です。
つまり、これをわざわざ書いたということは、
今後、批判覚悟で選挙協力を行う政党があるかもしれない、ということです。
例えば、自民・公明の政権与党。
既に自民に対しては候補者を立てたことになるので、現実的にはあり得ませんが、
公明党に対しては候補者の擁立を避けたこともあって、選挙協力が成る可能性はあります。
そもそもにおいて、維新の会とのそれも選挙協力とは言い難いものであるだけに、
「総理大臣指名は自民党議員にする」と発言しただけでも、選挙協力であると解釈できるかもしれません。

未だに希望の党が立場を鮮明にしていないのは、本気で単独過半数を取れると思っていない証拠で、
選挙後の連立協議で自分達に優位に話を進めようとしていることの現れです。
つまり、その政治的スタンス・立場は、維新の会に極めて近いもので、
松井大阪府知事が選挙後の自公連立参加に含みを見せたように、
小池東京都知事もまた選挙後の自公連立参加に含みを持たせているように思えます。
つまりは、二大政党制になる見込みはない、ということです。

2017年10月02日

「失望の党」

自分が思っていた以上に、希望の党に対する失望が広がっている印象ですね…
一言で言えば、希望の党は「やりすぎ」ました。
小池東京都知事の中で、「安倍不人気<民進党不人気」と民意を考えていたのかもしれませんが、
安倍政権の支持者と民進党不人気の人はほぼ確実に=であるのに対し、
安倍政権の不支持者における民進党不人気層は圧倒的に少なかった可能性があります。

野党転落以降、いや民主党の政権交代以降、全く国民に届かなかった民進党の声が、
最後の最後で前原代表の「二大政党制を実現しよう」という声が国民に届いてしまったわけです。
ある意味、だらしない野党第一党の民進党を小池東京都知事が叩き直し、
安倍政権を倒してくれる、それを国民は期待したのだと思います。
ところが、土曜日の「三都物語」での政権交代に対する消極的な姿勢、
日曜日朝の「排除リスト」の衝撃、若狭氏のTV番組での「政権を取りに行くのは次の次」発言、
国民を高揚させた前原代表の「二大政党制の実現」とは程遠いトーンダウンに対し、
国民は期待を持って見つめていた分、失望が広がってしまったのだと思われます。

小池都知事とすれば、第二の民進党と言われないためにも「選別」は当然と考えましたが、
その「選別」をどのように、誰が行うのかが問題だったと思います。
それが本物かどうかは分からないにせよ、「排除リスト」のようなものが出回り、
「選別」前に結果が分かっている状況に、国民は自らの置かれている不条理に重ねてしまいました。
面接を行う前に、政治信条を理由に弾かれてしまった、そういう不条理さと重なってしまっただけでなく、
その「排除リスト」にはお題目としたリベラル系の排除以外にも、
消費税増税を決めた野田元総理や岡田氏、むしろ保守系の安住氏も排除していたりしていたため、
明らかにリベラルとは異なる「審査基準」に対して、結局は好き嫌いで選んでいるのではないか、
それは安倍政権の行っている「お友達優遇」「金持ち優遇」と何ら変わらないではないかという疑念を抱き、
ついには希望の党は政権を取りに行くつもりもないのではないか、と失望が広がったように思えます。

もし、仮に、即座に排除リストを否定し、「選別」ではなく「試験」だと柔らかい言い回しに変えて、
若狭氏が「政権を取りに行く」と明言していたら、希望の党に吹いていた風は止まらなかったと思います。
今日の一次公認リスト発表でどういうフォローがなされるのか。
逆に今朝の報道では10個の協定書を突き付けるなど、軟化の兆しは見えないだけに、
特に地方出身議員を中心に離反の流れは強まるかもしれません。

支持母体の連合がどういう方針を打ち出すかは分かりませんが、
既に静岡県では細野氏ら希望の党所属候補者の推薦を取り止めており、
民進党所属議員の応援に集中しそうな感じです。
おそらく、各連合支部に支援を任せるという形にせざるを得ないと思われるので、
東京・愛知といった大都市圏はともかく、
地方においては希望の党より無所属で出た方が得、という可能性は高まりそうです。


◆政治ネタ 迷走する「希望の党」翻弄される「民進党」(元記事そのまま)
今、何が起きているのかは、正確な情報がないので何とも言えませんが、
民進党の支持母体である連合の立場から考えると、予想はできます。

鍵を握るのは、9月26日に行われたという、
小池東京都知事と前原民進党代表、連合の神津会長の三者会談です。
おそらく、その場でも小池都知事は民進党全員の受け入れ自体は拒否し、
前原代表もリベラル派が切られることは仕方ないと腹を括ったものの、
連合として一番困るのは「誰を応援すればよいか」が分からなくなることなので、
入党できなかった民進党員にも推薦や選挙協力を行うこと、ないしは、
最低でも対立候補を擁立しないことを約束していたはずです。

しかし、実際には、土曜の夜に維新の会との不可侵協定が結ばれたことで、
大阪の民進党は完全に切り捨てられてしまい、
日曜の朝には希望の党の「一次公認リスト」なるものが出回り、
現職の民進党議員は1人も公認されていない47人の名前が挙がりました。
そこには枝野氏を始めとして、対立候補が多数立てられていて、
これに対して連合は「話が違う」と激怒に至ったと思われます。

さらに追い打ちをかけたのが、若狭議員のNHK『日曜討論』での発言で、
「政権を取りに行くのは次の次」とバカ正直な発言をしてしまい、
これによって民進党が掲げた「二大政党制の実現」という解党大義が失われてしまいました。
完全に疑心暗鬼に陥った民進党側は、公認を貰えずに推薦で終わるのではと疑い出し、
リベラル系議員以外も大混乱に陥り始めたように思われます。


希望の党と民進党の両党に共通するのは、上下のコミュニケーション不足。
民進党・前原代表は最初から「全員が公認を受けられるよう努力する」としており、
全員が希望の党に行けるとは一切明言していません。
当初からリベラル系議員が拒否されることは分かっていたものの、
民進党の埋没によって党全体が議席を失うことを考えれば、致し方なしと考え、
紛糾しないように、できるだけ言葉を濁して党大会で説明した印象はあります。

一方の希望の党でも、小池都知事と若狭議員の考え方が一致してない可能性があります。
選挙に勝つためなら多少の政策の違いには目を瞑るものの、
第二の民進党という有権者の誹りや、党内決定に従わない民進党の伝統は改めたかったので、
一定の試験を課した上で受け入れようと小池都知事は考えていたと思われますが、
若狭議員は民進党側に主導権を取られることを恐れ、
原理原則に従って民進党議員を次々と弾いてしまい、交渉がまとまらなくなったのでしょう。

そもそも、国政は若狭議員に任せると言っていた小池都知事が、
若狭議員らの新党の動きを「リセット」せざるを得なかったのも、
若狭議員と民進党離党組の意思疎通が図れなかったことが原因だと思われます。
小池都知事としては、そこで一度、若狭議員に「失格」の烙印を押しつつも、
都知事選以降の恩義もあるので、民進党合流の交渉役という名誉挽回のチャンスを与えましたが、
結局、それを若狭議員は生かせないどころか、TV番組で不用意な発言をしてしまったことで、
国民から見て希望の党が何を目指す政党なのかが分からなくなってしまい、
これまで吹いていた追い風が止み、逆風も感じ始めるなど、さらなる不興を買ったと言えましょう。

とにかく、若狭議員は小池都知事と異なって政治センスが全く感じられません。
当初は公明党の元代表にも対抗馬を立てるという話だったようですし、
流出した第一次公認予定者の名簿が公表を予定していたものと同一だとは限りませんが、
人数的には一致するだけに、意図的に民進党議員はハブにされたと思われても仕方ないです。
言わば、彼は「原理主義者」、まとまる話もまとまらないタイプで、交渉役には不向きです。

今後、民進党との連携協議がどうなるのか分かりません。
連合が希望の党の応援を止めて、枝野新党の方を支持することもあるでしょうし、
両方を応援する姿勢で、具体的には各連合支部に判断を任せることもあり得るでしょう。
その動き次第で希望の党に公認申請を求めている中道議員の動きも変わるわけで、
このままスンナリと終わらない感じはありますねぇ…

そもそも、小池劇場にしては具体的な「敵」の姿が見えてこないのが気がかり。
前原代表のように、「自民党政治」や「安倍政権」への対決姿勢をはっきりと表明しておらず。
「敵」が見えない小池劇場では支持は伸びません。

2017年10月01日

暗雲が漂う野党再編

当初は「希望の党」の登場で一気に野党再編が進むかと思われましたが…
民進党の事実上の解党宣言をピークに、暗雲が漂い始めています。
気になるのは、未だに希望の党が政権の枠組みを提示していないことでしょう。
小池東京都知事が「政権選択選挙になる」とは発言していますが、
だからといって「安倍政権・自民党政治を終わらさせる」とも言っておらず、
民進党・前原代表のような二大政党制を目指すという強い意志は伝わってきていません。

中には日本のこころ出身の中山成彬氏が「安倍首相の交代は許されない」と発言したり、
民進党リベラル派の選別によって民進党の事実上の分裂が決定的になったり、
IR推進法や特定秘密保護法で自民党と連携をしてきた維新の会とは不可侵協定に止まる等、
「希望の党」の立ち位置が果たしてどうなるのかが見えなくなってきました。
国民やマスコミ、民進党・前原代表らが期待していたような「安倍政権への対抗勢力」なのか、
維新の会のように、与党と連携しながら政策の実現を行う「閣外協力隊」なのか、
現時点ではどちらの顔も持っており、何とも言えない不思議な雰囲気になってきました…

野党としての一致した目標は、「自公政権の過半数割れ」なのは間違いなく、
仮にその目標が達成できたとして、共産以外の野党連立で政権を取りに行くのか、
それとも自民党と連携して、自公・維新の会・希望の党で連立を組みに行くのか、
そのビジョンが全くもって見えなくなってきています。
私自身も当初は期待を込めて前者の流れなのかなと思っていましたが、
維新の会との連携話が思ったほど進展しなかったことで、後者の流れにも思えてきます
(単に表明していないだけで密約がある可能性は否定できませんが…)。
それはもはや、野党としての立ち位置が定まっていると言えるのかどうか
(それは維新の会にも全く同じことが言えるわけですが)。
共産党の指摘する「自民党の補完勢力」に終わるのではないかという危惧が強まっています。

そもそも、小池東京都知事の当初の狙いはどこにあったのか。
自身は都政に集中すると言っていることからも、今回は国政への足掛かり程度の感覚でしかなく、
東京オリンピックを成功させるなど、都知事の任期4年を終えた上で、
自身も国政へ進出して総理の座を狙う、といった予定だったのかもしれません。
それが臨時国会冒頭解散を含めた安倍政権の政治対応に対する不満の爆発から、
国民やマスコミが小池都知事に過剰な期待を掛けた上に、
民進党も二大政党制を大義にその流れを決定的なものにしようとしたことで、
小池都知事自身に変な色気が出始たのか、国政復帰を匂わすトーンも一時はあったものの、
今はそこから少しトーンダウンして、当初の目標に戻りつつあるようにも見えます。
華々しく掲げた「原発ゼロ」の掛け声も、今になっては完全にトーンダウン…
結局、「希望の党」は今後どういう立ち位置で政治を行っていくつもりなのか、
それが見えなくなっているだけに、改めてそれを国民に説明して欲しいです。

もし、小池都知事に二大政党制を目指す気などサラサラ無いということになれば、
民進党・前原代表は大きく早合点してしまったということになってしまいます。
前原氏の頭の良さは認めるところなんですが…それ故に、早合点して失敗した過去が幾つも…
支持母体の連合も「一杯喰わされた」的な感じに変わりつつありますし、
連合が希望の党への支援を止め、民進党リベラル派ら残る民進党勢力の支援に戻る可能性もあります。
そうなれば、希望の党へ公認を求めている中道議員が「話が違う」として、
希望の党の公認を撤回するかもしれません。
その結果として、前回の民進党代表選で危惧されたような、
枝野氏が代表になり、前原氏ら保守系議員が一斉離党して分裂するという状況に近くなるのでは…
今更、引くに引けない前原代表、時計の針を戻したい民進党リベラル派、
もはや民進党の分裂は決定的で、それ自体は国民にとっても構わないと思うのですが、
このままでは遺恨を残しそうで、ソフトランディングからハードランディングでの不時着の結果、
大義とした二大政党制には程遠い結果に終わってしまうかもしれません…


◆ニュースネタ 政治における「主義・主張」は一般人における「哲学・宗教」のようなものだ
一般人の中でも、特定の宗教を妄信する人もいますが…まぁ、政党でもそういう所ありますし(苦笑)
何が言いたいかと言えば、政治家といえども、「主義・主張」に縛られる必要はないということです
(勿論、考え方が変わった経緯を説明する必要はありますが)。
私達はそれを本能的に分かっているはずなんです。
昔ならいざ知らず、現在において共産党に投票する人が、本気で政権を取れるとは思っていません。
共産党の野党能力、批判・追及能力に期待してや、社会政策の提言を期待して投票している人が大半です。

ですから、すぐに「資本主義と共産主義」「右派と左派」「保守とリベラル」と言いがちですが、
その区別が重要なのではなく、具体的政策にどうアプローチするかが重要なんです。
共産党に関して言えば、「絶対的野党」だから。具体的政策を批判する立場を期待して投票します。
自民党に関して言えば、「政権与党」だから、ということが大きな要素になるでしょう。
実際の判断において、「主義・主張」、さらに言えば「政策」でさえも大きな判断材料にはなりません。
それは後付けの理由に過ぎず、実際に国民が判断するのは、「立場」です。政党の立ち位置です。

そういう意味では、前原代表の「二大政党制を目指す」という「立場」は極めて正しかったのです。
一方の小池都知事側の「政策で同意できるか。リベラル派排除」というのは、
主義・主張に囚われているだけで、正しくありません。
もっとも、それが単なる方便に過ぎず、「二大政党制を失敗した民主党の禊を行う」のであれば、
「二大政党制を目指す政党」として必要な行動だと理解できますが、
現時点で希望の党はそういった立ち位置を明確に示していません。

それでも「主義・主張は大事」だと主張する人もいるでしょう。
考え方の基軸として「主義・主張」は指針を示してくれますが、答えを教えてくれるわけではありません。
「政策」は政党にとって大切なものだ、と言う人もいるでしょう。
しかし、「政策」なんてものは、社会・世界の状況で変わりますし、
入ってくる情報量の違いによっても、政策判断は180度違ってきます。
今、沖縄で座り込みしている元総理がそうでしょう?
辺野古移設を打ち出しながら、最後は「抑止力」を理由に認める…情報量で政策は180度変わります。
重病人に劇薬を与えてしまえば死ぬのみで、
逆に軽い病人に痛みを和らげる程度の薬を与えたところで自然回復に期待するに止まります。
大事なのは対症療法であって、「政策」なんてものは時によって変化して当たり前です。
それが一番分かっているのは、一度政権を取ったことにある民進党自身であり、
政権与党にいた小池都知事なわけなんですが…

今の「希望の党」に必要なのは、フランス・マクロン大統領選のようなアプローチで、
主義主張よりも、政権交代を行うという意志だと思うわけです。
大事なのは「自民党に代わる政権与党になれるかどうか」であり、
共産党が批判するような「自民党の補完勢力」になってはいけないはずです。
一番大事なのはそこで、政党の立場を明確に打ち出せないようでは、
国民には何をやりたいのか全く見えて来ず、指示も広がらないように思えます。

マクロン的手法で言えば、現在にフランスにおいてマクロン大統領の支持率が急落している背景に、
マクロン大統領自身のイメージ戦略が下手で、印象を悪くしている点、
大勝したはずの議会が素人だと批判を浴びている点があります。
その点に関しては比較的問題クリアしやすい状況にあると思うので、
政党の立ち位置を明確にすることが、何よりも必要だと考えられます。


◆政治ネタ 民進党の着地点はどこになるのか?
希望の党の一次公認者が50人程だという情報もあって、
当初10人程度と見られていた公認拒否が30人以上に膨らむことが濃厚になりました。
その後で新人や元職と一緒に追加公認されるケースもあるでしょうが、
現状では半数近くが「お断り」される可能性が高く、
さすがにこれでは前原代表を含めて「話が違う」となっても仕方ない事態です。

私も民進党は消滅前にソフトランディングしたと思ったのですが、
今のままでは禍根を残すことは間違いありません。
希望の党の候補者も過半数どころか、100人程度で終わる可能性が出てくれば、
民進党・前原代表が掲げた「二大政党制の実現」「名よりも実を取る」が脆くも崩れ去ります。
「名も捨てて、実も取れない」何のための解党だったのか分からなくなります。

本来、希望の党が二大政党制を望んで勝負をかけるのならば、
希望の党を民進党議員の完全な受け皿にすることはできなくとも、
民進党リベラル派とも選挙協力や連立を視野に入れた対応が必要になるはずです。
仮に、選挙後に公明党を味方に引き入れて、維新の会とも連携できたとしても、
参議院における希望の党自身の勢力は一桁台ですから、究極のねじれ状態になってしまいます。
そういうことを考えれば、参議院の民進党議席は必要不可欠で、
リベラル派を受け入れることはできずとも、協力関係を損なうわけにはいかないはず…
なのですが…今の状況からすると、そこまで考えていないのか、必要だと思っていないのか、
そもそも政権を取るつもりがないのか…
前原代表も早合点を後悔し始めているのではないでしょうか。

とはいえ、今更「なかった」ことにできるわけもなく、
「騙された」と感じたリベラル系議員や参議院議員を中心に、
民進党の復活を考えるのは当然の流れだと思われます。
そして、その数も10人やそこらで済まない、衆議院議員で30人近くに及ぶわけですから、
連合や各民主党県連がどちらを応援するのか迷うことは確実で、
最終的には連合が希望の党の支援を打ち切る可能性も出てくると思います。
そうなれば、希望の党に公認申請をした中道議員がどう動くのか、
そのまま希望の党に骨を埋めようとするのか、
選挙は二大政党制の大義で戦った上で、当選後に話が違うとして新民主党に戻るのか、
選挙前に公認を取り消して無所属で連合・新民主党の支援を受けるのか、
今度は前原代表ではなく、彼ら自身が選択を迫られると思います。
それを乗り越えられるかどうか、各議員の力量が試されます。

その結果として、力ある新リベラル民主党ができるなら、その方が良いのではないでしょうか。
逆に早合点した前原代表ら保守系議員は行き場を失う可能性が高く、
保守系としてはリベラルを追い出したつもりが、追い出された結果になるかもしれません…
最終的には支持母体の連合次第でしょうねぇ…