「絶望の党」
一体、「希望の党」は誰のための政党なんでしょうか?
いやいや、小池東京都知事のための政党だということは確実なんですが(苦笑)
有権者におけるターゲットは何処なのか? どんな支持層を狙っているのか、さっぱり分かりません。
当初は、都議選と同じく安倍政権への批判票(自民党支持層の一部)を取り込む予定が、
民進党との合流話によって(リベラル派を選別しても)候補者の多くが民進党出身者ですから、
自民党支持層からすれば「看板の架け替え」に他ならず、
安倍政権への批判票を取り込めるかと考えると、甚だ疑問です
(そもそも、選挙終わったら大半の民進党出身者が離党しそうですし…)。
…かといって、民進党支持層が骨抜きにされた希望の党の立候補者をそのまま支持するかと言えば、
そちらも甚だ疑問があり、憲法改正と安保法制への抵抗感・不安は根強いものがあります。
支持団体の連合も各県・各団体に任せる方針のようですし、まとまった組織支援は結局得られず。
連合が民進出身議員以外を応援することは、ほぼあり得ない情勢です。
残るは無党派層ですが、土日に表面化した「選別」と「政権交代への消極的姿勢」が、
それまで吹いていた小池旋風の風を止ませ、
共産党の指摘する「自民党への補完勢力」という見方の方が強くなり始めており、
期待された小池旋風も止み始めているように見えます。
さらに、ここに来て政策協定書の内容が波紋を呼んでいて、結局は「金か」という雰囲気…、
協定書の内容も曖昧、かつ、後で何とでも言えるような詐欺師まがいの内容であったために、
それに対して涙を呑んで署名した議員は、アホじゃねーのと思ってしまうほど…
小池都知事に騙された前原代表、涙を呑んで署名させられた希望の党公認の民進党議員、
なるほど、自分ではしっかりしているつもりでもオレオレ詐欺に引っかかる理由が分かります(苦笑)
小池都知事の狙いも、前原代表が言ったような「二大政党制の実現」ではなく、
自民党との大連立狙い(今の維新の会の立ち位置)であることが明らかになってきましたし、
結果から言えば、野党共闘をぶち壊した上に、民進党を分裂させて、
ワンマン社長が務める第二自民党を作っただけ、というのが客観的な構図です。
そりゃ裏で自民党と繋がってるんじゃないの?という陰謀論を言われても仕方ない感じですよねぇ…
(さすがに、そこまで計算してるとは思えませんが)
これではまさに「緑のたぬき(キツネかと思ったら狸だった)」、小池人民共和国の誕生です(苦笑)
結局、国民が期待し過ぎた感は否めず、小池旋風も事実上の終焉です。
二枚舌のペテン師であることが永田町以外の世間一般に明らかにされただけ。
次の次なんて、もうないですよ? これでジ・エンド。
一方の騙された民進党の議員にとっては、「退くも地獄、進むも地獄」となってしまいました。
選挙に強ければ無所属で当選して様子見も可能でしょうが、立憲民主党で勝てるかどうかも分からず。
希望の党に進んだ民進党議員は有権者の洗礼を浴びざるを得ず、その「変節」をどうやって説明するのか、
選挙の洗礼を乗り越えたとしても、待っているのは小池氏の奴隷生活、ドMじゃなきゃ耐えられん(w
選挙では物を言わなきゃいけない、でも議員になれば物を言えなくなる、
それで良いのなら頑張ってくださいという感じですが、とても応援する気にはなれません…
今や希望の党は民進党議員にとっての「絶望の党」になっています。
まぁ、これが国民に対する「禊」ということで、ここを勝ち抜いた強い議員が、
真の二大政党制を実現する新政党を作ってもらいたいです。
もう残る楽しみは、解散からこの一連の流れに対する池上無双だけですね(笑)
◆政治ネタ 民進党解散の実態~希望の党に二大政党制を実現する考えはあるのか?~
まぁ、ほぼ予想通りだったように思われます。
インタビューで枝野氏は「全員が行けるほど甘くない」と考えていたようですし、
前原代表の方も「リベラル派はいけないかもしれない」と分かっていたような感じです。
ただ、両者と連合にとって誤算だったのは、
希望の党側がリベラル派に対抗馬を立てたこと、でしょう。
前原代表は枝野氏に「無所属なら対抗馬は立てない」と引き留めたようですが、
希望の党の細野氏は「そんなことは言っていない」と明言しています。
つまり、嘘を吐いたのは小池都知事で、立憲民主党を作ったから対抗馬を立てたのではなく、
対抗馬が立ったから枝野氏は約束が違うと立憲民主党を作った、のだと思います。
対抗馬を立てるということは、分裂選挙が決定的になるわけで、
支援する連合としてはどちらを応援して良いのか分からなくなるだけに「話が違う」となる。
分裂選挙になるということは、政権批判票が分散し、政権与党打倒が遠のくわけで、
希望の党側は最初から前原代表が考えていた「二大政党制の実現」は考えてなかったと思われます。
二大政党制の実現を本気で考えているのなら、「排除の論理」といった乱暴な形は取らず、
政策的違いから入党を断ることはあっても、
選挙協力ないしは対抗馬を立てるなどして喰い合いを起こさないように調整したはずです。
それをしなかったということは、本気ではない、建前の論理だったということです。
批判の多い希望の党の「政策協定書」の中で、
私が気になっているのは金持ってこいの⑨ではなく、最後の⑩の部分です。
「選挙期間が終了するまで、希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わないこと。」
現状では維新の会と東京と大阪それぞれに候補者を立てないという不可侵条約しか結ばれておらず、
民進党出身議員が維新の会を批判する必要性はありません。
希望の党の独自候補に含めて維新出身の政治家もいるので、そちらを念頭に置いたのかもしれませんが、
それこそ原発ゼロ以上に「わざわざ政策協定書に書くまでもない事柄」です。
つまり、これをわざわざ書いたということは、
今後、批判覚悟で選挙協力を行う政党があるかもしれない、ということです。
例えば、自民・公明の政権与党。
既に自民に対しては候補者を立てたことになるので、現実的にはあり得ませんが、
公明党に対しては候補者の擁立を避けたこともあって、選挙協力が成る可能性はあります。
そもそもにおいて、維新の会とのそれも選挙協力とは言い難いものであるだけに、
「総理大臣指名は自民党議員にする」と発言しただけでも、選挙協力であると解釈できるかもしれません。
未だに希望の党が立場を鮮明にしていないのは、本気で単独過半数を取れると思っていない証拠で、
選挙後の連立協議で自分達に優位に話を進めようとしていることの現れです。
つまり、その政治的スタンス・立場は、維新の会に極めて近いもので、
松井大阪府知事が選挙後の自公連立参加に含みを見せたように、
小池東京都知事もまた選挙後の自公連立参加に含みを持たせているように思えます。
つまりは、二大政党制になる見込みはない、ということです。