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2012年10月29日

日本シリーズ

プロ野球日本シリーズはジャイアンツが2連勝し、大きくリードを奪いました。
まぁ、予想通りというか、こんなものでしょう。
クライマックスシリーズ・ファイナルステージで苦しんだジャイアンツと、
糸井選手の絶好調に引っ張られてストレート勝ちした日ハムとの差でしょうね。
全体的に日ハムは振れていませんし、このまま終わる可能性は高いです。

盛り返すとすれば、札幌ドームの雰囲気がどうなるかでしょうね。
CSでは満員にならず、勝ち慣れを指摘された北海道のファンですが、
この2連敗で火が付いて応援に力が入るか、それとも2連敗で諦めムードになるか、
移転前の北海道は巨人ファンが多かった場所ですし、球場の雰囲気が勝敗を分けそうです。


◆どうでもいいネタ
女子プロ野球の記事なんですが、
「チーム侍」というチームにリリーホワイトという選手がいるそうです。
すんげー、どうでもいい話ですが。リリーブラックという人もいるのかな?


◆プロ野球ネタ 沢村賞にソフトバンク・摂津投手が選ばれる
先発完投型と言われると、疑問符を付けざるを得ないんですが、
数字的には素晴らしい結果だけに、無難な選考だったかもしれません。
…まぁ、半分近くはライオンズの貢献度なわけですが(苦笑)
今年に限って言えば、該当者なしで良かった気もします。
でも、今年の摂津投手はソフトバンクのエースになったことは確か。
その点は、多いに認めるところです。


◆プロ野球ネタ 日ハムの大谷投手の強行指名を受けて、田沢ルールを再検討
いわゆる「田沢ルール」とは、ドラフト指名を拒否してMLBと契約した場合に、
契約終了後に帰国してから2年間(高校生なら3年間)はドラフト指名を見合わせる、
という内部規則のような、紳士協定のような曖昧なルールです。

日本のプロ野球のOBからは規則強化や維持を主張する声も聞こえてきますが、
仮にこの規則が徹底されてしまいますと、独占禁止法違反の疑いが強まります。
最初に「内部規則のような、紳士協定のような」とお茶を濁したのは、
球団組織側はそれを分かっている故に、敢えて曖昧にしているわけです。
さすがにドラフト制度自体が違反しているとまでは言われないでしょうが、
この条項を理由に間接的に制度改革を求められることは十二分にありえることです。

ごく簡単にその理由を説明しますと、
独占禁止法というのは新規参入を阻止しちゃダメだよという話なのですが、
こういう形で指名凍結期間を設けてしまうと、選手の経済活動が阻害されるだけでなく、
新しい選手の流入をも阻止することに繋がってしまい、
リーグの活性化とならず、スポーツビジネスのチャンス自体が減ってしまいます。
同じ制限ルールであっても、FA制度のようなプロ選手のための制度の場合は、
選手会と球団組織間の労使交渉を通じて話し合うことができますが、
ドラフト制度のようにプロ選手としての身分を持たないアマチュア選手では、
対等な交渉能力を持たないために、不利益な契約を結ばされかねず、
相対的に保護する必要性が高まります。
つまり、「弱い立場を利用して、ハブにしていじめちゃダメだよ」と、そんな話です。

ということで、「田沢ルール」は廃止か改変をせざるを得ません。
問題があるのは帰国後の指名凍結期間なわけで、MLBとの契約後2年間とすれば、
問題の程度は著しく小さくなり、独禁法違反とまでは言われないでしょう。
報道では、ドラフト指名球団に帰国後の優先交渉権を与える案があるそうですが、
短期的にはそれで解決しても、中長期的には選手の流出を促進する結果になってしまいます。
なぜなら、日本の球団はMLB志望の選手も青田買いのようにポンポン指名してしまい、
それがドラフト指名選手に国内球団か海外挑戦かの2択を与えることに繋がり、
国内に帰る場所があるなら、若いうちは挑戦しようと思う選手が増えるのは間違いなく、
却ってMLB挑戦志望の選手を増やすだけです。
例えるなら、実家が旅館の音楽志望の若者は、後先考えずに音楽でできる、そんな話。
結果的に強行指名の是認と海外挑戦に拍車をかけるだけで、何の解決法になりえません。

そもそも、このルールは日本復帰を想定してのルールなわけで、
アメリカで骨を埋める覚悟の選手を引き止める効果が露でもあると思えません。
最近は恥も外聞もなく、簡単に日本復帰したりしてますが、
以前は一度海を渡ったら成功するまで帰らないという、
団塊の世代の集団就職のような雰囲気があったんですけどね…
そういう意味では、気品もなにもない、自分達の都合だけのルールという感じがしてしまいます。
美しくないし、味もない規則。悪法って奴ですね。

それにしても、こういう規則を作ってしまう内向きな考え方が、
若者のメジャー志向に拍車をかけていることが、老人には分からんのかね。
小せぇんだよ、考え方が。考え方が小さいから、考え方の大きいメジャーへ行くんだよ。
あらゆる意味で、「器」が小さいんですよ。そこを見透かされていることに気づけよ。
二言目には「日本のプロ野球を守るため」、もうその時点で国内しか見てないでしょ。
勝負するまでもなく、日本プロ野球は国内リーグに過ぎないわけで、
その点、中南米から多くの選手を含んでいるメジャーリーグは規模と考え方が違います。
日本も外国人枠を撤廃するぐらいの気概を見せないと振り向いてもらえませんよ。
日本の韓国・台湾・オーストラリアを主体とするチームがあっても面白いじゃないですか。
そういう発想が日本にない時点で、若者がメジャーへ憧れるのは必然ですよ。
老人の器の小ささを若者に押し付けてはいけません。


◆プロ野球ネタ 引き続き、日ハムの強行指名 「密約説」に関して
日ハムの強行指名があったことで、一部で密約説も囁かれているようです。
最初は馬鹿げていると一蹴しましたが、あながち否定できない面もあります。

私も先日まで知らなかったのですが、プロ志望届けは事後提出が可能みたいです。
日本学生野球憲章のプロ野球球団との関係についての規定の2条2項但書によれば、
日本のプロ野球球団以外のチームと交渉する場合は、ドラフト前2週間の期日以降でも、
書類を提出すれば交渉ができる、と書いてあるので、
最初からMLB挑戦だけと決めていたなら、プロ志望届けをドラフト前には提出せずに、
ドラフト終了後に提出しても十分だったわけです。
そういう意味では、大谷投手の決断がギリギリになってしまったことや、
「抜け道」があったことを考えると、全く隙がなかったとは言えない感じもします。

ただ、本人がこの事後提出が可能なことを知っていたとは思えませんし、
また、周囲の関係者がどれぐらい理解していたかも分からない面があります。
ひょっとしたら、周囲の関係者はMLB挑戦に反対で、知りながらも黙っていた可能性も…
大谷投手側が一枚岩ではない背景が「密約説」を完全否定できないものとしています。

もっとも、事後提出可能だったことが大谷投手の落ち度であったとは思えません。
大谷投手が事後提出可能なことを知っていたなら話は別ですが、
そうでないならば、それを告知すべき義務を負うのは周囲の大人や高野連、
強行指名した日ハムにあるわけで、一未成年者の過失責任を問うのは酷です。
例えば、大谷投手がMLB挑戦を表明した時点で、
高野連がプロ志望届けの一時撤回の意思を尋ねても良かったわけですし、
日ハムが強行指名を検討した時点で、あの会見が撤回の意思表示であったかを、
大谷投手に確認しておかなければなりませんでした。
こういった事態が起こるのは初めてでしたから、
そもそも、プロ志望届けの撤回が認められるのかも不透明ですし、
そういう意味では、制度が準備不足であった感は否めません。
私見ではあの会見の時点で撤回の意思表示があったと推定され、
撤回を禁止する規約や撤回可能な時期の定めもないため、撤回は有効だったと考えます。
まぁ、こればかりは当事者がどう考えていたかを整理しないと分かりませんね。


そんなわけで、今回の「密約説」は完全否定できない面はあるものの、
当日の大谷投手の反応からすると、やはり「密約説」の線は薄そうな印象を受けます。
ただ、今後、同様のことが起こらないとは限りません。
「メジャーリーグでやりたいけれども、マイナー生活は嫌だな、
 でも海外FA権を待つのは長すぎるし… それならば、ポスティングに寛容な球団、
 強行指名する可能性の高い日ハムに指名してもらえばいいんだ」、とか思いかねない。
晴れて日ハムが単独指名、5年後ポスティングでメジャー、本人も球団も満足。
今後、そういうケースが出てくることは否定できないでしょう。
そのためにも、強行指名失敗時の罰則を設けたり、
そもそもMLB志望選手はドラフトとは別扱いにするなど、制度改革が必要でしょうね。

まぁ、でも、こうなってしまうと大谷投手は、進むも地獄、退くも地獄ですね…
進んでこれまで通りメジャー挑戦を続ければ、
ストーカー(ハム)に追いかけられて3月31日までMLBと契約交渉ができず、
退いて日ハムに入団することを決めれば、
今度は密約説が現実を帯びてきて、他球団から卑怯者と罵られる。
ただ、少なくとも現時点でプロ野球に特に関心のない一般の層は、
「行きたいなら行かせてあげれば」感覚ですので、
一度決めたことを翻す方がダメージが大きくなると思われます。
周囲の大人がしっかりと守ってあげて欲しいですね。


◆ライオンズネタ 秋季キャンプが11月1日から開始
若手の多くが今日まで行われていた宮崎フェニックスリーグに参加していたこともあって、
本格始動は11月1日からみたいです。
宮崎フェニックスリーグでは、細かい結果は分からないものの、スコア等を見ると、
投手では中崎投手、松下投手、田中投手、
野手では田代選手、斉藤選手、坂田選手、駒月選手らが結果を残したようです。

中崎投手は同期のヤクルト・赤川投手に水を空けられ、弟の広島・翔太投手にも抜かれ、
立場的にも苦しくなりつつありましたが、
ここで先発として結果を残して、踏み止まった印象です。
チームとしては、菊池雄星投手に続く左の先発がもう1枚は欲しいですから、
武隈投手が手術明けということで、小石投手と先発枠を争ってもらいたいです。
松下投手は1年目から怪我に泣かされ、ここまで2軍でもほとんど投げていませんでしたが、
今年の後半ぐらいから投げ始め、フェニックスリーグでは好結果を残したようです。
田中投手も先発にリリーフにと頑張りを見せ、
若い2人の右腕もリリーフ争いに加わって来そうです。

野手では田代選手はほとんどの試合で1番打者を務め、好結果を残した模様です。
来季は先輩の秋山選手のように大きく羽ばたいて欲しいですね。
斉藤選手はCS1試合目の終了後に降格となり、2試合で3発を放つなど大当たり、
今年は1軍でも2ベースを放つなど、長打も見られただけに、
2軍での長打力を発揮すれば、若き大砲候補として注目を浴びるかもしれません。
坂田選手は1軍昇格直後は結果を残すも、時間とともに不振に陥り、
もうダメかと思いましたが、フェニックスリーグでは4番に入って結果を残し、
なんとか踏み止まった印象です。
左の大砲候補として、ここで負けて欲しくないですね。
駒月選手はホームラン1本に終わったものの、その1本が今後に繋がります。
中島選手のルーキーの時は体力づくり優先で2軍戦にはあまり出場しなかったものの、
フェニックスリーグでの初本塁打がその後の飛躍へと繋がっていきました。
この1本を大事にし、来年以降の活躍を期待したいですね。
その他にも野手転向の木村選手が3番を打つ試合もあったようですし、
派手な活躍はなかったものの、結果を残していることが伺えます。

話を戻して、秋季キャンプではドミニカ出身の3人の外国人選手をテストする模様です。
アニェニル・メンドーザ投手(22歳)、デイビー・バティスタ内野手(24歳)、
アブナー・アブレイユ外野手(23歳)、とまだ若い3選手で、
外国人枠は、順調なら、今年の4選手で埋まってしまうので、
おそらく育成枠での入団となるのだと思われます。
昨年からの統一球の導入と広いストライクゾーンによって、外国人選手の成績も落ちてしまい、
この2年で結果を残した新外国人選手は、ヤクルトのバレンティン選手とミレッジ選手、
オリックスの李大浩選手、ソフトバンクのペーニャ選手ぐらいで、
他は日本での経験が豊富な外国人選手と、新外国人選手のリスクも高まっています。
そういうことを考えれば、日本で外国人選手を育てていくことも必要となってくるでしょう。
こういう流れが日本プロ野球の国際化を進め、外国人枠の緩和・撤廃に繋がるかもしれません。
…しかし、名前だけ見ると、すげー活躍しそうな3人ですよね(笑)
特に野手はドラフトで補強できなかっただけに、右打者2人が合格になることを期待したいです。


さて、現有戦力の方に話を戻しますと、ドラフトが投手補強優先となって、
野手補強が十分にできなかった分、戦力の底上げは必要不可欠です。
成長を期待する選手は、浅村・炭谷・永江・熊代選手の4選手ですね。
まずは、来季の予想オーダーの今季の成績と来季に期待する数字を記しておきます。
          打率 本 点 盗 打率 本 点 盗
1(二)浅村   .245 7 37 13 .300 15 60 30
2(中)秋山   .293 4 37 10 .300 10 60 20
3(左)栗山   .289 2 33 3  .310 5 80
4(指)中村   .231 27 79 2 .270 30 80 3
    カーター .294 4 27   .290 10 40
5(一)オーティズ286 9 21   .280 20 70
6(三)ヘルマン .270 3 60 41 .290 5 70 50
7(右)大崎   .269 1 22 1  .290 3 50
    熊代   .270 0 14 2  .280 1 40 20
8(捕)炭谷   .194 0 23   .250 5 40
9(遊)片岡   .225 2 19 8  .270 5 50 50

この中で、秋山・栗山・オーティズ・ヘルマン選手は達成可能な範囲でしょう。
打点を少し高めに設定していますが、想定チーム打率2割8分(笑)なので+10。
中村選手とカーター選手は二者択一で、復帰時期によって数字は異なりますが、
2人で40発120打点以上(代打込み)をマークすることを期待してます。

この中で、高いハードルを設定しているのが、浅村選手と炭谷選手です。
浅村選手はいきなり3割と高い数字を敢えて設定しました。
それだけ期待していると思ってください。私は浅村選手の素質を高く買っています。
入団当初は中日・井端選手のような実戦的なしぶとい打者になると思いましたが、
昨年から長打力が想像以上に伸び、そこに和田選手の長打力を足した感覚、
つまり、粘り強い中島選手、そんな将来イメージ像が出来上がりつつあります。
今年は右方向への長打力が伸びたものの、フェンス際で失速する打球も多く、
それがフェンスオーバーするだけのパワーが付けば、
ホームランは倍増以上、打率も1分以上は上がるでしょう。
また、集中力のない時は簡単に凡打してしまう安定感のなさ、
精神的ムラッ気が今季の打率の悪さの原因だと言えますから、
そこを直せば、打率も2分近くは上がるでしょう。
普通にやっても2割8分以上、さらにそれを超えてもらいたいのが私の願望です。
浅村選手に有効なのは「責任」を与えることですね。
今年もセカンドを守らせたり、1番打者を打たせることで、集中力が増すなど、
役割を与えることによって燃えてくるタイプの選手です。
敢えてプレッシャーを与えること、お前が打たないと優勝できないんだ、
そういう主軸としての役割を与えることで、精神的ムラッ気が解消し、
好成績に繋がってくれると思います。
来季は「1番セカンドはお前に任せる」、そういう気持ちが大事でしょうね。

もう1人、頑張って欲しいのが炭谷選手ですね。
今年は正捕手としてマスクを被り続け、高い盗塁阻止率と固いブロックで、
守備面ではMVP級の活躍を見せてくれましたが、
打撃の方は2割を切るなど、寂しいものでした。
それでも右方向への打撃が向上しており、下地はかなりできています。
あとはそれを結果に結び付けられるかどうか。
捕手という面を差し引いても、2割5分近く、40~50打点は稼いで欲しいです。
炭谷選手が攻守に渡ってチームを引っ張っていけるようになれば、
ライオンズは強くなります。

あとは成長段階の熊代選手の盗塁数の向上、俊足で2個は少なすぎ、
代走を含めて20盗塁以上はしてもらいたいところです。
それと高卒2年目を迎えることになる永江選手、
具体的数字はまだ論じれませんが、2割以上は打って欲しいところ。
高卒1年目で2軍で2割5分以上打てることはセンスがある証拠ですし、
今年の1軍のような成績になることはありえないです。
来季は守備中心の起用になるでしょうが、2割そこそこぐらいは期待したいです。

しかし、取らぬ狸の皮算用と言いますが、
これだけの数字を残してくれれば、優勝なんて簡単でしょうね(^^;
ホームランこそ4番・5番に期待するところが大きいですが、
ヘルマン・片岡選手で100盗塁、浅村・秋山選手で50盗塁ですから、
打率と機動力が半端ないことに(^^;
これだけ上手く行くと最高だよね。
でも、実現不可能な数字ではありませんから、
この秋はしっかりと鍛え上げ、目標とする数字に一歩でも近づけるようにして欲しいです。

2012年10月26日

2013年の埼玉西武ライオンズ

日本シリーズ? 何それ、美味しいの?(苦笑)

いつもはパリーグの代表として、パリーグチームを応援しますし、
打倒巨人ともなれば、より一層、応援に力が入るはずなのですが、
今年の日本ハムはドラフトの直後ということもあって、全く応援できません。
今年ばかりは読売ジャイアンツの応援をしたい気分です。

昨年の菅野投手の強行指名でも感じたことですが、
勝算のまるでない強行指名は誰もが不幸になるだけで、
それがドラフト制度だからと開き直って指名する姿勢には違和感を覚えます。
さらに、今回は「特定球団以外は拒否」という従来の姿勢とは明らかに異なり、
「メジャーリーグ希望」を鮮明に打ち出したわけですから、
それを阻害するような行動を取った日ハムの態度は、むしろ卑怯にさえ思えます。
場合によっては、職業選択の自由を侵害し、ドラフト制度が潰れかねない事態ですから、
とても日ハムを守る気持ちにはなれませんね。


◆ライオンズネタ 2013年のコーチングスタッフを発表
絶望した…

……
……… orz

まぁ、ある意味では予想通りでしょうか。
残留が基本線でヘッドコーチは置かず、打撃コーチとして田辺2軍コーチが昇格、
2軍監督は次期監督候補でもある潮崎哲也氏が就任することになりました。
意外だったのは2軍打撃コーチに高木浩之氏が就任したことですね。
現役引退した平尾選手を置くと思ったんですが…
現役時代はしぶとい打撃が持ち味だったものの、決して打てた方ではないだけに、
どういう指導をするのか少し心配ではあります。
今の若手は大砲候補というよりも、俊足を売りにする選手が多いですから、
そういう意味では職人的打撃技術が必要となりそうです。

ただ、2軍打撃コーチが1人は少なすぎます。
今までは2軍監督が野手出身で、ベテランの田辺打撃コーチでしたから、
1人体制でも対応できたように思いますが、
2軍監督が投手出身の潮崎氏で、新任の高木浩之コーチ1人では心許ないです。
もう1人打撃コーチを増やす必要があるでしょう。
平尾選手の追加就任をお願いしたいです。

期待していた外部招聘がなかったのは残念でしたが、
交流戦を機に光山バッテリーコーチが作戦コーチを兼任してから、
チームの得点力が大きく向上しただけに、光山コーチの補佐能力に期待したいです。
個人的には、もう少しエンドラン等を増やして欲しいところ。
あとは2軍で名白楽として今の野手全員を見てきた田辺コーチの手腕に期待してます。
各選手の打撃をよく知っているだけに、野手陣が落ち着いて試合に臨めそうですね。

ちなみに、現役引退した佐藤友亮氏は高木浩之氏の代わりに東海地区スカウトに。
愛知出身だった高木浩之氏とは異なり、東海地区との関わりは一切なし…
このままスカウトで定着するとは思えず、
空きができたことで色々と経験させようということなのかもしれません。
そういう意味でも将来の幹部候補生なのは間違いないです。


◆ライオンズネタ ドラフトを終えての戦力分析
ドラフト前に補強ポイントとして、エース候補の獲得、左右の即戦力リリーフ、
内野の大砲候補、右の外野手を挙げましたが、
結果的に補強できたのは左右の即戦力リリーフのみで、
あとは高校生投手2人がエース級に育つかどうか、そこが成功の可否を握ります。
…しかし、当初はバランスよく指名という話だったんですが…
実際は投手補強に偏る結果に。将来性のある野手が必要なのは間違いありません。

ドラフト翌日の報道等を見ていると、
1位の増田投手と4位の高橋投手は即戦力として中継ぎで期待できそうです。
増田投手はチーム事情もあって先発投手の適正がまだ定まっていないだけに、
渡辺監督の言うように先発をすることもあるでしょうが、
リリーフ中心の起用法で行くと思われます。
いきなり抑えは難しいでしょうから、右のセットアッパーが有力。
高橋投手は夏に肩を痛めたという報道が心配ですが、
順調なら左のリリーフとして活躍できるでしょう。

心配なのは2位指名の相原投手と3位の金子遊撃手です。
相原投手は将来のメジャー挑戦、金子選手はジーター選手を目標に掲げました。
メジャー志向を責めるつもりはなく、高い目標を持つことは良いことなのですが、
ただ、2人ともまだまだ鍛えるところが多く、
どちらかといえば、センスで野球をやっている印象が強いですから、
指名に浮かれていては困るというのが正直な感想です。
金子選手は大学生とはいえ、体もまだまだで、打撃も守備も鍛え直す必要があり、
相原投手は体力面の不安があるだけに体作りから始めないといけません。
ライオンズの練習は決して楽ではありませんから、
プロ入り後に向けた備えは万全にしておいて欲しいです。
救いがあるとすれば、相原投手には同期の佐藤勇投手がいて、
1位の増田投手は体力面がしっかりしており、4位の高橋投手は遅咲きの苦労人、
金子選手には育成枠で同じくスピードを売りにする水口選手がいますので、
彼らと刺激し合いながら、切磋琢磨して成長していって欲しいです。


そんなこんなで、来シーズンの戦力分析。まずは一覧表から。
【右先発】 涌井・岸・牧田・野上・十亀
【左先発】 菊池雄星・武隈・小石・中崎
【ベテラン】石井一久・西口
【右中継ぎ】長田・岡本篤志・増田、田中・松下・山本淳・平野
【左中継ぎ】ウィリアムス・松永・高橋、宮田
【抑え】  大石、岸or野上or十亀

【捕手】炭谷、上本、星孝典・武山・岳野・中田
【一塁】オーティズ・カーター、坂田
【二塁】浅村、水口
【三塁】ヘルマン、林崎、星秀和
【遊撃】中島、片岡・原・永江、金子
【外野】栗山・秋山、大崎・熊代、
    米野・高山・木村・駒月、斉藤・石川・田代、星秀和・坂田
【DH】カーター・中村

《中島選手がFA宣言残留した場合のベストオーダー》
1(二)浅村、2(中)秋山、3(左)栗山、4(指)中村、5(遊)中島、
6(三)ヘルマン、7(一)オーティズ、8(捕)炭谷、9(右)大崎・片岡
《中島選手がFAメジャーで、中村選手の不在を想定した場合》
1(二)浅村、2(中)秋山、3(左)栗山、4(一)オーティズ、5(指)カーター、
6(三)ヘルマン、7(右)大崎・熊代、8(捕)炭谷、9(遊)片岡・永江

宮崎フェニックスリーグの結果からしか分かりませんが、
投手陣では地元の中崎投手が先発で好投しており、
リリーフでは松下投手と田中投手が結果を残している模様です。
野手では田代選手が1番で起用されるなど打撃でも結果を残しており、
斉藤選手がホームランを量産し、坂田選手も今季の汚名返上の活躍、
高卒ルーキーの駒月選手は1本塁打ながらも、
中島選手のように、その1本が成長へ繋がっていくだけに大きな1本です。

こう見ると、投手陣の駒は揃った感じがします。問題はエースと抑え。
涌井投手が先発に復帰し、エースとしての役割を果たせるかどうか、
それとも岸投手と牧田投手がエースに成長するのか。
一方で、抑えには飛躍を期待する大石投手を使うのか、
それとも再び先発から野上投手や十亀投手を抑えに回すのか、そこがポイントです。
例年に比べますと、投手陣の層は厚くなった印象で、あとは質の向上ですね。

野手は中村選手の手術が痛いです。こちらの目処が全く立っていない。
これで中島選手がFAでメジャー挑戦し、
外国人選手との契約が難航してしまったら、どうするんでしょうか?
かといって、補強の当てがあるわけでもなく、
FA選手はこれといった候補がおらず、ロッテの今江選手はAランクで割りに合わず、
巨人の谷選手や広島の廣瀬選手は補強ポイントに合致しますが、宣言する気配はなし。
日本復帰が噂されるメジャーリーガーも、福留・西岡・川崎選手ら左打者中心。
外国人選手では中日・ブランコ選手の動向が注目を集めるも、残留が濃厚。
戦力外の有力選手も左打者が中心で右打者は不足気味。
現時点で野手の補強戦略は成り立たない感じです。
強いて言えば、左打者ではあるものの、サードを守れる岩村選手、
右打者ならロッテを戦力外となった南外野手でしょうか。
投手に比べると、野手は底上げを期待せざるを得ず、悩ましい感じがします。

野手の底上げに関してですが、予想以上に野手の補強が乏しかったので、
ポジションのコンバートで対応せざるを得ないでしょう。
まずは中島選手の動向次第ですが、移籍なら片岡選手をセカンドからショートへ、
残留ならばサードかライトへコンバートします。
理由は10月18日「CSファイナルステージが開幕」の野手編総括をご覧下さい。
外野は栗山・秋山選手が確定で、大崎・熊代選手が競争を勝ち残った感があり、
成長段階の木村・駒月選手、斉藤・石川・田代選手以外は厳しい印象です。
ですから、起用の幅を広げるためにも、米野選手は再びキャッチャーも兼任し、
星秀和選手は手薄となったサード、坂田選手はファーストを守るなど、
複数ポジションを守ることができれば、選手起用も楽になります。
手薄な右の代打に関しては、米野選手を含めて、
武山・岳野・中田選手とキャッチャー陣が打撃を生かした第三捕手として争い、
右の代打を兼任するような形となるのが理想ですね。

以上の観点から、補強するとすれば、
投手では抑えもできる阪神を戦力外となった地元出身の小林宏之投手、
野手なら優勝経験豊富でサードを守れる楽天を戦力外の岩村明憲選手、
右の外野手なら強肩とパンチ力を秘めたロッテを戦力外の南竜介選手、でしょうか。
何はともあれ、まずは外国人野手3人の残留を確実なものとして欲しいですね。


ちなみに、来年のドラフトに関係する将来の戦力予測はこちら。30歳以下が基本。
【右先発】涌井、岸、牧田、野上、十亀、岩尾、相原
【左先発】菊池雄星、小石、武隈、中崎、佐藤勇
【右中継】田中、松下、平野、藤原、岡本洋介、前川
【左中継】松永、高橋、宮田
【抑え】 大石、増田
【捕手】 炭谷、武山、岳野、荒川、中田、藤澤
【一三塁】中村、原、林崎、美沢、梅田
【二遊間】浅村、永江、金子、水口
【左外野】栗山、秋山、石川、斉藤、田代、坂田、星秀和
【右外野】片岡、熊代、駒月、木村

左投手を2人取ったことで、バランスが良くなり、
長年の懸案事項の抑えもダブル体制となり、補強は済みました。
投手では右の絶対的なエース候補が必要です。
野手は俊足巧打の選手が多く、若き和製大砲候補は駒月選手ぐらい。
二遊間は浅村選手と永江選手らで間に合ってるとして、
一塁・三塁の大砲候補が欲しいですね、こちらは左右どちらでも良し。
右の外野手に関しては片岡選手を将来的にコンバートすれば解決する問題です。

来年のドラフトは将来のエースと4番が欲しい、
そういった実に分かりやすい補強ポイントとなりそうです(^^;

2012年10月25日

プロ野球ドラフト会議

プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が行われ、
注目の大阪桐蔭・藤浪投手は5球団競合の末に、阪神が交渉権を獲得し、
亜細亜大・東浜投手は3球団競合の末に、福岡ソフトバンクが交渉権を獲得、
昨年の日ハムの1位指名を拒否して浪人した東海大・菅野投手は、待望の巨人が単独指名、
その日ハムはメジャー挑戦を表明した花巻東・大谷投手を強行指名しました。

藤浪・東浜・菅野投手にとっては、良い結果になったように思います。
地元の大阪で春夏連覇を果たした藤浪投手は甲子園が合うでしょうし、
沖縄出身の東浜投手は沖縄に最も近い九州ですから、良い結果になったと思います。
菅野投手に関しては言うまでもなく、肉親の情の厚さが勝りましたね。
問題は日ハムの強行指名。昨日も書きましたが、最低最悪の愚行です。
命がけっていうなら、死ねよ、ボケナス。これに関しては後述という形で。

各球団のドラフトを見ると、即戦力投手中心の補強が目立った形です。
巨人は菅野投手を軸に、バランスよく指名。
日ハムは上位が素材型で、下位で社会人の即戦力を取っただけに、これが当たるかどうか。
中日とヤクルト、ソフトバンク、楽天は投手を中心に補強を進め、
阪神とロッテ、オリックスも投手を軸としながら、バッテリーを補強。
横浜は高校生のみだった昨年とは正反対に即戦力を中心にバランスよく指名。
広島はくじを外した影響かなのか野手中心の指名に変わってしまいました。
現時点で高い評価が出来そうなのは、
巨人、中日、ソフトバンク、楽天、阪神、横浜、オリックス。
まぁ、でも、こればかりは蓋を開けてみないと何とも言えませんので、分かりませんね。

意外だったのは東海大・伏見捕手が3位最後のオリックスに指名されたことですね。
巨人が菅野投手と一緒にバッテリーを組ませても面白かったですし、
逆に阪神が指名して藤浪投手とのバッテリーで巨人と戦うのも面白そうでした。
そういう意味では、少し残念な結果になった感じがします。
両チームともに捕手が補強ポイントだったのに、あまり評価高くなかったのでしょうか?
それと伊東新監督を迎えたロッテも伏見捕手をスルーして、光星学院・田村選手を指名。
ここまで残っていたことが不思議でしたが、キャッチャーとしての評価は…
捕手獲得を望んでいた伊東新監督は可哀想ですね。事実上の手土産なし。
進まないコーチ人事にしても然り、ロッテ球団のやる気のなさが浮き彫りになりました。
即戦力左腕2枚の補強は悪くはないんですが…


さて、日ハムの大谷投手の強行指名に関しては、長々とした理論武装を追記に書きましたので、
何が問題なのかを詳しく知りたい人はそちらをご覧ください。
ここでは簡潔に答えだけを書きますと、
「プロ志望届け」は願書ではなく、あくまで希望を記しただけの進路調査票の類だということです。
つまり、日本プロ野球に進むつもりがなく、メジャーリーグで野球をするつもりであっても、
プロ志望届けは提出しなければいけません。
プロ志望届けは、過去の強行指名で大学・社会人と軋轢を起こしたため、
進学や社会人野球を望む選手は指名しないための制度で、
主眼にあるのは「プロ志望届けを出していない選手」で、彼らを守るための制度です。
ですから、プロ志望届けを出しているなら、ドラフト指名しても良いわけではなく、
2つはノットイコールで、プロ志望届け提出者の中にドラフト指名許可選手が含まれる構図です。
今回の大谷投手のように日本プロ野球ではなくメジャーリーグを望む選手を想定しておらず、
大きな制度的欠陥を抱えている制度なのです。

一般的な例で具体例を挙げますと、
パソコン業界に就職したい青年が、できれば外国のパソコン企業に就職したいと思い、
就職希望で進路調査票(プロ志望届け)を出したら、
それを見た知らない国内企業から突然内定通知が届いてしまい(ドラフト指名)、
これを最終的に拒否することはできるものの、
来年3月31日までの5ヶ月以上も、その知らない国内企業としか面談を許されず、
さらに外国企業に就職したら国内企業へ転職する際に3年間失業を強いられる、そんな事態です。

もう、どんだけストーカーな企業だよ(苦笑)
一般社会でこんなことが起こったら、常識外れのとんでもない事態で、嫌がらせとしか思えません。

詳しい理論武装は追記に回しますが、仮に大谷投手の側に損害が生じてしまった場合、
ドラフト制度は職業選択の自由に違反し、廃止か是正を求められる可能性があります。
解決方法の一つとしましては、大谷投手に損害を生じさせなければいいわけで、
来年3月31日までの独占交渉期間が長すぎることが問題ですから、
日ハム側が11月30日を交渉期限として、それまでに拒否されたらMLBとの交渉を認めることです。
認めずにズルズルと3月31日まで交渉させないということになれば、ドラフト制度は崩壊します。

根本的なドラフト制度改革としては、プロ志望届けをNPB向け・MLB向けに分けること、
独占交渉期間を翌年3月31日から年内の12月31日と改め、
特段の事情がある場合(12月に国際大会があり、それに参加して契約が遅れた場合等)にのみ、
交渉期間を延長し、翌年3月31日までとすることです。
そうすれば、仮に拒否したとしても、メジャーリーグのキャンプに間に合うように契約ができます。

加えて、解釈の違いがある指名凍結期間にしても、MLBとの契約後3年間に改めるべきです。
問題があるのは「特定球団以外ならメジャー」という場合だけですので、そこは柔軟に解すべきです。
MLBへの人材流出は他に問題点があると言うしかないです。
頭ごなしに無理やりに拘束したって良いことないでしょうに。


◆プロ野球ネタ 埼玉西武ライオンズのドラフト
第一の感想としては、「何なんだ、このドラフトは…」、という感じです。
結果的に投手中心の補強となり、私の補強ポイントと球団の補強ポイントが全く違いましたね。
特に大きな補強ポイントはなかっただけに、自由度が高いというのはあったのですが…
ドラフト最中の文化放送でのレポートでもバランスよく指名と言っていただけに、
投手偏重のドラフトに終わったのは正直誤算ではないでしょうか。
育成枠で内野手を1人追加指名しましたが、これも俊足巧打の選手、
縁起でもありませんが、万が一にも、中村剛也選手がいなくなったら、どうするんでしょうか?
せめて、ドラフト3位でロッテに指名された光星学院・田村選手を指名できていれば…

まぁ、終わったことは仕方ないとして、指名した各選手に話を戻しましょう。
指名した選手はほぼ全て素材型の選手だと思います。
大卒社会人の1位・増田投手、4位・高橋投手も遅咲きで、大学・社会人で花開いただけに、
入団後の伸び白に期待できますが、逆を言えば大舞台での経験が少なく、
即戦力としては不安な面も残ります。
左右のリリーフ候補を補強できたことは評価できますが、
結果はシーズンが始まってみないと分からないですね。
今年の十亀投手と小石投手ぐらいにやれれば合格点出せますが、どうなるでしょうか。
左右の高校生投手も同じですし、金子選手と水口選手も同様、
下手すると、来年は誰も1軍にいない可能性がありますが、
数年後を見れば大化けしている可能性もある、そんな博打当たり的なドラフト指名です。


【ドラフト1位】 増田達至 NTT西日本 右投手
最速152キロ右腕で、社会人時代は抑えとして活躍しましたが、
ドラフトサイトのレビュー等を見ても、評価がバラバラで実態が掴めません。
ストレートは140キロ中盤で、NTT西日本の監督で西武でも活躍した佐々木誠氏によれば、
「ベース付近で伸びるプロらしい球を投げる」との評価ですが、
一方でツーシーム等でボールを動かすタイプとの評価もあり。
変化球もカーブが良いというスカウト評から、スライダーがいいという評価や、
西武のスカウト評価ではカットボールがいいと、こちらもバラバラ。
映像を見ると、オーソドックスな右腕という感じで、ボールに力はありそうですが、
実際にどういうピッチングを見せるのかは入団後の楽しみとしておきたいです。
最初は長田投手に近いのかと思いましたが、
岸投手に近い感じもあり、馬力型だと小野寺投手か、まだ分かりません。

外れ1位とはいえ、単独指名だったら少し不安も感じましたが、
投手指名の上手い広島も外れ1位指名したというのは若干不安が和らぎます(苦笑)
しかし、3年連続で大卒社会人投手を上位指名ですか。完全に味を占めてますね(^^;


【ドラフト2位】 相内誠 千葉国際高校 右投手
関東No1右腕の評価もあった「房総のダルビッシュ」。
182センチ75キロの細身の体格で、最速143キロで多彩な変化球を持つ投手ですが、
体がまだできていないとのことで、素材型のピッチャーという感じです。
高校時代の岸投手に近い感じでしょうか。昔なら大学進学で様子を見たと思うのですが…

多くのサイトでスタミナ不足を指摘されているようなので、
相内投手にとっては新人合同自主トレとキャンプが一つの山でしょうね。
ライオンズは陸上部と揶揄されるぐらいに、投手はとことん走らされますから、
体力のない投手は練習に付いていけません。
これはドラフト5位の佐藤勇投手にも言えることですが、
この秋・冬の間にしっかりとした備えをしておかないと、日の目を見ずに終わることでしょう。
ライオンズは高卒の投手が育たないと言われますが、その主な原因がコレです。
今からでも陸上部に混ざって、とことん走りこみ、来年の春に備えて欲しいです。
そこを乗り越えることができれば、大きな飛躍が待っているのは間違いありません。


【ドラフト3位】 金子侑司 立命館大 遊撃手
関西のスピードスタート呼ばれる俊足の選手。
立命館宇治時代はセンスの高い走攻守の3拍子揃ったタイプという評価だったものの、
大学時代は打撃が伸び悩み、スケールダウン。
今秋は打率は.220で盗塁0、失策は4。精細を欠いたシーズンだったようです。

報道では「ポスト中島」なんて声もありましたが、現時点では到底無理で、
内野の守備代走要員といったところでしょう。
外野は秋山選手や熊代選手、斉藤選手と俊足揃いですが、
内野は鬼崎選手が一番速いぐらいで、これといった俊足な選手がいなかっただけに、
そういう意味では、育成枠の水口選手同様にチャンスはあります。
でも、守備代走要員を3位で獲得というのは寂しいとしか言いようがないです。

ただ、高校時代は打撃の評価も高かったわけで、プロで一から鍛え直せば化ける可能性もあります。
178センチの65キロとまだまだ細身で、身体能力の高さは感じるタイプなので、
野手育成に定評があるライオンズで一から作り直せば、巧打の内野手に育つかもしれません。
ライオンズのドラフト3位は当たりが多いだけに、そうなってくれることを期待したいですね。


【ドラフト4位】 高橋朋己 西濃運輸 左投手
プロフィールを見て、静岡県の加藤学園出身で驚いて、さらに三島市出身で二重に驚きました。
中郷の方の出身らしいですが、地元にいて全く知りませんでした。ごめんなさい。
加藤学園時代は入学時が最速98キロ、卒業時も120キロ後半ぐらいで目立ちませんでしたが、
大学・社会人でグングン成長して、今では最速148キロをマーク。
140キロを越すストレートとスライダーで高い奪三振率を誇るサウスポーのようです。

ライオンズで言えば、松永投手に近いタイプのようですが、
松永投手よりもストレートに速くて力があり、コントロールが少し荒れる感じでしょうか。
映像で見ると、球持ちも悪くないですし、プロで活躍できそうなタイプです。
ライオンズの左リリーフは、ウィリアムス投手を除けば、松永投手ぐらいですし、
他は先発争いをしている武隈投手と小石投手で、宮田投手と中崎投手が伸び悩んでいるだけに、
今年の指名選手の中では最も早く活躍する可能性を秘めている投手だと言えます。
三島市出身の投手というと、横浜に在籍した森中聖雄氏がいますが、
松井秀喜キラーとして名を馳せたように、左殺しの切り札として活躍してもらいたいですね。


【ドラフト5位】 佐藤勇 福島・光南高校 左投手
最速143キロのストレートと鋭いスライダーで勝負する福島のドクターKで、
甲子園常連校となった聖光学院をあと一歩のところまで追い込んだ左腕投手。

こちらもドラフト2位の相原投手と同じく素材型のタイプで、
菊池雄星投手に近いタイプでしょうか。
相原投手と同じく、走り込みをしっかりと行って、
プロの練習に付いていけるように備えてもらいたいです。


【育成枠】 水口大地 香川オーリーブガイナーズ 二塁手
個人的には育成枠の制度には反対なので、6位で指名して欲しかったんですが…
独立リーグに所属し、169センチの小柄な選手ということなので、
育成枠の本旨に従った指名ということで納得しておくことにします。
他球団のように、高校生をアルバイトのように使い捨てることは絶対にして欲しくないですが。

話を戻しまして、水口選手は俊足巧打の左打ちの内野手のようです。
楽天から横浜へ移籍した内村選手のようなタイプですかね。
ドラフト3位の金子選手と同じく、俊足の内野手は少なかっただけに、
活躍のチャンスはあります。
足の速さや守備の安定感を考えれば、育成枠ではありますが、金子選手よりも1軍に近いかも。
順調に行けば、そう遠くないうちに支配下登録を勝ち取れると思われます。
ハングリーさを忘れずに、最後まで諦めない野球を見せてもらいたいですね。


以上、指名した6選手の簡単な寸評を書いてみましたが、やっぱり素材型の感は否めません。
最も即戦力で活躍しそうなのはドラフト4位の高橋投手で、左のリリーフとして期待できます。
あとはドラフト1位の増田投手がどれぐらいの力を持っているのか、楽しみですね。
野手の2人は内野手の補強にはなったものの、レギュラーを脅かす力は持っておらず、
将来性の高い主軸候補の打者が必要不可欠です。
高校生の投手2人は練習に付いていけるかが心配、
ライオンズの高卒投手は2軍に漬ければ漬けるほど腐っていくだけに、
1年目にしっかりと練習に付いていき、2年目にそれなりの結果を残せないと厳しいです。
そういう意味では高卒の投手とはいえ、覚悟を持って臨んでもらいたいです。

結局、キャッチャーの補強もしませんでしたし、
こうなると来年は大阪桐蔭の森捕手で決まりですかね。
兎にも角にも、主軸を打てる大砲候補が欲しい。


以下は、日ハムの花巻東・大谷投手の強行指名の問題に対する考察です。

◆考察 プロ野球のドラフト制度は職業選択の自由に反しないのか?
最初に私の考えを示しておきますと、これまでのドラフト制度は一応合憲、
今回の花巻東・大谷投手の一件に関しては違憲状態です。

これまでのドラフト制度が一応合憲であったのは、
ドラフトにかかる選手は日本のプロ野球志望であることは間違いなく、
各球団間に大きな労働条件の格差がないためでした。
過去には社会人残留を望む選手や、進学志望の選手を強行指名した歴史もありましたが、
いずれも入団の自由、最終判断は本人にあり、拒否する自由もあり、
なおかつ、拒否によって進学が難しくなったり、社会人チーム残留ができなくなるわけでなく、
直接的な被害が生じず、法律論争で必要な具体的な損害が生じていなかったため、
ドラフトでの強行指名自体に違憲性はありませんでした。
また、チームによって試合数が多かったり少なかったり、
オフシーズン返上で海外で野球をやらされたりすることはなく、
概ね均一の条件で、日本にいて野球興行を行うことに変わりはありませんので、
球団の好き嫌いはあったとしても、そこに問題性は見当たりません。
唯一問題があるとすれば、指名凍結期間でしょうね。
例えば、第1指名権の球団、第2指名権の球団と複数あれば、全く問題はなくなることになりますが、
そこまでする必要性が現時点であると思えないので、違憲状態になるほどのことではないでしょう。

しかし、今回の花巻東・大谷投手の一件はこれまでとは大きく異なります。
第一に、大谷投手は日本プロ野球ではなく、アメリカメジャーリーグを目指している点です。
日本のプロ野球チームに所属しても、アメリカで野球ができるわけではなく、
メジャーリーグのチームと直接対戦できるわけでもありません。
日本のプロ野球選手とアメリカのプロ野球選手が同一の職業と言えるかどうか、これが第一の問題です。
第二に、ドラフト指名拒否の場合の弊害です。
具体的な弊害として、メジャーリーグ側が日本との軋轢を避けるため、
日本球団の独占交渉権が終了する来年3月31日まで待つ可能性が高く、
大谷投手は本来ならシーズン前に契約できたはずが、シーズン開始後の4月まで契約できないという、
具体的な不利を伴ってしまいます。
さらに、ドラフト拒否した選手が海外メジャーリーグ挑戦した場合は、
帰国後3年はドラフト指名できないという取り決めに引っかかることとなり、
帰国後にプロ野球選手としてすぐに働けないという不利益を蒙ることになります。
これらの不利益が適切であるかどうか、損害として認められるかどうかが第二の問題です。


★第一の問題 NPBとMLBは同じ職業なのか?★
第一の問題は非常に難しい議論です。具体例を挙げながら考えて見ましょう。
海外でサッカー選手になりたかったが、日本のサッカー選手にさせられた。一応合憲っぽいです。
日本の力士になりたかったが、モンゴル相撲の力士にさせられた。微妙。
ボクシングの選手になりたかったが、フェンシングの選手にさせられた。違憲っぽい。
和菓子職人になりたかったが、洋菓子職人にさせられた。微妙。
アイドルになりたかったが、お笑い芸人にさせられた。本人の同意次第。
グラビアモデルという話だったのに、AV女優にさせられた。ありがち。
つまり、何が言いたいかというと、同じ格闘技の選手でも競技が違えば違う職種に思えますし、
人によっては和菓子職人も洋菓子職人も同じじゃないかと思う人もいるでしょう。
でも、それを目指す人からすれば、それぞれは明らかに違う職種です。
それだけ同じ職業であるかどうかを判定するのは難しく、
それ故に採用の自由と入社の自由が緩く解されており、当事者の契約に任されている面があります。
プロスポーツ選手は芸能人と同じく個人事業主ですから、最終的には本人の意思次第となります。

より深く考えるために、プロサッカー選手の例を考えてみましょう。
私はプロサッカー選手の場合は日本であろうと海外であろうと同一の職種だと考えます。
それは基本的に移籍の自由があるからです。
契約の基本は1年ごと、海外移籍に具体的な障害があるわけではありません。
両者の行き来が自由で、ワールドカップという国際大会があるため代表召集も多い、
あまり国境の壁を感じることはないと言えましょう。

それに対してプロ野球選手はどうか。
NPB(日本プロ野球)からMLB(アメリカ・メジャーリーグ)へ移籍するためには、
自由契約やポスティングシステムという方法がなくはないですが、これは球団の意思次第で、
選手が自らの意思で移籍するためにはFA制度を使うほかなく、最低9年以上の歳月が必要です。
これは最低9年であって、一定年数で自動的に取得できるわけではありませんから、
極端な話、2軍で客寄せパンダだけにしておいて、最後まで飼い殺しすることもできるわけです。
逆に、MLBからNPBに移籍するにしても、日本のドラフト指名を受けていない日本人は、
ドラフトにかからないといけませんし、前述の指名凍結期間があれば影響を受けます。
そういった諸々の事情を考慮すると、移籍の自由は著しく制限されており、
NPBとMLBの間には大きな壁があると言わざるを得ず、同一の職業とするのは難しいです。


★第二の問題 ドラフト指名拒否の弊害★
現在のドラフト制度を一般の会社に例えるなら、
プロ志望届けを出した志願者に対して、内定通知を出すのがドラフトとも言えましょう。
ただ、問題なのはこの「プロ志望届け」の性質です。
名前だけ聞くと、日本プロ野球に対する願書やドラフトにかかる誓約書にも思えますが、
厄介なのはメジャーリーグに行きたい選手も出す必要がある点です。
つまり、日本プロ野球に行くつもりがなくとも、出さなければいけないわけで、
プロ志望届けを出しているなら、無条件に指名できるとするのは乱暴な議論です。
あくまで、プロ志望届けは無用な軋轢を防ぐための意思表示の一環に過ぎず、
ドラフト指名されても文句は言いませんという誓約書の類ではありません。
一般社会で言えば、学校の「進路調査票」程度のもので、
進学か就職かの意思表示をしている程度の効果しか持ちません。

そういった点を考えれば、ドラフト指名を受けること自体が損害になり得ます。
今の時代では考えられませんが、過去にプロ野球が職業野球と馬鹿にされていた時代、
そんな時代にドラフト制度があって、自分の意思とは無関係に指名されてしまったら、
それだけで銭のためにスポーツをする「守銭奴」と周りから後ろ指を差されかねず、
名誉毀損となりうる場合も想定できます。
ですから、ドラフト指名自体は損害を生じさせないということはありえず、
当然ながら選手側の損害も考える必要があるでしょう。

今回の大谷投手の一件で生じる具体的な損害は、
「メジャーリーグ球団との契約の遅れ」「帰国後のドラフト指名凍結選手の取り決め」です。
まず、メジャーリーグ球団との契約の遅れは、
シーズンが始まる前に間に合わないという非常に大きな損害になりえますが、
あくまで紳士協定に過ぎず、契約しようと思えばドラフト後でも可能なので、
その点が難しくなるのですが、
仮に指名した日ハム側が明確に拒否の姿勢を打ち出されながらも、
3月31日までのメジャーリーグ球団との接触を絶ったとすれば、
意図的に契約の遅れを狙った妨害活動と言わざるを得ず、具体的な損害が生じえます。
ドラフト指名した後に、大谷投手と交渉をした上で拒否をされ、11月には撤退となり、
12月以降のメジャーリーグ球団との交渉は認めるという姿勢であれば、
契約遅れの妨害活動とはならず、損害が生じない可能性が高くなります。

もう一方の帰国後のドラフト指名凍結に関して言えば、
これが職業選択の自由を制限する合理的な制限であるかが問題となります。
例えば、高校・大学在学中の選手は指名しない、勉学の邪魔はできないので合理的な制限です。
高卒から社会人の場合は3年、大卒から社会人の場合は2年の制限がありますが、
これも会社の雇用に配慮した制限と考えられますので、合理的だと言えましょう。
難しくなってくるのは、指名拒否で浪人生活をすると、1年間はプロ選手になれない点です。
昨年の菅野投手がこの例です。
ただ、菅野投手はドラフト制度を知っていて、NPB傘下のジャイアンツを志望し、
その上で拒否したわけですから、拒否のリスクを承知済みであり、
1年ぐらいなら制限を認めても良いかもしれないと思えます。
では、大谷投手の場合はどうなるでしょうか?
大谷投手がこの制限を承知済みだったとしても、合理的な制限と言えるでしょうか?
この制限は誰に配慮してるの? 高校? 大学? 社会人? MLB?
違うでしょ、全て内輪の問題、NPBのための制限です。
そんな内輪のための制限にも関わらず、ドラフト指名しないでとお願いしているにも関わらず、
強行指名して帰国後は指名凍結選手ですか、馬鹿げています。

ちょっと怒りのために法律論と明らかに脱線してしまいますが、
強行指名した日本ハム球団と一個人である大谷投手では、リスクがあまりにも不均等です。
日ハムはドラフトの1位指名権を失うだけですが、
大谷投手はMLBとの契約の遅れ、帰国後の指名凍結のリスクの2つを背負わねばなりません。
拒否した大谷投手は指名凍結というリスクを背負うのに、
強行指名した日ハムは全くのお咎めなしというのはおかしな話です。
MLB志望の選手を強行指名して入団に至らなかった場合の罰則を定めるべきでしょう。

以上の点を考えてみますと、具体的な損害が生じる可能性が高いと言えます。


★結論★
長々と語ってきましたが、身近な例に例えれば、こういった事態なわけです。
パソコン業界に就職したい青年は、できれば外国のパソコン企業に就職したいと思い、
就職希望で進路調査票(プロ志望届け)を出したら、
それを見た知らない国内企業から突然内定通知が届いてしまい(ドラフト指名)、
これを最終的に拒否することはできるものの、
来年3月31日までの5ヶ月以上も、その知らない国内企業としか面談が許されず、
さらに外国企業に就職したら国内企業へ転職する際に3年間失業状態を強いられる、そんな事態です。
…どんだけストーカーな企業だよ(苦笑)
一般社会でこんなことが起こったら、常識外れのとんでもない事態です。嫌がらせとしか思えません。

このように、仮に大谷投手が日ハムを相手に職業選択の自由を侵害されたと訴えた場合、
裁判の進め方次第ではありますが、大谷投手側が勝利し、
現状のドラフト制度は違憲状態にあると判定される可能性があります。
もっとも、大谷投手側がそこまでするとは思えませんし、
現実的にはあり得ない話ではありますが、
日ハムの強行指名はそれだけドラフト制度を破壊しかねない暴挙だと言えます。

これを教訓にドラフト改革をするとすれば、
MLB志望者のプロ志望届けの提出はやめさせるべきか、
もし、これが高野連の意向で仕方ないというなら、NPBとMLB向けとに分けるべきです。
もう一つ、日本の球団がMLB志望の選手の独占交渉権を得たならば、
メジャーリーグ球団の交渉は自由にさせるべきです。
そもそも、3月31日までの独占交渉権の期間が長すぎ、現実を見れば12月31日で十分です。
それならば、そこから交渉したとしてもシーズンには間に合うわけで、期間の短縮が必要です。

これではMLBへの人材流出が加速するかもしれませんが、
だからといってその流れを乱暴に止めることなどできず、魅力的なNPBを作るしかないと思います。
一人の人間の人権を尊重する気持ちがあるなら、愚かな制度は改めてもらいたいですね。

2012年10月24日

日ハムはドラフト制度を破壊するつもりか

25日に開催される予定のプロ野球の新人選手選択会議(ドラフト)において、
ドラフト4日目にメジャーリーグ挑戦を表明した花巻東・大谷投手を強攻指名するそうです。
まだ指名はしていませんので、他球団をかく乱する情報戦の可能性もありますが、
過去にも数多くの強行指名に踏み切り、
昨年は叔父を慕っての巨人志望だった東海大・菅野投手を指名して拒否されるなど、
前例があるだけに、強行指名に踏み込む可能性も高そうです。

先日も書きましたが、今回の大谷投手の件は過去の例と大きく違います。
過去の選手はNPB、日本プロ野球に入りたくてドラフトにかかっていたのに対し、
今回の大谷投手はMLB、メジャーリーグに入りたくてプロ志望届けを出したのです。
今までの進学や社会人チームへ進んだり、希望球団以外は拒否は、
最終的には日本プロ野球のチームに入ることを目的としましたが、
今回の大谷投手は日本プロ野球のチームに入ることを目的としていないのです。
確かに4日前までは両天秤にかけていた節がありますが、
それでもドラフト前に一応の結論は出してくれたわけで、
それを阻害したとなれば、ドラフト制度が職業選択の自由を侵したと言われかねません。

これまでドラフト制度が職業選択の自由に反しないと考えられてきたのは、
どの球団に入っても、同じNPBという組織の中でプロ野球ができるからです。
西武に入ろうが、巨人に入ろうが、日ハムに入ろうが、試合ができなくなることはあり得ず、
プロ野球選手としての生活が最低限保障されているという意味で、
職業選択の自由には反しません。
しかし、NPBとMLBでは明らかに働き場所が違うわけで、
日本のプロ野球に所属しても、メジャーリーグのチームと対決したり、
アメリカで野球ができるというわけでもありません。
さらに、ドラフト指名それ自体はメジャーリーグとの交渉に実害を与えませんが、
実質は日本の球団に配慮して契約が来年4月以降にずれこむ可能性が高く、
大谷投手にとって半年近く契約が遅れるという実害が発生する可能性があります。
過去の強行指名の例、学問の自由との兼ね合いがあった、
巨人・桑田投手やダイエー・城島選手の場合は、拒否しても進学できなくなるわけではなく、
むしろ、箔が付いた分だけ進学の可能性が広がりますが、大谷投手の場合は害悪だけです。
そういった観点からすれば、日ハムの暴挙によって、
ドラフト制度が職業選択の自由に配慮していない、そう判定されかねません。

和菓子職人が和菓子を作ることができず、ケーキばかり作らされたらどうなるのか。
話が違うではないかと誰だって思います。
それとも、同じ料理人なんだから問題ないと言えるのでしょうか?
サラリーマンは転勤や出向で海外勤務もありますが、永続的なものではありません。
ならば、大谷投手は8年間の日本勤務だと考えたとしても、
8年後にアメリカ勤務が確定しているわけでもありません。
そういったことが起こらないように、日本の社会では入る自由、
入社の自由と採用の自由を緩く解しているだけに、
それが制限されているドラフト制度がこれ以上厳しいことを強いるものとなってしまえば、
ドラフト制度そのものが破壊されると言っても過言ではありません。

日ハムの強行指名はそのリスクを多分に含んだもので、
下手をすると、ドラフト制度が憲法違反となる可能性を秘めています。
今回ばかりは自重してもらいたいです。


◆プロ野球ネタ 埼玉西武ライオンズ・中村剛也選手が半月版損傷等で手術へ
想像以上に酷かったようで… むしろ、それでよく試合に出てましたよね。
しかも、約半分の試合は痛みを抱えながらで、ホームラン王を獲得したわけで…
落ち込む気持ちよりも驚きの方が大きいぐらいです。
復帰時期は明らかにされていませんが、少なくとも半年近く、
来週のワールドベースボールクラシックへの参加は事実上なくなり、
来季の開幕に間に合うかも微妙で、5月の交流戦前に合流できれば御の字ですが、
実際は6月のリーグ戦再開後の復帰となるかもしれません。

そうなると、来季のライオンズの戦力が厳しくなるのは間違いありません。
来季のDHでの出場は織り込み済みでしたが、大きく出遅れるケースは想定外でした。
今季の外国人選手であるヘルマン・オーティズ・カーター選手との再契約が必要で、
守れないカーター選手は不要論も沸きあがりそうでしたが、
再契約の可能性が高くなったと言えましょう。
となれば、中島選手もメジャー挑戦したと仮定すれば、
3番(左)栗山、4(指)カーター、5(一)オーティズ、6(三)ヘルマン
悪くはないんですが… 物足りない感はありますよね…


であれば、ライオンズも積極的に補強に動かなければなりません。
例えば、中日のブランコ選手。
横浜を始め、争奪戦となりそうですが、動く価値はあります。
現状では条件面で敵わないと言わざるを得ませんが、
投手コーチに前中日ヘッドコーチの森繁和氏を招聘すれば、
多少条件面で敵わなくとも、慕っての入団もありえるかもしれません。
仮に獲得に至らなかったとしても、オーティズ選手を始め、
他の外国人選手との契約に影響を与えることができます。
西武との契約は安泰だからと、待って好条件を引き出すことはできなくなり、
残留の目が強くなってくれることでしょう。
動くだけの価値はあると思います。

もっとも、前提条件である森コーチの入団が必要ですが…
2軍監督や1軍ヘッドが不在なのに、来季コーチ人事はまだ未発表、
どうなっているんでしょうかね?
フェニックスリーグ終了まで待つということなんかな?


あとはドラフト戦力の見直しにも繋がることでしょう。
今のライオンズに和製大砲候補はおらず、
高卒1年目の駒月外野手の素質に期待していますが、伸びるのはこれからでしょうし、
それ以外の選手は俊足巧打タイプがほとんどです。
同タイプの斉藤彰吾外野手が2軍での打撃を1軍で見せれば、長打力も期待できそうですが、
今のところはそういった気配もありません。
となれば、ドラフトで大砲候補の獲得に動く可能性が高そうです。
今のライオンズは緊急性を要する大きな補強ポイントがなかったため、
1位はエース候補の大阪桐蔭・藤浪投手を指名すると思われましたが、
ここに来て野手を1位候補になってくる可能性が高まったように思います。
候補は外れ1位候補だった駒澤大学・白崎浩之内野手でしょう。
高校は埼玉栄高校出身ということで地元ですし、
守備の不安はあるものの、サード・ショートを守ることができ、
右の強打者ということで補強ポイントに合致しています。
中村選手の長打力を補う活躍はまずできませんが、
将来性に期待し、中村選手の復帰まで育てて待つということはできそうです。

その後は、2位で立命館大・金子選手など即戦力のショートを予定していましたが、
ここで即戦力の投手を指名してくる可能性もありそうです。
3位は高校生の野手、4位で2位で補強できなかった方、5位で高校生を軸に投手、
こういった指名になってくるかもしれません。
指名予定の5人という人数は9人の引退・戦力外選手と比べると少ないだけに、
補強枠として2人余裕を持ったとしても、まだ2人余裕があるわけで、
他球団を戦力外になった選手の獲得もありそうです。
候補としては、阪神を戦力外となった小林宏之投手、楽天を戦力外となった有銘投手、
同じく楽天を戦力外となった岩村選手。
左右のリリーフ、補強ポイントのサードを埋めることができるだけに、
ドラフトだけではなく、こちらの動きもあるかもしれません。

【追記】
夜の報道と各球団のドラフトを検証した結果、
野手を1位指名する可能性がありそうなのはヤクルトぐらいで、
外れ1位も投手もしくは捕手の補強を優先しそうなので、果敢に攻める可能性もあります。
とはいえ、ウェーバー順の2位で残っているかは微妙なだけに、
そこは球団の評価次第かもしれません。


もっとも、ファンとして最も望むのは、中島選手のメジャー挑戦延期なわけですが…
腰の状態も心配ですし、もう1年ライオンズでやってくれないでしょうか?
負担の少ないサードを守る試合が多くなってもいいわけですし…
とはいえ、FAしたら獲得に名乗りを上げると見られるジャイアンツが
ワールドシリーズ出場を果たしたりと、夢への希望が膨らむことも確か。
実に悩ましい問題です。

2012年10月22日

日本シリーズは日ハムと巨人に

今日でプロ野球のクライマックスシリーズが終わり、
パリーグは日ハムが3勝0敗でソフトバンクを下し、
セリーグはジャイアンツが3連敗から3連勝して3勝3敗で中日を下し、
それぞれ優勝チームが日本シリーズへと駒を進めました。

まぁ、でもクライマックスシリーズは完全に制度として破綻しちゃいましたね。
この「優勝チームが勝って当然」という空気はどうにかしないといけません。
平日開催だった影響もあるでしょうが、クライマックスシリーズの常連となった日ハムが、
札幌ドームの試合で満員にできず、空席が目立ったことは関係者に衝撃を与えました。
要するに、勝って当然だから誰も見に行かないわけです。なるほど、道理です。

今日の試合でジャイアンツが勝ったから格好が付いたものの、
もし引き分けだったら、凄くおかしなことになっていました。
ジャイアンツが2勝3敗1分で勝利、アドバンテージ1勝があるとはいえ、変です。
何で負け越した方が勝者なのか。
第1ステージなら1勝1敗1分で上位球団が勝つのは分かります。
でも2勝3敗1分で優勝チームが勝つのはおかしくないですか?
それじゃアドバンテージ1勝どころではない。1.5勝分を上げているようなものです。
これを「出来レース」と言わずして何と言うか。実に馬鹿げています。

かつてのパリーグのプレーオフが完成していたとは言いませんが、
少なくともアドバンテージはなくすべきだと思います。
アドバンテージを入れたら開催する意味がそもそもなくなります。
優勝チームが日本シリーズが出れないのが変? そう言うなら最初からやるなよ!
合理的な結果が出ないと変だ? だったら、今年の横浜と巨人は開幕前から最下位と優勝だろ!
アドバンテージの制度はスポーツの醍醐味そのものを破壊しています。
ある意味、順当にいかないのもスポーツ。一発勝負の怖さがあってこそでしょう。
それを無に返すクライマックスシリーズのアドバンテージは腐ってます。

月曜開催の第3戦目こそ満員になりませんでしたが、
西武ドームでのクライマックスシリーズはホームチームの敗退に終わったとはいえ、
盛況な形で終わりを迎えました。
「埼玉」の冠を付け、球団が地域密着に努力してきた甲斐もあって、
ようやく西武ドームの客足も伸びるようになりましたが、
こうやってファンが熱心になってきたのも、惜しい戦いをしながら一歩届かないためでしょう。
2年前のリーグ優勝目前の逆転優勝や、昨年の最下位からギリギリ滑り込んだ3位、
今年もあと一歩のところまで行きながら優勝できずにCSも敗退と、
悲しいかな、あと一歩で負け続けたことが、
逆にファンを勝利に対して飢えさせ、熱心にしたのだと思います。
黄金時代のライオンズは本当に強かったですが、「勝って当然」ではファンも刺激が足りません。
負けるリスク、不条理さがあるからこそ、逆に燃えるわけで、それがスポーツの醍醐味です。

そういったスポーツの醍醐味そのものを欠くクライマックスシリーズは、
ファンに飽きられてしまうのは当然のことでしょう。
そういう意味ではメジャーリーグのプレーオフはよくできています。
不条理だからこそ燃えるんです。
もう一度、本来あるべき姿だったプレーオフに戻しなさい。
どうしてもアドバンテージが欲しいなら、ホーム・ビジターの移動を加え、公平性を担保しなさい。
今の仕組みでは優勝チームの金儲けのためだけの「出来レース」に過ぎません。
いい加減に目を覚ませや、と毎回思います。


◆ニュースネタ フランスTV局司会者が日仏サッカー親善試合に関して相次ぐ暴言
一度目はサッカー親善試合のフランス戦で、ゴールキーパーの川島選手の好守備に阻まれ、
何度となくゴールを逃したフランス代表を揶揄して、
川島選手の腕が4本あるかのような合成映像を作り、「福島の影響ではないか」と発言し、
さらに、これが問題であると世論の話題になると、
今度は「コップの中の嵐(他人事、外に影響のないこと)」をもじり、
「コップの中の津波」と発言するなど、お騒がせが続いています。
本人的には軽いジョークなのでしょうが… ジョークにしては行き過ぎですよねぇ…

最初の「福島の影響ではないか」という発言に関して言えば、
そもそも、そういった発言が出てくる意識が問題です。
原発事故がある種のモンスターを生み出したのではないか、
映画のゴジラのように、理解不能な危険を生み出すという漠然とした不安が背景にあり、
それが簡単に口を出てしまうという意識そのものが問題です。
つまり、それがジョークとして通じると思っている意識、
要は、原発事故が理解不能な怪物を生み出すのではないかという人々の邪推や不安、
その心に触れようとするジョークなわけですから、性質が悪いと言わざるを得ません。
福島の人々は人間ではない、そう言わんばかりの発言に思えてしまいます。

今度の「コップの中の津波」という発言は、もはや意味不明と言わざるを得ません。
全く津波を理解していません。
津波は海を隔てた遠くの国にも影響をもたらす災害ですから、
コップの中の津波はこぼれるだけでなく、コップを持っている人の顔にも降りかかります。
発言の意図と完全に矛盾しており、もっと騒げと言っているのでしょうか?
前の発言における福島を揶揄するつもりで言ったのではないという弁護も、
この発言によって完全に破綻してしまい、
津波を過小評価し、被災者を揶揄しているようにしか思えなくなってしまいます。

ジョークはさらっと流される類のものなのに、これらはそうすることができないわけで、
ジョークとしては芸がなさ過ぎます。
まぁ、これ以上騒いだところで、特に何かが変わるわけでもないと思いますので、
行き過ぎた発言の指摘に止めておき、馬鹿がいたんだな程度に流すべきでしょう。

どうでもいいですが、馬鹿は古代中国で時の権力者が鹿を連れてきて「馬」と言い張り、
これは「鹿」ではないかと言った者を抹殺し、
「馬」と言った者を自分に従う者の証明としたことが語源のようです。
ということは、馬鹿、鹿を馬と言ったら殺されちゃうということ?
現在の意味と大きく異なってきているのは間違いありませんが、
あまり使いたくない言葉ではありますね。
今回の話には最適な感がありますが(苦笑)


◆野球ネタ 花巻東・大谷投手がメジャー挑戦を表明
本人の決断ですから、周りがとやかく言うことではないでしょう。
よくドラフト制度が職業選択の自由に反するかどうか話題になりますが、
チームによってプロ野球の試合ができる・できないがあるわけではないので、
プロ野球球団であれば職業選択の自由は保障されますが、
大谷投手の場合は日本プロ野球ではなく、メジャーリーグに仕事を求めたわけですから、
本人の職業選択の自由を尊重するためにも、容認の態度でいいと思われます。

ただ、大谷投手に自覚して欲しいのは、
あなたの夢の追求は多くの人々の期待を裏切るものだったということです。
同様に日本プロ野球を経ずに大リーグ入りしたレッドソックス・田澤投手にも言えますが、
日本の野球ファンはメジャーでの活躍で名前を知っていても、
日本のアマチュア時代の実績は知らないことが多く、松坂投手は応援している人はいても、
田澤投手を熱心に応援している人はほとんど見かけません。
一般の人々からすれば、松坂投手やダルビッシュ投手の名前は知っていても、
「田澤投手って誰?」ってことになるでしょう。
つまり、3年も経てば、日本人はあなたのことを忘れるということです。
例え、メジャーで活躍したとしても、それは日本人の大谷翔平の活躍ではなく、
海の向こうにいる大谷翔平の活躍でしかないわけです。
今まで応援してくれたファンは全てリセットされ、文字通り裸一貫のゼロからのスタート、
もはや日本での働き場所はない、海の向こうにしかあなたの働き場所はありません。
異国の地で自らの力で地位を掴み、一プロ選手としての活躍を望みたいです。

その話はこれぐらいにして、一つ分からないのはこの場合のドラフトの制限の話です。
報道の文言が色々とバラバラで、統一的解釈ができているかどうか疑わしい面があります。
私は、最初、メジャーリーグ球団と契約してから3年(または2年)と解していたのですが、
どうやらそれは誤りで、メジャーリーグ球団との契約が解消し、
かつ、帰国してから3年(2年)となっているような気配です。
これってかなり厳しい処分のようにも思えるのですが…
つまり、フリーの立場なり、社会人で3年(2年)やらないといけないということですよね?
楽天・星野監督が「甘すぎる」と批判していたのは、前者の解釈をしているのでは?
メジャーリーグとの契約にしても、メジャー契約を指すのか3Aでもいいのか、
または独立リーグその他の海外リーグとの契約はどうなのか、
そういった面を考えると、統一的解釈ができているとは思えないわけです。
日本に復帰した選手だと日ハム・多田野投手がそうですが、
その時にはこういった規則はなかったので、実際にどうやって運用されるのか甚だ疑問が残ります。
大谷投手が3年後、日本に戻ってきたとしても、3年以上は大学・社会人でやる必要があるのか、
それとも3年後には自由にドラフト指名できるのか、
もしくは1年でメージャー契約を切られ、その後独立リーグでプレーしてたらどうなるのか、
そこらの曖昧な点をはっきりしてもらいたいように思います。


◆ライオンズネタ 「勝つチーム」を作るために その3:投手編
投手陣は例年よりも故障者が少なく、シーズンを通して見れば、安定していた方でした。
ただ、計算違いが多かったことも事実で、
エースの涌井投手が開幕から全く勝てなかったり、
抑えとして期待したゴンザレス投手が完全な見込み違いに終わったり、
キャンプ・OP戦と激しい先発争いをしていた菊池雄星投手と十亀投手が開幕1軍を外れ、
調子を取り戻して1軍戦力となったのが後半戦からと大きく出遅れてしまったり、
5月に抑えに配置転換した涌井投手が不祥事で事実上の謹慎処分となり、
落ち着きつつあったリリーフ陣が再び乱れたりと、
不調や怪我以外のアクシデントに泣かされた感があります。

それでも、終わってみれば、
先発は野上・菊池雄星・武隈投手ら若いピッチャーが頑張りを見せ、
リリーフでは抑えの涌井投手を軸に、長田投手とウィリアムス投手が勝ち試合を固め、
十亀投手や岡本篤志投手、松永投手らが脇を固めるなど、最終的には投手陣も充実しました。
ただ、エース不在の状況が続き、後半戦強いはずの岸投手がエース対決で勝てなかったりと、
ここ一番で先発投手が力を発揮できなかった感じはします。
涌井投手が再び先発に戻れば、リリーフの問題が再燃しますので、難しい面もありますが、
今年は若手が伸びた年だとも言えますし、来年以降の飛躍を期待したいところです。


今シーズンの投手評はこれぐらいにしておき、
先発・リリーフに分けて論評していきたいと思います。

★投手論評 先発投手編★
先発投手候補を大別すると、
 【右先発】  涌井、岸、牧田、野上、十亀
 【左先発】  菊池雄星、武隈、小石
 【ベテラン】 石井一久、西口
この10人の争いになってくると思われます。

シーズン終盤は6人目の先発不足を指摘されることが多かったのですが、
西口投手と武隈投手の不調降格後の怪我の影響が大きく、
小石投手も8月に人身事故を起こし、1ヶ月近くの謹慎期間が影響したので、
1軍戦力的として不足している印象はありません。
ただ、2軍を見ても、将来を期待できる若い投手は少なく、
来年活躍できそうなのは、十亀投手と小石投手、大石投手ぐらいで、
それ以外は現時点では期待できず、ドラフトで将来性を重視した指名が必要でしょう

話を戻しまして、上記の先発の内訳で、
理想としては、右先発から3人、左先発から2人、ベテランから1人の配分が理想です。
ただ、左の先発に期待する武隈投手が手術明けでどれだけ投げられるか分からず、
実力的には右先発の残り2人の方が上ですから、
現実的には、右先発から4人、左先発から1人、ベテランから1人の配分となり、
ベテラン2人の傾向として、前半に強い石井一久投手と、後半に強い西口投手ですから、
交流戦までは、右4枚+左1枚+石井一久投手、
交流戦後は、右3枚+左2枚+西口投手、といった傾向になってくれればと思います。

先発投手の問題は頭数ではなく、誰がエースとして働くかでしょうね。
開幕投手を務めた涌井投手は、開幕から4連敗を喫するなど、
チーム低迷のきっかけの一つを作り出し、5月にリリーフ転向後に不祥事があって謹慎、
交流戦明けから抑えに配置転換されて、優勝争いの原動力となったものの、
代わりにエースとして期待された岸投手は、ローテ投手としては安定していたものの、
本来得意である後半戦に失速し、エース対決をことごとく落とすなど、
勝負所で勝てずに優勝を逃してしまう一因ともなりました。
今季初めて先発ローテを1年通して守った牧田投手を含め、
力のある投手はいるのですから、高いレベルでのエース争いをして欲しいです。

実績ある右の3投手に加えて期待するのが、左の菊池雄星投手ですね。
昨年は打線に助けられる形で4勝を挙げ、今年は飛躍を期待しましたが、前半戦出遅れ、
後半戦からカーブを持ち球に加えて飛躍、結果的に昨年と同じ4勝に終わりましたが、
内容は雲泥の差で、力のあるストレートとカーブとの緩急は見事で、
打線の援護に助けられたのではなく、自らの力で勝ち取った4勝でした。
終盤にストレートの球威を落としてしまい、最終戦のリリーフ登板で打ち込まれ、
防御率が2点台から3点台になってしまったのが残念でしたが、来季への期待は大きいです。
課題は体力面のさらなる強化で、1年間戦えるスタミナを養って欲しいですね。
来シーズンは1年間ローテを守り、左腕エースとして活躍することですが、
いずれはその枠に止まらず、球界を代表するエースへと成長してもらいたいです。

それ以外では、エースを補強するというのは非常に難しいのですが、
レッドソックスの松坂大輔投手の契約更新が微妙で、
今後の先行きが不透明になっているだけに、注視しておくべきでしょう。
ファンとしては、メジャーでもう一花咲かせて欲しいと思いますが、
かといって、ここ数年のような打ち込まれる姿も見るに耐えないです…
まだ年齢的に終わりというわけではなく、一度日本に戻って、
肘の完治と投球フォームの再確認を行って復活を印象付け、
それから改めてメジャーへ挑戦してもいいわけですから、勇気ある決断をしてもらいたいです。
日本球界復帰となれば、横浜DeNAなど争奪戦になることが予想されますが、
古巣のライオンズとしても、手をこまねいて傍観せずに、積極的に取りに行ってほしいです。
もし松坂投手が加入したら、涌井投手を中心に投手陣への刺激はかなり大きいでしょうし、
松坂投手が復活したら、エースとしての活躍を期待できることは間違いありません。
最終的には本人の意向次第ですが、獲得の下準備は怠らないで欲しいです。

外国人投手は、ウィリアムス投手、ヘルマン・オーティズ・カーター選手と、
契約が順調に行けば外国人枠はこの4人で決まることが予想されますが、
投手コーチとして森繁和コーチを招くような展開になった場合は、
中日のソト投手の獲得に動いて欲しいです。
故障がちなのは気になりますが、先発左腕としての期待の大きい投手ですから、
右に比べて手薄な左先発投手を補ってくれると思います。


★投手論評 リリーフ投手編★
リリーフ投手を大別すると、
 【右中継】 長田、岡本篤志、田中、山本淳、平野
 【左中継】 ウィリアムス、松永、宮田、中崎、左先発から1人(武隈or小石)
 【抑え】  大石、右先発から2人(涌井or岸or牧田or野上or十亀)
「抑え」を誰にするかという問題は、先発投手争いの右先発5人次第だと言えそうです。

ライオンズの抑えは豊田清氏がFA移籍して以降、小野寺投手が一時的に活躍した後、
グラマン投手やシコースキー投手ら外国人投手に任せる時期が続き、
昨年からは先発投手だった牧田投手と涌井投手を配置転換することで凌いできました。
理想としては豊田清氏のような絶対的守護神を作り上げたいところですが、
今シーズンの12球団の抑えを見ても、怪我や不調に泣かされた投手が多く、
セーブ王の日ハム・武田久投手であっても、隔年傾向があるなど不調な時期もあります。
それだけ抑え投手というのは過酷なポジションで、
固定するのが理想でしょうが、3年以上安定して続くのは難しい傾向にあります。

そういった面を考えると、ここ2年の先発投手からの抑え転向は悪くない案かもしれません。
抑えから先発に戻った牧田投手は、オープン戦こそ先発の感覚が戻りきらずに苦労しましたが、
シーズンに入ってからは安定した投球内容でチームの勝ち頭となるなど、
抑えからの先発への再転向に見事に成功しました。
牧田投手が先発から抑えへの転向、抑えから先発への再転向を成功させたことで、
今後のモデルケースとなる可能性があります。
また、先発投手は1週間に1度の登板で、それ以外の試合はベンチ入りをしない場合が多く、
他の選手とのグラウンド上での交わりが少なくなりがちで、
そういった状況が涌井投手の不祥事の遠因ともなりましたから、
先発投手にチームの一体感を思い出させることも重要なことのように思えます。
加えて、抑え投手としての資質はいくつか条件があるでしょうが、
「決め球」「制球力」「信頼感」の3つが主な条件だと思われますが、
そのうち最も重要な「信頼感」を先発投手はある程度得ているという特徴があります。
中継ぎとは違って抑えは固定しますので、ベンチから信頼される投手でないと成り立ちません。
けれど、抑え不在の時は誰に任せるべきか迷い、結果が出なければ即交代となってしまい、
試行錯誤の時期が続くあまりに、却って抑えが固定できなくなってしまいます。
そもそも経験の浅い投手だとベンチもファンも不安な気持ちで見てしまいます。
抑え投手を作る上で大事なのは、「この投手に任せる」ということを決めることです。
その点、実績を残している先発投手は最初からある程度の「信頼感」を備えていますから、
多少結果が残らなくとも「慣れ」の問題として片付けることができますし、
経験の浅い投手にありがちな不安な気持ちでマウンドに送り出すということも少なく、
そういう意味では抑え投手を固定しやすいという利点があります。
投手は先発起用を基本線としながら、1~2年限定で抑えを持ち回る、悪くない考えです。
不安定な外国人投手に任せるよりは、よっぽど建設的な感じがするのですが、どうでしょうか?

以上のことを踏まえて、「抑え」を考えて見ますに、
固定するとすれば、2年目のシーズンを終えた大石投手でしょう。
今シーズンは試行錯誤の末、ようやく自身のピッチングスタイルが掴めるようになり、
シーズン中盤にはスライダー・チェンジアップといった変化球のキレが向上し、
シーズン後半は大学時代の150キロには届かないものの、
140キロ前後でもキレのあるストレートで相手打者を封じることができるようになりました。
来季の飛躍の可能性が最も高いのは大石投手だと思います。
まぁ、でも、それは将来的に「抑え」として起用という意味で、すぐにそうなるとは思えません。
その大石投手にしても鉄人のようなタフさを持っているとは現時点では言えず、
長年固定できるとは思えませんので、途中に先発転向を挟みながらとなる可能性は高いです。
そうなってくると、来季も先発投手の中から抑えを決めることになりそうで、

今の投手陣の主力となっている右先発の5人、涌井・岸・牧田・野上・十亀投手のうち、
3~4人を先発、少なくとも1人以上をリリーフという形になると思われます。
涌井・牧田投手の抑えは言うまでもありませんが、
岸投手もシーズン終盤に固定ではありませんでしたが、リリーフに回った経験があり、
野上投手はこれまでリリーフを基本にやってきており、チェンジアップという決め球もあるので、
抑えとして活躍する可能性も大いに秘めています。
十亀投手は変化球の決め球がまだありませんが、150キロ前後の力強いストレートは魅力で、
度胸満点のピッチングは抑えとしての資質を持っていると言えましょう。
5人とも先発投手としても高い能力を持っているだけに、先発起用したいところですが、
左右のバランスも必要ですから、全員を先発で使うわけにはいきません。
キャンプ・オープン戦で競争させながら、先発から漏れた投手を抑えに回すことになりそうです。
「先発から漏れた投手」というと聞こえは悪い感じがしますが、
今年の涌井投手が実質シーズン後半からの転向にも関わらず、セーブ王まであと一歩でしたから、
チーム状態が良ければ一攫千金のチャンスを大きく秘めているポジションだと言うことができ、
2軍で調整し続けるよりは、ハイリスクハイリターンで挑戦する方が良い選択だと思われます。

中継ぎは今季のメンバーが主になるでしょうが、
昨年の活躍で期待された岡本篤志投手が不安定だったこともあり、こちらも流動性は残しています。
右投手では大石投手が加わるでしょうから良しとして、
問題はウィリアムス投手を補佐する左投手ですね。
選択肢としてはウィリアムス投手の抑え起用の可能性もあるでしょうし、左のリリーフが課題です。
最も期待できそうなのが松永投手ですが、今季はスライダー一辺倒になりがちで、
そこを読まれてシーズン中盤以降は安定感を欠いただけに、パターンを増やすことが必要です。
他は宮田投手が今季1軍で投げましたが、良い時はスライダーを軸に三振を多く奪うものの、
コントロールが一度乱れると手が付けれず、四球連発となるだけに、制球力の安定が鍵です。
あとは先発投手争いをするであろう武隈投手と小石投手のうち、漏れた方となるでしょうが、
まだそこまで実績ある2人ではないだけに、1人だけが先発に固定されるとは言えず、
実際は1人が先発している間は2軍で再調整となるでしょうから、あまり当てにはできません。
そういう意味でも、大石投手と松永投手が一本立ちすることが必要不可欠だと思います。


★投手編 まとめ★
以上のことを簡潔にまとめると、以下のような形になります。
【先発】 涌井、岸、牧田、菊池雄星、十亀・武隈or小石、石井一久・西口
【右中継】長田、岡本篤志、大石、田中、山本淳、平野
【左中継】ウィリアムス、松永、宮田・中崎
【抑え】 野上

先発投手争いは順調に行けば、涌井・岸・牧田投手の3人で決まるでしょうから、
抑えに回りそうなのは十亀投手と野上投手となりますが、実績を考慮して野上投手に決めました。
涌井・牧田投手の再転向はしばらくないでしょうが、岸投手は調子次第で可能性があります。
リリーフは今季のメンバーを基本としているだけに、もう少しコマを増やしたいところ。
先発5番手争いをするであろう十亀投手と武隈投手、小石投手のうち1人はリリーフに。
あとは大石投手と松永投手の覚醒待ちでしょうか。

補強ポイントしては、エースと計算できるリリーフの頭数。
エースを補強するのは難しいのですが、レッドソックス・松坂投手の動向には注目したいです。
リリーフでは、阪神を戦力外となった小林宏之投手の獲得を望みたいです。
阪神を戦力外になった投手は環境を変えれば復活する可能性も高いですし、
地元の埼玉・春日部共栄出身ですから、地域密着の観点からも獲得を勧めたいです。

あとはドラフトでの補強となりそうです。
特に今年は将来的にエースとして期待できそうな大阪桐蔭・藤浪投手と花巻東・大谷投手、
大学生でも亜細亜大・東浜投手がいますから、競合覚悟でアタックして欲しいです。
昨年は競合回避で1位で十亀投手を、2位で小石投手をラッキーにも獲得でき、
震災の影響で都市対抗が遅れ、それから評価が上がったわけですが、
今年はそういったこともないので、果敢にチャレンジしていって欲しいです。
あとは左右のリリーフ候補を1人ずつ獲得できれば理想でしょうね。


★おまけ 埼玉西武ライオンズのドラフト編★
いつのまにかドラフト会議まで1週間を切ったようなので、
ライオンズのドラフトに対する希望を書いておこうかと思います。

補強ポイントは、次期エースとなりうる投手、左右の即戦力リリーフ、
将来の主軸として期待できる大型内野手(三塁手)、右打ちの外野手、以上の4つです。
炭谷選手を脅かすようなキャッチャーも欲しいのですが、
それは来年の大阪桐蔭・森選手の成長に期待し、今年はパス、急ぐ必要もないですから。

そうなってくると、1位指名は投手であることは間違いありません。
高校生の大阪桐蔭・藤浪投手と花巻東・大谷投手、大学生の亜細亜大・東浜投手が候補でしょう。
そのうち、花巻東・大谷投手がメジャー挑戦を表明したので回避が決定的で、
おそらく大阪桐蔭・藤浪投手の指名になるでしょうね。
大谷投手とは違ってある程度完成されており、
それでいて東浜投手よりも伸び白が大きく、大舞台も経験している強みがあります。
ただ、既にヤクルト・阪神・オリックスの3球団が1位指名を公言しており、
大谷投手のメジャー挑戦によってさらに増えて、最大で9球団の競合がありえます。
そうなってくると、他の投手に動く可能性もないわけではありませんが、
ライオンズが欲しいのはただの先発投手ではなく、
エースなのですから、そこは妥協しないで欲しいですね。
外れた場合は、他球団からも名前が挙がっている東福岡・森雄大投手、
慶大・福谷投手、法大・三嶋投手、三重中京大・則本投手らでしょうが、
こちらも競合が予想されるだけに、2位の選手を繰り上げて指名する可能性もありそうです。

狙い通りに1位指名でエース候補を指名できた場合は、
2位指名は将来性のある野手を狙うと思われます。
高校生なら、光星学院・田村選手と北条選手、平安・高橋選手、
大学生なら、駒沢大・白崎選手、立命館大・金子選手。
特に白崎選手は埼玉栄高校出身で、サードを中心にショートも守ることができ、
手薄な右の代打としても使えるので、野手の補強ポイントに合致しています。
ただ、守備に不安を抱えているだけに、
守備力を優先した場合は立命館大・金子選手やNTT西日本の梅津選手を狙うでしょうが…
「ポスト中島」と言うには問題外ですし、ここ2年の野手を見ても即戦力で働いた選手は少なく、
中日・高橋周平選手や日ハム・近藤選手と西川選手ら、将来を期待される選手はいるものの、
即戦力で合格点なのは、昨年のロッテ・伊志嶺選手と、2年目の秋山選手ぐらいでしょう。
その伊志嶺選手は今年サッパリでしたし、投手に比べて野手の即戦力は相当に難しいです。
ショートには高卒1年目で高い守備力を見せた永江選手がいるだけに、
同じタイプの選手で年上の選手を狙うとは思えないのですが…
できるあんら、タイプの違う選手を指名したいところです。

3位指名は難しいのですが、伝統的に3位は野手が当たる傾向にあります。
昨年は高校生の駒月選手、2010年は秋山選手、2008年は浅村選手、
2006年は原選手、2001年は栗山選手、1999年は大島選手、
古くは1993年に松井稼頭央選手を指名するなど、野手の3位は驚くほど成功例が多いです。
実際に名前を挙げてみてビックリしました。イメージはあったものの、ここまでとは…
そういう意味でも、3位は将来性のある野手を獲得しにいくかもしれません。
候補は先に挙げた光星学院の2人に、平安高校の高橋選手、
投手ながらも打撃センスが光る智弁・青山選手と神村・柿澤選手らが候補です。

4位指名は大学・社会人から即戦力リリーフを指名することになるでしょう。
一昨年前は牧田投手、昨年は十亀・小石投手と、社会人出身の投手が成功しており、
他球団では下位氏名ながらもエースに成長したソフトバンク・摂津投手や、
大学出身ではロッテ・益田投手が新人王筆頭の活躍を見せ、
日ハム・森内投手もリリーフで良い働きを見せていますから、
4位以下の社会人投手にも活躍の期待がかかります。

5位指名では白崎選手が指名できなかった場合、内野手を指名する可能性もあります。
本職はファーストですが、サードを守れる関西学院大の萩原選手が残っていれば。
大阪桐蔭時代は浅村選手とチームメイト、刺激策としての指名もああるかもしれません。

【1位】藤浪晋太郎(大阪桐蔭・投手) 【外れ】三嶋一輝(法政大・投手)
【2位】白崎浩之(駒沢大・三塁手)  【次点】田村龍弘(光星学院・三塁手)
【3位】高橋大樹(平安高・外野手)  【次点】柿澤貴裕(神村学園・内野手)

2012年10月18日

CSファイナルステージが開幕

プロ野球のクライマックスシリーズ・ファイナルステージが始まり、
2試合を終えたところで、セリーグは中日が2連勝で2勝1敗(アドバンテージ)とし、
パリーグは日ハムが2連勝して3勝0敗(アドバンテージ)で王手をかけました。

セリーグは中日が主導権を握っているとはいえ、先発投手のやり繰りに苦労しており、
この後も上手くいくかどうかは未知数、
ただ対戦経験の少ない投手が逆に巨人打線に幸いしているような雰囲気も…

パリーグは、この後、ソフトバンクが盛り返す可能性もありますが、
日ハムでほぼ決まりでしょう。
西武の進出を考えて、青写真を描いていた時は、
1・2戦のどちらかを菊池雄星・野上投手で取り、3・4戦目で牧田・岸投手で確実に勝利し、
5戦目の石井投手で決め、6戦目の吉川投手は投げさせないという展開を描いていましたが、
本当に単なる青写真になっちゃいました… 捕らぬ狸の皮算用でしたね…
そういう展開予想からすれば、3戦目は攝津投手で取れるかもしれませんが、
4戦目の武田投手と中村勝投手の投げ合いがどうなるか。
ここがスンナリ行って、5戦目を大隣投手で勝ったとしても、
6戦目に吉川投手と戦うこととなるだけに、厳しいと言わざるを得ません。
相変わらず打線は点数が取れていませんし… 日ハム優位は固いです。


◆プロ野球ネタ ロッテ・伊東勤監督の就任を発表
つーか、2日前に発表しとけば良かったのに… 何でCS開催中にというのが素朴な疑問。
宮崎フェニックスリーグに2軍コーチを派遣した後に退団させたりと、
フロントの動きが読めないというか、はっきり言えば、常識から外れてますよね。
2日前に間に合わなかったのならば、クライマックスシリーズが終わるまで待てよ、と。
段取りが悪すぎるというか、全く持って空気が読めていません。

さて、ロッテに元西武監督の伊東勤氏が就任したわけですが、
西武監督時代は現役引退直後だったこともあって、厳しさが前面に出てしまい、
試合後のインタビューでも選手の個人批判が多く、
当時の若手主体のチームにおいてはそれがマイナスに作用してしまい、
結果的に選手の気持ちが離れていってしまい、退団となった経緯があります。
一方で、前任の伊原監督に続きエンドラン等の機動力を重視した野球を展開し、
中島・片岡・栗山選手ら若い選手を抜擢し、今のチームの土台を作り上げたのも事実です。
NHKの解説、WBCの日本代表コーチ、韓国プロ野球のヘッドコーチを経たことで、
どれだけ「角」が取れたかが成功の鍵でしょうね。
ロッテも、どちらかと言えば、選手を乗せる監督(金田監督やバレンタイン監督)と相性が良く、
伸び伸びプレーさせた方がいい球団ですから、厳しさを表に出しすぎないことが必要でしょう。

あと西武ファンとして気になるのは、コーチ人事で引抜がないか等ですよね。
今の首脳陣のほとんどが伊東監督の退団後に刷新されましたから、
その点では大丈夫だと思うのですが… 気になる点ではあります。
つーか、ロッテはこれで良かったんでしょうか? OB外しが進むだけな気も。
昨年の補強で優勝できると断言したフロントはそのままみたいですし、
最終的には戦力補強の面で伊東監督とフロントが対立してしまうのは確実なような…
ロッテ球団の本気度合いが知りたいです。
まぁ、クライマックスシリーズ中にひっそりと就任会見をやるぐらいだから、
本気じゃないんでしょうね、きっと。
オリックス・石毛監督のように、貧乏くじを引かされなきゃいいのですが…


◆ライオンズネタ 「勝つチーム」を作るために その2:野手編
今年は例年になく主力野手に故障者が続出する年でした。
開幕時には、手術後だった片岡選手は仕方ないにしても、新外国人のカーター選手も手術、
秋山選手もオープン戦序盤で無理して出場するも悪化してコーチがストップをかけて間に合わず、
離脱こそしなかったものの、浅村選手も同様に試合に出続け、前半の極度の不振に繋がりました。
シーズン中盤には、中村・中島選手が代わる代わる離脱(同時離脱でなかったのが唯一の救い)。
シーズン後半には、片岡選手が、栗山選手が相次いで離脱し、
中島・中村選手も故障が悪化して試合に出れない日もあって、
若い石川選手が起爆剤として活躍しかけたところで死球を受けて骨折離脱と、
1年を通して怪我人が出続けた年で、ベストオーダーで戦えた試合は数えるほどしかありません。

それでも戦えたのは、浅村・秋山選手といった新しい1・2番コンビの活躍や、
大崎選手ら中堅選手の奮起、ヘルマン・オーティズ・カーター選手の働きが大きいです。
特に、浅村選手と秋山選手は新しいライオンズの顔としての活躍を期待させるもので、
長らくこの形は続いていきそうな雰囲気です。
ヘルマン選手は開幕時こそ1番セカンドが大外れで、ヒットが出ない・ミスが多いと散々でしたが、
5月からは調子を上げていき、守備位置もセンターを経てサードに落ち着くことになり、
怪我なく試合に出続け、勝負強い打撃と積極的な盗塁で攻撃の起点となってくれました。
なんとか戦うことができたのも、若手の成長と外国人選手の活躍があったからでしょうね。

とはいえ、主力野手が抜けたことによる層の薄さを感じずにはいられませんでした。
特に優勝争いのかかった9月、栗山選手が怪我をしたことで、外野が2つ空いたのですが、
大崎選手の不調もあってなかなか固まらず、2軍から色々な選手を使うも、
五十歩百歩といったところで決め手を欠くような状況もありました。
2軍ではベテラン選手が主軸を打つ状況ながらも、優勝争いの大事な時に出番がない、
2008年頃までは2チーム作れるぐらいの野手の選手層の厚さを誇りましたが、
相次ぐ主力の流出や若返り策もあって、野手の層も底を尽きてしまった感があります。
そういう意味でも、「成長を期待できる若い野手」と、
「優勝経験豊富なここ一番で頼りになるベテラン選手」が必要だと思われます。


今シーズンの野手評はこれぐらいにして、まずは今オフの話題になるであろう事柄に触れ、
その後に個別にポジションを見て行こうと思います。

★中島選手のFA権を行使したメジャー移籍に関して★
昨年までとは違い、球団に主導権のあるポスティング・システムではなく、
選手の権利であるFAを使っての移籍ですから、球団に反対する理由はないですね。
ファンとしても快く送り出してあげたいです。

ただ、昨年までなら、レギュラー確約は難しくとも、控え扱いでのメジャー契約は可能でしたが、
今年になって腰痛をやってしまったので、故障に煩いメジャー側がどう評価するか分かりません。
日本人内野手は失敗例として挙げられますが、松井稼頭央選手や岩村選手も活躍した時期もあり、
その点では一概に失敗とは言い切れませんが、いずれも故障に泣き、
その間に他の選手に取って代わられ、球団を追われるうちに活躍の場がなくなっていきました。
日本人内野手が成功できない最大の理由は「怪我」であって、
腰痛が完治しない限りはシビアな評価がされてしまう可能性があります。
海外FA移籍は長期化が予想されるだけに、12月までに腰痛が回復することを祈りたいですね。

そういったことを考えると、今年の中島選手も100%メジャーに行けるとは限りません。
ただ、FA宣言をするのはほぼ確実でしょうから、
最悪の場合に備えてのFA宣言残留の準備はしておくべきでしょう。
国内FA権とは違って、契約条件の吊り上げに使われるわけではありませんし、
中島選手はそういう選手でもありませんから、
これまでは否定しがちだったFA宣言した上での残留を無条件に認めていいと思われます。


★中村剛也選手が膝を再検査、手術も検討★
まだ手術が確定したわけではありませんが、どうやらその可能性が高そうな雰囲気です。
完治にどれぐらいかかるか分かりませんが、来春のWBCに間に合うかも微妙ですし、
開幕には間に合ったとしても、守備は付かず、DHでの出場が基本線となりそうです。

そうなってくると、外国人選手の去就が難しくなってきます。
ヘルマン選手は間違いなく再契約に動くでしょう。
守備の不安があるだけに、来年は外野でと考えていましたが、
中村選手が手術となればサードの第1候補であることは間違いなく、絶対に必要な選手です。
残りのオーティズ選手とカーター選手はファーストを守ることを期待されますが、
膝の手術後だったカーター選手は今季1度も守っておらず、
そう考えると来季はDHに空きがないだけに、契約は微妙になってくる可能性があります。
一方のオーティズ選手は、オリックス・ロッテ・ソフトバンクと渡り歩くなど、
契約問題で苦労してきただけに、スンナリと残留となるかどうかの不安があります。

ただ、昨年からの飛ばない統一球の導入や広いストライクゾーンによって、
活躍できる外国人選手が少なくなっているのも事実で、
成功例はバレンティン選手と李大浩選手ぐらいで、
それ以外はあまり活躍できておらず、日本で活躍した選手を再獲得するケースが増えています。
そういった点から、新しく外国人選手を獲得するのは必ずしも良い考えとは言えず、
逆にヘルマン選手とオーティズ選手は他球団から狙われかねないだけに、
3選手との再契約を早めに進めてもらいたいですね。

また、中村選手の手術後はヘルマン選手がサードを務める可能性が高いのですが、
守備に不安があり、クライマックスシリーズではレフトに回ったりもしていただけに、
打撃と守備が安定したサードが必要なことも事実です。
そういう意味でも、楽天を戦力外となった岩村明憲選手との契約を目指して欲しいです。
楽天での成績を見ると、実力的には疑問の残る面もありますが、
ヤクルトやメジャーでも優勝経験があり、
レイズでは若手を引っ張るリーダーとして活躍していただけに、
「優勝経験豊富なベテラン選手」という補強ポイントに合致し、
かつ、現時点で流動的なサードを守れるということで、最適な補強でしょう。
古巣のヤクルトに本腰を入れられると敵わないだけに、
中村選手の手術の有無が確定した時点でアタックしてもらいたいです。

現時点で岩村選手以外には去就が微妙なベテラン選手は出てきていませんが、
メジャーの松井秀喜選手の動向はチェックしておくべきでしょうね。
もし、松井選手が最後の奉公としてWBC出場を望むのならば、
メジャーでの契約は難しくなり、かといって浪人の立場での参加も難しく、
そういった面からも日本球界復帰を決断する可能性があります。
争奪戦になるのは間違いないでしょうが、巨人・メジャーでの優勝経験が豊富で、
「勝つためのバッティング」を知り尽くしている松井秀喜選手の勝負強さは魅力的です。
ここ一番でヒットが出ずに優勝を逃したことを教訓として、
勝負強いベテラン選手の獲得を積極的に目指して欲しいです。


★ポジション別論評 キャッチャー編★
ほぼ全試合でスタメンマスクを被った炭谷銀仁朗選手にかかる期待は大きいです。
盗塁阻止率はリーグトップで、相手に何度もタックルされながらも逃げないブロック、
ディフェンス面の評価は非常に高く、来シーズンも正捕手で間違いないです。
一方で、CS第1戦でチャンスでもないのに代打を送られて交代し、
その後、上本選手に代打を送れずに負けたことに象徴されるように、
打率が2割を切っているようでは打撃面で信頼されないのも事実。
来季に向けては打撃力向上が大きなポイントとなってくるでしょう。

ただ、打撃が年々進化していることも事実で、今季は右方向へのヒットが増え、
中島・浅村・ヘルマン・片岡選手に次ぐ綺麗な右打ちを見せる機会が増えてきました。
バスターエンドランも上手で、当てるバッティングもできるわけですから、
普通に打てば.250以上は打てそうな感じはするのですが…
下地はかなり積んでいると思うので、あとは開花させてもらいたいです。
あと、年齢的にも20代中盤に差し掛かり、
野手陣の中では中島・中村・栗山・片岡選手らに次ぐ試合数と経験を積んでいるだけに、
そろそろ「若手」から脱却し、名実ともにチームの中心選手に育って欲しいです。
リードもかなり安定してきており、首をひねるような場面はほとんどなくなりましたが、
まだ谷繁選手や細川選手のように相手打者を苦しめるような配球には至っていないだけに、
そろそろ、そういった相手に嫌がれるリードをできるキャッチャーになって欲しいです。
あと一歩、炭谷選手が若手から主力に変わるだけで、ライオンズは一気に強くなるはずです。

炭谷選手の打撃が伸び悩めば、上本選手ら他のキャッチャー陣にもチャンスが出てきます。
特に上本選手はスローイングに難があり、守備で代えられるために第三捕手の位置でしたが、
今年はスローイングが劇的に向上して、盗塁でアウトにする場面も多くなり、
第二捕手の位置を確固たるものにしました。
ただ、今年はDH等で出場したシーズン前半に打撃で結果を残したものの、
シーズン後半は出場機会の問題もあって、なかなか打撃でアピールできなかっただけに、
捕手と打撃の両立が求められます。

その他の星孝典・武山・岳野選手らは強肩・強打をウリにしていますが、
いずれも炭谷選手の守備、上本選手の打撃を勝っていないだけに、レギュラーは難しいです。
比較的手薄なサードや外野を守れることもアピールできれば、チャンスは増えるかも。
一度は育成選手となりながらも、支配化選手に戻った中田選手は、
2軍で最も多くマスクを被るなど、飛躍の年となりました。
まだ22歳と若い選手ですから、炭谷選手を脅かす存在に成長して欲しいですね。


★ポジション別論評 二遊間編★
長らくライオンズの二遊間は、ショート中島・セカンド片岡選手の体制で来ましたが、
片岡選手がルーズショルダー等でシーズン前に手術し、復帰するも痛みは残ってしまい、
シーズン中に再離脱となって再手術に至ってしまい、
中島選手もシーズン中盤から腰痛に悩まされての欠場が増え、
オフにはFAを使ったメジャー移籍も噂されています。
そんな中で、主力を欠く中で外国人選手を使うために、浅村選手をセカンドに回したり、
ショートで高卒ルーキーの永江選手を使ったり、
ヤクルトから移籍の鬼崎選手が守備固めでアピールするなど、新しい形ができつつあります。

仮に中島選手が残留し、片岡選手も復帰したとしても
来季もそのまま2人の二遊間が続くとは正直思えません。
中島選手がメジャーへ挑戦せずに残留するということは、腰痛が完治していないことを意味し、
ショートでフルに出場するのは難しく、サードと半々ぐらいになると予想されます。
片岡選手も再手術で肩の痛みが消えない限りは、
ファーストから見て逆の動きが多いセカンドを守ることは再度の怪我に繋がりかねません。
今年のセカンド浅村選手のプレーを見ていても分かると思うのですが、
一二塁間のゴロに飛びついて、起き上がらないままにサイド気味に1塁へ送球したり、
二遊間のゴロを逆シングルで捕って、反転しながら送球したりと、
セカンドのスローイングはかなり不安定な位置からすることが多いポジションです。
それに対してショートやサードは、基本的にファーストと正対する位置にあるので、
ほぼスローイングの位置は一定しており、ステップでスローイングもカバーすることができます。
ショート・サードというと、肩の強さを要求されがちですが、
そういう意味では純粋に地肩の要求をされることはなく、肩に不安があっても守ることができます。
片岡選手の選手寿命を考えれば、外野手に転向するのが一番なのですが、
仮に中島選手が抜けてしまうと、経験ある内野手がいなくなってしまうので、
ショート・サードに回して浅村選手らの成長を待つ形になるのではないかと思われます。

そうなってくると、セカンドは浅村選手で固定するべきでしょう。
本人はショートを望むかもしれませんが、今年見せたセカンドの動きは素晴らしく、
ミスすることもありますが、広い守備範囲と身体能力の高さは魅力的です。
また、高卒ルーキーの永江選手の守備が想像以上に良く、将来的にショートを任せることも考えて、
次期主力選手として期待する浅村選手はセカンドに固定して欲しいです。

ショートは前述のように片岡選手をコンバートし、原選手や鬼崎選手と併用しながら、
高卒ルーキーの永江選手の成長を待つ形としたいところです。
永江選手は守備面の評価は素晴らしいものの、打撃の方は1軍で内安打1本に終わってしまい、
結果的に打撃面の力不足を露呈する形となってしまいました。
それでも2軍では.258を打っていますし、高卒1年目の数字としては有望株の結果です。
確か、浅村選手の高卒1年目の成績もそれぐらいだったと思います。
浅村選手は2年目・3年目と大きく成長し、年々パワフルになっているだけに、
永江選手もそれに倣って日々成長していって欲しいですね。
来年は今年のソフトバンク・今宮選手ぐらいの成績を残せれば合格点でしょう。


★ポジション別論評 一塁・三塁・DH編★
現時点で一番流動性の高いポジションがここかもしれません。
中村選手が手術回避で膝が回復してサードを守れるような状況で、
なおかつ、外国人選手の契約更新が無事に済めば、
サードに中村選手、ファーストにオーティズ選手、DHでカーター選手と、
ヘルマン選手がライトを守れれば、外国人3人を同時に使うことができ、
中島選手がメジャー挑戦したとしても、得点力を補うことができますが…
現実的には、中村選手の膝の状態は芳しくなく、手術する可能性が高くなるので、
来年はDHでの出場が基本線となって、カーター選手の出場機会は減ってしまうでしょう。

そうなると、中村選手をDHで固定し、サードでヘルマン選手を起用、
ファーストはオーティズ選手を中心に、カーター選手との併用になりそうです。
となれば、レギュラーが保証されないオーティズ選手との契約問題が心配になり、
また、カーター選手との契約更新の必要性も問題になってきます。
チームとしては3選手とも再契約したいのですが… 早めに目処を立てて欲しいですね。

問題は内野の控えです。
二遊間は浅村・片岡・永江・原・鬼崎選手と候補がいますが、
サードの控えは原選手ぐらいで、不足している感は否めません。
2軍を見ても戦力になりそうなのは林崎選手ぐらいで、
打力と安定した守備を持った3塁手が欲しいところです。
そういう意味でも、楽天を戦力外となった岩村選手は魅力的に映ります。
FAではロッテの今江選手もいますが、Aランクなので人的保障の損失の方が…

ドラフトでの補強も一つの方法ですが、コンバートも一つの手でしょう。
特に外野手は競争結果が見え始めているだけに、
星秀和選手は捕手コンバート直後はセカンド・サードも守っていましたから、
外野だけでなく、サードに再挑戦することは起用法の幅を広げてくれるように思います。


★ポジション別論評 外野手編★
今年は秋山選手がレギュラーとしての地位を確固たるものにしたものの、
開幕に間に合わず、交流戦後も一時登録抹消となるなど、試合に出ない期間があり、
シーズン後半は絶対的なレギュラーだった栗山選手が骨折で離脱し、
外野の2ポジションが空いている状況が多かったですから、
外野手にとっては数多くのチャンスがあったはずです。
ただ、総じて調子が続かない選手が多く、ほぼメンバーは絞れた感があります。

今年の秋山選手の攻守に渡る活躍で、栗山選手とともに外野2ポジションは確定。
残るライトのポジションですが、今シーズンの競争の結果、
左打者では大崎選手、右打者では熊代選手で勝ち抜けたと言っていいと思います。

大崎選手はシーズン中盤に怪我から不調に陥り、一時登録抹消となりましたが、
9月後半・CSで活躍を見せて、最終的には.269をマーク、一歩抜け出しました。
左投手もそれほど苦にするタイプではありませんし、
課題の守備ではチョンボもあるものの、今年はナイスプレーも多く、
一昔前に比べれば、大分安定感が出てきた感じはします。
CSではダブルスチールのホームスチールを決めるなど、
走塁面も向上していますし、ライトのレギュラーに一番近いのは大崎選手でしょうね。

熊代選手は対左投手を中心の起用で、出場機会に恵まれたわけではありませんが、
綺麗なヒットではないものの、喰らい付く打撃で.270をマーク、
粘り強いわけでもありませんが、とにかく泥臭く向かっていく姿勢が好感が持てます。
守備でミスをした後でも気落ちせずに、思い切って振りにいけますし、
スイッチヒッター挑戦中の左打席を含めて、まだまだ伸び白が大きい選手です。
そして何と言っても、今年は守備面での活躍が目立ちましたね。
西武ドームでの楽天戦でのトリプルプレーは多くのファンの記憶に残っていることでしょう。
それ以外にも果敢なスライディングキャッチを見せるなど、
秋山選手とともに、何度となくチームのピンチを守備で救ってくれました。
秋山・熊代選手の外野守備は12球団一と言われる日ハムの外野陣にも負けていません。
課題は打撃面、左打席でもしっかり打てることにすることなのですが、
それ以上に、スタメン・代走での起用されながらも、盗塁が2個だけというのは寂しいです。
本来は俊足がウリの選手ですから、20盗塁以上できれば、レギュラーも見えてくるはずです。

それ以外の外野手は、三拍子揃った石川貢選手と高卒1年目の駒月仁人選手を除き、
栗山・秋山選手を脅かすどころか、大崎・熊代選手にも勝てず、
現状のままではチャンスすらないと言わざるを得ません。
自分が何をアピールして1軍に生き残るのか、
そこを明確にして特徴を出していかないと、試合で使ってもらえないでしょう。
嶋・高山・坂田選手は打力をアピールして代打で活路を見出す必要があり、
斉藤・田代選手は足と守備において、秋山・熊代選手以上のものを見せる必要があります。
米野・星秀和選手は、過去にそれぞれキャッチャー、サード・セカンドを守った経験を生かし、
複数ポジションを守れることをアピールしていく必要があります。
投手から外野にコンバートした木村投手も、来年、最低でも2軍で結果を残さなければ、
今度こそ解雇されかねず、そうそう長い目で見てもらえる位置にはいません。
いずれも現状のままプレーしてもレギュラーを奪える可能性は少なく、
それぞれ特徴を出していかないと、来年の今頃にはもういないなんてこともありえます。

長いペナントレースでは、レギュラー以外の選手の活躍も重要となるだけに、
彼らが懸命にプレーすれば、チーム力も上がってくるでしょうから、
どれだけ彼らの危機感を煽り、一人でも多く戦力にできるかが底上げのポイントとなりそうです。


★野手編 まとめ★
以上のことを簡潔にまとめると、以下のような形になります。
【捕手】炭谷、上本、星孝典、武山、岳野、中田
【一塁】オーティズ、カーター
【二塁】浅村
【三塁】ヘルマン、林崎、(中村)(中島)
【遊撃】片岡、原、永江、鬼崎、(中島)
【外野】栗山、秋山、大崎、熊代、米野、石川、(ヘルマン)
1(二)浅村、2(中)秋山、3(左)栗山、4(指)中村、5(一)オーティズ、
6(三)ヘルマン、7(右)大崎・熊代、8(捕)炭谷、9(遊)片岡・永江
【代打】 カーター、上本、米野
【守備】 原、鬼崎

外国人選手の契約が順調に行けば、ほぼ今年の終盤のオーダーそのままで、
栗山選手と中島選手が入れ替わるだけで済みそうです。
ただ、それでは少なくとも現状維持か、
中島選手が相手に与えるプレッシャーが減る分だけ打線の質として低下するだけに、
個々の選手のパワーアップとともに、補強をしっかりとすることが必要でしょうね。

補強ポイントとしては、手薄になっているサードと右打ちの外野手。
チーム内で優勝経験のある選手が少なくなってきているだけに、
優勝経験豊富なベテラン選手がいれば欲しいですし、
ドラフトでは次期主力となりうる内野手を獲得したいところですね。

2012年10月16日

CS敗退

プロ野球クライマックスシリーズは、セリーグが2位中日が逆転勝利で勝ち抜き、
一方のパリーグは終始押し気味に試合を進めながらも、2位西武が敗退、
3位ソフトバンクが下克上で勝ち抜きを果たしました。

正直言って、ライオンズの敗退は全く考えていませんでしたね…
第1戦の9回裏ノーアウト満塁もそうでしたが、
昨日の試合もソフトバンクのチャンスは2度だけで他は三者凡退、
中村選手のホームランで1点を返してから、何度となく同点・逆転のチャンスがあり、
球場の雰囲気としては勝つ展開だったのですが… 今でも負けたことが信じられません。
素晴らしい好ゲームだったのは間違いなかったのですが、勝たないといけない試合でした。
こういう勝負所で勝つか負けるかは大きな違いで、
健闘しながらも、あと一歩及ばずに優勝を逃した今シーズンを象徴する終わり方でした。

これが渡辺監督の言う「選手のひ弱さ」なのでしょう。
2008年の監督就任から伸び伸び野球で若手の力を発揮してきましたが、
「勝負に対する厳しさ」が足りていないということでしょう。
十亀投手と野上投手が味わった一球の怖さ、厳しく指示を出せなかった炭谷捕手のリード、
第1戦で併殺阻止のスライディングができなかった秋山選手の走塁、
良い場面もたくさんありましたが、及ばない面も多かったことは事実です。
「勝てるチーム」ではなく、「勝つチーム」を作ること、それが必要だと感じました。

勝ち上がったチームと優勝チームが対戦するファイナルステージは明日開幕です。
アドバンテージ1勝が優勝チームにあるため、絶対的有利は揺るがないでしょう。
特にソフトバンクは戦前に山田投手が登録抹消となり、先発投手が不足していますから、
余程の孝行息子が出てこない限り、勝ち上がるのは難しいでしょうね。
それでも今季での引退が決まっている小久保選手の現役生活が少し伸びたわけですから、
チーム一丸となって戦っていってもらいたいです。


◆ライオンズネタ 「勝つチーム」を作るために その1:首脳陣編
今シーズンのライオンズは故障者が続出したこともあって、
最下位からの厳しいスタートとなりましたが、若手の成長もあって優勝争いに絡み、
あと一歩及ばなかったものの、実力的には日ハム・ソフトバンクに負けていませんでした。
しかし、勝てなかったことも事実。
ここからは全3回に分けて、来シーズンのライオンズに対する提言をしていきたいと思います。
その第1弾は、監督・コーチといった首脳陣に関してです。

最後に優勝・日本一となったのは2008年で、渡辺監督の1年目のシーズンでした。
この時にはヘッドコーチとして黒江透修氏がいて、打撃コーチに大久保博元氏がいました。
当時のチーム方針が「若手を伸び伸びと」という形だったので、
昔気質の厳しさを全面に出した黒江氏の指導方針は合っておらず、退団の運びとなりましたが、
ある意味、そういう厳しさを持った人がベンチにいて、選手の方が見返してやろうと思えたことで、
未熟なチームながらも、ある種の緊張感があったように思います。
それから年を経るごとに若手のチームが少しずつ成熟してきており、
今度は黒江氏が見せたような「厳しさ」が受け入れられる状況になりつつあるように思います。
大久保氏はアーリーワークの導入など若手への指導力がピックアップされがちですが、
スコアラーの膨大な情報を整理しながら、選手にシンプルに出す指示には定評がありました。
チームとしての戦い方を指示する参謀と相手投手をチームとして攻略する参謀がいて、
渡辺監督の戦術面の至らなさをよく補っていたように思います。

おっと、その前に渡辺監督の監督としての評価をしておかないといけませんね。
私は監督の手腕を評価する時に、
「求心力(人心掌握能力」「用兵(選手起用)」「戦術(戦い方全般)」の3つに着目して評価します。
「求心力」は監督がどれだけ選手に慕われていくか。カリスマや選手との信頼関係の評価です。
「用兵」は選手を適材適所に配置できるかどうか。先発・リリーフの起用、1・2軍の入れ替え等々。
豊富な戦力を利用して競争心を煽る方法は「戦術」ではなく、「用兵」として評価しています。
「戦術」は監督の力でどれだけ勝利に持ち込めるか、監督自身の閃きですね。
盗塁・バント・エンドランといった多彩な攻撃スタイルから、
シーズンを通して物事を見渡し、勝つ時期と我慢の時期を設定できるかどうかの評価です。
私は廣岡監督以前を知らないので、以降の監督評価を簡潔に記すと、
 森監督  求心力C、用兵A、戦術A
 東尾監督 求心力B、用兵B、戦術S
 伊原監督 求心力B、用兵S、戦術A
 伊東監督 求心力C、用兵A、戦術A
 渡辺監督 求心力S、用兵A、戦術B
独断と偏見で評価点もイメージでしかありませんが、
大別して、森監督と伊東監督が選手を適材適所に配置し、
森監督はシーズンの勝負所を抑えながら堅実な野球で、
伊東監督は機動力を駆使した積極的な野球で戦うも、最後は求心力が弱さで監督交代に。
東尾監督と伊原監督は、監督としてではなく兄貴分的な存在・コーチの延長としてチームを率い、
東尾監督は独特な投手勘で冴え渡る継投と機動力野球を駆使し、
伊原監督は犬伏・宮地氏など選手を適材適所に配置して勝ったタイプです。
今の渡辺監督の場合はいずれにも当てはまらず、
求心力が高く、用兵が上手いが、戦術は上手くないタイプと見受けられます。
求心力に関係するか分かりませんが、年々スピーチが上手になってますよね。
今年のシーズン終了後の挨拶とかファンの興奮を煽るのがすごく上手でしたし、
発信力のある監督であることは間違いないと思います。
現役時代の実績やカリスマから求心力のある監督は多くいますが、
各選手を偏りなく見つめ、用兵の上手さも兼ね備えている監督はそうはいません。
そういう意味でも、名監督と評価できるだけの資質を持っているように思います。
ただ、一方で、攻撃で動くことが少なく、反撃が遅すぎた試合が多く、攻め方にやや課題があります。
継投は投手出身の上手さはありますが、東尾監督の投手勘よりはデータ重視なところがあり、
長いシーズンを考えての投手起用ができているかというとそうでもなく、
シーズン前半は先発に負担が強い傾向があり、後半はリリーフに負担が強い傾向があります。
基本的な流れはそれでいいと思うのですが、もう少し両者の負担を軽減して欲しいです。

そういう意味でも、渡辺監督に必要なのは「戦術面を補える参謀コーチ」です。
三国志で言えば、渡辺監督は劉備のように人徳がありますが、
今のチームには諸葛亮孔明のように戦術に長けた参謀がいないわけです。
今年の交流戦開始前に、光山バッテリーコーチが兼任で作戦コーチに就任したことで、
少しは攻撃面にも変化が生まれてきましたが、個人的にはまだ足りないと思います。
戦術面に長け、渡辺監督に物申せるコーチを呼んでくる必要があると思います。
候補としては、実際の実力面は未知数であるものの、OBの辻発彦氏の名前が挙がってくるでしょう。
現役時代は廣岡・森監督、ヤクルト移籍後は野村克也氏といった名監督の下でプレーし、
セカンドの華麗な守備と87年日本シリーズで見せた伝説の走塁、いぶし銀の打撃は印象が強く、
黄金時代のライオンズの野球を体現した選手であることは間違いありません。
コーチとしては、森監督時代の横浜や2006年WBCで守備走塁コーチを務め、
昨年まで中日・落合監督の下で2軍監督や野手総合コーチなどを歴任しています。
「勝つためのチーム作り」をよく知っている辻氏にヘッドコーチをお願いしたいですね。
現在は2軍監督も空いているので、そちらでの話もあるかもしれませんが、
1軍で若い選手を指導する姿を見てみたいです。

加えて、投手コーチの交代を望みたいです。
杉本コーチも悪くはありませんでしたが、
今年最大のヒットである涌井投手の抑え転向は渡辺監督の独断的決断によるものと推測され、
表立った大きな働きはなかった感じがします。
CSで感じた1球の怖さ・厳しさを教え込むためにも、厳しく指導できるコーチが必要でしょう。
そういった面から名前が挙がってくるのは、OBの森繁和氏でしょう。
西武時代には西口・石井貴・豊田投手らを育て、貧打を補うだけの投手王国を作り、
昨年までの中日・落合監督の下での手腕は言うまでもありません。
今年は文化放送ライオンズナイターでも解説を務めましたし、復帰には何の障害もないはずです。
「勝つためのチーム」を作るためにも、森繁和氏の投手コーチ復帰を望みたいですね。

その他の首脳陣は基本的に残留でいいと思われますが、
土井正博ヘッド兼打撃コーチの退任で打撃コーチは少し弄る必要が出てきそうです。
打撃チーフコーチは安部理氏で良いとして、もう一人のコーチをどうするか。
私としては2軍の田辺徳雄打撃コーチを推したいです。
2002年から2軍コーチを歴任しており、今の野手のほぼ全員を田辺コーチが見ているだけに、
選手への指導力は間違いないと思われます。
代わりの2軍打撃コーチには今年引退した平尾博嗣氏を推したいです。
クライマックスシリーズの第2・3戦でゲスト解説を務めましたが、
「チャラ尾」と呼ばれたイメージとは異なり、節々に野球観の深さを感じられることも多く、
若手への指導力・伝達力も期待できると思います。

「勝つチーム」を作るためには勝つことを良く知る首脳陣が必要です。
チームが精神的に成熟しつつある現在こそ、勝負に対する厳しさを教え込んで欲しいですね。

2012年10月12日

明日からプロ野球CSが開幕

明日からプロ野球日本シリーズの出場権を賭けたクライマックスシリーズが開幕します。
セリーグはナゴヤドームで2位・中日が3位・ヤクルトを迎え撃ち、
パリーグは西武ドームで2位・西武が3位・ソフトバンクを迎え撃ちます。
第1ステージはアドバンテージがないので、最大3試合のガチンコ対決、
どちらが優勝チームへの挑戦権を得るのか、注目ですね。

ライオンズは第1戦の先発に岸投手ではなく、牧田投手を持ってきました。
渡辺監督は相手の摂津投手の立場に立ち、3戦全勝と相性の良い岸投手よりも、
ソフトバンク打線が苦手としている牧田投手を持ってくることで、
1点も与えられないとプレッシャーをかけるための起用だと示唆しています。
私は野手の立場で考え、牧田投手は被打率が高く、ランナーを出しながら粘る投球が持ち味なので、
2戦目以降に持ってきて焦らす方が良いかなと考えていました。
仮に第1戦を落としてしまうと、ヒットが出いている分だけソフトバンクが楽になる可能性があり、
そこら辺がどう出るのか、読めない面はありますね。

ただ、ソフトバンクにとって痛いのは、最終戦のノーヒットノーランですよね。
試合終了後のセレモニーで各選手に抱負を語らせたわけですが…
確かに、あの日から2~3日後に試合があれば、ソフトバンクに流れが傾いたでしょうが、
中4日、5日後の試合になってしまったわけで、そこまで緊張感は保てるわけもなく、
ちょっとソフトバンクはピリピリし過ぎている印象を受けます。
逆に、西武は交流戦終了後のリーグ戦再開を待つかのように、本拠地で平常心のまま過ごしており、
まるでソフトバンクの方が上位チームで負けられないと思いつめている感じがあります。
2戦目の先発が体調を崩した山田投手ではなく、武田投手というのも西武にとってラッキー。
打てそうで打てない投手というのは一番やりづらく、真っ向勝負できる相手の方が戦いやすいです。
そういう意味では西武の方に流れが傾いている感じはしています。
流れを変えるとすれば、今季で引退する小久保選手でしょう。
最後の真剣勝負の舞台でどういうバッティングを見せるのか、注目が集まります。


◆ニュースネタ ウイルス感染したPCによってネット犯罪予告?
インターネットを使った犯罪予告をしたとして、威力業務妨害の罪で逮捕されたところ、
実は容疑者は全く身に覚えがなく、パソコンがウイルス感染していたことによって、
言わば「踏み台」にされて犯罪が行われていたというニュースがありました。
警察の誤認逮捕いいところですが… 日本もそういう時代になったんですかね…

このニュースで衝撃だったのは、感染経路ですね。
今まではP2Pソフトを経由した感染が多かったのですが、
今回はフリーの写真整理ツールが感染経路だったようです。
言わば、今回は「誰でも感染しうる」ことに特徴があるわけで、
それが犯罪の踏み台として、しかも、日本語が使われたことに衝撃を感じえません。
英語圏ではこういうこともありましたが、日本語も安全ではなくなったということです。

これらのウイルスはセキュリティソフトを導入していても引っかかる可能性があり、
最新型ウイルスは対処しきれない面があります。
よって、一般的な無料ツールに対しては警戒を怠らず、
インストーラーを使う場合は、別のPC(バーチャルPC等)でテストしてから使うなど、
それ相応の対処が必要になってくると思われます。

今回はパソコンでしたが、それ以上に怖いのはスマートフォンですね。
パソコンに比べてウイルス対策が浸透していないだけに、
無料アプリに同種のウイルスが入っていないとは言い切れない面があります。
今後、今回のような犯罪が増えていくことが予想されるだけに、
警戒を怠らないことが必要となりそうです。


◆ニュースネタ 静岡県議会で浜岡原発再稼動に関する住民投票条例法案が否決に
16万人以上の署名を集めたことによって、
県議会にて「浜岡原発の再稼動の是非を問う住民投票条例法案」が審議されましたが、
原案は投票資格を18歳以上にするなど法案上の不備があって否決となり、
有志議員によって修正法案が出されましたが、
県議会多数派の自民党系会派が反対して、あえなく否決となりました。

この件に関してはここでも話題にしたことがあり、反対の立場を示しましたが、
県議会で審議されたのはそういった真正面からの反対ではなく、
法案審議の技術面からの反対が多く、なんともスッキリしない感じになってしまいました。
それだけ多くの県民の署名を集めたことで、誰もが県民の反発を恐れ、
心の中では完全反対ながらも、正面から批判せずに、グダグダグダグダすることに…
県内ニュースの解説者が「サッカーのボール回し」に例えていましたが、まさにそんな感じで、
誰も反対というゴールにシュートせず、ゴール前で延々とパスを回し続けるサッカーでした。
最終的に反対に落ち着いたのも、修正案が自民党系会派に根回しがなく、
審議に参加しなかったからという、法案作成の過程にイチャモンを付けたことによるもので、
結局、内容に関しては誰も触れずに終わったという形です。

そんな情けない県議会に代わって、もう一度問題点を整理しなおしますと、
そもそも、静岡県内でそれぞれ立場が違うのに、同一の投票権を持つのには無理があります。
第一の立場が浜岡原発が立地する御前崎市で、
原発のリスクを抱えつつも直接的メリットを享受している住民で、
第二の立場が富士川以西の中部電力管内の地域で、
原発のリスクを抱えつつも間接的メリットを享受している住民で、
第三の立場が富士川以東の東京電力管内の地域で、
原発の間接的リスクのみを抱える住民と、主に3つの立場に分けることができます。
この16万人の署名にしても、内訳を見ると第三の立場である函南町等の伊豆観光地が多く、
第一の立場である御前崎市の署名率は低くなっており、住民の総意と言えない面があります。

また、住民投票を行うだけでも数億円単位のお金が必要になるわけで、
それを関係性の薄い第三の立場の地域の人がどれだけ歓迎するのかは疑問が多く、
加えて、住民投票の結果が賛成でも、知事が安全性が確保されていなければ反対できるわけで、
住民投票の結果がどれだけ尊重されるのかは難しいところです。
要は、再稼動のための防波堤を一つ増やそうというだけに過ぎず、
それを行うだけのコストが割に合うのかという問題点があります。

もう一つは県民の意思が御前崎市民の意思を抑圧する問題があります。
仮に御前崎市でも同様の条例法案を作り、
全く逆の結果が出たら、どちらの意思が尊重されるのでしょうか?
民主主義社会ということを考えれば、多数である県民の意思が尊重されそうですが、
住民投票というのは地方自治において行われるものですから、
地方自治の原則である「住民自治」が尊重され、
より住民に近い御前崎市民の意思が尊重されるべきとも考えられます。
どちらの住民意思が優越するのか、これも大きな問題です。
結論から言えば、両方が成立するまで行う、両方が再稼動賛成になるまでやり続けることになり、
こちらも防波堤が一つ増えるだけに過ぎず、結局、意味がなくなってしまいます。

そういう意味では、今回の条例案は最初から無理があった話だと思います。
提言としては面白くはあったのですが、実現はやはり難しいでしょうね。


◆プロ野球 WBC日本代表監督は山本浩二氏に決定
紆余曲折のあったWBC日本代表監督は、広島で活躍した山本浩二氏に決まり、
野手総合コーチとして昨年まで日ハムの監督を務めていた梨田昌孝氏、
投手コーチに山本監督と親交の厚い元西武監督の東尾修氏と前回に続き与田剛氏、
打撃コーチに元中日の立浪和義氏、内野守備走塁コーチに前回に引き続き高代延広氏、
外野守備走塁コーチも前回から引き続き緒方耕一氏が就任しました。

山本浩二監督に関して言えば、監督を辞めてからのブランク以上に、
日本テレビ解説者ということで、セリーグ中心でしか試合を見ていない不安がありますが、
そこは梨田氏が補えるでしょうから、特に問題はないと思われます。
…まぁ、それなら最初から梨田監督で良かったんじゃねーの、とか思わなくもないのですが…
ただ、梨田氏も用兵重視という感じで、作戦面の奇抜さはなかっただけに、
若い立浪コーチと共に攻撃面を先導できるのかという不安はあります。
また、投手コーチの東尾氏も現役を退いて長く、投手に一格言あるのも間違いないのですが、
ここ2~3年は解説を聞いていても眠そうだなと思うときもあり(苦笑)、
全盛期の頃のような勝負師の勘はなく、そのブランクが少々心配です。
与田コーチとの接点もないでしょうし、投手コーチの連携に不安が残ります。

…なんか、結果的に文句ばかりになっちゃったような…
別に責めているわけではないのですが、できるだけ実戦を多く積み重ねて、
首脳陣の役割分担がしっかりとできるように務めて欲しいです。
キューバ戦だけでなく、12球団での壮行試合も多めに用意しておくべきでしょうね。

今後は選手選考に注目が集まるでしょうが、こちらも難しい面があります。
日本球界は世代交代中で、メジャー組は契約問題が残っており、参加は微妙な情勢です。
契約が安泰なダルビッシュ投手と青木選手も立場が難しいところがあるので、
球団の意向次第という面は否めなく、ベストメンバーが召集できるかどうかは分かりません。
例えば、現段階で所属チームが決まっていない松井秀喜選手を参加させたとしても、
結果を残せなかったらスタメンから外すことができるのでしょうか?
前回大会のイチロー選手なら守備面があるので使うでしょうが、松井選手はDHでの起用が有力、
打つためのDHで結果が残らなかったときには外さざるを得ないのですが、
それは戦力にならないということを国内外に示すことに繋がり、半ば引退勧告も同然です。
それだけの重い決断が果たして山本浩二監督にできるのでしょうか?
松井選手が日本球界に戻るという決断をしていれば話は別ですが、
メジャーへの未練を残している状態だと、退路がない状態となり、起用が難しくなってきそうです。

2012年10月08日

プロ野球はCSへ

明日の試合をもってプロ野球のペナントレースは全試合が終わり、
週末からクライマックスシリーズが始まります。
セリーグは中日とヤクルトが激突し、それを巨人が迎え撃ち、
パリーグは西武とソフトバンクが激突し、それを日ハムが迎え撃つ形に。
近年はアドバンテージ1勝があるため、優勝チームがシリーズ出場を逃すことは稀で、
余程のことがない限りはそのまま行きそうな感じではありますが…
パリーグは現段階で西武もソフトバンクも調子が落ちてのシーズン終了だっただけに、
第1ステージでどれだけ勢いを付けられるかでしょうね。
それ次第では両チームとも日ハムに勝ち越しているだけに、チャンスが出てくると思われます。


◆プロ野球ネタ 監督交代情報
パリーグはロッテ・オリックスで監督交代の話が出てきました。

ロッテは西村監督の続投と思われていたものの、一転して辞任交代となり、
後任監督には元西武の伊東勤氏が噂されています。
ロッテは昨年のフロントのドタバタ劇があったりと、方向性か一貫しないところがあります。
どういうチーム作りをしたいのか、イマイチ見えてきません。
フロント交代劇の前までは若手の積極起用で世代交代を推し進めるのかと思いきや、
サブロー選手の呼び戻しに象徴されるように、ベテラン重視に戻ったり…
故障者などで戦力が揃わない中、西村監督はそれなりに頑張っていたと思うのですが…
どちらかと言えば、戦力補強に失敗したフロントの責任のようにも思えます。
後任に噂される伊東氏は采配面は素晴らしいですが、
西武時代は選手起用でぶつかるところがあっただけに、そこがロッテの雰囲気とマッチするかどうか。
外様監督を迎えて、どういう組閣をするのか注目です。

オリックスは森脇コーチの内部昇格で決まったようです。
なるほど、一転して岡田監督が解任となったのは、森脇氏で固まったからなんですね。
監督交代後、5連勝するなど、好スタート。主力が帰ってくると、強さを感じます。
それに川端・小島・安達選手ら抜擢されたルーキーも合わされば、
優勝候補と目されるだけの戦力は十分に揃いますね。
森脇監督も派手さはないものの、チーム内部をしっかりと掌握している印象で、
来季のオリックスは油断できないという感じがしますね。

それにしても、最終戦で西投手がノーヒットノーランをやるとは…
相手のソフトバンクは小久保選手の引退試合だったのに…
一体、どういう形で引退セレモニーとシーズン終了の挨拶をやったのでしょうか。
こんなに気まずい終わり方はなかったでしょうね。


◆ライオンズネタ 今シーズンの総括とクライマックスシリーズに向けて
今シーズンの総括は前回の日記でも野球日記でも触れているので、同じことは省略で。

まだ触れていなかったことで大事なことは、『フロントの問題』ですね。
故障者が続出しながらも、選手・監督・コーチの努力で2位に持ち込めたのは確かで、
ドラフトで獲得した十亀・小石投手がそれなりの結果を残し、
新外国人選手もウィリアムス・ヘルマン・カーター選手の3人が当たり、
途中加入のオーティズ選手も結果を残しましたから、その点では良かったのですが、
そもそも、今季の編成は「中島選手がいない」ことを想定したものだったわけで、
それじゃ今季のチーム編成で中島選手がいなかったらどうなのか…
…ほぼ間違いなくオリックスと最下位争いを繰り広げていたでしょうね。
今シーズンの終わり頃になって、中島選手抜きでもなんとか戦えそうな形になりましたが、
これがシーズンの頭から続いていたら、どうなっていたことか…
もう絶望的なイメージしかありません(苦笑)

一時はそんな厳しい戦力で戦えとフロントは言っていたわけで、無茶としか言いようがないです。
松井稼頭央選手と松坂投手がメジャーへ行き、
和田選手や豊田投手、細川選手や帆足投手がFAでチームを出て行き、
若手への世代交代でチームを作ってきましたが、それも既に限界に達し、
2軍にはめぼしい若手選手がいなくなってしまうほどです。
これ以上、若手を抜擢しての下からの活性化は臨むことができず、
FA等の積極的な補強をしていかないと厳しい感じがします。

特に野手は平尾選手と佐藤友亮選手が引退し、優勝経験のあるベテランがいなくなっただけに、
チームリーダーとなれるベテラン選手が必要不可欠です。
そういう選手は簡単にはチームを放出されませんが、
楽天の岩村選手が戦力外となっており、補強のチャンスです。
海の向こうでは松井秀喜選手の所属先が決まっておらず、アタックする価値はあるでしょう。
松坂投手もレッドソックスとの契約が微妙な感じで、メジャーを優先するのは間違いないでしょうが、
一度日本に戻ってきて、フォームを取り戻してからメジャーに再挑戦してもよいでしょうし、
積極的なビッグネームの補強も必要なことだと思います。
彼らの獲得はレギュラー陣を刺激することになりますし、下からの活性化ではなく、
横からの活性化も考えるべきでしょう。

あと2年ぐらいドラフトで高校生を中心に指名して鍛えていけば、
再び下からの活性化でチームを作ることも可能になりますから、
そのための繋ぎとしての補強をフロントには考えてもらいたいです。
2軍がベテランの墓場になっているようでは下からの活性化は無理ですよ。


さて、クライママックスシリーズに話を戻しまして、
本拠地最終戦は連続押し出し四球で逆転サヨナラ勝ちしたものの、
シーズン最終戦は完封負けを喫するなど、打線は低調なままシーズンを終えてしまいました。
結果、涌井投手のセーブ王もならず、強力な武器を得ることもできませんでしたね。
ただ、貧打はライオンズだけでなく、ソフトバンクにも同じことが言えますから、
クライマックスシリーズ第1ステージは貧打戦になる可能性が高いと思われます。
そうなると、先発投手対決では分の悪いライオンズも、
リリーフ勝負でなら自信を持っているだけに、勝つ要素は十分にあります。

戦っている中で、どちらが先に打線が目覚めるのか、
そういう意味ではラッキーボーイになる可能性を十分に秘めた浅村選手がいるだけに、
ライオンズの方が優位となるかもしれません。
ソフトバンクは怪我から復帰した松田選手がキーマンでしょう。
ライオンズからすると相性が良くない相手なので、松田選手を封じれるかどうかが鍵です。

先発ローテは、ソフトバンクが摂津・山田・大隣投手の順番で来ると予想されますが、
ライオンズは岸投手と牧田投手をどちらを先にするのか未定で、3戦目が野上投手の予定。
最後の2試合の両投手の使い方を見ていると、牧田投手を先に持ってきそうですが、
私は本拠地最終戦で岸投手がエースのピッチングを見せてくれたので、
経験と意地を買って岸投手を頭に持ってきて欲しいです。
今シーズンは摂津投手と3度戦い、3度とも勝てていないため、対決を避けようとしたのでしょうが、
岸投手のエースとしての成長なくしてクライマックスシリーズの突破はありえず、
2008年の涌井投手のような復活劇を是非とも見えてもらいたいです。
そのためにも、岸投手を頭に持ってきて、連勝するという姿勢を見せて欲しいですね。

2012年10月05日

今年は豊作?

農水省の発表ではそう聞いていたんですが…
東北地方で一部の米の生育状況が悪く、粒が小さいことが報道されていましたが、
昨日、富山の親戚の家から新米が送られてきたところ、やはり例年よりも小粒でした。
コイン精米機にかけたら、精米に耐えられなかったのか、粉となって出てきたり…
本当に豊作なのか疑わしく感じてしまいます。
こちらはようやく稲が実った頃、今度近くの田んぼを覗いてみようか。


◆PCの話 AMDの新CPU『Trinity』が発売
AMDのGPU一体型のAPUであるAシリーズの新作が発売されました。
性能は…という感じで、GPU性能はインテル陣営よりも上であるものの、
CPU性能がネックなのは相変わらずなようで、Core i3にも負ける始末、
消費電力性能でも分が悪く、厳しい戦いではあるものの、
価格が安くてこなれており、2万円前後でCPU・マザーが揃うのは魅力的。
インテルの次期CPUである『Haswell』が出るまでの繋ぎとしては使えそうです。

軽いゲーム程度なら十分に動くGPU性能を持っているようですし、
本格的にゲームをするわけでなく、グラフィックカードを必要としないなら、
待機電力も考えて最適かもしれません。
買うとすれば、「A10-5700」とASRock「FM2A75Pro4-M」でしょうか。
ただ、5800Kはモノが同じのオーバークロックモデルという印象もあるので、
オーバークロック耐性が高ければ、5800Kの方が価格差も少なく、得かもしれません。
それでも期待はやっぱり『Haswell』になっちゃうわけですが…
AMDに対抗手段はあるんですかねぇ…


◆プロ野球ネタ 巨人・沢村投手が人身事故を起こすも、予告先発で6日登板へ
きっと相手ベンチや敵ファンは一斉に首を抑えるんでしょうね(苦笑)

正直言って、何のお咎めなしというのもおかしい気がします。
西武・小石投手が同じく人身事故を起こしましたが、
1ヶ月近く実戦登板をせず、終盤になってようやく実戦復帰し、1軍昇格したほど。
そこまで厳密に対応しろとは言いませんが、
球団からしかるべき処分を言い渡すべきだと思うのですが、
伝わってくるのは原監督の実技指導とかそういう話ばかり…
さすが1億円ポンと出す監督は常識に疎いですね(苦笑)

事故で怪我した一家3人の中には4歳の子どもまでもいたわけですから、
首のムチ打ち等の後遺症が心配されます。
まさか、まだ運転しているなんてことはないですよね?
そこまで常識がないとは思いませんが…
野球で取り返すと言えば聞こえはいいものの、それでは実際の反省度合いが分からないだけに、
事故に対する謝罪を明確に示して欲しい気はします。
明日の試合でそういう機会があればいいんですけどね。どうなりますか。


◆ライオンズネタ クライマックスシリーズに向けて
今日の試合結果により、2位・西武、3位・ソフトバンクの順位が確定し、
優勝を逃した後の当面の目標は達成されました。
また、日ハムが負けて残り1試合となり、
残り2試合で涌井投手がセーブを挙げれば、セーブ王のタイトルが確定、
2試合中1試合のセーブで、来週火曜の試合で日ハム・武田久投手にセーブが付かなければ、
セーブ王のタイトルが決まる形となります。
いずれにせよ、残り2試合ですから、連勝で締めて、涌井投手にセーブを付けたいところですね。

さて、その後に来るクライマックスシリーズに関してですが、現時点ではライオンズには不利です。
ソフトバンクには最多勝の摂津投手、日ハムには最優秀防御率の吉川投手というエースがいるわけで、
短期決戦で試合を任せられるエースがいるのは大きいです。
ライオンズには岸投手と牧田投手という2本の柱がいますが、
岸投手はシーズン負け越しが決定的で、9月以降のエース対決を制することができずにいて、
牧田投手は勝ち星を積み重ねているものの、エース対決はあまりなく、被安打も多いところがあり、
ライバルチームのエースと比べると落ちる感は否めません。
いずれも初戦に両投手とぶつかるでしょうから、エース対決が苦しいのは大きなハンデです。

その穴を埋めるものがあるとすれば、リリーフと打線でしょう。
リリーフ勝負なら日ハム・ソフトバンクに負けないだけの力が今年のライオンズにはあります。
ただ、例年リリーフが安定していた両チームとは違い、ここ数年はリリーフに泣かされてきただけに、
リリーフ投手が良いという「箔」を付けないといけません。
そのために涌井投手にセーブ王のタイトルが必要となるわけです。
沢村賞受賞者でセーブ王を取ったのは大野豊氏だけなので、それに続けば快挙となるのは間違いなく、
およそ半分の試合数でこれだけのセーブを稼いだのは見事ということになります。
リリーフ勝負を有利に運ぶためにも、涌井投手にセーブ王の箔が必要でしょう。

打線は中島選手の復帰と中村選手との両立ですね。
今年はどちらかが欠場だったり、どちらかが好調・不調だったりと、
揃い踏みの時期がほとんどなく、両雄並び立たずの状態が続いています。
長いペナントレースでは得点力が安定するので、それでいいのですが、短期決戦はそうはいきません。
両選手が活躍し、相手エースを攻略することが必要となってきますね。
中村選手は膝を痛めてから低めの変化球に苦労していましたが、
ここ数試合は低めの変化球をセンターから右に強い打球を打ち返せているだけに、
本来のバッティングが戻ってきている感じがします。
あとは中島選手がどれだけの調子で復帰できるかどうか。残り試合の注目ポイントですね。

もう一つは1番を打つ浅村選手の調子ですね。
短期決戦に大事な勢いを浅村選手は持っているように思います。
少し気分屋なところがあり、集中している時は攻守に素晴らしいのですが、
同時に安定感がなく、簡単に凡打したり、ミスをしてしまうところがあります。
引退する平尾選手に近いところがあるだけに、
それを超えて中島選手のように安定感ある選手に育って欲しいところです。
今の打撃の状態はあまりよくなく、引っ張りの打球が多くなっており、
今年の進化であるセンターから右への強い打球があまり見られなくなっているのが残念です。
そのバッティングが戻ってくれば、成績も安定してくるでしょうし、1番として計算できるはずです。
あと守備位置はやっぱりセカンドをやってもらわないと。
個人的にはヘルマン選手をレフトにする方がいいと思うのですが… 最近サードのミスが多い…
残り2試合、浅村選手のプレーにも注目したいですね。

この上記の3点が全て満たされれば、逆にライオンズに優位に展開すると思われます。
残り2試合、課題をクリアできるかどうかに注目したいですね。

2012年10月03日

パリーグは北海道日本ハムファイターズが優勝

プロ野球・パリーグを制したのは、北海道日本ハムファイターズでした。
エースのダルビッシュ投手がメジャー移籍し、栗山新監督を迎え、
世代交代を進めつつのチーム状況ではありましたが、
開幕から安定した成績を収め、混戦パリーグの中でも常に上位に入り、
シーズンを通しての安定した成績が日ハムの強さだったように思います。

昨年0勝の吉川投手が大覚醒を遂げて、今ではパリーグを代表する左腕に成長し、
一時は戦力外になっていた多田野投手を再獲得して先発で起用したり、
前半戦不振だった4番の中田選手を我慢強く使い続けたり、
西川・杉谷・中島・谷口・近藤選手ら高卒ルーキー~4年目の若い選手達を
積極的に起用して世代交代を進める一方で、
ベテランの稲葉選手と金子選手を休ませながらも試合で使い続け、
若手とベテランが一体化したチームを作り出しました。
そして、何と言っても大きかったのが陽選手と糸井選手の入れ替えで、
センターに陽選手が入ったことで、広い守備範囲を生かすことができ、
安定して試合に出る体の強さもあって、外野守備がさらに向上しました。
ライトに回った糸井選手は強肩を生かしつつ、故障離脱があったものの、
守備の負担が軽減したように思います。
レフトの中田選手も守備が向上し、強肩を生かした捕殺を奪うなど、
リーグ最強の外野陣を揃え、ディフェンス力が非常に高かったです。

栗山監督の采配に関しては、交流戦でリリーフを酷使して疲れさせたり、
シーズン終盤では継投のタイミングが早すぎたり、遅すぎたりして試合を落とすなど、
采配面では疑問な面も多かったものの、
選手と対話を重ねながら、選手を信頼して使う姿勢は新人監督らしからぬものがあり、
そこが若い選手の力を引き出した要因のように思います。
負けて悔しいですが、パリーグの優勝チームに相応しい戦いぶりでした。
優勝、おめでとうございます。


◆ライオンズネタ 埼玉西武ライオンズが優勝できなかった理由
開幕戦に日ハム・斎藤投手に抑えられるなど、序盤は波に乗れずに最下位だったものの、
交流戦明けに不祥事で事実上の謹慎となっていた涌井投手が抑えで復帰すると快進撃となり、
8月後半には首位に立つなど、混戦パリーグをリードしてきましたが、
日ハムとの直接対決である西武ドーム3連戦の最後9月23日の試合を落として奪首を逃すと、
そこからチーム状態が坂を転げ落ちるように悪くなり、
札幌ドームでの直接対決で連敗するなどして、あっさり優勝を許してしまいました。

優勝を逃した状況的要因としては、故障者の続出と序盤の出遅れが挙げられます。
今年は野手に故障者が続出した年で、開幕時は片岡・秋山・カーター選手が出遅れ、
シーズン中盤には中島選手と中村選手のどちらかが試合を休む時期があり、
終盤には片岡・栗山選手が離脱し、若い石川選手も怪我、
投手陣でも西口・武隈投手が怪我で先発6番手が不在になるなど、故障者に泣かされました。
これだけ故障者が出ながら優勝争いができたのは、
浅村・秋山選手といった若手の成長や、途中加入のオーティズ選手の活躍のおかげですが、
最後の最後で中島選手が怪我からくる不調とスタメン落ちがあったことで、
チームの勢いも萎んでしまい、一歩及ばなかった感じがします。

もう一つは序盤の出遅れでしょうね。
渡辺監督の決断の遅さと不祥事に対する球団の厳格な対応が足を引っ張った感があります。
開幕時は8回マイケル投手・9回ゴンザレス投手というリリーフの陣容で、
打線でも1番セカンドでヘルマン選手を起用するなど、オープン戦の結果をそのまま踏襲しましたが、
これが大誤算となり、ゴンザレス投手は乱調に次ぐ乱調で逆転負けばかり、
ヘルマン選手も序盤は全く打てず、セカンドの守備でも拙守を連発するなど、サッパリでした。
ヘルマン選手は2週間ほど、ゴンザレス投手は1ヶ月ほど我慢しましたが、
結果的に言えば、この我慢が無駄だったように思いますね。
ヘルマン選手の不振は予想外でしたが、セカンドの守備力は開幕前に分かっていたはずですし、
片岡選手が出遅れるなら、早い段階で浅村選手をセカンドで使ったりと、
色々と工夫はできたはずなのに、競争を避ける形が多く、故障者の当てはめに終始したことで、
チームが活性化していなかった感じがします。
ゴンザレス投手の抑えも適任者がいないという理由で引っ張りすぎでしたし、
もう少し柔軟に切り替えて欲しかったですね。

涌井投手の抑え転向は、昨年の牧田投手のことがあったので予想の範囲内でしたが、
まさか週刊誌の女遊び報道で降格・謹慎処分になるとは思ってもいませんでした(苦笑)
某球団の監督のように妻帯者で不倫ということなら分かるのですが、
涌井投手は独身でしたし、球団の対応が厳しすぎる感はありました。
その後、涌井投手が行いを反省し、抑えに本気で打ち込むことになり、それが快進撃に繋がりましたが、
もう少し早く謹慎処分が解けていたらと思うのは私だけではないでしょう。
8月終盤の小石投手が起こした人身事故の謹慎処分も、結局実戦復帰まで1ヶ月近くかかり、
その間は先発6番手が足りず、リリーフでも左腕が不足気味になるなど、
小石投手の活躍場所が多かっただけに、球団に足を引っ張られた感が正直ありました。
処分は理解できるのですが、あまりにも厳しすぎるといいますか、神経質すぎるように感じましたね。
特に涌井投手の一件に関しては、もっと選手を守る姿勢を見せて欲しかったです。


優勝を逃した根本的な要因は、若手主体のチーム編成のツケでしょうね。
投手陣にはベテランの西口投手と石井一久投手がいますから、その点は問題ないのですが、
投手陣は若手の成長が鈍く、野上投手と菊池雄星投手の一本立ちと、
ルーキーの十亀投手と小石投手の活躍はあったものの、それ以外の若手投手となると層が薄く、
2軍を見ても飛躍が期待できそうな勢いのある若手投手がいません。
他に名前を出していない投手で来年注目なのは大石投手と武隈投手ぐらいで、あとは…
ベテランの西口投手は大事な終盤に不調と怪我で離脱してしまいましたし、
石井一久投手も大事な試合で早期KOするなど、後半戦は満足な働きができませんでした。
交流戦期間にリリーフの不調を補うためにベテラン2人にも中5日登板をさせて、
無理をさせたツケが最終的に出てしまった感があります。
シーズン前半に若手が活躍できず、後半にベテランが活躍できない、
本来は逆になるのが理想なのに、そうならなかったことが投手陣が苦しかった理由でしょうね。
もっと若手投手がアピールしてくれないと困ります。

野手は逆にベテラン選手が極端に少なく、
平尾選手と佐藤友亮選手が今年引退することで、優勝経験を知るベテランがいなくなってしまいました。
そもそも、2008年の優勝を知る選手さえも少なくなっており、当時のメンバーは、
1(二)片岡、2(中)栗山、3(遊)中島、4(指)ブラゼル・後藤武敏、5(右)GG佐藤、
6(三)中村、7(一)石井義人・平尾、8(捕)細川・炭谷、9(中)ボカチカ・佐藤友亮・赤田
この中でチームに残っているのは、片岡・栗山・中島・中村・炭谷選手だけです。
そういった優勝経験のある選手に怪我が相次いだこともあって、勝負所での強さが失われました。
優勝争いを繰り広げた2010年と比較しても、浅村・秋山・熊代選手は経験していないわけで、
10年前の2002年の優勝メンバーで残っているのは、
平尾選手と佐藤友亮選手の引退によって西口投手だけという有様です。
あまりにも早い世代交代が勝負所での強さを失わせているようにも感じます。
日ハムが優勝できたのも、稲葉選手と金子選手というベテランがいてこそ、
若手の模範となるベテラン選手は大事にしてもらいたいです。
そこが今の球団に欠けている点だと思います。


◆プロ野球 オリックスの岡田監督が途中解任
少し時期を逃した話題で、新監督としてOBの山田久志氏の名前が挙がって来ている時期ですが、
他球団のことながらもオリックスの話題について語ってみようかと思います。

敵として見ていて思ったのは、岡田監督は自分のチームが見えていなかったように感じました。
まるで阪神を率いているような感じで、阪神でのやり方をオリックスでも使い、結果失敗した感じですね。
よく試合後の談話で選手を責めるようなコメントを残していましたが、
これが阪神ならばそういった選手叩きが日常的ですし、
褒める時は有頂天になるほどにマスコミが囃し立てるので、そういうのは慣れたものだと思いますが、
オリックスでそれをやってしまうと、報道自体が少ないので悪いコメントだけが目立ち、
そういうことを言われ慣れていない選手達は萎縮し、本来の力さえも発揮できていなかったように思えます。
阪急・オリックスは伝統的に職人肌の選手が多く、近鉄は豪快な選手が多い伝統で、
いずれも職人気質な気難しい感じですから、褒めるのは効果的でも貶すのはNGです。
岡田監督は晩年にオリックスにいたので、そのことが分かっていないはずはないのですが、
阪神でやった成功例をそのまま持ってきてしまい、失敗した感は否めませんでした。

加えて、選手起用にも偏りがあったように感じました。
セリーグ出身の木佐貫投手と寺原投手を再生させた一方、
生え抜きキャッチャーの日高選手に辛く当たり、セリーグ出身の鈴木選手を重用するなど、
傍から見ていて違和感を感じる起用法も多くありました。
日高選手は他球団から見たら嫌な選手なのに、リードを酷評して使わず、
鈴木選手や若い伊藤選手を積極的に起用したものの上手く行かず、
最終的には岡田政権下でずっと冷遇されていた日高選手が再びマスクを被っていたりして、
理解しがたい起用法をしていた感があります。
トレード移籍した赤田選手も好調時に怪我をしてもいないのに、突然2軍降格となったりと、
傍から見ていて意味不明で偏りのある選手起用でしたから、
当事者である選手達はもっと理解しがたく、不公平感が広がっていたと予想されます。
選手との対話を重視する栗山監督や渡辺監督、秋山監督らが結果を残す中で、
一人昔ながらの選手よりも一段上に立った絶対的監督像を貫いた岡田監督は違和感がありましたね。

ただ、楽天にしてもオリックスにしても、監督をコロコロと変えるのは考え物だと思います。
楽天は野村克也氏がチームを作りつつあったのに、ブラウン氏に変えて伝統が繋がらなくなり、
星野監督でまたチームを作り直す段階に戻ってしまったり、
オリックスも監督が変わるたびに選手起用も変わってしまい、
他球団ファンからすると、別の選手を使えばいいのにと思うことが多々ありました。
2年目~3年目を迎え、ようやく選手を把握してきた頃に監督交代を迎えてしまうので、
なかなかチームが強くなりません。
いつまでもチームを作り直す作業を繰り返している印象を受けます。
もう少し長期的な視野でチームを作って欲しい感じがしますね。