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日本シリーズは日ハムと巨人に

今日でプロ野球のクライマックスシリーズが終わり、
パリーグは日ハムが3勝0敗でソフトバンクを下し、
セリーグはジャイアンツが3連敗から3連勝して3勝3敗で中日を下し、
それぞれ優勝チームが日本シリーズへと駒を進めました。

まぁ、でもクライマックスシリーズは完全に制度として破綻しちゃいましたね。
この「優勝チームが勝って当然」という空気はどうにかしないといけません。
平日開催だった影響もあるでしょうが、クライマックスシリーズの常連となった日ハムが、
札幌ドームの試合で満員にできず、空席が目立ったことは関係者に衝撃を与えました。
要するに、勝って当然だから誰も見に行かないわけです。なるほど、道理です。

今日の試合でジャイアンツが勝ったから格好が付いたものの、
もし引き分けだったら、凄くおかしなことになっていました。
ジャイアンツが2勝3敗1分で勝利、アドバンテージ1勝があるとはいえ、変です。
何で負け越した方が勝者なのか。
第1ステージなら1勝1敗1分で上位球団が勝つのは分かります。
でも2勝3敗1分で優勝チームが勝つのはおかしくないですか?
それじゃアドバンテージ1勝どころではない。1.5勝分を上げているようなものです。
これを「出来レース」と言わずして何と言うか。実に馬鹿げています。

かつてのパリーグのプレーオフが完成していたとは言いませんが、
少なくともアドバンテージはなくすべきだと思います。
アドバンテージを入れたら開催する意味がそもそもなくなります。
優勝チームが日本シリーズが出れないのが変? そう言うなら最初からやるなよ!
合理的な結果が出ないと変だ? だったら、今年の横浜と巨人は開幕前から最下位と優勝だろ!
アドバンテージの制度はスポーツの醍醐味そのものを破壊しています。
ある意味、順当にいかないのもスポーツ。一発勝負の怖さがあってこそでしょう。
それを無に返すクライマックスシリーズのアドバンテージは腐ってます。

月曜開催の第3戦目こそ満員になりませんでしたが、
西武ドームでのクライマックスシリーズはホームチームの敗退に終わったとはいえ、
盛況な形で終わりを迎えました。
「埼玉」の冠を付け、球団が地域密着に努力してきた甲斐もあって、
ようやく西武ドームの客足も伸びるようになりましたが、
こうやってファンが熱心になってきたのも、惜しい戦いをしながら一歩届かないためでしょう。
2年前のリーグ優勝目前の逆転優勝や、昨年の最下位からギリギリ滑り込んだ3位、
今年もあと一歩のところまで行きながら優勝できずにCSも敗退と、
悲しいかな、あと一歩で負け続けたことが、
逆にファンを勝利に対して飢えさせ、熱心にしたのだと思います。
黄金時代のライオンズは本当に強かったですが、「勝って当然」ではファンも刺激が足りません。
負けるリスク、不条理さがあるからこそ、逆に燃えるわけで、それがスポーツの醍醐味です。

そういったスポーツの醍醐味そのものを欠くクライマックスシリーズは、
ファンに飽きられてしまうのは当然のことでしょう。
そういう意味ではメジャーリーグのプレーオフはよくできています。
不条理だからこそ燃えるんです。
もう一度、本来あるべき姿だったプレーオフに戻しなさい。
どうしてもアドバンテージが欲しいなら、ホーム・ビジターの移動を加え、公平性を担保しなさい。
今の仕組みでは優勝チームの金儲けのためだけの「出来レース」に過ぎません。
いい加減に目を覚ませや、と毎回思います。


◆ニュースネタ フランスTV局司会者が日仏サッカー親善試合に関して相次ぐ暴言
一度目はサッカー親善試合のフランス戦で、ゴールキーパーの川島選手の好守備に阻まれ、
何度となくゴールを逃したフランス代表を揶揄して、
川島選手の腕が4本あるかのような合成映像を作り、「福島の影響ではないか」と発言し、
さらに、これが問題であると世論の話題になると、
今度は「コップの中の嵐(他人事、外に影響のないこと)」をもじり、
「コップの中の津波」と発言するなど、お騒がせが続いています。
本人的には軽いジョークなのでしょうが… ジョークにしては行き過ぎですよねぇ…

最初の「福島の影響ではないか」という発言に関して言えば、
そもそも、そういった発言が出てくる意識が問題です。
原発事故がある種のモンスターを生み出したのではないか、
映画のゴジラのように、理解不能な危険を生み出すという漠然とした不安が背景にあり、
それが簡単に口を出てしまうという意識そのものが問題です。
つまり、それがジョークとして通じると思っている意識、
要は、原発事故が理解不能な怪物を生み出すのではないかという人々の邪推や不安、
その心に触れようとするジョークなわけですから、性質が悪いと言わざるを得ません。
福島の人々は人間ではない、そう言わんばかりの発言に思えてしまいます。

今度の「コップの中の津波」という発言は、もはや意味不明と言わざるを得ません。
全く津波を理解していません。
津波は海を隔てた遠くの国にも影響をもたらす災害ですから、
コップの中の津波はこぼれるだけでなく、コップを持っている人の顔にも降りかかります。
発言の意図と完全に矛盾しており、もっと騒げと言っているのでしょうか?
前の発言における福島を揶揄するつもりで言ったのではないという弁護も、
この発言によって完全に破綻してしまい、
津波を過小評価し、被災者を揶揄しているようにしか思えなくなってしまいます。

ジョークはさらっと流される類のものなのに、これらはそうすることができないわけで、
ジョークとしては芸がなさ過ぎます。
まぁ、これ以上騒いだところで、特に何かが変わるわけでもないと思いますので、
行き過ぎた発言の指摘に止めておき、馬鹿がいたんだな程度に流すべきでしょう。

どうでもいいですが、馬鹿は古代中国で時の権力者が鹿を連れてきて「馬」と言い張り、
これは「鹿」ではないかと言った者を抹殺し、
「馬」と言った者を自分に従う者の証明としたことが語源のようです。
ということは、馬鹿、鹿を馬と言ったら殺されちゃうということ?
現在の意味と大きく異なってきているのは間違いありませんが、
あまり使いたくない言葉ではありますね。
今回の話には最適な感がありますが(苦笑)


◆野球ネタ 花巻東・大谷投手がメジャー挑戦を表明
本人の決断ですから、周りがとやかく言うことではないでしょう。
よくドラフト制度が職業選択の自由に反するかどうか話題になりますが、
チームによってプロ野球の試合ができる・できないがあるわけではないので、
プロ野球球団であれば職業選択の自由は保障されますが、
大谷投手の場合は日本プロ野球ではなく、メジャーリーグに仕事を求めたわけですから、
本人の職業選択の自由を尊重するためにも、容認の態度でいいと思われます。

ただ、大谷投手に自覚して欲しいのは、
あなたの夢の追求は多くの人々の期待を裏切るものだったということです。
同様に日本プロ野球を経ずに大リーグ入りしたレッドソックス・田澤投手にも言えますが、
日本の野球ファンはメジャーでの活躍で名前を知っていても、
日本のアマチュア時代の実績は知らないことが多く、松坂投手は応援している人はいても、
田澤投手を熱心に応援している人はほとんど見かけません。
一般の人々からすれば、松坂投手やダルビッシュ投手の名前は知っていても、
「田澤投手って誰?」ってことになるでしょう。
つまり、3年も経てば、日本人はあなたのことを忘れるということです。
例え、メジャーで活躍したとしても、それは日本人の大谷翔平の活躍ではなく、
海の向こうにいる大谷翔平の活躍でしかないわけです。
今まで応援してくれたファンは全てリセットされ、文字通り裸一貫のゼロからのスタート、
もはや日本での働き場所はない、海の向こうにしかあなたの働き場所はありません。
異国の地で自らの力で地位を掴み、一プロ選手としての活躍を望みたいです。

その話はこれぐらいにして、一つ分からないのはこの場合のドラフトの制限の話です。
報道の文言が色々とバラバラで、統一的解釈ができているかどうか疑わしい面があります。
私は、最初、メジャーリーグ球団と契約してから3年(または2年)と解していたのですが、
どうやらそれは誤りで、メジャーリーグ球団との契約が解消し、
かつ、帰国してから3年(2年)となっているような気配です。
これってかなり厳しい処分のようにも思えるのですが…
つまり、フリーの立場なり、社会人で3年(2年)やらないといけないということですよね?
楽天・星野監督が「甘すぎる」と批判していたのは、前者の解釈をしているのでは?
メジャーリーグとの契約にしても、メジャー契約を指すのか3Aでもいいのか、
または独立リーグその他の海外リーグとの契約はどうなのか、
そういった面を考えると、統一的解釈ができているとは思えないわけです。
日本に復帰した選手だと日ハム・多田野投手がそうですが、
その時にはこういった規則はなかったので、実際にどうやって運用されるのか甚だ疑問が残ります。
大谷投手が3年後、日本に戻ってきたとしても、3年以上は大学・社会人でやる必要があるのか、
それとも3年後には自由にドラフト指名できるのか、
もしくは1年でメージャー契約を切られ、その後独立リーグでプレーしてたらどうなるのか、
そこらの曖昧な点をはっきりしてもらいたいように思います。


◆ライオンズネタ 「勝つチーム」を作るために その3:投手編
投手陣は例年よりも故障者が少なく、シーズンを通して見れば、安定していた方でした。
ただ、計算違いが多かったことも事実で、
エースの涌井投手が開幕から全く勝てなかったり、
抑えとして期待したゴンザレス投手が完全な見込み違いに終わったり、
キャンプ・OP戦と激しい先発争いをしていた菊池雄星投手と十亀投手が開幕1軍を外れ、
調子を取り戻して1軍戦力となったのが後半戦からと大きく出遅れてしまったり、
5月に抑えに配置転換した涌井投手が不祥事で事実上の謹慎処分となり、
落ち着きつつあったリリーフ陣が再び乱れたりと、
不調や怪我以外のアクシデントに泣かされた感があります。

それでも、終わってみれば、
先発は野上・菊池雄星・武隈投手ら若いピッチャーが頑張りを見せ、
リリーフでは抑えの涌井投手を軸に、長田投手とウィリアムス投手が勝ち試合を固め、
十亀投手や岡本篤志投手、松永投手らが脇を固めるなど、最終的には投手陣も充実しました。
ただ、エース不在の状況が続き、後半戦強いはずの岸投手がエース対決で勝てなかったりと、
ここ一番で先発投手が力を発揮できなかった感じはします。
涌井投手が再び先発に戻れば、リリーフの問題が再燃しますので、難しい面もありますが、
今年は若手が伸びた年だとも言えますし、来年以降の飛躍を期待したいところです。


今シーズンの投手評はこれぐらいにしておき、
先発・リリーフに分けて論評していきたいと思います。

★投手論評 先発投手編★
先発投手候補を大別すると、
 【右先発】  涌井、岸、牧田、野上、十亀
 【左先発】  菊池雄星、武隈、小石
 【ベテラン】 石井一久、西口
この10人の争いになってくると思われます。

シーズン終盤は6人目の先発不足を指摘されることが多かったのですが、
西口投手と武隈投手の不調降格後の怪我の影響が大きく、
小石投手も8月に人身事故を起こし、1ヶ月近くの謹慎期間が影響したので、
1軍戦力的として不足している印象はありません。
ただ、2軍を見ても、将来を期待できる若い投手は少なく、
来年活躍できそうなのは、十亀投手と小石投手、大石投手ぐらいで、
それ以外は現時点では期待できず、ドラフトで将来性を重視した指名が必要でしょう

話を戻しまして、上記の先発の内訳で、
理想としては、右先発から3人、左先発から2人、ベテランから1人の配分が理想です。
ただ、左の先発に期待する武隈投手が手術明けでどれだけ投げられるか分からず、
実力的には右先発の残り2人の方が上ですから、
現実的には、右先発から4人、左先発から1人、ベテランから1人の配分となり、
ベテラン2人の傾向として、前半に強い石井一久投手と、後半に強い西口投手ですから、
交流戦までは、右4枚+左1枚+石井一久投手、
交流戦後は、右3枚+左2枚+西口投手、といった傾向になってくれればと思います。

先発投手の問題は頭数ではなく、誰がエースとして働くかでしょうね。
開幕投手を務めた涌井投手は、開幕から4連敗を喫するなど、
チーム低迷のきっかけの一つを作り出し、5月にリリーフ転向後に不祥事があって謹慎、
交流戦明けから抑えに配置転換されて、優勝争いの原動力となったものの、
代わりにエースとして期待された岸投手は、ローテ投手としては安定していたものの、
本来得意である後半戦に失速し、エース対決をことごとく落とすなど、
勝負所で勝てずに優勝を逃してしまう一因ともなりました。
今季初めて先発ローテを1年通して守った牧田投手を含め、
力のある投手はいるのですから、高いレベルでのエース争いをして欲しいです。

実績ある右の3投手に加えて期待するのが、左の菊池雄星投手ですね。
昨年は打線に助けられる形で4勝を挙げ、今年は飛躍を期待しましたが、前半戦出遅れ、
後半戦からカーブを持ち球に加えて飛躍、結果的に昨年と同じ4勝に終わりましたが、
内容は雲泥の差で、力のあるストレートとカーブとの緩急は見事で、
打線の援護に助けられたのではなく、自らの力で勝ち取った4勝でした。
終盤にストレートの球威を落としてしまい、最終戦のリリーフ登板で打ち込まれ、
防御率が2点台から3点台になってしまったのが残念でしたが、来季への期待は大きいです。
課題は体力面のさらなる強化で、1年間戦えるスタミナを養って欲しいですね。
来シーズンは1年間ローテを守り、左腕エースとして活躍することですが、
いずれはその枠に止まらず、球界を代表するエースへと成長してもらいたいです。

それ以外では、エースを補強するというのは非常に難しいのですが、
レッドソックスの松坂大輔投手の契約更新が微妙で、
今後の先行きが不透明になっているだけに、注視しておくべきでしょう。
ファンとしては、メジャーでもう一花咲かせて欲しいと思いますが、
かといって、ここ数年のような打ち込まれる姿も見るに耐えないです…
まだ年齢的に終わりというわけではなく、一度日本に戻って、
肘の完治と投球フォームの再確認を行って復活を印象付け、
それから改めてメジャーへ挑戦してもいいわけですから、勇気ある決断をしてもらいたいです。
日本球界復帰となれば、横浜DeNAなど争奪戦になることが予想されますが、
古巣のライオンズとしても、手をこまねいて傍観せずに、積極的に取りに行ってほしいです。
もし松坂投手が加入したら、涌井投手を中心に投手陣への刺激はかなり大きいでしょうし、
松坂投手が復活したら、エースとしての活躍を期待できることは間違いありません。
最終的には本人の意向次第ですが、獲得の下準備は怠らないで欲しいです。

外国人投手は、ウィリアムス投手、ヘルマン・オーティズ・カーター選手と、
契約が順調に行けば外国人枠はこの4人で決まることが予想されますが、
投手コーチとして森繁和コーチを招くような展開になった場合は、
中日のソト投手の獲得に動いて欲しいです。
故障がちなのは気になりますが、先発左腕としての期待の大きい投手ですから、
右に比べて手薄な左先発投手を補ってくれると思います。


★投手論評 リリーフ投手編★
リリーフ投手を大別すると、
 【右中継】 長田、岡本篤志、田中、山本淳、平野
 【左中継】 ウィリアムス、松永、宮田、中崎、左先発から1人(武隈or小石)
 【抑え】  大石、右先発から2人(涌井or岸or牧田or野上or十亀)
「抑え」を誰にするかという問題は、先発投手争いの右先発5人次第だと言えそうです。

ライオンズの抑えは豊田清氏がFA移籍して以降、小野寺投手が一時的に活躍した後、
グラマン投手やシコースキー投手ら外国人投手に任せる時期が続き、
昨年からは先発投手だった牧田投手と涌井投手を配置転換することで凌いできました。
理想としては豊田清氏のような絶対的守護神を作り上げたいところですが、
今シーズンの12球団の抑えを見ても、怪我や不調に泣かされた投手が多く、
セーブ王の日ハム・武田久投手であっても、隔年傾向があるなど不調な時期もあります。
それだけ抑え投手というのは過酷なポジションで、
固定するのが理想でしょうが、3年以上安定して続くのは難しい傾向にあります。

そういった面を考えると、ここ2年の先発投手からの抑え転向は悪くない案かもしれません。
抑えから先発に戻った牧田投手は、オープン戦こそ先発の感覚が戻りきらずに苦労しましたが、
シーズンに入ってからは安定した投球内容でチームの勝ち頭となるなど、
抑えからの先発への再転向に見事に成功しました。
牧田投手が先発から抑えへの転向、抑えから先発への再転向を成功させたことで、
今後のモデルケースとなる可能性があります。
また、先発投手は1週間に1度の登板で、それ以外の試合はベンチ入りをしない場合が多く、
他の選手とのグラウンド上での交わりが少なくなりがちで、
そういった状況が涌井投手の不祥事の遠因ともなりましたから、
先発投手にチームの一体感を思い出させることも重要なことのように思えます。
加えて、抑え投手としての資質はいくつか条件があるでしょうが、
「決め球」「制球力」「信頼感」の3つが主な条件だと思われますが、
そのうち最も重要な「信頼感」を先発投手はある程度得ているという特徴があります。
中継ぎとは違って抑えは固定しますので、ベンチから信頼される投手でないと成り立ちません。
けれど、抑え不在の時は誰に任せるべきか迷い、結果が出なければ即交代となってしまい、
試行錯誤の時期が続くあまりに、却って抑えが固定できなくなってしまいます。
そもそも経験の浅い投手だとベンチもファンも不安な気持ちで見てしまいます。
抑え投手を作る上で大事なのは、「この投手に任せる」ということを決めることです。
その点、実績を残している先発投手は最初からある程度の「信頼感」を備えていますから、
多少結果が残らなくとも「慣れ」の問題として片付けることができますし、
経験の浅い投手にありがちな不安な気持ちでマウンドに送り出すということも少なく、
そういう意味では抑え投手を固定しやすいという利点があります。
投手は先発起用を基本線としながら、1~2年限定で抑えを持ち回る、悪くない考えです。
不安定な外国人投手に任せるよりは、よっぽど建設的な感じがするのですが、どうでしょうか?

以上のことを踏まえて、「抑え」を考えて見ますに、
固定するとすれば、2年目のシーズンを終えた大石投手でしょう。
今シーズンは試行錯誤の末、ようやく自身のピッチングスタイルが掴めるようになり、
シーズン中盤にはスライダー・チェンジアップといった変化球のキレが向上し、
シーズン後半は大学時代の150キロには届かないものの、
140キロ前後でもキレのあるストレートで相手打者を封じることができるようになりました。
来季の飛躍の可能性が最も高いのは大石投手だと思います。
まぁ、でも、それは将来的に「抑え」として起用という意味で、すぐにそうなるとは思えません。
その大石投手にしても鉄人のようなタフさを持っているとは現時点では言えず、
長年固定できるとは思えませんので、途中に先発転向を挟みながらとなる可能性は高いです。
そうなってくると、来季も先発投手の中から抑えを決めることになりそうで、

今の投手陣の主力となっている右先発の5人、涌井・岸・牧田・野上・十亀投手のうち、
3~4人を先発、少なくとも1人以上をリリーフという形になると思われます。
涌井・牧田投手の抑えは言うまでもありませんが、
岸投手もシーズン終盤に固定ではありませんでしたが、リリーフに回った経験があり、
野上投手はこれまでリリーフを基本にやってきており、チェンジアップという決め球もあるので、
抑えとして活躍する可能性も大いに秘めています。
十亀投手は変化球の決め球がまだありませんが、150キロ前後の力強いストレートは魅力で、
度胸満点のピッチングは抑えとしての資質を持っていると言えましょう。
5人とも先発投手としても高い能力を持っているだけに、先発起用したいところですが、
左右のバランスも必要ですから、全員を先発で使うわけにはいきません。
キャンプ・オープン戦で競争させながら、先発から漏れた投手を抑えに回すことになりそうです。
「先発から漏れた投手」というと聞こえは悪い感じがしますが、
今年の涌井投手が実質シーズン後半からの転向にも関わらず、セーブ王まであと一歩でしたから、
チーム状態が良ければ一攫千金のチャンスを大きく秘めているポジションだと言うことができ、
2軍で調整し続けるよりは、ハイリスクハイリターンで挑戦する方が良い選択だと思われます。

中継ぎは今季のメンバーが主になるでしょうが、
昨年の活躍で期待された岡本篤志投手が不安定だったこともあり、こちらも流動性は残しています。
右投手では大石投手が加わるでしょうから良しとして、
問題はウィリアムス投手を補佐する左投手ですね。
選択肢としてはウィリアムス投手の抑え起用の可能性もあるでしょうし、左のリリーフが課題です。
最も期待できそうなのが松永投手ですが、今季はスライダー一辺倒になりがちで、
そこを読まれてシーズン中盤以降は安定感を欠いただけに、パターンを増やすことが必要です。
他は宮田投手が今季1軍で投げましたが、良い時はスライダーを軸に三振を多く奪うものの、
コントロールが一度乱れると手が付けれず、四球連発となるだけに、制球力の安定が鍵です。
あとは先発投手争いをするであろう武隈投手と小石投手のうち、漏れた方となるでしょうが、
まだそこまで実績ある2人ではないだけに、1人だけが先発に固定されるとは言えず、
実際は1人が先発している間は2軍で再調整となるでしょうから、あまり当てにはできません。
そういう意味でも、大石投手と松永投手が一本立ちすることが必要不可欠だと思います。


★投手編 まとめ★
以上のことを簡潔にまとめると、以下のような形になります。
【先発】 涌井、岸、牧田、菊池雄星、十亀・武隈or小石、石井一久・西口
【右中継】長田、岡本篤志、大石、田中、山本淳、平野
【左中継】ウィリアムス、松永、宮田・中崎
【抑え】 野上

先発投手争いは順調に行けば、涌井・岸・牧田投手の3人で決まるでしょうから、
抑えに回りそうなのは十亀投手と野上投手となりますが、実績を考慮して野上投手に決めました。
涌井・牧田投手の再転向はしばらくないでしょうが、岸投手は調子次第で可能性があります。
リリーフは今季のメンバーを基本としているだけに、もう少しコマを増やしたいところ。
先発5番手争いをするであろう十亀投手と武隈投手、小石投手のうち1人はリリーフに。
あとは大石投手と松永投手の覚醒待ちでしょうか。

補強ポイントしては、エースと計算できるリリーフの頭数。
エースを補強するのは難しいのですが、レッドソックス・松坂投手の動向には注目したいです。
リリーフでは、阪神を戦力外となった小林宏之投手の獲得を望みたいです。
阪神を戦力外になった投手は環境を変えれば復活する可能性も高いですし、
地元の埼玉・春日部共栄出身ですから、地域密着の観点からも獲得を勧めたいです。

あとはドラフトでの補強となりそうです。
特に今年は将来的にエースとして期待できそうな大阪桐蔭・藤浪投手と花巻東・大谷投手、
大学生でも亜細亜大・東浜投手がいますから、競合覚悟でアタックして欲しいです。
昨年は競合回避で1位で十亀投手を、2位で小石投手をラッキーにも獲得でき、
震災の影響で都市対抗が遅れ、それから評価が上がったわけですが、
今年はそういったこともないので、果敢にチャレンジしていって欲しいです。
あとは左右のリリーフ候補を1人ずつ獲得できれば理想でしょうね。


★おまけ 埼玉西武ライオンズのドラフト編★
いつのまにかドラフト会議まで1週間を切ったようなので、
ライオンズのドラフトに対する希望を書いておこうかと思います。

補強ポイントは、次期エースとなりうる投手、左右の即戦力リリーフ、
将来の主軸として期待できる大型内野手(三塁手)、右打ちの外野手、以上の4つです。
炭谷選手を脅かすようなキャッチャーも欲しいのですが、
それは来年の大阪桐蔭・森選手の成長に期待し、今年はパス、急ぐ必要もないですから。

そうなってくると、1位指名は投手であることは間違いありません。
高校生の大阪桐蔭・藤浪投手と花巻東・大谷投手、大学生の亜細亜大・東浜投手が候補でしょう。
そのうち、花巻東・大谷投手がメジャー挑戦を表明したので回避が決定的で、
おそらく大阪桐蔭・藤浪投手の指名になるでしょうね。
大谷投手とは違ってある程度完成されており、
それでいて東浜投手よりも伸び白が大きく、大舞台も経験している強みがあります。
ただ、既にヤクルト・阪神・オリックスの3球団が1位指名を公言しており、
大谷投手のメジャー挑戦によってさらに増えて、最大で9球団の競合がありえます。
そうなってくると、他の投手に動く可能性もないわけではありませんが、
ライオンズが欲しいのはただの先発投手ではなく、
エースなのですから、そこは妥協しないで欲しいですね。
外れた場合は、他球団からも名前が挙がっている東福岡・森雄大投手、
慶大・福谷投手、法大・三嶋投手、三重中京大・則本投手らでしょうが、
こちらも競合が予想されるだけに、2位の選手を繰り上げて指名する可能性もありそうです。

狙い通りに1位指名でエース候補を指名できた場合は、
2位指名は将来性のある野手を狙うと思われます。
高校生なら、光星学院・田村選手と北条選手、平安・高橋選手、
大学生なら、駒沢大・白崎選手、立命館大・金子選手。
特に白崎選手は埼玉栄高校出身で、サードを中心にショートも守ることができ、
手薄な右の代打としても使えるので、野手の補強ポイントに合致しています。
ただ、守備に不安を抱えているだけに、
守備力を優先した場合は立命館大・金子選手やNTT西日本の梅津選手を狙うでしょうが…
「ポスト中島」と言うには問題外ですし、ここ2年の野手を見ても即戦力で働いた選手は少なく、
中日・高橋周平選手や日ハム・近藤選手と西川選手ら、将来を期待される選手はいるものの、
即戦力で合格点なのは、昨年のロッテ・伊志嶺選手と、2年目の秋山選手ぐらいでしょう。
その伊志嶺選手は今年サッパリでしたし、投手に比べて野手の即戦力は相当に難しいです。
ショートには高卒1年目で高い守備力を見せた永江選手がいるだけに、
同じタイプの選手で年上の選手を狙うとは思えないのですが…
できるあんら、タイプの違う選手を指名したいところです。

3位指名は難しいのですが、伝統的に3位は野手が当たる傾向にあります。
昨年は高校生の駒月選手、2010年は秋山選手、2008年は浅村選手、
2006年は原選手、2001年は栗山選手、1999年は大島選手、
古くは1993年に松井稼頭央選手を指名するなど、野手の3位は驚くほど成功例が多いです。
実際に名前を挙げてみてビックリしました。イメージはあったものの、ここまでとは…
そういう意味でも、3位は将来性のある野手を獲得しにいくかもしれません。
候補は先に挙げた光星学院の2人に、平安高校の高橋選手、
投手ながらも打撃センスが光る智弁・青山選手と神村・柿澤選手らが候補です。

4位指名は大学・社会人から即戦力リリーフを指名することになるでしょう。
一昨年前は牧田投手、昨年は十亀・小石投手と、社会人出身の投手が成功しており、
他球団では下位氏名ながらもエースに成長したソフトバンク・摂津投手や、
大学出身ではロッテ・益田投手が新人王筆頭の活躍を見せ、
日ハム・森内投手もリリーフで良い働きを見せていますから、
4位以下の社会人投手にも活躍の期待がかかります。

5位指名では白崎選手が指名できなかった場合、内野手を指名する可能性もあります。
本職はファーストですが、サードを守れる関西学院大の萩原選手が残っていれば。
大阪桐蔭時代は浅村選手とチームメイト、刺激策としての指名もああるかもしれません。

【1位】藤浪晋太郎(大阪桐蔭・投手) 【外れ】三嶋一輝(法政大・投手)
【2位】白崎浩之(駒沢大・三塁手)  【次点】田村龍弘(光星学院・三塁手)
【3位】高橋大樹(平安高・外野手)  【次点】柿澤貴裕(神村学園・内野手)

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