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パリーグは北海道日本ハムファイターズが優勝

プロ野球・パリーグを制したのは、北海道日本ハムファイターズでした。
エースのダルビッシュ投手がメジャー移籍し、栗山新監督を迎え、
世代交代を進めつつのチーム状況ではありましたが、
開幕から安定した成績を収め、混戦パリーグの中でも常に上位に入り、
シーズンを通しての安定した成績が日ハムの強さだったように思います。

昨年0勝の吉川投手が大覚醒を遂げて、今ではパリーグを代表する左腕に成長し、
一時は戦力外になっていた多田野投手を再獲得して先発で起用したり、
前半戦不振だった4番の中田選手を我慢強く使い続けたり、
西川・杉谷・中島・谷口・近藤選手ら高卒ルーキー~4年目の若い選手達を
積極的に起用して世代交代を進める一方で、
ベテランの稲葉選手と金子選手を休ませながらも試合で使い続け、
若手とベテランが一体化したチームを作り出しました。
そして、何と言っても大きかったのが陽選手と糸井選手の入れ替えで、
センターに陽選手が入ったことで、広い守備範囲を生かすことができ、
安定して試合に出る体の強さもあって、外野守備がさらに向上しました。
ライトに回った糸井選手は強肩を生かしつつ、故障離脱があったものの、
守備の負担が軽減したように思います。
レフトの中田選手も守備が向上し、強肩を生かした捕殺を奪うなど、
リーグ最強の外野陣を揃え、ディフェンス力が非常に高かったです。

栗山監督の采配に関しては、交流戦でリリーフを酷使して疲れさせたり、
シーズン終盤では継投のタイミングが早すぎたり、遅すぎたりして試合を落とすなど、
采配面では疑問な面も多かったものの、
選手と対話を重ねながら、選手を信頼して使う姿勢は新人監督らしからぬものがあり、
そこが若い選手の力を引き出した要因のように思います。
負けて悔しいですが、パリーグの優勝チームに相応しい戦いぶりでした。
優勝、おめでとうございます。


◆ライオンズネタ 埼玉西武ライオンズが優勝できなかった理由
開幕戦に日ハム・斎藤投手に抑えられるなど、序盤は波に乗れずに最下位だったものの、
交流戦明けに不祥事で事実上の謹慎となっていた涌井投手が抑えで復帰すると快進撃となり、
8月後半には首位に立つなど、混戦パリーグをリードしてきましたが、
日ハムとの直接対決である西武ドーム3連戦の最後9月23日の試合を落として奪首を逃すと、
そこからチーム状態が坂を転げ落ちるように悪くなり、
札幌ドームでの直接対決で連敗するなどして、あっさり優勝を許してしまいました。

優勝を逃した状況的要因としては、故障者の続出と序盤の出遅れが挙げられます。
今年は野手に故障者が続出した年で、開幕時は片岡・秋山・カーター選手が出遅れ、
シーズン中盤には中島選手と中村選手のどちらかが試合を休む時期があり、
終盤には片岡・栗山選手が離脱し、若い石川選手も怪我、
投手陣でも西口・武隈投手が怪我で先発6番手が不在になるなど、故障者に泣かされました。
これだけ故障者が出ながら優勝争いができたのは、
浅村・秋山選手といった若手の成長や、途中加入のオーティズ選手の活躍のおかげですが、
最後の最後で中島選手が怪我からくる不調とスタメン落ちがあったことで、
チームの勢いも萎んでしまい、一歩及ばなかった感じがします。

もう一つは序盤の出遅れでしょうね。
渡辺監督の決断の遅さと不祥事に対する球団の厳格な対応が足を引っ張った感があります。
開幕時は8回マイケル投手・9回ゴンザレス投手というリリーフの陣容で、
打線でも1番セカンドでヘルマン選手を起用するなど、オープン戦の結果をそのまま踏襲しましたが、
これが大誤算となり、ゴンザレス投手は乱調に次ぐ乱調で逆転負けばかり、
ヘルマン選手も序盤は全く打てず、セカンドの守備でも拙守を連発するなど、サッパリでした。
ヘルマン選手は2週間ほど、ゴンザレス投手は1ヶ月ほど我慢しましたが、
結果的に言えば、この我慢が無駄だったように思いますね。
ヘルマン選手の不振は予想外でしたが、セカンドの守備力は開幕前に分かっていたはずですし、
片岡選手が出遅れるなら、早い段階で浅村選手をセカンドで使ったりと、
色々と工夫はできたはずなのに、競争を避ける形が多く、故障者の当てはめに終始したことで、
チームが活性化していなかった感じがします。
ゴンザレス投手の抑えも適任者がいないという理由で引っ張りすぎでしたし、
もう少し柔軟に切り替えて欲しかったですね。

涌井投手の抑え転向は、昨年の牧田投手のことがあったので予想の範囲内でしたが、
まさか週刊誌の女遊び報道で降格・謹慎処分になるとは思ってもいませんでした(苦笑)
某球団の監督のように妻帯者で不倫ということなら分かるのですが、
涌井投手は独身でしたし、球団の対応が厳しすぎる感はありました。
その後、涌井投手が行いを反省し、抑えに本気で打ち込むことになり、それが快進撃に繋がりましたが、
もう少し早く謹慎処分が解けていたらと思うのは私だけではないでしょう。
8月終盤の小石投手が起こした人身事故の謹慎処分も、結局実戦復帰まで1ヶ月近くかかり、
その間は先発6番手が足りず、リリーフでも左腕が不足気味になるなど、
小石投手の活躍場所が多かっただけに、球団に足を引っ張られた感が正直ありました。
処分は理解できるのですが、あまりにも厳しすぎるといいますか、神経質すぎるように感じましたね。
特に涌井投手の一件に関しては、もっと選手を守る姿勢を見せて欲しかったです。


優勝を逃した根本的な要因は、若手主体のチーム編成のツケでしょうね。
投手陣にはベテランの西口投手と石井一久投手がいますから、その点は問題ないのですが、
投手陣は若手の成長が鈍く、野上投手と菊池雄星投手の一本立ちと、
ルーキーの十亀投手と小石投手の活躍はあったものの、それ以外の若手投手となると層が薄く、
2軍を見ても飛躍が期待できそうな勢いのある若手投手がいません。
他に名前を出していない投手で来年注目なのは大石投手と武隈投手ぐらいで、あとは…
ベテランの西口投手は大事な終盤に不調と怪我で離脱してしまいましたし、
石井一久投手も大事な試合で早期KOするなど、後半戦は満足な働きができませんでした。
交流戦期間にリリーフの不調を補うためにベテラン2人にも中5日登板をさせて、
無理をさせたツケが最終的に出てしまった感があります。
シーズン前半に若手が活躍できず、後半にベテランが活躍できない、
本来は逆になるのが理想なのに、そうならなかったことが投手陣が苦しかった理由でしょうね。
もっと若手投手がアピールしてくれないと困ります。

野手は逆にベテラン選手が極端に少なく、
平尾選手と佐藤友亮選手が今年引退することで、優勝経験を知るベテランがいなくなってしまいました。
そもそも、2008年の優勝を知る選手さえも少なくなっており、当時のメンバーは、
1(二)片岡、2(中)栗山、3(遊)中島、4(指)ブラゼル・後藤武敏、5(右)GG佐藤、
6(三)中村、7(一)石井義人・平尾、8(捕)細川・炭谷、9(中)ボカチカ・佐藤友亮・赤田
この中でチームに残っているのは、片岡・栗山・中島・中村・炭谷選手だけです。
そういった優勝経験のある選手に怪我が相次いだこともあって、勝負所での強さが失われました。
優勝争いを繰り広げた2010年と比較しても、浅村・秋山・熊代選手は経験していないわけで、
10年前の2002年の優勝メンバーで残っているのは、
平尾選手と佐藤友亮選手の引退によって西口投手だけという有様です。
あまりにも早い世代交代が勝負所での強さを失わせているようにも感じます。
日ハムが優勝できたのも、稲葉選手と金子選手というベテランがいてこそ、
若手の模範となるベテラン選手は大事にしてもらいたいです。
そこが今の球団に欠けている点だと思います。


◆プロ野球 オリックスの岡田監督が途中解任
少し時期を逃した話題で、新監督としてOBの山田久志氏の名前が挙がって来ている時期ですが、
他球団のことながらもオリックスの話題について語ってみようかと思います。

敵として見ていて思ったのは、岡田監督は自分のチームが見えていなかったように感じました。
まるで阪神を率いているような感じで、阪神でのやり方をオリックスでも使い、結果失敗した感じですね。
よく試合後の談話で選手を責めるようなコメントを残していましたが、
これが阪神ならばそういった選手叩きが日常的ですし、
褒める時は有頂天になるほどにマスコミが囃し立てるので、そういうのは慣れたものだと思いますが、
オリックスでそれをやってしまうと、報道自体が少ないので悪いコメントだけが目立ち、
そういうことを言われ慣れていない選手達は萎縮し、本来の力さえも発揮できていなかったように思えます。
阪急・オリックスは伝統的に職人肌の選手が多く、近鉄は豪快な選手が多い伝統で、
いずれも職人気質な気難しい感じですから、褒めるのは効果的でも貶すのはNGです。
岡田監督は晩年にオリックスにいたので、そのことが分かっていないはずはないのですが、
阪神でやった成功例をそのまま持ってきてしまい、失敗した感は否めませんでした。

加えて、選手起用にも偏りがあったように感じました。
セリーグ出身の木佐貫投手と寺原投手を再生させた一方、
生え抜きキャッチャーの日高選手に辛く当たり、セリーグ出身の鈴木選手を重用するなど、
傍から見ていて違和感を感じる起用法も多くありました。
日高選手は他球団から見たら嫌な選手なのに、リードを酷評して使わず、
鈴木選手や若い伊藤選手を積極的に起用したものの上手く行かず、
最終的には岡田政権下でずっと冷遇されていた日高選手が再びマスクを被っていたりして、
理解しがたい起用法をしていた感があります。
トレード移籍した赤田選手も好調時に怪我をしてもいないのに、突然2軍降格となったりと、
傍から見ていて意味不明で偏りのある選手起用でしたから、
当事者である選手達はもっと理解しがたく、不公平感が広がっていたと予想されます。
選手との対話を重視する栗山監督や渡辺監督、秋山監督らが結果を残す中で、
一人昔ながらの選手よりも一段上に立った絶対的監督像を貫いた岡田監督は違和感がありましたね。

ただ、楽天にしてもオリックスにしても、監督をコロコロと変えるのは考え物だと思います。
楽天は野村克也氏がチームを作りつつあったのに、ブラウン氏に変えて伝統が繋がらなくなり、
星野監督でまたチームを作り直す段階に戻ってしまったり、
オリックスも監督が変わるたびに選手起用も変わってしまい、
他球団ファンからすると、別の選手を使えばいいのにと思うことが多々ありました。
2年目~3年目を迎え、ようやく選手を把握してきた頃に監督交代を迎えてしまうので、
なかなかチームが強くなりません。
いつまでもチームを作り直す作業を繰り返している印象を受けます。
もう少し長期的な視野でチームを作って欲しい感じがしますね。

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