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CSファイナルステージが開幕

プロ野球のクライマックスシリーズ・ファイナルステージが始まり、
2試合を終えたところで、セリーグは中日が2連勝で2勝1敗(アドバンテージ)とし、
パリーグは日ハムが2連勝して3勝0敗(アドバンテージ)で王手をかけました。

セリーグは中日が主導権を握っているとはいえ、先発投手のやり繰りに苦労しており、
この後も上手くいくかどうかは未知数、
ただ対戦経験の少ない投手が逆に巨人打線に幸いしているような雰囲気も…

パリーグは、この後、ソフトバンクが盛り返す可能性もありますが、
日ハムでほぼ決まりでしょう。
西武の進出を考えて、青写真を描いていた時は、
1・2戦のどちらかを菊池雄星・野上投手で取り、3・4戦目で牧田・岸投手で確実に勝利し、
5戦目の石井投手で決め、6戦目の吉川投手は投げさせないという展開を描いていましたが、
本当に単なる青写真になっちゃいました… 捕らぬ狸の皮算用でしたね…
そういう展開予想からすれば、3戦目は攝津投手で取れるかもしれませんが、
4戦目の武田投手と中村勝投手の投げ合いがどうなるか。
ここがスンナリ行って、5戦目を大隣投手で勝ったとしても、
6戦目に吉川投手と戦うこととなるだけに、厳しいと言わざるを得ません。
相変わらず打線は点数が取れていませんし… 日ハム優位は固いです。


◆プロ野球ネタ ロッテ・伊東勤監督の就任を発表
つーか、2日前に発表しとけば良かったのに… 何でCS開催中にというのが素朴な疑問。
宮崎フェニックスリーグに2軍コーチを派遣した後に退団させたりと、
フロントの動きが読めないというか、はっきり言えば、常識から外れてますよね。
2日前に間に合わなかったのならば、クライマックスシリーズが終わるまで待てよ、と。
段取りが悪すぎるというか、全く持って空気が読めていません。

さて、ロッテに元西武監督の伊東勤氏が就任したわけですが、
西武監督時代は現役引退直後だったこともあって、厳しさが前面に出てしまい、
試合後のインタビューでも選手の個人批判が多く、
当時の若手主体のチームにおいてはそれがマイナスに作用してしまい、
結果的に選手の気持ちが離れていってしまい、退団となった経緯があります。
一方で、前任の伊原監督に続きエンドラン等の機動力を重視した野球を展開し、
中島・片岡・栗山選手ら若い選手を抜擢し、今のチームの土台を作り上げたのも事実です。
NHKの解説、WBCの日本代表コーチ、韓国プロ野球のヘッドコーチを経たことで、
どれだけ「角」が取れたかが成功の鍵でしょうね。
ロッテも、どちらかと言えば、選手を乗せる監督(金田監督やバレンタイン監督)と相性が良く、
伸び伸びプレーさせた方がいい球団ですから、厳しさを表に出しすぎないことが必要でしょう。

あと西武ファンとして気になるのは、コーチ人事で引抜がないか等ですよね。
今の首脳陣のほとんどが伊東監督の退団後に刷新されましたから、
その点では大丈夫だと思うのですが… 気になる点ではあります。
つーか、ロッテはこれで良かったんでしょうか? OB外しが進むだけな気も。
昨年の補強で優勝できると断言したフロントはそのままみたいですし、
最終的には戦力補強の面で伊東監督とフロントが対立してしまうのは確実なような…
ロッテ球団の本気度合いが知りたいです。
まぁ、クライマックスシリーズ中にひっそりと就任会見をやるぐらいだから、
本気じゃないんでしょうね、きっと。
オリックス・石毛監督のように、貧乏くじを引かされなきゃいいのですが…


◆ライオンズネタ 「勝つチーム」を作るために その2:野手編
今年は例年になく主力野手に故障者が続出する年でした。
開幕時には、手術後だった片岡選手は仕方ないにしても、新外国人のカーター選手も手術、
秋山選手もオープン戦序盤で無理して出場するも悪化してコーチがストップをかけて間に合わず、
離脱こそしなかったものの、浅村選手も同様に試合に出続け、前半の極度の不振に繋がりました。
シーズン中盤には、中村・中島選手が代わる代わる離脱(同時離脱でなかったのが唯一の救い)。
シーズン後半には、片岡選手が、栗山選手が相次いで離脱し、
中島・中村選手も故障が悪化して試合に出れない日もあって、
若い石川選手が起爆剤として活躍しかけたところで死球を受けて骨折離脱と、
1年を通して怪我人が出続けた年で、ベストオーダーで戦えた試合は数えるほどしかありません。

それでも戦えたのは、浅村・秋山選手といった新しい1・2番コンビの活躍や、
大崎選手ら中堅選手の奮起、ヘルマン・オーティズ・カーター選手の働きが大きいです。
特に、浅村選手と秋山選手は新しいライオンズの顔としての活躍を期待させるもので、
長らくこの形は続いていきそうな雰囲気です。
ヘルマン選手は開幕時こそ1番セカンドが大外れで、ヒットが出ない・ミスが多いと散々でしたが、
5月からは調子を上げていき、守備位置もセンターを経てサードに落ち着くことになり、
怪我なく試合に出続け、勝負強い打撃と積極的な盗塁で攻撃の起点となってくれました。
なんとか戦うことができたのも、若手の成長と外国人選手の活躍があったからでしょうね。

とはいえ、主力野手が抜けたことによる層の薄さを感じずにはいられませんでした。
特に優勝争いのかかった9月、栗山選手が怪我をしたことで、外野が2つ空いたのですが、
大崎選手の不調もあってなかなか固まらず、2軍から色々な選手を使うも、
五十歩百歩といったところで決め手を欠くような状況もありました。
2軍ではベテラン選手が主軸を打つ状況ながらも、優勝争いの大事な時に出番がない、
2008年頃までは2チーム作れるぐらいの野手の選手層の厚さを誇りましたが、
相次ぐ主力の流出や若返り策もあって、野手の層も底を尽きてしまった感があります。
そういう意味でも、「成長を期待できる若い野手」と、
「優勝経験豊富なここ一番で頼りになるベテラン選手」が必要だと思われます。


今シーズンの野手評はこれぐらいにして、まずは今オフの話題になるであろう事柄に触れ、
その後に個別にポジションを見て行こうと思います。

★中島選手のFA権を行使したメジャー移籍に関して★
昨年までとは違い、球団に主導権のあるポスティング・システムではなく、
選手の権利であるFAを使っての移籍ですから、球団に反対する理由はないですね。
ファンとしても快く送り出してあげたいです。

ただ、昨年までなら、レギュラー確約は難しくとも、控え扱いでのメジャー契約は可能でしたが、
今年になって腰痛をやってしまったので、故障に煩いメジャー側がどう評価するか分かりません。
日本人内野手は失敗例として挙げられますが、松井稼頭央選手や岩村選手も活躍した時期もあり、
その点では一概に失敗とは言い切れませんが、いずれも故障に泣き、
その間に他の選手に取って代わられ、球団を追われるうちに活躍の場がなくなっていきました。
日本人内野手が成功できない最大の理由は「怪我」であって、
腰痛が完治しない限りはシビアな評価がされてしまう可能性があります。
海外FA移籍は長期化が予想されるだけに、12月までに腰痛が回復することを祈りたいですね。

そういったことを考えると、今年の中島選手も100%メジャーに行けるとは限りません。
ただ、FA宣言をするのはほぼ確実でしょうから、
最悪の場合に備えてのFA宣言残留の準備はしておくべきでしょう。
国内FA権とは違って、契約条件の吊り上げに使われるわけではありませんし、
中島選手はそういう選手でもありませんから、
これまでは否定しがちだったFA宣言した上での残留を無条件に認めていいと思われます。


★中村剛也選手が膝を再検査、手術も検討★
まだ手術が確定したわけではありませんが、どうやらその可能性が高そうな雰囲気です。
完治にどれぐらいかかるか分かりませんが、来春のWBCに間に合うかも微妙ですし、
開幕には間に合ったとしても、守備は付かず、DHでの出場が基本線となりそうです。

そうなってくると、外国人選手の去就が難しくなってきます。
ヘルマン選手は間違いなく再契約に動くでしょう。
守備の不安があるだけに、来年は外野でと考えていましたが、
中村選手が手術となればサードの第1候補であることは間違いなく、絶対に必要な選手です。
残りのオーティズ選手とカーター選手はファーストを守ることを期待されますが、
膝の手術後だったカーター選手は今季1度も守っておらず、
そう考えると来季はDHに空きがないだけに、契約は微妙になってくる可能性があります。
一方のオーティズ選手は、オリックス・ロッテ・ソフトバンクと渡り歩くなど、
契約問題で苦労してきただけに、スンナリと残留となるかどうかの不安があります。

ただ、昨年からの飛ばない統一球の導入や広いストライクゾーンによって、
活躍できる外国人選手が少なくなっているのも事実で、
成功例はバレンティン選手と李大浩選手ぐらいで、
それ以外はあまり活躍できておらず、日本で活躍した選手を再獲得するケースが増えています。
そういった点から、新しく外国人選手を獲得するのは必ずしも良い考えとは言えず、
逆にヘルマン選手とオーティズ選手は他球団から狙われかねないだけに、
3選手との再契約を早めに進めてもらいたいですね。

また、中村選手の手術後はヘルマン選手がサードを務める可能性が高いのですが、
守備に不安があり、クライマックスシリーズではレフトに回ったりもしていただけに、
打撃と守備が安定したサードが必要なことも事実です。
そういう意味でも、楽天を戦力外となった岩村明憲選手との契約を目指して欲しいです。
楽天での成績を見ると、実力的には疑問の残る面もありますが、
ヤクルトやメジャーでも優勝経験があり、
レイズでは若手を引っ張るリーダーとして活躍していただけに、
「優勝経験豊富なベテラン選手」という補強ポイントに合致し、
かつ、現時点で流動的なサードを守れるということで、最適な補強でしょう。
古巣のヤクルトに本腰を入れられると敵わないだけに、
中村選手の手術の有無が確定した時点でアタックしてもらいたいです。

現時点で岩村選手以外には去就が微妙なベテラン選手は出てきていませんが、
メジャーの松井秀喜選手の動向はチェックしておくべきでしょうね。
もし、松井選手が最後の奉公としてWBC出場を望むのならば、
メジャーでの契約は難しくなり、かといって浪人の立場での参加も難しく、
そういった面からも日本球界復帰を決断する可能性があります。
争奪戦になるのは間違いないでしょうが、巨人・メジャーでの優勝経験が豊富で、
「勝つためのバッティング」を知り尽くしている松井秀喜選手の勝負強さは魅力的です。
ここ一番でヒットが出ずに優勝を逃したことを教訓として、
勝負強いベテラン選手の獲得を積極的に目指して欲しいです。


★ポジション別論評 キャッチャー編★
ほぼ全試合でスタメンマスクを被った炭谷銀仁朗選手にかかる期待は大きいです。
盗塁阻止率はリーグトップで、相手に何度もタックルされながらも逃げないブロック、
ディフェンス面の評価は非常に高く、来シーズンも正捕手で間違いないです。
一方で、CS第1戦でチャンスでもないのに代打を送られて交代し、
その後、上本選手に代打を送れずに負けたことに象徴されるように、
打率が2割を切っているようでは打撃面で信頼されないのも事実。
来季に向けては打撃力向上が大きなポイントとなってくるでしょう。

ただ、打撃が年々進化していることも事実で、今季は右方向へのヒットが増え、
中島・浅村・ヘルマン・片岡選手に次ぐ綺麗な右打ちを見せる機会が増えてきました。
バスターエンドランも上手で、当てるバッティングもできるわけですから、
普通に打てば.250以上は打てそうな感じはするのですが…
下地はかなり積んでいると思うので、あとは開花させてもらいたいです。
あと、年齢的にも20代中盤に差し掛かり、
野手陣の中では中島・中村・栗山・片岡選手らに次ぐ試合数と経験を積んでいるだけに、
そろそろ「若手」から脱却し、名実ともにチームの中心選手に育って欲しいです。
リードもかなり安定してきており、首をひねるような場面はほとんどなくなりましたが、
まだ谷繁選手や細川選手のように相手打者を苦しめるような配球には至っていないだけに、
そろそろ、そういった相手に嫌がれるリードをできるキャッチャーになって欲しいです。
あと一歩、炭谷選手が若手から主力に変わるだけで、ライオンズは一気に強くなるはずです。

炭谷選手の打撃が伸び悩めば、上本選手ら他のキャッチャー陣にもチャンスが出てきます。
特に上本選手はスローイングに難があり、守備で代えられるために第三捕手の位置でしたが、
今年はスローイングが劇的に向上して、盗塁でアウトにする場面も多くなり、
第二捕手の位置を確固たるものにしました。
ただ、今年はDH等で出場したシーズン前半に打撃で結果を残したものの、
シーズン後半は出場機会の問題もあって、なかなか打撃でアピールできなかっただけに、
捕手と打撃の両立が求められます。

その他の星孝典・武山・岳野選手らは強肩・強打をウリにしていますが、
いずれも炭谷選手の守備、上本選手の打撃を勝っていないだけに、レギュラーは難しいです。
比較的手薄なサードや外野を守れることもアピールできれば、チャンスは増えるかも。
一度は育成選手となりながらも、支配化選手に戻った中田選手は、
2軍で最も多くマスクを被るなど、飛躍の年となりました。
まだ22歳と若い選手ですから、炭谷選手を脅かす存在に成長して欲しいですね。


★ポジション別論評 二遊間編★
長らくライオンズの二遊間は、ショート中島・セカンド片岡選手の体制で来ましたが、
片岡選手がルーズショルダー等でシーズン前に手術し、復帰するも痛みは残ってしまい、
シーズン中に再離脱となって再手術に至ってしまい、
中島選手もシーズン中盤から腰痛に悩まされての欠場が増え、
オフにはFAを使ったメジャー移籍も噂されています。
そんな中で、主力を欠く中で外国人選手を使うために、浅村選手をセカンドに回したり、
ショートで高卒ルーキーの永江選手を使ったり、
ヤクルトから移籍の鬼崎選手が守備固めでアピールするなど、新しい形ができつつあります。

仮に中島選手が残留し、片岡選手も復帰したとしても
来季もそのまま2人の二遊間が続くとは正直思えません。
中島選手がメジャーへ挑戦せずに残留するということは、腰痛が完治していないことを意味し、
ショートでフルに出場するのは難しく、サードと半々ぐらいになると予想されます。
片岡選手も再手術で肩の痛みが消えない限りは、
ファーストから見て逆の動きが多いセカンドを守ることは再度の怪我に繋がりかねません。
今年のセカンド浅村選手のプレーを見ていても分かると思うのですが、
一二塁間のゴロに飛びついて、起き上がらないままにサイド気味に1塁へ送球したり、
二遊間のゴロを逆シングルで捕って、反転しながら送球したりと、
セカンドのスローイングはかなり不安定な位置からすることが多いポジションです。
それに対してショートやサードは、基本的にファーストと正対する位置にあるので、
ほぼスローイングの位置は一定しており、ステップでスローイングもカバーすることができます。
ショート・サードというと、肩の強さを要求されがちですが、
そういう意味では純粋に地肩の要求をされることはなく、肩に不安があっても守ることができます。
片岡選手の選手寿命を考えれば、外野手に転向するのが一番なのですが、
仮に中島選手が抜けてしまうと、経験ある内野手がいなくなってしまうので、
ショート・サードに回して浅村選手らの成長を待つ形になるのではないかと思われます。

そうなってくると、セカンドは浅村選手で固定するべきでしょう。
本人はショートを望むかもしれませんが、今年見せたセカンドの動きは素晴らしく、
ミスすることもありますが、広い守備範囲と身体能力の高さは魅力的です。
また、高卒ルーキーの永江選手の守備が想像以上に良く、将来的にショートを任せることも考えて、
次期主力選手として期待する浅村選手はセカンドに固定して欲しいです。

ショートは前述のように片岡選手をコンバートし、原選手や鬼崎選手と併用しながら、
高卒ルーキーの永江選手の成長を待つ形としたいところです。
永江選手は守備面の評価は素晴らしいものの、打撃の方は1軍で内安打1本に終わってしまい、
結果的に打撃面の力不足を露呈する形となってしまいました。
それでも2軍では.258を打っていますし、高卒1年目の数字としては有望株の結果です。
確か、浅村選手の高卒1年目の成績もそれぐらいだったと思います。
浅村選手は2年目・3年目と大きく成長し、年々パワフルになっているだけに、
永江選手もそれに倣って日々成長していって欲しいですね。
来年は今年のソフトバンク・今宮選手ぐらいの成績を残せれば合格点でしょう。


★ポジション別論評 一塁・三塁・DH編★
現時点で一番流動性の高いポジションがここかもしれません。
中村選手が手術回避で膝が回復してサードを守れるような状況で、
なおかつ、外国人選手の契約更新が無事に済めば、
サードに中村選手、ファーストにオーティズ選手、DHでカーター選手と、
ヘルマン選手がライトを守れれば、外国人3人を同時に使うことができ、
中島選手がメジャー挑戦したとしても、得点力を補うことができますが…
現実的には、中村選手の膝の状態は芳しくなく、手術する可能性が高くなるので、
来年はDHでの出場が基本線となって、カーター選手の出場機会は減ってしまうでしょう。

そうなると、中村選手をDHで固定し、サードでヘルマン選手を起用、
ファーストはオーティズ選手を中心に、カーター選手との併用になりそうです。
となれば、レギュラーが保証されないオーティズ選手との契約問題が心配になり、
また、カーター選手との契約更新の必要性も問題になってきます。
チームとしては3選手とも再契約したいのですが… 早めに目処を立てて欲しいですね。

問題は内野の控えです。
二遊間は浅村・片岡・永江・原・鬼崎選手と候補がいますが、
サードの控えは原選手ぐらいで、不足している感は否めません。
2軍を見ても戦力になりそうなのは林崎選手ぐらいで、
打力と安定した守備を持った3塁手が欲しいところです。
そういう意味でも、楽天を戦力外となった岩村選手は魅力的に映ります。
FAではロッテの今江選手もいますが、Aランクなので人的保障の損失の方が…

ドラフトでの補強も一つの方法ですが、コンバートも一つの手でしょう。
特に外野手は競争結果が見え始めているだけに、
星秀和選手は捕手コンバート直後はセカンド・サードも守っていましたから、
外野だけでなく、サードに再挑戦することは起用法の幅を広げてくれるように思います。


★ポジション別論評 外野手編★
今年は秋山選手がレギュラーとしての地位を確固たるものにしたものの、
開幕に間に合わず、交流戦後も一時登録抹消となるなど、試合に出ない期間があり、
シーズン後半は絶対的なレギュラーだった栗山選手が骨折で離脱し、
外野の2ポジションが空いている状況が多かったですから、
外野手にとっては数多くのチャンスがあったはずです。
ただ、総じて調子が続かない選手が多く、ほぼメンバーは絞れた感があります。

今年の秋山選手の攻守に渡る活躍で、栗山選手とともに外野2ポジションは確定。
残るライトのポジションですが、今シーズンの競争の結果、
左打者では大崎選手、右打者では熊代選手で勝ち抜けたと言っていいと思います。

大崎選手はシーズン中盤に怪我から不調に陥り、一時登録抹消となりましたが、
9月後半・CSで活躍を見せて、最終的には.269をマーク、一歩抜け出しました。
左投手もそれほど苦にするタイプではありませんし、
課題の守備ではチョンボもあるものの、今年はナイスプレーも多く、
一昔前に比べれば、大分安定感が出てきた感じはします。
CSではダブルスチールのホームスチールを決めるなど、
走塁面も向上していますし、ライトのレギュラーに一番近いのは大崎選手でしょうね。

熊代選手は対左投手を中心の起用で、出場機会に恵まれたわけではありませんが、
綺麗なヒットではないものの、喰らい付く打撃で.270をマーク、
粘り強いわけでもありませんが、とにかく泥臭く向かっていく姿勢が好感が持てます。
守備でミスをした後でも気落ちせずに、思い切って振りにいけますし、
スイッチヒッター挑戦中の左打席を含めて、まだまだ伸び白が大きい選手です。
そして何と言っても、今年は守備面での活躍が目立ちましたね。
西武ドームでの楽天戦でのトリプルプレーは多くのファンの記憶に残っていることでしょう。
それ以外にも果敢なスライディングキャッチを見せるなど、
秋山選手とともに、何度となくチームのピンチを守備で救ってくれました。
秋山・熊代選手の外野守備は12球団一と言われる日ハムの外野陣にも負けていません。
課題は打撃面、左打席でもしっかり打てることにすることなのですが、
それ以上に、スタメン・代走での起用されながらも、盗塁が2個だけというのは寂しいです。
本来は俊足がウリの選手ですから、20盗塁以上できれば、レギュラーも見えてくるはずです。

それ以外の外野手は、三拍子揃った石川貢選手と高卒1年目の駒月仁人選手を除き、
栗山・秋山選手を脅かすどころか、大崎・熊代選手にも勝てず、
現状のままではチャンスすらないと言わざるを得ません。
自分が何をアピールして1軍に生き残るのか、
そこを明確にして特徴を出していかないと、試合で使ってもらえないでしょう。
嶋・高山・坂田選手は打力をアピールして代打で活路を見出す必要があり、
斉藤・田代選手は足と守備において、秋山・熊代選手以上のものを見せる必要があります。
米野・星秀和選手は、過去にそれぞれキャッチャー、サード・セカンドを守った経験を生かし、
複数ポジションを守れることをアピールしていく必要があります。
投手から外野にコンバートした木村投手も、来年、最低でも2軍で結果を残さなければ、
今度こそ解雇されかねず、そうそう長い目で見てもらえる位置にはいません。
いずれも現状のままプレーしてもレギュラーを奪える可能性は少なく、
それぞれ特徴を出していかないと、来年の今頃にはもういないなんてこともありえます。

長いペナントレースでは、レギュラー以外の選手の活躍も重要となるだけに、
彼らが懸命にプレーすれば、チーム力も上がってくるでしょうから、
どれだけ彼らの危機感を煽り、一人でも多く戦力にできるかが底上げのポイントとなりそうです。


★野手編 まとめ★
以上のことを簡潔にまとめると、以下のような形になります。
【捕手】炭谷、上本、星孝典、武山、岳野、中田
【一塁】オーティズ、カーター
【二塁】浅村
【三塁】ヘルマン、林崎、(中村)(中島)
【遊撃】片岡、原、永江、鬼崎、(中島)
【外野】栗山、秋山、大崎、熊代、米野、石川、(ヘルマン)
1(二)浅村、2(中)秋山、3(左)栗山、4(指)中村、5(一)オーティズ、
6(三)ヘルマン、7(右)大崎・熊代、8(捕)炭谷、9(遊)片岡・永江
【代打】 カーター、上本、米野
【守備】 原、鬼崎

外国人選手の契約が順調に行けば、ほぼ今年の終盤のオーダーそのままで、
栗山選手と中島選手が入れ替わるだけで済みそうです。
ただ、それでは少なくとも現状維持か、
中島選手が相手に与えるプレッシャーが減る分だけ打線の質として低下するだけに、
個々の選手のパワーアップとともに、補強をしっかりとすることが必要でしょうね。

補強ポイントとしては、手薄になっているサードと右打ちの外野手。
チーム内で優勝経験のある選手が少なくなってきているだけに、
優勝経験豊富なベテラン選手がいれば欲しいですし、
ドラフトでは次期主力となりうる内野手を獲得したいところですね。

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