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2013年04月30日

失われる日本の美徳

日本の美徳と言えば、「謙虚さ」であったはずなのですが…
最近はそういうことが全く感じられなくなってきました。
東京都の猪瀬知事が実際にどういった発言をしたかは分かりませんが、
不適切な表現があったのは間違いないようで、
知識人として謙虚さを欠く発言だったのは間違いありません。
驕らず誇らず平和と追求してきたはずの日本が、いつしか常任理事国入りを目指すと言い出し、
国際貢献の名の元に軍事拡充を図ろうとする、日本はどこで美徳を失ったのでしょうか?
別にアジアの一等国でなくとも、世界の主要国でなくとも良いから、
国際社会から尊敬の念を抱いてもらえるような国家でありたいものです。
…寂しいですね、ホント今の現状は…


◆ニュースネタ 主権回復記念式典と北方領土問題
4月28日に行われた主権回復記念式典は、特に何事もなく終わったようです。
この場合の「特に」は沖縄の反発ではなく、「最悪のシナリオ」という意味で、
政府が平和条約を破棄するかもしれないという可能性です。
まぁ、記念式典ですし、そこまでバカじゃないでしょうが、
外交センスがないのは相変わらずといった感じでしたね…

既にサンフランシスコ講和条約の明と暗は報道で知っていると思いますが、
日本が戦後の主権を回復して、国際社会に復帰した「象徴的」な日ですが(実際はもっと早いが)、
同時に小笠原諸島や沖縄が分断されてアメリカの統治下に正式に入った日でもあり、
沖縄県民が「屈辱の日」というのも無理からぬことです。
また、千島列島の放棄や東京裁判の結果の受け入れも含まれていることから、
現在の日本の北方領土問題や靖国参拝に対するスタンスとは相反するものも含まれています。
その意味では、靖国参拝を擁護した首相の発言は矛盾しているとしか思えず、
なぜこのタイミングで記念式典をやる必要があったのか、
国粋主義者達の自分本位な論理はよく分からない面があります。

ただ、安倍政権が経済開発を軸としたロシアとの平和条約交渉に入ったことは高く評価でき、
尖閣諸島問題など西に外交問題を多く抱えている日本としては、
せめて北の問題を早急に解決する必要があり、
アジアにおける対中国外交を考えると、ロシアとのタッグは非常に重要になってきます。
第二次大戦の日ソ中立条約の破棄によって「信頼できない」イメージが定着しましたが、
元々は頑固者ながらも人情に厚く義理堅いお国柄ですので、
利害が一致している間は信頼できるパートナーとなってくれるはずです。
…まぁ、利害が一致しなくなると、危ないんですが…
でも、中国は利害が一致していたとしても、少しでも自国の利にならなければ動きませんし、
個別の損得勘定を重視するだけに、全体の損得勘定で考えられるロシアの方が信頼できます。
ロシアとしても極東地域での中国の影響力に目をつぶることができませんし、
対中国で一致している限りは外交交渉はわりとスムーズに進むかもしれません。

もっとも、北方領土問題に関しては難しいと言わざるを得ません。
サンフランシスコ講和条約にはソ連は調印しておらず、その意味では直接拘束は受けないものの、
日本が世界に向けて千島列島の放棄を約束したことは国際公約として拘束されてしまうので、
今回の記念式典は結果的にそれを「自認」するものであり、
北方領土問題のイニシアチブはロシアが持っていると言わざるを得ません。
活路があるとすれば、北方領土が日本固有の領土であるとする点ですが、
これも最終的には当時の連合国軍が決めることなので、アメリカが特に何も言わない限り、
もう一方の連合国であったソ連、今のロシアが最終的決定権を持つと考えられます。
仮に国際司法裁判所に提訴できたとしても、ロシアの主張が受けいられるだけで、
日本の北方領土に対する発言権は弱いものと捉えられるでしょう。
もし、今回の記念式典を行っていなければ、「自認」の効果までは持たず、
沖縄や小笠原諸島と同じ扱いになったかもしれませんが、
今回の自認行為で絶望的になったことは確かです。
(補足「自認」…例えば、借金をしていて、その借金は時効消滅していたのに、
        借金の一部でも返済すると、それは返済の意思があるという表れとなり、
        その後は借金の時効の主張ができなくなるということ)

そういう意味では、政府は既に二島返還を覚悟したのではないでしょうか。
その覚悟がないで記念式典とロシアとの平和条約交渉を行ったのだとしたら、ただのバカですね。
おそらく、夏の参議院議員選挙まではそれをひた隠しにして批判をかわし、
選挙勝利後に二島返還で当面の利益を確保したと発表するものと思われます。


◆ライオンズネタ 3・4月は18勝9敗で貯金独り占めで開幕ダッシュ成功を果たす
とはいえ、独走といった感じではなく、2位以下も5割から借金3で推移してますので、
混戦状態であることに変わりはありません。
何故どの球団も取り残されなかったかと言えば、西武が常に好調のチームを叩いたからです。
5カード目の楽天・オリックス・日ハム・ロッテ・楽天戦は首位決戦とまでは行かないも、
直前に連勝して波に乗ってきたところで西武とぶつかって負け越し、
それが繰り返されたことで、西武以外に安定して好調さを維持したチームがなくなり、
2位以下は団子状態となったように思われます。

そんな感じで西武ライオンズの強さが際立った3・4月でしたが、
強さの要因は前々回までに語った通りで、
黄金時代の西武ライオンズや落合監督時代の中日ドラゴンズのように、
投手を中心とした守りの野球を行い、打線は派手さはないものの、
僅差では確実に得点を取ってくる野球で、安定した強さを見せてくれました。
もっとも、そこまで守備の完成度は高くなく、若い選手が多いことからエラーもありますが、
それ以上に今年は他球団のミスが目立ち、相対的にエラーは少ない状況です。
先発陣では菊池雄星・野上・十亀投手ら若い先発陣の成長が大きく、
パリーグで先発6人が確定しているのは西武だけで、
他の5球団は先発4人目以降に四苦八苦している状況で、
西武が初戦を落としても、2戦目・3戦目と連勝するケースが数多くありました。

もっとも、このまま西武が独走するかと言えば、そうでもなく、
交流戦に入れば、先発投手は5人でもやり繰りができますし、
そこで戦況も変わってくる可能性があります。
また、若い先発3投手は1年を通して先発ローテを守った経験がなく、
疲れを見せた時にどうなるか、そこもポイントになってくるでしょう。


ライオンズの立場から言えば、若い選手が多いだけに開幕ダッシュは自信になります。
早い時期に目指すべき野球ができたことで、チームとしての方向性が明確に定まりました。
先発完投を基本に7イニングを2点以内に抑え、
打線が粘り・繋ぎ・機動力で3~4点を確実に取って逃げ切る野球、
渡辺監督が目指していた野球がようやくできるようになったと思います。
あとはこれをどれだけ続けていけるか、先発投手の出来が鍵を握るだけに、
無理を避けながら、良い状態をできるだけ維持し、悪いなりの投球をして勝つこと、
そこがポイントになってくるでしょうね。
幸いにも、投手が一番疲れてくる夏場には中村剛也選手も復帰できそうですし、
そうなれば得点力も大きく上がりますから、それまで守りの野球を続けていくことでしょう。

投手の課題を挙げれば、エース争いをしている2人、岸投手と涌井投手の状態ですね。
岸投手は開幕投手を務めたものの、ここまで1勝4敗と大きく負け越しており、
他の先発投手が既に3勝している中、一人だけ出遅れている感じがあります。
今年の岸投手は「しなやかな青き刃」の二つ名からは程遠い内容で、
腕の振りが悪く、慎重になり過ぎて勝負に行けていない場面が多いです。
岸投手の本来の持ち味であるしなやかさ、余裕・ゆとりを取り戻すことが大事でしょうね。
一方の涌井投手は能力的な問題というよりもメンタル面の問題が大きいと考えられ、
先発再転向のペース配分や自分の理想とする投球と現実の投球とのギャップに悩み、
相手打者と勝負し切れていないところが少なからず見受けられます。
既に3勝を挙げて結果を残しているわけですから、ある程度の割り切りをして、
相手打者との勝負に徹してもらいたいです。
交流戦は変則日程となり、先発5人体制になる時期も来ますから、
現状では調子の悪い2人のうち、どちらかが落ちることになってしまいます。
次の登板結果で判断されるでしょうから、意地のピッチングに期待したいです。

野手の課題は4番打者ぐらいで、それ以外の課題は少しずつ解消されつつあります。
開幕からライトのみレギュラーが定まっていませんでしたが、
坂田選手が長打と勝負強い打撃でアピールを続けており、
代打では大崎選手が結果を残すなど、控えの層も徐々に厚みを増してきています。
4番打者はスピリー選手でもう少し様子を見そうですが、
打撃スタイル自体は良いものの、アジャストする確率が低く、率が低いのが悩みの種。
失投を確実に仕留められれば、もっと成績は上がってくるはずなのですが…
2軍ではオーティズ選手が結果を残しており、入れ替えも検討されますが、
交流戦に入るとDHも使えなくなるので、好調の坂田選手がそのまま外野を守り、
打順を一つずらす形で4番ヘルマン・5番浅村選手とする可能性もあります。
その場合は外国人選手が代打要員となり、右の代打不足を補うことになりそうです。
各打者の調子に関して言えば、良い形で循環している印象で、
開幕時は金子・浅村・秋山選手が引っ張り、続いて栗山・ヘルマン選手、
次に炭谷選手と坂田選手に片岡選手、再び栗山・ヘルマン・秋山選手と循環しています。
好調を維持する要因として大きいのが「四球」でしょうね。
調子が落ちている時期でも、四球や犠牲フライ・進塁打でチームに貢献することで、
深刻に考えすぎることがなくなり、打席数を減らすことで数字の落ち込みも最小限で済み、
結果として調子の回復も早まっているように思えます。
今後も繋ぎの意識を失わずに、四球でもいいんだという気持ちがあれば、
爆発的な得点力はないものの、着実に得点を積み重ねることはできるはずです。

戦い方自体は完成度の高い野球をしていますが、
選手個々は若くて能力的には未熟でながらも、伸び白の大きい選手が多いですから、
個々に技術を磨きながら実戦で経験を多く積み重ね、
さらにチームとしての厚みを出せるようにしていって欲しいです。

2013年04月26日

安倍政権に即時退陣請求

いわゆる「アベノミクス」に関しては批判的な立場ですが、
期待や利益獲得を刺激して円安と株価上昇を呼び込み、
富めるもののための景気回復を実現して高い支持率を誇る安倍政権ですが、
ここに来て歴史認識問題で大きな波紋を呼んでいます。
先日の靖国神社の閣僚参拝を擁護した上で、「侵略戦争」までも否定しかねない発言をし、
核不拡散防止条約の会議では核の不使用に関する共同声明に調印しなかったり、
28日にはサンフランシスコ平和条約の調印を記念しての式典が準備されていますが、
天皇陛下を政治利用までして、沖縄や小笠原等の島々が分断された日を祝おうとしています。
憲法改正への語気は日に日に強まるばかりで、
今回の政権で病気なのは体ではなく、頭じゃないの?というぐらいに暴走し始めています。
このままでは諸外国に日本は不気味な動きをしていると受け取られかねず、
「未来志向」の外交は微塵も感じられず、過去のことで挑発してるのは日本に辟易します。

この国の政治家の歴史認識はどれだけ一般国民、特に戦争を知らない世代と乖離しているのか、
亡霊に取り憑かれた人間どもの言っていることがサッパリ分かりません。
何が自虐教育だ、何が侵略戦争ではなかった、だ。
人々は日本が世界を支配する帝国になることを望んで死んでいったのか?
A級戦犯は恨み辛みを抱えて、世界征服という復讐の念に燃えて死んでいったのか?
アメリカに押し付けられた憲法というけれど、日本人は「平和」を本当に望んでいなかったのか?
今の政治家は昔の政治家の子弟が多いこともあって、
一般国民とは全く違った歴史教育を受けてくるのでしょうか?
おかしいのはお前らの頭の方ですよ。

話が変わりますが、ACジャパンの公共広告で、
 「誰かが“ヤる”のを、待っているのをやめる。」
 「ハイ! 僕が“ヤ”ります」、…というCMが流れていますが、
これはある種のマインドコントロールのように思える時があります(苦笑)

それと、現在のNHK大河ドラマでは幕末を舞台にした『八重の桜』が放送されていますが、
「尊皇攘夷」だとか、「天誅」だとか、「御用改め」とか、バカだなぁと思いつつ見てますが、
そういうことも必要な時代ってあるのかもしれませんね。
攘夷は理解できない面もあるものの、桜田門外の変とかはわからなくもないです。
…いやいや、別にこの話に何の他意もありませんよ。ごくごく自然な流れですよね?(^^;

前回も今回も書いていますが、彼らの考え方は本当に「愛国」なのか疑わしいです。
元々、日本人は自分達を客観視するのが苦手で、
今も日本では評価されなかったものが、海外で評価された途端に、ワーワー騒ぎ出したりと、
自らを評価することがこれほどまでに不器用なのに、
どうして明らかに誤った自分達の評価をそこまで誇れるんでしょうかね?


◆ニュースネタ 靖国参拝に関して
彼らの歴史認識問題を今更取り上げるつもりはさらさらないのですが、
そもそもにおいて、彼らは何に参拝しているのでしょうね?
戦火で散っていた魂を英霊と言いますが、
それじゃ空襲で亡くなった戦争犠牲者と何が違うのでしょうか?
敵(と思われる人間)を殺した数ですか?
死んだ人に差異はないからこそ、A級戦犯の合祀も行われたのに、差異設けてますよね?
本当に政治家達は純粋な信仰心から参拝に行っているのでしょうか?
どう考えても、そんな風には見えない人達ばかりなんですが…

そうやって考えていくと、韓国は別としても、中国の人が反発する理由は至極簡単です。
基本的に対人関係を軸として、神と人間の繋がりで権威付けをしてこなかった彼らからすれば、
政治家の神社の参拝行為に純粋な信仰心を見出すことは不可能で、
何らかの「政治的意図」を持っていると思うのは無理からぬ考えです。
まぁ、日本人から見ても、純粋な信仰心とはとてもとても思えず、
パフォーマンス・選挙対策じゃないのという感は拭えないだけに、
彼らの邪推もあながち外れてはいないと言えます。

戦争の記憶が生々しい頃であれば、政治家の行為は幾らかの慰めになったかもしれませんが、
今では大半の国民にとって外交的損失ばかりが多いものとなっており、
懐疑的な行為であるということをアホな老人どもは気づいておりません。
外交では「未来志向の関係」と言いながらも、国内では戦争に縛られ続け、
もはや完全に形骸化が進み、意地のみで行っている政治的行為に何の意味があるのでしょうか。
こんなことでは中国の反日教育を笑えないですよ。同じじゃないですか、やってることが。

結局、未だに古き日本人の中で、戦争の心理的決着が付いていないということですよ。
嘘でも何でもいいから、A級戦犯の人達に敗戦の怒りを押し付けて心理的決着を付けるべきでした。
それをせずに心の中で黙殺し続けたから、いつまでも戦争の苦い記憶に縛られ続ける。
戦術の変化を感じ取れず、勝てない戦争に国民を総動員し、
精神論で勝てると主張し、特攻隊のような自爆テロを礼賛して、
国民を死に至らしめた彼らの罪は消えることはなく、それだけで責められる非はあったはずです。
ソフトに言えば、暴力体育教師をいつまで「いい先生だった」と言い続けるのか?
政治家は体罰問題に真剣に取り組むつもりないでしょ?
本気じゃないでしょ? 本当は体罰礼賛なんですよね?
そういった国民の怒りや悲しみを背負って、A級戦犯の人達は散っていったのに、
彼らにそんな責任さえを背負わすことなく、
ただの一兵卒の魂として処理した合祀に対して、全く怒りに感じない方がどうかしてます。

いつまでエセ愛国者どもの偽善行為に日本人は振り回されないといけないのでしょうか?


◆ニュースネタ 核不拡散防止条約再検討会議の準備委員会で核の不使用に賛同せず
とのことです。被爆国なのに。
つまり、自民党政権は北朝鮮のような核抑止力論者というわけで、
こんな対応してると疑われかねません、「戦争でもしたがってんじゃないの?」って…
現実にこれに賛同したからといって、核の使用を処罰できるわけでもなく、
環境問題と同じく核の不使用を働きかけていくというものなのですから、
それに賛同しないという意味がサッパリ分かりません。
これでは日本は核武装したがっているみたいじゃありませんか。

平和憲法で尊敬された戦後の日本はどこに行ったのでしょうか?
戦争の亡霊に取り憑かれたバカな国粋主義者どもに、どれだけ国が蹂躙されるのか。
この国をどうていきたいのか、さっぱり見えてきません。
そんなに戦争大好きなの? 人殺ししたいの? 殺されたいの? 家族を亡くしたいの?
こんなバカどもに憲法改正や新憲法制定なんてやらせたら、どうなるのか。ゾッとします。
第二次大戦や湾岸戦争のトラウマだけで生きている亡霊どもが何のようですか?
さっさと成仏しやがってくださいませでございますよ。


◆プロ野球ネタ セリーグが交流戦の縮小案を提案
セリーグとパリーグの交流戦を現在の24試合から18試合へ減らすことを、
セリーグ側が提案しているとのことです。
これに対してパリーグ側は反対の姿勢で、メジャーのように分割開催なども提案してますが、
現時点では受けいられる可能性は低い感じです。

元々は近鉄バファローズの消滅による12球団維持の危機から、
パリーグの救済を主な目的として、プロ野球の人気復興策として導入されましたが、
その観点から言えば、確かに役割を終えた感があります。
パリーグ6球団は大なり小なり地域密着を重視したことで、半分以上は経営的にも成功しつつあり、
最終的には親会社の動向次第の面があるので、安泰とは言えませんが、
しっかりと活路を見出しているように思えます。
パリーグにとっては、未だにセリーグの巨人・阪神という人気カードは手放しがたいものの、
それがなかったとしても、十分にやっていける土壌はあります。
むしろ、去年の巨人を除けば、最近はパリーグ側が交流戦を優勢に進めていることで、
パリーグからすれば「勝って当然」の雰囲気があり、負ければ取り残されてしまうという感じで、
チーム成績に直接影響を与えないことで、気合が入りにくいというジレンマがあります。
そういったことを考えれば、交流戦の縮小には賛成したくなる面があります。

かといって、日ハム・大谷選手と阪神・藤浪投手の対決や、
首位を走るホームラン野球の巨人と繋がりの単打野球の西武とどちらが強いのかなど、
プロ野球ファンとしては楽しみなカードも存在することも確かで、交流戦の必要性は感じます。

また、実際に試合数を縮小すると、各球団3試合ずつになるわけですが、
それだとホーム・ビジターのいずれか3試合となってしまい、各球団で不公平感が出てきます。
経営面を重視すれば、ある年は巨人とホームで戦い、阪神とはビジター、
次の年は阪神とホームで戦い、阪神とはビジターで戦うことになるでしょうが、
チームの特色やその年の成績によって、ホーム・ビジターの強さは変わってくるわけで、
例えば今年の巨人はホームで滅法強いですが、次の年はホームで勝てないかもしれませんし、
そうなれば、巨人と東京ドームで対戦した球団は損をし、
巨人とパリーグの球場で対戦した球団は相対的に得をすると考えられ、不平等な結果を生みます。
このように内弁慶・外弁慶がはっきりするような球団が出てきてしまうと、
リーグ戦における平等性の担保が完全に崩壊してしまうだけに、厄介な問題です。

それならば、完全に腹をくくって、交流戦の全試合を地方球場でやればいいとなりますが、
それは両リーグともに経営的にしたくないでしょうね(苦笑)
でも、平等にするためにはそれ以外に方法はなく、
日程面の問題があるなら、逆に試合数を戻して36試合でやるしかなくなってしまいます。
交流戦を減らすならば、ホーム球場での試合開催を完全に断念する以外に方法はないでしょう。
交流戦の全試合地方球場開催をセリーグ側は呑めるのでしょうか?

2013年04月22日

地震列島日本

4月に入ってから地震の連続ですね…
淡路島、九州南部、三宅島、与那国島、宮城県沖、千葉県沖、北海道、千島列島等々…
世界でもイラン・パキスタン、中国でも大地震が発生しており、
東日本大震災以降、活性化している地震活動に対する不安が大きくなっています。
もはや日本のどこにいても地震は避けられないだけに、心構えだけはしておきたいものです。

…しかし、寒いっすね… 4月中旬から下旬とは思えない天気です。
来週からゴールデンウィークだってのが嘘みたい…


◆ニュースネタ 安倍総理の教育改革の目指す先は?
前回は「愛国心」を大々的に掲げ、今回は4月28日に独立記念式典を計画するなど、
国家高揚的な政策を掲げている安倍政権ですが、
一体、何を問題視していて、何をしようとしているのか分かりません。

1951年4月28日のサンフランシスコ平和条約の調印を
主権回復の独立記念日にしようという腹積もりのようですが、
それは同時に日本が明治時代以降に獲得した多くの領土を国際的に放棄した日でもあり、
沖縄を始めとする太平洋の島々が日本から正式に分割された日でもあります。
現在の領土問題である北方領土・竹島・尖閣諸島は日本固有の領土と考えられるので、
同条約との直接的な関係を持ちませんが、相手方も固有の領土と主張しているわけですから、
領土の対外放棄の承認は間接的に意味を持ちえます。
今、それを再度承認するような態度を取れば、係争地の領土放棄と取られかねません。
沖縄を始めとする島々、つまりは北海道・本州・四国・九州以外はどうでもいいというなら、
主権回復を祝ってもいいと思いますが…
これが本当に彼ら国粋主義者の本意なの? バカじゃないの?


教育改革にしても、太平洋戦争を中心とする「自虐的国家観」が批判されていますが、
「自虐的国家観」の何がいけないのでしょうか?
私はその「自虐的国家観」で育ちましたが、別に日本を卑下していませんよ。
もしも、彼ら国粋主義者が「自虐的国家観」はいけないと批判するのなら、
キリスト教徒に「あんたらは間違っている!」と堂々と言ってください。
ほら、オバマに言えよ、ほらほら。

キリスト教ではイエス・キリストが人間の生まれながらの罪「原罪」を背負って死んでいったと、
言われますが、キリスト教の原罪思想も実に自虐的です。
罪悪感は謙虚さという美徳を生みます。マイナス要素ばかりではないのです。
日本は「恥」の文化によって謙虚さを保ってきましたが、それも失われている今日、
我々に謙虚さをもたらすものは何なのでしょうか?

別に太平洋戦争が侵略戦争だからと子ども達が教えられたところで、
今の子ども達からすれば中国・韓国の人から「謝罪しろ」と言われたとしても、
「今さら、何言ってんの?」ぐらいの感覚でしょうし、
国粋主義者どもが思っているような罪悪感は存在していません。
あるのは日本がどうしたかではなく、人間が人間を殺したという史実だけであり、
それを教えることの何がいけないのでしょうか?
人が死んだとかは教育に相応しくないとでも言うのか? またそんな綺麗ごとばかりを。
戦争を教えることで自らを特別視せず、平等なものとして対等に見つめることができるわけで、
常に自分中心で動いている子ども達に、もっと中心で動きなさいとしてどうするのでしょうか?
将来、中二病とニートで社会を埋め尽くしたいのなら、それでも構いませんけど…
…はっ!? それが真の狙い? 安倍総理の教育改革を「日本厨二病計画」と名づけよう(苦笑)

結局、日本が日本人に見捨てられている理由というのは、歴史問題とは全く別のところにあり、
日本の閉鎖的な社会環境や、政治への失望感、手薄になる社会保障と物価高騰への不安など、
現在の問題に悩んで日本を離れていくわけですから、
愛国心があればどうにかなるという問題ではありません。
そんなんだから、「口だけのお坊ちゃん」って言われるんですよ。


◆ライオンズネタ 開幕ダッシュに成功した2013年のライオンズ ≪打撃編≫
投手編の詳細は4月15日の日記をご覧ください。
簡単におさらいをしますと、好調の主要因は投手力で、
特にドラフト1位3投手の成長が今の投手陣を支えており、
常に2点差以内を維持することで、野手との信頼関係が成立している、ということでした。
今回は野手にピックアップを当てて、打撃陣の変化について考えてみます。

まず、昨年までは、3番中島・4番中村剛也選手という大砲が主軸に座り、
いかにその前にランナーを出すかという野球で、
周りの打者は「繋ぎ」といっても、最終的には2人に任せる形の打線編成でした。
しかし、今季は2人が開幕から不在になったことで、
ロッテや昨年までの楽天のような「繋ぎの野球」が徹底されています。
各打者はセンター方向を中心にライナー性の打球を打ち返すことを心がけ、
常に後ろの打者へと繋いでいくのが「繋ぎの野球」なのですが、
ロッテ打線を見ても分かるように、「繋ぎの野球」は好不調の波があり、
調子の悪い時は安打のわりに点数が入らないことが往々にしてあります。
その点で今年のライオンズ打線は2試合の完封負けを除けば、比較的安定して得点できており、
その理由が好調の打線の秘密ということになるでしょう。


幾つか理由はありますが、一つは「機動力」があることですね。
既に1番片岡選手が5盗塁、5番ヘルマン選手が7盗塁を記録しており、
この2人は盗塁王争いをする足を持っているのは間違いなく、
加えて、ルーキーの7番金子選手も俊足、6番浅村選手も盗塁技術を持っており、
年間20個以上は計算できそうで、
2人よりは落ちるものの、2番秋山・3番栗山選手も10盗塁以上はするでしょう。
これだけで単純計算しても、50×2+20×2+10×2=160盗塁で、
4番スピリー選手も既に1盗塁、炭谷選手は盗塁0ながらチャレンジはしており、
相手に隙があれば、いつでも走れる選手が揃っています。
また、長打を打てる選手が少なく、どこからでも足が使えますので、
仮に2塁盗塁が失敗したとしても、ダメージは最小限で済み、果敢なチャレンジが可能です。
中村剛也選手の打席で失敗するのと、片岡選手の打席で失敗するのとでは大違いで、
後者の方がトライする価値が上回りますし、2アウトならばアウトになったとしても、
また足の速いランナーから次の回を再スタートできます。
俊足のランナーが満遍なく打線に組み込まれていることで、
常に1~3番の役割が流動的に繰り返されることとなり、絶え間ない循環を生んでいます。

さらに、この「機動力」を相手は否応に警戒せざるを得ず、
ランナーが出ると、牽制やクイックに手間が取られ、投球のリズムを乱しがちになります。
実際に今年はランナー1塁での四球が昨年よりも断然多く、
送りバントや盗塁をせずともランナーが進塁するケースが多々あります。
作戦的にもバント・盗塁・エンドラン・ランエンドヒット、
ランナー3塁ではスクイズやセーフティスクイズ、スリーバントスクイズも行うなど、
多種多様な作戦で点数を取りに来るだけに、相手にとって大きなプレッシャーになります。
ただの「スモールベースボール」ではなく、創意工夫をして相手に考えさせる野球、
言わば「スマート(賢い)ベースボール」とも言うべき、
相手にプレッシャーをかける野球を今年のライオンズは見せています。

今年は昨年までとは違って、外国人選手を含めて、状況に応じた打撃ができる選手が増えており、
送りバントや進塁打、犠牲フライといった細かいプレーも、完璧ではないものの、できています。
ともすれば、他人(主軸)任せだった繋ぎも、主力としての自覚から勝負強さが出てきており、
3番栗山選手が17打点でリーグトップタイ、6番浅村選手が14打点、
5番ヘルマン選手と7番金子選手、8番炭谷選手が10打点と、ポイントゲッターが沢山います。
状況に応じて1~3番の役割が変化し、機動力を軸としてプレッシャーをかけ、
多彩な攻撃を仕掛ける野球、そういったところが今年の「スマートさ(賢さ)」でしょうね。
思い返してみますと、1990年前後の西武黄金時代もこういった野球が基本で、
秋山・清原選手のようなスラッガーもいましたが、彼らのようなスラッガーも繋ぎの意識が強く、
「選手一人一人が監督」と言われるほどに意識の高い選手が揃っていました。
さすがにまだその域には達していないものの、過去最もそれに近い域に来ていると思われます。
その点では渡辺監督がやりたかった野球が実現しつつあると言えるでしょう。


もう一つの理由は、「打者のスカウティング・育成の成果」でしょうね。
今のライオンズにとって、メジャー移籍した中島裕之選手と、
キャプテンの栗山選手は良き成功体験であり、若手の手本として機能しています。
片岡選手と浅村選手は中島選手を、
秋山選手は栗山選手を手本としてボールを引き付けて打ち、
また、ルーキー金子選手や外国人のヘルマン選手とスピリー選手も、
同じようなタイプの打者なので、指導法だけでなくスカウティングの主眼もそこにあるのでしょう。
彼らに共通しているのは、スイング時に腕が一番最後に出てくるという点です。
よく打撃は脇を締めて腰の回転で打つと言いますが、それだと腰と腕が同時に動いてしまい、
ストライク・ボールの見極めが十分にできません。
打撃を表現することは難しいのですが、下半身で始動し、腰を回転させ、最後にバットを出す感じで、
腰にバットを巻きつける必要はありませんが、トップの位置をキープしながら最後に腕を動かします。
いわゆる「二枚腰」と呼ばれるような形で、下半身の体重移動後に変化球でタイミングを崩されても、
そこから持ち直してスイングができるのは、強靭な下半身とともにトップの位置の安定にあり、
崩されてもファールでカットできたり、ボール球にバットが止まりやすくなるという利点を生みます。
その意味で、今年のライオンズ打線は選球眼が良く、ファールで粘る機会も多くなっています。
勿論、それには打撃の意識の変化もあるでしょうが、フォームの安定感も大きな要因です。
今年から1軍打撃コーチに田辺徳雄氏が就任したことで、同コーチは長く2軍コーチを務めており、
今の選手のほとんどが2軍で田辺コーチに打撃を教わっているわけで、
その点では各選手の打撃の基礎から知っている同コーチの存在は、
的確な指導を可能とし、打撃フォームも維持しやすくなり、
それが調子の維持に関わっていることは想像に難くありません。

また、投手ではドラフト1位・2位の選手の活躍が目立っていますが、
野手ではドラフト3位の選手の活躍が目を引きます。
ルーキーの金子選手は昨年のドラフト3位、秋山選手は2010年ドラフト3位、
浅村選手は2008年ドラフト3位、片岡選手は実質2人目も指名順位はドラフト3巡目、
栗山選手は実質3人目も指名順位は2001年ドラフト4巡目で、
レギュラー陣ではキャッチャーの炭谷選手と外国人選手を除き、
ドラフト3位相当の選手で固められています。
この中では、浅村選手が甲子園で活躍したこともあって知名度がありましたが、
他の選手は大きな実績はなく、アマチュア時代の知名度はそれほどでもありませんでした。
特にルーキーの金子選手は高校時代に将来を嘱望されましたが、大学で少し伸び悩み、
それほど評価が高くなかった選手でしたが、果敢に指名して1軍に抜擢した結果、
開幕スタメンを勝ち取るとともに、今ではレギュラーに定着し、
打撃だけでなく課題の守備でも大きなミスは開幕戦のみで、
ショートとライトを堅実にこなすなど、チームに欠かせない戦力となっています。
細身の割には体幹がしっかりしていて、引き付けて打つ打撃はチームにマッチしています。

今のライオンズは、1・2位で即戦力タイプの投手を指名し、
3・4位で素材型の野手を指名して育てるパターンが定着しており、
そういった計画的な育成が主力が流出しても、優勝争いができる理由でしょう。
加えて、アマチュア時代に大きな実績がないことで、
個人よりもチームの方針が優先され、打線の繋がりを生んでいると考えられます。
キャプテンの栗山選手と主砲の中村剛也選手はまだ30歳で、
浅村選手は大卒ルーキーの金子選手と同い年で、
若い時期から経験を積むことで、大きな選手に育ちつつあります。
野手は一にも二にも経験が必要なだけに、定期的な循環が功を奏していると言えそうです。


安定した得点力を持つ繋がりのある「スマートベースボール」打線となりましたが、
勿論、欠点も持ち合わせています。
それは、「3点差以上離されると得点が入りにくい」ことです。
点差が開くとバッテリーはランナーに警戒する必要が薄まり、
守備陣も前進守備体制を取ることもなくなり、打球が内外野ともに抜けにくくなります。
1アウト2・3塁で前進守備を突破できる点差、2点が一度に返せる点数の限界です。
ホームランバッターがいれば、一度に4点を返す可能性が生まれ、
その存在だけで相手にプレッシャーをかけられますが、
現状ではそうもいかないだけに、点差は重要なファクターとなります。
だからこそ、先発投手が2点以内に抑え、野手が3~4点を確実に取る、
その信頼関係が非常に大切で、それを維持することが大事になってきます。

ただ、シーズンが進んでいけば、投手に疲れが出てくるでしょうから、
3点取られたからといって試合を諦めるなどということはできません。
そう考えると、どうやって点数を取っていくかが今後の課題となってくるわけで、
私は敢えてセオリーを無視した作戦を行っていってもいいと思います。
セオリーではランナーを貯めることに主眼を置くので、盗塁や送りバントはしませんが、
相手が点差があると安心しているなら、ガンガン盗塁をしても構いませんし、
送りバントも状況によっては行っていくべきだと考えます。
例えば、序盤に0-4で負けていて、チャンスが作れずに最初の1点が遠い場合は、
ノーアウト1塁で送りバントをして2塁を進めるのはアリでしょう。
高校野球のように、まず最初の1点を取れば、相手にプレッシャーをかけることも可能ですし、
その積み重ねの結果、後半までに2点差に追い上げていれば、ライオンズのペースです。
2点差を一つの目標として、そこから逆算する形で作戦を練っていって欲しいです。

打順に関しては、1番片岡・2番秋山・3番栗山選手が一つの流れで機能しており、
5番ヘルマン・6番浅村・7番金子・8番炭谷選手がもう一つの流れとして機能しています。
問題は4番打者と9番打者で、
開幕当初は4番にオーティズ選手を起用するも不調で完全に打線が分断され、
スピリー選手と入れ替えた後は四球を選ぶことで繋がりは出てきましたが、
打率はまだ2割を切っており、ランナーを還すところまではいっていません。
9番打者も永江選手や石川選手らが起用されるも、打撃で結果を残せず、
現在では坂田選手が座っており、昨日の試合でようやく結果を残しました。
控え選手を含めても、山崎浩司選手以外はこれといった成績を残せておらず、
今後は代打を含めた控え選手の層を厚くすることが必要になってきます。
主力にもしものことがあったらどうするのか、そこが今後の課題だと言えそうです。

2013年04月15日

グーグルマップが怖い

最近は道路沿いをアップにしていくと、ストリートビューで周辺写真が見られたりしますが、
写真の拡大機能って果たして必要なんですかね?
モザイクがかかっているものの、人とか普通に映ってるし…

試しに自分の住所を調べたところ、下校中と思われる小学生の女の子2人と、
自転車に乗っている女子高生が映っており、拡大可能です…
違う! そういう用途で探したわけでは(爆)
ついでに、道路沿いの家で庭仕事をしているお爺さんのズボンもくっきり。
ついでについでに、干している洗濯物の様子までくっきり… 新手の覗きか!?
撮影時の写真しかないとはいえ、道路沿いの家は戦々恐々でしょう…
つーか、学校はこれを放置しておいていいんですかね?
あなたの学校の子ども達、見られたい放題ですよ?
もはや道路沿いに学校を建設してはいけません。変態の餌食です。
怖い怖い、もう素顔を晒して世間を歩けない時代になりましたね(苦笑)

便利ではあるものの、少しやり過ぎな感は否めませんね…
ひょっとしたら、あなたもどこかの場所で写真に写っちゃってるかも?


◆ライオンズネタ パリーグ5球団との対戦を終えて10勝5敗の好スタート
まだ開幕投手の岸投手が勝っていないという不安材料はあるものの、
一通りの対戦を終えて10勝5敗の首位でスタートできたわけですから、
間違いなく好スタートと言えるでしょう。
好調の要因は投打両面ありますが、第一には投手力の安定だと思います。

ここまでチーム防御率はパリーグトップの2.34で、
開幕戦に守備の乱れから5失点したのと、
先週日曜に十亀投手が自身の送球エラーから炎上して10失点した以外は、
全て3失点以内に抑えており、投手陣の安定感が光ります。
正直に言って、今年の打線は3点以上を一気に返すのは難しく、
ホームラン打者の不在もありますが、3点差以上開くと機動力が使いにくく、
相手も前進守備を敷かなくなるなど、長打なしで大量点を取るのは難しいです。
そういう意味でも、投手陣には常に2点差以内に抑えてもらう必要があり、
それがほとんどの試合でできているのが勝てている理由でしょう。

昨年までのライオンズの投手力からすると、多少出来すぎな感もあるでしょうが、
強力な投手陣に生まれ変わった理由は、ドラフト1位の3投手の成長にあります。
2009年ドラフト1位の菊池雄星投手、
2011年ドラフト1位の十亀投手、
2010年ドラフト1位の大石投手です。

一人目の菊池雄星投手は、「みちのくの怪物」として甲子園を沸かせ、
鳴り物入りで入団しましたが、1年目は肩の故障もあって登板がなく、
2年目は後半戦に先発するも打線の助けによる4勝止まり、
3年目の昨年も後半戦からの先発で好不調の波もあって4勝止まり。
甲子園の鮮烈なピッチングからすると、少し物足りない状況が続いていました。
しかし、今年は過去2年の体力強化が実を結んだこともあって、
ストレートに本来の力強さが戻り、先日の試合では9回にプロ最速153キロをマーク、
変化球もスライダーに加えて、カーブ・チェンジアップもカウント球・決め球として使えるなど、
パワー・技術・体力ともに充実し、左腕エースに相応しい投手となりました。
まだ1年間ローテを守ったことがないので、今の状態をどれだけ維持できるかが鍵となりますが、
4年目を迎えて大器が開花しつつあるのは間違いありません。

二人目の十亀投手は、昨年キャンプ・オープン戦前半で結果を残すも、
オープン戦後半で失速して先発ローテを逃し、
シーズン中盤からはリリーフとして5連勝を飾り、最終戦で先発勝利して6連勝としましたが、
チームの期待度からすれば、まだ物足りないものがありました。
それが今年はキャンプ・オープン戦で着実に結果を残して先発ローテ入りし、
初戦はプロ初完封一歩手前で失点したものの勝利して7連勝とし、
2戦目は自身のエラーから大量失点してプロ初黒星を記録してしまいましたが、
3戦目はしっかりと修正して7回1失点の好投で2勝目を挙げるなど、
先発ローテ投手として恥じない成績を残しつつあります。
昨年までは140キロ中盤のストレートとスライダー・シュートの横の揺さぶりのみでしたが、
今年はカーブやシンカーを多めに配するようになり、投球の幅が大きく増しました。
また、同級生で仲のいい同じ先発ローテで2戦2勝を挙げている野上投手の影響も大きく、
低めへの意識が格段に高まっており、昨年までの剛球投手のイメージだけではなく、
しなやかな柔らかいイメージも加わりつつあります。
剛・軟兼ね備えたサイドスロー投手への転進が、先発投手としての成功に繋がっています。

三人目の大石投手は、早稲田大から人気の斎藤投手(日ハム)、実力の福井投手(広島)、
潜在能力の大石投手という評価で、即戦力の活躍が期待されたものの、
大学からの本格的な投手転向とリリーフ中心の起用法による投手経験の浅さがネックとなり、
キャンプ時から体力不足が露呈され、同時に肩の故障や投球フォームの悩みもあって苦しみ、
1年目から活躍した福井投手や、2年目に開幕投手を務めた斎藤投手に大きく引き離されました。
ただ、そこで変に焦らずにマイペースを貫くのが大石投手の精神的な良さで、
1年目は先発転向で体力を養い、2年目の後半からリリーフとして1軍の試合で起用され、
フォームの試行錯誤があったものの、昨秋からテイクバックの小さな今のフォームに定着し、
3年目の今年はキャンプ・オープン戦で結果を残すことで、
当初抑えに予定していたサファテ投手が実戦登板で内容が不安定だったこともあって、
開幕守護神の座を大石投手が掴むことになりました。
大石投手の長所はなんといってもメンタルの強さで、同期の友人の活躍にも焦ることがなく、
勝ち試合でも敗戦処理でも同じ気持ちでマウンドに上がることができ、
カウントが悪くなっても、四球を出すくらいなら真っ向勝負という強い開き直りもあって、
あらゆる面が守護神向きの性格をしています。
今までライオンズに守護神が定着しなかった理由は、
中継ぎでは好投しても抑えになった途端に実力を発揮できなかったり、
四球からピンチを招いて失点するケースが多かったためです。
大石投手にはそういうところが全くないだけに、チームとしても大きな期待がかかります。
もっとも、実力的には時期尚早の感もあることは事実で、
ストレートはまだ140キロ前半止まりで、変化球の精度もまだ上げる必要もあるものの、
それ以上にテイクバックの小さなフォームから回転の良いストレートを投げ込む投げっぷりの良さ、
ストレートと分かっていてもポップフライを打ち上げてしまうボールのキレは見事です。
失点はあるものの、それは初登板で2アウトからフライを野手がお見合いしての適時打で、
プロ初セーブをマークしてからは三者凡退が続いており、着実に結果を残しています。
今後は本格的に守護神としての壁にぶつかることになるでしょうが、
大石投手に賭けたいという「可能性への信頼」がある限り、守護神起用は続き、
真の守護神になる日もそう遠くはないと思われます。

この若い3投手に加えて、涌井・岸投手といったドラフト1位の主力と、
ドラフト2位の牧田・野上投手が強力な先発陣を形成し、
昨年からのブルペン陣であるウィリアムス・長田・岡本篤志投手ら中堅がガッチリ固めることで、
安定した投手陣を形成しています。
若い投手の飛躍がライオンズの好スタートの最大の理由でしょう。
こうなってくると、今年のドラフト1位・増田投手への期待も高まり、
調整遅れから開幕2軍スタートとなりましたが、
じっくり鍛えて夏頃に開花してくれれば、という気持ちになりますね。


第二の要因である打線に関しては、この好調が続くことを祈って、また来週に。
触りだけ書くと、個人的には今の打線をスモールベースボールではなく、
「スマートベースボール」と呼んでいます。
昨年と比べて、随分とスマート(賢く)なりました。
90年代以降、過去最も黄金時代のライオンズに近づいているのではないでしょうか。
渡辺監督のやりたかった野球はこれだったんだという感じがしますね。
長打力がないからこそ、今のライオンズ打線は脅威で、
野球の基本であるライナーでのセンター返し、これを謙虚に行う打線ほど怖いものはありません。
さらに、メジャーへ行った中島選手やキャプテンの栗山選手の影響なのか、
はたまたライオンズの育成がそうなっているのか、そういう選手をスカウティングしてるのか、
「二枚腰」の選手が多く、下半身は始動しつつも腕が最後に動くのでバットが止まる選手が多く、
そこが今年の選球眼の良さに繋がっているように思えます。
あとはランナーを置いてからの多彩な攻撃、昨年よりもスマートになったのは確かです。

2013年04月08日

ごみ

地方によってゴミの出し方は様々だと思いますが、
ウチの地方は4月から紙類は可燃物ではなく、ミックス古紙として分別回収されるようになりました。
ごみの占める割合の中で紙類は意外と多く、いつもの半分程度になりました。
ごみ置き場をみると、きちんと分別されていないものもありますが、
仕分けが面倒ではあるものの、少し気をつけるだけでゴミの量は減るようです。

ただ、そうなってくると、紙類の回収が問題になるわけで、
生ゴミと混ざっていれば、普通の人はゴミを漁ってまで情報を得ようとは思いませんが、
紙類だけでポンと出してしまうと、古いエロ本の束と一緒で(笑)、いつ持ち出されるか分かりません。
ということで、個人情報が乗っているものは勿論、それ以外のものもシュレッダーにかける必要があり、
今までの1000円程度のハンドシュレッダーでは事足りるわけもなく、
OAナガシマで電動のシュレッダーを2980円で購入しました。

買ったのはOHMの「SHR-725SL」ですが、
写真で見たときは外付けHDDケースぐらいの小さなものなのかと思いましたが、
実際は高さが40~50センチほどあり、意外に大きかったです。
ただ、横幅は狭いので、置き場所に困るほどのサイズではありませんが。
音はそれなりにしますが、まぁこんなものかな程度、煩くはないです。
それなりに苦労していた作業もスルスルと進むので、時間の節約と作業の効率化が進みました。
あとは耐久性が気になるところですが、1年保証が付いているようなので、
それだけ持ってくれるだけでも元が取れるかなという感じはします。

オフィスではなく、家庭でこういった製品が必要とされるようになったのが、
時代の変化なのかなと改めて感じます。
以前、テレビでもやってましたが、最初にシュレッダーを開発した人は偉いですね。


◆ニュースネタ 動向が読めない北朝鮮
もはや「瀬戸際」をとっくに通り越しちゃっている北朝鮮の外交ですが、
今の北朝鮮の動きを見ていると、2代目の親父さんはまだ「瀬戸際」を知っていたんだなと(^^;
引き返せるギリギリのラインを上手く突いて誘っていたわけですが、
若い3代目はそのラインを簡単に飛び越えてしまい、過激化する一方です。
もう既に北朝鮮が思っている以上に戦争状態になっていることが分かっていないんですかね。
休戦協定の破棄によって、もう戻れなくなった気がします。

もっとも、実際にこのまま泥沼化していくかは読めないところですが。
焦って付けた火薬がこちら向けて爆発するのか、それとも自爆で終わるのかも分かりません。
ただ、楽観論は禁物で、最悪の事態に対する備えはやはり必要だと思われます。
既に北朝鮮を刺激するしないとかのレベルではなくなってしまった感じですね。


◆ライオンズネタ 開幕3カードを終えて
最後のオリックス戦を負け越してしまいましたが、6勝3敗はまずまずのスタートではないでしょうか。
ただ、投手力は比較的安定していますが、打者の好不調がはっきり出ていて、
得点力が明らかに下がってきていますから、梃入れの必要性は感じます。

ここまでの各選手の評価を簡単にしておきますと…
【◎】秋山、浅村、菊池雄星、ウィリアムス
【○】ヘルマン、金子、牧田、野上、坂元、長田、大石
【△】栗山、永江、石川、嶋、熊代、山崎、涌井、十亀、岡本篤志
【×】片岡、オーティズ、炭谷、岸、サファテ
△評価の選手は年俸分の働きかそれに少し及ばない程度でもう少し頑張って欲しいところですが、
×評価の選手は年俸に見合わず、もっと頑張って欲しいというのが本音です。

チーム防御率は昨日のオリックス戦で怪しくなってしまいましたが、それでも2.73でリーグ2位、
先発投手で試合を壊したのは昨日の十亀投手だけで、比較的安定しています。
開幕投手を務めた岸投手がまだ勝てていないのが気がかりですが、実績のある投手ですから、
次回登板に向けての調整に期待したいです。
リリーフ陣もウィリアムス投手を筆頭に、長田・岡本篤志・坂元投手が安定しており、
課題の抑えも大石投手がひとまず順調な滑り出しとなっています。
唯一、心配なのがサファテ投手で、高確率で四球を出してしまう不安定さと、
ランナーを出すと簡単に走られてしまうセットの癖が災いし、失点はないものの怖さがあります。
さっさと抹消して欲しいんですが… 悪癖が直るまでは勝ち試合で見たくないです…
あとはウィリアムス投手の負担を減らすためにも、左腕がもう1人必要となりますが、
2軍で武隈投手が先発復帰するまでに回復しているようなので、中継ぎとして昇格させるのも手です。

打線の方は、1番片岡・4番オーティズ・8番炭谷選手のところで流れが切れてしまっています。
この中で変えられるのは片岡選手の1番起用ぐらいで、他は諸事情を考えると動かしづらいです。
打順を考える上では中心選手を最初に配置しますが、今は3番栗山選手が不動でしょう。
ここ中心に考えると、4番打者は栗山選手にない長打力を持った選手が必要になり、
ベストなのが中村剛也選手、次いでオーティズ選手と秋山選手となりますが、
秋山選手の場合は左打者で併殺がないというメリットがあるものの、4番打者ではないので、
その場合は2番栗山・3番秋山選手という形で動かさざるを得ないので、
現状では仮に流れが切れてしまったとしても、オーティズ選手に任せるしかありません。
新外国人選手のスピリー選手も候補になるでしょうが、
どちらかといえば、選球眼が良い栗山選手と同じタイプと見ますので、4番打者ではないと思います。
あとは炭谷選手を代える方法ですが、キャッチャーというポジションの難しさがあり、
打順を下げてもあまり効果は望めなさそうなので、こちらも特効薬になりません。
そういった事情から、1番打者を変えるのが最も効率的だと言えます。

候補は秋山選手と浅村選手、ルーキーの金子選手の3人ですが、
まだ金子選手は良い日と悪い日がはっきりしていますし、
浅村選手はポイントゲッターとしてもチャンスメーカーとしても機能しているので動かしづらいです。
そうなると、秋山選手を1番に上げるのがベターで、
チャンスメーカーとしてもポイントゲッターとしても期待がかかります。

2番打者は片岡選手を下げる形になるでしょうが、一向に状態が上がらない場合は、
スタメンを外れるという可能性も出てきます。
その場合は、山崎浩司選手が2番でスタメン起用される可能性が高いでしょう。
成績次第では永江選手や金子選手も2番起用の可能性もありますが、有力なのは山崎選手です。

あとは好調の浅村選手の後が問題で、スピリー選手を上げるのがいいと思うのですが…
来週に大崎選手を再昇格させるまでは試練ですね…
その分、石川選手ら若い選手にはチャンスですが。
つーか、なんで大崎選手を落としたんでしょう。
上本選手の怪我で第3捕手として星秀和選手を昇格させたのは分かるんですが、
大崎選手ではなく、今日抹消となった鬼崎選手が落ちると思ってました。
裏事情は分かりませんが、大崎選手は普通に2軍戦に出ているので、怪我ではないのでしょうから、
ちょっと勿体無かった感は否めません。

1(中)秋山、2(遊)山崎・永江、3(左)栗山、4(指)オーティズ、5(三)ヘルマン、
6(一)浅村、7(右)スピリー・大崎、8(捕)炭谷、9(二)金子

あとは渡辺監督が決断できるかどうかなのですが…
心配なのは明日の予告先発が左腕の吉見投手ということ、その次も左腕の藤岡投手でしょうし、
1・2番の入れ替えが先延ばしになる可能性が出てきました。
でも、それならスピリー選手は余計に必要だと思うのですが。右の外野手として誰を上げるの?
木村選手や駒月選手はまだ早いし、高山・米野選手もそんなに出場機会は多くないし。
ちょっと心配になってきますね。

今日の試合で楽天が負けたことで、再び首位に立ったライオンズですが、
楽天は前カードに引き続き、対戦相手の打線に火を付けてくれました(苦笑)
前回はオリックス、そしてロッテと。
2週連続で対戦カードがズレることも珍しいですが、同じように二桁得点試合になるのも珍しい(^^;

2013年04月03日

選抜甲子園は浦和学院が初優勝

第85回選抜高校野球の決勝戦が行われ、
春夏合わせて20回の出場を誇り、秋の関東大会3連覇を果たした強豪ながらも、
今大会まで決勝進出がなかった埼玉の浦和学院が、悲願の初優勝を遂げました。
浦和学院の皆様、優勝おめでとうございます。
投打で圧巻の力を見せた素晴らしい優勝でしたね。

準決勝と決勝戦の試合考察は後述するとして、ここでは大会全体を振り返ることにします。
今大会は例年に比べて「大会期間中の怪我人が多かった」印象があります。
代表的なところでは大阪桐蔭のキャッチャー森選手ですが、
他にも県岐阜商の藤田投手も前の試合の死球の影響で降板を余儀なくされたりと、
大なり小なり、勝ち上がったチームは怪我人に悩まされていました。
その中で力を発揮したのが2年生の選手で、
浦和学院・小島投手と済美・安楽投手、聖光学院・石井投手らは2年生エースでしたが、
他にもベスト4入りした高知高校の10番・酒井投手と常葉菊川の10番・渡辺投手は
当初の位置づけこそ控え投手でしたが、結果を残して先発を勝ち取るなど、
大会の中で2年生投手が成長し、チームの躍進に貢献していたのが印象的でした。
浦和学院が優勝できたのは小島投手のフォームが安定して制球力が抜群になったためで、
済美がここまで勝ち残ったのは安楽投手がただの豪腕投手ではなく、
疲れがあってもフォームを崩さず、試合を組み立てられる制球力があったからです。
試合の中で成長した2年生投手の活躍が光る大会でしたね。

また、今大会は「捕手」に好素材が多かったです。
大阪桐蔭の森捕手、花咲徳栄の若月捕手、2年生の春江工・栗原捕手が注目されていましたが、
他にも敦賀気比の喜多捕手、北照の小畑捕手など、中軸を打つ強肩捕手が多くいました。
5~6年前までは高校生の捕手というと、言葉は悪いですが「敬遠気味なポジション」で、
良い捕手がいないために、別のポジションからのコンバートで間に合わせるケースや、
捕手専門で下位打線に置いて打力にはあまり期待しないというケースが多くありました。
それが2年前ぐらいから、主軸を打つような強肩強打の捕手が珍しくなくなってきました
理由は色々とあると思いますが、第一に城島・阿部選手といった強肩強打の捕手が現れ、
今までのどこか暗いイメージの捕手とは違う明るい捕手が出てきたことで、
捕手に対するイメージが良くなったことが挙げられるでしょう。
加えて、プロアマの雪解けによって、講習会等で直接プロの指導が受けられるようになり、
投手のフォームの合理化が進んで制球力が上がり、
変化球も縦のカーブが見直され、チェンジアップを投げる投手も珍しくなくなったことで、
リードの重要性、キャッチング技術の必要性が上がったのだと思われます。
そういった状況から、捕手の重要性が増し、選手のレベルも上がったのだと予想されます。

あと、一時は絶滅危惧種となっていた「ドカベン体型」の選手を結構見かけました。
最近はスリムな選手ばかりだったんですが、今大会は小太りな選手も珍しくなかったです。
西武の中村剛也選手の活躍によってパワーが再評価されていることや、
アマチュア球界でも食の再評価が進んでいることの反映かもしれません。
食べなければ筋力も付かないので、そういう選手が再び増えたことは悪い傾向ではないと思います。

逆に課題として挙げられるのは、「送りバント技術の低下」ですね。
今大会はあまりバントをしないチームもあり、送りバントの作戦そのものが減少傾向にあり、
かつては高校野球の代名詞でもあったスクイズも数えるほどしか見かけませんでした。
それ自体はチームの方針や作戦の問題ですので、バントしないのも自由だと思いますが、
いざ送りバントに行った時の成功率が下がっていることも確かです。
バントの基本ができていないものから、基本姿勢にこだわりすぎて失敗しているものまで様々、
いずれもバント企図率の低下が原因なだけに、その点は問題意識を強く持つ必要があります。
バントの基本に関してはWBCの反省で述べた通りなので、ここでは省略するとして、
あまりにもバントの基本姿勢を早く構えすぎて、体がガチガチに固くなって失敗するケースもあります。
送りバントで大事なのは膝を使って基本姿勢を上下に動かすことにあり、
体が固く動けないような体勢になってしまうと、小手先でバントをしてしまって失敗となります。
バントの基本姿勢は大事ですが、その体勢に固まらないように、ゆとりを持つことが大事です。
肩を揺すってリラックスを心がけたり、バスターの構えも交えたりして、体を動かすことが必要です。

厳重注意にも発展した守備妨害に関しては賛否両論があることでしょう。
大阪桐蔭のホームタックルで守備妨害を取られるのは仕方ありませんが、
敦賀気比の併殺阻止の2塁スライディングを守備妨害を取るのは行き過ぎたと見ています。
詳しくは後述してますので、そちらをご覧いただくとして、
結果はともかくとして、大阪桐蔭のタックルが厳重注意と批判対象にされてしまうのは違うと思います。
あの場面でホームに突っ込まない人間は野球なんてやっていませんよ。
リードしているチームがイケイケでタックルをやったら問題だと思いますが、
負けているチームが9回2アウトで同点という場面では気持ちが先に行くのは無理もないです。
野球をやっている人間全てが「気持ちは分かる」プレーだったわけで、
それを守備妨害を取ってアウトとするのはルールなので分からなくもないのですが、
それが批判対象のプレーとなってしまうのには納得がいきません。
講評でも要らぬことを言っちゃうし、
相変わらず「高野連は野球のことなんか忘れちゃった老人の塊なんだね」と再認識した次第です。
フェアプレーが大好きだって言うなら、あんたらが大好きだったスクイズはセコくないの?
フェアプレーが大好きだって言うなら、敬遠なんてなくせ。敬遠防止に四球もなくせよ。
でも、それじゃ野球じゃないですよね? 野球って何ですか?
何で「盗塁」なんですか? 何でアウトのことを「死」って言うんですか?
綺麗ごともいい加減にしやがれ。そんなもん野球じゃねーんだよ。
接触プレーがないサッカーがサッカーなのか? 野球でクロスプレーがあるのは当たり前のことです。
そんなバカな批判するよりも、
球数制限を設けたり、1塁へのヘッドスライディングを禁止する方が先じゃねーの?

それと、21世紀枠は限界を迎えているように思います。
東北絆枠の山形中央を除けば、勝ったのは21世紀枠対決に勝利した遠軽のみ。
設立当初は宜野座や鵡川高校のように自力で甲子園に戻ってきた学校もあり、
利府のようにベスト4まで勝ち抜いた学校もありましたが、
2010年以降は初戦敗退がほとんどで、好成績を挙げる学校はなくなってしまいました。
正直、レベル的にも一段劣ることは間違いなく、「記念出場」みたいな雰囲気になりつつあります。
確かに伝統校や文部両道で頑張っている学校を応援したくなる気持ちは分かりますが、
だからといって、それが直接、現在の選手の実力だけで決まっているかと言えば違うわけです。
何で伝統だとか校風だとか、今の生徒以外の者で出場枠が決まってしまうのか?
おかしいでしょ、それって? 今の生徒ではなく、学校の歴史で決まっちゃうんですよ?
それこそ老人達の自己満足でしかなくなってきているわけです。
これ以上、実力差が広がってしまえば、21世紀枠は不平等感を際立たせてしまうだけで、
伝統校を保護しすぎる「逆差別」とも取られかねませんから、
そろそろ廃止を含めて検討する時期に来ているように思います。
それを相変わらずわけの分からん美談で隠しやがって。いい加減に目を覚ませよ。


◆高校野球 準決勝・決勝戦の試合考察
【準決勝 第一試合 浦和学院 5-1 敦賀気比】
第1試合は初回に敦賀気比が先制点を挙げ、波に乗るかと思われましたが、
すぐさま浦和学院の4番高田選手の3試合連続となる2ランホームランで逆転し、
その後は2年生エースの小島投手のクロスファイヤーの内角攻めが功を奏し、
5回にも3点を追加した浦和学院が5-1で勝利しました。
敦賀気比もキャッチャーの喜多選手の好送球アウトや、
セカンドの山根選手のダイビングキャッチなどもあって、見所の多い試合でした。

初の決勝進出を決めた浦和学院は2年生エース左腕の小島投手の成長が大きいですね。
初戦を見た時は正直ここまで好投するとは思っていなかったのですが、
試合で投げるごとにフォームバランスが良くなり、コントロールが安定しました。
クロスファイヤーの130キロ後半のストレートは角度があり、
スライダーを軸にカーブ・チェンジアップも持っており、引き出しが多いです。
まだ失投から長打を食らうこともあるものの、勝負所で内角を突ける勇気は見事ですね。
打線も4番の高田選手が3試合連続ホームランとは凄いです。
正直、それほど打つ選手には見えないものの、
チーム全体としてスイングが速く、切れ目のない打線が個々の能力を開花させています。
甲子園常連校ながらも、まだ優勝には届いていないだけに、悲願の初優勝まであと一歩ですね。

負けた敦賀気比は開幕戦から素晴らしい戦いが続きました。
バッテリーを軸に守りがしっかりしており、打線も好調で繋がりがよく、
今大会を最も盛り上げた学校だったといっても過言ではありません。
エースの岸本投手は右スリークォーターから鋭いスライダーを投げ、
内角のストレートの制球がさらに上がれば、夏も期待できるでしょうし、
4番キャッチャーの喜多選手は強肩と好リードが光り、
3番ファーストの山田選手は長打力、2番米満選手は大会前半に大活躍を見せるなど、
軸となる選手が揃っています。
福井には同じくセンバツに出場した春江工もいますが、
今大会の経験を糧として、夏に戻ってこれるように頑張って欲しいですね。

それにしても最終回の守備妨害併殺は水を差しましたね。
あんな過保護だから日本人内野手はメジャーで通用しないとか言われるんですよ。
スパイクの刃が上を向いて明らかに危険な場合ならまだしも、
ベース近くでスライディングしての併殺阻止ぐらいは普通にあるプレーです。
キャッチャーのタックルとはわけが違い、スライディングは常に起こり得るプレーです。
それをいちいち全部、守備妨害を取ってたらどうすんのって感じです。
あれは審判のミスジャッジでしょう。


【準決勝 第二試合 済美 3-2 高知】
予想外のホームラン合戦になった試合は、高知の継投失敗が響き、
最後を踏ん張った済美の安楽投手の粘り勝ちで、済美の勝利となりました。

これまでほぼ完璧に決まっていた高知の継投策ですが、この試合は裏目に出てしまいました。
4回に先発の酒井投手が3四球を与えたことから同点に追いつかれたとはいえ、
その後のピンチでは素晴らしいストレートが行くなど、済美打線に押し勝っていただけに、
スライダーが浮いていたとはいえ、ストレートで十分立て直せるように見えました。
しかし、早めの継投策に出て、2番手の坂本投手が登板直後に、
外角低め一杯のスライダーを主審の立ち位置が悪くてボール判定されてリズムが狂い、
ヒットを繋がれて1点を失ってしまい、
その後もなんとか粘り強く投げていったものの、本来のコントロールには程遠く、
8回にカーブが高めに抜けてしまって勝ち越しホームランを許すなど、苦しい投球でした。
野球にたらればはつきものですが、キャッチャーのミットが全く動かない最高の球が、
ボールではなくストライクで見逃し三振になっていたら、展開は違っていたかもしれません。
ぶっちゃけ、最近の甲子園は以前よりもミスジャッジが多いです。
確か、甲子園大会の主審は大学野球の審判だと記憶しているのですが… うーん…

勝った済美は最終回のノーアウト3塁の大ピンチを安楽投手がよく凌ぎました。
正直言って、今日の安楽投手はこれまであまり見られなかったシュート回転の球が多く、
内容的にもあまり良くなかったのですが、カーブでカウントを稼げたことで、
なんとか完投することができた印象です。
まぁ、ただ、個人的には何度も言っているように、これ以上投げるのは危ないかと…
まだ肘の高さが下がっていないのが幸いですが、
それが下がってくると肘や肩を痛める危険性が高く、大器が潰れかねません。
シュート回転が増えだしたのはその兆候でもあるので、限界かなと見ています。

負けた高知は結果的に継投失敗となってしまったのが誤算でした。
ただ、同時に今日は打線の繋がりもいまひとつで、フライアウトが多く、
もう少しライナー性の打球を心がけて欲しかったです。
済美は鉄壁の守備というほどでもなく、今日はグラウンド状態もよくなかっただけに、
強い打球を転がせばヒットになる可能性は高かったと思います。
得点がホームランによる2点のみだったというのが、敗因だったかもしれません。
それでも攻守にレベルの高さを見せてくれただけに、
成長を見せた酒井投手とエースの坂本投手を軸に、もう一度チームを鍛え直し、
夏の大会でも活躍を見せてくれることを期待したいです。


【決勝戦 浦和学院 17-1 済美】
春夏合わせて20回の出場を誇り、秋の関東大会3連覇を果たす強豪ながらも、
これまで決勝進出がなかった浦和学院が、悲願の初優勝を遂げました。

試合序盤は浦和学院の小島投手の立ち上がりが悪く、
緊張からか疲れからか、フォームの上下バランスが悪く、
全体的にボールが高く、そこが先制点を許す理由となりましたが、
イニングが進むにつれてフォームバランスも良くなり、安定した投球を見せるようになりました。
一方の3連投となった済美・安楽投手ですが、
変に力まず投げたことで、スピードこそいまひとつだったものの、
シュート回転せずに良い回転のストレートをコースに投げることができ、
上手く浦和学院打線の懐を攻めて抑えていたと思います。

ただ、組み立てが単調すぎたというか、右打者には内角ストレート、
左打者には外角ストレートと変化球が主体となっていたため、
5回はリードを読まれて打ち込まれる結果となってしまいました。
一番ショックが大きかったのは4番高田選手のタイムリー2ベースでしょう。
ホームランにこそならなかったものの、完璧にストレートを捉えられたことで心が折れました。
以降は打たれた球を避ける形の弱気な組み立てとなり、
ストレートと変化球を交互に打ち込まれる形となってしまいました。
ここまでよく投げただけに、安楽投手を責めることはできません。
疲れが出てしまったということでしょう。
6回はストレートも垂れてましたし、既に限界を迎えていましたね…

優勝した浦和学院は投打がガッチリ噛み合っての勝利でした。
特に大きかったのは2年生左腕の小島投手の成長で、
当初は先輩の須永投手似の高校生レベルの好投手左腕という評価でしたが、
試合が進むにつれてフォームバランスも良くなっていき、
ゆったりしたフォームからリリースだけ力を入れる杉内投手のようなイメージに変わりました。
今大会は2年生の投手が試合の中で成長することが多かったのですが、
最も成長したのが浦和学院の小島投手だったと思います。
打線も4番高田選手が大会記録の3試合連続ホームランを放つなど、長打力が高く、
上位から下位まで切れ目のない打線に堅い守備は見事でした。
浦和学院は実力があれど勝負弱いイメージが強かったのですが、
今大会は非常に勝負強く、ベンチ入り選手だけでなく、応援の選手のデータ分析力も高く、
部員全員で勝利したという感じがします。
夏に向けてまだまだ成長できると思いますし、同じ埼玉には花咲徳栄もいますから、
春の優勝で満足することなく練習に励み、再び夏に甲子園へ帰ってきて欲しいですね。

一方の負けた済美は2年生エースの安楽投手が頑張りましたが、さすがに体力の限界でした。
それでも想像以上に持った方で、最後まで下半身が乱れず、
投球フォームを崩さなかったことは大きく評価できます。
これまではスピードへのこだわりが強かったと思いますが、
甲子園で制球力の大切さ、ボールのキレの重要性を理解したと思いますし、
今後は甲子園で勝ち抜くためのピッチングを極めて行って欲しいです。
確かに2年生で最速152キロのスピードは大きな魅力なのですが、
今のフォームでさらにスピードを上げていくのは少々難しいように思えるので、
それよりはボールの質・制球力を上げていった方が将来的にも伸びると思われます。
あとは失礼ながら、安楽投手のワンマンチームという評価が抜けきらないだけに、
他の選手が夏に向けてどれだけ成長するかでしょうね。
アクシデントからスタメン出場を勝ち取り、結果を残すことでレギュラーに定着した盛田選手や、
今日の試合で1イニングながらも投げっぷりの良いピッチングで好投した山口投手など、
2年生に伸びそうな選手が多いだけに、彼らが成長してくれば夏は勿論、
来年の春夏と3期連続の優勝を狙えるだけの戦力ができてくると思います。
先を見据えた育成で強いチームを作っていって欲しいですね。


◆高校野球 選抜甲子園ベストナイン
個人的な独断と偏見で選んでみました。

【右投手】安楽智大(済美)
【左投手】小島和哉(浦和学院)
【捕手】 森友哉(大阪桐蔭)
【一塁手】山田誠也(敦賀気比)
【二塁手】贄隼人(浦和学院)
【三塁手】高田涼太(浦和学院)
【遊撃手】遠藤康平(常葉菊川)
【外野手】上林誠知(仙台育英)
     長谷川寛(仙台育英)
     山根佑太(浦和学院)

セカンドのみ決め手に欠いたので、好手で沸かせた贄選手を選びました。
他には捕手と三塁手にタレントが多く、捕手では敦賀気比の喜多選手らがいますし、
三塁手には高知の和田恋選手や大阪桐蔭の笠松選手、敦賀気比の米満選手など、
打撃面で結果を残す選手が数多くいた印象です。

投手では前述の通り、2年生の好投手が多かった印象で、
3年生では済々黌の大竹投手、県岐阜商の藤田投手、北照の大串投手など、
センバツらしく左腕の好投手が多かったです。

プロ野球のドラフトの観点から言えば、大阪桐蔭の森捕手が注目を集めていますが、
この世代は捕手に好素材が多いこともって、相対的に価値は下がるかもしれません。
この世代に昨夏に大活躍したは桐光学園の松井投手もいますし、
新2年生を含めてレベルの高い選手が揃う可能性がありますね。

センバツ。

は、浦和学院が優勝しましたねー。
監督としては春夏通じて20回目の挑戦でようやく、といったところだけに、画面からは推し量れないほどの喜びがあったことでしょう。

試合は大会通じて半分見れたかどうかというところでしたが、ミスの少なさが勝敗を分けるのはどの競技でも同じことで、さらに当たり前のことを言えば、もらったチャンスを生かせるかどうか、というのはいくら年月を経ても変わらない真実だよなーってのを毎日実感してました。お前はなにを(ry

野球は部活としてはやったことがないので完全に素人目同然の身ですが、昨今は戦術も多様化してるのでしょうか…
あらゆるシーンで、初球からきっちりバント決めようという意思があまり見られなかった気がします。それとも私の運が悪いのか?
それを除いても、総じてバントのレベルが低かった気がします。
あと気になったのは、反則投球。
プロでも高校でも、やたらピッチングフォームに縛りを付けるのは、やや面白みに欠ける…気がした。
本当にあからさまに悪意のあるものでもない限りは、適度に自由にしてほしいというのが見てる側の率直な感想です。
まぁぶっちゃけ、オトナの都合で流れに水を差すシーンってのが気に食わないだけですが(^^)

件のタックルについてはかめさんに同意ですのでこれ以上言うことはありません。

今年は終盤に縺れる展開が少なくてなー。
済美-広陵と県岐阜商-大阪桐蔭が個人的には面白かったです。
あと平安のピッチャーは見てて気持ちよかった。

■Acer W510D
以前、AsusのVivotab買うかSSD買うか…なんて戯言書いてましたが、結局必要に迫られてAcerのW510Dを購入しました。この時期はモバイルPCがないと何もできない(--;
Vivotabはキーボードドックの発売中止が痛かった。残念。
HPのENVYも候補に入れてましたが、一度Acer使ってみたかったので…というのが購入動機です。
付け加えるなら、ENVYはタブレット側にカードリーダーがないという弱点が。
ともあれ、陳腐な話ではありますが、本当にキーボードとタブレットが分離して使えるのを見ると少し感動すら覚えますね(ぉ
膝の上に置いても熱くならない親切設計は結構嬉しい。

軽くレビューすると、

・性能…Atomに何を期待するのか。いやするまい(反語)
・バッテリ…鬼。
・画面…周囲からよく見えすぎて大事なファイルを船内で開けないくらい。
・付属ソフト…少ないのが正義。その点は褒められる。
・携帯性…期待通り。でもそれ以上じゃない。

といった所です。タッチパッドの不良やキーボードの反応のデタラメさを加味しても値段相応。
むしろ何故国内メーカからこういうコンセプト機が全くでないのか不思議でなりません。
FUJIなんとかやらTOSなんとかやらNなんとかのタブレット系はさぞかし…まぁいいや(^^)

Officeは2007の時にパッケージで購入してるので、それを。
ファンレスCPUかつeMMC(だっけ)なので、HDDより静かで起動だけは早いです。
つか、今使ってるCorei5デスクトップの性能に半信半疑でしたが、コレ使ってようやく良さが分かった。
あと、何気にバッテリー気にしなくていいのは気分的に大きい。
15時間くらい使えるのってすごいよねー。
昔のノートPCなんか3時間でも「すげぇ」って感じだったのに…

大好きなLinuxディストリビューションを試したいところではあるのですが、
残念ながらストレージ容量に不安があるのと、せっかくの長所を潰し合う気がするので保留中。
暇つぶし用のゲームは「SimCity3000」と「遥かに仰ぎ麗しの」を入れてみました。
前者はAtomじゃキツイ。後者は普通に快適。
ただしフルスクリーンモードに出来ません。モニタ側の設定も弄れないのでお手上げです。

…等と色々書きましたが。
BIOSアップデート後の不具合や本体そのものの不良など、近隣諸国のメーカーは、現状はまだまだ粗いところも多い感じがしますね。
ただ、先端技術の導入に意欲的で、さらに多角的かつニーズに比較的近い商品展開を試みていますので、ローコストでクオリティを上げることに成功すれば、今後この分野で腰の重い国内メーカーが存在意義を失うのは間違いないでしょう。むしろ、存在意義を奪って目を覚ましてあげて欲しい。

どうでもいいけど某Panaなんとかの入社式の挨拶がすっげぇ暗かったよね…ホント大丈夫か?
今やMicrosoftのライセンスの扱い方すら日本独自のガラパゴス状態。
地方の離島に居ながら、そんな今の状況がちょっと心配です。

2013年04月01日

プロ野球開幕

先月3月29日にプロ野球が開幕し、2013年シリーズが始まりました。
今年はワールドベースボールクラシックがあった関係で、
主力投手が開幕カードに登板しないケースが多く、
新人や2年目の若い選手の活躍が目立ちましたね。

セリーグでは開幕2戦目の巨人・菅野投手、開幕3戦目の阪神・藤浪投手が話題を呼びましたし、
パリーグでは楽天の新人・則本投手が開幕投手を務め、
日ハム・大谷選手が開幕スタメンでタイムリーヒットを放つ活躍を見せ、
他にもロッテの新人・松永投手がリリーフで登板したり、
西武では新人の金子選手が開幕から2試合連続でマルチヒットを記録し、
高卒2年目の永江選手がショートのスタメンを勝ち取り、
2年目の十亀投手があわや完封の好投を見せるなど、若い力が台頭してきています。
全てが好結果とはいかず、とりわけ新人投手は好投しながらも勝ち星が付きませんでしたが、
プロ野球の新たな時代の到来を予感させる開幕シリーズでしたね。


◆ライオンズネタ 開幕カードは2勝1敗
開幕前の戦力分析からすれば、2勝1敗の勝ち越しは当然といった感じですが、
試合内容を見てみると、開幕戦の守備の乱れに始まり、2戦目の勝利目前のお見合いといい、
所々で若さ(未熟さ)が多く見られる試合でもありました。
でも、それは逆に可能性も示しているとも言えるわけで、
ルーキーの金子選手が2試合連続のマルチ安打を放ったり、
菊池雄星投手と十亀投手が好投を見せたりと、同時に収穫も多い試合でした。

その中でやっぱり「違うな」と思わせてくれるのが、キャプテンの栗山選手ですね。
開幕3試合目では2ランホームランを放つ活躍を見せて、お立ち台に立ちましたが、
1打席目ではノーアウト1・2塁できっちりファーストゴロ進塁打を打って先制点に繋げ、
7回の1アウト1・3塁の場面では高いバウンドのセカンドゴロで3塁ランナーを返すといった、
チームバッティングがしっかりできていることも見逃せません。
今年のライオンズが目指す野球はこういったチーム打撃の積み重ね、スモールベースボールなわけで、
キャプテンの栗山選手が3番打者として、しっかりと実践していることは、
若手の良き手本となってくれることでしょう。
中島選手のような「俺が決める」という3番打者とは違う「なんでもできる3番打者」、
栗山選手のチームバッティングが打線の流れを生み出しているように思えます。

まぁ、でも、若いチームですよね。
キャプテンの栗山選手と片岡選手が30歳で(ただし片岡選手は早生まれで1学年上)、
正捕手の炭谷選手が26歳、主力選手の期待がかかる秋山選手が25歳で、
同じく浅村選手が23歳、ルーキーの金子選手も23歳で、永江選手が20歳… 若すぎ(^^;
…というか、浅村選手は大卒ルーキーと同じ年齢なんですよね。
期待感が大きく、ついつい要求度合いも高くなってしまいますが、
それだけ将来が楽しみな選手だとも言えるわけで、暖かく見守りたいです。


◆高校野球ネタ ベスト4が出揃う
優勝候補の筆頭だった仙台育英と大阪桐蔭が敗退する波乱の中で、
準決勝まで勝ち進んできたのは、
唯一の一回戦からの勝ち上がりで、開幕試合を勝利して波に乗る敦賀気比(福井)、
投打に充実した力を見せる関東の雄・浦和学院(埼玉)、
前評判の高い打線も、レベルの高い2投手の継投で接戦を勝ってきた高知、
2年生の4番ピッチャーの152キロ右腕・安楽投手を擁する済美(愛媛)、の4校でした。

四国勢は事実上の2。5枠ですから、2校も入るのは珍しいことです。
ここまでの戦いを見ていると、開幕戦から好調を維持している敦賀気比、
継投で相手の強力打線を封じてきた高知が一歩リードしているように思えます。
そこを実力ある浦和学院とワンマンチームではないところを済美が見せられるかどうか。
明日以降は天候の方が心配で、どうなるか分かりませんが、
残り試合も好ゲームを期待したいです。

それと、どうでもいい話なのですが、バックネット裏(右打者の打席後ろ付近)にいる観客の一人に、
黄色の蛍光色の帽子を被ったおじさんが毎試合座っているのですが、
その方のシャツが試合ごとに変わっています(笑)
シャツの色は変わっているものの、常に横の縞々で、その変化が密かな楽しみだったりします(^^;
わざわざ1試合終わるごとに着替えているんですかね?
何のためにそんなことしてるんだろうか(^^;


【大会7日目】
第1試合は3季連続優勝を狙う大阪桐蔭が11-1で遠軽に勝利、
第2試合は聖光学院が4-3で鳴門に競り勝ち、
第3試合は敦賀気比が3-0で盛岡大付に勝利しました。
大阪桐蔭は2回戦最後の試合で今季初の甲子園登場に対して、
開幕戦から勝ち上がっている敦賀気比は3回戦で既に3試合目、
なんだか少し歪な日程に見えてしまいますね。

史上初の春夏春の3期連続の優勝を目指す大阪桐蔭が好スタートを切りました。
試合前半こそ、遠軽が善戦していましたが、
試合が進むにつれて点差が広がっていき、終わってみれば大阪桐蔭の圧勝でした。
昨年の春夏連覇にも大きく貢献した3番キャッチャーの森選手と、
5番サードの笠松選手は役者が違うといった感じで、
スイング・打球の速さ・ミート力はずば抜けています。
それ以外の新しいメンバーも良いバッティングを見せましたし、
4番打者が大会直前に怪我で抜けたとはいえ、高い得点力を誇ります。
心配された投手力の方も、先発の左腕・網本投手は阪神・能見投手のような投球で、
低めストレート・スライダー・チェンジアップを集め、
ボール球を振らせるバッテリーのリードは見事でした。
エースの葛川投手も右サイドから力強いストレートを投げていましたので、
優勝を狙える戦力は十分揃っている印象です。


【大会8日目】
第1試合は北照が6-3で尚志館に勝利、
第2試合は浦和学院が11-1で山形中央に勝利、
第3試合は仙台育英が4-1で早稲田実業に逆転勝ちしました。

今日勝ち上がった3校はともに投打に安定した実力を持っており、
北照は3番吉田選手を中心に繋がりのある打線に、
エース左腕の大串投手はスライダー・チェンジアップ・カーブを低めに集めるタイプで、
浦和学院は2年生エース左腕の小島投手を中心にまとまりがあり、
仙台育英は4番上林選手を軸とした強力打線に、鈴木・馬場投手の二枚看板と、
いずれも投打に力のあるチームです。
仙台育英は7回まで左腕の二山投手に苦しんだものの、8回に逆転、
4番の上林選手が勝負強さを見せてくれましたね。

ここまで試合を見る限りでは、やはり大阪桐蔭と仙台育英が一枚上手でしょうか。
ただ、大阪桐蔭は投手力に、仙台育英は対左投手に課題があり、
今大会を勝ち上がっているチームは左腕のコントロールの良いタイプが多く、
既に夏レベルの打力を身につけているチームも多いだけに、どうなるかは読めません。
残りの試合も目の離せない展開が続きそうですね。


【大会9日目】
第1試合は継投が決まった高知が常葉菊川に3-1で勝利、
第2試合は投手戦を済美が制し、4-1で済々黌に勝利、
第3試合は森捕手の欠場が響き、大阪桐蔭が4-5で県岐阜商に敗北し、
春夏春の3季連続優勝の夢は潰えました。

第1試合は継投が決まった高知が3-1で常葉菊川に勝利しました。
試合前半は常葉菊川が機動力を駆使して押し気味に試合を進めていたのですが、
高知の2年生右腕・酒井投手は尻上がりに調子を上げ、
130キロ後半~140キロの威力のあるストレートを軸に「高め」を中心に攻め、
6回からは坂本投手にスイッチし、球威はそこそこも低めのスライダー・フォークが有効で、
「低め」を中心に攻めて目先を変えるなど、見事に継投が決まりました。
逆に常葉菊川は予定通りの継投だったものの、交代直後の堀田投手の制球が安定せず、
3番和田恋選手に投じたカーブがボールと判定されて四球となる不運もあって、
同点に追いつかれてしまい、高知の継投をスムーズにしてしまったのが悔やまれます。
試合序盤はイレギュラーするなど常葉菊川に運が向いていた感じですが、
試合中盤辺りから主審のストライクゾーンが安定しなくなり、
常葉菊川に不利な判定が多かったのは残念です。
それでも、常葉菊川は強打に好守備と甲子園で力を発揮したと思いますし、
先発の渡辺投手を始め、新2年生の選手も多いだけに、夏に向けての成長を期待したいです。

第2試合は、済美の2年生右腕・安楽投手と済々黌の3年生左腕・大竹投手の投げ合いとなり、
1・2打席目にクロスファイヤーの外角一杯のストレートに見逃し三振に倒れていたものの、
4打席目に安楽投手がボール1個分甘くなった外角ストレートを捉え、
左中間への2点タイムリー2ベースを放ち、勝負を決めました。
今日の安楽投手はストレートこそ平均140キロ前後で最速148キロ止まりだったものの、
スライダー・カーブを交えながら、安定感あるピッチングを見せてくれました。
初戦を見た時はフォーム的にも硬く、「剛」のイメージが強かったのですが、
初戦の延長戦の投球や今日の投球・打撃を見ていると、器用さ・センスが感じられます。
初戦で気になった投球フォームの課題もクリアされており、
リリースポイントが初戦よりも前の方に来ていて、低めにもしっかりと投げ切ることができました。
やはり150キロのスピードを捨てれば、安楽投手はワンランクも2ランクも上の投手になれます。
一方の負けた大竹投手も投打の中心としてチームを引っ張ったものの、
8回に疲れを見せてコントロールが甘くなったところを打たれてしまいました。
それでも和田投手のようなフォームからキレのある130キロ後半のストレートと、
スライダー・チェンジアップを低めに集めて振らせる投球は見事で、クレバーさが光ります。
夏に向けて体力を付けていけば、さらに上を目指せるだけに、楽しみな存在です。

第3試合は春夏春の3季連続優勝を目指した大阪桐蔭が敗退してしまいました。
残念だったのはチームの中心選手であるキャッチャーの森選手が、
前日の練習で足に打球を受けてしまい、欠場となってしまったことです。
これで大会前の4番近田選手とレギュラー2人を欠くことになってしまい、
代わりに入った3番笠松選手を中心に頑張りを見せたものの、一歩届きませんでした。
悔やまれるのは4失点した2回の守備ですね。
難しい打球も多かったものの、エラーやフィルダースチョイスで確実にアウトを取れませんでした。
やはり王者となるためには、守備がしっかりしていなければならないだけに、
守備から崩れてしまったことは残念ですね。
まだ夏の連覇がかかっていますから、気持ちを切らさずに今後に生かしていって欲しいです。

第3試合の最後で見られたホームのタックルと守備妨害アウトの判断は正しかったと思います。
ただ、大阪桐蔭の走者も危険なプレーだから止めろとは責められないです。
あの場面でホームに突っ込もうと思わない選手は野球なんてできません。
同じ立場ならほぼ全員の選手が突っ込むでしょう。
気持ちがブレーキがかる場面ではありませんし、あのプレーは仕方ないと思います。
だからといって、タックルによる捕手の負傷は避けなければならないので、守備妨害アウトでいいでしょう。
もっとも、全てのケースにおいてタックルが禁止されるかと言えば、そうではなく、
例えばキャッチャーがホームベースの上に立っていたり、ブロックでベースを完全に塞いでいる場合は、
逆に走塁妨害を取られますし、その場合はタックルも已む無しでしょう。
ここら辺はプロでも非常に難しい判断ですが、選手の方々には頭に入れてプレーしていただきたいです。


【大会10日目】
第1試合は敦賀気比が9-3で聖光学院に勝利、
第2試合は浦和学院が10-0で北照に勝利して、ベスト4入りを決めました。

2試合とも点差が付く展開となったのは、正直意外でしたね。
実力的にはそれほど差がなく、接戦になると見ていただけに、
両チームの先発投手の出来が大きく影響してしまったように思えます。
それにしても、敦賀気比は開幕戦の勝利から波に乗っていますね。
全ての試合が好調さを感じさせるものです。
雰囲気的にも非常に良く、好成績が期待できそうです。

浦和学院は甲子園の常連ながらも成績が伴わないことが多く、
ここまで来たのは久しぶりでしょう。
ベスト8の壁を破ったのは21年ぶりですか、長かったですね。
鍵を握るのは2年生左腕の小島投手で、今日は7回1安打無失点と圧巻の内容でした。
準決勝では好調の敦賀気比にどう立ち向かうのか、注目したいですね。


【大会11日目】
第1試合は高知が2-0で仙台育英に完封リレーで勝利、
第2試合は済美が6-3で県岐阜商に勝利し、ベスト4入りを決めました。

第1試合は神宮大会優勝で東北勢初優勝の期待がかかった仙台育英が、
0-2で高知に完封負けを喫し、またしても悲願達成となりませんでした。
高知は前評判では打線のチームという評価でしたが、
甲子園に来てから先発している2年生の酒井投手の成長が目覚しく、
一戦ごとに力をつけている印象です。
140キロ前後の力強いストレートにスライダー、今日はスライダーの変化が大きく、
強力打線の仙台育英打線に的を絞らせませんでしたね。
常葉菊川戦でポイントとなった継投のタイミングも上手く、
好投はしていたものの少し合わされることが多くなったところで坂本投手にスイッチ、
その坂本投手は前回ほどの内容ではありませんでしたが、
粘り強く投げて仙台育英の反撃を上手くかわしたように思います。
負けた仙台育英は試合後半に良い当たりを放ちながらも野手の正面に飛ぶ不運もありましたが、
もう少し早めに反撃をしていれば、相手の継投も前倒しになったでしょうから、
大会を通じて感じた「仕掛けの遅さ」が課題だと言えそうです。
失点もバッテリーエラーから始まってしまいましたし、もう一度チームを鍛え直し、
夏こそは東北勢の悲願が達成できるように頑張って欲しいです。

第2試合は両エースともに手負いの状態で登板が危惧されましたが、
最後までマウンドを守り続けた済美・安楽投手と
マウンドを降りざるを得なかった藤田投手との差が出てしまったように思います。
ただ、まだ春ですから、夏のことを考えれば、県岐阜商の判断は正しかったと思います。
ここまで済美は投打両面において安楽投手ばかりが目立つワンマンチームでしたが、
今日の試合では安楽投手が打撃の方で完全にブレーキとなるも、他の選手が頑張りを見せ、
ようやくチームとして一つになってきた感じがします。
もっとも、その軸である安楽投手は疲労がピークに来ており、
前の試合ではピッチャー返しの打球を足に当てて方向を変えるプレーもしており、
満身創痍という状態で、明日の準決勝、勝てば決勝と進むことには大きな不安があります。
将来のことを考えれば、ここで負けておいた方がと思うぐらいです。
できれば準決勝は先発登板せずに、他の投手に任せて欲しいです。