プロ野球開幕
先月3月29日にプロ野球が開幕し、2013年シリーズが始まりました。
今年はワールドベースボールクラシックがあった関係で、
主力投手が開幕カードに登板しないケースが多く、
新人や2年目の若い選手の活躍が目立ちましたね。
セリーグでは開幕2戦目の巨人・菅野投手、開幕3戦目の阪神・藤浪投手が話題を呼びましたし、
パリーグでは楽天の新人・則本投手が開幕投手を務め、
日ハム・大谷選手が開幕スタメンでタイムリーヒットを放つ活躍を見せ、
他にもロッテの新人・松永投手がリリーフで登板したり、
西武では新人の金子選手が開幕から2試合連続でマルチヒットを記録し、
高卒2年目の永江選手がショートのスタメンを勝ち取り、
2年目の十亀投手があわや完封の好投を見せるなど、若い力が台頭してきています。
全てが好結果とはいかず、とりわけ新人投手は好投しながらも勝ち星が付きませんでしたが、
プロ野球の新たな時代の到来を予感させる開幕シリーズでしたね。
◆ライオンズネタ 開幕カードは2勝1敗
開幕前の戦力分析からすれば、2勝1敗の勝ち越しは当然といった感じですが、
試合内容を見てみると、開幕戦の守備の乱れに始まり、2戦目の勝利目前のお見合いといい、
所々で若さ(未熟さ)が多く見られる試合でもありました。
でも、それは逆に可能性も示しているとも言えるわけで、
ルーキーの金子選手が2試合連続のマルチ安打を放ったり、
菊池雄星投手と十亀投手が好投を見せたりと、同時に収穫も多い試合でした。
その中でやっぱり「違うな」と思わせてくれるのが、キャプテンの栗山選手ですね。
開幕3試合目では2ランホームランを放つ活躍を見せて、お立ち台に立ちましたが、
1打席目ではノーアウト1・2塁できっちりファーストゴロ進塁打を打って先制点に繋げ、
7回の1アウト1・3塁の場面では高いバウンドのセカンドゴロで3塁ランナーを返すといった、
チームバッティングがしっかりできていることも見逃せません。
今年のライオンズが目指す野球はこういったチーム打撃の積み重ね、スモールベースボールなわけで、
キャプテンの栗山選手が3番打者として、しっかりと実践していることは、
若手の良き手本となってくれることでしょう。
中島選手のような「俺が決める」という3番打者とは違う「なんでもできる3番打者」、
栗山選手のチームバッティングが打線の流れを生み出しているように思えます。
まぁ、でも、若いチームですよね。
キャプテンの栗山選手と片岡選手が30歳で(ただし片岡選手は早生まれで1学年上)、
正捕手の炭谷選手が26歳、主力選手の期待がかかる秋山選手が25歳で、
同じく浅村選手が23歳、ルーキーの金子選手も23歳で、永江選手が20歳… 若すぎ(^^;
…というか、浅村選手は大卒ルーキーと同じ年齢なんですよね。
期待感が大きく、ついつい要求度合いも高くなってしまいますが、
それだけ将来が楽しみな選手だとも言えるわけで、暖かく見守りたいです。
◆高校野球ネタ ベスト4が出揃う
優勝候補の筆頭だった仙台育英と大阪桐蔭が敗退する波乱の中で、
準決勝まで勝ち進んできたのは、
唯一の一回戦からの勝ち上がりで、開幕試合を勝利して波に乗る敦賀気比(福井)、
投打に充実した力を見せる関東の雄・浦和学院(埼玉)、
前評判の高い打線も、レベルの高い2投手の継投で接戦を勝ってきた高知、
2年生の4番ピッチャーの152キロ右腕・安楽投手を擁する済美(愛媛)、の4校でした。
四国勢は事実上の2。5枠ですから、2校も入るのは珍しいことです。
ここまでの戦いを見ていると、開幕戦から好調を維持している敦賀気比、
継投で相手の強力打線を封じてきた高知が一歩リードしているように思えます。
そこを実力ある浦和学院とワンマンチームではないところを済美が見せられるかどうか。
明日以降は天候の方が心配で、どうなるか分かりませんが、
残り試合も好ゲームを期待したいです。
それと、どうでもいい話なのですが、バックネット裏(右打者の打席後ろ付近)にいる観客の一人に、
黄色の蛍光色の帽子を被ったおじさんが毎試合座っているのですが、
その方のシャツが試合ごとに変わっています(笑)
シャツの色は変わっているものの、常に横の縞々で、その変化が密かな楽しみだったりします(^^;
わざわざ1試合終わるごとに着替えているんですかね?
何のためにそんなことしてるんだろうか(^^;
【大会7日目】
第1試合は3季連続優勝を狙う大阪桐蔭が11-1で遠軽に勝利、
第2試合は聖光学院が4-3で鳴門に競り勝ち、
第3試合は敦賀気比が3-0で盛岡大付に勝利しました。
大阪桐蔭は2回戦最後の試合で今季初の甲子園登場に対して、
開幕戦から勝ち上がっている敦賀気比は3回戦で既に3試合目、
なんだか少し歪な日程に見えてしまいますね。
史上初の春夏春の3期連続の優勝を目指す大阪桐蔭が好スタートを切りました。
試合前半こそ、遠軽が善戦していましたが、
試合が進むにつれて点差が広がっていき、終わってみれば大阪桐蔭の圧勝でした。
昨年の春夏連覇にも大きく貢献した3番キャッチャーの森選手と、
5番サードの笠松選手は役者が違うといった感じで、
スイング・打球の速さ・ミート力はずば抜けています。
それ以外の新しいメンバーも良いバッティングを見せましたし、
4番打者が大会直前に怪我で抜けたとはいえ、高い得点力を誇ります。
心配された投手力の方も、先発の左腕・網本投手は阪神・能見投手のような投球で、
低めストレート・スライダー・チェンジアップを集め、
ボール球を振らせるバッテリーのリードは見事でした。
エースの葛川投手も右サイドから力強いストレートを投げていましたので、
優勝を狙える戦力は十分揃っている印象です。
【大会8日目】
第1試合は北照が6-3で尚志館に勝利、
第2試合は浦和学院が11-1で山形中央に勝利、
第3試合は仙台育英が4-1で早稲田実業に逆転勝ちしました。
今日勝ち上がった3校はともに投打に安定した実力を持っており、
北照は3番吉田選手を中心に繋がりのある打線に、
エース左腕の大串投手はスライダー・チェンジアップ・カーブを低めに集めるタイプで、
浦和学院は2年生エース左腕の小島投手を中心にまとまりがあり、
仙台育英は4番上林選手を軸とした強力打線に、鈴木・馬場投手の二枚看板と、
いずれも投打に力のあるチームです。
仙台育英は7回まで左腕の二山投手に苦しんだものの、8回に逆転、
4番の上林選手が勝負強さを見せてくれましたね。
ここまで試合を見る限りでは、やはり大阪桐蔭と仙台育英が一枚上手でしょうか。
ただ、大阪桐蔭は投手力に、仙台育英は対左投手に課題があり、
今大会を勝ち上がっているチームは左腕のコントロールの良いタイプが多く、
既に夏レベルの打力を身につけているチームも多いだけに、どうなるかは読めません。
残りの試合も目の離せない展開が続きそうですね。
【大会9日目】
第1試合は継投が決まった高知が常葉菊川に3-1で勝利、
第2試合は投手戦を済美が制し、4-1で済々黌に勝利、
第3試合は森捕手の欠場が響き、大阪桐蔭が4-5で県岐阜商に敗北し、
春夏春の3季連続優勝の夢は潰えました。
第1試合は継投が決まった高知が3-1で常葉菊川に勝利しました。
試合前半は常葉菊川が機動力を駆使して押し気味に試合を進めていたのですが、
高知の2年生右腕・酒井投手は尻上がりに調子を上げ、
130キロ後半~140キロの威力のあるストレートを軸に「高め」を中心に攻め、
6回からは坂本投手にスイッチし、球威はそこそこも低めのスライダー・フォークが有効で、
「低め」を中心に攻めて目先を変えるなど、見事に継投が決まりました。
逆に常葉菊川は予定通りの継投だったものの、交代直後の堀田投手の制球が安定せず、
3番和田恋選手に投じたカーブがボールと判定されて四球となる不運もあって、
同点に追いつかれてしまい、高知の継投をスムーズにしてしまったのが悔やまれます。
試合序盤はイレギュラーするなど常葉菊川に運が向いていた感じですが、
試合中盤辺りから主審のストライクゾーンが安定しなくなり、
常葉菊川に不利な判定が多かったのは残念です。
それでも、常葉菊川は強打に好守備と甲子園で力を発揮したと思いますし、
先発の渡辺投手を始め、新2年生の選手も多いだけに、夏に向けての成長を期待したいです。
第2試合は、済美の2年生右腕・安楽投手と済々黌の3年生左腕・大竹投手の投げ合いとなり、
1・2打席目にクロスファイヤーの外角一杯のストレートに見逃し三振に倒れていたものの、
4打席目に安楽投手がボール1個分甘くなった外角ストレートを捉え、
左中間への2点タイムリー2ベースを放ち、勝負を決めました。
今日の安楽投手はストレートこそ平均140キロ前後で最速148キロ止まりだったものの、
スライダー・カーブを交えながら、安定感あるピッチングを見せてくれました。
初戦を見た時はフォーム的にも硬く、「剛」のイメージが強かったのですが、
初戦の延長戦の投球や今日の投球・打撃を見ていると、器用さ・センスが感じられます。
初戦で気になった投球フォームの課題もクリアされており、
リリースポイントが初戦よりも前の方に来ていて、低めにもしっかりと投げ切ることができました。
やはり150キロのスピードを捨てれば、安楽投手はワンランクも2ランクも上の投手になれます。
一方の負けた大竹投手も投打の中心としてチームを引っ張ったものの、
8回に疲れを見せてコントロールが甘くなったところを打たれてしまいました。
それでも和田投手のようなフォームからキレのある130キロ後半のストレートと、
スライダー・チェンジアップを低めに集めて振らせる投球は見事で、クレバーさが光ります。
夏に向けて体力を付けていけば、さらに上を目指せるだけに、楽しみな存在です。
第3試合は春夏春の3季連続優勝を目指した大阪桐蔭が敗退してしまいました。
残念だったのはチームの中心選手であるキャッチャーの森選手が、
前日の練習で足に打球を受けてしまい、欠場となってしまったことです。
これで大会前の4番近田選手とレギュラー2人を欠くことになってしまい、
代わりに入った3番笠松選手を中心に頑張りを見せたものの、一歩届きませんでした。
悔やまれるのは4失点した2回の守備ですね。
難しい打球も多かったものの、エラーやフィルダースチョイスで確実にアウトを取れませんでした。
やはり王者となるためには、守備がしっかりしていなければならないだけに、
守備から崩れてしまったことは残念ですね。
まだ夏の連覇がかかっていますから、気持ちを切らさずに今後に生かしていって欲しいです。
第3試合の最後で見られたホームのタックルと守備妨害アウトの判断は正しかったと思います。
ただ、大阪桐蔭の走者も危険なプレーだから止めろとは責められないです。
あの場面でホームに突っ込もうと思わない選手は野球なんてできません。
同じ立場ならほぼ全員の選手が突っ込むでしょう。
気持ちがブレーキがかる場面ではありませんし、あのプレーは仕方ないと思います。
だからといって、タックルによる捕手の負傷は避けなければならないので、守備妨害アウトでいいでしょう。
もっとも、全てのケースにおいてタックルが禁止されるかと言えば、そうではなく、
例えばキャッチャーがホームベースの上に立っていたり、ブロックでベースを完全に塞いでいる場合は、
逆に走塁妨害を取られますし、その場合はタックルも已む無しでしょう。
ここら辺はプロでも非常に難しい判断ですが、選手の方々には頭に入れてプレーしていただきたいです。
【大会10日目】
第1試合は敦賀気比が9-3で聖光学院に勝利、
第2試合は浦和学院が10-0で北照に勝利して、ベスト4入りを決めました。
2試合とも点差が付く展開となったのは、正直意外でしたね。
実力的にはそれほど差がなく、接戦になると見ていただけに、
両チームの先発投手の出来が大きく影響してしまったように思えます。
それにしても、敦賀気比は開幕戦の勝利から波に乗っていますね。
全ての試合が好調さを感じさせるものです。
雰囲気的にも非常に良く、好成績が期待できそうです。
浦和学院は甲子園の常連ながらも成績が伴わないことが多く、
ここまで来たのは久しぶりでしょう。
ベスト8の壁を破ったのは21年ぶりですか、長かったですね。
鍵を握るのは2年生左腕の小島投手で、今日は7回1安打無失点と圧巻の内容でした。
準決勝では好調の敦賀気比にどう立ち向かうのか、注目したいですね。
【大会11日目】
第1試合は高知が2-0で仙台育英に完封リレーで勝利、
第2試合は済美が6-3で県岐阜商に勝利し、ベスト4入りを決めました。
第1試合は神宮大会優勝で東北勢初優勝の期待がかかった仙台育英が、
0-2で高知に完封負けを喫し、またしても悲願達成となりませんでした。
高知は前評判では打線のチームという評価でしたが、
甲子園に来てから先発している2年生の酒井投手の成長が目覚しく、
一戦ごとに力をつけている印象です。
140キロ前後の力強いストレートにスライダー、今日はスライダーの変化が大きく、
強力打線の仙台育英打線に的を絞らせませんでしたね。
常葉菊川戦でポイントとなった継投のタイミングも上手く、
好投はしていたものの少し合わされることが多くなったところで坂本投手にスイッチ、
その坂本投手は前回ほどの内容ではありませんでしたが、
粘り強く投げて仙台育英の反撃を上手くかわしたように思います。
負けた仙台育英は試合後半に良い当たりを放ちながらも野手の正面に飛ぶ不運もありましたが、
もう少し早めに反撃をしていれば、相手の継投も前倒しになったでしょうから、
大会を通じて感じた「仕掛けの遅さ」が課題だと言えそうです。
失点もバッテリーエラーから始まってしまいましたし、もう一度チームを鍛え直し、
夏こそは東北勢の悲願が達成できるように頑張って欲しいです。
第2試合は両エースともに手負いの状態で登板が危惧されましたが、
最後までマウンドを守り続けた済美・安楽投手と
マウンドを降りざるを得なかった藤田投手との差が出てしまったように思います。
ただ、まだ春ですから、夏のことを考えれば、県岐阜商の判断は正しかったと思います。
ここまで済美は投打両面において安楽投手ばかりが目立つワンマンチームでしたが、
今日の試合では安楽投手が打撃の方で完全にブレーキとなるも、他の選手が頑張りを見せ、
ようやくチームとして一つになってきた感じがします。
もっとも、その軸である安楽投手は疲労がピークに来ており、
前の試合ではピッチャー返しの打球を足に当てて方向を変えるプレーもしており、
満身創痍という状態で、明日の準決勝、勝てば決勝と進むことには大きな不安があります。
将来のことを考えれば、ここで負けておいた方がと思うぐらいです。
できれば準決勝は先発登板せずに、他の投手に任せて欲しいです。