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失われる日本の美徳

日本の美徳と言えば、「謙虚さ」であったはずなのですが…
最近はそういうことが全く感じられなくなってきました。
東京都の猪瀬知事が実際にどういった発言をしたかは分かりませんが、
不適切な表現があったのは間違いないようで、
知識人として謙虚さを欠く発言だったのは間違いありません。
驕らず誇らず平和と追求してきたはずの日本が、いつしか常任理事国入りを目指すと言い出し、
国際貢献の名の元に軍事拡充を図ろうとする、日本はどこで美徳を失ったのでしょうか?
別にアジアの一等国でなくとも、世界の主要国でなくとも良いから、
国際社会から尊敬の念を抱いてもらえるような国家でありたいものです。
…寂しいですね、ホント今の現状は…


◆ニュースネタ 主権回復記念式典と北方領土問題
4月28日に行われた主権回復記念式典は、特に何事もなく終わったようです。
この場合の「特に」は沖縄の反発ではなく、「最悪のシナリオ」という意味で、
政府が平和条約を破棄するかもしれないという可能性です。
まぁ、記念式典ですし、そこまでバカじゃないでしょうが、
外交センスがないのは相変わらずといった感じでしたね…

既にサンフランシスコ講和条約の明と暗は報道で知っていると思いますが、
日本が戦後の主権を回復して、国際社会に復帰した「象徴的」な日ですが(実際はもっと早いが)、
同時に小笠原諸島や沖縄が分断されてアメリカの統治下に正式に入った日でもあり、
沖縄県民が「屈辱の日」というのも無理からぬことです。
また、千島列島の放棄や東京裁判の結果の受け入れも含まれていることから、
現在の日本の北方領土問題や靖国参拝に対するスタンスとは相反するものも含まれています。
その意味では、靖国参拝を擁護した首相の発言は矛盾しているとしか思えず、
なぜこのタイミングで記念式典をやる必要があったのか、
国粋主義者達の自分本位な論理はよく分からない面があります。

ただ、安倍政権が経済開発を軸としたロシアとの平和条約交渉に入ったことは高く評価でき、
尖閣諸島問題など西に外交問題を多く抱えている日本としては、
せめて北の問題を早急に解決する必要があり、
アジアにおける対中国外交を考えると、ロシアとのタッグは非常に重要になってきます。
第二次大戦の日ソ中立条約の破棄によって「信頼できない」イメージが定着しましたが、
元々は頑固者ながらも人情に厚く義理堅いお国柄ですので、
利害が一致している間は信頼できるパートナーとなってくれるはずです。
…まぁ、利害が一致しなくなると、危ないんですが…
でも、中国は利害が一致していたとしても、少しでも自国の利にならなければ動きませんし、
個別の損得勘定を重視するだけに、全体の損得勘定で考えられるロシアの方が信頼できます。
ロシアとしても極東地域での中国の影響力に目をつぶることができませんし、
対中国で一致している限りは外交交渉はわりとスムーズに進むかもしれません。

もっとも、北方領土問題に関しては難しいと言わざるを得ません。
サンフランシスコ講和条約にはソ連は調印しておらず、その意味では直接拘束は受けないものの、
日本が世界に向けて千島列島の放棄を約束したことは国際公約として拘束されてしまうので、
今回の記念式典は結果的にそれを「自認」するものであり、
北方領土問題のイニシアチブはロシアが持っていると言わざるを得ません。
活路があるとすれば、北方領土が日本固有の領土であるとする点ですが、
これも最終的には当時の連合国軍が決めることなので、アメリカが特に何も言わない限り、
もう一方の連合国であったソ連、今のロシアが最終的決定権を持つと考えられます。
仮に国際司法裁判所に提訴できたとしても、ロシアの主張が受けいられるだけで、
日本の北方領土に対する発言権は弱いものと捉えられるでしょう。
もし、今回の記念式典を行っていなければ、「自認」の効果までは持たず、
沖縄や小笠原諸島と同じ扱いになったかもしれませんが、
今回の自認行為で絶望的になったことは確かです。
(補足「自認」…例えば、借金をしていて、その借金は時効消滅していたのに、
        借金の一部でも返済すると、それは返済の意思があるという表れとなり、
        その後は借金の時効の主張ができなくなるということ)

そういう意味では、政府は既に二島返還を覚悟したのではないでしょうか。
その覚悟がないで記念式典とロシアとの平和条約交渉を行ったのだとしたら、ただのバカですね。
おそらく、夏の参議院議員選挙まではそれをひた隠しにして批判をかわし、
選挙勝利後に二島返還で当面の利益を確保したと発表するものと思われます。


◆ライオンズネタ 3・4月は18勝9敗で貯金独り占めで開幕ダッシュ成功を果たす
とはいえ、独走といった感じではなく、2位以下も5割から借金3で推移してますので、
混戦状態であることに変わりはありません。
何故どの球団も取り残されなかったかと言えば、西武が常に好調のチームを叩いたからです。
5カード目の楽天・オリックス・日ハム・ロッテ・楽天戦は首位決戦とまでは行かないも、
直前に連勝して波に乗ってきたところで西武とぶつかって負け越し、
それが繰り返されたことで、西武以外に安定して好調さを維持したチームがなくなり、
2位以下は団子状態となったように思われます。

そんな感じで西武ライオンズの強さが際立った3・4月でしたが、
強さの要因は前々回までに語った通りで、
黄金時代の西武ライオンズや落合監督時代の中日ドラゴンズのように、
投手を中心とした守りの野球を行い、打線は派手さはないものの、
僅差では確実に得点を取ってくる野球で、安定した強さを見せてくれました。
もっとも、そこまで守備の完成度は高くなく、若い選手が多いことからエラーもありますが、
それ以上に今年は他球団のミスが目立ち、相対的にエラーは少ない状況です。
先発陣では菊池雄星・野上・十亀投手ら若い先発陣の成長が大きく、
パリーグで先発6人が確定しているのは西武だけで、
他の5球団は先発4人目以降に四苦八苦している状況で、
西武が初戦を落としても、2戦目・3戦目と連勝するケースが数多くありました。

もっとも、このまま西武が独走するかと言えば、そうでもなく、
交流戦に入れば、先発投手は5人でもやり繰りができますし、
そこで戦況も変わってくる可能性があります。
また、若い先発3投手は1年を通して先発ローテを守った経験がなく、
疲れを見せた時にどうなるか、そこもポイントになってくるでしょう。


ライオンズの立場から言えば、若い選手が多いだけに開幕ダッシュは自信になります。
早い時期に目指すべき野球ができたことで、チームとしての方向性が明確に定まりました。
先発完投を基本に7イニングを2点以内に抑え、
打線が粘り・繋ぎ・機動力で3~4点を確実に取って逃げ切る野球、
渡辺監督が目指していた野球がようやくできるようになったと思います。
あとはこれをどれだけ続けていけるか、先発投手の出来が鍵を握るだけに、
無理を避けながら、良い状態をできるだけ維持し、悪いなりの投球をして勝つこと、
そこがポイントになってくるでしょうね。
幸いにも、投手が一番疲れてくる夏場には中村剛也選手も復帰できそうですし、
そうなれば得点力も大きく上がりますから、それまで守りの野球を続けていくことでしょう。

投手の課題を挙げれば、エース争いをしている2人、岸投手と涌井投手の状態ですね。
岸投手は開幕投手を務めたものの、ここまで1勝4敗と大きく負け越しており、
他の先発投手が既に3勝している中、一人だけ出遅れている感じがあります。
今年の岸投手は「しなやかな青き刃」の二つ名からは程遠い内容で、
腕の振りが悪く、慎重になり過ぎて勝負に行けていない場面が多いです。
岸投手の本来の持ち味であるしなやかさ、余裕・ゆとりを取り戻すことが大事でしょうね。
一方の涌井投手は能力的な問題というよりもメンタル面の問題が大きいと考えられ、
先発再転向のペース配分や自分の理想とする投球と現実の投球とのギャップに悩み、
相手打者と勝負し切れていないところが少なからず見受けられます。
既に3勝を挙げて結果を残しているわけですから、ある程度の割り切りをして、
相手打者との勝負に徹してもらいたいです。
交流戦は変則日程となり、先発5人体制になる時期も来ますから、
現状では調子の悪い2人のうち、どちらかが落ちることになってしまいます。
次の登板結果で判断されるでしょうから、意地のピッチングに期待したいです。

野手の課題は4番打者ぐらいで、それ以外の課題は少しずつ解消されつつあります。
開幕からライトのみレギュラーが定まっていませんでしたが、
坂田選手が長打と勝負強い打撃でアピールを続けており、
代打では大崎選手が結果を残すなど、控えの層も徐々に厚みを増してきています。
4番打者はスピリー選手でもう少し様子を見そうですが、
打撃スタイル自体は良いものの、アジャストする確率が低く、率が低いのが悩みの種。
失投を確実に仕留められれば、もっと成績は上がってくるはずなのですが…
2軍ではオーティズ選手が結果を残しており、入れ替えも検討されますが、
交流戦に入るとDHも使えなくなるので、好調の坂田選手がそのまま外野を守り、
打順を一つずらす形で4番ヘルマン・5番浅村選手とする可能性もあります。
その場合は外国人選手が代打要員となり、右の代打不足を補うことになりそうです。
各打者の調子に関して言えば、良い形で循環している印象で、
開幕時は金子・浅村・秋山選手が引っ張り、続いて栗山・ヘルマン選手、
次に炭谷選手と坂田選手に片岡選手、再び栗山・ヘルマン・秋山選手と循環しています。
好調を維持する要因として大きいのが「四球」でしょうね。
調子が落ちている時期でも、四球や犠牲フライ・進塁打でチームに貢献することで、
深刻に考えすぎることがなくなり、打席数を減らすことで数字の落ち込みも最小限で済み、
結果として調子の回復も早まっているように思えます。
今後も繋ぎの意識を失わずに、四球でもいいんだという気持ちがあれば、
爆発的な得点力はないものの、着実に得点を積み重ねることはできるはずです。

戦い方自体は完成度の高い野球をしていますが、
選手個々は若くて能力的には未熟でながらも、伸び白の大きい選手が多いですから、
個々に技術を磨きながら実戦で経験を多く積み重ね、
さらにチームとしての厚みを出せるようにしていって欲しいです。

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