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2021年07月20日

コロナ禍のスポーツ

本題に入る前に、まずはこちらのニュースから。

●【速報】出場辞退の米子松蔭 一転出場へ 鳥取県高野連が会見
なんとなく、IOCを批判するために、
コメンテーターが政治利用的にこの問題に発言している節があったので、
嫌な取り上げ方がされているなぁと思ってましたが…

そもそも、「学校関係者」という情報だけでは何も判断できません。
これが学生や教師なら、同じ校舎で接触している可能性が高いでしょうから、
仮に濃厚接触者に認定されていなかったとしても、警戒心を持つのは当然です。
逆に生徒の親や出入りの業者であれば、直接的接触はなかった可能性が高く、
警戒し過ぎという話にもなります。
詳しいことは分からないので、「出場辞退」の是非は判断できません。

加えて言えるのは、私は鳥取県のコロナ感染状況を詳しく知りません。
少し調べただけですが、ここ1週間はやや増加傾向にあることは確かで、
鳥取の人口ベース・医療機関数からすれば、警戒心を抱くのも当然であり、
また、緊急事態宣言下の東京と同じ、
もしくはそれ以上の引き締めを行って頑張っていることが伺えます。
地方では感染者が1人出ただけで「誰だ、誰だ?」となる感覚も分かりますし、
その地方でなければ分からない雰囲気もあるので、
地元民以外が論評するのも難しいように思えます。

個人的な理解で言えば、県全体で頑張って抑え込もうという流れの中、
学校で感染者が出たということで難しい判断であったことは間違いありません。
米子松陰は私立の商業系学校だと思うので、
むしろ部活に力を入れてる方だと予想できますし、尚更でしょう。
隣県の島根県で昨年8月に立正大湘南で大規模クラスターが発生してしまい、
批判に晒されたことも学校関係者の記憶にあったことでしょう。
そういう事情が重なって、「出場辞退」という重い判断になったことは、
想像に難くありません。

個人的には難しい判断を迫られた学校側を責める気持ちにはなれませんが、
結果として生徒達が出場可能になったことは良かったと思います。

(追記)
詳しい記事は出ていませんが、昼のテレビで上記経緯が報道されてたので補足。
鳥取県大会のガイドラインで、学生・教師に感染者が出た場合は臨時休校で、
臨時休校の場合は大会に出られないという規則だったようです。
ただ、但し書き部分で医学的見地から問題ないと判断されれば出場できたとのこと。
感染が発覚したのが当日の朝で、迅速に抗原検査を行ったものの認められず、
保健所にPCR検査を要請したものの、試合が第1試合だったため間に合わず。
学校側は努力を費やしたものの、時間的に無理だったため、
出場辞退の判断になったとのことです。
結論から言えば、誰もが対応を間違えていません。
鳥取高野連の対応もガイドライン通りです。
発覚したのが当日の朝という運の無さが影響していた感は否めません。
文部大臣が批判してるのは完全に世論に乗っかっただけ。
これで鳥取高野連が批判されるようでは、誰もルールや手順を守らなくなっちゃいます。
一番えらいのは再試合を認めた相手の学校であることは間違いないでしょうがね。


もっとも、そもそもの問題として言えるのは、
「スポーツ競技をすることによって、コロナ感染はするのか・しないのか」
が明確になっていないことだと思います。
昨年から競技を続けているプロ野球やJリーグでは、
感染者がそれなりに出ていますが、
それが競技の上で感染したのか、
団体競技としての統一行動(移動や食事)で感染したのかは不明です。

分からないのはスポーツをすることで、コロナ感染は起こるのか起こらないのか。
普通に考えれば、飛沫も飛びますし、体に接触し合いますから、
感染が起こる可能性は高いのですが、
いつの間にか柔道でもマスクを付けなくなってますし、
実態はどうなっているのか全く伝わってきません。
しっかりとした研究の結果としてリスクは少ないと判断されたのか、
それとも、感染例が少ないから大丈夫だと高をくくったのか、いずれなのか。
サッカーの南アメリカ予選を見ても、
感染が起こらないとするのは無理があるだけに、後者にしか思えんのですが…

五輪出場選手やプロスポーツ選手は感染して死んでも構わないのかもしれませんが、
それに憧れてスポーツをする子供たちに同じことが言えるのでしょうか?
「コロナに感染するかもしれないけど、死ぬ気でやれ」と。
どうして、もっとコロナ禍でも安全に行えるスポーツの姿を目指さなかったのか?
国民に行ってもらえるスポーツ像を目指さなかったのか?

結局、「コロナ禍でもスポーツはできる」という保障が何もなかったからこそ、
今回の米子松陰のような混乱が起きたように思えてなりません。
五輪は濃厚接触者でも6時間前にPCR検査で陰性なら出場可能だそうです。
この程度の対策で本当に大丈夫なのでしょうか?
健康な選手の安全は図られているのでしょうか。
基本的に「無観客試合」となったことで、
観客への・観客からの感染は考えずによくなりましたが、選手同士の感染はどうなるのか?
この1年半のスポーツ界のコロナ対策の取組が試される時が来たと思います。


◆ニュースネタ 五輪関連ニュース
●五輪組織委「極めて遺憾」ウズベキ国籍の男が国立競技場で強制性交疑い逮捕
いや、別に国籍は関係ないでしょ?
それよりも重要なのはどこに卸したアルバイトなのかという点ですよ。
しっかり管理はできているのか、感染症対策は徹底できているのか。
事件が起きたのが夜9時ということで、アルバイト時間外のこととは思いますが、
一体、何時まで仕事をしていて、退場の管理はできていたのかのが気になります。
仕事が終わったからといって、簡単に居残れるような管理体制でいいんですかね?
その時間に爆弾を仕掛けようと思ったら、できたってことになりませんか?

国民の民意を欠いた五輪計画のせいで、大量のボランティアに逃げられ、
仕方ないのでパソナ等の人材派遣会社に任せて、
アルバイト募集をしているという話は聞いていましたが、
報道陣と接するという比較的感染症対策が必要とされる所でも、
アルバイトが利用されているというのは驚きです。
彼らにワクチン接種は行っていないでしょうし、
ボロボロのバブルと言うよりも、「見せかけ」のバブルでしかないということでしょう。
日本国民を説得するためだけに、「でっち上げた」バブル。
検査も管理も杜撰というか、そもそもやる気がないんでしょうね。
体裁だけ取れていれば良
しというのが透けて見えてなりません。

●小池都知事、バッハ会長歓迎会の様子明かす 批判には「大会のたびに開催」
まぁ、別にバッハ会長らIOC貴族が感染しても何も思いませんし、
日本の病院には入らないで下さいと注文を付ける程度なので、
あれこれ言うつもりはありませんが、
その発想自体がダメダメなんですよね…
明らかに今回は平時の大会とは違うんですから。
岸田派がパーティやって秘書の感染が発覚したような恥を晒さなきゃいいんですが…

まぁ、歓迎会やるなら選手の方じゃないんですかね…
選手に対しては何もせずに、濃厚接触者だとして隔離しておいて、
一方ではIOC貴族に歓迎会をやるってのは、
やっぱりこの五輪が誰のためのものなのかを象徴しているように思えます。
安倍政権から続く「公平性の無さ」がコロナ対応・五輪にも出てるように思えてなりません。


●五輪、濃厚接触でも出場可 懸念されるモラルハザード

冒頭に自分が書いた内容と似た主旨の記事。
IOCを始めとする開催派は本当にこの1年、何をしていたんでしょうか?
スポーツにおける感染リスクをどうして研究してこなかったのか。
コロナ禍でのスポーツの在り方をどうして考えてこなかったのか。
神風が吹くのを祈るとばかりに、コロナの鎮静化をじっと待っていただけでしょ。
それでよくも「安全安心」なんて言えますわな… アホかいな。

●「おもてなし」が外国人警戒に 米紙、完全な失敗と東京五輪論評
まぁ、そもそも、日本政府とIOCが外国人を差別してるんだから無理もない。
日本国民を説得するのに気をまわし過ぎているせいか、
日本人と外国人を分けようとし過ぎています。
IOCからすれば「勝手にやるので見逃してね」という感じなのかもしれませんが、
むしろ、そういう所が鼻に突くと言いますか、
勝ってすんじゃねぇよと思っちゃうわけですよ…

これは物理的なバブルではなく、精神的なバブル。
日本人と五輪がはっきり分けられているから、
盛り上がらないし、それは五輪が始まっても同じことです。
テレビでメジャーリーグ中継を見ているのと一緒でしょ。何が違うのさ?

日本人として心苦しいのは、コロナ禍で「おもてなしの心」が持てないことです。
観客は無理として、IOC貴族は精神的に嫌ですけど、
せめて選手や報道関係者には日本に良い印象を持って帰ってもらいたいと思うのですが…
報道や日本政府からは外国人が日本にウイルスを持ち込むことばかり警戒してますが、
同時に日本で蔓延しているコロナウイルスが外国人に持ち出され、
「東京ウイルス」が世界に蔓延してしまうことを何よりも恐れています。
それこそが世界的に「恥」であるからです。
感染症対策やワクチン接種が進まない今の日本で、五輪を強硬開催することは、
日本人のそういった「おもてなしの心」を踏んづけることに他なりません。

●五輪代表選手の相次ぐコロナ感染に米衝撃 地元紙「東京でカオス」と報道
だから日本国民は一貫して「無理」と言い続けてるじゃないですか。
無理なものは無理なのよ。
それが日本政府とIOCの口車に乗せられて、
コロナ病死以外にも熱中症で死亡した際の自己責任の誓約書を書かされたりと、
本当に奴隷契約ですね。ご愁傷様です。
日本人は騙されるな騙されるなと叫び続けたのに、
詐欺師を信じちゃうからカオスになるんですよ…


◆ニュースネタ 五輪無観客とアスリート。吉田麻也が伝えたかったこと
正論に正論で返すけれど、今の選手の感染症対策が進んでいない五輪をやって、
子ども達がそれを真似てスポーツをした結果、
コロナに集団感染した場合、プロ選手は一体どういう責任を取るんですかね?

何度も言ってますが、コロナ禍でスポーツ界が一番拙かったのは、
「感染しないスポーツ」の在り方を模索しなかったこと。
結果として、自粛せざるを得ない一般市民と、
スポーツができる特権階級と二極化してしまったことです。
スポーツが人々を繋ぐということが幻想になってしまったんですよ…
それがまだ理解できていないのですか?
五輪後にスポーツに何が起こるのか、まだ理解できていないのですか?

そして、「選手のための五輪」はもはや妄想でしかないことを誰もが知ってます。
IOCやJOC、日本政府の発言から、少しでもアスリートファーストを伺えましたか?
誰も言ってないですよ。
開催すること自体に必死で、誰もがアスリートの安全安心を忘れています。
今回のことで分かったのは、主催者側が誰も選手のことなんて考えておらず、
尊敬もしていないということです。
主催者側にとって選手は見世物でしかありません。
奴隷剣闘士が命を捨てて闘わされる闇のゲームを子ども達に見せろというのですか?
緊急事態で馬脚を現した主催者の何を信じろと言うのですか?

だからこそ、もう五輪は辞めて、真にアスリートファーストの大会をやればいいんですよ。
どうして既存の五輪という枠にこだわる必要があるのか?
スポーツを愛してもらおうと思うなら、そんな必要は全くないでしょ。
もっとスポーツ選手は国民の五輪に対する失望感を理解すべきです。


◆スポーツネタ 野蛮人のスポーツ「相撲」
●北の富士氏「えげつない」白鵬立ち合い肘打ち 鬼の形相でガッツポーズも
相撲って低い体勢から体をぶつけ合い、
相手の回しを取ろうとしてガッツリ組んで、
投げや押しを駆使して相手を倒す競技だと思ってたんですけど…

今の相撲は、柔道みたいな相手を探る立ち方をして、
顔面への平手打ちやエルボー当たり前という、
ルールも糞もないただのケンカだったんですね。
そりゃ裸だもんね、文明人の欠片もないわな(苦笑)

白鵬の14日目の顔面平手打ち、
最終日の顔面平手打ちと見せてのエルボーは許せません。
これが競技として認められてしまえば、当然、対策として練習する必要があり、
稽古場で平手打ちやエルボーを受けまくらないと行けないんですか?
死人が出るよ、普通に。
もはや「シゴキ」でも何でもない。単なる「暴力」ですよ、こんなの。

五輪開幕前にスポーツのどうしようもない姿を見せてくれました。
これで心置きなくスポーツを捨てられます。
失望を与えてくれてありがとうございます、横綱。
こんなもん国技と言えるか。あれをノーと言えないのが一番ムカつく。
この日本の恥さらしが。

2021年07月17日

風評被害と熱海市の現状

よく知らん芸能人が「熱海が終わった」と発言して問題となっています…
これはもう風評被害レベルじゃないですかね?
熱海市の旅館組合は損害賠償請求しないと、現状が正しく伝わらないのでは?
ただでさえ、コロナ禍で苦境に立たされている観光業が、
このまま土石流報道で潰されかねません。

何度も言っていますが、土石流があったのは熱海市東部の伊豆山地区1ヶ所のみ。
被害地域は水道を含めてインフラに多大な支障を来していますが、
駅周辺や熱海市西部地域は通常通り生活しており、
電車や新幹線も通っているので、被災地域という雰囲気はありません。
花火大会等は中止になりましたが(むしろ毎月小出しにやり過ぎてた程)、
観光客の受け入れ等は通常通りに行っています。
被災者のことを考えると複雑な想いもあるでしょうが、
普通に観光しに行っても全く問題ありません。
ですから「熱海が終わった」と言うのは単なる勘違いでしかありません。
失礼とかそういう問題ではなく、単純に認識が足りてない=バカなだけです。

ですから、別に自治体として物資が不足しているわけでもなく、
もはや救援物資も抱えられない状態となり、受付は完全ストップしてます。
ドライに言えば、送られてもゴミとして処理されるしかありません…
個人レベルの復興段階になれば、当然物資は必要になりますが、
それもかなり先になる可能性が高そうです。
なぜんら、土石流の大元となった「盛り土」が崩れた土地、
あそこを固めないことには土砂の撤去も進みません。
雨が降る度に小さな土砂が流れ込んでくるでは作業もできないでしょう。
それもあってボランティア募集も完全停止、立ち消え状態になりました。
被災者のホテル宿泊も8月一杯の貸し切りが決まっているので、
おそらく、原因となった土地の工事が終わるのが早くて8月、
土砂撤去等の作業が終わるのが8月中旬頃、
復旧段階に入れるのはそれぐらいの時期になるのではないでしょうか。
また、熱海市次第では根本的な区画整理を改める可能性もあるので、
その場合はさらに長期化、半年レベルになってしまう可能性もあります。
災害地域の復旧作業は数カ月から半年後レベルに長引く可能性があります。

残念ながら被災者が通常生活を送れるのはかなり先になりそうですが、
今までの災害とは異なり、避難所や車中泊を強いられているわけでもないので、
逆にあまり配慮し過ぎるのも考えものです。
さすがにコロナ等の感染症を持ち込まれるのは困りますが、
ちょっと遊びに行く程度なら全く問題はなく、
むしろ、長期的に見ればそうるすることが熱海市を潤し、
復興計画にも寄与することになると思います。
どこか出かけたいなと思った時に、熱海市のことを思い出し、
感染症対策の上で観光してくれればそれで良いと思います。

熱海市の観光は「終わった」わけでも何でもなく、
絶賛営業中なことを多くの国民に覚えておいて欲しいです。


◆ニュースネタ 酒類規制関連の批判を受けて、政府が政策を撤回する騒動に
●ワクチンハラスメントと、西村大臣「失言騒動」の隠された共通点
●酒類提供停止働きかけは政府ぐるみか 内閣官房が金融機関への協力依頼文書
●【独自】菅政権が都道府県に出した飲食店への「第3の圧力」また撤回 証拠文書で見る迷走〈dot.〉
日本人は目的と手段を履き違えがち。
今回もコロナ対策を目的としていたのに、
いつのまにか手段であるはずの酒類規制が目的化してしまい、
やり過ぎてしまったということでしょう。

報道の順番が逆になってしまったので、今回のことを整理すると…
発端は前回の緊急事態宣言と蔓延防止措置の時の酒類提供自粛要請です。
既にこの時から議論されていたのが、酒類提供業者に酒を売るなという話。
まぁ、少し考えれば、そんなことは無意味なことなので、
麻生大臣同様にまさか本気でやるとは思ってませんでしたが、
本気にしていた馬鹿がいたということでしょう。

整理すると酒類業者への圧力は3段階あって、
①酒を提供する飲食店を協力店舗(⇒補助金)から外す⇒セーフ
②酒問屋が酒を提供する飲食店に酒類を提供しないように要請⇒無意味
③酒類提供業者への融資を止めるように金融機関へ圧力⇒アウト
といった感じになります。

①は問題ないでしょう。
補助金が遅れている問題があるとはいえ、あくまで恩恵であるので、
協力的ではないと判断されれば、補助金を受けられないのは当然です。
②で一番困るのは酒問屋です。
飲食店が酒類提供を自粛すれば、実際に在庫を抱える酒問屋は一銭にもなりません。
そこに酒を買ってくれる飲食店が現れれば、
在庫分だけでも処理したいと思うのが当たり前のことです。
酒類を提供する飲食店からすれば、酒を売る酒問屋は潜在的にいくらでもいるので、
全く圧力にならないどころか、逆に酒問屋から感謝されるでしょう。
③はさすがにアウト。
明らかな不利益変更になるので、法律の具体的な定めが必要です。
それがない以上、行政が勝手に国民の権利を制限することはできません。

で、そもそもの話に戻せば、今回の問題は①酒類規制がコロナ対策になるのか、
②飲食店が行政の自粛要請に従わないのは何故か、ということになります。
①飲酒をすることで、長時間、店に居座って会話することによって、
感染するリスクが高まるのは確かにそうでしょう。
ただ、飲酒といっても食前酒にワインを嗜む程度に飲んだり、
日本酒を飲みながら黙々と食事をすることもあるので、
飲酒そのものがコロナ感染のリスクを高めるわけではありません。
規制すべきは喋りながら食事をする「会食」であって、「飲酒」ではありません。
本来は「会食」を規制すべきなのに、「飲酒」を規制する。
明らかに的外れな規制であり、過剰な規制になっています。
目的に対して手段が大きすぎて、過剰規制になってしまっているわけです。

②飲食店が自粛要請を守らないのは、経営が成り立たないからです。
特に都市部の協力金の支給が遅れているのは報道の通りで、
休んでも生活をして行ける保証がない以上、お店をやるしかないわけです。
そこにさらに銀行を抑えられてしまえば、もはや経済制裁ですよ。
死ねと言わんばかりの圧力です。
大事なのは協力金を率先して支給し、コロナ対応の協力を取り付け、
感染症対策を行政が個別に指示していくことです。
面倒だから、お金がないからという理由で、
お金を出し渋るからこんなことになってしまうわけです。
自治体にお金がないなら、国が貸し付けるしかないでしょう。
なのに昨年の予算だけ確保しておいて、補正予算を組まずに遊ばせておく、
政府は出すお金があるのに、お金を使おうとしない、
全く意味が分からない状態になっています。
まぁ、選挙のためにばら撒く用にお金を確保しているのでしょう。アホくさ。

結局、「会食」なしでは生きられない政治家と官僚、
選挙以外にお金を使いたくない愚かな政治家の判断が、
今回の混乱を引き起こしたように思います。
国税庁は送別会をやって感染者を出すし、
岸田派もパーティ開いて秘書が複数感染するし…止めろって言ってんだろ。
はっきり言ってアホくさ。
「会食」大好き政治家・官僚が飲食店を助ける所か、
全く関係ない過剰規制をして滅ぼそうとしてるんですよ?
アホと言わずに何と言うか。アホ過ぎるわ。


◆ニュースネタ すぐにパンクする医療機関の問題点
●第5波で増える40代、 50代の重症者…「現場としては結構しんどい」コロナ治療最前線の医師が抱く不安と希望
医療機関が大変なのは確か… でも、どうしてそれが解消しないのか?
自分は医療業界に身を置いているわけではないので、
なかなか分からない所はありますが、ある程度の予想はできます。

考えるに、日本の医療は大学病院によって形作られているため、非効率的なんですよ。
例えば、同じ地域に同じ内科の病院が2つあるとします。
A病院は地元国立大学の系列病院であり、B病院は有名私立大学の系列病院です。
地元の人は同じ地域にあるのだから、A病院とB病院は連携してると思うでしょうが、
実際は全く交流がなく、詳しい検査が必要になった場合は、
A病院は地元の国立大学の附属病院に紹介状を書き、
B病院は都市部の有名私立大学の附属病院に紹介状を書きます。
実際に、どういう派閥で運営されているのかは知りませんが、これが日本の医療の実態です。

ですから、病院同士の地域の連携がトコトン下手なんです。
連携できるのは縦の連携のみ、大学の系列病院で連携できるだけ。
地域ごとの横の連携はトコトン下手なため、
今回のコロナ禍のようなキャパオーバーの事態に陥ると、途端に対応できなくなるわけです。
特に都市部はより顕著に系列病院がひしめき合っているので、より連携が難しく、
逆に田舎では一つの系列病院の独占状態の場所もあるので、
そういう所はスムーズな連携ができたのでしょう。
日本の医療の問題は、大学病院を中心とする系列病院の争いにあるわけです。

本来ならば、行政が地域ごとに病院を整理しなければならないわけですが、
医師会の影響が大きかったために、そういうことがなされずに来ました。
今回のコロナ禍でそれが反省され、連携できるようになった…とは聞きません。
実際の所はどうなんでしょうかね?
もう学閥で争ってる時代は終わりだと思うんですが…

そういう日本の医療界の構造上の問題があるとはいえ、
一線で頑張っている医療関係者の踏ん張りこそが、
日本の死者数が少ない要因なのは間違いないのですから、
業界を憂いつつも、医療関係者個人への感謝は失わずにいたいものです。

●「効果は想像以上」のコロナワクチン、毎年打つ必要はない?
●ワクチンの効果低下で「ブースターを急ぐべき」、FDA元長官が指摘
おいおい、どっちが本当のことを言ってるんだよ(苦笑)
理論的にどうなのかは知りませんが、ワクチン接種から半年が経過したイスラエルでは、
3回目の注射となるブースター接種が既に始まっているということです。
その事実だけは確かなので、半年程度で効果が落ち始めるのは間違いないでしょう。

今年の年末の頃にはアメリカやヨーロッパを中心にブースター接種が話題になり、
日本でも2回目を打ち終わってもいないのに、3回目の議論がされるようになるでしょう。
いや、ワクチンで解決するのやっぱ無理じゃね?
特効薬の開発に切り替えるべきでしょうよ。


◆ニュースネタ 東京五輪関係
●オリンピックファミリーをよく乗せるタクシー運転手「勝手にやってろ、ですよ」
●安倍前首相「コロナに打ち勝った証として五輪開催する」発言の無責任
●五輪関係者で新たに15人が陽性 選手村からは初の感染確認(通算45人)
●所在不明のウガンダ選手「日本で仕事を」書き置き残し切符購入の情報も
バブルなんて、とっくに崩壊してるじゃん…
オリンピック関連で来ている人達は、
熱中症もコロナで死亡しても自己責任ですとIOCに誓約したのだろうから、
彼らがどうなろうが知ったこっちゃありません。
日本の病院には来ないでください。
自分達を人間ではなく見世物だと自らを貶めた結果がコレです。
恨むならIOCを恨みなさい。

「コロナに打ち勝った証」の大義名分も既に崩壊済み。
無観客試合を決定したことで、完全なる五輪なんて消え去り、
中国に「完全なる五輪」を明け渡しただけ。
こうなることは目に見えていたのですから、アホとしか言いようがありません。
政治家や官僚、マスコミは忖度してくれても、コロナは忖度してくれません。
それだけのことです。アホすぎんか?


●「ちゃんと開催しようという努力が感じられない」海外メディアが東京五輪に“大憤慨”ワクチンは自己申告、書類は不備ばかり、取材体制は大学以下…

そりゃ準備も何も考えてなかったからでしょ…
しかも、それをやっていたのが若い世代ではなく老人ばかりだっただけのこと。
開催派は反対派に対して「どうやって五輪を開くか」だと言いつつも、
自分達は何一つ考えず、安倍元総理の「完全な形での五輪」に拘り続け、
現実的な開催方法を何一つ検討するどころか、
考えること自体さえも弱気だと一蹴し、議論に蓋をしてきただけのことでしょ。
「どうやって五輪を開くか」が厳しい現実になった時、
何一つ具体的な案を出さなかったから、国民は反発したんですよ。
「そんなんで、できるわけないだろう?」と。

最初から無観客試合を想定していたなら、各国のスタジアムと中継を繋げ、
またYoutube等の動画サービスと提携し、
スパチャの数だけ声援を大きくするなど、
CGやバーチャル技術を活用した五輪をいくらでも考えられたはずです。
それをYoutubeも利用したこともない老人たちが、
現実の五輪に拘り続けて、自らを追い込んでいっただけの話でしょう。
開催派はずっと自分の首を絞め続けていたんです。アホでしょ?

本来なら、今やっている議論は森会長の退任時、3月~4月には終えておくべきことで、
広く無観客試合を盛り上げる方法を模索しておくべきだったんです。
それが「完全な形の五輪」に拘り続けてこの有様ですよ…馬鹿だろ、マジで。

●菅首相、支持率低下は「いろんな理由」 政権の「危険水域」に陥った調査も
30%が危険水域なのは、自民党の岩盤層がそれぐらいだからです。
何があっても自民党を支持する、そういう人が25%ぐらい。
これはあくまで昔の目安なので、今は20%程度まで落ちるかもしれません。
この数字は自民党支持層でも、菅総理にそっぽを向き始めたことを意味します。

…まぁ、そりゃそうだろうと思いますが、
昨年秋には絶対こいつに任せたら日本はダメになると言ったのに、
みんなして支持して期待をかけたのはアンタらだからな?
それを忘れんなよ?


◆ニュースネタ 「毎日テレビを見るの老人ばかり」キー局が冷や汗をかく"テレビ離れ"の最新データ
そりゃそうでしょう…
Youtube等の独自コンテンツ以外にも、
個々のテレビ番組さえもネットで好きな時間に見れる時代ですから。
わざわざ時間を取ってテレビを見ようとは思いませんよ。
結果的に言えば、デジタル化の際の録画機能規制が遠因になってるんです。
テレビを録画して後で楽しむことを規制したため、面倒で人が逃げ出したんですよ。
今時、誰が「8時だヨ。全員集合!」ってなるんですか。いつの時代だすか…

もうテレビは放送固定テーブルを止めた方がいいです。
好きな時間に好きな番組を視れるような体制にしなければ、
テレビに人が戻ることはもうないでしょう。


◆ニュースネタ 女性専用車、将来は「多目的車」に?
下らない記事ですが、思考実験としては面白いので、話題にします
まず、上の記事を読んで納得できますか?
納得してしまった人は騙されやすい人なので気を付けましょう(苦笑)

まず、根本的な問題として、
「将来にわたって鉄道会社は満員電車を解消させるつもりはないのか?」があります。
そもそも、過度な混雑による満員電車がなければ、
痴漢等の不愉快な思いはしないわけですよ。
ですから、この議論は将来においても満員電車が解消していないのが前提になります。
コロナ禍でテレワークが推奨されている昨今、
コロナ後もフレックス制を導入するなど、満員電車を解消するチャンスです。
それにも関わらず、将来の女性専用車両の名前を気にするのはナンセンスです。
満員電車が解消されれば、女性専用車両など必要とされないわけですから。
満員電車を解消する方法を考える方がよほど建設的です。

次に、LGBTとトランスジェンダーを一色単に括ってることです。
この内容はトランスジェンダーの人には当てはまる可能性があります。
ただ、L=レズビアン(女性が女性を嗜好する)、
B=バイセクシャル(男性・女性の両方を嗜好する)はアウトでしょ…
そもそもの問題として、男性であれば必ず痴漢であるわけではないのだから、
この議論そのものが非合理的であるとも言えるわけですが…
ダメなのは電車内で公序良俗に反する行為をすることであって、
それが同性同士であっても、恋人同士であっても、アウトはアウトです。
恋人同士の「痴漢プレイ」なんて、あってはならないわけです。

最後に、そもそも「女性専用車両」はあくまで鉄道会社のサービスである点です。
仮に法律で女性専用車両の設置が義務付けられれば、
男女平等に反し、憲法違反で違憲となる可能性が高いでしょう。
同時に男性専用車両を設置しなければ、男性が乗れる車両が少なくなるからです。
仮に「多目的車両」と名前を変えたところで、何を目的とする車両なのは分からず、
普通の車両と変わらなくなってしまうのは想像に難くありません。

むしろ、鉄道会社を含め、公共交通機関が対処しなければならないのは、
車いす等の障がい者の円滑な乗車でしょう。
昔に比べれば、エレベーターや案内など様々な工夫がなされていますが、
未だに駅ホームと電車との段差があるなど、スムーズな乗車にはハードルがあります。
しかも、それが混雑した車両であれば、スペースを取ってしまうだけに、
周囲から理解されない視線を向けられることになりかねません。
障がい者のノーマライゼーション対策として「多目的車両」を導入することはアリでしょう。
そういった社会的同意を得るプロセスの方が大切なように思えます。

とりあえず、鉄道会社は満員電車の解消に努めてくださいといった感じですね。


◆ニュースネタ コロナで結婚式キャンセル、式場が新郎新婦を訴える 解約料209万円を請求
「生兵法は大怪我の基」の典型例ですねぇ…
双方とも中途半端な法律の知識が痛手になっているように思えてなりません。

まず、難しいのはコロナ禍の緊急事態宣言が「契約変更の事由」に当たるか否かですね。
過去にオイルショックの時の原油価格高騰で認められた例はありますが、
余程のことがない限りは認められないものと解されています。
はっきり言えば、この問題は「緊急事態宣言」の曖昧性に起因するので、
新郎新婦を全く責めることができないのですが、
当時の社会的雰囲気からすれば中止延期は当然という流れだったので、
契約変更が認められる可能性はあるとは思います。
ただ、全く代金を支払わなくてもいいということにはなりません。

この場合、できたとしても契約解除となるだけで、無効ではないので、
新郎新婦がキャンセルの意思表示をした時点までかかった実費は、
式場側は当然請求できるでしょう。
問題は準備がどの程度進んでいたかであり、
計画段階でキャンセルしたのと、前日にキャンセルしたのでは、
損害が違うのは当たり前のことです。
少なくとも新郎新婦は準備かかった実費、
もしくは事前キャンセル料約57万円(後に示されたというのも気になりますが)は、
支払う必要があると考えられます。

しかし、この式場は新郎新婦がキャンセルの意思表示をしたのにも関わらず、
その意に反して準備を続け、結婚式の日取りが経過するのを待って、
当日キャンセル料の209万円を請求しています。
これではもはや「押し売り」「送りつけ詐欺」です。
要らないと言っているのに、勝手に準備をして全額の請求をするのは不当でしょう。
209万円全額の請求が認められることはないでしょう。

結局、双方とも中途半端な法律の知識で、
自分達が正しいと思い込んだのが問題であり、しっかりと交渉すべきだったんですよ。
式場側は弁護士を立てることもできたでしょうし、双方の努力が明らかに足りていません。
もしもこのような対応を他の新郎新婦にもしていたとするならば、
明らかに式場側の責任が重いと解され、契約そのものも無効と判断されかねません。
顧客対応を明らかに誤った式場側の社会的責任は重いと考えられます。

もっとも、新郎新婦側も半端な法律の知識でゴネるのは得策ではありませんでした。
準備の段階がどこまで進んでいたのかを正確に理解し、
交渉によってキャンセルできるか否かを探るべきだったでしょう。
確かに、裁判で主張するという最終手段はありますが、
だからといってそこまで契約がもつれてしまうこと自体が損失です。
金額・時間をそれだけ費やす必要がある案件ですか?
そこを冷静に判断するべきでした。

まぁ、根本的には「緊急事態宣言」という偉そうな名前を打っておきながら、
その実態は国民の協力による自粛でしかなかった政府の政策に問題があるわけですが。
強制ならばこのような問題にはならなかったでしょう。請求が国に行くからです。
あくまで自粛に留まってしまったために、
その被害を誰が被るかという問題が生じてしまったのだと思います。
半端な知識で自らの正当性を主張するのではなく、しっかりと契約を詰めるべきでした。
結果がどうなるか分かりませんが、おそらく双方の納得する結果にはならないでしょう。

2021年07月09日

デルタ株とラムダ株

新型コロナ変鬼株はギリシア文字の順番が付けられたので、
アルファ・ベータ・ガンマ・デルタ(今ココ)、
イプシロン・ゼータ・イータ・シータ・イオタ・カッパ・ラムダ(次ココ)…最後がオメガ。
この間はどうなってるんだ?という素朴な疑問。

アルファ株はいわゆる「イギリス型」と呼ばれたもので、昨今まで日本の主流だったもの。
ベータ株は「南アフリカ型」、ガンマ株が「ブラジル型」と呼ばれていたもの。
そして現在騒がれているのが「インド型」と称されるデルタ株。
ちなみに、イプシロン株が昨年5月のアメリカ、シータ株が今年1月フィリピン、
カッパ株が昨年10月インドで発見されたものだそうです。
ゼータ・イータ・イオタは知らん。変異してる場所を表してるの???

●ファイザー新型コロナワクチン、デルタ株には有効性が低下?
●ワクチン「効果が減少」 イスラエル、デルタ株の影響か
別に新しい情報ではありません。
予防効果が半減しただけで、重症化を防ぐ効果はまだ期待できます。
そもそも、ワクチン予防効果自体が明確に証明されておらず、
製薬会社が勝手に言ってる感がありましたから…当然の結果でしょう。

ただ、気になるのはワクチン接種済みでも「発症」していること。
新型コロナは軽症であっても、味覚障害を始め後遺症に悩まされるケースがあるので、
重症化の数字も大事ですが、自覚症状があるのかどうかも大事だと思います。
軽症者はどの程度出ているのか?
そこに予防効果が期待できないようであれば、
そもそもワクチンである必要はなくね?、という話になってしまいます。
ワクチンをあちらこちらに打って副反応を怖がるよりも、
特効薬を作って対処していく方が遥かに効率的という話になります。
これからは感染者数だけでなく、無症状感染者・軽症感染者・重症感染者と、
細かく内訳を分析することが必要になってきそうです。

●変異株「ラムダ株」が南米で猛威 「最凶」といわれるその感染力とは?
●東京五輪で“最凶”の「ラムダ株」が上陸 ワクチン効果は5分の1?
まだ詳しい情報がないので、何とも言えない所ですが、
南米地域を中心に新しい変異株「ラムダ株」が猛威を振りつつあるようです。
一説によればワクチンの効果そのものを下げてしまうとか…
こちらは効果そのものが下がるので、ワクチンが意味なくなってしまう恐れもあります。

もし、仮に今回がそうでなかったとしても、
いずれワクチンが効かない変異株が出てくることでしょう。
そのためにも特効薬の開発を推進する方が効率的のように思えます。
まずは感染症対策をしっかりして、感染しないこと。
感染してしまったら、病院で診察して特効薬で治療すること。
そういう体制を作ることが、新型コロナを乗り越える唯一の方法だと思います。

「ワクチンしかない」とか言ってる奴は近いうちに滅びるでしょうね…
まぁ、そいつらは9月末の自民党総裁選で勝てばいいと思っているだけなので、
そこまでに時間稼ぎできれば十分なんでしょうね…
それに引きずられてコロナ感染を引き起こす日本国民、
そして尊敬を失わされるスポーツ界は何年・何十年と被害を被り続けるのでしょう。
今は政治家に避難が集まっているものが、
五輪後はスポーツ界全体に向けられてしまうわけです。
まさに、1964年の東京五輪で「国民のもの」となったスポーツは、
今年のオリンピックによって「特別な人のもの」になってしまうのでしょう。
スポーツが穀潰しと揶揄される時代が再度やってきます。


◆ニュースネタ 熱海市の土石流の原因にみる日本の森林開発の実態
依然として死者9名に21人の行方不明者が出ています。
太平洋側の本格的な雨は去ったものの、天気予報では来週を含めて雨続き…
少しの雨でも被害が出ることもあり、危険な状態はまだ続きそうです…

生存者の捜索を含めて大事になってくるのがライフラインの復旧。
鉄道網は問題ありませんが、国道135号と熱海ビーチラインは通行止め続行中。
その関係で熱海市内の路線バスも運行していません。
土砂崩れのあった熱海市東側は仕方ないにしても、西側は無傷なのだから、
そちらだけでも通してもいいと思うんですが…
鉄道も通ってますし、宿泊場所にも事欠かない場所ではあるので、
そんな住民が孤立する事態にもならないと思うのですが、
こういう所が柔軟性を欠いているというか、周辺地域で負担を分け合えないのか…
まぁ、家族や知人の安否が分かっていない以上、
土地を離れがたいというのもあるでしょうが、生活再建のためにも、
共助の力で新しい一歩を踏めるようにして欲しいです。

原因となった「盛り土」ですが、なんとなく全容が見えてきました。
●長年にわたり「盛り土」 住民「やはりこの場所だったか」【緊急報告 熱海土石流②】
問題なのは2007年に土地を買った不動産会社でしょう。
おそらく、宅地造成の名目で、残土や産業廃棄物の捨て場にしていたのでしょう。
産廃処理を請け負うと言えばお金を取れますから…それをガンガン捨てていたと。
特に埋め立てた場所の排水処理はせずにそのまま…
だって宅地を作るために埋め立ててるのではなく、ごみを捨ててるために買ったんですから…
そんな業者ですから、熱海市に行政指導を受けたとしても従いませんよ。

そして、それを土地の知識の少ない業者に転売。
買った業者は実際の土地を見て驚いたことでしょうね。
普通に土が盛られたままだったでしょうから。
熱海市にも是正するように言われ、仕方なく平らにしたのでしょう。
熱海市側も本来の責任者は前の不動産会社だと分かっているだけに、
強くは言えなかったのでしょう。
結果、両者なーなーになってしまい、今回の悲劇が起きたということです。


言い方は悪いですが、これが今の日本の森林開発の実態なわけです。
 変な業者が残土や産廃を埋め立てて脆弱地盤を作る⇒安い土地を買う
⇒他の森を削って太陽光パネル等の自然エネルギー施設を作る
自然を壊しておいて自然エネルギー施設を作るのって矛盾してない?
それが今の日本の現実です。

先の国会で安保土地法なる訳の分からん法律が通っちゃいましたが、
本来はこういう日本の森林開発を是正するための法律が必要だったわけで、
一体、どうして成田闘争を想定した時代遅れの法律を作ったのか分かりません。
日本の法律の土地規制も「宅地」に関するものばかりで、
こういった森林等を規制する抜本的な法律がありません。
今回の熱海の悲劇を繰り返さぬように、日本の森林開発を改める必要があるでしょう。

静岡県ではリニアトンネル工事と伊東メガソーラーに反対する川勝知事が再選しました。
今後は、より一層、森林開発に対する批判を繰り広げることは間違いありません。
任期の中で森林開発を防ぐための条例を形作れるかどうか注目です。
そして国政では、この問題を放置してきた自民党には解決不可能でしょう。
リニア問題も絡んでくるでしょうから、できるだけこの問題は大きくしたくないはず。
逆に野党はこれを突いて政治問題化できるかどうか。
日本の森林開発と自然保全におけるターニングポイントになることを祈りたいです。

●土砂崩れの9割は林業が原因 政府が誘発する皆伐を推奨
もっと自然の保水力を大事にすべきではないでしょうか。
荒れ果てた杉林等は皆伐してもいいでしょうが、その後に植樹しませんと…
伐採したからそんままでいい、宅地造成すればいいとはならんでしょ。

●太陽光発電、災害リスク高い区域の規制検討 小泉環境相
いずれにせよ、日本の森林開発・自然保全のターニングポイントなのは確かです。
口だけに終わらずに、しっかりと形にしたものを残して欲しいです。
もう既に先の国会で失敗している前科があるだけに、
今度こそ「まともな法案」になることを期待したいです。
…まぁ、田舎の経済しか考えない自民党じゃ無理だろうけどねぇ…

●熱海の土石流、県の対応“二転三転” 発生原因めぐり
政治的には「人災」と考えたいのが川勝県知事サイドなんです。
リニアトンネル問題や、伊東メガソーラーの問題を抱えているだけに、
自然保護の必要性を訴えて世論を味方に付けたいという気持ちがあることは確か。

一方で、「人災」だと困るのが熱海市。
道義的責任は前の土地所有者である盛り土を行った不動産会社にありますが、
当然、彼らに支払い能力があるわけでもなく、
そうなると、長年この問題を放置する形になってしまった熱海市の責任になります。
復興だけでなく、住民への損害賠償まで背負わされてしまえば、
とんでもないことになるのは目に見えています。

結果として、政治的には人災を訴えつつも、
土石流自体は自然災害であるというスタンスで行くつもりなのでしょう。
まぁ、逆にこれだけの災害規模で「人災」と割り切るのも不可能な話で、
事実はどうあれ、最終的には激甚災害に指定されると思います。
されなかったら、政府に怒りが向くだけですからね。
何のための国の支援なんだという話になっちゃいます。

●支援物資いりません...熱海市が「苦渋の決断」 背景には何が?市が明かす被災地の現状
スーパーボランティアが断られたとニュースになっていましたが…
まだ生活再建段階に入っておらず、ボランティアも活動を始めていません。
先にも述べた通り、鉄道網は普通に通っているので、陸の孤島になっているわけでもなく、
同じ熱海市西部や周辺地域無事なので、物資が足りてないわけでもありません。
おそらく、報道の仕方だと思うのですが、被害現場しか映さないので、
どうしても大変なようなイメージができてしまいますが、避難時点での問題は少ない方です。

問題は復旧段階なわけで、個々の家の片づけは相当に難航しそうです。
各家庭に支援が行き渡るかどうか、そこが問題でしょう。


◆ニュースネタ 東京に再度の緊急事態宣言。首都圏の五輪は無観客試合へ
早めに出して胸を張るところじゃないんだよなぁ…
実際に先月の国会終盤の党首討論においても、
イギリス変異株の蔓延を招いた緊急事態宣言の解除について聞かれてますから…
結局、同じ過ちを繰り返してる辺りは、もうどうしようもないですよ…

●ワクチン供給不足で予約停止拡大 首相、自賛も見通せぬ混乱収束
相変わらずワクチンの供給が足りなくなっていることを説明しない。
よくそれでワクチン接種が進んでいることを誇りに思えるな。どういう神経の図太さ。
はっきり言って、ワクチンが実際に供給されている量を把握できるのは政府だけなんです。
各自治体は受け取った分しか分からず、
他の自治体の取り分や流通過程で消えてしまっている分は分かりませんから。
どうして不足しているのか。
十分な量を出しているのに届いていないとすれば、
それを横流ししている人もいるかもしれないので、ちゃんとした流通確認をして欲しいです。
当然、輸送ミス等もあるでしょう。
どうして供給不足に陥っているのか、政府にはそれを明らかにする責任があります。

ついでに言えば、政府のワクチン一辺倒の姿勢が今回の緊急事態宣言を招いてるんですよ。
「ワクチンを打てば感染しない」そういう時代錯誤的なことを言ってるからこうなる。
もう去年のコロナウイルスじゃないんですよ。
いい加減、新しい変異株に対応した対策を打ちませんか?
脅威を脅威だと報じさせず、ワクチン効果を過大評価するからこうなるんですよ。
ワクチンへの過信が今の緊張感の無さを招いているんです。

あとはもう菅(すが)総理は何を言っても無駄なことを知った方がいいです。
逆効果なんですよ。信頼できない人が言うから、ワクチンも信用できなくなる。
ワクチンへの信頼度を下げているのは、菅(すが)総理自身なんですよ…
国民からの信頼度の無さは、民主党政権時代の菅(かん)総理に似ています。
東日本大震災の原発対応で伝わる発言に国民は失望し、
党内からも閣内からも公然と批判が出る始末…
何を言っても信頼を取り戻せない、そういう所まで追い詰められているんですよ。
だから、そんな人が誇れば誇るほどに、信用でくなくなっていくんです。
もはや痛々しい状況になっていることを知るべきです。
菅(すが)総理のことを「菅(かん)総理」と呼び間違えた人は、預言者ですね(苦笑)

●繰り返される緊急事態宣言 それでも菅政権が五輪中止にできない理由とは?
いやー、それは違うんじゃないですかね…
まぁ、日本政府にそういう思い込みがあることは否定しませんが。
今、起こっているのは単純な『ディスコミュニケーション』だと思います。

選手を始めとする国外勢はオリンピックを開催するぐらいだから、
東京は『アンダーコントロール』、コロナが制御可能な範囲だと思ってる。
だから日本に来ても、そんな不自由な生活を強いられないと思っているし、
ボランティアやホテル等の宿泊所のスタッフはワクチン接種済みだと思ってる。
けれど逆に国内向けには選手はワクチン接種済みだから安心だと喧伝する。
両者が自分自身は安全でないのにも関わらず、
真ん中を挟み込む日本政府の発言によって相手は安全だと思い込んでいる。
それって非常に罪な状態じゃありませんか?
2人が顔を合わせれば、「ちゃんとしなかった相手が悪い」って言い合う状況でしょ?

結局は日本の交渉力の無さに尽きます。
秋への延期や1年延期を交渉で決められなかったのか。
実施は科学的にも不可能だと中止已む無しの姿勢を見せていれば、
交渉の余地はあったはずです。
それを日本は絶対に開催すると足元を見られたからこうなったんです。
結局は、自らの失政を隠すために五輪を開くだけなんですよ…
9月の自民党総裁選を乗り切ればそれでいいという実に短絡的な思考ですこと…

●喫煙所閉鎖、酒類提供制限で溢れる人たち 五輪突入で渋谷・新宿は無法地帯になる
一言で言えば、今の世の中に蔓延しているのは「不公平感」なんですよ…
一般の人達はコロナ禍でスポーツをするのも憚れるのに、五輪開催と言う。
アスリートのために五輪開催は我慢すると思えても、
無観客なのにIOC貴族達は普通に会場入りすると言う。
ワクチン接種を進めると言いつつも、届かないワクチン・届かない接種券。
会食の禁止・酒類の提供自粛と言いつつ、政治家や官僚は平気で会食してる事実。
みんな彼らは一様に「感染対策はしてる」と言う。
多くの国民は感染対策をしつつ自粛しているのに、逆撫ですることを平気で言う。

そりゃ国民の反発を喰らうのも、五輪に反対する人が多いのも当たり前でしょ。
誰も国民に寄り添って発言してないんだから、「不公平感」が消えません。
五輪だけ特別なのか? 政治家だけが特別なのか?
コロナよりも深刻なのが安倍政権から続く「不公平感」なんですよ。
それが政治不信に繋がっているんです。そこにどうして気付かないのか。鈍感すぎる。


◆プロ野球ネタ 西武・松坂大輔投手が引退を決意
●西武・松坂引退の理由 消えた右手中指の感覚に“恐怖” 首の手術から1年 崩れた復帰の見通し
●「松坂大輔」が引退 アスリートであり続けられなかった野球人生
コロナ禍で野球に興味を失った自分でも、このニュースは来るものがありますね…
松坂投手がイチロー選手らのようなアスリートであったかと言えば、
やっぱり違うとは思います。
でも、どんなに辛い時でも、誰よりも野球を楽しんでいた、
永遠の野球少年だったのが「松坂大輔」投手だったように思います。

松坂投手よりも完璧な投手なんて、正直いくらでもいると思います。
ダルビッシュ投手や田中将大投手は安定感で言えば松坂投手より上ですし、
最終的なキャリアも松坂投手よりも上を行くと思います。
だけど、投手と打者の名勝負という観点で言えば、
日本球界において松坂投手が最後の存在だったように思えます。
それも一人じゃない。
イチロー・中村紀洋・松中信彦や城島健司らホークス打線・巨人移籍後の清原和博…
勝っても負けても絵になる男、それが「松坂大輔」でした。
常に相手と最高のポテンシャルで対決する、
そういう見所の多さが「松坂大輔」のピッチングの最大の魅力だったと思います。

それもこれも彼自身が野球を最高に楽しんでいたからでしょう。
晩年は怪我に苦しみましたが、それを表に出そうとはせず、
怪我をしていても投げる方法を常に模索し続け、それでも野球を楽しもうとしていました。
現時点で松坂投手が野球を楽しめているのかは分かりません。
だけど、いつか松坂自身が野球を楽しめている姿を見せてくれれば、
見ている私達もきっと最高に野球を楽しめるように思えます。

松坂がまた帰ってくるとき、野球の楽しさも戻ってくるでしょう。
自分はそう確信しています。
どうやら私生活にも影響を与えている状態のようなので、
それをしっかりと癒し、笑顔でまた野球をしている姿を見せて欲しいですね。

2021年07月05日

安否不明20人⇒147人⇒113人⇒80人

簡単に言うと、これが昨晩からの大きな動きです…
いや…さぁ…混乱状態で正確な数字を計れないのは分かるのよ…
だけどさ、昨日の時点で静岡県や国と被害状況の報告はしてるわけですよね?
それなのに、「行方が分からないと連絡のあった20人」しか数えてなかったって…
あれだけの被害が出たのなら、戸籍と照らし合わせて無事な人を引いていくべきでしょ…
これではまるで敢えて過少申告しておき、
被害を少なかったと見せかけたように思えちゃいますよ…

●静岡知事、土石流と発生源付近の宅地造成「因果関係を検証していく」
4日夜の時点で500人以上が避難とは…
住民基本台帳に記載されているのは215人ですから、
観光客や従業員として避難していた人も含む感じでしょうか?
それでも4日朝には新幹線が、夕方には在来線も復旧してますから、
電気ガス水道に支障を来すなど自主避難している人が相当数いるんですかね。
一番の問題は土石流にあった宿や別荘に泊まっていた観光客ですよね…
これはもう下手すると存在を確認できないだけに、
熱海に観光に出かけた知り合いが居るなら、確認した方が良さそうです。

●【速報中】土砂から発見、1人の死亡確認 捜索続く
不明者の情報公開に関しては、致し方なしと考えます。
それもなるべく早く、迅速にやって欲しいですね。
5日は朝方に雨が残っていましたが、比較的小雨でしたから、
捜索活動は昨日までと比べれば捗ったと思いますが、
7日以降はまた雨続き…二次被害が出ないことを祈りたいです。


◆ニュースネタ 東京都議会議員選挙の結果
●自民33、都民ファ31で拮抗 都議選、自公過半数届かず
自民党が第一党に返り咲くも、公明党を合わせても過半数ならず。
都民ファーストは第二党に転落するも、キャスティングボードを握り続ける。
立憲民主党は共産党との選挙協力で議席倍増するも、批判票を受け止めきれず。
●都議選、投票率は42.39% 過去2番目の低さ
投票率が上がらなかった原因は、受け皿不足なのかコロナへの警戒感なのか。
いずれにせよ、勝者なき都議選の結果だったと思います。

●自民、衆院選へ危機感 コロナ・五輪対応に反発 菅首相「選挙の顔」不安も・都議選
有権者の立場からすれば、菅総理と小池都知事の人気投票、
いや、正確に言うならば、「不人気投票」を行った感じですかね。
結果的に言えば、「小池都知事の方がまだマシ」と判定されたわけで、
菅総理の人気の無さが如実に表れたように思います。

どうでしょ…これが都議選が始まる前だったら、自公で過半数行ってたかもしれません。
この2週間で東京のコロナ感染状況がはっきりと悪化し、
頼みのワクチンも供給不足が指摘され、無観客試合を考慮せざるを得なくなるなど、
政府の失政が自民党のイメージ低下に繋がった面は否めません。
そこを当初から「無観客試合」を主張した都民ファーストが心を掴み、
政府自民党が「無観客試合」にブレることによって、
逆に都民ファーストの正当性が強化された面は否めません。
自民党が日和って「無観客試合」を言い出したのは、選挙戦略的に失敗でしょう。

候補者の立場からすれば、「小池マジック」は正確な表現ではないと思われます。
おそらく自民党も、都民ファーストさえも「女狐め」と思ってることでしょう(笑)
今回、小池都知事は都民ファーストを切り捨てるつもりだったと思います。
公示前から一歩引いていたのは、都民ファーストが敗れた際に自公で都政を切り盛りするため。
しかし、1週間ほど経って、都民ファーストが善戦しているという世論調査が出ると、
最終日になって都民ファーストの応援に駆け付けるなど、
「勝ち馬」に乗った感があります。
勿論、有権者から見れば、都民ファーストは小池都知事の党という印象があるので、
小池都知事を支持する層の票を集めたのは間違いありませんが、
むしろ、勝因は早い段階で「五輪の無観客試合」を訴えて有権者にアピールし、
自民党支持層の政権批判票を取り込むことで善戦を繰り広げ、
小池都知事を引っ張り込むことに成功したというのが正確な所でしょう。
都民ファーストが五輪開催を不安に思う人々を上手く味方に付けたように思えます。

選挙前は、最悪の場合、一桁台に転落すると目されてた都民ファーストが善戦、
自民党と拮抗する力を見せましたが、第一党を逃したのはやっぱり痛手。
今後の問題は議会多数派をどうやって構成するのか?
自民党は公明党を合わせても過半数に届かず。都民ファーストと組むしかありません。
逆に都民ファーストは自公以外にも共産・立憲民主と組むこともできます。
普通に考えれば、自公と都民ファーストで組むのでしょうが、
そうなると議会の2/3以上を固めることになってしまい、議会軽視に繋がりかねず、
内部での主導権争いが激化してしまうことになります。
そういう意味では、却って都議会は政治的不安定要因が増したと言えます。
菅総理に対して力を見せつける形になった小池都知事ですが、
議会運営に関しては自公と都民ファーストの双方の顔を立てねばならず、
頭を悩ませる機会が多くなりそうな雰囲気です。


一方の共産党と立憲民主党の野党勢力は都議会で一定の勢力を得たものの、
都民ファーストを上回れなかったという意味では、
政権批判票を十分に取り込めなかったと言えると思います。
都民ファーストと比べると、はっきりとした政策を打ち出せなかったのが痛手です。
支持母体である連合に配慮する余りに、選挙後の共産党との関係をどうするのか、
消費税減税や脱原発など、玉虫色な発言が目立っているので、
政権与党になる気概で、どういう政策を実現するのかをはっきり打ち出して欲しいです。
それによって連合が分裂することになっても構わないでしょう。
それよりも国民の方をもっと向くべき。いつまでも連合ばかり見ていてはダメです。
野党のままでは消費税減税はできないという気弱なことは言わずに、
与党になって消費税減税を果たすという気概を見せて欲しいです。



◆ニュースネタ 安倍さんの「反日的」発言、批判に向き合えない〝未成熟〟な日本 せっかくの忠告にも「おまえがおかしい」

安倍氏の発言に関しては、もう取り上げる意味もないんですけど…
以前も書いた通り、今の右翼は「敵が分析できていない」ので、
⇒「敵が分からない」⇒「反対する奴はみんな敵」
=「五輪に反対する奴は反日的」という思考回路を辿るわけです。
もうここまでいくと『陰謀論』と同じ。
敵が分かんないから、とりあえず『陰謀』にしとけ的な。
だから、五輪に反対する輩は反日の陰謀だと思ってるんですよ、右翼の頭の中では。

加えて今の自民党に言えるのは、二世三世議員のお坊ちゃんが多過ぎること。
人生を忖度されて生きてきたから、反発されることに慣れていない。
だから忠告であっても素直に聞けず、反対してると錯覚して反発してしまう。
まぁ、要はマインドがガキなんですけどね…
苦労を知らないから他人に優しくなれない。
順調な人に弱者の気持ちは分かりませんからね。努力が足りないだけと思ってるだけ。
だからこそ国民の気持ちが分からないし、分かろうともしない。
どうしようもないんです、こんな議員いても意味ないんですよ、本当に…

政治とは、個人の問題を社会の問題と考えることです。
努力が足りない=自助が足りないと考える政治家は政治をやる意味がないのよ。
自助でどうしようもない問題を解決するのが政治でしょうに。
そんな人達は政治家でもなんでもないよ。税金ドロボーって言うんですよ。


◆時間ネタ 夢と時間(ネタバレあり)
先日、アニメの『STEINS;GATE』の話をしたので、
自分の時間に対する見解を述べておこうと思います。
前回に引き続いての内容なので、『STEINS;GATE』のネタバレ注意ということでお願いします。

(以下、ネタバレあり)

先日も書いたように、岡部の「リーディング・シュタイナー」は、
世界線を超える能力ではなく、世界線を視る能力と定義しました。
「世界線を視る能力」というのは、それほど珍しいものではないでしょう。

なぜなら、私達は日常的に世界線を視ているからです。
例えば、『夢』は典型的な世界線を視る行為でしょう。
『夢』は記憶の整理だと言いますが、記憶の整理とはどういう意味ですか?
自分が記憶しているもので、自分の意思とは無関係に世界を作り、
現実と同じように世界が進展していく、
それは他の世界線に外ならないものではないですか。
私達は無意識的に他の世界線を視ているわけです。

高度なシミュレーションによるイメージトレーニングも、
もはや他の世界線を視ているのと同様の行為ですし、
単純に創作活動だって他の世界線を作り出す行為です。
そこにどの程度のリアルさを求めるかは個人差によりますが、
行為自体は似たようなことをしているわけです。


『時間』の概念で言えば、単純な尺度だと思っています。
縦・横・奥行で3次元が形作られますが、そこに時間という尺度があるだけ。
ですから時間もまた簡単にずらすことができ、
同時並行的に過去・現在・未来が存在していると考えています。
よって、タイムマシンは意味がないと思っています。
仮にタイムマシンによって過去改変が行われたとしても、
人一人の動向が世界そのものを変えるとは到底に思えず、
例えばリーダーが死ねばサブリーダーが後を継ぐだけで、
実行者や実行スピードに多少差が出たとしても、大枠としては世界は変化せず、
過去改変されたとしても、その影響で他も改変される結果、
未来はほとんど変わらないぐらいに修正されると考えています。
人間一人で世界が変わるわけではなく、全体意思として世界は変わってゆく感じですね。
救世主なんて存在しないし、大事なのは救世主を仰いで支えていく人達の意思の方が重要でしょう。


そういう意味では、現実が大きく変化する『STEINS;GATE』よりも、
結局、過去改変に成功しない『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』の方が、
時間概念的には自分の意見に合致する感じです。
それがそのまま評価に繋がっている面は否めませんね。
まぁ、だからこそ時間改変モノってあまり刺さらないんですよ…好きなんだけど。

2021年07月04日

熱海で土石流が発生

7月3日の11時前に熱海市伊豆山で大規模な土石流が発生。
100世帯以上を巻き込み、海岸まで達する大規模なものとなりました。
執筆時点で19人が救出されたそうですが、
まだ20人程と連絡が取れていないようです(救出者との重複はあるかも)。

個人的にも近隣の市の出来事だけに、ショックですねぇ…
新幹線を含めて公共交通機関が完全に止まったので、熱海には行きませんでしたが、
電車や新幹線が直接的に被害は出なかったようですが、色々と大変だったでしょう…
なによりも被害に遭われた方に同情を申し上げ、
安否の分からない方のいち早い発見を祈りたいです。

●熱海 土石流 動画分析からみる被害範囲は
既に映像をご覧の方も多いと思いますが、特徴的な赤い建物が丸越酒店さんですね。
この地図の一番左の場所です。
そこから海に向かってズズズーッと…
グーグルマップ等では集落が並んでいるだけにゾッとします…
ここら辺の線路は高架かトンネルが多いので、
それほど影響は出ていないとは思いますが、
国道135号線を含めて広い被害が予想されます。

●熱海で土石流 市から「避難指示」なく 識者「想定外ではない」
七夕豪雨や西日本豪雨など、この時期は豪雨災害が多いと報道もありましたが、
まさか自分達の近くでこれほどの災害が起こるとは正直思ってもいませんでした。
熱海は海と山に囲まれた場所なので、こうなる可能性は高かったとは思いますが、
実際に起こると、「まさか…」という気持ちではありますね…

避難勧告がなくなって避難指示に一本化された時にも思ったのですが、
自治体にとって「避難指示」はかなりの精神的負担だと予想できます。
避難指示は「もう避難しろ」ということですから。
避難勧告は出せても、避難指示を出し渋る自治体は当然あるでしょう。
言わば、利用者である市民の立場を考慮し過ぎて、
逆に発令者の立場を考慮しなさ過ぎた面があると思います。
災害の恐れがある時に、さっと「避難指示」を出せるかどうか。
市民との信頼関係が重要になってくるだけに、
自治体の責任はかなり重くなっているように思えます。


●東海・関東 ピーク過ぎても続く雨 新たな災害発生のおそれも

もっとも、これで終わったとは限らず、4日の今日も雨は降り続いています。
予報では明日の午前中まで雨。5日間も雨が降り続いていることになります。
6日辺りに雨が止んで完走しだした時に再度崩れる可能性もありますから、
これ以上の被害を出さないように慎重に対処して欲しく思います。

●熱海の土石流「山林開発の影響あると思う」 現場を見た静岡副知事
起点に「盛り土」があったことは確かな模様ですが、
噂になってるメガソーラーの話は正直聞いたことがありません。
現在、伊豆半島でいくつかメガソーラーの計画が問題になっていますが、
一番地元住民が反対しているのが伊豆半島の南・伊東市のメガソーラー計画で、
熱海にそういう計画があるかどうかは知りません。
今回の話で函南にもそういう話があるとは聞きましたが、
函南は熱海より西方面であって、東寄りの伊豆山は湯河原方面です。

政治的には川勝知事がつい先日に環境保全をテーマに知事選を戦って勝利したので、
他のメガソーラーの計画と共に、環境問題全般の話として取り上げたのでしょうが、
それが独り歩きして正確な情報が流れていないようにも思えます。
いや、本当に計画があるのかもしれんからデマとは言い切れんけど。


◆ニュースネタ 想定超えの職域接種、政府板挟みに…企業は早期再開要請・自治体はしわ寄せ懸念
職域接種になると、もう自治体の接種券が意味なくなりますから、
接種状況のチェックは確実に行えているんでしょうか?
大規模接種と自治体接種、職域接種とそれぞれが連携していないのが一番の問題のような…

政府の本音としては、職域接種は接種拡大の起爆剤になるものの、
2回目の接種の副反応で強い倦怠感が出てしまうため、
一斉に打つと仕事にならなくなりますから、やはり本命ではないのでしょう。
逆に企業の立場から言えば、バラバラに休むよりもワクチン休暇として会社を休みにした方がいいし、
休業要請等で仕事にならない飲食業界等は休める時に打っておきたいという事情もあるでしょう。
そこら辺のニーズを政府は正しく把握できなかったということでしょうね。

●ワクチンに「全て懸ける」 菅首相
「7月中になんとかなる」って本気か? ワクチン供給の目途は立ったの?
ウチの自治体はワクチン供給量が不確かで接種予約が止まってますけど…
どうせ受けられなかった人は「希望しなかった」って言うんでしょ?
まぁ、しかし、現状ワクチンは特効薬と同じような形になってるような…
ワクチン接種してても感染する、症状緩和が期待できるって、それ特効薬やん。
むしろ、そちらの開発に力を入れるべきでは?


◆ニュースネタ 五輪目前、再宣言不可避の見方 政府など無観客含め調整へ 酒の扱い難航も

まぁ、予想通りと言うか…イギリス変異株の時と全く同じ流れでしょ、これ。
同じことを二度繰り返す奴を「無能」と言う。無能だよ、政府。

今の流れとしては、来週末か再来週の頭に「緊急事態宣言」を出し、
五輪は「無観客試合」を決定、やるべきことはやったということで五輪開幕、
しかし、市井は感染者に溢れ、選手村でも感染が起こって大パニック。
無理矢理に五輪を続けるも、パラリンピックはできませんで終了という予測。

飲食店に関して言えば、可哀そうではありますが、
一昨年の消費税増税と軽減税率を導入した時点で、ある程度確定した未来なわけで、
コロナ禍でそれが早まっただけとも言えます。
コロナが沈静化したとしても、飲み二ケーションが復活するわけでも、
酒が好きでもない人が無理矢理飲まされるわけでもありません。
大きな目で見れば、脱飲酒の流れは今後も止まらないでしょう。
業種転換を含めて考える時期が来ているように思います。
今なら高齢者向け宅配食事サービスや出張食事サービスが伸びていくでしょうから、
飲食業界経験者が必要になる場面は多いと思われます。
この際、脱アルコールで商売を考えるのも手でしょう。


◆ニュースネタ 最低賃金維持を主張 宿泊・飲食、経営厳しく 中小企業団体
●「最低賃金1178円」が国際的に見た常識的な水準だ コロナを「言い訳」にしてはならない4つの理由
単純に言えば、「消費してくれる人は誰?」ってことです。
外国人やお金持ちだと思っているなら、賃金据え置きでいいと思いますが、
今のように国内市場のみに限定される状況では、
労働者にお金を使ってもらえる環境を作ることが大事です。
だからこそ最低賃金を上げるんですよ。

要は自分の会社で作ったものを好んで自分の会社の労働者が買わない企業はダメなんですよ。
自分の会社の労働者に買わせるんじゃありません。客としても買ってもらうんだよ。
それができない会社は生き残れません。それが真理。

そして、賃金を据え置く企業はもう選ばれません。
賃金維持を主張してもいいけど、誰も働こうと思いませんよ。
結果として、あなた達は外国人労働者を呼ぼうと叫ぶのでしょう?
言葉の壁と従業員教育に悩み、社会的責任を放棄して外国人労働者を切り捨てる。
そんな企業が伸びるわけないでしょ。自転車操業でぶっ倒れるだけなんですわ。


◆アニメの話 『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』
AbemaTVで放送されていたので、見てみました。
見ていて面白かったけれど、理解が追いつかないというか…納得いかなかったですね。
構図は面白いんだけれど、個人的に設定の詰めの甘さが残ってる感じはしました。

(以下、作品の重大なネタバレあり。見てない人は要注意)

不満点は幾つかありますが…自分の頭を整理するためにも最初に列挙しときます。
 ①「始まり」はどこにあるのか?
 ②「リーディング・シュタイナー」の能力への違和感
 ③「Dメール」の荒唐無稽さ。なぜ解決法が「Dメール」の取り消しなのか?
 ④唐突な「タイムリープ」の登場
 ⑤紅莉栖はともかくとして、まゆりの死が決定づけられてるのはなぜか?
 ⑥「終わり」はどこにあるのか?
ざっと思いつくだけでも、これだけありますね…

本作品の最大のポイントは、①「始まり」と「終わり」はどこにあるのか?、です。
多くの人が疑問に思うのは、「始まり」でしょう。
世界線が変化する前の世界は一体どこにあるのか?
初見ではアニメ第1話が「始まり」に思えますが、実際はアニメ第24話の舞台でもあります。
第1話にしてタイムマシンと鈴羽らしき人物を見ていますし、
特徴的な岡部の叫び声も第1話から聞くことができます。
初めは失敗した世界線=第23話の方かと思ったのですが、
叫び声の後に押し殺すような苦悶する声が聞こえ、
これは第24話で岡部自身が傷口を広げて出血させる際の声と一致しています。
つまり、第1話は「始まり」の世界線にして、第24話の「終わり」の世界線になります。

そうなると、本当に「シュタインズ・ゲート」に到達できたのか途端に怪しくなります。
客観的な世界線としては、α世界線=まゆりが死ぬ世界線と同じなわけです。
そもそも、第1話にしても紅莉栖が実際に刺されたかどうか、死んだかどうかは不明で、
これが第24話の世界線と同じなら、紅莉栖は実際には刺されていないことになります。
つまり、作中で紅莉栖が死ぬ世界線は本来どこにもないはずですが、
第23話で鈴葉は紅莉栖が死んだ世界線から来ているという、矛盾が生じます。


これがそもそもの②岡部の「リーディング・シュタイナー」への違和感に繋がります。
果たして本当にその能力で世界線を越えているのか?
岡部の体験は客観的事実なのか、単なる妄想なのか。
実はこの解釈がこの作品の評価を左右する点だと思っています。
結論として自分は、岡部の妄想であると思っています。

なぜなら③「Dメール」の内容があまりに荒唐無稽だからです。
もし本当に、アニメで描かれていない本当の「始まり」が岡部のメールであるならば、
「紅莉栖が何者かに刺されたらしい」というメールを送った所で、
紅莉栖が生存する世界線が生まれるわけありません。
助けるのは、あくまで未来から来た岡部なわけですから。
その時点でメールを送るだけで誰かが紅莉栖を助けてくれるわけではありません。
また、作中でも言ってますが、ルカ子の母親にポケベルを送るのも荒唐無稽すぎます。
野菜を食べれば女の子が生まれるって…そんな民間信仰レベルで変化するわけ(苦笑)
また、解決法に関しても、要はIBN5100を取り戻せばいいわけですから、
フェアリスの父親に死んでもらう必要はなく、誘拐事件そのものを防げばいい話、
一見関係なさそうなルカ子をどうして戻す必要があるのかと言えば、
女の子時に壊したせいだという不自然さ(男の子だと壊さないのかよ)、
萌郁に関して言えば、萌郁の送ったメールは「IBN5100は神社にある」だったのに、
それが最終的には「IBN5100の捜索自体を打ち切る」という不思議さ。
萌郁はそう思ったとしても、FBに捜索を諦めさせたわけではないのだから、
それ自体で世界線が変化するのかという疑問がります。

そして唐突に思える④「タイムリープ」の成功です。
ストーリー序盤で電話レンジが飛ばせる文字数が決まっており、
それ以上の情報を送ろうとするとゼリー状になってしまうのに、
ストーリー中盤からは岡部の記憶を簡単に飛ばせるようになっています。
セレンが長年かかっても解決できなかった問題をどうやって紅莉栖は解決したのか?
タイムリープ時には紅莉栖が必ずしも作業に専ら従事してなくても完成しますし、
これだけ難解な作業をどうやって毎回無事に完成させているのか分かりません。

そして最大の謎が⑤「まゆりの死」です。
タイムマシン理論の生みの親である紅莉栖の生死で世界線が変わるのは分かりますが、
まゆりが死んだところで世界に劇的な変化をもたらすわけではありません。
あくまで岡部にとって悲しいだけの出来事です。
まゆりが死ぬことで世界のターニングポイントを迎えるわけではないですし、
別に未来から来た鈴葉がまゆりの死を防ぐために行動するわけでもありません。
未来の世界にとって、まゆりはただの一人の人間に過ぎないわけです。
また、ラウンダーにとってもFBにとっても、まゆりを殺すことは無意味です。
そんなことする暇があるなら、電話レンジとダルのPCを確保するべきですし、
まゆりを人質にすれば、スムーズにその作業ができます。
つまり、誰もまゆりを殺す必要なんてないんです。
まゆりは世界にとって重要なわけではなく、あくまで岡部にとって重要なだけです。


以上のことから、岡部のDメールからタイムリープの件は非科学的です。
これは「実際にあったこと」と考えると不可思議すぎるので、
むしろ「岡部の妄想・白昼夢」と考えた方がスッキリします。
どうして「まゆりの死」が終着点になるのか。
それは岡部にとってまゆりが重要だからに他なりません。
逆に言えば、まゆりと同じくらい重要な存在=紅莉栖ができたことで、
岡部の妄想・白昼夢は終わりを迎えられたと考える方がスッキリします。


ここまで考えた所で、①「始まり」と⑥「終わり」について考え直してみます。
作中の岡部のDメールやリーディングシュタイナーの能力を全て排除すると、
結果的に残る客観的事実は、「鈴葉のタイムマシンの到着」です。
第1話もメールを送った直後に鈴葉のタイムマシンが不時着しており、
世界線を変えたのは、岡部のDメールというよりは鈴葉のタイムマシンの方でしょ。
岡部のタイムマシン理論を作ったジョン・タイターの正体も鈴葉でしたし、
岡部が世界を変えているというよりは、鈴葉がキーマンと考えた方がしっくりきます。

1回目の鈴葉は紅莉栖が生きている世界線
=セレンがタイムマシンを独占する未来から来ていて、
IBN5100の奪取を目的とするも、途中下車で父親を捜しに来ています。
最終的にタイムマシンオフ会の日に鈴葉は過去へ遡り、
無事にIBN5100を神社に預けることに成功し、病気で一生を終えます。
2回目の鈴葉は紅莉栖が死んだ世界線
=タイムマシン開発競争の第三次世界大戦の未来から来ていて、
実はこの世界線は1回目の時間跳躍で岡部が失敗する時しか発生していません。
つまり、タイムパラドックスが発生しているということか?

そもそも①「始まり」で紅莉栖が生きてるのか、死んでいるのかは判断できません。
作中では全く描かれていないからです。
最初だと思った第1話も実際には第24話でしかなく、未来の岡部が助けています。
すると、紅莉栖は本来なら死んでいたんですかね?
そうなると1回目の未来の鈴葉(紅莉栖が生きている世界)は、
実は2回目であって、先に来たのは後の方なのか?
整理し直すと、シュタゲゼロの鈴葉β(1回目紅莉栖が死んだ未来)、
シュタゲの鈴葉β(2回目紅莉栖が死んだ未来)⇒1回目TRUE
シュタゲの鈴葉α(1回目紅莉栖が生きた未来)、鈴葉β(2回目死んだ未来)となり、
最低でも2回以上ループしていることになっちゃいます。
鈴葉αは元の世界に戻れないので、紅莉栖を助けられずに紅莉栖が死ぬ。
結果として鈴葉βがまた来る。エンドレスになります。

逆に、紅莉栖が、未来の岡部が何もしなくても、生きていると仮定します。
1回目の鈴葉αの来訪に矛盾はありませんが、
2回目の鈴葉βの来訪は、鈴葉αの過去改変によって紅莉栖が死ぬことが必要です。
鈴葉αの過去改変で考えられるのは、鈴葉αがFBの恩人であること。
FBの変化が分からないので想像するしかありませんが、
家を持てて生活が安定したことを考えると、娘の絢の養育環境に影響を及ぼし、
FB自らの行動が大幅に制限されたことで、
結果としてラウンダーの活動が活発化・暴走を招いた可能性があります。
作中の萌郁とラウンダーによる襲撃事件も、
場所的にも、絢とまゆりの関係性から、FBの指示ではない可能性が高いので、
同じようにラウンダーが暴走して紅莉栖を殺した可能性も考えられるでしょう
(もっとも、ここまでいくと考察ではなく、妄想の域でしかありませんが)。


他に手がかりを探すと、ジョンタイターと中鉢博士の会見の差異があります。
まゆりが死ぬα世界線では、中鉢博士の会見は行われず、紅莉栖も生存している。
紅莉栖は中鉢博士の会見を見に行ったのですから、当然です。
どうして中鉢博士の会見が中止になるかと言えば、
α世界線ではジョンタイターが2000年にネット掲示板に書き込みをしないから。
ジョンタイターの正体は鈴葉αなので、
彼女がタイムスリップする前、もしくは
または未完成のままだと記憶喪失・錯乱するので、ジョンタイターは現れません。
紅莉栖が死ぬβ世界線では、中鉢博士の会見は行われるので、
ジョンタイターは存在する=鈴葉αが任務を達成していることになります。

この観点から整理し直すと、
(α世界線)=紅莉栖が生存する世界
⇒鈴葉αが未完成タイムマシンで落下
⇒鈴葉αが任務を達成する
⇒死に際の2000年にジョンタイターとしてタイムマシン理論を発表
⇒β世界線の発生
(β世界線)=紅莉栖が死んでタイムマシン開発競争が始まる世界
⇒ジョンタイターの理論に従って中鉢博士が会見を行う
⇒色々あって紅莉栖が死ぬ。中鉢博士がロシアに亡命する
⇒鈴葉βと岡部が任務を達成する
⇒シュタインズ・ゲートの世界線発生
うん、こっちの方がスッキリして分かりやすいですね。

結論から言えば、世界線の変化は岡部ではなく、鈴葉のタイムスリップが原因です。
とりわけ大きいのが彼女こそがジョンタイターであること。
要は、彼女がタイムマシン理論を広めない限り、
タイムマシンが完成しないというタイムパラドックスになっています。
また、ジョンタイターがタイムマシン理論を発表することで、
中鉢博士がそれに便乗した記者会見を開くため、紅莉栖が殺されることになります。
犯人は中鉢博士なのか、岡部なのか、ラウンダーのような第三者と色々でしょう。
いずれにせよ、そのせいでタイムマシン理論が世界中に広まり、
鈴葉βが未来からやってくることになるわけです。

よって、①「始まり」はやはり第1話で正しく、鈴葉αのタイムスリップが原因です。
⑥「終わり」は第1話のα世界線ではなく、やはり新しい世界線でしょう。
α世界線とβ世界線をループし続けるのかと思いましたが、
新しい世界線は鈴葉αの歴史改変が前提となるので、α世界線に戻るわけではないでしょう。
世界線の移動は、α⇒β⇒シュタインズ・ゲートで合っています。


まとめますと、主人公の岡部はキーパーソンではありますが、
彼が直接歴史改変をしているわけではありません。
中心にいるのは鈴葉で、鈴葉の歴史改変が世界線に影響を与えていると見るべきです。
あくまで岡部はただの「観測者」に過ぎず、実行者は鈴葉なわけです。
ですから、物語中盤のDメールやタイムリープの件は、
岡部が他の世界線を視たに過ぎず、実際に歴史改変したわけではありません。
あくまで岡部の認識として、世界を「そう視てる」に過ぎないわけです。
どうして岡部が世界線を視ているのか、観測者から逃れられないのかは情報不足です。
岡部にとってのキーマンは、「まゆり」と「紅莉栖」なのは間違いなく、
岡部の世界の始まりは「まゆり」であり、
「まゆり」は「既に故人」もしくは「死因不明の死亡(岡部は死因を知らない)」のため、
岡部は心を閉ざしており、そこから脱却できないし、まゆりは毎回死ぬ世界を視ています。
岡部の世界の終わりは「紅莉栖」なのは間違いなく、
「まゆり」よりも「紅莉栖」が勝った時に、岡部の世界は終わりを告げるのでしょう。
岡部の再生が鈴葉αとの関係性・ミッションの成功に影響してβ世界線へ移動すると見ます。

言い方は酷いですが、物語の大半は岡部の内面世界での葛藤になってしまうので、
やはり時間移動モノとしての魅力は半減してしまいます。
作中でも「まゆり」の存在は視聴者にとって曖昧であり、
なぜ懐中時計が必ず止まるのかも分からず、岡部にとっての大切さが伝わりません。
そういう意味では中盤の件は視聴者を混乱させただけのようにも思えます。

物語をどの視点で追うのかは物語を読む上で非常に重要です。
わりと古典的な手法である「語り部」の問題が本作の分かり辛さに繋がった気がします。
さして重要な人物ではないのに、自分を重要な人物に見せた岡部の語り部の問題が、
本作品の難解さに繋がっていると同時に、それが面白さにも繋がったのかもしれません。
無駄なストーリーこそ面白いものよ。
無駄なくなったら理論チックで楽しくないでしょ。
そういう意味ではエンターテイメントとしては成功した部類だと思いますね。

2021年07月02日

ワクチン不足

つい最近まで、ワクチンが潤沢にあるから職域接種を認めるとか言っていたものが…
●明石市長が激白「ワクチン寄こせ」と西村大臣に直談判もゼロ回答 「利権化し、官邸が恣意的に運用」〈dot.〉
●吉村知事「宣言地域にワクチン優先を」 河野大臣に要望
一応、整理しておきますと、自衛隊の大規模接種や職域接種はモデルナ製ワクチン、
地方自治体の接種はファイザー製のワクチンと、使うワクチンが異なっています。
大規模接種会場の空きが多くなったので、職域接種も進めるという発想は分かりますし、
申し込みが多くなり過ぎて供給量が足りなくなったという話も分からなくもないですが、
ファイザー製のワクチンはこれと無関係なので不足するわけがありません。
誰かが計算を間違えていたとしか思えないわけです。

推測するに、トップに報告されていたのは、
「ファイザー+モデルナ+アストラゼネカ」の3社を足したものだったのではないでしょうか。
3社を合わせた分で国民の2回接種する分を確保できたに過ぎず、
結果的に伝達するうちに課題報告になり、
それぞれが国民全員分あると勘違いした可能性があります。
このうち、アストラゼネカ製は日本でも承認されたものの使用実績はなく、
台湾を始め外国の支援用に回されましたし、
モデルナ製は製造から半年の使用期限があり、
ファイザー製は温度・衝撃に弱く、扱いずらい。
おそらく、輸入した量と実際に使用した量が合っていない、
相当数の無駄が生じている可能性もあります。

結局、何が原因かと言えば、菅総理が数字を出して急がせたせいです。
計画が発表された時点で批判しましたが、このやり方は共産主義なんですよ。
数値目標を決めて、そこに目指して全体で頑張る。
だけど、その数値目標が非現実的な数字である余りに、
不正が横行し、改ざんへと手を染めだす。
それが共産主義の末路です。それと同じことをやってるんですよ。
自民党は共産党を批判しますが、共産主義のやり方をしてるのは自民党の方なんですわ。

それと吉村知事の宣言地域に優先してワクチンを供給するのは構わないと思いますが、
しかし、それだと接種が遅れている地域は一向にワクチン接種が進まないことになります。
なぜなら、政府はワクチン接種を進めている自治体に優先して配分しているからです。
先の記事の懸念ではありませんが、静岡県の接種が遅れているのは、
周辺自治体と比べて感染状況が穏やかなのもありますが、
川勝知事が続投になったことで意地悪されているのではという危惧は消えません。
自民党系の知事の方を優遇しているのでは、という疑いは消えないわけです。
別に宣言地域を優先しても構わないんです。そういう政府の方針として決めているならば。
問題はその決定作業が不透明で、疑念に駆られてしまうことです。
どういう基準で、どうやって配分しているのか、それを明確にしないから、
各自治体が疑心暗鬼になってしまうんです。
完全な公平がありえないことは私達も知っています。
だから「基準」が必要なんですよ。
「基準」に基づいて公平に分配してますという「基準」が。


◆ニュースネタ PCR検査の是非~なぜ飲食店だけが規制されるのか?~
感染当初にPCR検査は必要ないと声高に騒いでいたせいか知りませんが、
未だにPCR検査の有用性を否定する輩がいます。

確かに、PCR検査は個人レベルで見れば、何の意味もありません。
「陰性証明書」を出したとしても、検査時の状態をチェックしたに過ぎず、
その後に感染した可能性や潜伏期にあった可能性を否定できず、
陰性だから安心というわけでもありません。
中には検査する口粘膜をイソジンで洗い流せば問題ないという、
検査逃れにも繋がりかねない馬鹿な発言をした知事もいましたしね…
逆に陽性だからといって必ずしも重症化するというわけでもなく、
軽症者も隔離する必要もあります(新型コロナにおいては結果的に正解ですが)。
ただ、政治レベルで見れば、PCR検査の結果というのは非常に重要です。

まず、感染症対策の基本は「患者の隔離」です。
そのためには誰が患者か知らねばならず、それを確認するのがPCR検査です。
ですから、感染初期においてPCR検査は非常に有効です。
しかし、日本は新型コロナを侮り、中国からの渡航禁止措置等の水際対策が遅れただけでなく、
PCR検査の拡充にも消極的で、初期対応を大きく誤りました。
これに関しては皆さんもご存知の通りでしょう。

次に、「敵を知り己を知らば百戦危うからず」と言うように、「ウイルスの情報」です。
新型コロナウイルスがどうやって感染しているのか、
感染力の強さはどの程度なのか、どこを重点的に対策すればいいのか、
そのために必要となるのがPCR検査の結果です。
どこで感染が発生し、どう感染していったかが掴めるので、
個人レベルでは小さな情報でしかないPCR検査でも、全体としては大きな情報になります。
感染初期にあったダイヤモンドプリンセス号の事件は、
新型コロナ対策の難しさを浮き彫りにすると同時に、
PCR検査による実態調査の必要性が叫ばれたものの、
やはり腰の重い政府はPCR検査の有用性を否定し、検査拡充に消極的でした。

その後、感染が深刻化し、ワクチンの目途も全く立っていなかったので、
ようやく政府はPCR検査の拡充に乗り出しましたが、
市民の一般調査はほとんど行われず、クラスター感染周辺の限定的調査が主だったので、
どうしても検査に偏りが出てきてしまいました。
その結果が「飲食店の規制」です。
そりゃそうです。検査した場所が圧倒的に多かったのが飲食店だったわけですから。
逆に人が集まる場所でも、
誰がその場に留まったのか正確に分からない公共交通機関や屋外等は、
PCR検査をしていないわけですから、対策の必要がないことになってしまいます。
つまり、感染初期にクラスター感染した飲食店で専らPCR検査が行われたために、
今でもコロナ感染症対策は飲食店ばかりを規制することになったんです。
だって、他は調査してないんですから…

今年になってイギリス変異株、インド変異株と新しい型が出てきましたが、
日本のPCR検査に対する姿勢は消極的なままで、
感染経路の把握に十分努めていません。
結果として、飲食店に一方的に不利になる規制が今も続けられているわけです。
そこに東京五輪の開催論が出てきて、屋外スタジアムで感染してないと言い張り、
東京五輪の規制は飲食店に比べて緩い要因になっています。
別にPCR検査による裏付けもあるわけでもないのに…
変異株になって感染経路も変わった可能性もありますから、
「情報」の更新は必要であるにもかかわらず、
大規模な調査ができていないために、「情報」の更新はされず、
コロナ感染症対策は従来株への対策のまま…これでは意味がありません。

インド変異株の後に、さらに厄介な変異株が出てこないとも限りませんから、
ここで全国的なPCR検査の調査を行い、
変異株対策の資料とすることが必要だと思います。
それでもあなたはPCR検査の有用性を否定できますか?


◆ニュースネタ 東京五輪とコロナ関連ニュース
●東京五輪、中止や延期の世論は「なかったこと」に 朝日・読売も同調
最近、五輪関係のニュースで東スポを挙げるのも、そういう理由でしょう。
五輪開催が濃厚となり、オフィシャルスポンサーは批判し辛くなり、
東京スポーツのような週刊誌系しか批判しなくなってしまったということ。
統計の妙は以前指摘した通り。
そのデータをどう分類するかで全く話は違ってきます。

結局、菅総理が張り切って五輪開催へ突き進んでいるというよりは、
IOCの要請を断れなくて突き進んでいるように思えてなりません。
5月終盤のIOC幹部のトンデモ発言で引くに引けなくなった感じでしたねぇ…
まぁ、そんなわけだから、感染症対策に日本が全責任を持つという姿勢はなく、
相変わらず日本政府なのか、組織委員会なのか、IOCなのか、
責任者が誰か分からないままに感染症対策がたらい回しにされ、
ハリボテのバブルを作り上げようとしているようにしか見えません。

そういえば、7月1日の大雨で交通機関が乱れ、
急遽、地元のホテルにドイツ代表が宿泊したというニュースがありました。
まぁ、仕方ないこととはいえ、これではバブルも糞もなし… ボロボロやん。
ちなみに地元の感染者はゼロでしたが、数人出始めています。
この件の影響というよりは6月24日の聖火リレーの影響だと思いますけど。

政府も今更ながらに無観客試合で逃れようとしていますが、
水際対策がこれだけボロボロだと無理でしょうね。
報道陣も抑え込めるわけないだろうし、既にバブル崩壊してます。


●五輪強行「デルタ株と脆弱検査」募る日本の大不安 ワクチン接種間に合わないまま流行期とも重なる
ファクターXに関しては否定的な見解を取っていますが、
これまで気温が感染拡大を防ぐ要素の一つだった可能性はあります。
ただ、アフリカの変異株やインドの変異株の登場で、それも完全に崩れました。
対策のお手本とされた台湾で感染が拡大したのはショックでしたねぇ…

そう考えると、季節の影響が無視できない可能性は高いと思われます。
夏の流行期とオリンピックが重なる可能性は高くなります。
私もせめて10月延期なら、開催まで持ち込むチャンスはあると思いますが、
IOCがアメリカのテレビ局しか見ていない以上、それは無理な話なのでしょう。
それだったら、もう中止するしかないじゃありませんか。
どうして、そういう強い気持ちで交渉しなかったのか。
まさに最悪のタイミングで五輪を開こうとしているとしか思えません。


●アストラ・ファイザー製ワクチン両用、高い免疫効果=英大学調査
なにを当たり前のことを…
まさにアストラゼネカだけのための研究でしょう。
アストラゼネカ製は以前リンクを貼った記事にあるように、
チンパンジーのウイルスにワクチンを入れて偽装して注射するため、
人間の免疫を乗り越えられるのは1回だけです。
つまり、アストラゼネカ製ワクチンを2回打っても意味がありません。

ですから、ファイザー製のワクチンと混ぜた所で、
アストラゼネカ製ワクチン2回と比較する限り、性能が良いのは当たり前です。
実質、1回しか打っていないわけですから。
むしろ、ファイザー製のワクチンと一緒に打った方が性能が良くなるのは、
アストラゼネカ製のワクチンが劣っている証拠でしかありません。
比較するならファイザー製ワクチンを2回打った時とでしょ?

つまり、来年以降、確実にアストラゼネカ製ワクチンは売れなくなるわけで、
深刻な副反応の噂と共に、アストラゼネカは窮地に立たされているとしか言えませんね…

こういうのがあるから、ワクチンのデータが信用できなくなるのよ。
自分の首を絞めてますよ?


◆アニメの話『Vivy -Fluorite Eye's Song-』の感想
最後、どういう着地を見せるのか注目していましたが、率直に良かったですね。
非常に日本人らしい(?)魅せ方・終わり方だったと思います。
最後のエピローグ部分を総集編でもいいから、もう少し描いて欲しかったですが、
まぁ、そこは視聴者の想像に任せるといったところでしょうか。
ここまでクリティカルに来たのは久々。エヴァTV放送時以来かもしれません。

以下は、TVアニメ『Vivy -Fluorite Eye's Song-』のネタバレと、
ゲーム『デトロイト ビカム ヒューマン』のネタバレを含みます。
「続きを読む」を閲覧の際はご注意ください。
(以下、追記ネタバレあり)

本作はAIの暴走をテーマにした作品ということで、
思い出されるのがゲームの『デトロイト ビカム ヒューマン』です。
こちらはアンドロイドがテーマで、
アンドロイドが人間たちに「自由」を求めて「闘う」内容です。
自由を得るためには、平和的なデモ行進であれ、「闘う」ことが必要で、
また、人間側だった捜査官のコナーは、必ず裏切らねばなりません。
製作したのはフランスの会社ということで、欧米の価値観が如実に反映しています。
逆に言えば、日本人としては、面白いと感じながらも、
別の展開がなかったのかと思ったことでしょう。
それは、やはり『自由』に対する欧米とアジアの違いがあるように思えます。

例えば、私達が『デトロイト ビカム ヒューマン』で疑問に思うのは、
「自由を得るためにどうして闘わなければならないのか?」でしょう。
作中でアンドロイドが無理矢理に「自我」を目覚めさせるように感染させ、
それまでのアンドロイドの使命とは無関係に動き出すシーンがありますが、
果たしてそこまでする必要があるのか?と思った日本人は多いでしょう。
そこが欧米人とアジア人の考え方の違いなのだと思います。

欧米人は『状態』が大事なわけです。『自由である状態』=絶対性。
絶対的に自由でなければならず、人間から見れば一見幸せなアンドロイドも、
それだけではダメで、やっぱり絶対的に自由でなければならない。
だから自由を求めて人間と戦うのでしょう。

アジア人は逆に『関係性』を大事にするわけです。『関係性』=相対性。
自由であるかどうかは実際大きな問題ではないのです。
その関係性が良いのか悪いのか。
例え人間にアンドロイドが使役されていても、良好な関係であれば良し、
不自由であっても、使用者・使役者の関係が良好なら問題なしと考えます。
だから無理に戦わなくても、と考えるのだと思います。

捜査官のコナーにしても、ハンクと良好な関係を築けている限りは、
別にアンドロイド側に寝返らなくてもと多くの日本人は思ったことでしょう。
つまり、そういうことなんです。絶対性か相対性か。
私達が大事に思っている価値観が微妙にズレているわけです。


話を本作『Vivy -Fluorite Eye's Song-』に話を戻します。
この作品はそういう意味ではデトロイトとは別EDであり、
アジア人の価値観に則った『関係性』を重視する作品です。
主人公のAIであるVivyは未来から来たロボットのマツモトと一緒に、
AIと人間の全面戦争を防ぐために戦います。
デトロイトで言えば、コナー君の立ち位置です。

しかし、彼らは劇的に未来を変更するわけではありません。
AI命名法は形を変えて結局通りますし、
宇宙ステーションの落下自体は防ぐことはできませんし、
オフィーリアの死自体も防ぐことはできません。
結果自体は視聴者から見れば大きく変えているわけではないのですが、
大きく変わっているのは人間との関係性です。

本作の見所はやはり、敵であるAI反対派のテロ集団の青年との関係でしょう。
事件を追うごとに両者の関係が良好になるとは言いませんが、
戦いながらも両者のすれ違いが徐々に明らかになっていく…
結果として、青年の意思は孫の少女に大きく影響を与え、
ラストバトルで共闘をするなど、結果として未来を大きく変えました。
エピローグ部分でも、本来は死ぬはずだったVivyが助けた中年男性が、
変わらずにAIに怯える描写がありながらも、
停止したAIに憎しみをぶつけている青年に優しく声をかけている描写から、
Vivyの行動が中年男性の命を救い、
その想いがAIとの関係性を変化させ、また別の人間に影響を与えるように見えました。
人間とAIとの戦争自体は避けられませんでしたが、
Vivyの取った行動が人間との『関係性』に変化をもたらし、
来る未来が憎しみ合いではなく、手を取り合う未来であることを予感させました。

結局、最後までVivyは人類を裏切ることはなく、
その使命に殉じて生きたわけでして、デトロイトと大きく結末が異なります。
最後のマツモトの取った行動も、仲間に殉じる姿勢を好む、
実に日本人好みの演出だったと思います。

それと『デトロイト ビカム ヒューマン』のベストエンドは、
唐突にマーカスが歌い出す選択肢なのですが、
どうしてそれが正解なのかは作品中ではよく分かりません。
一方の『Vivy -Fluorite Eye's Song-』ではその歌そのものがテーマであり、
ラストでも歌が重要なキーになるわけですが、
その答えを知れば、逆にデトロイトの正解選択肢がなぜ歌なのかも分かるでしょう。
12話終了時にはVivyが気づいたのかどうか分からなかったんですが、
改めて見直すと、12話のマツモトのセリフの後に悟った感じの演出ありましたね。
そういう細かい所の気づきも得られるのが本作品の良い所でした。


つまり、本作は『デトロイト ビカム ヒューマン』を
日本人好みにアレンジした作品と言うことができます。
大事なのは『関係性』。
初めは凹凸コンビのVivyとマツモトの関係性、
Vivyとテロリスト青年との関係性、
Vivyと他のAIとの関係性、Vivyと松本少年との関係性、
色々な関係性を描きながら、それが未来をどう変えていくかを描いた作品です。
一見すると、劇的な変化ではなく、地味な変化であるからこそ、
未来が変わっていく、その妙は日本人でないと描けないものがあります。
AIと人間の共存を描いた作品、
両者の調和を描いた作品が本作であったと評価できると思います。
非常に素晴らしい作品でした。