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熱海で土石流が発生

7月3日の11時前に熱海市伊豆山で大規模な土石流が発生。
100世帯以上を巻き込み、海岸まで達する大規模なものとなりました。
執筆時点で19人が救出されたそうですが、
まだ20人程と連絡が取れていないようです(救出者との重複はあるかも)。

個人的にも近隣の市の出来事だけに、ショックですねぇ…
新幹線を含めて公共交通機関が完全に止まったので、熱海には行きませんでしたが、
電車や新幹線が直接的に被害は出なかったようですが、色々と大変だったでしょう…
なによりも被害に遭われた方に同情を申し上げ、
安否の分からない方のいち早い発見を祈りたいです。

●熱海 土石流 動画分析からみる被害範囲は
既に映像をご覧の方も多いと思いますが、特徴的な赤い建物が丸越酒店さんですね。
この地図の一番左の場所です。
そこから海に向かってズズズーッと…
グーグルマップ等では集落が並んでいるだけにゾッとします…
ここら辺の線路は高架かトンネルが多いので、
それほど影響は出ていないとは思いますが、
国道135号線を含めて広い被害が予想されます。

●熱海で土石流 市から「避難指示」なく 識者「想定外ではない」
七夕豪雨や西日本豪雨など、この時期は豪雨災害が多いと報道もありましたが、
まさか自分達の近くでこれほどの災害が起こるとは正直思ってもいませんでした。
熱海は海と山に囲まれた場所なので、こうなる可能性は高かったとは思いますが、
実際に起こると、「まさか…」という気持ちではありますね…

避難勧告がなくなって避難指示に一本化された時にも思ったのですが、
自治体にとって「避難指示」はかなりの精神的負担だと予想できます。
避難指示は「もう避難しろ」ということですから。
避難勧告は出せても、避難指示を出し渋る自治体は当然あるでしょう。
言わば、利用者である市民の立場を考慮し過ぎて、
逆に発令者の立場を考慮しなさ過ぎた面があると思います。
災害の恐れがある時に、さっと「避難指示」を出せるかどうか。
市民との信頼関係が重要になってくるだけに、
自治体の責任はかなり重くなっているように思えます。


●東海・関東 ピーク過ぎても続く雨 新たな災害発生のおそれも

もっとも、これで終わったとは限らず、4日の今日も雨は降り続いています。
予報では明日の午前中まで雨。5日間も雨が降り続いていることになります。
6日辺りに雨が止んで完走しだした時に再度崩れる可能性もありますから、
これ以上の被害を出さないように慎重に対処して欲しく思います。

●熱海の土石流「山林開発の影響あると思う」 現場を見た静岡副知事
起点に「盛り土」があったことは確かな模様ですが、
噂になってるメガソーラーの話は正直聞いたことがありません。
現在、伊豆半島でいくつかメガソーラーの計画が問題になっていますが、
一番地元住民が反対しているのが伊豆半島の南・伊東市のメガソーラー計画で、
熱海にそういう計画があるかどうかは知りません。
今回の話で函南にもそういう話があるとは聞きましたが、
函南は熱海より西方面であって、東寄りの伊豆山は湯河原方面です。

政治的には川勝知事がつい先日に環境保全をテーマに知事選を戦って勝利したので、
他のメガソーラーの計画と共に、環境問題全般の話として取り上げたのでしょうが、
それが独り歩きして正確な情報が流れていないようにも思えます。
いや、本当に計画があるのかもしれんからデマとは言い切れんけど。


◆ニュースネタ 想定超えの職域接種、政府板挟みに…企業は早期再開要請・自治体はしわ寄せ懸念
職域接種になると、もう自治体の接種券が意味なくなりますから、
接種状況のチェックは確実に行えているんでしょうか?
大規模接種と自治体接種、職域接種とそれぞれが連携していないのが一番の問題のような…

政府の本音としては、職域接種は接種拡大の起爆剤になるものの、
2回目の接種の副反応で強い倦怠感が出てしまうため、
一斉に打つと仕事にならなくなりますから、やはり本命ではないのでしょう。
逆に企業の立場から言えば、バラバラに休むよりもワクチン休暇として会社を休みにした方がいいし、
休業要請等で仕事にならない飲食業界等は休める時に打っておきたいという事情もあるでしょう。
そこら辺のニーズを政府は正しく把握できなかったということでしょうね。

●ワクチンに「全て懸ける」 菅首相
「7月中になんとかなる」って本気か? ワクチン供給の目途は立ったの?
ウチの自治体はワクチン供給量が不確かで接種予約が止まってますけど…
どうせ受けられなかった人は「希望しなかった」って言うんでしょ?
まぁ、しかし、現状ワクチンは特効薬と同じような形になってるような…
ワクチン接種してても感染する、症状緩和が期待できるって、それ特効薬やん。
むしろ、そちらの開発に力を入れるべきでは?


◆ニュースネタ 五輪目前、再宣言不可避の見方 政府など無観客含め調整へ 酒の扱い難航も

まぁ、予想通りと言うか…イギリス変異株の時と全く同じ流れでしょ、これ。
同じことを二度繰り返す奴を「無能」と言う。無能だよ、政府。

今の流れとしては、来週末か再来週の頭に「緊急事態宣言」を出し、
五輪は「無観客試合」を決定、やるべきことはやったということで五輪開幕、
しかし、市井は感染者に溢れ、選手村でも感染が起こって大パニック。
無理矢理に五輪を続けるも、パラリンピックはできませんで終了という予測。

飲食店に関して言えば、可哀そうではありますが、
一昨年の消費税増税と軽減税率を導入した時点で、ある程度確定した未来なわけで、
コロナ禍でそれが早まっただけとも言えます。
コロナが沈静化したとしても、飲み二ケーションが復活するわけでも、
酒が好きでもない人が無理矢理飲まされるわけでもありません。
大きな目で見れば、脱飲酒の流れは今後も止まらないでしょう。
業種転換を含めて考える時期が来ているように思います。
今なら高齢者向け宅配食事サービスや出張食事サービスが伸びていくでしょうから、
飲食業界経験者が必要になる場面は多いと思われます。
この際、脱アルコールで商売を考えるのも手でしょう。


◆ニュースネタ 最低賃金維持を主張 宿泊・飲食、経営厳しく 中小企業団体
●「最低賃金1178円」が国際的に見た常識的な水準だ コロナを「言い訳」にしてはならない4つの理由
単純に言えば、「消費してくれる人は誰?」ってことです。
外国人やお金持ちだと思っているなら、賃金据え置きでいいと思いますが、
今のように国内市場のみに限定される状況では、
労働者にお金を使ってもらえる環境を作ることが大事です。
だからこそ最低賃金を上げるんですよ。

要は自分の会社で作ったものを好んで自分の会社の労働者が買わない企業はダメなんですよ。
自分の会社の労働者に買わせるんじゃありません。客としても買ってもらうんだよ。
それができない会社は生き残れません。それが真理。

そして、賃金を据え置く企業はもう選ばれません。
賃金維持を主張してもいいけど、誰も働こうと思いませんよ。
結果として、あなた達は外国人労働者を呼ぼうと叫ぶのでしょう?
言葉の壁と従業員教育に悩み、社会的責任を放棄して外国人労働者を切り捨てる。
そんな企業が伸びるわけないでしょ。自転車操業でぶっ倒れるだけなんですわ。


◆アニメの話 『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』
AbemaTVで放送されていたので、見てみました。
見ていて面白かったけれど、理解が追いつかないというか…納得いかなかったですね。
構図は面白いんだけれど、個人的に設定の詰めの甘さが残ってる感じはしました。

(以下、作品の重大なネタバレあり。見てない人は要注意)

不満点は幾つかありますが…自分の頭を整理するためにも最初に列挙しときます。
 ①「始まり」はどこにあるのか?
 ②「リーディング・シュタイナー」の能力への違和感
 ③「Dメール」の荒唐無稽さ。なぜ解決法が「Dメール」の取り消しなのか?
 ④唐突な「タイムリープ」の登場
 ⑤紅莉栖はともかくとして、まゆりの死が決定づけられてるのはなぜか?
 ⑥「終わり」はどこにあるのか?
ざっと思いつくだけでも、これだけありますね…

本作品の最大のポイントは、①「始まり」と「終わり」はどこにあるのか?、です。
多くの人が疑問に思うのは、「始まり」でしょう。
世界線が変化する前の世界は一体どこにあるのか?
初見ではアニメ第1話が「始まり」に思えますが、実際はアニメ第24話の舞台でもあります。
第1話にしてタイムマシンと鈴羽らしき人物を見ていますし、
特徴的な岡部の叫び声も第1話から聞くことができます。
初めは失敗した世界線=第23話の方かと思ったのですが、
叫び声の後に押し殺すような苦悶する声が聞こえ、
これは第24話で岡部自身が傷口を広げて出血させる際の声と一致しています。
つまり、第1話は「始まり」の世界線にして、第24話の「終わり」の世界線になります。

そうなると、本当に「シュタインズ・ゲート」に到達できたのか途端に怪しくなります。
客観的な世界線としては、α世界線=まゆりが死ぬ世界線と同じなわけです。
そもそも、第1話にしても紅莉栖が実際に刺されたかどうか、死んだかどうかは不明で、
これが第24話の世界線と同じなら、紅莉栖は実際には刺されていないことになります。
つまり、作中で紅莉栖が死ぬ世界線は本来どこにもないはずですが、
第23話で鈴葉は紅莉栖が死んだ世界線から来ているという、矛盾が生じます。


これがそもそもの②岡部の「リーディング・シュタイナー」への違和感に繋がります。
果たして本当にその能力で世界線を越えているのか?
岡部の体験は客観的事実なのか、単なる妄想なのか。
実はこの解釈がこの作品の評価を左右する点だと思っています。
結論として自分は、岡部の妄想であると思っています。

なぜなら③「Dメール」の内容があまりに荒唐無稽だからです。
もし本当に、アニメで描かれていない本当の「始まり」が岡部のメールであるならば、
「紅莉栖が何者かに刺されたらしい」というメールを送った所で、
紅莉栖が生存する世界線が生まれるわけありません。
助けるのは、あくまで未来から来た岡部なわけですから。
その時点でメールを送るだけで誰かが紅莉栖を助けてくれるわけではありません。
また、作中でも言ってますが、ルカ子の母親にポケベルを送るのも荒唐無稽すぎます。
野菜を食べれば女の子が生まれるって…そんな民間信仰レベルで変化するわけ(苦笑)
また、解決法に関しても、要はIBN5100を取り戻せばいいわけですから、
フェアリスの父親に死んでもらう必要はなく、誘拐事件そのものを防げばいい話、
一見関係なさそうなルカ子をどうして戻す必要があるのかと言えば、
女の子時に壊したせいだという不自然さ(男の子だと壊さないのかよ)、
萌郁に関して言えば、萌郁の送ったメールは「IBN5100は神社にある」だったのに、
それが最終的には「IBN5100の捜索自体を打ち切る」という不思議さ。
萌郁はそう思ったとしても、FBに捜索を諦めさせたわけではないのだから、
それ自体で世界線が変化するのかという疑問がります。

そして唐突に思える④「タイムリープ」の成功です。
ストーリー序盤で電話レンジが飛ばせる文字数が決まっており、
それ以上の情報を送ろうとするとゼリー状になってしまうのに、
ストーリー中盤からは岡部の記憶を簡単に飛ばせるようになっています。
セレンが長年かかっても解決できなかった問題をどうやって紅莉栖は解決したのか?
タイムリープ時には紅莉栖が必ずしも作業に専ら従事してなくても完成しますし、
これだけ難解な作業をどうやって毎回無事に完成させているのか分かりません。

そして最大の謎が⑤「まゆりの死」です。
タイムマシン理論の生みの親である紅莉栖の生死で世界線が変わるのは分かりますが、
まゆりが死んだところで世界に劇的な変化をもたらすわけではありません。
あくまで岡部にとって悲しいだけの出来事です。
まゆりが死ぬことで世界のターニングポイントを迎えるわけではないですし、
別に未来から来た鈴葉がまゆりの死を防ぐために行動するわけでもありません。
未来の世界にとって、まゆりはただの一人の人間に過ぎないわけです。
また、ラウンダーにとってもFBにとっても、まゆりを殺すことは無意味です。
そんなことする暇があるなら、電話レンジとダルのPCを確保するべきですし、
まゆりを人質にすれば、スムーズにその作業ができます。
つまり、誰もまゆりを殺す必要なんてないんです。
まゆりは世界にとって重要なわけではなく、あくまで岡部にとって重要なだけです。


以上のことから、岡部のDメールからタイムリープの件は非科学的です。
これは「実際にあったこと」と考えると不可思議すぎるので、
むしろ「岡部の妄想・白昼夢」と考えた方がスッキリします。
どうして「まゆりの死」が終着点になるのか。
それは岡部にとってまゆりが重要だからに他なりません。
逆に言えば、まゆりと同じくらい重要な存在=紅莉栖ができたことで、
岡部の妄想・白昼夢は終わりを迎えられたと考える方がスッキリします。


ここまで考えた所で、①「始まり」と⑥「終わり」について考え直してみます。
作中の岡部のDメールやリーディングシュタイナーの能力を全て排除すると、
結果的に残る客観的事実は、「鈴葉のタイムマシンの到着」です。
第1話もメールを送った直後に鈴葉のタイムマシンが不時着しており、
世界線を変えたのは、岡部のDメールというよりは鈴葉のタイムマシンの方でしょ。
岡部のタイムマシン理論を作ったジョン・タイターの正体も鈴葉でしたし、
岡部が世界を変えているというよりは、鈴葉がキーマンと考えた方がしっくりきます。

1回目の鈴葉は紅莉栖が生きている世界線
=セレンがタイムマシンを独占する未来から来ていて、
IBN5100の奪取を目的とするも、途中下車で父親を捜しに来ています。
最終的にタイムマシンオフ会の日に鈴葉は過去へ遡り、
無事にIBN5100を神社に預けることに成功し、病気で一生を終えます。
2回目の鈴葉は紅莉栖が死んだ世界線
=タイムマシン開発競争の第三次世界大戦の未来から来ていて、
実はこの世界線は1回目の時間跳躍で岡部が失敗する時しか発生していません。
つまり、タイムパラドックスが発生しているということか?

そもそも①「始まり」で紅莉栖が生きてるのか、死んでいるのかは判断できません。
作中では全く描かれていないからです。
最初だと思った第1話も実際には第24話でしかなく、未来の岡部が助けています。
すると、紅莉栖は本来なら死んでいたんですかね?
そうなると1回目の未来の鈴葉(紅莉栖が生きている世界)は、
実は2回目であって、先に来たのは後の方なのか?
整理し直すと、シュタゲゼロの鈴葉β(1回目紅莉栖が死んだ未来)、
シュタゲの鈴葉β(2回目紅莉栖が死んだ未来)⇒1回目TRUE
シュタゲの鈴葉α(1回目紅莉栖が生きた未来)、鈴葉β(2回目死んだ未来)となり、
最低でも2回以上ループしていることになっちゃいます。
鈴葉αは元の世界に戻れないので、紅莉栖を助けられずに紅莉栖が死ぬ。
結果として鈴葉βがまた来る。エンドレスになります。

逆に、紅莉栖が、未来の岡部が何もしなくても、生きていると仮定します。
1回目の鈴葉αの来訪に矛盾はありませんが、
2回目の鈴葉βの来訪は、鈴葉αの過去改変によって紅莉栖が死ぬことが必要です。
鈴葉αの過去改変で考えられるのは、鈴葉αがFBの恩人であること。
FBの変化が分からないので想像するしかありませんが、
家を持てて生活が安定したことを考えると、娘の絢の養育環境に影響を及ぼし、
FB自らの行動が大幅に制限されたことで、
結果としてラウンダーの活動が活発化・暴走を招いた可能性があります。
作中の萌郁とラウンダーによる襲撃事件も、
場所的にも、絢とまゆりの関係性から、FBの指示ではない可能性が高いので、
同じようにラウンダーが暴走して紅莉栖を殺した可能性も考えられるでしょう
(もっとも、ここまでいくと考察ではなく、妄想の域でしかありませんが)。


他に手がかりを探すと、ジョンタイターと中鉢博士の会見の差異があります。
まゆりが死ぬα世界線では、中鉢博士の会見は行われず、紅莉栖も生存している。
紅莉栖は中鉢博士の会見を見に行ったのですから、当然です。
どうして中鉢博士の会見が中止になるかと言えば、
α世界線ではジョンタイターが2000年にネット掲示板に書き込みをしないから。
ジョンタイターの正体は鈴葉αなので、
彼女がタイムスリップする前、もしくは
または未完成のままだと記憶喪失・錯乱するので、ジョンタイターは現れません。
紅莉栖が死ぬβ世界線では、中鉢博士の会見は行われるので、
ジョンタイターは存在する=鈴葉αが任務を達成していることになります。

この観点から整理し直すと、
(α世界線)=紅莉栖が生存する世界
⇒鈴葉αが未完成タイムマシンで落下
⇒鈴葉αが任務を達成する
⇒死に際の2000年にジョンタイターとしてタイムマシン理論を発表
⇒β世界線の発生
(β世界線)=紅莉栖が死んでタイムマシン開発競争が始まる世界
⇒ジョンタイターの理論に従って中鉢博士が会見を行う
⇒色々あって紅莉栖が死ぬ。中鉢博士がロシアに亡命する
⇒鈴葉βと岡部が任務を達成する
⇒シュタインズ・ゲートの世界線発生
うん、こっちの方がスッキリして分かりやすいですね。

結論から言えば、世界線の変化は岡部ではなく、鈴葉のタイムスリップが原因です。
とりわけ大きいのが彼女こそがジョンタイターであること。
要は、彼女がタイムマシン理論を広めない限り、
タイムマシンが完成しないというタイムパラドックスになっています。
また、ジョンタイターがタイムマシン理論を発表することで、
中鉢博士がそれに便乗した記者会見を開くため、紅莉栖が殺されることになります。
犯人は中鉢博士なのか、岡部なのか、ラウンダーのような第三者と色々でしょう。
いずれにせよ、そのせいでタイムマシン理論が世界中に広まり、
鈴葉βが未来からやってくることになるわけです。

よって、①「始まり」はやはり第1話で正しく、鈴葉αのタイムスリップが原因です。
⑥「終わり」は第1話のα世界線ではなく、やはり新しい世界線でしょう。
α世界線とβ世界線をループし続けるのかと思いましたが、
新しい世界線は鈴葉αの歴史改変が前提となるので、α世界線に戻るわけではないでしょう。
世界線の移動は、α⇒β⇒シュタインズ・ゲートで合っています。


まとめますと、主人公の岡部はキーパーソンではありますが、
彼が直接歴史改変をしているわけではありません。
中心にいるのは鈴葉で、鈴葉の歴史改変が世界線に影響を与えていると見るべきです。
あくまで岡部はただの「観測者」に過ぎず、実行者は鈴葉なわけです。
ですから、物語中盤のDメールやタイムリープの件は、
岡部が他の世界線を視たに過ぎず、実際に歴史改変したわけではありません。
あくまで岡部の認識として、世界を「そう視てる」に過ぎないわけです。
どうして岡部が世界線を視ているのか、観測者から逃れられないのかは情報不足です。
岡部にとってのキーマンは、「まゆり」と「紅莉栖」なのは間違いなく、
岡部の世界の始まりは「まゆり」であり、
「まゆり」は「既に故人」もしくは「死因不明の死亡(岡部は死因を知らない)」のため、
岡部は心を閉ざしており、そこから脱却できないし、まゆりは毎回死ぬ世界を視ています。
岡部の世界の終わりは「紅莉栖」なのは間違いなく、
「まゆり」よりも「紅莉栖」が勝った時に、岡部の世界は終わりを告げるのでしょう。
岡部の再生が鈴葉αとの関係性・ミッションの成功に影響してβ世界線へ移動すると見ます。

言い方は酷いですが、物語の大半は岡部の内面世界での葛藤になってしまうので、
やはり時間移動モノとしての魅力は半減してしまいます。
作中でも「まゆり」の存在は視聴者にとって曖昧であり、
なぜ懐中時計が必ず止まるのかも分からず、岡部にとっての大切さが伝わりません。
そういう意味では中盤の件は視聴者を混乱させただけのようにも思えます。

物語をどの視点で追うのかは物語を読む上で非常に重要です。
わりと古典的な手法である「語り部」の問題が本作の分かり辛さに繋がった気がします。
さして重要な人物ではないのに、自分を重要な人物に見せた岡部の語り部の問題が、
本作品の難解さに繋がっていると同時に、それが面白さにも繋がったのかもしれません。
無駄なストーリーこそ面白いものよ。
無駄なくなったら理論チックで楽しくないでしょ。
そういう意味ではエンターテイメントとしては成功した部類だと思いますね。

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