« 風評被害と熱海市の現状 | メイン | コロナと五輪 »

コロナ禍のスポーツ

本題に入る前に、まずはこちらのニュースから。

●【速報】出場辞退の米子松蔭 一転出場へ 鳥取県高野連が会見
なんとなく、IOCを批判するために、
コメンテーターが政治利用的にこの問題に発言している節があったので、
嫌な取り上げ方がされているなぁと思ってましたが…

そもそも、「学校関係者」という情報だけでは何も判断できません。
これが学生や教師なら、同じ校舎で接触している可能性が高いでしょうから、
仮に濃厚接触者に認定されていなかったとしても、警戒心を持つのは当然です。
逆に生徒の親や出入りの業者であれば、直接的接触はなかった可能性が高く、
警戒し過ぎという話にもなります。
詳しいことは分からないので、「出場辞退」の是非は判断できません。

加えて言えるのは、私は鳥取県のコロナ感染状況を詳しく知りません。
少し調べただけですが、ここ1週間はやや増加傾向にあることは確かで、
鳥取の人口ベース・医療機関数からすれば、警戒心を抱くのも当然であり、
また、緊急事態宣言下の東京と同じ、
もしくはそれ以上の引き締めを行って頑張っていることが伺えます。
地方では感染者が1人出ただけで「誰だ、誰だ?」となる感覚も分かりますし、
その地方でなければ分からない雰囲気もあるので、
地元民以外が論評するのも難しいように思えます。

個人的な理解で言えば、県全体で頑張って抑え込もうという流れの中、
学校で感染者が出たということで難しい判断であったことは間違いありません。
米子松陰は私立の商業系学校だと思うので、
むしろ部活に力を入れてる方だと予想できますし、尚更でしょう。
隣県の島根県で昨年8月に立正大湘南で大規模クラスターが発生してしまい、
批判に晒されたことも学校関係者の記憶にあったことでしょう。
そういう事情が重なって、「出場辞退」という重い判断になったことは、
想像に難くありません。

個人的には難しい判断を迫られた学校側を責める気持ちにはなれませんが、
結果として生徒達が出場可能になったことは良かったと思います。

(追記)
詳しい記事は出ていませんが、昼のテレビで上記経緯が報道されてたので補足。
鳥取県大会のガイドラインで、学生・教師に感染者が出た場合は臨時休校で、
臨時休校の場合は大会に出られないという規則だったようです。
ただ、但し書き部分で医学的見地から問題ないと判断されれば出場できたとのこと。
感染が発覚したのが当日の朝で、迅速に抗原検査を行ったものの認められず、
保健所にPCR検査を要請したものの、試合が第1試合だったため間に合わず。
学校側は努力を費やしたものの、時間的に無理だったため、
出場辞退の判断になったとのことです。
結論から言えば、誰もが対応を間違えていません。
鳥取高野連の対応もガイドライン通りです。
発覚したのが当日の朝という運の無さが影響していた感は否めません。
文部大臣が批判してるのは完全に世論に乗っかっただけ。
これで鳥取高野連が批判されるようでは、誰もルールや手順を守らなくなっちゃいます。
一番えらいのは再試合を認めた相手の学校であることは間違いないでしょうがね。


もっとも、そもそもの問題として言えるのは、
「スポーツ競技をすることによって、コロナ感染はするのか・しないのか」
が明確になっていないことだと思います。
昨年から競技を続けているプロ野球やJリーグでは、
感染者がそれなりに出ていますが、
それが競技の上で感染したのか、
団体競技としての統一行動(移動や食事)で感染したのかは不明です。

分からないのはスポーツをすることで、コロナ感染は起こるのか起こらないのか。
普通に考えれば、飛沫も飛びますし、体に接触し合いますから、
感染が起こる可能性は高いのですが、
いつの間にか柔道でもマスクを付けなくなってますし、
実態はどうなっているのか全く伝わってきません。
しっかりとした研究の結果としてリスクは少ないと判断されたのか、
それとも、感染例が少ないから大丈夫だと高をくくったのか、いずれなのか。
サッカーの南アメリカ予選を見ても、
感染が起こらないとするのは無理があるだけに、後者にしか思えんのですが…

五輪出場選手やプロスポーツ選手は感染して死んでも構わないのかもしれませんが、
それに憧れてスポーツをする子供たちに同じことが言えるのでしょうか?
「コロナに感染するかもしれないけど、死ぬ気でやれ」と。
どうして、もっとコロナ禍でも安全に行えるスポーツの姿を目指さなかったのか?
国民に行ってもらえるスポーツ像を目指さなかったのか?

結局、「コロナ禍でもスポーツはできる」という保障が何もなかったからこそ、
今回の米子松陰のような混乱が起きたように思えてなりません。
五輪は濃厚接触者でも6時間前にPCR検査で陰性なら出場可能だそうです。
この程度の対策で本当に大丈夫なのでしょうか?
健康な選手の安全は図られているのでしょうか。
基本的に「無観客試合」となったことで、
観客への・観客からの感染は考えずによくなりましたが、選手同士の感染はどうなるのか?
この1年半のスポーツ界のコロナ対策の取組が試される時が来たと思います。


◆ニュースネタ 五輪関連ニュース
●五輪組織委「極めて遺憾」ウズベキ国籍の男が国立競技場で強制性交疑い逮捕
いや、別に国籍は関係ないでしょ?
それよりも重要なのはどこに卸したアルバイトなのかという点ですよ。
しっかり管理はできているのか、感染症対策は徹底できているのか。
事件が起きたのが夜9時ということで、アルバイト時間外のこととは思いますが、
一体、何時まで仕事をしていて、退場の管理はできていたのかのが気になります。
仕事が終わったからといって、簡単に居残れるような管理体制でいいんですかね?
その時間に爆弾を仕掛けようと思ったら、できたってことになりませんか?

国民の民意を欠いた五輪計画のせいで、大量のボランティアに逃げられ、
仕方ないのでパソナ等の人材派遣会社に任せて、
アルバイト募集をしているという話は聞いていましたが、
報道陣と接するという比較的感染症対策が必要とされる所でも、
アルバイトが利用されているというのは驚きです。
彼らにワクチン接種は行っていないでしょうし、
ボロボロのバブルと言うよりも、「見せかけ」のバブルでしかないということでしょう。
日本国民を説得するためだけに、「でっち上げた」バブル。
検査も管理も杜撰というか、そもそもやる気がないんでしょうね。
体裁だけ取れていれば良
しというのが透けて見えてなりません。

●小池都知事、バッハ会長歓迎会の様子明かす 批判には「大会のたびに開催」
まぁ、別にバッハ会長らIOC貴族が感染しても何も思いませんし、
日本の病院には入らないで下さいと注文を付ける程度なので、
あれこれ言うつもりはありませんが、
その発想自体がダメダメなんですよね…
明らかに今回は平時の大会とは違うんですから。
岸田派がパーティやって秘書の感染が発覚したような恥を晒さなきゃいいんですが…

まぁ、歓迎会やるなら選手の方じゃないんですかね…
選手に対しては何もせずに、濃厚接触者だとして隔離しておいて、
一方ではIOC貴族に歓迎会をやるってのは、
やっぱりこの五輪が誰のためのものなのかを象徴しているように思えます。
安倍政権から続く「公平性の無さ」がコロナ対応・五輪にも出てるように思えてなりません。


●五輪、濃厚接触でも出場可 懸念されるモラルハザード

冒頭に自分が書いた内容と似た主旨の記事。
IOCを始めとする開催派は本当にこの1年、何をしていたんでしょうか?
スポーツにおける感染リスクをどうして研究してこなかったのか。
コロナ禍でのスポーツの在り方をどうして考えてこなかったのか。
神風が吹くのを祈るとばかりに、コロナの鎮静化をじっと待っていただけでしょ。
それでよくも「安全安心」なんて言えますわな… アホかいな。

●「おもてなし」が外国人警戒に 米紙、完全な失敗と東京五輪論評
まぁ、そもそも、日本政府とIOCが外国人を差別してるんだから無理もない。
日本国民を説得するのに気をまわし過ぎているせいか、
日本人と外国人を分けようとし過ぎています。
IOCからすれば「勝手にやるので見逃してね」という感じなのかもしれませんが、
むしろ、そういう所が鼻に突くと言いますか、
勝ってすんじゃねぇよと思っちゃうわけですよ…

これは物理的なバブルではなく、精神的なバブル。
日本人と五輪がはっきり分けられているから、
盛り上がらないし、それは五輪が始まっても同じことです。
テレビでメジャーリーグ中継を見ているのと一緒でしょ。何が違うのさ?

日本人として心苦しいのは、コロナ禍で「おもてなしの心」が持てないことです。
観客は無理として、IOC貴族は精神的に嫌ですけど、
せめて選手や報道関係者には日本に良い印象を持って帰ってもらいたいと思うのですが…
報道や日本政府からは外国人が日本にウイルスを持ち込むことばかり警戒してますが、
同時に日本で蔓延しているコロナウイルスが外国人に持ち出され、
「東京ウイルス」が世界に蔓延してしまうことを何よりも恐れています。
それこそが世界的に「恥」であるからです。
感染症対策やワクチン接種が進まない今の日本で、五輪を強硬開催することは、
日本人のそういった「おもてなしの心」を踏んづけることに他なりません。

●五輪代表選手の相次ぐコロナ感染に米衝撃 地元紙「東京でカオス」と報道
だから日本国民は一貫して「無理」と言い続けてるじゃないですか。
無理なものは無理なのよ。
それが日本政府とIOCの口車に乗せられて、
コロナ病死以外にも熱中症で死亡した際の自己責任の誓約書を書かされたりと、
本当に奴隷契約ですね。ご愁傷様です。
日本人は騙されるな騙されるなと叫び続けたのに、
詐欺師を信じちゃうからカオスになるんですよ…


◆ニュースネタ 五輪無観客とアスリート。吉田麻也が伝えたかったこと
正論に正論で返すけれど、今の選手の感染症対策が進んでいない五輪をやって、
子ども達がそれを真似てスポーツをした結果、
コロナに集団感染した場合、プロ選手は一体どういう責任を取るんですかね?

何度も言ってますが、コロナ禍でスポーツ界が一番拙かったのは、
「感染しないスポーツ」の在り方を模索しなかったこと。
結果として、自粛せざるを得ない一般市民と、
スポーツができる特権階級と二極化してしまったことです。
スポーツが人々を繋ぐということが幻想になってしまったんですよ…
それがまだ理解できていないのですか?
五輪後にスポーツに何が起こるのか、まだ理解できていないのですか?

そして、「選手のための五輪」はもはや妄想でしかないことを誰もが知ってます。
IOCやJOC、日本政府の発言から、少しでもアスリートファーストを伺えましたか?
誰も言ってないですよ。
開催すること自体に必死で、誰もがアスリートの安全安心を忘れています。
今回のことで分かったのは、主催者側が誰も選手のことなんて考えておらず、
尊敬もしていないということです。
主催者側にとって選手は見世物でしかありません。
奴隷剣闘士が命を捨てて闘わされる闇のゲームを子ども達に見せろというのですか?
緊急事態で馬脚を現した主催者の何を信じろと言うのですか?

だからこそ、もう五輪は辞めて、真にアスリートファーストの大会をやればいいんですよ。
どうして既存の五輪という枠にこだわる必要があるのか?
スポーツを愛してもらおうと思うなら、そんな必要は全くないでしょ。
もっとスポーツ選手は国民の五輪に対する失望感を理解すべきです。


◆スポーツネタ 野蛮人のスポーツ「相撲」
●北の富士氏「えげつない」白鵬立ち合い肘打ち 鬼の形相でガッツポーズも
相撲って低い体勢から体をぶつけ合い、
相手の回しを取ろうとしてガッツリ組んで、
投げや押しを駆使して相手を倒す競技だと思ってたんですけど…

今の相撲は、柔道みたいな相手を探る立ち方をして、
顔面への平手打ちやエルボー当たり前という、
ルールも糞もないただのケンカだったんですね。
そりゃ裸だもんね、文明人の欠片もないわな(苦笑)

白鵬の14日目の顔面平手打ち、
最終日の顔面平手打ちと見せてのエルボーは許せません。
これが競技として認められてしまえば、当然、対策として練習する必要があり、
稽古場で平手打ちやエルボーを受けまくらないと行けないんですか?
死人が出るよ、普通に。
もはや「シゴキ」でも何でもない。単なる「暴力」ですよ、こんなの。

五輪開幕前にスポーツのどうしようもない姿を見せてくれました。
これで心置きなくスポーツを捨てられます。
失望を与えてくれてありがとうございます、横綱。
こんなもん国技と言えるか。あれをノーと言えないのが一番ムカつく。
この日本の恥さらしが。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)