佐川暴走説の崩壊
佐川元国税庁長官・前理財局局長の証人喚問の結果は予想されたことでしたが…
喚問後に地検の任意調査を受けるとなれば、それを盾に拡大解釈するであろうと。
それでも、ちょっぴりだけ真相解明に期待した部分もあったわけで…残念です。
肝心の文書改ざん事件の内容に触れそうな質問はオールシャットアウト、
佐川氏個人の刑事訴追の恐れのあるものばかりではなく、
佐川氏とは関係ない財務省内の職員の話もシャットアウトでは…
証言拒否は自身・親族・姻族の訴追可能性に限られる話のはずですが?
一体、いつから財務省理財局は佐川氏の一族経営になったんでしょうか?(苦笑)
そんな基本「刑事訴追に関わるので証言を拒否します」な姿勢だけに、
逆に断定して否定する内容が異彩を放ってしまうのは、1年前と全く同じです。
自民党議員の質問に対して、安倍総理や官邸等の外部の指示・関与は完全否定、
午前中の丸川議員の矢継ぎ早の質問に対して「ございません」と否定する姿は、
あまりにもショー染みて、打ち合わせ済みだったんじゃないかと疑わせる程でした。
1年前も「交渉記録は破棄した」「価格交渉はしていない」
「政治家の関与は一切ございません」と断定口調だったことが、却って疑惑を呼び、
後にその証言の信用性が疑われる結果となっただけに、今回も言葉通りには受け取れません。
加えて、それら1年前の証言に関しても撤回はせず、
報道による一部の切り取りに過ぎず、
特に価格交渉云々は説明内容が十分伝わっていないと言い訳染みた回答をし、
交渉記録の破棄も森友学園個別質問に対して一般原則を返答しただけという荒っぽさ、
さすがに後者は「丁寧な国会対応ではなかった」と陳謝したものの、
ろくに調査してなかったのか、嘘を吐いたのか分かりませんが、
「ごめん」では済まされない問題のはずです。
その断定答弁も答弁書に沿ったものなのか、独走だったかは最後まで明言せず、
他の部分では答弁書に沿って答弁していたと語っているだけに、
あんな官僚らしくない断定答弁書を官僚が作るのかという矛盾は解消しませんでした。
もし佐川氏の説明の通りに、
国会対応で慌ただしく、調査や答弁会議も満足にできていなかったのならば、
断定否定などせずに「現在調査中です」と慎重に答えるのが自然ですから、
断定否定答弁との矛盾、整合性のなさが余計に目立つ結果となりました。
佐川氏の性格に関しては、衆議院公明党の議員が推測で切り込んでいましたが、
部下にとって「怖い上司」であるかどうかまでは分からないものの、
少なくとも「沸点は低そうだ」という印象は受けました。
一般的な官僚のイメージは現在の太田理財局長のような感じなのに対して、
佐川氏は冷静に答えてるようでカッと来やすい印象、
公明党議員の後半から立憲民主議員の前半にかけてはかなり苛立ち交じりに見えました。
プライドが高く、感情的になりやすい性格なのは間違いない感じですねぇ…
断定答弁といい、どこか安倍総理と似てる雰囲気があるんですが…
国税庁長官を辞任した理由も、「書き換え問題の当時のトップとして責任を痛感」であって、
敢えて安倍総理の「行政のトップとして責任を痛感」とする発言に被せている印象があり、
漠然と聞いていると組織のトップが責任を取る殊勝な発言にも聞こえますが、
それはつまり、安倍総理が監督責任の末に辞任しなくても良いのならば、
自分の監督責任も問題なく、これ以上の責任を取る必要もないよね?、とも聞こえます。
狡猾というか、誠実さの欠片も感じられないんですよねぇ…
最終的に佐川氏の発言をまとめると、
「改ざんに外部からの指示はなかった」
「土地取引に官邸等からの指示・関与はなかった(※と思われる→前任者の時だから)」
「1年前の国会答弁に説明不足な点はあったとしても、
答弁自体に問題があったり、森友学園との契約に問題があったとは思っていない」
ということになります。
つまり、財務省理財局が改ざんする理由は「皆無」ということになります。
それなのに、事実として「改ざん」は行われているわけで、
そこの整合性の無さ・矛盾点は全くもって消えてなくなりません。
佐川氏としては大本営発表、財務省の発表に歩調を合わせているつもりなのでしょうが、
だからこそ「改ざんする根拠」が見えなくなってしまうわけで、
麻生財務大臣が説明した「佐川答弁修正説」は完全に破たんしたと言えます。
佐川氏を始め、財務省理財局が「正しい」と思っている公文書を、
わざわざ「公文書の改ざん」という犯罪を犯してまで、修正する理由はありません。
日常的に改ざんのある「辻褄合わせ体質」の可能性は明確に否定していましたし、
財務省の意識の低さによって改ざんが行われたわけでもありません。
そうなると、やはり外部からの「お叱り」があったのでは?と疑われるのも当然で、
組織内で「正しい」と思っている文書等を改ざんするのは余程の理由でしょう。
結局、一番肝心なところはブラックボックスの証言拒否。
これで財務省の最終報告も骨抜きの内容になってしまえば、
財務省自体の内向きな姿勢は「国民のため」とい公務員の存在意義の否定につながるでしょう。
そうなれば、最終的には財務省を解体せざるを得なくなってしまい、
佐川氏の証人喚問は財務省を守るどころか、さらなる死地に進めたことになりかねません。
客観的に見れば、佐川氏は頑張ってると思いますよ?
だけど、結果がいつも裏目に出てしまうのは人徳なのか、詰めが甘いのか…
今回も沈静化どころか裏目に出るのは間違いないでしょうね。
◆ニュースネタ 文部科学省授業照会事件 渦中の池田議員の言い分
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180322-00000040-asahi-pol
おいおい、アホか、こいつ…
百歩譲って、地元から懸念の声があったとしても、
何でそれが「国(文部科学省)」を経由する必要があるんですか?
地元の教育委員会に尋ねれば終わりの話でしょ?
地元の声→池田議員→文部科学省→名古屋市教育委員会
名古屋市教育委員会→文部科学省→(断絶)→池田議員→地元の声
わざわざ国を経由したのは安倍政権へのゴマすりに過ぎないでしょ?
安倍政権を批判する前川氏をやりこめて、手柄にしようとでも思ったのか。
それにしては手口がアホ過ぎる。
つまり、自分では名古屋市教育委員会に聞く力もないもんだから、
文部科学省という行政の力を、安倍政権の名を借りて歪めて使い、
その手柄を自分のものにしようとしただけじゃん。
大体、講演が終わってからこんなことをして何の意味があんの?
前川氏に関わった人達への嫌がらせと政権への御機嫌取り以外にないでしょ?
虎の威を借りて、虎に取り入ろうとしたけど失敗、人間的に終わってます。
こんな議員しかいないのか?
屈する文部官僚も文部官僚だけど、偉そうに行う議員も議員。オワットル。
◆ニュースネタ 大学入試試験で民間の英語テストを利用?
まだ詳細が決まってないので分からないのですが、
受験生が8社のうちから2回選択するのって、どうやって決まるんでしょうか?
1年で2回しか受けられないのか(どうやって把握するのか分かりませんが)、
それとも受ける回数は自由で、受験に利用できるのは申告済み2回分なのか、
それとも受ける回数は自由で、一番良い成績2回分を採用できるのか。
受験回数を制限しても、練習用として開催時期の早いものが利用されるでしょうし、
1年に2回までとすれば、1年生のうちから複数回受験して準備する学生も出てきます。
検定料だけが消費されていき、受験のスパンも準備期間がなくなり、
1年通してテストを受け続けるどころか、
3年間テストを受け続けることになりかねません。
センター試験一発勝負が最も寒い時期に行われることへの批判に対し、
1年を通してテストモードにするというのは解答が違うように思えます。
結果、受験生の負担ばかりが増しているような…
これでは受験産業に対する利益供与にしか思えないです。
上記の件を考えると、本当にそうであっても全く驚きはないですね…