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2021年09月30日

自民党総裁選、勝ったのは…?

安倍晋三、というオチでした。しょうもな!

●【総裁選】安倍氏も暗躍「岸田・高市連合」誕生  派閥分裂再編へ引き金
予想通りの結果ではありましたが、想像以上に高市氏が票を伸ばした感はあります。
まぁ、的外れではあったものの、保守の論陣でブレずに戦えてましたから、
保守を自認する自民党からすればウケは良かったのでしょう。
結果的に河野氏は議員票を喰われて、有利に立つと見られていた1回目の投票でさえ、
岸田氏に1票差で敗北、この時点で逆転勝ちはなくなりました。
決選投票では、予想通り、岸田氏が高市氏の票のほとんどを取り込んで快勝となりました。

最も得をしたのは元総理の安倍晋三氏。
岸田氏に総理在任中の恩義を返すことができただけでなく、
自分を支持してくれている日本会議ら右翼勢力にもアピールできました。
ガチガチの保守層に見放されぬよう、上手くガス抜きできた感はあります。
実際には何もしてないんですけどね…彼らの主張に乗っただけで実現はしてないので…
迷走した結果、投票行動もバラバラとなった二階幹事長との差を見せつけました。

これで河野氏は鈴を付けられて麻生派にすごすごと帰ることになり、
石破氏は相変わらず干されたまま、二階派には分断工作を仕掛ける感じで、
小規模な権力異動で終わると思われます。
結果的には、安倍-麻生ラインは変わらないわけで、
岸田氏が院政を覆して独自色を見せるのか、それとも屈するのかに注目が集まります。


結局は、今回も自民党は「できるだけ現状維持」を選んだに過ぎず、
国民が望んだ「安倍政治との決別」は果たされませんでした。
政権交代以降の自民党が行ってきた政治は「国民を無視すること」、
森友・加計・桜を見る会を始めとする疑惑からは逃げて説明を放棄し、
新型コロナが蔓延すると、対話しない・情報を出さずで何をしたいかも見えてこず、
国民に自粛をお願いをするのにも一切頭を下げず、補償も最低限…
誤りを認めずに改ざんし、謝罪やお願いをせずに締め付けばかりが叫ばれる…
そういった安倍政治の負の遺産と全く決別できていません。

当初は岸田氏も「岸田ノート」なるものを掲げて、
国民の声を聴いてきたとアピールしていましたが、
菅総理が自民党総裁選から降りて対立候補が一転して、主役に躍り出ると、
自民党の声を聴くことに終始し、官邸主導から党主導をアピールするなど、
選挙戦の中で声を聴く対象が明らかに変わってしまいました。
その戦略変更は自民党総裁選を戦う上では大きなメリットとなりましたが、
逆に国民からすれば、自民党という内輪の論理ばかりを重視するように見え、
「国民を無視する」姿勢は変わらないのだという失望に繋がりかねません。

岸田氏の課題は、総裁選を勝つために行ってきた党内リップサービスを辞め、
いかに国民の声に向き合えるかです。
党内融和ばかりを気にして、安倍・麻生氏の顔色を窺ったままでは、
国民の支持は全く得られずに終わってしまうでしょう。


ポイントは衆議院選挙がある思われる11月までにどれだけ結果を残せるかです。
本当なら静岡でも参議院補欠選挙が行われる10月24日が望ましいです。
この頃は1年で最もコロナ感染リスクが少ない時期でしょうから、
就任ご祝儀相場も加えれば、選挙に負けることはないでしょう。
ただ、現在言われている11月14日に選挙日程が来てしまうと…
気候次第では不利に働く可能性は否定できません。

●コロナ第6波は11.14に本格化「2つの根拠」 菅首相ラスト会見で楽観視のフシ穴無責任
大体、自分もそういう読みですね。
この頃には新たな冬の感染拡大が始まりかねません。
それもワクチンによる感染防止効果は全く期待できないレベルでしょう。
コロナ医療体制を広く一般化させて、早期発見早期治療に舵を切り、
ワクチンに頼らない感染予防体制を作らなければ、
次のコロナウイルスの変異には耐えられません。

●「理由分からず減った」政府も想定外 「第6波避けられない」の声も
寝ぼけてるのかな…
菅総理もワクチン接種を要因に挙げてましたが、明らかに的外れ。
ワクチン接種が進まなかったブラジル・インド・インドネシアも、
2~3ヶ月程で単一株の感染は収まっていますし、
要因としては気候の変化やウイルスの生存戦略が考えられるように思えます。
●コロナ新規感染急減の理由は? ウイルスの「生存戦略」という見方も
個人的には「空調の問題」だと思います。
9月前半に急激に寒くなり、エアコンを付ける必要性がなくなり、
後半から再び暑くなっていますが、窓を開けていれば耐えられるレベルなので、
「部屋を密閉してエアコンを付ける」ことが減ったのではないでしょうか。
実は今の変異株コロナ感染症対策で最も求められているのが、
接触感染対策のアルコール消毒ではなく、エアロゾル感染対策の換気です。
●38人の科学者が提言「空気感染」から身を守る方法
冬で風を通し続けるというのは無理な気もしますが…
とりわけ冬は暖房を切ったとしても、換気を疎かにしがちなので、
定期的に風を通すことは必要なように思えます。
まぁ、それができないから、コロナ感染症が終わらないんですけどね…

そういう観点から見ると、選挙や外交という日程も含めて考えると、
1か月も時間は残っていない可能性が高いです。
「コロナ対策に集中する」と言って総裁選を辞退した菅総理は、
この間、実質、何もしてませんからね…
岸田氏が総裁選への出馬を表明した8月末、
その時点から総理就任を前提としたコロナ対策をまとめていなければ、
とても間に合うような状況ではありません。
今から考えていてはもう遅いです。
仮にそうであるならば、総選挙までに満足いくコロナ対策は作れず、
冬の大感染を止めることができずに、ワクチン絶対主義の無能さを思い知り、
年内にも退陣に追い込まれる事態にまで発展することでしょう。
それだけこの1ヶ月が重要です。
スピード感を持って、危機意識を持ってコロナ対策を行って欲しいです。

一方でGotoキャンペーンのような経済支援策もやってもいいと思います。
ただし、こちらは期間限定を明記すべきでしょう。
例えば10月9日から11月14日までの期間限定とし、
感染状況が落ち着いているようなら1ヶ月単位で延長というように、
緊急事態宣言と同じように慎重な取り扱いをして欲しいです。
10月の間に迅速に経済活性策を行いつつ、
11月以降の感染拡大防止に繋げていくことが必要でしょう。
去年とは違い、傾向は掴めているはずですからね?

10月は比較的感染も落ち着くと予想はしていますが、
一度落ち着きをみせつつあった静岡県でも、
ポツポツと感染拡大の傾向もみられます。
特に早期に落ち着いた県東部地域で再拡大が見られるだけに、
やはり油断大敵、感染防止策を怠れば、予想外の大感染に繋がる可能性もあります。
経済政策は大胆に、コロナ対策は慎重に、行っていって欲しいと思います。


んー、予測としてはこんな感じですが、実際はどうなりますか…
現状のままでは、1ヶ月では何もできずに時間切れアウトでしょう。
この1ヶ月の菅総理の責任は重いです。
無駄なワクチン(詳しい解説は前々回参照)を打つよりも、
その人員を治療に回せば良かったのに…
岸田氏は速やかに党内権力を掌握し、野党と協調した上で、
迅速な経済対策とコロナ対策が打てるかどうか…
総理候補と言われながら、2番手以降に甘んじてきたストレスを、
逆にパワーに変えて、充電した分でスピード感をもって対応して欲しいです。
選挙までの1カ月間でお手並み拝見といった感じですね。


◆ニュースネタ 中国製スマホ「小米科技」に検閲機能? リトアニア国防省が中国にケンカを売ったわけ
中国国内ではもう共産党批判の文章自体が書けないと聞いてますが…
それはチャットソフトの問題かと思ってましたが、
携帯電話のOSそのものに仕掛けしてるんですかね? すげぇな、おい。
リトアニアは同じバルト三国のエストニアと共に、IT先進国として有名。
そこが公然と中国批判するのは正直驚きでした。
全世界的に見ても、中国VS台湾の構図が強まるのは間違いないでしょう。

自民党の総裁選でも対中国政策は語られていましたが、まるで変わり映えしません。
そりゃ誰だって「中国の横暴は許せないけど、全面対決はしたくない」からです。
ならば、譲れない一線をどこに引くかです。
対中国政策を質問することは、台湾政策を質問するのと同じになっています。
台湾とどう付き合うかが、中国との向き合い方に繋がることは間違いありません。

何度も言ってますが、西側諸国が台湾を失うことは、
世界のコンピュータを失うのと同義ですから、絶対に死守すべきと考えます。
まぁ、最も第三次世界大戦が起こる可能性が高いのは、ここなんだろうなぁ…


◆ニュースネタ ユーチューブ、新型コロナ含む全ての反ワクチンコンテンツを禁止
昨年の1回目の緊急事態宣言の最中、
肌色が多いという理由だけでセンシティブと誤BANしまくったYoutube君に、
新型コロナやワクチン情報の正誤が判断できるんですか?
凄いですね、そこら辺の医者よりも詳しいんじゃん。
Youtube君はコロナの専門家なんですね。すげぇわ。
専門家さえ分からないものを判断できるわけないだろ(苦笑)

他に気になるのは、最近、テレビでワクチンの副反応が全く報道されないことです。
別に副反応が起こっていないわけではなく、Youtube等を見ていれば、
配信者がワクチン接種をして少なからず副反応が出ているのは容易に分かることです。
それにも関わらず、報道しないのは何なんですかね?
行き過ぎた配慮を感じずにはいられません。


◆ニュースネタ 「これは詐欺医療である」東大の専門医が潜入調査で確かめた"悪徳クリニック"の許せない手口
ラジオとか聞いてると、健康関連の通信販売系番組ばかり…
その中で医師と称する人物が出てきますが…
平然と商品を進める話を聞いてると、「こいつ本物か?」といつも思います。
まぁ、結果から言えば、懸念通りと言いますか、それ以上の闇ですね、コレ…
医師も丸め込むって、健康食品会社ってどれだけ金を持っとるねん。
やり口から考えて、まともな会社ではなさそうなんですけど…
それを「仕事だから」と平然と広告する芸能人も芸能人だし、放送局も放送局。
闇か深いと感じずにはいられません。

2021年09月17日

集団免疫とワクチンパスポートが機能しない理由

デルタ株の感染のピークが過ぎたことは予想通りです。
●東京都のコロナ新規感染者1242人に「急激な減少…理由は何」「来週ゼロになるわけではない」
過去の感染期間を見ても、1~2ヶ月で収束に向かっており、驚くべきことではありません。
何か効果ある対策を打ったとか、ワクチンの効果でもなんでもなく、
効果的な対策を打てなかったブラジルやインド、インドネシアでも同じなので、
1~2ヶ月程度で感染し尽くして活動期を終えるのだろうと推測できます。
もっとも、それでも1000人前後の感染者を出し続けており、
下げ止まりの傾向がしばらく続く可能性は高いでしょう。

加えて感染が収束しているのは気候的変化も考えられます。
デルタ株がそれまで感染が比較的少なかったアジアで流行したのは、
気温が関係している見方がなされていますが、一理あると思います。
急激に涼しくなったことで、熱帯に強いデルタ株の感染が弱まった可能性はあります。

ただ、それ以上に大きいと思うのが、「エアコンの使用率」です。
エアコンを使うと必然的に密閉空間を作らざるを得ないので、換気が行いにくくなります。
変異株はエアロゾル感染が報告されていますから、換気せずにエアコンを使えば、
ウイルスが常に部屋中を滞留することになるので、感染率が上がってしまいます。
日本では換気の徹底が強く言われてこなかったこともあって、
夏冬の感染率が特に高まったのでしょう。
涼しくなってエアコンではなく、風を通すだけで良くなったことで、
換気率が高まり、感染者数が減少している可能性があります。
もっとも、一時に比べれば、また少し暑くなっていますので、
密閉空間でエアコンを使えば、また感染者数が微増する可能性はあります。

ですから、エアコン使用率が下がる秋は感染が抑えられる可能性が高く、
その意味では政府の行動制限緩和は理に適っています。
ただ、逆にエアコン使用率が上がる冬にはまた感染が拡大する可能性が高く、
感染症対策を怠ることもできないのは事実です。
10月からは小康状態に過ぎず、次の感染に備える大事な準備期間です。
昨年はそこでGotoキャンペーンのようなお祭り騒ぎをやった一方、
国会も開かず、議論すべきだった緊急事態宣言の強化や医療体制の拡充は置き去りにされ、
今年の冬や夏に全く同じ問題に直面していたのは周知の事実です。
「おいおい、何もしなかったのは政治家だろ?」
今度は選挙にかまけて何もしない様相を呈してきただけに、
今年の冬も同じ過ちが繰り返されそうな感じですね…
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」それではいけないのですが…


閑話休題。本題に入ります。
●シンガポール、接種率8割でも感染急増 「コロナ共存」へ試練
逆に「集団免疫」がなぜ成立するかと言えば、6割の抗体保有者を除外できるからです。
残りの4割において隔離・治療を行えば良くなるわけで、負担が大きく減ります。
ただ、新型コロナウイルスの厄介な所は、自覚症状のない感染者がいることです。
だから感染症の基本である隔離が上手くいかず、大規模感染をもたらしたわけです。

それはワクチン接種者でも同じです。
接種して十分な抗体量を保有する人もいれば、全く保有できない人もいて、
1ヶ月程度で減少する人もいるなど様々です。
そこがワクチンを接種していても感染してしまう理由です。
「ワクチンを接種した」というのは、あくまで「履歴」に過ぎず、
現状で「機能するだけのワクチン抗体量を持っている」かは別問題なわけですから、
PCR検査以下の信用度でしかありません。

ですから、『ワクチンパスポート』も必然的に破綻します。
過去の「履歴」でしかなく、今のワクチン抗体量を示すものではありませんから、
十分な抗体量を持ってない人が感染した上で、感染症対策を怠ってしまえば、
一気に感染が広がってしまうのは自明の理です。
最悪事態主義で備える感染症対策からすれば、これほどズボラな制度はありません。

今、必要なのは早期発見・早期治療を徹底することです。
抗体カクテル療法や特効薬を始め、感染初期の治療法は確立してきていますから、
重症化する前に手を打つことが大事です。
そういう意味で言えば、「インフルエンザと変わらない」というのは嘘ではありません。
感染力が段違いなので同じとは言えませんが、対応策自体は同じです。
インフルエンザも進行すれば死に至るのは間違いないですし、
脅威のレベルとしてはそう変わらなくなってきています。
もう「よく分からない感染症」ではなくなってきていることも事実です。

ですから、これからは対策を強化するのではなく、薄く伸ばすのが適切でしょう。
早期検査・早期治療を当たり前にすること、そういうシステム作りが大切です。
…まぁ、選挙やってばかりで、そんなことは全く行われずに冬を迎えるんでしょうけど…


●一般への3回目接種は不要 米政権に反対のFDA幹部ら
●米モデルナ、ワクチン追加接種の必要性示す研究結果 「免疫低下」
いやいや、どっちやねん!
そりゃ製薬会社としては2回で終わるよりは3回目打った方が儲かるでしょうが、
それは逆に自分達の製品に自信が持てていない証拠なので、
商売だけでそう言っているわけではないのは明らか。
一方で製薬会社は変異株に対応したワクチン開発をしていることも事実・
仮に新しいワクチンが開発されれば、旧来のワクチンは邪魔になりかねないので、
3回目の接種を邪魔に思っているんですかね?
いや、単純にワクチン接種に対する抵抗感を減らすために、
2回で十分ですよと政治的に喧伝しているだけなんですかね?

いや、まぁ、その前にワクチン抗体量をチェックしろよという話なんですけどね…
「ワクチン打ったら万能」と思い込む思考は欧米人の方が強いのかね?

●3回接種が進んだイスラエルで感染爆発、4回目を準備
いやいや、ダメじゃん、やっぱり(苦笑)
何回打とうが完全に防ぐことはできない、というか個人差が大きい証拠です。
この記事には変異株に対応した改良型ワクチンへの言及がありますが、
それと従来のワクチンとの関係はどうなんですかね?
インフルエンザワクチンの型のように、両方同時には打てないみたいな制限は出てくるのでしょうか?
今の所、改良型ワクチンに触れている記事は少ないので、そこら辺は気になります。

もうさっさとワクチンでは予防できないと認めて、
早期発見早期治療に切り替えてはいかがでしょうか?


◆政治ネタ 自民党総裁選に4候補が立候補
宏池会というリベラル派に属しながら安倍・麻生氏ら保守派に擦り寄る『風見鶏』、
政策が定まらず思い付きで発言して外れれば周囲に当たり散らかす『ちゃらんぽらん』、
日本会議に心酔し、理想を現実に当てはめようとする『主義者』、
夫が反社会的勢力に属しているらしい(?)野田氏。
いや、こう見ると、野田聖子氏だけよく知らないな自分。報道ベースだから致し方ない。

●4候補の推薦人から見えるのは 前首相の影響、確保に苦労の痕跡
岸田氏は岸田派を軸に、安倍政権に忠義を尽くしてきたおかげで、
細田派の一部と麻生派の主要部分を固めている形。
高市氏は安倍氏に近い細田派と保守派の議員、
野田氏は支持の弱さはあるものの二階派の一部という形。
河野氏は麻生派の一部と石破派、変化を期待する若手中堅という形。

岸田氏は一歩抜け出していることは確かで、
河野氏としては地方票を固めて1回目の投票で勝ちたかった所ですが、
野田氏の出馬で地方票が分散される可能性が高くなり、
決選投票となれば、地方票の比率が大幅に減るので、岸田氏が圧倒的優位となります。
岸田氏は高市氏の票も丸々取り込めるでしょうしね…

キーマンとしては安倍元総理と二階幹事長の動向。
安倍元総理が高市氏を支持するのは、保守派の支持を失わないためでしょう。
岸田氏は対抗馬として立つことが多かったため、リベラル色を強く打してきたのがどう響くか。
順当に見れば、決選投票では岸田氏に入れると思われますが、
そこに拘りが強くあれば、別の展開になる可能性もあります。
二階幹事長の影の薄さは異常。
引導を渡された形となった岸田氏に勝たれるのが一番困ると思うのですが、
だからといって何か動いているわけでもない…
●河野陣営から“塩対応”、石破氏も不出馬情報でキングメーカー・二階幹事長が迷走
決選投票で河野氏に入れて恩を売ろうと思っているのだとしたら…甘すぎ。
河野氏は恩に感じないでしょうし、勝てるかどうかさえ危ういです。
自分が二階氏の立場なら、野田氏を思い止まらさせ、河野氏が勝つように誘導しますけど…
一体、何を考えているのやら。狸の腹は分かりませぬ。

国民的期待が一番高い河野氏ですが…
●河野太郎氏「牙」は抜いた?隠した? 長老批判した最初の総裁選とは別人
●「KIK連合」で安倍政治終結なるか 古賀茂明
期待をかけられる一方、歯に衣着せぬ発言で敵も多いのも事実。
それも幅広い支持を得ようとして、発言が弱めになっているのも物足りない。
はっきりしない感じに見えてしまい、主張がブレブレに感じてしまいます。
国民や若手中堅が期待するのは、安倍・菅政治との決別だと思うのですが、
そこを打ち出せない辺りが「期待外れ」の評価に繋がりかねない感じがします。

まぁ、それ以上に自分が気になるのはワクチン担当大臣だったことです。
自信家で自分の非は認めず、それを周囲に転嫁する癖があるので、
官僚に当たり散らかしている時はまだマシですが、
国民も当たり散らかしかねないだけに、ちょっと困りますね…
特にワクチンの評価はここ数カ月で、ストップ高⇒ストップ安の大暴落確定なので、
その評価大暴落に耐えられる度量があるとは思いません。

俯瞰して自民党総裁選を見ると、野党視点的なコレ。
●今の自民党は、まるで昔の民主党 衆院選の「顔」求め右往左往
●菅さん、1年前の〝薄ら笑い〟説明責任を果たさなかったツケ 総裁候補も語らない「モリカケ」というトゲ
菅総理が続投とならなかったのも「選挙の顔」が理由でしたから…
まぁ、頭すげ替えればマシだろうという計算が元にあることは確か。
結局、自民党政権であることは変わらず、安倍・菅体制からの代わり映えはせず、
4人とも政権中枢にいた過去を持っているだけに、自己否定できてないのが辛い所。
国民から見れば、「同じ穴の狢」であることは変わらないわけです。


◆ニュースネタ ネット上の中傷対策、侮辱罪に懲役刑導入 法制審総会で諮問へ
法律的には『名誉棄損罪』まで及ばないものが『侮辱罪』と理解されてきましたが、
個人的には「果たしてそうか?」とずっと思ってます。
だから侮辱罪に懲役刑を持ち込んだら、問題が解決するのかは甚だ疑問です。

『侮辱罪』をごく簡単に説明すれば、「バカ・アホ・デブ・ハゲ」と罵ることです。
法律的には『名誉棄損罪』に準じて考えられるので、
本人の社会的名誉を棄損するような侮辱を公然と行われた場合に成立します。
パワハラなんかで問題となる仕事とは関係のない人格攻撃がこれに該当し、
脈絡なく「バカ」「死ね」と仕事場で叱責した場合は侮辱罪で刑務所行きになるかも?

個人的にしっくりこないのは侮辱の内容です。
これ、実は別に言われた内容が侮辱的なのではありません。
全く知らない人に「バカ」と言われた所で、「変な奴」と思うだけです。
一方の名誉棄損に当たるような「不倫してますよ」的なことを言われたら迷惑です。
名誉棄損罪の場合は個人の名誉という保護法益が損傷されるから成立するのですが、
侮辱罪の場合は侮辱的な内容を言ったという行為を罰しているように思えるわけです。
法律的には似たような理解がなされていますが、個人的には全く別の法律と見ています。

『侮辱罪』というのはその内容に問題があるのではなく、誰が言うかが問題です。
ネットで中傷されたとしてもダメージは少ないですが、
それを知り合いがやっているとすれば話は別です。
「あの人が自分にこんな黒い感情を持っていたのか」という事実が衝撃なわけです。
ですから、個人的には関係性の薄いネットの中傷に侮辱罪を適用するのは違和感があります。

仮に侮辱罪を重罰化するとすれば、侮辱の範囲を明確にする必要があります。
もしくは内容よりも態様によって重罰化するとか。
制止も効かずに、繰り返し侮辱する言葉を投げかけたら懲役刑といったように、
侮辱の内容にフォーカスを当てるのではなく、侮辱行為そのもので判断すべきです。
今の「名誉棄損に満たないもの」という理解のまま改正を進めて行くと、
理論的な批判であっても侮辱と解釈されかねず、結果として言葉狩りになる恐れがあります。
河野氏のブロック問題を見ても分かるように、政治家ならそういう方向へ捻じ曲げるでしょう。

表現の自由を萎縮させないようにしつつ、適切な法改正がなされて欲しいです。
まぁ、重罰化してもネットの誹謗中傷の状況は変わらないと思いますが…


◆ニュースネタ サントリー新浪社長「45歳定年制」発言で炎上…「ちょっとまずかった」
個人的にはそんな的外れなことを言ってるとは思いません。
むしろ、企業経営者として健全な精神を持ってる方なんだなと尊敬するぐらい。

●サントリー新浪社長を叩いても、「45歳定年制」が遅かれ早かれ普及するワケ
そんなわけで『終身雇用』のシステムはとっくに崩壊しているわけです。
一企業が就職から定年退職まで面倒を見るというシステムは終わっており、
水面下では積極的な早期退職が進んでいるのにも関わらず、
いつまでも入社時のお約束を守ってくれると思っている方が甘いです。
定年退職になっても、同じ会社に再就職する方もいますし、
逆に別の仕事に挑戦する人、別の仕事をやらざるを得ない人もいます。
中には労働を辞め、悠々自適に趣味を行ったり、学び直そうと学校に行く人もいます。
それが早まるかの違いしかなく、将来的には45歳どころか、30代まで下がるでしょう。

経営者から見れば、日本の労働市場の問題は人材が流動化しないことです。
時代の変化が速く、製造からサービスへ、サービスから創造的分野へと、
次々に事業の転換を切り替えていかなければならないのに、
人材は切れず、旧事業から新事業への展開がなかなか進みません。
一方、労働者から見れば、解雇を欧米並みに行われれば、生活が成り立たず、
住宅ローンの支払いさえ滞ることになりかねず、生活保障の当てが外れます。

逆に言えば、人材の流動化が激しければ、失職しても速やかに転職できます。
改善すべきは失職時の生活保障と速やかな転職を成し遂げるシステムの構築です。
それを担っているのが『ハローワーク』のはずですが…質が劣ります。
結局は個人任せにならざるを得ず、スピード感がありません。
最近では転職エージェントなどもありますが、
こちらは費用がかかるので労働者の負担が大きくなります。
ハローワークを巷の転職エージェント並みに強化することが必要不可欠です。

あとは労働者側の意識改革です。
もはや「一社を勤め上げる」という働き方は時代遅れになってしまったわけです。
そういう働き方も良しでしょうが、それは単に「運が良かっただけ」に過ぎません。
時代の流れや環境、会社の立ち位置、自身の会社での立場、自身の健康等々…
もはや、それらを全て満たせる豪運を持つ方が稀なわけです。
将来的には転職が普通になり、2つの仕事を抱えるWワークも普通になるでしょう。
どこに務めるのかではなく、何の仕事をするかの時代に変わると思います。
もはや会社員もフリーランスも変わらない時代がもう来てるんですよ。

そうなってくると経営者側も意識改革が必要になってきます。
なぜなら、「選ぶ側」から「選ばれる側」になるわけですから。
流動化すれば、労働者が選ぶ立場になります。
人材が固定化されないので、優秀な人間ほど良い条件を探すようになります。
今までのように労働者を食い潰すような企業には誰も近寄らなくなるわけです。
良い雇用条件を提示し、労働者の待遇をよくすることが求められます。
今まで把握できなかった離職率も求人にしっかりと記載し、
労働者の固定率がどれぐらいで、どれくらいで転職できるのか、
そういうことも把握されるような時代になっているわけです。

今回の炎上騒動は労働者を巡る雇用環境が瀬戸際にあることを感じさせられます。
労働者、とりわけ正社員という「持っている者」は意識が依然として古い証拠です。
逆に派遣労働者などの「持たざる者」からすれば、当然のことでしょう。
正社員の非正規化は既に20年前から起こっている事実に過ぎず、
今更、自分だけその波に飲み込まれずに済むのは不可能なことです。


◆社会ネタ 間違った『引きこもり』対策
運転中にニッポン放送系列のテレホン人生相談を聞いたりするのですが…
毎回聞いてるわけではないので、よく分からないのですが、
司会の人が大ベテランのおじいちゃんの時、随分と強引な決めつけしませんかね?
相談者の相談を型にはめて、無理矢理そうだと相談者に思わせるような手口は、
もはや詐欺師か催眠術師かのようです。
あまりにも強引すぎます。
個人的にはもうそろそろ引退された方が良いのではと思うぐらいです。

本題に入って、その相談の中で『若者の引きこもり』を母親が相談するものがあって、
どういう経緯でそうなったか自分もよく聞いてなかったのですが、
最終的には共依存で自分達はみすぼらしい人生なんだと知りなさいと言い、
相談者がどうすればいいんですかと聞いたら、
自分達は知らない、あなたが決めることです的な言い方をして、
何も解決しない終わり方になっていました。

この手の相談でありがちなのが『共依存』の指摘ですが、
家庭という狭い社会の出来事なので、そう思えるのは当たり前のことでしょ。
『共依存』だと言ったところで、ヤクザの追い出し屋が子どもを監禁した所で、
何も問題は解決しませんし、全くそういう問題ではないわけです。
何が問題かと言えば、相談者を含めて『引きこもり=みすぼらしい人生』と決めつけ、
あなたと自分は違うと線を引き、最終的に「そんなの知るか」で終わることです。
ただでさえ、社会から隔離されてるのに、さらに隔離してどうすんのよ? アホだろ。

一昔前、高度経済成長期には『一億総中流』と呼ばれたそうです。
これを聞いてあなたは「昔は平等な社会だったんだな」と思いますか? 信じれますか?
そんなわけないでしょ。答えは単純に「見て見ぬフリをした」んですよ。
集団就職に失敗した、健康を害して仕事を辞めた、そんな人は幾らでも居たはずです。
でもその人をよく知らない人は「努力が足りなかった」と言い、
その人をよく知っている人は「運が悪かった」と言って、見捨てたんです。
その構造は現在も変わっておらず、レールから外れた人は容赦なく見捨て、
途中乗車は許さない狭い社会を作り上げてしまったんです。
それが情報化社会になって情報が共有されただけに過ぎません。
昔だってプーはいくらでもいましたが、拡大家族や親戚付き合いが強かったことで、
それらの人も家庭で何らかの役割が与えられ、目立たなかったに過ぎないわけです。
極端な話、社会で働けない人がいても構わないわけです。
何らかの役割、繋がりを確保できているならば。

結論から言うと、『引きこもり』を『共依存』と断定し、
「お前が悪い、解決法は知るか」と言い放つことは、何の問題解決にならない所か、
社会的に隔離を助長し、『引きこもり』を悪化させます。

解決法は簡単で『認める』ことです。
今の社会に適合できない人もいると『認める』だけのことです。
別に『労働』という形でなくてもいいので、それが趣味であってもいいから、
社会的繋がりを切らさないことで、コミュニティの中で何らかの『役割』が生まれます。
それが金銭的労働に繋がるか否かは分かりませんが、それでも十分ではないでしょうか。

さすがに完全なる人間不信に追い込まれていると、なかなか難しい面もあるでしょうが、
そうでないならば、あまり深刻に考える必要はないでしょう。
とても簡単な事なのに、どうも世間はズレて考えてる節があるように思えます。

●「日本の就活」が陥るガラパゴス化、グローバル人材確保を遠ざけている実態
直接関係あるわけではありませんが、いかに日本の社会が「型」にはめたがっているかの証拠。
そんな「型」なんかぶっ壊しちゃえばいいのに。
目の前に人間がいる、それが全てでしょ? 性別も国籍も人種も何も関係ないでしょ?

2021年09月08日

コロナ予報で占う衆議院総選挙

「コロナ予報(妄想)」をお伝えします。
新型コロナウイルスは、季節周期的に感染を繰り返しており、
昨年の感染状況と比較すれば、ある程度の感染予測はできます。
日本での感染拡大期は長くとも1~2ヶ月程度なので、
現在は7月から始まったデルタ株の波が収束に向かいつつあります。
もっとも、すぐにゼロになることはなく、医療放棄による未発見の感染者予想されることから、
9月中は下げ止まりの傾向が長く続くと予想されます。

10月に入れば、昨年も『Gotoキャンペーン』をやったように、
日本は穏やかな気候になり、感染者は少なめに推移すると予想されます。
ただ、寒さが見える11月頃からは感染拡大の恐れが出てくるでしょう。
次に流行する変異株は現状のワクチンが効かない可能性が高いと予想されるので、
ワクチン以外の防衛手段(特効薬開発や医療機関の連携強化)を用意しておく必要があるでしょう。
●デルタ株に変異4つ加わると、現行ワクチンの効果が大幅減…3つ変異はすでにトルコで確認


突然の総裁選不出馬を発表した菅総理でしたが、週明けの会見は行われず、
「コロナ対策に専念」はもはや口だけの、やる気なし状態なのでしょうか…
開き直って党派を超えたコロナ対策をしてもらいたいんですが…
やる気がないのでは話になりません。
もっとも、最初からコイツのコロナ対策のやる気はゼロでしたけど…
自民党のために政治をやるのではなく、国民のために政治をやってください。


さて、目下話題の自民党総裁選に関しては後で語るとして、
先にコロナ予報(妄想)から見る衆議院総選挙の展開予想をしてみようと思います。
任期満了なら、10月中旬から11月にかけての選挙日程になると見られています。
そうなると、コロナが一旦落ち着きを見せている時期に当たるので、
コロナ対策よりも景気対策に興味が移っている可能性が高いです。
おそらく自民党はワクチンの有効性を誇り、
結果的に菅総理の取ったコロナ対策は正しかったという論調になるのでしょう。

ただ、そこでコロナは克服した、経済対策を優先すべきと主張する政治家はアホです。
容赦なく切り捨てましょう。そういうのを見通しの悪い馬鹿という。
1年前に菅氏を総理に押し立てたのは誰ですか?
みんなで勝ち馬に乗った結果はどうなりましたか? 見通し浅すぎでしょ。
少なくとも、あと1回は変異株による感染が起こると思われ、
加えて、それは現状のワクチンでは対処できない可能性が高いので、
根本的にコロナ対策を切り替えられる政治家が必要になります。
国民にはコロナへの警戒感を訴えつつも、
医療者にはコロナ対策マニュアルを広めて治療の警戒心を薄れさせ、
コロナ医療体制の再構築をすると共に、特効薬や治療法の開発が急がれます。
小康状態だからこそ、次の波に準備できる政治家こそが賢いのです。
国民は流れに惑わされず、そういう賢い政治家を選ぶ必要があります。
…まぁ、のど元過ぎれば何とやらで、経済対策で投票した結果、
与党が大勝し、コロナ対策を忘れて年末年始にこの世の地獄を見るんでしょうけど…

そんなわけで、10月には今と環境が全く変わり、
与党完全有利の経済対策志向が強まると思われますが、それは落とし穴です。
そこで感染症対策を緩めてしまえば、
年末年始はワクチン耐性ウイルスで最大級の被害をもたらしかねませんから、
国民が判断すべき基準は経済優先という甘言に流されずに、
感染症対策を訴えられる政治家ということになってくると思います。


◆ニュースネタ 自民党総裁選の展望
国民から見て、望まれる総理候補は、野田>岸田>石破>高市=河野氏の順です。
逆に、自民党から見て望まれるのは、河野>高市>岸田>野田>石破氏の順です。
ただ、現段階では菅総理を支えていた二階派の動向が分からず、
石破氏は出馬見送りが噂され、野田氏は推薦人の目途も立っていないので、
現状では誰が勝つのか予想できない展開です。
仮に石破氏が出馬しないなら、地方票は選挙の顔として河野氏に集まる可能性があり、
岸田氏は国会議員票をある程度は固められるので、決選投票進出は確定的。
最終的には河野氏と岸田氏の決選投票になると予想され、
最後にどちらが勝つかは今後の展開次第でしょう。

国民から見て最も困る総理候補は、一番人気の河野氏です。
なぜなら、彼がワクチン担当大臣だからです。
自分の功績を即座に否定できる人はなかなかおらず、
今年の冬にワクチン耐性ウイルスが流行した場合に、対応が遅れる可能性があります。
協調性がなく、頑固な一匹オオカミタイプの彼は菅総理と重なる所があり、
予想外の問題に苦慮し、最終的には国民に責任を押し付ける可能性があります。
彼の性格は特に所属する麻生派のベテラン議員は分かっているでしょうし、
他派閥の中堅以降の議員もその動向を見ているはずです。
最終的に麻生氏を始めとする麻生派幹部に認められる必要があります。

二番目に困るのは、高市氏。
極右の日本会議の犬なので、安倍政治の継承を打ち出すことは間違いありません。
そこに理論は一切なく、理想論だけで語るので、
現実的な対応ができなくなる可能性が高く、安倍政権のコロナ対策と変わらないでしょう。
意外と国民が困りそうなのが、石破氏。彼が気難しい理論家だからです。
説明をさせても国民の理解が追いつかず、別の意見が提案されれば反論を喰らいと、
議論は進まずに「堅物だな~」という印象しか残らない可能性があります。
平時ならともかく、コロナ禍では国民が政治に歩み寄る体力がありませんから、
石破氏の話は理解されにくいかもしれません。

野田氏と岸田氏は現状まだマシかなという評価ですが、自民党的には難しい問題があります。
野田氏が総裁選に勝つには二階派の援護が必要不可欠で、
結果的には菅氏と同じような苦境に陥る可能性が高まります。
二階切りを成功させた自民党内に「またか…」と思われる可能性が高いからです。
また、自民党内の女性総理候補の仲がよろしくないのも問題。
仮に初の女性総理誕生となっても、組閣時に女性が全然いませんでしたでは、
女性総理を誕生させる甲斐がありません。
野田氏には女性議員に支持を広げられるかどうかがポイントでしょう。

岸田氏は前回・今回と野党的な戦い方をやり過ぎました。
前回の総裁選では左翼的な政策を掲げ、今回は二階派を煽って敵に回しており、
保守を標榜する自民党内で支持を広げられるかどうか分かりません。
対抗馬としては優秀だったのですが、
本命がいなくなったことで戦略を切り替えられるかどうか、
保守寄りの政策に変更すれば、逆に変化を期待する人は裏切られた気持ちになり、
左右の揺れ幅をどういう形で落ち着かせるかが難しくなります。
結果として、「風見鶏」の印象が強くなり、優柔不断さが目立つことになりかねません。
仮に岸田氏が勝ち上がった場合、自民党内を説得するよりも、
野党を説得する方が楽という展開も多くなることも予想され、
消費税増税法案に賛成した野党時代の自民党の谷垣氏と同じ運命を辿るかもしれません。

国民にとって利益になるであろう野田氏と岸田氏では自民党内情勢が難しくなり、
逆に自民党の利益を優先すれば、国民がコロナを乗り越えることが難しくなり、
「進むも地獄、引くも地獄」という状況になりかねません。
総裁候補者がどれだけ先を見据えられるかがカギとなってくるでしょう。

菅総理退陣で「やっと終わった」ものが、
実は「終わりの始まりだった」となりかねないのが政治の怖さ。
今こそリーダーの先見の明が必要とされる時代です。


●「ワクチン迷走で菅首相たたかれた」と甘利氏、それなのに「河野担当大臣の評価上がるのはわからない」
●河野氏「両立」に与野党懸念 ワクチン担当、兼務解消案も
いや、その前に甘利氏はURの口利き疑惑の説明をお願いできますかね?
ただ、言ってることは確かに真っ当。
菅総理が仮にも「ワクチンに専念するから総裁選に出ない」と言っているのだから、
それを支えるのが筋というものではないですかね?
もっとも、その菅総理自身が河野氏を総裁候補に推してるから性質が悪いんですが…
やっぱり菅総理が責任を投げ出した「口実」でしかないことがここでも分かります。
国会を開いて速やかに次のコロナ対策をするべきなのに、それもしない。口だけ。
その証拠が河野氏の厚顔無恥な総裁選立候補でしょう。
下村氏に政調会長の辞任を迫ったのなら、河野氏にも辞任を突き付けるべきでしょうが。
結局、政治がやりたいのではなく、政局がやりたいだけではありませんか?

●「#河野さんにブロックされています」がTwitterでトレンド入り
ブロックしてることは否定しないんですね…
河野氏は典型的な「お山の大将」。「井の中の蛙大海を知らず」という奴です。
彼は自分が一番でなければならないわけですから、
自分が反論できない考え方はブロックしちゃうんですよ…

別にSNSだから好きなように使えばいいとは思いますが、
ブロックしている人を「常識のない人々」とレッテル貼るのもどうかと。
あなたの好き嫌いを人の善し悪しに結びつけないでください。

河野氏のマイナス面はこういう謙虚さの欠片もない所です。
そこが父親の河野洋平氏とは対極に位置し、
自民党のベテラン議員にも煙たがれる理由でしょう。
自分より上の人は要らないから、河野氏にとっても煙たい存在なんですよ。
そこが彼が常に「独りよがり」にしか見えない理由なのでしょう。
そこが治らない限り、どんなに国民的人気があったとしても、
自民党総裁選を勝ち抜くのは難しいように思えます。

石破氏が河野氏を推すという話も出てますが、どう考えてもケンカしそうだよね(苦笑)
いや、河野氏が石破氏を一方的に嫌う未来なんですけどね…


●野田聖子・自民党幹事長代行が「総裁選、出るわよ」 子どもも国民も背負って首相を目指す覚悟
自民党の女性議員の中では男性に付かず離れずのバランス型な人ですが…
先にも書きましたが、日本で女性総理が誕生しないのは、
男性社会だけに問題があるのではなく、女性のカリスマ的議員がいないからです。
女性が支持できる総理候補、女性議員が集まってくる総理候補がいないからです。
どこか男社会に媚びるように、酒のお酌をしたり、右翼思想のイエスマンになったり、
逆に男社会に挑戦するように見せるだけだったりと、そんな人ばかりです。
女性の主張を汲み、女性の視点で考えられる議員が必要です。

●【独自】“タカ派”稲田朋美氏を変えた防衛相時代の挫折 「弱い立場の人が他人事じゃなくなった」
こんな感じで、「変われた」人もいるようですから、
女性議員が認め合えるような候補者になって欲しいです。


◆ニュースネタ 自民総裁選で埋没警戒 衆院選目前、首相交代に困惑 野党
安倍・菅政権による政治の劣化が激しかったことで、
コロナ禍での政権交代を期待された時期もありましたが、
それも一段落してしまったのは間違いありません。

ただ、それはあくまで与党がダメだからこその「背伸び」に過ぎず、
野党の支持が伸び悩んでいたことがその証拠です。
当初の目標通り、堅実に党勢を伸ばすことに集中すべきでしょう。
政治的には我慢の時期です。

コロナ予報通りなら、国民の関心は経済対策に向くでしょうが、
そこは敢えてコロナ対策に焦点を絞り、来るべき災厄に備えて欲しいです。
はっきり言って、次の自民党総理も短命でしょう。
昨年、あれだけ人気が集中した菅総理がコレだったんですから、
次の人も推して図るべし…
選挙の顔で選ばれるのではなく、自分が選ばれるようにしなさい。
緩み切った自民党政治がいずれ崩壊するのは目に見えていますから、
野党はじっくりと力を蓄えるべきです。

2021年09月03日

菅総理は自民党総裁選に出馬せず

急転直下の出来事ですが、現段階では菅総理が「辞職する」とは言ってません。
あくまで「自民党総裁選には出馬しない」と言ったに過ぎません。
週明けの会見でどういう発表がなされるか分かりませんが、
現時点では自民党の新総裁が選ばれたとしても、臨時国会は召集されず、
菅総理のまま衆議院の任期切れを待って、任期満了での辞任となる可能性があります。
任期切れが10月中旬なので、10月一杯までは菅総理が続投する可能性もあります。
法律的に総理大臣と与党トップが別の人物であっても、何の問題もありませんが、
慣例的に自民党総裁と総理大臣が一致しないという珍しい事例となるかもしれません。
(政権交代後の社会党連立時の河野洋平氏、野党転落時代の谷垣氏があるものの、
 数的には安定している単独過半数与党で両者の不一致な現象が起これば初の事例)

勿論、選挙は新総裁の元で戦うことにはなるわけですが、
それまでの政権の評価は菅総理の評価の元で選挙が行われることになるわけで、
選挙の結果次第では、政権交代が起こり得て、
新総裁が総理大臣に就任しないまま自民党が野党に転落する可能性もあります。

そういう意味では、このまま国会を開かないケースも想定できるので、
野党の「無責任」という批判は当たらずとも遠からじといった所でしょう。
与党内で力を失った総理大臣がどうやって政策を進めていくのか?
自民党内に誰も支えようと思う人はいなくなるでしょう。
それこそ残り期間で挙国一致内閣でも作らなければ、コロナ対策も進まないでしょう。
そういう腹積もりがあるなら話は別ですが…
もう右往左往しているだけのように思えますねぇ…
下村氏を恫喝したのは何だったのか…

●「岸田ノートなんて…」菅首相が総裁選出馬を決意も幹事長のなり手が決まらず、四面楚歌
二階幹事長を切ったと思ったら、切られていたのは菅総理だったということか。
実質、本気で支援してくれそうなのは総裁候補がいない二階派ぐらいだったのに、
その二階派の怒りを買うことをしてしまえば、推薦人さえ集まらない可能性も…
二階派は後述するように選挙互助会集団ですから、選挙で割を喰うと思えば、
自民党から離党することさえ厭わず、場合によっては小池都知事らを擁立する可能性も。
いやー、しかし、一気に崩れましたね。
逆に言えば、二階幹事長が支えていたからこそ、党内を保てていたということですか。

自分が菅総理の立場だったら、どうしますかねぇ…
自分の首を賭けて野党に挙国一致内閣を申し込みますかね。
そうすれば仮に自民党新執行部と対立したとしても、不信任案を切り崩せますから。
官房長官に立憲民主、ワクチン担当に共産党、総務大臣に維新の会を割り当てれば、
菅政権に足りない広報力と地方との連携を強化できるんじゃないでしょうか。
まぁ、それだけの器があったなら、ここまで追い込まれてないと思いますが…


◆ニュースネタ 自民党総裁選関連のニュース(発表前の旧記事)
まぁ、6日には刷新人事が発表されるので、それを待てばいいことですが…
色々な予測や観測記事が飛ぶのが、この時期の面白さですよね(苦笑)
こういうのを愉しめる人が政治好きなんでしょうな…自分は楽しめないけど。

●「ついに菅首相から降板通告」権力を死守したい二階幹事長が次に狙う人間はだれか
二階派は訳アリの寄せ集め集団です。何で寄ってくるかと言えば選挙で勝てるからです。
つまり幹事長という立場で、候補者擁立に深く関われたから二階派は大きくなったんです。
ですから、二階氏が幹事長を降りることを納得するのは3パターンしかありません。
①後任に二階派の幹事長を立てる(ただ二階派内に後継と目される有力議員がいない)
②人事刷新後に解散総選挙を行う(候補者名簿を改める時間がないので)
③候補者対立の少ない少数派閥の幹事長を立てる(二階派の要望を飲んでくれるため)
①は人材がおらず、②は菅総理が否定したので、残るは③しかありません。
そうなると2人しか居ません。石破氏と竹下派の茂木外務大臣です。
国民的人気という面では石破氏の方が勝るので、あとは両者の個人的思惑次第でしょう。
まぁ、誰になるか知らんけど。

●自民党は”奥の手”使う?内田樹さん「延命の秘策は『立憲民主党との連立』」 権力保つためなら「なんでもやる政党」と指摘
当然なくはないでしょう。
けど社会党を取り込んだ野中氏や亀井氏のような度量を持つ人間が今の自民党にいるか?
菅総理が取り込めるのは、せいぜい維新の会ぐらいでしょ。
まだ橋本氏に立ってもらい、野党票を分断する方が可能性あると思います。
旧国民民主党のメンバーを中心に切り崩しは図れるとは思いますが、
それでも手を組む最低条件が「菅総理の退陣」なのは間違いなく、
現状のままで手を組む人なんていないでしょ…
それを条件に大連立を組んだら英断でしょうが、
自分のことしか見えてないのは明らかなので、そんなことできないでしょうね。

●「世界最低クラスの信頼度」菅総理、伝え方根本NG
結局もう国民の信頼を完全に失っているんですよ。
言葉が伝わらなくなっちゃってます。
トップの信頼度が地に落ちてるんだから、変えるしかないんですよ。
挽回しようとしても無駄。あまりにも時間が経ち過ぎました。
その時間の分だけ国民は不信感を高めており、いくら挽回した所で無駄です。
総裁選が怖いから解散総選挙に打って出るというのは悪くない手段ですが、
それは単なる自爆テロでしかないことを他人は知っているから反対するんですよ…


◆ニュースネタ 混迷を続けるアフガニスタン問題
●米軍幹部、タリバンと「連携可能」 IS系勢力に対抗
赤っ恥をかかされたバイデン政権がタリバン政権と組む可能性はなさそうですが…
以前も書いたように、選択肢としてはタリバンと強調する可能性もありえる話です。
メンツを取るか、国益を取るか、という話。
日本だと絶対メンツを優先しそうですが、アメリカの大統領はどうですかねぇ?

●自衛隊派遣、出遅れ響く=甘い見通し、「想定外」続発―アフガン人退避失敗
●アフガン派遣の自衛隊輸送機が帰国 邦人の退避は1人
他に日本人の出国希望者がいたのかどうかは分かっていません。
アメリカが慌てて撤退したから、日本も慌てて立ち去った感じでしょう…

結局、見えてこないのはアメリカの今後のアフガニスタン政策です。
タリバン政権を認めないのであれば、協力的なアフガニスタン人を出国さえ、
亡命政府を作り、徹底抗戦をするべきでしょうし、
タリバン政権をいっそ認めてしまうのであれば、
こんな拙速な行動をそもそも取る必要がないわけです。
政策が決まらないまま、右往左往しているのが見え隠れしており、
日本もアメリカが右往左往しているから、一緒に右往左往している感じでしょう。

個人的な考えで言えば、タリバン政権に協力するのはアリだと思っています。
これだけ迅速にアフガニスタン国内を占拠できたのは、懐柔策を取ってきたからです。
それだけ地方部族の要望を汲み取れているということでしょう。
実際に統治する上でも、強権的に行くことはできず、懐柔策しか取れません。
パキスタンやイランと違い、国を潤す産業がないからです。
パキスタンやイランでさえ、欧米の経済制裁に苦しんでいるのに、
資源に乏しいアフガニスタンが欧米の経済制裁に遭えば、ひとたまりもありません。
タリバン政権は選択肢として懐柔策を取らざるを得ません。

そうなるとイスラム原理主義に染まった強硬派が反発することでしょう。
おそらく、今後は現実的な穏健派とイスラム原理主義の強硬派が対立するでしょう。
そうなった時にどちらが勝つか。
国際社会が放置すれば、イスラム国の残党を始めとするテロ組織が強硬派を支援し、
アフガニスタンはさらなるテロリストの巣窟になりかねません。
それを防ぐためには穏健派を陰ながら支援する方が利口なのです。

そういう冷静な計算が今のアメリカにできるかどうか。
バイデン政権の胆力が試されています。今の所、ダメそうな気がしますけど…


◆ニュースネタ「個人の趣味趣向に対する差別を扇動する」女子高生遺体遺棄巡り抗議声明、朝日新聞出版が謝罪
まぁ、記事を読みましたけど、『バ美肉』関係ないやんけと思ったものの、
コメントでそういうのは全く見かけず、単に『バ美肉』の認知度が低いだけかと思ったぐらい。
悪意とかはなく、単純に『バ美肉』をよく知らなかっただけなんでしょう。
『バ美肉』に惹かれて記事を見た人なら、配信者だったのかと疑いますけど、
全くそういうこともなかったので、やっぱりよく分からずに書いていたんでしょうねぇ。

ただ、もし自分がその記事を書くとするならば、『Vチューバ―好き』と表現しかねないので、
逆に反発を買う記事になりかねなかったように思います。
『バ美肉』というよく分からん言葉を使ったから、逆に目立たなかっただけ。
しかし、『バ美肉』好きって何だろうね。
これ、外側の美少女が好きなんじゃなくて、内側のオッサンが好きなんでしょ?
オッサンなら下ネタOKと勘違いして、局部写真を送りつけるバカとかいるそうですが、
そういう趣向としか思えないのですが…
『Vチューバ―好き』なら分かりますが、『バ美肉好き』はよく分からんです。

しかし、この事件はサッパリ分かりませんね…
最初は出会い系アプリの援助交際関連かと思いきや、
Twitter上の知り合いなだけで、殺害時まで会ったことがないとか…
もう、それは完全に他人じゃん。
中にはネット上の知り合いを現実以上の人間関係と考える人もいるので、
一概にネット上の知り合いに嫉妬する気持ちが分からないわけではないものの、
それが殺人にまで発展するというのは、やっぱりよく分からない。
被害者の女子高生も個人的関係性を否定していたでしょうし…

ただ、現実の人間関係とネット上の人間関係の齟齬というのは、
今後増えてくる可能性はありますよね。
フェイスブックの登場以降、現実との狭間が曖昧になっているだけに、
変な事件に発展しないようにネットリテラシーは強く持っておきたい所です。


◆(9月4日追記分)自民党総裁選関連ニュース

●菅首相、不出馬の舞台裏 「2A」と「2F」の仁義なき暗闘、「岸田文雄への密命」も
まぁ、この観測で大体合ってるでしょうね。
自民党の候補者調整で一番対立しているのが二階派と岸田派ですから、
岸田氏が二階氏を煽るのはよく分かります。
それに菅総理はまんまと乗せられましたね…
二階氏の幹事長降板までは良い案だと思ったのでしょうが、誰も引き受け手はいませんでした。
そりゃそうです。
幹事長として何かする前に選挙が行われ、菅総理のままなら敗北は必至、
その責任だけなすりつけられかねないわけですから…
結局、菅総理を含めて、国の未来よりも身の安全を図る保身議員ばかりだったわけです。

●田崎史郎氏、菅首相が激怒した報道を明かす…「ものすごく怒ってました…『ひどい、ひど過ぎる』と」
総裁選先送りの解散総選挙案をリークしたのは二階派議員でしょうね。
説明した通り、二階派は選挙で勝つための集まりですから。
選挙で公認が受けられないようになるくらいなら、玉砕選挙やった方がマシということです。
同じ落選でも自民党公認と無所属では後の支援が変わってきますからね…
自民党の看板でしか受からない議員は落選よりも公認の方が大事なんですよ…

二階派の立場からすれば、先に二階氏を切ったのは菅総理であり、
早々に解散総選挙を否定してしまったことで、追い込まれてしまったのでしょう。
彼らからすれば「酷いのはお前の方だよ」といった所でしょう。
まぁ、他人の感情が分からん人ですよね、菅総理は。
共感力のなさは国民に対してだけでなく、同胞に対しても同じだったようです。
だから簡単に裏切るし、裏切られるのよ?


もっとも、菅総理がここから巻き返す方法はあります。自民党を捨てることです。
「コロナ対策に専念する」という嘘を真にしてしまえばいいことです。
残りの任期を「コロナ対策に目途を付ける」と称して、
与野党の垣根を超えた救国内閣を作れば、歴史に名を遺す名宰相になる可能性があります。
自民党からの離党、衆議院任期満了までの限定救国内閣を条件にすれば、
野党が協力する可能性はあると思います。
実際に立憲民主党と共産党は政権担当能力が疑われていますし(互いに)、
維新の会は近畿地方以外の知名度が上がっていません。
彼らがコロナ対策で一致して協力すれば、自民党以外の選択肢も生まれてきます。
菅総理とすれば、自民党で落ちた求心力を野党の力で補い、
コロナ対策を徹底的に行うという建前で自民党の妨害を阻止し、
党派のしがらみのない政治を行えるメリットがあります。
もはや自民党にない共感力を立憲民主党と共産党で補い、
維新の会の突破力でこの窮地を脱することも可能です。

まぁ、無理でしょうけど…


◆ニュースネタ ワクチン接種、「11月初め」完了 河野担当相が見通し
最初から言ってるのに誰も答えてくれない素朴な疑問。
「ワクチンの効果期間は一体どれぐらいなんですか?」
欧米では3回目のブースター接種が議論され始めている時に、
ワクチンが効果を発揮するのに必要なワクチン抗体量や、
接種前と接種後のワクチン抗体量の変化は調査済みなんですよね?

まさか、政府として全く調査していないなんて言いませんよね?
調査しなければいけないとなった時に、
未接種の人がいないという事態にはなりませんよね?
しっかりと調査してますよね? それなら、その結果を発表してください。
ワクチンが信頼されずにデマが流れるのは、必要な情報を出してないからですよ。
まさか、まさか、調査してないなんて言いませんよね?