与党の自民党では後任の総理大臣を選ぶことになる自民党総裁選が、
野党第一党となる合流新党(立憲民主党or民主党のいずれか投票で決める)の
代表を決める選挙がそれぞれ行われています。
いずれも、自民党・菅氏、立憲民主党・枝野氏が有力だと思われますが、
選挙戦は対照的な様相を示しており、
選挙後がどうなるのか読めない展開が続いています。
まず、与党自民党の総裁選ですが… まぁ、ドロドロ。
●菅義偉氏“安倍官邸乗っ取り”の全内幕 二階幹事長と急接近
さすがに「乗っ取り」は言い過ぎな感はあるものの、
確かに30万円給付金案が岸田氏の責任にされているのは違和感ありました。
自分の記憶が確かなら、話が出てきたのは自民党からではなく政府だったはず、
確か自民党に相談なしに30万円案が出てきたことで反発が広がったわけで、
出所の政府官邸に問題があったわけで、自民党にいた岸田氏のせいではないでしょうに。
官邸からすれば自民党の反発を抑えて欲しかったのでしょうが、
煩雑で救済範囲も限定的な案では国民の理解を得ることは不可能だったでしょうに…
それと内閣改造時に二階氏の幹事長続投か交代かの話は実際に挙がっていましたから、
二階氏と菅氏がタッグを組んだという話は実に説得力があります。
●"苦労人"菅氏の生い立ちから見える「菅義偉政権」の危険な兆候
同じような例だと小泉政権時の福田官房長官が、
安倍総理の辞任後に総理になったことがありましたが、
福田氏は物腰が柔らかく、話の中にクスっとする面白味があったものの…
菅氏に強面で丁寧さをは無縁の存在で、素っ気ないか、独演会するかの二択。
ナンバー2としては優秀だけれど、トップとしては物足りなさを感じる典型で…
苦労人だから人々の気持ちが分かるかと言えば、そうでもなく、
中国の劉邦や日本の豊臣秀吉など、下克上で成り上がった人物が、
トップになると猜疑心に駆られて暴君化するのはよくある話です…
(※誤情報 一部訂正しました)
お抱えの官僚も菅氏は警察庁出身の杉田氏だと言われていますが、
安倍政権を主導してきた経産省出身の今井氏との関係もどうなるのか。
引き続き経産省出身の今井氏を重用するのか、人事を一新するのか。
いずれにせよ、強権的な無理矢理政治が繰り広げられそうな感じで、
少なくとも党内融和や協調性重視、国会中心主義にはならんでしょう。
一番最初にロシアのプーチン政権になるんじゃないのと言いましたが、
まぁ、予想は今の所、外れそうもない感じですねぇ…
…石破氏の顔がもっと怖くなっちゃうよ(苦笑)←不謹慎
その他の候補者を見ると、岸田氏は安倍政権の良い所は継承、
石破氏は安倍政権の否定に傾いている感じなので、
政権の継続性では、菅>岸田>石破という印象を持ちますが、
政策的には岸田氏の方がかなりリベラル寄りで、
今の新自由主義的な自民党からすれば異端寄りですから、
政策的には、右翼>菅>石破>岸田>左翼という感じ。
岸田氏の話を聞いてると、ほぼ野党じゃんと思うのですが、
後々問題にならないんですかね?
岸田氏に本当に「次」があるのかは疑わしいです。
世論調査でも菅氏を推す声が多いようですが、本当に良いんですかね?
安倍政権の継承を言っていますが、悪い面のほとんどが菅官房長官が起因。
森友学園や加計学園問題の発端は確かに安倍総理でしたが、
財務省の公文書偽造や桜を見る会の問題など、
事態の収拾に失敗して政治争点化した問題も数多いです。
安倍政権の負の部分も象徴する人物であるだけに、不安感の方が強いです。
●何も学んでいなかった安倍政権 「やっている感」が通用しなくなった理由
でも、何か知らんが辞め方が上手かったのか支持率が上がる妙。
前回「勝手に殺すな」と言いましたが、まさにそんな感じなのが何とも…
実際、菅氏が躓けば、安倍氏の再登板もありうるわけで、
どうしてそんな「ご苦労様」感の美談にするのかねぇ… 頭おかしい。
安倍政権の総括に関しては、前々回の通りです。
一方の野党第一党になる合流新党(立憲民主党or民主党)は和やかムード。
YouTubeのChooseLifeProjectの討論会と、
NHKで放送していた公開討論会の模様を見ていましたが、
意見対立というよりは、建設的な議論で互いに高め合うような形で、
両者の差異はそれほど感じられなかったものの、
合流新党に懸念していたバラバラ感は払拭できたように思えます。
●合流新党、拭えぬバラバラ感=枝野氏「政権へ結束」訴え
統合のポイントとなりそうなのが「消費税減税」と「原発ゼロ政策」ですが、
両候補ともに面白いことを言っていましたね。
枝野氏は「消費税減税」に関しては、一時的な政策減税としてはあり得る考え方だけれども、
それを政争の道具としてしまった場合に、
仮に衆院選で与党になっても参議院は自公優位のねじれ国会であるため、
現実的には与野党協議で決めざるを得ず、政策論争にすればするほどに実現性は遠い。
また、減税ありきだと決定するまでのプロセスで消費控えが起こって本末転倒だと。
それは確かにその通りだと思いました。
選挙のスローガンとして聞こえは良いのだけれど、実現性は遠い。確かにその通り。
一方の泉氏は「原発ゼロ政策」に関して、
「今までの2030年代に原発ゼロ」という目標は意味がなく、
実際に原発に代わるエネルギー開発を進めながら、
原発ゼロに収束させていくのが望ましいという考え方も、一理あると思いました。
こちらも選挙のスローガンとして乱用された感じがあり、
実現性を考えるのならば、原発職員が新エネルギー開発の職員に移るなど、
漸進的に進めていく方が反発が少なく、着実に進むことは間違いないでしょう。
実際に原発に代わるエネルギーがなければ、原発ゼロは原始に帰れと同じことですからねぇ…
2人の重要争点における一致を見るに、思っていたほどにバラバラ感はありませんでした。
●アングル:立民・国民合流で代表選、野党が挑む自公新政権の厚い壁
国民民主党出身の泉氏は若さを売りにスピード感をアピール、
立憲民主党の枝野氏は政府や野党の要職を務めた経験をアピールした印象。
議論を聞いていても、泉氏は今後の成長が楽しみな一方で、
消費税減税策といい、経験不足の危なっかしさがあることも確か。
現時点では枝野氏の方が貫録が出てきて、議論にも深みがあるのは確か。
一方の泉氏も合併協議に参画したことで、じっくり話せば両党の溝も埋まることを示しており、
将来的には新党を背負っていく立場になるであろうことは伺えました。
まぁ、問題は枝野氏が党要職をどう起用するかなんですけどね…
今までの立憲民主党の執行部を支えてきた人達を無碍にはできませんし、
かといって国民民主党からの合流組を起用して党内融和を図らないといけない、
また無所属には野田氏ら旧民主党の重鎮が数多くいるので、配慮しなければならず、
有権者的には女性議員を思い切って抜擢してアピールしたい。
なかなかに党要職の舵取りが難しい局面にあります。
むしろ、そちらの方が頭を悩ませそうな感じはしますねぇ…
(以下、9月10日追記)
●合流新党、代表に枝野氏を選出 党名は「立憲民主党」
まぁ、予想通りの結果。
やはり泉氏が少々若さを見せてしまった感はありますし、
10月にも解散総選挙があると指摘されている以上、看板の知名度は重視するでしょうしね…
国民民主党が国民から支持されなかったのは当然のことで、
『政策提案型政党』と言えば聞こえはいいけれども、
揶揄して言えば『ゆ党(与党でも野党でもないことから』にしか見えず、
同じ立場の維新の会との連携を模索しているようにも見えますし、
立憲民主党ら野党勢力と協力して安倍政権を追及していく、
しかしともすれば選挙で母体が小さくなれば第三極として政権入りを狙うような節もある、
政権構想が全く見えない政党を誰が信用するのかという話です。
少なくとも、立憲民主党として合流した以上は、
自民党を倒して政権交代を目指すという方向性は固まったわけですから、
民主党時代の影の内閣のように政権構想を国民に提示しながら、
自民党政権を倒す一大勢力として機能することを願いたいものです。
最後にこの記事。
●次期首相は「安倍路線の継承」だけでは済まされない
仮に政権交代が起こった時に困るのが、これなんですよねぇ…
前回の自民党⇒民主党の時は官僚人事も引き継がれましたが
(それが却って官僚主導の政治となり、
消費税増税に転じるなど混乱を期したものの、政策の継続性は保たれた)、
民主党⇒自民党への政権交代時には政府官邸が官僚人事を握ったことで、
一部の民主党政権に協力した官僚が飛ばされる事態に…
官僚は国家の僕=国民への奉仕者なのであって、自民党への奉仕者じゃないんですけど…
こういう事が起こってしまうと、再度の政権交代を恐れて、
自民党以外の政権に対して官僚が協力しないなんてことも起きかねません。
それではますます官僚が国民への奉仕者ではなく、自民党への奉仕者になってしまう。
与党は官僚の激務の理由に国会での野党の質問を挙げますが、
そもそも、なんで閣僚に対する質問の答えを大臣じゃなくて官僚が考えるの?
確かに答弁の素地となるデータは必要で、それは官僚にしか用意できません。
けれど、答弁の内容を考えるのは官僚の仕事じゃないでしょうに…
まさに、そういう所が国民への奉仕者と考えているのではなく、
自分の部下のようにこき使う自民党への奉仕者扱いなんですよ…
官僚人事を一手に握って陰の支配者となった菅官房長官が総理になれば、
この仕組みを直すとは到底思えませんが、
官僚機構への過度な政治介入を防ぐシステムを構築する必要があるように思えます。
あまりにも極端すぎる…
まぁ、アメリカのように政権交代と一緒に官僚を入れ替えるのも一つの考え方ですが、
それには中央官僚と地方官僚の能力格差・待遇格差をなくして相互入替え可能とし、
地方分権も積極的に進めていく必要があるので、
すぐにどうこうできるようにも思えません。
まぁ、AIが普及すれば知的労働者もリストラされるでしょうし、
将来的には余剰人員が官僚機構の再構築に回される可能性は高くなるでしょうから、
方向性としてはそちらに傾いていくのかなと思っています。
●GoToトラベルに東京追加へ 10月1日の旅行から
東京都も15日から夜間営業の自粛を止めるようですし、話の流れ的には理解できます。
東京都も感染が落ち着いてきたようですし…と言おうとしたら276人と倍増。
一日の数よりも平均の方が重要だと分かってはいるものの、
いずれにせよ3桁を下回る日は稀で、6月の1桁まで下がった時と比較すれば、
感染が落ち着いたとは言えないわけで、依然として感染症対策を怠ることはできません。
幸い静岡県の感染状況も落ち着いてきた…と書こうと思ったのですが、
9日に危険度を引き下げられたものの、
9日に5人、10日に4人と県東部で感染者が発生。
帰省によるものは時季的にも終わっているでしょうし、何ですかね…
まぁ、猛暑もあってマスクを付けていない人も多かったですし、
気の緩みがあったことは確か。
現時点でGoToキャンペーンの影響なのかは断じることができません。
未だに7月からの再感染に関する評価は定まっていませんが、
結果的に言えば6月の緊急事態宣言の解除時の、
安倍総理の勝利宣言にも似た『日本モデル』発言が誤ったメッセージになった気はします。
「あれでコロナ感染は収まったんだ」という誤ったメッセージを送ってしまった。
今回のコロナ感染の危険度の引き下げやGotoの追加は客観的に見て構わないと思いますが、
それが「コロナの危機は去った」という誤った認識を与えないように、
発表の仕方は慎重にしてもらいたいように思います。
6月よりは断然悪いんですから。再感染が起これば、もっと酷いことになりかねないわけで。
◆ニュースネタ 俳優の伊勢谷友介氏が大麻取締法違反で逮捕
●窪塚洋介「伊勢谷くんのこと責めるのやめて」と擁護
うーん…そういうこと言うと、「あなたも大麻やってるの?」と思っちゃいますけど(苦笑)
それを容認してしまうと、芸能界自体が薬物に対して甘い姿勢を取っていると思われ、
それが薬物のバイヤーを引き付けている要因とも言えちゃうわけですから、
芸能界全体として厳しい姿勢を見せないと、薬物汚染者に舐められるだけじゃないのかね?
まず考えなければいけないのは、「芸能人は何を売って商売をしているのか?」です。
決して肉体労働者じゃないんですよ。
生身のパーソナリティを売って商売してるわけじゃないんですよ。
俳優『伊勢谷友介』という俳優イメージを売って商売しているんですよ。
本名が何かは知りませんが、本名と芸名は別人格なんです。
これを今流行りのVirtualYoutuberに喩えると分かりやすいです。
基本的なパーソナリティを持つ演者(声)が重要な要素ではありますが、
容姿を全て自作する方もいらっしゃいますが、
2Dデザインや3Dモデリングは別の方であることが多く、
事務所であれば機材の準備、番組企画やプロデュースの方向性を決めるなど、
1人のVtuberを動かすのに、多くの人が関わっています。
その時に件のVtuberは誰のものなのかと考えると難しい所です。
多くの人達が関わってVtuberという一つのパーソナリティを作っている、
Vtuberというイメージをみんなで作って商売をしているわけです。
芸能人もそれと同じで、つい生身の人間が商売しているように誤認しがちですが、
あくまで商売で売っているのは『芸能人のイメージ』。
所属事務所があれば、事務所が描くプロデュースの方向性、
持ってくる仕事などによって構築された『イメージ』です。
自分一人で作り上げたものではないということを芸能人全員が自覚すべきです。
ですから、今回のような薬物事件が発生してしまうと、
生身の自分自身が芸能人としての自分自身を傷つけるわけです。
それは生身の一人が背負える傷じゃないんです。
事務所を始め、関わった製作人、仕事の関係者等々、色々な所に傷を与えるんです。
一時に比べれば、薬物逮捕者の出演作品を排除する傾向は弱まりましたが、
それでも大衆に薬物汚染を擁護していると思われかねないので、
自浄作用として配慮をする必要はあるように思えます。
既に大麻汚染は一般人にも広がっていて、
芸能界だけの問題ではなくなってきましたが、
それでも芸能人の薬物逮捕者の話題をは大きく取り上げられ、
業界としての取り組み方が甘いのではないかという節があります。
中には大麻容認論も出るぐらいですし、業界として断固とした態度を見せなければ、
薬物汚染の被害者はドンドン増えていく一方で、
それがまたテレビ離れをさらに加速させてしまうことを覚悟すべきでしょう。