« 2020年08月 | メイン | 2020年10月 »

2020年09月20日

内閣支持率65%強

この数字を見るに、国民は『菅義偉』という政治家を何も知らないんでしょうなぁ…
なにせ麻生大臣に『菅(かん)』と読み間違われたぐらいですから(苦笑)
総裁選で『菅直人』って書いた人も皮肉じゃなくて、本気だったのかな(汗)
自分がどう見ているかは前回書いた通りです。議論を許さない狭量な人物。

そういう意味では、どんな政治家なのか国民の前でボロを出す前に、
さっさと解散総選挙をやった方がいいと思うんですが、
内閣の顔ぶれを見ていると、ベテラン中心サプライズなし女性少ない等々、
選挙管理内閣という陣容ではなく、早めに実績を積みたいという感じ。
今の感じだと、来月の解散総選挙はなさそうです。
年内なら12月の頭、最悪の場合は来年の総裁選まで引っ張り込み、
衆議院の任期満了の10月解散総選挙というケースも考えられるかもしれません。

●菅首相の閣僚人事、 「幅の狭さ」「お友達起用」に垣間見える限界
名前を付けるなら『安倍さん借りて来た内閣』か。
留任や横滑りが多く、ほぼ安倍内閣の踏襲といった感じ。
他に菅総理が用いているのは、平沢氏ら同期当選議員ばかり。
よく言えば、「よく知っている人」しか使わない、
逆に言えば、猜疑心が強く「他人を信用していない」ようにも思えます。

●消去法の加藤氏起用=論功行賞、派閥均衡の党人事―菅自民総裁
注目された官房長官ですが…こちらは名前だけを取った感じ。
一部報道では「菅内閣に菅官房長官はいない」として注目されてましたが、
自分の印象では実よりも名を取ったという感じですかね…
おそらく、自分の真似はさせないためでしょう。
菅総理としては、引き続き自分が官房長官をやってる感覚じゃないですかね。
つまりは「お飾り」。
自分が掌握した官邸の権力は1ミリも後任の官房長官に渡さないつもり。
要するに、「そういう人=操りやすい人」を選んだんです。
それでニコニコしてるんだから実に立派な「お飾り」よね(苦笑)

●有働アナに対してムキになって…「菅首相」の“野心”が見えた瞬間 池上彰と佐藤優が語る
おおよそ同じ見方です。
菅さんが総理候補になったのも、安倍政権の問題を封じ込めるために過ぎない。
森友・加計学園問題、財務省改竄を始めとする公文書管理、
杜撰な厚生労働省の統計、桜を見る会、二転三転したコロナ対策対応、等々。
これらの問題の総括をされないための菅内閣でしょうに。
「安倍後始末内閣」とも言うべき内閣です。

菅氏を担ぎ上げた二階氏や麻生氏らは選挙を睨んでの人選だったと思いますが、
担ぎ上げられた本人はやる気満々、そんな感じの組閣に見えたことは事実。
最初の支持率の高さを武器に、解散総選挙というカードをチラつかせながら、
ジリジリ党内を掌握していくつもりじゃないですかねぇ…
だから忠犬じゃなくて狂犬だって言ったじゃん?


◆ニュースネタ 加藤官房長官、「桜を見る会」中止でも「見直し作業行わず」
で、まぁ、早速の安倍内閣批判封じ。
別に『廃止』にするなら見直しする必要もないと思います。
でも現時点で「来年の中止」が決定しているでは、お話になりません。
なぜなら、ほとぼりが冷めて、再開された時には、
最後に行われた「桜を見る会」、
つまり問題となった1万8千人規模の大規模な会が参考にされるからです。
いつのまにか予算もバッチリ増やされた大規模な「桜を見る会」が
事実上、合法化される恐れがあります。
何もしなけりゃ、そうなるに決まってます。
見直し作業を行わないということは、「そういうこと」です。バカにしてんの?


◆ニュースネタ 携帯料金の一律値下げは可能なのか?
40%値下げと言ってますが、具体的に「何を」下げろと言うの?
基本料金? 通話料金? ネット回線使用料? それとも機種?
さらに携帯電話に付随する料金を挙げれば、
家庭の固定電話の料金、インターネット回線の料金も関係してきますが?
携帯電話だけで固定電話もWIFI回線も持たない人が40%安くなり、
固定電話もWIFI回線も持っている人はそちらの値段は変わらないので、
相対的な負担感は20%程度の感覚にしかならないでしょう。
一体、「何を」下げろというの?

基本料金に関して言えば、2019年の料金改定により、
ドコモなら1G以内なら2980円からの割引適用、
新規参入の楽天は使い放題を謳ってますが、料金は2980円から。
これを4割削減して、格安携帯並みにできるのか否か?
この料金から基地局の新設や整備は可能なんでしょうか。
電柱のように、ある程度の公的関与も必要になってくるんじゃないの?

たぶん、多くの人が携帯代を高いと思っているのは、
合算込々で請求されてしまうため、
それが最低限の金額なのか分からないことにあると思います。
それが家庭のインターネット回線の料金が含まれていたり、
機種変更の割賦代金が含まれていたり、
4G回線の使い過ぎで使用料オーバーしてしまったり、
アプリ課金等が合算して請求されていたり、等々。
色々なものが合算請求されているから、
それぞれの金額が分かり難くなっていることにあると思います。

そんなゴチャゴチャした状態で、40%値下げするって、どうするの?
スマホゲーの課金料金も40%値下げしてくれるんですかね(笑)
クレジットカードや電子決済もそうなんですが、
「何に」「いくら」支払ったのかが明確にならない分、
どうしても金銭感覚が麻痺しやすいんですよ…

それをデジタル庁設置とか、マイナポイントだとか叫んでる連中に、
さらにゴチャゴチャして入り組んだお金の出所を整理して、
「お得感」を国民に与えることができると思ってんのかね?
そんなの無理でしょ。お金を見えにくくしてるのはアンタら何だからさ。
見えないお金をどうして人はお得だと思うのか、思うわけがありません。


さらに携帯電話で言えば、そもそもの問題は基地局の設置にあるわけで、
新規参入を希望していた楽天が苦戦したのも、基地局の設置に苦労したから。
都市部ではなんとか設置できたようですが、
地方はそうもいかず、auに借りることに。
今まで設置を頑張って来たドコモ・au・ソフトバンクの3社に配慮しつつ、
合理的な統廃合を国や地方公共団体が行い、
それを一定価格で貸し出さないと不公平感はなくならないと思います。
今のままだと、格安携帯と同じ料金で大手3社は戦わなければなくなり、
基地局の維持費を含めて、回線使用料の値上げに踏み切った場合に、
回線を借りている楽天や格安携帯会社は経営が立ち行かなくなるでしょう。
結果的に、何もしなければ、安さ競争で勝つのは大手になるわけで、
大手3社の寡占ではなく、再独占という結果を生みかねません。

そういうことも理解してんの? どこまで改革やるの?
良い感じにやった気分に浸ろうとしてません?
「携帯電話料金の実質的な値下げ」にならないのならば、
ガチャ規制でもやった方が建設的な消費に回るんじゃねーのかね?

◆ニュースネタ 新型コロナ関連
後に追記予定。

2020年09月15日

自民党総裁選は菅氏が予定調和の勝利

恐ロシア。自民党は本当にそれで良いのかな?
安倍政権の現状維持派がこぞって擁立・支持を打ち出しましたが、
恩人だろうが何だろうが、反対派と見れば容赦なく噛み付く凶犬ですよ?
軽いと思っていた担いだ神輿が意外と重過ぎて、
最後には圧し潰されてしまう覚悟はできましたか?
国民はまだ野党に逃げられますからマシですが、自民党員は心中ですぞ…

●総裁選菅氏圧勝で岸田・石破両氏は冷や飯?厚遇?ノーサイドでも「次」を見据えた人事の思惑
思ったより票があったことで舞い上がったのか、
岸田氏は早速「次」の総裁選へ言及してしまったのは軽率かと…
これで岸田氏は役職を固辞せざるを得ませんし、
仮に岸田派が用いられたとしても、分断工作に利用される可能性が…
もう少し派閥の処遇とか様子を見てからでも良かったのでは?
大体、いつ解散総選挙をやるのかもわからないのに、次に言及するのはねぇ…
例えとして静岡5区で言えば、岸田派の吉川議員ではなく、
希望の党ドロップ組の二階派特別会員の細野議員を公認してもおかしくないのよ?
そういうことがいくらでも起こり得ることは理解してんのかね?
だから「空気が読めない」って、言われちゃうのよ…
政策的にも菅氏らとは相反することがハッキリしちゃいましたし、
後継候補にもなれず、今の石破氏と同じ立場になっちゃうんだろうねぇ…

総裁選を通じて「安倍政権の継承」を訴えるだけで、
菅氏本人の政策はよく分かりませんでしたが、象徴する言葉をピックアップ。
●菅氏、内閣人事局は変えず 「政策反対なら異動」
岸田さん\(^o^)/オワタ
官僚じゃないですけどね。
むしろ政治家には当たり前ですが、国民の僕である官僚に強権を行使するのが異常。
菅氏の問題は何をもって「反対」となるのか。これがかなり狭いと言わざるを得ない。

●菅官房長官に意見して“左遷”された元総務官僚が実名告発
「役人を押さえつけることがリーダーシップと思っている」、まさにそんな感じ。
菅氏は確かに実行力があります。政策のメリットしか考えていないから。
政策のデメリットを指摘すると、それを修正するのではなく、反対派として処すタイプ。
居ますよね? 反対意見を述べるだけで親の仇のように恨んでくる奴(苦笑)
案の欠点を指摘しただけで、何で怒るの?って思うんですけど…
おそらく、自分が改革派で正しいことをしていると思っているのでしょう。
改革にはメリット・デメリットが当然あるはずで、
できるだけ多くの人にメリットになるように工夫することが政治なのに、
この人にはそれがないから結果がおかしくなるんですよ…

つまり、改革派を標榜する菅氏のやっていることは、
一部の人の要望だけを取り上げ、その人に都合の良い改革をするだけ。
守旧派は勿論のこと、乗り遅れるそれ以外の人達もメリットを受けられない改革、
既得権益をぶっ潰して、そこに新しい既得権益をスライドするだけ、
だから結果として旨い汁にありつけられる数は同じ、むしろ少数化するんです。

ふるさと納税やカジノ、GoToキャンペーン、携帯電話料金の値下げも同じ。
携帯電話料金の値下げが実現するかどうかは分かりませんが、
仮に実現すれば、大手3社から回線を借りてる格安携帯会社をダイレクトに直撃、
新規参入の楽天も地方はKDDIから借りてますから、
料金競争となれば、回線をレンタルする料金が高くなるでしょう。
結果的に格安携帯の多くが潰れ、大手3社+αの寡占状態が強まるだけ。

●菅義偉の「虚ろ」な国家観…口癖は「人事は政権のメッセージ」
もう一つ気になるのが『自助・公助・共助』というスローガン。
上のリンクにある通り、元々は災害用語。
これを政治用語に持ってくると、どうなるのか?
『自助』は個人の経済的自立で良いでしょう。
『公序』は国家や地方公共団体の自立支援でしょう。

では『共助』とは何か?
辞書で引くと「互いに助け合うこと」となるので、
労働組合や経済同友会、町内会などの互助組織のことなのでしょうか。
これらは組合員、会員のための組織であり、それ以上のものではありません。
労働問題で困っている組合員以外の労働者を助けることはありません。
お金を取っていれば、それはもう完全な利益組織であり、
儲けを出さなければNPO、儲けを出せば会社ということでしょうに。

つまり、何が言いたいかと言えば、
安倍政権のお友達優遇と変わらないという話です。
自分と同じ目的を持つお友達との共助組織に過ぎないということ。
ここから零れ落ちる大多数の一般国民は助けないってことです。
自助できないから「政治」があるのに、
自助できないと個人に責任を押し付け「公助」を行わず、
「共助」に値しないお友達以外は知りませんよ、って話。
分かりやすく言えば、そういうことですね。
ここにはないのよ。「一個人」という考え方が。
組織に所属している人間しか見えてないんです。
存在しない人を助けてくれるわけがありません。
菅氏にとって大多数の国民は存在してないんですから…そりゃ政策を見誤る。


もし、菅氏が良い総理大臣になろうと思うのならば、自分では何もしないことです。
自分は何もせずに大臣らに政策を任せ、自身は多くの人の意見を聞くことです。
一部の人の声ではなく、一般国民やアベノミクスから取り残されている人々、
仕事に終われている若手官僚など、普段聞こえてこない人の声を聞くことです。
そうすれば、政策に必要な全体像を見ることができ、方向性を誤らないでしょう。

ただ、官房長官時代のように、自分の思い込みだけで政策を実行していけば、
日本は破滅の道を歩むことになります。
まぁ、今までを成功体験と思っている限り、修正しないでしょうけどね…
特攻精神でどうにかなる時代じゃねーんだよ… 分かれよ、それぐらい…
サヨナラ、自民党。日本は死にました。


●自民県連予備選で「菅直人」などの無効票
菅直人は草。
歴代最低とも言われる元総理に入れるブラックジョークはスゲェ。
それを超える気満々ということですね。マジで超えそうで怖い。

●金星の大気に生命の可能性? 特徴的な成分検出
その前の総理は確か金星人でしたよね(笑)

2020年09月09日

与野党のトップを選ぶ選挙

与党の自民党では後任の総理大臣を選ぶことになる自民党総裁選が、
野党第一党となる合流新党(立憲民主党or民主党のいずれか投票で決める)の
代表を決める選挙がそれぞれ行われています。
いずれも、自民党・菅氏、立憲民主党・枝野氏が有力だと思われますが、
選挙戦は対照的な様相を示しており、
選挙後がどうなるのか読めない展開が続いています。

まず、与党自民党の総裁選ですが… まぁ、ドロドロ。
●菅義偉氏“安倍官邸乗っ取り”の全内幕 二階幹事長と急接近
さすがに「乗っ取り」は言い過ぎな感はあるものの、
確かに30万円給付金案が岸田氏の責任にされているのは違和感ありました。
自分の記憶が確かなら、話が出てきたのは自民党からではなく政府だったはず、
確か自民党に相談なしに30万円案が出てきたことで反発が広がったわけで、
出所の政府官邸に問題があったわけで、自民党にいた岸田氏のせいではないでしょうに。
官邸からすれば自民党の反発を抑えて欲しかったのでしょうが、
煩雑で救済範囲も限定的な案では国民の理解を得ることは不可能だったでしょうに…
それと内閣改造時に二階氏の幹事長続投か交代かの話は実際に挙がっていましたから、
二階氏と菅氏がタッグを組んだという話は実に説得力があります。

●"苦労人"菅氏の生い立ちから見える「菅義偉政権」の危険な兆候
同じような例だと小泉政権時の福田官房長官が、
安倍総理の辞任後に総理になったことがありましたが、
福田氏は物腰が柔らかく、話の中にクスっとする面白味があったものの…
菅氏に強面で丁寧さをは無縁の存在で、素っ気ないか、独演会するかの二択。
ナンバー2としては優秀だけれど、トップとしては物足りなさを感じる典型で…
苦労人だから人々の気持ちが分かるかと言えば、そうでもなく、
中国の劉邦や日本の豊臣秀吉など、下克上で成り上がった人物が、
トップになると猜疑心に駆られて暴君化するのはよくある話です…

(※誤情報 一部訂正しました)
お抱えの官僚も菅氏は警察庁出身の杉田氏だと言われていますが、
安倍政権を主導してきた経産省出身の今井氏との関係もどうなるのか。
引き続き経産省出身の今井氏を重用するのか、人事を一新するのか。
いずれにせよ、強権的な無理矢理政治が繰り広げられそうな感じで、
少なくとも党内融和や協調性重視、国会中心主義にはならんでしょう。
一番最初にロシアのプーチン政権になるんじゃないのと言いましたが、
まぁ、予想は今の所、外れそうもない感じですねぇ…
…石破氏の顔がもっと怖くなっちゃうよ(苦笑)←不謹慎

その他の候補者を見ると、岸田氏は安倍政権の良い所は継承、
石破氏は安倍政権の否定に傾いている感じなので、
政権の継続性では、菅>岸田>石破という印象を持ちますが、
政策的には岸田氏の方がかなりリベラル寄りで、
今の新自由主義的な自民党からすれば異端寄りですから、
政策的には、右翼>菅>石破>岸田>左翼という感じ。
岸田氏の話を聞いてると、ほぼ野党じゃんと思うのですが、
後々問題にならないんですかね?
岸田氏に本当に「次」があるのかは疑わしいです。

世論調査でも菅氏を推す声が多いようですが、本当に良いんですかね?
安倍政権の継承を言っていますが、悪い面のほとんどが菅官房長官が起因。
森友学園や加計学園問題の発端は確かに安倍総理でしたが、
財務省の公文書偽造や桜を見る会の問題など、
事態の収拾に失敗して政治争点化した問題も数多いです。
安倍政権の負の部分も象徴する人物であるだけに、不安感の方が強いです。

●何も学んでいなかった安倍政権 「やっている感」が通用しなくなった理由
でも、何か知らんが辞め方が上手かったのか支持率が上がる妙。
前回「勝手に殺すな」と言いましたが、まさにそんな感じなのが何とも…
実際、菅氏が躓けば、安倍氏の再登板もありうるわけで、
どうしてそんな「ご苦労様」感の美談にするのかねぇ… 頭おかしい。
安倍政権の総括に関しては、前々回の通りです。


一方の野党第一党になる合流新党(立憲民主党or民主党)は和やかムード。
YouTubeのChooseLifeProjectの討論会と、
NHKで放送していた公開討論会の模様を見ていましたが、
意見対立というよりは、建設的な議論で互いに高め合うような形で、
両者の差異はそれほど感じられなかったものの、
合流新党に懸念していたバラバラ感は払拭できたように思えます。

●合流新党、拭えぬバラバラ感=枝野氏「政権へ結束」訴え
統合のポイントとなりそうなのが「消費税減税」と「原発ゼロ政策」ですが、
両候補ともに面白いことを言っていましたね。
枝野氏は「消費税減税」に関しては、一時的な政策減税としてはあり得る考え方だけれども、
それを政争の道具としてしまった場合に、
仮に衆院選で与党になっても参議院は自公優位のねじれ国会であるため、
現実的には与野党協議で決めざるを得ず、政策論争にすればするほどに実現性は遠い。
また、減税ありきだと決定するまでのプロセスで消費控えが起こって本末転倒だと。
それは確かにその通りだと思いました。
選挙のスローガンとして聞こえは良いのだけれど、実現性は遠い。確かにその通り。

一方の泉氏は「原発ゼロ政策」に関して、
「今までの2030年代に原発ゼロ」という目標は意味がなく、
実際に原発に代わるエネルギー開発を進めながら、
原発ゼロに収束させていくのが望ましいという考え方も、一理あると思いました。
こちらも選挙のスローガンとして乱用された感じがあり、
実現性を考えるのならば、原発職員が新エネルギー開発の職員に移るなど、
漸進的に進めていく方が反発が少なく、着実に進むことは間違いないでしょう。
実際に原発に代わるエネルギーがなければ、原発ゼロは原始に帰れと同じことですからねぇ…

2人の重要争点における一致を見るに、思っていたほどにバラバラ感はありませんでした。

●アングル:立民・国民合流で代表選、野党が挑む自公新政権の厚い壁
国民民主党出身の泉氏は若さを売りにスピード感をアピール、
立憲民主党の枝野氏は政府や野党の要職を務めた経験をアピールした印象。
議論を聞いていても、泉氏は今後の成長が楽しみな一方で、
消費税減税策といい、経験不足の危なっかしさがあることも確か。
現時点では枝野氏の方が貫録が出てきて、議論にも深みがあるのは確か。
一方の泉氏も合併協議に参画したことで、じっくり話せば両党の溝も埋まることを示しており、
将来的には新党を背負っていく立場になるであろうことは伺えました。

まぁ、問題は枝野氏が党要職をどう起用するかなんですけどね…
今までの立憲民主党の執行部を支えてきた人達を無碍にはできませんし、
かといって国民民主党からの合流組を起用して党内融和を図らないといけない、
また無所属には野田氏ら旧民主党の重鎮が数多くいるので、配慮しなければならず、
有権者的には女性議員を思い切って抜擢してアピールしたい。
なかなかに党要職の舵取りが難しい局面にあります。
むしろ、そちらの方が頭を悩ませそうな感じはしますねぇ…

(以下、9月10日追記)
●合流新党、代表に枝野氏を選出 党名は「立憲民主党」
まぁ、予想通りの結果。
やはり泉氏が少々若さを見せてしまった感はありますし、
10月にも解散総選挙があると指摘されている以上、看板の知名度は重視するでしょうしね…

国民民主党が国民から支持されなかったのは当然のことで、
『政策提案型政党』と言えば聞こえはいいけれども、
揶揄して言えば『ゆ党(与党でも野党でもないことから』にしか見えず、
同じ立場の維新の会との連携を模索しているようにも見えますし、
立憲民主党ら野党勢力と協力して安倍政権を追及していく、
しかしともすれば選挙で母体が小さくなれば第三極として政権入りを狙うような節もある、
政権構想が全く見えない政党を誰が信用するのかという話です。

少なくとも、立憲民主党として合流した以上は、
自民党を倒して政権交代を目指すという方向性は固まったわけですから、
民主党時代の影の内閣のように政権構想を国民に提示しながら、
自民党政権を倒す一大勢力として機能することを願いたいものです。


最後にこの記事。
●次期首相は「安倍路線の継承」だけでは済まされない
仮に政権交代が起こった時に困るのが、これなんですよねぇ…
前回の自民党⇒民主党の時は官僚人事も引き継がれましたが
(それが却って官僚主導の政治となり、
 消費税増税に転じるなど混乱を期したものの、政策の継続性は保たれた)、
民主党⇒自民党への政権交代時には政府官邸が官僚人事を握ったことで、
一部の民主党政権に協力した官僚が飛ばされる事態に…
官僚は国家の僕=国民への奉仕者なのであって、自民党への奉仕者じゃないんですけど…

こういう事が起こってしまうと、再度の政権交代を恐れて、
自民党以外の政権に対して官僚が協力しないなんてことも起きかねません。
それではますます官僚が国民への奉仕者ではなく、自民党への奉仕者になってしまう。
与党は官僚の激務の理由に国会での野党の質問を挙げますが、
そもそも、なんで閣僚に対する質問の答えを大臣じゃなくて官僚が考えるの?
確かに答弁の素地となるデータは必要で、それは官僚にしか用意できません。
けれど、答弁の内容を考えるのは官僚の仕事じゃないでしょうに…
まさに、そういう所が国民への奉仕者と考えているのではなく、
自分の部下のようにこき使う自民党への奉仕者扱いなんですよ…

官僚人事を一手に握って陰の支配者となった菅官房長官が総理になれば、
この仕組みを直すとは到底思えませんが、
官僚機構への過度な政治介入を防ぐシステムを構築する必要があるように思えます。
あまりにも極端すぎる…

まぁ、アメリカのように政権交代と一緒に官僚を入れ替えるのも一つの考え方ですが、
それには中央官僚と地方官僚の能力格差・待遇格差をなくして相互入替え可能とし、
地方分権も積極的に進めていく必要があるので、
すぐにどうこうできるようにも思えません。
まぁ、AIが普及すれば知的労働者もリストラされるでしょうし、
将来的には余剰人員が官僚機構の再構築に回される可能性は高くなるでしょうから、
方向性としてはそちらに傾いていくのかなと思っています。


●GoToトラベルに東京追加へ 10月1日の旅行から
東京都も15日から夜間営業の自粛を止めるようですし、話の流れ的には理解できます。
東京都も感染が落ち着いてきたようですし…と言おうとしたら276人と倍増。
一日の数よりも平均の方が重要だと分かってはいるものの、
いずれにせよ3桁を下回る日は稀で、6月の1桁まで下がった時と比較すれば、
感染が落ち着いたとは言えないわけで、依然として感染症対策を怠ることはできません。

幸い静岡県の感染状況も落ち着いてきた…と書こうと思ったのですが、
9日に危険度を引き下げられたものの、
9日に5人、10日に4人と県東部で感染者が発生。
帰省によるものは時季的にも終わっているでしょうし、何ですかね…
まぁ、猛暑もあってマスクを付けていない人も多かったですし、
気の緩みがあったことは確か。
現時点でGoToキャンペーンの影響なのかは断じることができません。

未だに7月からの再感染に関する評価は定まっていませんが、
結果的に言えば6月の緊急事態宣言の解除時の、
安倍総理の勝利宣言にも似た『日本モデル』発言が誤ったメッセージになった気はします。
「あれでコロナ感染は収まったんだ」という誤ったメッセージを送ってしまった。
今回のコロナ感染の危険度の引き下げやGotoの追加は客観的に見て構わないと思いますが、
それが「コロナの危機は去った」という誤った認識を与えないように、
発表の仕方は慎重にしてもらいたいように思います。
6月よりは断然悪いんですから。再感染が起これば、もっと酷いことになりかねないわけで。


◆ニュースネタ 俳優の伊勢谷友介氏が大麻取締法違反で逮捕
●窪塚洋介「伊勢谷くんのこと責めるのやめて」と擁護
うーん…そういうこと言うと、「あなたも大麻やってるの?」と思っちゃいますけど(苦笑)
それを容認してしまうと、芸能界自体が薬物に対して甘い姿勢を取っていると思われ、
それが薬物のバイヤーを引き付けている要因とも言えちゃうわけですから、
芸能界全体として厳しい姿勢を見せないと、薬物汚染者に舐められるだけじゃないのかね?

まず考えなければいけないのは、「芸能人は何を売って商売をしているのか?」です。
決して肉体労働者じゃないんですよ。
生身のパーソナリティを売って商売してるわけじゃないんですよ。
俳優『伊勢谷友介』という俳優イメージを売って商売しているんですよ。
本名が何かは知りませんが、本名と芸名は別人格なんです。

これを今流行りのVirtualYoutuberに喩えると分かりやすいです。
基本的なパーソナリティを持つ演者(声)が重要な要素ではありますが、
容姿を全て自作する方もいらっしゃいますが、
2Dデザインや3Dモデリングは別の方であることが多く、
事務所であれば機材の準備、番組企画やプロデュースの方向性を決めるなど、
1人のVtuberを動かすのに、多くの人が関わっています。
その時に件のVtuberは誰のものなのかと考えると難しい所です。
多くの人達が関わってVtuberという一つのパーソナリティを作っている、
Vtuberというイメージをみんなで作って商売をしているわけです。

芸能人もそれと同じで、つい生身の人間が商売しているように誤認しがちですが、
あくまで商売で売っているのは『芸能人のイメージ』。
所属事務所があれば、事務所が描くプロデュースの方向性、
持ってくる仕事などによって構築された『イメージ』です。
自分一人で作り上げたものではないということを芸能人全員が自覚すべきです。

ですから、今回のような薬物事件が発生してしまうと、
生身の自分自身が芸能人としての自分自身を傷つけるわけです。
それは生身の一人が背負える傷じゃないんです。
事務所を始め、関わった製作人、仕事の関係者等々、色々な所に傷を与えるんです。
一時に比べれば、薬物逮捕者の出演作品を排除する傾向は弱まりましたが、
それでも大衆に薬物汚染を擁護していると思われかねないので、
自浄作用として配慮をする必要はあるように思えます。

既に大麻汚染は一般人にも広がっていて、
芸能界だけの問題ではなくなってきましたが、
それでも芸能人の薬物逮捕者の話題をは大きく取り上げられ、
業界としての取り組み方が甘いのではないかという節があります。
中には大麻容認論も出るぐらいですし、業界として断固とした態度を見せなければ、
薬物汚染の被害者はドンドン増えていく一方で、
それがまたテレビ離れをさらに加速させてしまうことを覚悟すべきでしょう。

2020年09月02日

勝手に安倍晋三を殺す日本人

総理辞任翌日の日記にもチクリと書きましたが、何なんでしょうね、
まるで総理が死んだかのような悪口言うな圧力は(苦笑)
故人のことを悪く言うなみたいな風潮にも正直思う所はあるのですが、
ましてや死んでもいないし、議員を辞めるわけでもない人に、
何を遠慮することがあるのでしょうか? 全く意味が分かりません。

ただでさえ、コロナ対策の初動対応やその後の政策評価もされておらず、
緊急事態宣言解除後の6月末からの感染拡大に関しては、
公に批判もされていないという状況で、
何の総括もされないというのもおかしな話です。
つい昨日まで批判していたくせに、
一夜にしてお疲れ様ムードというのも極めて奇怪に思えてなりません。

ぶっちゃけ、今の自民党は後継者不足なので、
安倍晋三氏の3度目の登板がないとは言い切れません。
総理を辞めて病気が快復した際に、後任の総理がグダグダしていれば、
「もう一度、安倍晋三氏を総理に」という声が出ないわけではありません。
その際に、このまま何の総括もされずに、
「病気が治ったのなら問題ないね」で良いんですかね?
あんた達、第一次政権の時も総括してないだろ? 同じことを繰り返すの?

年齢的にもまだ先があるかもしれない安倍晋三氏に、
「お疲れ様でした。お大事になさってください」というのも変な話で、
総理大臣を辞すだけで、議員を辞めるわけでも、死ぬわけでもない、
それなのに、死者の悪口を言ってはいけない的なムードは何なの?
アホかと言いたい。
そうやって区切りで全て水に流そうとするから、
日本人は反省できないんですよ…
自分達を客観視できないから評価ができないんですよ…


私は日本人のそういう評価下手な所が大嫌いです。
先の太平洋戦争にしても、基本的にはアンタッチャブルで評価さえ定められず、
アメリカ人のルース・ベネディクトが『菊と刀』を発表するまで、
日本人は己を客観視することさえできずに、
戦争の評価を定めることができていませんでした。
戦前の評価なんてもっと酷い。
「天皇や神の御心に従ってるか否か」宗教かよ…そんなの評価とは言わない。
今も一緒で他人の顔色ばかりを窺って、
みんなが何となく良いと言っているから良いという。
そんなんだから日本で評価されずに、世界で評価されての逆輸入が多いんだよ…
もっと自分で良いものは良いと、ダメなものはダメだと評価しなければ。
総理大臣を辞めたぐらいで何も言えなくなるという状況を不思議に思います。

●立憲・石垣のりこ氏が謝罪
まぁ、病気を揶揄しているように聞こえなくもないですけど、
別に変なことは言ってないんですよね…
私なんて「大事があるから体を壊す」ぐらいに言ってますしね。
「大事な時に体を壊す」のは事実の説明に過ぎませんから断然マシです。

実際に自民党の3選延長は本人の希望というよりも、
現状を変更したくないとうい党内情勢を配慮したものでしたから、
そういう意味でも指摘は間違っていません。
実際に、病気を再発しても総理大臣の職務の委譲もできたはずですし、
国会を開いても職務軽減するという選択肢はあったと思いますから、
単純に安倍晋三氏がそれを避けたというのが実情でしょう。
むしろ、ツッコむとしたら、
「それなら安倍総理ばかりに答弁を求めるのを辞めたら?」でしょうに…
そんな大事にする話ではありません。


後継の総理は菅官房長官で決まるんじゃないですかね、知らんけど…
ただ菅氏は無派閥で、支援してくれる組織がないので、
自民党内で現状維持を望む声が大きくならないと無理でしょうね。
叩き上げで与野党を通じて人脈を持つものの、
官房長官としては反論をシャットダウンする物言いで報道陣を選別したり、
安倍政権への反発を抑えるために刺客を送りつけたり(案里議員の件)、
それらを官房長官という職務として意図的にやっていたのなら構いませんが、
どちらかというと汚れ役のイメージがあるので、
総理大臣になるとすれば、どれだけオープンにしていけるかが鍵でしょう。
まぁ、世間的には「令和おじさん」と思われてるので、
選挙の顔にしても大丈夫じゃないかと思ってるんじゃないですかね、自民党内は。
ただ、中国の習近平政権からロシアのプーチン政権になりかねず、
党内融和・国民融和をどれだけ図れるかじゃないですかねぇ…


◆ニュースネタ 自民党総裁選に菅氏・岸田氏・石破氏の3人立候補も…
結局、現状維持を望む派閥均衡派がまとめて菅氏に乗っかかりましたか…
おそらく1年以内に行われる衆議院選挙を意識しているんでしょうなぁ…
岸田氏は政策通ではあるものの、浸透するまで時間かかるでしょうから、
現時点の知名度を優先したように思えます。それが正解かどうかは別にして。

問題はその岸田氏ですよね…
一時は安倍総理の後継者候補筆頭と目されていたものの、
安倍総理の3選(2018年9月20日)を機に潮目が変わったのか、
そこから岸田氏に代わって菅官房長官の名前が挙がるようになっていました。
その心変わりの理由は分かりませんが、
翌年の2019年4月の参議院選挙では、
賄賂疑惑渦中の河井案里氏が官邸主導で候補者が擁立され、
岸田派の重鎮だった溝手氏が押し出される形で落選するなど、
妙なギクシャク感があったことも事実です。
岸田氏の派閥である宏池会はハト派の護憲派ですから、
憲法改正に意欲のあった安倍総理ら周辺とズレが大きくなった可能性はあります。
時間が経つにつれて安倍総理の在任中の憲法改正は不可能という見方になりましたし、
そこが後継者として岸田氏が認められなくなった最大の理由でしょうかね…

梯子を外された形となった岸田氏ですが、
前回の総裁選では安倍氏支持で立候補しなかったこともあり、
今回は手を挙げないと「お公家集団」と叩かれることを恐れたのか、
菅氏圧倒的優位の状況でも立候補しましたが、問題は「その後」ですよね…
「その後」ってあるのか? 本当に。
仮に菅氏が総裁選を勝利したと仮定して、
来年9月には再度の総裁選挙が実施され、10月には衆議院の任期切れ。
来年の夏はオリンピックが予定されていますから、
今年中に解散総選挙をしてもおかしくはありません。
自民党勝利なら菅氏の続投は既定路線、敗北してもすぐに辞任とはならんでしょう。
チャンスがあるとすれば、選挙をやらずに来年の総裁選を迎えた場合ですが、
その間に菅氏が結果を残していれば当然続投路線でしょうし、
逆に結果を残していなければ岸田氏ら他の候補のチャンスではありますが、
それってもう翌月の選挙で負けが確定しているような状況じゃないですかね…
たぶん、今回以上の貧乏くじだと思いますよ…

そう考えていくと、総裁選後に菅氏は岸田氏をどう処遇するのでしょうね…
石破氏との一対一の構図は避けたかったなら、
党内融和を優先して協調路線が強まるかもしれませんが、
総理の座を狙っていると考えれば、敵に対して容赦のない菅氏のことですから、
名門の宏池会といえども、冷遇される可能性はあります。
岸田氏とすれば、自分の立ち位置はそう変わらないという読みなのでしょうが…
どうなりますかねぇ… 石破氏は変わらず冷遇されるのは相変わらずか。

しかし、派閥のトップが雁首揃えて、菅氏を支持する会見をするのも異様やな。
あれでしょ? ポスト欲しさに勝ち馬に乗った乞食でしょ?(苦笑)
大体、竹下派は前回の選挙で石破氏の支持に回ったんじゃないの?
まぁ、それだけ参議院竹下派の力が落ち、
茂木氏や甘利氏らの衆議院グループに押し切られている証拠なんでしょうが。
もっとも、派閥の支持とか本来は全く関係ないわけで、
20人の推薦人さえ決まっていれば、立候補できるわけですから、
派閥で支持を固めるのではなく、議員個人で投票先を決めるべきだと思いますが。
その結果として菅氏が当選するなら、それはそれでいいじゃん。
派閥のトップが揃って支持を表明する異様さに気付いて欲しいです。