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2020年03月27日

ウイルス情報の方が間違っている可能性

これまでは、新型コロナウイルスの情報が正しいことを前提として、
それに対する政府の政策目標が合致しているのか否かを論じてきました。
感染当初の1月・2月中旬までは水際対策としての手ぬるさを批判し、
2月下旬・3月は影響が大きすぎるイベント自粛・休校措置を批判してきました。

しかし、これらは、最初に書いたように、
新型コロナウイルスの情報が正しいことを前提としています。
裏を返せば、政府の対策から逆算していった場合に、
新型コロナウイルスの情報が正しくない可能性も考えられます。

あくまでそういう思考実験として以下の文章は捉えてください。
仮に、政府の政策目標が適切であるとするならば、
イベント自粛や外出禁止措置は接触感染対策よりも一段階上の対策であり、
空気感染する感染症に対する対策方法なので、
実際に証明されたかどうかは兎も角として、
日本や欧米諸国は空気感染の可能性を疑い始めた節が考えられます。
しかし、空気感染だと発表してしまえば、
事実上、対策はなくなってしまい、人々を混乱に陥れるだけなので、
敢えて秘密にしている可能性が考えられます。

仮に仮を重ねて、空気感染する可能性があるとするならば、
一番影響を受けるのが医療従事者に他なりません。
宇宙服のような完全防護服で診察するわけにもいかないでしょうし、
数にも限度があると思われますので、
接触感染には対策できても、空気感染への対策は難しいと予想されます。
そうなると、新型コロナウイルスの前線で頑張ってくれている医師や看護師が、
最大の脅威に晒されている可能性があります。
実際に、中国やイタリアでは医療従事者への感染が相次いでおり、
日本も発表はしていないだけで、医療従事者への感染が広がっている可能性があります。
逆説的に言えば、接触感染対策をしている医療従事者に感染が広がったからこそ、
各国政府が空気感染を疑っている可能性が高いとも言えます。

仮に仮を重ねた結果、空気感染する可能性があるとするならば、
今の日本の対応は甘すぎると言わざるを得ません。
フランスを始めとするヨーロッパ諸国のように、仕事の禁止・外出禁止を強制しなければなりません。
今までの原則と例外が完全に逆転し、全員が既に感染していることを前提として、
症状が回復した人から社会へ復帰を果たしていく、という形にならざるを得ません。
今度は全員検査が原則となり、全員隔離が原則になってしまいます。
今の日本政府はそうならないように、歪に社会を動かし続けているように見えてきてしまいます…


改めて言っておきますが、新型コロナウイルスが空気感染するという発表は、
現在の所、出てきておりません。
心配のし過ぎかもしれませんが、日本を含む各国政府の対応を見ていますと、
只の接触感染とは言えない「何か」があることは間違いないようにも思います。

各国政府が空気感染の疑いを持っている以上、
私達の自己防衛方法も一段階上に持っていく必要があるでしょう。
空気感染する身近な病気と言えば、『はしか』ですが…
1回かかれば大丈夫みたいに、新型コロナもそういう形になればマシなんですけど…
もう本当に外出しないしか対策ないんですよね…
経済は完全に止まっちゃうし、ウイルス対策が長期戦になるばかりか、
経済の低迷も長期戦になる可能性が強まってきたように思えます。

いや、冗談ではなく、本当に世界恐慌クラス、
第二次大戦級の出来事が起こってもおかしくない、
恐ろしいまでの重要局面に来ちゃいましたね…

2020年03月23日

東京五輪は中止になるのか?

ついにイタリアの新型コロナウイルスの死者数が中国を超えたということで、
アジア地域よりもヨーロッパ地域で大感染が生じるようになりました…
イタリアの致死率は8%を超え、本当に同じウイルスなのか?と思うほど。
WHOは高齢化が理由みたいな言い方をしていますが、
それならば日本が最も致死率の高い国にならなければおかしいわけで、
致死率の高いウイルスに変異した可能性を疑わざるを得ません。
今後は日本国内の蔓延対策と共に、
ヨーロッパ地域からの逆輸入の警戒も必要になってくるかもしれません…

そんな中で話題になっているのが東京五輪の開催の可否ですが…
日本では安倍総理が「完全な形でのオリンピック」を標榜するなど、
表向きには開催の方向で動いてはいますが…
こちら
感染拡大と高い致死率に悩む欧米の本音は違うと言わざるを得ません。
こちら
ヨーロッパからすれば「それどころではない」という感じでしょう。
明確な温度差があります。さすがにあの発言は能天気過ぎましたわな…

もっとも、中国が1ヶ月ほどで収束したことを考えると、
当初は散々叩かれたIOC委員の「5月末までの決定が必要」というのは現実的な話。
仮に日本で感染が収まっても、出場国の大半が新型コロナで悩まされている状況では、
とてもオリンピックをやる所ではなくなるので、
「完全な形」に拘るのであれば、延期せざるを得なくなるでしょう。
最も被害拡大を恐れるアフリカ地域での感染拡大がまだ起こっていませんからね…
ワクチンができるのが先か、世界全体に感染が広がるのが先か。
現実的には期日通りの実施は不可能に近くなってきたように思います。

延期するにしても年内延期は、アメリカのスポーツ界が完全に停止しない限りは難しいでしょう。
大リーグを始め、リーグ戦復帰がどれぐらいの時期になるのか…見通しは分かりません。
アメリカのスポーツ界が停止した状況でオリンピックという雰囲気にはならんでしょうし、
いずれにせよ年内延期は、世界のスポーツ界が一致団結しない限りは、
かなり難しい展開のように思えます。
そうなると、1年先、2年先が現実的な所なのでしょうかね…

そんなこんな言ってたら、3月23日にオリンピック延期に初めて言及する展開に。
能天気な発言に対して、海外からの外圧に屈した形に見えます。まぁ、当たり前ですね。
中止は阻止したみたいな好意的な報道もありますが、
日本政府が望むような年内延期は絶望的、1年後の延期さえも微妙。
現実的には2年後、最悪なら4年後という展開もありえるわけですが…んー…


◆ニュースネタ 安倍総理が3月15日に会見。19日に休校措置の解除を検討。
3月15日の会見は特に真新しい所もなく、言い訳ばかりな感じでしたけど…
こちら
会見当日にトランプ大統領が思い切ったコロナ対策の実施を発表していたので、
何か新しい動きでもあるのかと期待しましたが…
突然、「卒業おめでとうございます」とか言い出したり、
お前がいきなり2月28日に休校措置を要請して卒業式を台無しにしたんだろうに…
ろくに検査もせずにデータを持ち合わせていない癖に、
国際社会をリードすると大見得を切ったり… できてる? 全くできてねぇじゃん。
あー、先進国に先んじて過剰防衛を行って世界経済を停滞させた責任がありましたね…
矛盾だらけの、言い訳に終始した会見のようにしか思えませんでした。

3月19日の会見ではイベント自粛要請は続行、
休校措置は地域ごとに判断で4月1日からは解除の見込みの模様。
こちら
はてはて、子どもの感染状況に関して言えば、
2月28日時点よりも感染リスクは向上しているはず。
当時は子どもの感染自体がレアなケースでしたが、最近は子どもの感染も増えてきています。
もっとも、子ども同士の感染というよりは、家族からの感染のようですが…
ヨーロッパでの致死率の高さも考えれば、子どものリスクは明らかに高まっており、
休校措置を解除する条件が整ったとは思えません。
これは明らかに2月28日の休校要請が医学的見地を欠いた「政治的思い付き」に過ぎず、
今回の休校措置の解除も医学的見地に基づくものではなく「政治的思い付き」でしかない。
「もう春休みなんだから早めに休みにしちゃっていいんじゃないの?
 でも新学期はそうはいかないよね」という単純な考えに基づくものに過ぎないのでしょう。
なんつーか…専門家の判断が無視され、政治的損得だけで対策が進んでる感があるんですよねぇ…

イベントの自粛要請に関しても過剰防衛だと思います。
空気感染するのであれば有効な対策ですが、接触感染が主なので意味ないでしょうに。
警戒すべきは自分の手がウイルスが付着した状態で食物として経口摂取すること、
つまり、飲食を伴わない短時間イベントであれば、感染のリスクは少ないはずです。
政治家さん達が大好きな立食パーティーはリスクあるのに対して、
スポーツや観劇は飲食を制限すれば問題ないはずです。
なのに、それらを一色単にして自粛≠事実上の禁止するのは違うでしょうに。
やり玉に挙がってるライブハウスに関しても、
飲食やシャウトを禁止さえすれば、問題ないように思えますがねぇ…

結果的に、過剰防衛が国民の萎縮行動を促し、経済を停滞させているのが現状。
それを生み出したのは日本政府の対応遅れ批判を交わすための、
客観的な医療知識に基づかない過剰防衛対策がもたらしたもので、
それが日本だけでなく、アメリカやヨーロッパに波及して、
世界恐慌をもたらすリスクを作出しているという意味では、
非常に危うい政治・経済状況だと言えます。

国民の健康を守るための対策ではなく、批判から逃れるための対策ですからねぇ…
そこに正義はありませんよ…


◆自説 結果的に感染の拡大が抑えられた日本と感染拡大したヨーロッパとの違い
あくまで個人的見解でしかありませんが…
日本の潜在的感染者は1万人規模でいるとは思われますが、
死者数も感染拡大に伴って増えてきてはいるものの、
イタリアを始めとするヨーロッパ諸国と比べれば、死亡率は低い方です。
その要因が何かと考えると、日本政府の対策が成功したわけではなく、
日本人個々のの感染症対策意識が強かったためだと思われます。

やはり結果的にマスクの着用意識が感染拡大を防いでいる一因ではないでしょうか。
確かに予防のためのマスク着用は、欧米が指摘するように、意味がないと思いますが、
今回の新型コロナウイスるは誰が感染しているのかも分からず、
自覚症状がなくても感染させるリスクを持っていることを考えれば、
マスクの着用が感染拡大を防いでいる可能性は否定できません。
また、日本では予防マスクが多いため、
感染者がマスクの着用を理由に差別されることはなく、
肝心の感染者がマスクを着用しやすい状況にあることも間違いありません。
公共交通機関における咳エチケットやティッシュの使用など、
公衆衛生的に意識が高いことが感染拡大を防いでいる一因だと思われます。

あとは食事方法の違いもあるのかなという気もします。
日本では箸を使うことが多いのに対して、
パン食が中心の欧米では手を使うことが相対的に多くなります。
やはり一番の感染リスクは手に付いたウイルスであり、
それを食事と共に摂取することが最も大きな感染リスクです。
箸を使えば、直接的に食物に触れるわけではないので、
一定程度感染を防ぐことができると思われます。
そういう観点で言えば、学校の再開自体には個人的に賛成なのですが、
給食からしばらくパン食を控えるなど、
一定程度の工夫は必要だと思います。

しかし、終わりが全く見えないですねぇ…
開始時に解除条件を定めなかったことで、終わりが見えないんですよね…
このまま緊張状態を続けることは不可能なので、
季節性インフルエンザと同様の警戒度に下げつつ、
各人の健康を損なわないよう配慮する体制を作ることが必要だと思います。


◆ニュースネタ 安倍政権の描く「甘い」シナリオ
もし、仮に、記事通りの甘い見通しで政治的判断をしているとすれば、
今すぐ死んでくれた方がマシです…
歴史的に戦争や病気を想定通りにコントロールできた試しがあったでしょうか?
ないですよ、そんなもん。常に激化を辿るのが世の常。
そんなV字回復なんていう甘い見通しを本当にしているのならば、
即刻、辞めていただきたい。
今や日本だけでなく、世界もどん底に突き落とそうとしてるんですよ?
世界恐慌目前の段階で何を甘い算段をしてるのか。絶望します。

今、必要なのは政策的な判断ではなく、科学的判断です。
「桜を見る会」を始めとする疑惑逸らしや、
コロナ対策への取り組み遅れを挽回するとか、
そういう政治的動機に基づくものは一切要れちゃダメなんですよ。
それは「私欲」でしかない。
大災害や感染病において、そういった「私欲」は必ず災いをもたらします。
あくまで科学的判断に基づき、必要な措置を私利私欲なしに適切に行うべきです。

残念ながら、今の安倍政権からはそれらが一切見えてきません。
記事の通り、甘い政治的判断で動いているとしか思えないんですよ…
今のような過剰な厳戒態勢を続ければ、世界のブロック化が進み、
世界恐慌と第二次大戦と同じような政治状況になってしまうことでしょう。

今の世界の指導者は、自国どころか自分の利益しか考えない人間ばかりで、
世界的視野で指導できる人間がいません。
唯一、ドイツのメルケル首相がそういう素養を持っていますが、
新型コロナの疑いで隔離というのは心配なニュース…
かなり絶望的な流れに傾きつつあり、恐怖しか感じません…

2020年03月12日

DL違法化=個人のアーカイブ化の禁止

新型コロナウイルスでひぃひぃ言っている時に、
昨年見送られたダウンロード違法化が再び閣議決定されて再登場するようで…
こちら
結局、スクショも禁止しちゃうんですね…

昨年の批判を受けて、「全体として軽微なもの」、「一部が写り込んだスクショ」、
「二次創作物」、「著作権者の利益を不当に害しない特別な事情がある場合」は、
違法にならないと除外したようですが…
法律効果としては全くの無意味と言わざるを得ません。


仮に条文が、「原則ダウンロードは禁止。ただし、全体として軽微なもの、一部が写り込んだスクショ、
二次創作物、著作権者の利益を不当に害しない特別な事情がある場合は、違法にならない」であった場合、
法律論的には原則禁止、例外として違法にならないと解釈されます。
その意味は、「例外に当たることを証明できなければ、違法になる」ということです。
つまり、証明する責任は著作権侵害者側にあることになり、
裁判で証明できなければ有罪になるということです。

これが本文で予め例外規定されていれば、話は違ってきます。
「全体として軽微なもの~特別な事情がある場合を除き、ダウンロードは禁止」であった場合、
証明責任は検察なり著作権管理団体なりの訴える側になります。

例外規定が本文にあるか、但し書きであるか、でこれだけ法解釈が違ってくるわけです。
ちょっとした条文の違いだけでも、もたらす法律効果は全く異なり、
普通の人は例外に当たることを裁判で証明することは非常に難しいわけですから、
必然的に原則の通りに行動しようとします。
つまり、リスクを回避するために、ダウンロードは禁止せざるを得なくなるわけです。


個別具体的に考えていきますと、「全体として軽微であるか否か」をどう判断するのか?
1コマのみならばOKなのか、数コマはOKなのか、1ページ丸々はOKなのか?
週刊漫画雑誌に掲載されている漫画1作品は軽微に思えませんが、
同じ分量でもコミックスの1話分だけなら軽微にも思えます。
具体的な違法ラインが分かりません。
「一部が写り込んだスクショ」は表紙等が部屋の写真に写った場合の想定でしょうが、
では見開きの1ページを開いて映した場合はどうなるのか。
「二次創作物」は禁止とされましたが、二次創作物であるか否かをどう判断すればいいのか。
ダウンロードしたものが原作なのか、二次創作物なのかを正確に判断できるのでしょうか。
また、エロマンガとかに多いのですが、「原作に似たキャラ」、
風貌は似ているのに、名前が違う場合は二次創作なのか原作なのか、微妙な所もあります。
最後の「特別な事情」は著作者が一部の著作隣接権を持たない場合
(出版社が販売している場合の売り上げ等)に、個人的販売促進行為をしたぐらいしか、
想定できないので、多くの人々にとっては該当しないと考えるべきでしょう。

個別に考えていくと、例外規定が不当に狭く解釈される可能性があります。
例えば、画像アップロード板みたいな所で画像を探していたら、
二次創作物ではなく、原作の画像が表示されれば、そのページを開いた瞬間にアウト。
掲載論文をネット環境のない所で見るために、自分のPCに保存したらアウト。
図書館の資料の一部を印刷しようとしてもアウト。
面白いネット動画を見つけたので、保存して後でゆっくり見ようと思ってもアウト。
AbemaTVの動画をWindowsのゲームモードで録画する行為もたぶんアウト。

つまり、原則禁止の行きつく先は、個人のアーカイブ保存の禁止を意味します。
何かを保存する行為そのものが禁止されると思った方がいいです。
この考え方に則れば、将来的にテレビ録画も禁止される可能性はあります。
見たい時にはアーカイブスにアクセスして、その場限りの視聴にしてください、的な。
個人でアーカイブを保存する行為そのものが否定されかねません。

ダウンロード違法化の問題点はそこにあります。
個人の保存行為ができなくなっちゃうわけです。
保存したければ、お金を出して現物をその都度に買ってね、という話。
今までは個人で利用する分には問題ないとされていた著作権のグレーゾーンが、
ほぼ全てブラックになってしまう可能性があります。


原則自由と原則禁止とは大きな違いです。
違法な利用を禁止することよりも、適正な利用を推進することの方が重要です。
単に個人的利用は認めても、商用利用を禁止すればいいだけのことを、
どうしてここまで複雑な事態にできるのか。
漫画村のような違法ダウンロードサイトを禁止したいのなら、
アップロードと広告料収入にメスを入れればいいこと。
法律違反のリスクを犯してまでアップロードするのは、別の利益があるためでしょ。
その利益を断てば良いだけの話をどうしてここまで複雑化できるのか、理解できません。


◆ニュースネタ センバツ甲子園大会の中止が決定
個人的には中止の決定が遅すぎた感があります。
前回の「無観客試合で実施の意向。11日に再判断」という玉虫色の決定が無駄でした。
これが「15日に再判断」もしくは「ひとまず延期。中止判断は20日に再判断」ならば、
感染状況が落ち着けば実施の可能性もあったんですが、11日では土台無理な話でした。
もっとも、前日の10日に安倍総理がイベントの自粛延期要請をしたことで、
延期さえもできなくなったわけですが…
いずれにせよ、無観客試合の公表から中止表明の11日まで、
大会出場校は部活動をやらざるを得なかったでしょうし、
無意味に感染のリスクを高めたという意味では、無責任な論外の決定だったと思います。
早期に中止判断ができなかった高野連は責められて然るべきでしょう。

安倍総理のイベント自粛と休校の要請、高野連のセンバツ中止決定にしてもそうなんですが、
どうして日本人は結果を示すだけで、過程を全く示さないのでしょうか?
決断が自己の判断に基づくものならば、必ずセーフとアウトの『基準』があるはず。
しかし、日本人はその『基準』を示そうとしません。
だから納得できなくなるんですよ。
どういう条件が揃った時に、イベントの自粛や休校を要請するのか、
逆にどういう条件が達成されれば、上記の要請が解除されるのか。
発動条件と解除条件の基準を示さないから、国民は混乱するんです。

センバツに話を戻しますと、どういう条件なら通常開催なのか、
どういう条件なら無観客試合なのか、それとも中止にせざるを得ないのか、
それを示さないから出場校は心の準備ができず、中止という憂き目に遭うんです。
予め条件を提示しておけば、混乱はなかったはずです。
そこが日本人の悪い所だと言えましょう。

どうして、日本人がそれらの『基準』を示さないのかと言えば、
責任を取りたくないからでしょう。
条件が曖昧なままに決定すれば、それを誰が決定したのか分かりません。
しかし、『基準』を示せば、責任者はその『基準』を定めたものになります。
組織の中で誰が責任者かを対外的に明示しないために、『基準』を隠すのでしょう。

実際に高野連がどういう『基準』で動いていたかは分かりませんが、
高校野球がプロスポーツとは異なり、学校教育の一環であることを考えれば、
休校措置に一定の目途が立つことが最低条件だったと思われます。
そうであるならば、休校措置から2週間経たない11日に間に合うことは不可能で、
当初から開催は絶望的だったと思われます。
高野連の言い訳じみた決定プロセスによって、
出場校の球児が多いに振り回されてしまったことは残念でなりません。
情けない大人ですよね…

救済措置に関して言えば、センバツ大会の性質上、それは難しい所でしょう。
各地区の1位校は確実に出場できますが、それ以外は選考に寄りますから、
選ばれたらラッキーの要素も持っているだけに、
救済措置を取るのも甲子園出場をギリギリ逃した学校との均衡を失します。
夏の大会の拡大策にしても、プロ野球の開幕順延で日程がタイトになった以上、
全てを甲子園で行うことは不可能でしょう。
そう考えると、甲子園球場には拘らず、4月上旬に順延して、
ベスト8以上の試合を甲子園で行い、それ以外は地方球場で行うなど、
柔軟に考えても良かったように思えますが…
良くも悪くも、甲子園球場への拘りが仇になっているように思えます。
大会が重要なのか、器が重要なのか。
後者への想いが強すぎて大会を破壊してる感があるんですよねぇ…最近の高校野球は。


◆ニュースネタ 新型肺炎をパンデミックに認定。緊急事態ではない?
うん? 新型インフルエンザ等対策特別法を改正するのは、
新型コロナウイルスを追加するためじゃないんですか?
つまり、緊急事態に認定できるように改正するのに、今は緊急事態ではない?
それなら、何で改正するの? 改正する必要性がなくなっちゃうじゃん。
それでは政府は今よりも状況が悪化するという見通しということなんでしょうか。
全然大丈夫じゃねぇじゃん…

この法案に関する野党の対応でひと悶着ありそうで…
こちら
まぁ、山尾氏の発言の方が正しいですね。
挙国一致で対応した方がいいという野党幹部クラスの気持ちも分かるものの、
論理的整合性は欠いていると言わざるを得ません。
憲法で保障された国民の人権を大幅に制限する法律を、
国会の事前報告で足りるとするのはあまりにも乱暴。
憲法改正程度の2/3以上の賛成を要求してもいいぐらい。
最低限、国会の議決は必要でしょう。

そもそも、新型コロナウイルスは法律の適用外という政府の言い分はおかしい。
そんなことでは、それに当てはまる病気なんて存在しなくなっちゃうじゃないですか。
加えて、何も総理大臣が緊急事態を宣言する必要は皆無で、
今回の対応でも北海道知事が「緊急事態」を宣言したように、
地域ごとに判断していく方が合理的というものでしょう。
感染症に対して国全体で画一的に要求する必要性はありません。
今のように「過剰な萎縮効果」になって、想定以上の経済被害が出るだけでしょう。
政府も政府ですが、そこに簡単に乗ってしまう野党も野党でしょう。
現状のままでも適用可能というスタンスを崩すべきではなかったように思えます。

2020年03月01日

地獄の自民党政権

安倍総理が民主党政権時代のことを『悪夢の民主党』と評したことがありましたが…
今の新型コロナウイルスへの対応を見ていると、
東日本大震災の時に安倍政権だったら、日本は一体どうなっていたんでしょうねぇ…
結果的に民主党政権下でも事実上のメルトダウンの公表は控えられたものの、
リアルタイムな情報公開によって広域避難が比較的迅速にできたことは確か。
今の安倍政権であれば、事実の隠蔽、情報隠しによって放射能汚染の事実が隠され、
それこそ地獄のような放射線被害がもたらされていたかもしれません。
今のコロナウイルスへの後手後手な対応を見ていると、
まだ『悪夢』の方がマシだったんだなぁと…。
ずっと『地獄』が続くよりも、一晩の『悪夢』で苦しむ方が断然マシですよ…(苦笑)


◆ニュースネタ 政府の新型コロナウイルス対策~無責任さと説明不足~
最初に、ごく簡単にこれまでの政府の対応を振り返りますと…

①1月16日 国内初感染者の発生、28日に日本人初の感染者を確認。
⇒完全に『他人事』、海の向こうの話。
 経済・外交優先で中国人観光客を拒まず。
 水際対策を徹底すれば問題ないという意識。
②2月5日にダイヤモンド・プリンセス号の感染問題が浮上
⇒水際対策の徹底。乗客の上陸を拒否
⇒結果的に感染を拡大させてしまい、国際世論の批判を招く
③2月26日にイベントの自粛要請
⇒このままだと東京オリンピックの開催も危うくなるという危機感
⇒水際対策の失敗を認めたくないので、自粛要請止まり⇒主催者に一方的な負担
④2月27日に一歩踏み込んで、学校の休校を指示
⇒受験・卒業式を前にして現場が大慌て
⇒説明不足による性急な対応の変化によって、国民がパニックに陥る

まぁ、政府の対応はお粗末と言うしかありません。
①危機感の無さ、②中途半端な対策による失敗、③感染拡大への焦り、④精神論の振りかざし
今、必要なのは科学的見地による感染予防と軽症化なわけで、
感染者数で一喜一憂する段階ではありません。
問題なのは、ウイルスを持っているか否か(陽性反応か否か)ではなく、
症状が出るか出ないか、重症化するかしないか、です。
計測してないから陽性反応者の数が少なく出ているだけで、
国民全員を調べれば万単位でウイルス保持者はいると思いますよ。
もはや季節性インフルエンザと変わらないレベルの浸透度のものを、
殊更に隔離して怖がっても仕方ないでしょうに。
体の抵抗力を失わない事の方が重要ですよ。


結論を先に書いた後に、①~④の詳しい説明をしたいと思います。
日本政府にとっての大きな誤算は3つあります。
①新型コロナウイルスの感染力を甘く見ていて、危機感が足りなかったこと。
②水際対策を徹底する余りに、乗客・乗員に中途半端な感染症対策しかしなかったこと。
③②の不十分な対策によって国際世論の批判を浴び、東京五輪開催さえも危うくなり、
 慌てた政府の対応が却って国民の不安を煽ってしまったこと。
いやー、もう全てが裏目に出ているとしか言えません…

①は中国政府とWHOの公式発表が遅れたことが主要因ではありますが、
少なくとも1月16日の国内初の感染者が出たことで、
ヒトーヒト感染の確率は高まったわけですから、そこから警戒度は高められたはず。
しかし、実際に動き出すのが1月27日、政府の本格始動は1月30日、
2月1日になってようやく中国武漢からの入国を禁止するに至るなど、
初動の遅さが水際対策を失敗させたことは間違いありません。
中国人観光客が日本の観光業を支えている面があり、
4月には習近平国家主席の来日が予定されていることから、中国に配慮したとも言えますが、
経済を重視した判断であったことは間違いなく、感染力を甘く見ていた感は否めません。
中国人観光客を拒まなかったことが、
現在の北海道における感染被害の悪化をもたらしたことは間違いありません。

②1月28日に日本人の国内感染が確認されたことで、
水際対策が事実上、失敗していることが明らかになりましたが、
日本政府は水際対策の失敗を認めぬまま、ダイヤモンド・プリンセス号にも対処してしまいました。
日本政府がダイヤモンド・プリンセス号の上陸を許可しなかった判断は、
水際対策としては当然の判断(実際にウエステルダム号は拒否)でしたが、
日本人の乗客が多かったこともあって、寄港を完全に拒むことはできず、
重症患者を病院に搬送するなど、中途半端な関わり合い方をしてしまいました。
これが日本船籍の船であれば徹底的に除菌したでしょうし、
逆に日本人乗客がいなければウエステルダム号と同じく無視していたでしょう。
問題は陣頭指揮を取った厚生労働省の意識で、
本来は救助・除菌する義務がないのにも関わらず、救助・除菌を始めてしまったことで、
責任意識が薄弱で、いい加減な対応になってしまった感は否めません
(民法の『事務管理』義務がないのにも関わず法律行為で責任が生じるケース)。
つまり、本来は救出する義務はないのだから、最低限の対処はすればいいという甘い認識が、
検査対象を変に絞り込んだり、徹底した除菌活動ができなかった原因だと言えます。
関わるならば、徹底的に除菌、感染者を医療施設に隔離すべきだったのに、
中途半端で場当たり的な対応をしてしまったことが、最悪の船内感染に繋がったように思います。

③結果的に②の中途半端な対応が国際世論の批判を浴びることになり、
東京オリンピックの開催さえも危ぶまれる事態となったことで、政府中枢にも危機感が強まり、
2月16日にイベントの自粛を要請、さらに26日・27日にイベントの中止・休校を要請と、
①の頃の経済優先とは真逆の対応をしたことで、国民の不安を変に煽る結果となりました。
今、必要なのは精神論じゃないんですよ、科学的根拠なんですよ。
国民も馬鹿ではないので、新型コロナの情報は漁っているわけなんですよ。
 不顕性感染を始めとして、感染力は脅威であるものの、
 無症状の感染者も存在し、致死率はそれほど高くなく、肺炎の延長線上でしかない。
 子どもへの感染力は低く、重症化しにくい傾向がある。
 接触感染のリスクが高く、手洗い等の対策を十分に取れば防げる可能性がある。
それにも関わらず、原因を示さぬままに医療従事者の感染を発表したり、
学校に休校の指示を出してみたりと、
「何となく分かってきた事実」と真逆の警戒対応をしてしまったものだから、
国民が変に混乱してパニックを起こしているように思えるわけです。

また、政府が②で船員全員の検査を渋ったことや、
37.5度以上が4日続くという感染検査への高いハードルを課したことにより、
『感染者隠し』を疑われる事態を引き起こし、
企業側も感染者が発見された時の経済的リスクを心配する余りに、
こちらも感染者がいないように装うとしたりしたことで、
国民の潜在的感染者への恐怖が醸造されてしまったように思えます。
ただ、水際対策が失敗している以上、
問題なのは実際に発症しているか否か、重症化していないかどうかなわけで、
陽性反応の数を数えても既に意味のない段階に達してるわけです。
それにも関わらず、政府が水際対策の失敗や船内感染の事実を認めようとしないままに、
感染症対策が極甘から徹底的にと極端に変わってしまったことで、
国民の方がパニックを起こしたのだと言えます。

④精神論の危うさに関しては、こちらの記事が分かりやすいです。
こちら
つまり、誤魔化しでしかないんですよ…
失政を認めたがらないから、精神論を振りかざして玉砕を迫るわけです。

今、必要なのは科学的見地に基づいた政府の説明なわけで、
精神論で挙国一致で対応しようと言われた所で、
政府の失敗の尻ぬぐいに駆り出さられるだけで、不安が醸造されるだけです。
国民全員が既に感染している、感染するリスクが高いという前提に立って、
科学的見地で予防・拡散防止・軽症化を行うことこそが大事であると思います。

本当に今回のコロナウイルスへの対応は、安倍政権の負の面のオンパレードです。
見通しの甘さ、隠蔽、辻褄合わせ、失敗を認めないから根本的対策が打てない、
説明の無いままに政策変更をして国民を混乱させる、等々。
森友・加計学園問題、桜を見る会の問題等々、
個々の政策の問題点を国民がスルーしてきた結果が、
この惨状となって表れているように思えます。
まさに安倍政権の負の総決算です。
現状、致死率が高くないのがせめてもの救い。
これがヒトヒト感染可能な鳥インフルエンザだったりしたら、
スペイン風邪の再来となっていたでしょう。
そういう意味では終わってみたら良い教訓になったと振り替えられるように、
バカな政治家に代わって、国民の方が賢明にならなければなりません。


◆ニュースネタ WHOがマスク着用不要(とは言ってるわけではない)
「マスクをしていないからといって、感染の可能性が必ずしも上がるわけではない」
変な言い回しですね…
これは数学の逆・裏・対偶の問題なんでしょうか?

①「マスクをしている」から、「感染の可能性は下がる」
②「感染の可能性を下げる」には、「マスクをしなければならない」
③「マスクをしていない」から、「感染の可能性は上がる」
④「感染の可能性を上げる」には、「マスクをしなければいい」

こんな感じで合ってるかな?(うろ覚え)
④は①の対偶なので正しい。
②は逆となり、③は裏になるので、必ずしも正しいとは限らない。
つまり、WHOが言っているのは、③の言い回しです。
それって①が正しいという意識が前提の話なわけで、
本当はWHOもマスクをした方がいいと思ってるんじゃないですかね?

確かに買い占めて転売する行為は問題外ではありますが、
かといってマスクを持っている人がマスクをしなくてもいいという話ではありません。
不顕性感染が認められている以上、症状が出ていなくても感染するリスクがあるのですから、
自分が無意識に他人に移さないようにするためにも、
マスクをするにこしたことはありません。

しかし、言い回しを少し変えるだけで、こんなに騙されるんだなぁ…
もう完全にデマじゃん。WHOがデマ流してるじゃん。

……
………もう最初からそうだったか(苦笑)

こちら
中国政府への忖度に忙しいようです。
家庭内で感染したなら、家族のうち誰が最初に感染したんです?
一人身なら感染しないんですか?(w

NHKの報道だと、こんな感じ。
こちら
子どもへの感染は2.4%。重症化するか否かの数字も出して欲しかった所。
つまり、休校する必要なんてなかった\(^o^)/

死亡率の地域差データが何を表しているのか分かりません。
WHOは中国の武漢と韓国の大邱、日本の北海道が呪われた地とでも言いたいのか?
私は単純に感染拡大の発見が遅れただけのように思いますけど…
早期発見で治療すれば、持病持ちで体力が落ちていなければ問題ない、
ぐらいの話じゃないかなぁと、まぁ、分かりませんけどね…


◆スポーツネタ イベント開催自粛と休校措置をモロに受けるスポーツ界
大相撲が無観客試合を決めるなど、混迷を極めてますが…
一番心配されているセンバツ甲子園大会は無理でしょうね。
休校期間中の部活動が禁止され、仮に状況が好転して2週間後に解禁されても、
そこから1週間で調整しなければならず、実戦感覚はほぼゼロになってしまい、
球数云々以上の故障のリスクを抱えてしまいます。
これが夏の大会なら、何としてでもという気持ちになるでしょうが、
先のあるセンバツ大会の場合は中止の公算が高いのではないかと思います。

開催するとすれば、甲子園球場に拘らずに、時期を少し遅らせて開催するしかないでしょう。
冬の高校サッカー選手権のように、各地で試合を行い、
ベスト4以上が甲子園で試合をするなど、厳選する必要が出てくるでしょう。
あとはWBC並みの球数制限も必要になってくると思います。
そこまでの冒険心を高野連が出せるかというと… 難しいんじゃないですかねぇ…