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2015年10月30日

日本シリーズはソフトバンクが勝利

プロ野球日本シリーズは、福岡ソフトバンクホークスが4勝1敗で
東京ヤクルトスワローズを下し、2年連続の日本一に輝きました。
CSの立役者であった内川選手を故障で欠いたものの、
その穴を感じさせない選手層の厚さを見せ、磐石の勝利という感じでしたね。
CSも日本シリーズも前半はロッテ・ヤクルトがチャンスを作っていたものの、
そこを生かせないままにズルズル行ってしまった印象です。
ソフトバンクに勝つには先手必勝、
立ち上がりのチャンスを生かすしかないですからねぇ…

まぁ、正直言って、ソフトバンク黄金時代が到来している感は否めず、
12球団の中で選手層の厚さは群を抜いていますね。
ソフトバンクを止められるとすれば、主力選手が揃っているライオンズぐらい。
もっとも、ここ数年、ライオンズがソフトバンクに大きく負け越していることが、
ソフトバンク黄金時代をより際立たせている感じもあるのですが…
今のライオンズに足りないのは、選手層の厚さと勝利への戦略。
特に打線はソフトバンクと遜色ないのに、一発頼みで得点力は高くない。
そういう意味でも橋上戦略コーチ招聘でID野球との融合が図れるかどうか、
そこがソフトバンクに対抗していけるかどうかのポイントでしょうねぇ…


◆プロ野球ネタ ドラフト会議
10月23日にプロ野球の新人選手選択会議が行われ、
明治大・高山選手の抽選で不手際があったり、
機械が故障して指名に時間がかかったりと、運営の不手際が目立ったものの、
指名自体は無事に終わり、各球団ともに補強ポイントを抑えた形となりました。
今年は「ドラフトの目玉」といった選手は居らず、
故障や不調もあってやや評価を落とす選手も居たものの、
全体的に粒揃いで数が揃っていた印象で、そういう意味でも競合が少なく、
仮にくじを外したとしても、特に問題が起こりにくい年だったように思えます。

そんな中で意外だったのは、慶応大・谷田選手が指名漏れしたことでしょうか。
新聞紙上では上位指名が固いような書かれ方でしたが…
同じスラッガータイプの青山学院大・吉田選手はオリックス1位指名だったものの、
慶応大・横尾選手は日ハム6位、
高校生では初芝橋本・黒瀬選手がソフトバンク5位、
大阪偕星・姫野選手が日ハム8位、九州国際大付・山本選手が横浜育成など、
アマチュアの評価とプロの評価の乖離も目立つドラフトだった気がします。
セもパも世代交代時期で各チームの実力差が少なくなっているだけに、
全体的に即戦力重視、そんなドラフトに見えましたね。

そんな中で異彩を放ったのが戦力充実のソフトバンクでしょう。
1位で3球団競合の県岐阜商・高橋純平投手を引き当て、
2位で日大三島・小澤投手を指名するなど、高校生6人を指名。
攝津投手に代わる絶対的エースがまだ育っていないだけに、
本格右腕2人を獲得できたことは大きいでしょうね。
しかし、全員高校生とは本当に余裕ですねぇ…f(^_^)


◆ライオンズネタ 投手を中心に大量10人を指名
今年ほどスカウトの眼力が試される年はないですねぇ…ってな、独自ドラフトを展開。
最大の問題は、1位指名の富士大・多和田投手の故障の程度がどうなのか。
昨年のドラフト終了時点で、多和田投手の指名は固いと予想されましたが、
今年春のリーグ戦で故障をしてからは一切投げておらず、
ドラフト直前に出た記事でも、故障は完治していないような感じですし…
実際のところはどうなのか、本当に軽症でブラフ記事なのか、完治には程遠いのか?
西武黄金時代にNTT四国・渡辺智男投手を1年間投げさせず、他球団が手を引く中、
2位で指名して新人から大活躍させたケースもあるので、ブラフも否定できませんが、
その正否をファンは判断することができませんから、期待半分不安半分という感じです。
それと、いきなりエースナンバーをという話はどうかと…
「18」は高橋光成投手が希望してましたし、今年の活躍なら期待半分でも有資格者。
西口投手のつけていた「13」を付ける形なら、という感じでしょうか。
ちなみに、多和田(たわた)真三郎(しんさぶろう)と濁点少なめ注意f(^_^)

2位以下も独自路線で、一部事前報道があった選手もいるものの、
他球団の指名は報道上では少なかった選手ばかり。
故に、指名順位と実力が見合っているか判断できず、結果待ちという感じです(^^;
今年ほどスカウトの力関係が出ている年はなく、
水沢スカウトが担当する北海道東北地区から、1位・多和田投手をはじめ、
2位・川越投手、6位・本田投手、9位・藤田投手の4人が指名されています。
加えて、最近指名の多い九州の第一工業大から、7位・呉内野手、8位国場投手、
同じく西濃運輸から3位・野田投手を指名するなど、
近年の人脈に沿った指名も多くなっています。
それだけ周囲の評価に左右されず、長く選手を見てきた成果とも言えますが、
それを結果に結びつけることができるのかどうか、
スカウトの眼力とともに、チームの育成力が問われる指名になったと思います。

(右先発候補)1位・富士大・多和田投手、6位・東北学院大・本田投手
(左先発候補)9位・弘前工・藤田投手
(右中継候補)5位・JR四国・南川投手、8位・第一工業大・国場投手、
       10位・四国IR香川・松本投手
(左中継候補)2位・北海学園大・川越投手、3位・西濃運輸・野田投手
(二遊間)  7位・第一工業大・呉選手
(外野手)  4位・花咲徳栄・大滝選手

補強ポイントはそれぞれ抑えていますが、
川越・松本投手は投手経験が浅く、南川投手は荒れ球と、育成できるか不安も…
できれば、高校生投手をもう1人欲しい所でしたが、
来年は花咲徳栄・高橋投手もいますし、将来にかけて、ですかね。
昨年も投手中心の指名で、おそらく来年もその流れは変わらないと思うので、
1年目から勝負という気持ちを持って、プロ入りして欲しいですね。


◆ライオンズネタ ドラフト指名を受けて戦力外選手の追加
田中・平野・中郷・松下投手の4人が追加の戦力外通告を受けた模様です。
平野・中郷・松下投手はフェニックスリーグでも中継ぎで結果を残してましたし、
このままなら来季もあるのかな~と見ていた矢先に…
加えて、田中投手は負けている試合展開が多かったものの、
プロ初勝利&初セーブを挙げるなど、防御率1.69と一定の結果を残し、
来季は中継ぎの一角に、と期待していたわけですが…
それだけに、ショックな人事でしたねぇ…

結果を残しつつあった田中投手が戦力外を受けたのはショックでしたが、
逆にこれでリリーフ投手陣に危機感を芽生えさせたのなら、
これはこれで意味があると思います。
極端なことを言えば、増田・高橋朋巳・武隈投手以外のリリーフは、
いつ戦力外通告を受けてもおかしくないですし、文句も言えません。
特に右のリリーフ。
ベテランの岡本篤志投手、シーズン後半に勝ちパターンで起用された岡本洋介投手、
期待されながらも安定した結果が残らない岩尾投手と藤原投手…
1軍戦力として期待される彼らであっても、
1軍で結果を残せないのならば、チームを去るのみ、
そういった強いメッセージを球団側が発信したように思えます。
田中投手には悪いですが、これで危機意識・競争意識が高まれば、と思います。

あとは願わくば、田中投手が他球団で再生できますように…
能力は高い投手だと思うので、どこかチャンスを与えてあげて欲しいです。

2015年10月10日

2015年埼玉西武ライオンズ総括(3)

今日は野手陣全般に関する課題です。

秋山選手のシーズン最多安打記録更新や2年目の森友哉選手の活躍など、
打線は全体的に明るい話題が多かった一方、
メヒア選手の不調や若手の伸び悩みもあって、上位・下位が完全に分断されたことで、
得点力は思ったほど上がらず、
好投手を打つことができずに、上位球団に大きく負け越す原因となってしまいました。
主力・控えの差は投手陣以上に大きく、選手層の底上げが課題になっています。


◆打線の誤算1 メヒア選手の処遇
打線の最大の誤算は昨年の本塁打王・メヒア選手の不調でしょう。
開幕から不調が続き、交流戦の時期にはスタメン落ちの試合も出てきて、
6・7月も一進一退といった形が続くも、8月後半辺りからようやく本領発揮、
最終的には27本塁打89打点と一定の成績を残したものの、
打率は.235に終わるなど、低迷が長引いてしまいました。

幾つか不調の要因はあると思うのですが、
当初理由とされたオフの「太りすぎ」は根本的原因ではなかったように思えます。
実際、キャンプ終盤には大分絞れていましたし、それ自体が影響したというよりは、
それを含めてのメヒア選手の管理体制に一番の問題があったように思えます。
今季の不調の要因は既に昨年終盤にも現れており、
チームの成績が低迷する中、ホームラン王争いが掛かっているということで、
一発狙いの外角振り回しの打撃を黙認してしまったことで、
一発は出ても率が残らないという状況を今年にも引きずってしまった感があります。
シーズン終了後や今年のキャンプ・オープン戦でその打撃を改めることができず、
開幕すると外角に広がったストライクゾーンもあって、さらに症状が悪化、
メヒア選手本来の広角に打つ打撃が戻るのに大きく時間を要してしまいました。

また、それならそれで早期に2軍調整させて修正することもできたはずですが、
契約の関係なのか2軍調整させることはなく、打順変更やスタメン落ちなど、
徹底した対応は取られることがなく、処遇が曖昧な時期がありました。
一時期はこのまま戦力外にしてしまうのではないか、そう危惧するほどでした。
もう少し早めに特効薬を打っていたのなら、復調も早まったように思えます。
メヒア選手への対応を誤ったことが、打線再生の機会を奪った最大の要因でしょう。


◆打線の誤算2 浅村選手の不調と森友哉選手の疲れ
開幕の時点から今年のライオンズの打線を動かす推進力は、
3番に座る浅村選手と、6番の森友哉選手と見ていましたが、
オールスターを挟んで2人の打撃は急失速、
2人の打順がコロコロ変わる異常事態になったことで、
打線の繋がりが完全に絶たれてしまいました。

浅村選手の不調の原因は夏の練習不足だったように思われます。
今年はキャンプから守備中心のメニューを組んで下半身を鍛えていたものの、
シーズン中盤は疲れから練習を抑え気味にすることが多くなり、
結果的に好調を支えた春の貯金を使い果たしてしまった形となりました。
一方の森友哉選手も年間通しての1軍出場は初めてということで、
さすがに後半戦は疲れを見せてしまいました。

2人とも9月には持ち直しただけに、来季以降の不安はありませんが、
チームとしては2人の不調が非常に痛かったのは間違いありません。


◆打線の誤算3 若手の伸び悩み~欠ける機動力~
ショートのポジションを金子侑司選手と永江選手、外崎選手、
ライトのポジションを木村選手と斉藤選手ら、
他にも岡田選手や山川選手など、レギュラー取りを期待された若手がいましたが、
最終的にショートはベテランの渡辺直人選手、
ライトは内野が本職の脇谷選手が守るなど、ベテラン選手に負ける結果となりました。

渡辺直人選手や脇谷選手の経験や技術は必要不可欠で、
1軍戦力として必要なのは間違いないのですが、
だからといって、彼らにスピードや勢いといったものは求められませんし、
やはりスピードのある若手選手の台頭は必要です。

現に今年のチーム盗塁数はリーグ最低の66。
一番多くて秋山選手の17です。これでは話になりません。
11盗塁の金子侑選手や9盗塁の外崎選手、
4盗塁の斉藤選手や1盗塁に終わった木村選手など、
スピードのある選手がレギュラー取りに絡んでこなければ、
来年の打線も「打つだけ」となってしまい、攻撃の多彩さを欠くことになってしまいます。

現状ではそこがソフトバンクと日ハムとの差になっており、
スピードのある若手の台頭がそのまま打線の質の向上に繋がると思われます。


◆打線の来季に向けての課題~機動力野球の復活~
待望のヒットメーカー秋山選手の誕生に、
中村剛也・メヒア選手といった長距離砲の存在、
本来なら、それだけで独走してもおかしくない戦力にも関わらず、
それができないのは繋ぎの打者、スピードのある打者が欠けているからです。
若手の成長によって、どれだけ機動力を上げられるか、そこがポイントですね。

(捕手)炭谷・岡田(森友哉)
(内野)メヒア・浅村・中村剛也・渡辺直人・脇谷(金子侑司・外崎・永江・山川)
(外野)秋山・栗山・大崎・熊代(木村・斉藤)
1(中)秋山、2(遊)金子侑・外崎、3(二)浅村、4(一)中村剛也、5(三)森友哉、
6(指)メヒア、7(左)栗山、8(捕)炭谷、9(右)斉藤・木村

最大の問題は森友哉選手をどのポジションで使うか、ですよね…
捕手を早々に諦める必要はないと思いますが、サブポジション1つは固定して欲しい所。
ライトで固定するのか、サードに挑戦させるのか、
今後の補強戦略次第だとは思いますが、DH固定はもう避けた方が良いでしょう。

補強ポイントはスピードのある外野手。
ドラフトでは関東一高のオコエ選手ら俊足巧打の選手がいるので、
今年の場合は投手よりも野手を優先した方が良いのではないかと思われます。
ドラフト補強が失敗した場合は、オリックス退団のヘルマン選手を再度呼ぶのも一手。
ドラフトで補強できた場合は森友哉選手をサードへ、
ヘルマン選手の再獲得の場合は森友哉選手をライトへ回す形になるでしょうね。

2015年10月06日

2015年埼玉西武ライオンズ総括(2)

今日は投手陣に関する総括です。

開幕から増田-高橋朋巳投手という必勝リレーを定着させて、
開幕ダッシュに成功したものの、
オールスター前後に2人の調子が一斉に落ちて大型連敗…
牧田投手を一時的に抑えで起用するも、思うような成果は挙げられず…
加えて、野上投手ら先発陣も夏場に失速…
ルーキーの高橋光成投手の活躍や増田投手の復活で持ち直したものの、
全般的に見ると、尻すぼみで終わった2015年の投手陣という印象です。


◆投手陣の誤算 リリーフ陣の駒不足…というより準備不足
誤算は、勝ちパターンの増田・高橋朋巳投手が疲弊し、
オールスター前後に大型連敗を喫する原因を作ってしまったことなのですが、
2人が疲弊することは4月終了時点で十二分に予想できたことだったわけで、
それに対して何ら準備をしていなかったことが誤算、というか問題です。

一応、バスケス投手やメヒア投手を使って探りを入れてはいましたが、
結局、2人は使い物にならず、増田・高橋朋巳投手の負担を減らせず。
2軍では田中投手を抑えに使っていましたが、1軍では敗戦処理ばかり、
大胆な起用は最後まで見られず、2人の代役は最後まで見つかりませんでした。

その増田・高橋朋巳投手の起用法もよく分からない面があって、
増田投手がリリーフに失敗した後、何試合も登板せず挽回の機会が遅れたり、
敗戦が続いているからといって、高橋朋巳投手を1週間登板させなかったりと、
本当に2人がリリーフ陣の中心にいるのか分からなくなる時期もありました。
2人を中心に回さなければいけないのに、2人を中心に回していない、
それでいて、勝ち試合が続くと毎試合のように使わされるから使い減りする、
敗戦が続くと投げない時期が続いて調整が遅れる、それの繰り返し…
今季、リリーフ陣の中で大きく成長した武隈投手も登板過多気味で、
勝ち試合・負け試合に関係なく使われていましたし、
そこら辺のリリーフ起用のメリハリを直さないことには、
来年も同じ過ちを繰り返してしまうことは目に見えています。

課題は、監督の長期的視野に立ったリリーフ起用方法と、
武隈・増田・高橋朋投手の負担軽減を図れる投手を育てることですね。


◆先発投手陣の誤算 夏に勝てない投手達
ここ数年の特徴でもあるのですが… 夏場に勝てない先発投手が多すぎます。
夏でも安定しているのは、岸投手と菊池雄星投手ぐらい。
牧田投手と野上投手の失速は毎年のこと、
十亀投手は9月に持ち直したものの、一時期はローテ落ちの危機でした。

当初は先発完投のスタイルが負担をかけているのかとも思いましたが、
今年は開幕からリリーフ陣に繋ぐことが多く、先発の負担は大きくなかったはず。
それでも夏場に失速してしまうのは、起用法に問題があるというよりは、
本人達の調整に問題がある、そう思わざるを得ません。

中でも大きな誤算となったのは、エース格の牧田投手の失速でしょうね。
シーズン中盤に一時リリーフを務める時期もありましたが、
あれは高橋朋巳投手の不調もありましたが、
牧田投手が先発として役割を果たせていなかったことも一因にあるように思えます。
牧田投手が投げると打線の援護が少ないと言われてきましたが、
今年の場合は援護を貰っても簡単に同点に追いつかれてしまう、
先制点を挙げると、そこから崩れてビッグイニングを作ってしまう、
ロッテに移籍して最多勝争いしている誰かを髣髴とさせる投球内容に…
安心して先発を任せられず、結果として抑え・リリーフに回した、そういう印象です。
某投手と同じく汗っかきの体質が夏場に勝てない理由なのでしょうか?
今後、牧田投手を先発で使うのか、リリーフで使うのかは大きな課題と言えます。

収穫はルーキー高橋光成投手の活躍でしょうね。
当初は先発不足で、好調でもない時期に調整を捻じ曲げてでの1軍先発となりましたが、
2戦目以降はその不安を吹き飛ばすような快刀乱麻、
最初はバランスを崩しがちだったフォームも投げるたびに安定感が増し、
終盤には岸投手に次ぐピッチングの安定感を見せるようになっていました。
CSに出場していたなら、初戦に先発していてもおかしくない感じでしたね。
来季は菊池雄星投手と高橋光成投手の左右2枚がエース格となる、
そういう期待感を抱かせてくれるピッチングだったと思います。


◆投手陣の来季に向けての課題~外国人投手の活躍が鍵~
投手陣は2~3年前に比べて、確実に良くなっているのは確かです。
ただ、それが上手く回っていない、その回らない最大の理由は外国人投手の不振です。
優勝したソフトバンクにしても、安定した成績の日ハムにしても、
外国人投手が一定の活躍を見せています。
ライオンズも近年優勝した年には必ず外国人投手が活躍しており、
彼らの活躍がチームの戦力を厚くし、起用法に幅を持たせているのは間違いなし。
そういう意味でも、使える外国人投手を獲得することは優勝の絶対条件です。

課題となる牧田投手の起用法としては、リリーフに固定すべきかと思います。
先発は菊池雄星投手をエースとして自覚させ、高橋光成投手を次期エースに、
実績のある岸投手と十亀投手、野上投手が脇を固め、
先発6番手として郭俊麟投手や新外国人投手、若手との競争。
抑えは牧田投手、増田・高橋朋巳投手が脇を固める形が理想ではないでしょうか。

(先発)菊池雄星・高橋光成・郭俊麟・岸・十亀・野上(新外国人投手・誠)
(右リ)増田(新外国人投手・岡本洋介・田中・岩尾・福倉)
(左リ)高橋朋巳・武隈(宮田・中崎・佐藤勇・佐野)
(抑え)牧田

補強ポイントは、先発1枚、右のリリーフ1枚。それと優秀な投手コーチ(笑)
報道によれば、潮崎2軍監督が1軍ヘッド昇格予定であったり、
オリックスを退団した高山投手コーチ招聘の話もあったりと、
投手起用に関しては一定の改善が図れそうなので、そこは期待しています。
あとは経験豊富なリリーフが岡本篤志投手しかいないので、
アメリカ球界挑戦を標榜してはいますが、オリックス退団の馬原投手は、
補強ポイントにも合致しているだけに、アタックしてもらいたい選手です。

2015年10月05日

2015年埼玉西武ライオンズ総括(1)

直接対決のロッテ最終戦に敗北し、シーズン最終戦も落としてしまったライオンズ、
一方のロッテは終盤に連勝を飾り、昨日3位を決めてCS出場を決定、
これによってライオンズは4位確定Bクラスでシーズンを終えることとなりました。
…にも関わらず、田辺監督の続投が決定、
言いたいことは色々あるので、それぞれまとめながら今季の総括をしようと思います。

今日は総括の総括、「監督」「フロント」の総括です。


◆田辺監督の「監督」としての是非
総じて見れば、昨年の監督代行時と同じ失敗をしてしまったように思えます。
就任当初・開幕時はオーダーを固定し、良い形で打線が機能しましたが、
中盤くらいに不調な選手が際立つとオーダーをコロコロ代えて日替わりに、
結局はホームランに頼り切る打線となってしまい、
良い投手を打てずに完封負け=上位に勝てない打線となってしまいました。
一方の投手起用は就任当初・開幕からリリーフを酷使してしまい、
スタートダッシュに成功はしたものの、オールスター前に増田・高橋投手が疲弊、
オールスター後の大型連敗を喫する原因を作ってしまいました。
采配も真面目な性格が象徴するようにオーソドックスで、
東尾・渡辺監督のような博打勝負に出ることは少なく、
また、森・伊原監督のような用意周到さもない。
結論としては、人が良いだけの凡将、そう言わざるを得ない結果でした。

それは優勝したソフトバンクと比べればより顕著になります。
開幕時こそリリーフ陣の出遅れもあって、Aクラスそこそこな成績でしたが、
バリオス投手や二保投手ら経験の浅い投手を勝ち試合でも大胆に使い、
野手陣でも李選手や本多選手、内川選手といった主力が不調であったならば、
思い切ってスタメンから外したり、2軍調整を命じるなど、起用にメリハリがあり、
代役の若手中堅選手がそこでしっかり結果を残すことで、戦力をさらに厚くし、
8月以降は手がつけられない状態となり、独走でリーグ優勝を決めました。
確かに、戦力が最初から厚いソフトバンクならではの戦い方とも言えますが、
工藤監督は目先の1ヶ月に囚われず、シーズン終盤を目指した戦い方をし、
さらにはリリーフの酷使を防ぎ、2年~3年先も勝てる常勝軍団作りをしている意味で、
田辺監督とでは見ている先が明らかに違う、ということは確かでしょう。

凡将と名将の差として最も顕著に現れてしまうのが「負け試合」の内容です。
名将はさっと切り替えて、主力の使い減りを防ぎながら、若手を使って収穫を探す。
凡将は簡単に切り替えられずに引っ張ってしまい、
流れが決まった後に若手を出して見殺しにしてしまう。
負け試合はいかに犠牲を少なくして負けるのかが大事なのであって、
それができるかできないかが指揮官の良し悪しの判断材料になります。
その観点から、両監督を見比べてみると… 言わずもがなです…

もっとも、昨年を含めて、田辺監督のやり方が完全に間違っているわけでもありません。
昨年のライオンズは戦力不足にも関わらず、勝つための監督=伊原監督を据えてしまい、
ボロボロになった最下位のチームを立て直すためには、
田辺監督代行の一戦必勝のスタイルは悪くありませんでしたし、
開幕ダッシュを成功させたのも、自信喪失気味だったチームには良い薬だったと思います。
問題はそこから戦い方を切り替えられなかったことにあり、
開幕ダッシュ~苦手の交流戦とアクセルをフルに踏み続けてしまったことで、
チームがオールスター前にエンストを起こした、それが今年のライオンズだったわけです。

私は別に田辺徳雄氏が嫌いなわけではありません。
むしろ、現役時代のいぶし銀の活躍、
打撃コーチとして多くの選手を育てた実績、人柄を含めて好きな人物です。
ただ、監督には向いていない、そういう判断をせざるを得ない結果です。
我慢強い性格でもあるので、昨年のように選手を育てる状況には向いているでしょう。
しかし、今年のように勝たなければいけない状況では向いていない、そう思います。


◆田辺監督続投に見るフロントの無能さ
後任監督には潮崎2軍監督が事実上内定しているのにも関わらず、
どうして早々に田辺監督を続投させたのか、そこに今のフロントの問題点が隠れています。
監督としてはイマヒトツのことが分かっているのに続投させるのは、
監督としての器量よりも打撃コーチとしての器量が勝っているからでしょう。
つまり、監督を首にした後、打撃コーチとして流出することを危惧しているのです。
ならば、2軍コーチに戻すなりすればいいわけですが、
代行監督ならともかく監督経験者をそのように処遇した例はなく、
そこが監督交代に二の足を踏んでいる最大の理由だと思われます。

仮に田辺監督自身がコーチになることを望んだとしても、
球団フロントはやはりそれを良しとはしない可能性も見え隠れします。
それはライオンズのコーチ人事が純粋な実力主義ではなく、
OBの派遣雇用先としての意味合いの方が強くなってしまっているからです。
ライオンズのコーチで一度球団を去った後に、再度コーチに就任した例は多くありません。
土井正博コーチと伊原コーチ、大石コーチに杉本コーチ、ぐらいでしょう。
外部招聘には否定的で、成功しても短命に終わるケースが多く、
2軍昇格が格段に多いだけに、順番に回している印象を強く受けます。
それではチームに必要なコーチを呼べませんし、
また監督経験者をコーチとして再起用することもできません。
フロントにはコーチを回さなければいけないOBリストがたくさんあるわけですから…

そういった、ある種の「ぬるま湯」体質が近年は強くなっているように思います。
もし、昨年の監督が田辺監督で、今年が伊原監督であったのならば…
優勝も十分狙えたように思えます。
そういったトンチンカンな監督・コーチ人事を見ていると、
球団フロントは本当に優勝する気があるのかと疑わしくなってしまいます。
某球団ではありませんが、優勝すると年俸が上がるから5年に1回ぐらいで十分、
そう考えているのでは?と邪推してしまいます。
本気で優勝を狙うならば、OB中心の輪番人事ではなく、
監督の希望に沿った適切な人事を行ってもらいたいです。