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2015年埼玉西武ライオンズ総括(2)

今日は投手陣に関する総括です。

開幕から増田-高橋朋巳投手という必勝リレーを定着させて、
開幕ダッシュに成功したものの、
オールスター前後に2人の調子が一斉に落ちて大型連敗…
牧田投手を一時的に抑えで起用するも、思うような成果は挙げられず…
加えて、野上投手ら先発陣も夏場に失速…
ルーキーの高橋光成投手の活躍や増田投手の復活で持ち直したものの、
全般的に見ると、尻すぼみで終わった2015年の投手陣という印象です。


◆投手陣の誤算 リリーフ陣の駒不足…というより準備不足
誤算は、勝ちパターンの増田・高橋朋巳投手が疲弊し、
オールスター前後に大型連敗を喫する原因を作ってしまったことなのですが、
2人が疲弊することは4月終了時点で十二分に予想できたことだったわけで、
それに対して何ら準備をしていなかったことが誤算、というか問題です。

一応、バスケス投手やメヒア投手を使って探りを入れてはいましたが、
結局、2人は使い物にならず、増田・高橋朋巳投手の負担を減らせず。
2軍では田中投手を抑えに使っていましたが、1軍では敗戦処理ばかり、
大胆な起用は最後まで見られず、2人の代役は最後まで見つかりませんでした。

その増田・高橋朋巳投手の起用法もよく分からない面があって、
増田投手がリリーフに失敗した後、何試合も登板せず挽回の機会が遅れたり、
敗戦が続いているからといって、高橋朋巳投手を1週間登板させなかったりと、
本当に2人がリリーフ陣の中心にいるのか分からなくなる時期もありました。
2人を中心に回さなければいけないのに、2人を中心に回していない、
それでいて、勝ち試合が続くと毎試合のように使わされるから使い減りする、
敗戦が続くと投げない時期が続いて調整が遅れる、それの繰り返し…
今季、リリーフ陣の中で大きく成長した武隈投手も登板過多気味で、
勝ち試合・負け試合に関係なく使われていましたし、
そこら辺のリリーフ起用のメリハリを直さないことには、
来年も同じ過ちを繰り返してしまうことは目に見えています。

課題は、監督の長期的視野に立ったリリーフ起用方法と、
武隈・増田・高橋朋投手の負担軽減を図れる投手を育てることですね。


◆先発投手陣の誤算 夏に勝てない投手達
ここ数年の特徴でもあるのですが… 夏場に勝てない先発投手が多すぎます。
夏でも安定しているのは、岸投手と菊池雄星投手ぐらい。
牧田投手と野上投手の失速は毎年のこと、
十亀投手は9月に持ち直したものの、一時期はローテ落ちの危機でした。

当初は先発完投のスタイルが負担をかけているのかとも思いましたが、
今年は開幕からリリーフ陣に繋ぐことが多く、先発の負担は大きくなかったはず。
それでも夏場に失速してしまうのは、起用法に問題があるというよりは、
本人達の調整に問題がある、そう思わざるを得ません。

中でも大きな誤算となったのは、エース格の牧田投手の失速でしょうね。
シーズン中盤に一時リリーフを務める時期もありましたが、
あれは高橋朋巳投手の不調もありましたが、
牧田投手が先発として役割を果たせていなかったことも一因にあるように思えます。
牧田投手が投げると打線の援護が少ないと言われてきましたが、
今年の場合は援護を貰っても簡単に同点に追いつかれてしまう、
先制点を挙げると、そこから崩れてビッグイニングを作ってしまう、
ロッテに移籍して最多勝争いしている誰かを髣髴とさせる投球内容に…
安心して先発を任せられず、結果として抑え・リリーフに回した、そういう印象です。
某投手と同じく汗っかきの体質が夏場に勝てない理由なのでしょうか?
今後、牧田投手を先発で使うのか、リリーフで使うのかは大きな課題と言えます。

収穫はルーキー高橋光成投手の活躍でしょうね。
当初は先発不足で、好調でもない時期に調整を捻じ曲げてでの1軍先発となりましたが、
2戦目以降はその不安を吹き飛ばすような快刀乱麻、
最初はバランスを崩しがちだったフォームも投げるたびに安定感が増し、
終盤には岸投手に次ぐピッチングの安定感を見せるようになっていました。
CSに出場していたなら、初戦に先発していてもおかしくない感じでしたね。
来季は菊池雄星投手と高橋光成投手の左右2枚がエース格となる、
そういう期待感を抱かせてくれるピッチングだったと思います。


◆投手陣の来季に向けての課題~外国人投手の活躍が鍵~
投手陣は2~3年前に比べて、確実に良くなっているのは確かです。
ただ、それが上手く回っていない、その回らない最大の理由は外国人投手の不振です。
優勝したソフトバンクにしても、安定した成績の日ハムにしても、
外国人投手が一定の活躍を見せています。
ライオンズも近年優勝した年には必ず外国人投手が活躍しており、
彼らの活躍がチームの戦力を厚くし、起用法に幅を持たせているのは間違いなし。
そういう意味でも、使える外国人投手を獲得することは優勝の絶対条件です。

課題となる牧田投手の起用法としては、リリーフに固定すべきかと思います。
先発は菊池雄星投手をエースとして自覚させ、高橋光成投手を次期エースに、
実績のある岸投手と十亀投手、野上投手が脇を固め、
先発6番手として郭俊麟投手や新外国人投手、若手との競争。
抑えは牧田投手、増田・高橋朋巳投手が脇を固める形が理想ではないでしょうか。

(先発)菊池雄星・高橋光成・郭俊麟・岸・十亀・野上(新外国人投手・誠)
(右リ)増田(新外国人投手・岡本洋介・田中・岩尾・福倉)
(左リ)高橋朋巳・武隈(宮田・中崎・佐藤勇・佐野)
(抑え)牧田

補強ポイントは、先発1枚、右のリリーフ1枚。それと優秀な投手コーチ(笑)
報道によれば、潮崎2軍監督が1軍ヘッド昇格予定であったり、
オリックスを退団した高山投手コーチ招聘の話もあったりと、
投手起用に関しては一定の改善が図れそうなので、そこは期待しています。
あとは経験豊富なリリーフが岡本篤志投手しかいないので、
アメリカ球界挑戦を標榜してはいますが、オリックス退団の馬原投手は、
補強ポイントにも合致しているだけに、アタックしてもらいたい選手です。

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