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リニア報道に口を開かない方が良い理由

「その情報ソース、平気で嘘を書いてますよ?」

私としては、深い知識がなくとも、自分の理解の範囲内で政治判断をすることは、
芸能人を含めて職業や学生に関わらず、認められるべきだと考えていますが、
リニア問題に関して言えば、情報ソースが無意識的なのか、作為的なのか分かりませんが、
明確な嘘やわざと誤解が生じるような表現で書いている場合があるので、
不確実な情報で判断することは避けた方がいいです。
分からないなら、敢えて黙っておくのも一つの賢さだと思います。

前回指摘した嘘は、神奈川県知事の「国家プロジェクト」でしたが、
今回は愛知県知事の「中間報告」の結果に関してです。
●「すべて“いちゃもん”」「”おまいう”」 リニアめぐり愛知・大村知事が静岡・川勝知事をメッタ斬り
確か、この方、静岡県が最初に工事に難色を示した時点でも怒ってましたよね?
そして、わざわざ県職員が事情を説明しに行ったはずですよね? 話、聞いてましたか?
リニア建設促進期成同盟会の会長なら、当然、静岡工区の何が問題なのか理解してますよね?
考えられるのは、この方が聞く耳を持たないバカなのか、
周りに報道内容とは違う嘘を吹き込む輩がいるとしか思えません。
知事でこの程度の理解力でどうするんですか…呆れます。

自分が理解している静岡とJR東海の争いは以下の通り。
JR「トンネル工事するけど、工事で出た水は全部大井川に戻すから問題ないよね?」
静岡「まぁ、それならええかぁ…」
JR「ごめん、やっぱ無理だわ。多少流れても問題ないよね?」
静岡「話が違うだろ! 全部ちゃんと戻せ」
以降、全部戻せと無理の言い合い。
国 「もう有識者会議を作るから、そこで結論出しなさいよ」
有識「JRは流出する水を全部戻せば大井川の水量に影響を与えないのだから戻しなさい。
   それがダメなら、田代ダム案等の代替措置で双方納得しなさい」
静岡「南アルプスの自然環境問題もお願いします」
有識「JRは継続的に自然環境調査をしなさい」
静岡「口約束だけでは不安…JRはちゃんとやってくれるの?」
国 「それじゃ継続的調査をモニタリングする会議を作りましょう」
静岡「わーい」
JR「…」
ごく簡潔に書きましたが、たぶん間違ってないと思います。
水面下では何が起こっているのか知りませんが、少なくとも報道ベースではこんな感じ。

大村知事が指摘の国の有識者会議の結論(中間報告)としては、
「JR東海が約束した「全量戻し」を実施すれば、大井川の水量に変化はないとしつつも、
突発湧水などの不測の事態が生じる可能性があるので、これをしっかりとモニタリングし、
補償案として田代ダム案等の大井川水量の補てん措置を取り、
これを地元自治体としっかり協議すること」を言っているわけで、
中間報告で大井川の水問題が解決済みであるとは言っていません。
逆に言えば、全量戻しに失敗すれば大井川の水量に影響が出かねないので、
田代ダム案等の水量を補てんする措置が必要になったんですよ。
そして田代ダム案が成立したのが昨年10月だった、というのがこれまでの経緯です。
むしろ、中間報告の結論に今更ながら「いちゃもん」付けてるのは大村知事の方ですよね?
本当に「お前が言うな!」という言葉を送りたいです。
●【まとめ】静岡県リニア中央新幹線 なぜ工事は進まない?

●川勝平太知事が「リニア中央新幹線」反対姿勢を強めた2013年に何があったのか「JR東海は本当にやってくれるのか」という不信の始まりは…
こちらの記事は(1)で悪意的に批判し、(2)は客観的に分析、(3)でまた偏った見方をしています。
『水問題に関しては「JR東海の考え方、対処によって中流下流域に影響なし」という「中間報告」を出した』が完全に誤訳です。
これでは、まるでJR東海の考え方が全て認められ、中間報告で水問題は解決したと言わんばかりです。
正確には「JR東海が約束し、静岡県が求めている全量戻しを実施すれば、大井川の中流下流域に影響はない」で、
これに対してJR東海は不足の事態で全量戻しができない可能性に言及していて、
その対策としてトンネル工事の突発湧水等のモニタリングの必要性と、
具体的方法としての田代ダム案による大井川水量の補償策が取られたわけです。
つまり、JR東海が全面勝訴したわけではなく、むしろ静岡県の意見の方が通っているとさえ言えます。
●有識者会議の中間報告書の原文<「第6章 今後の進め方」
長いですが「第6章 今後の進め方」だけ読めば十分だと思います。
もし、JR東海が指摘したような工事中に突発湧水が起こった場合には、
工事を中断して県に報告しなければならないと言っています。
そしてそれをモニタリングし、
万が一のことがあれば田代ダム案等の補償策を取らなければならないと言っています。
これのどこが「解決済み」になるんですか? むしろ、これからJR東海が約束を守るかどうかでしょう。

よって、有識者会議の中間報告でJR東海の言い分が通ったかのように表現するのは、虚偽報道です。
間違った情報に基づいて拙速な判断をしなように注意しましょう。
まぁ、意図的に誤解が生じるように報道してるんでしょうけどね…
だからネガティブキャンペーンであり、性質が悪い報道だと言っているんです。
賢い人は無視するべきでしょう。


その他のリニア問題で生じてる「誤解」を簡潔にまとめます。
①リニア問題は川勝氏の独走である⇒嘘
上記の(2)の記事でもあるように、新幹線のぞみが止まらない不満は以前からありました。
静岡空港の建設は、川勝氏ではなく、前の自民党系知事が行ったもので、
中部地域の独走で始まったこの事業は明確な失敗(東部は東京、西部は愛知へ行く)で、
利用促進をどうするかが県民の課題になっています。
水問題も大井川周辺時自治体の方から言い出したことでもあり、
長年、減る水量に悩まされていたこともあって、かなり神経質になっていた感は否めません。
戦前の丹那トンネル工事によって、湧水が漏れて出て水田地帯から酪農に変えざるを得なかった丹那の牛乳は、
静岡県の学校給食で使われているソウルフードです。
富士山の湧水も年々少なくなっている意識もあって、
静岡県民にとって水問題はかなりセンシティブな問題だったと言わざるを得ません。
そのハレーションを少なく見積もっていたのがJR東海の最大の失策だったと言えます。
ただ、その後は静岡市を始め、周辺自治体がJR東海からの「見返り」で屈し始め、
結果的に川勝一人のような状況に陥ってしまったのは残念ですが、
未だに不安を抱え続けている静岡県民が多いのもまた事実です。
そして、それを代弁してくれる識者が池上彰氏ぐらいしかおらず、
だからこそ余計にJRや国に文句が言える川勝氏の人気が高まったと言えます。

②川勝氏が辞めれば、リニア問題は進展する⇒嘘
①のように静岡県民の不安に応えてくれなかったJR東海に対する不信感は根強くあります。
ただ、一方では昨年10月に田代ダム案が実現可能な案として目途が立ち、
生態系調査も今年2月に国交省にリニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議が作られたことで、
議論も一段落した感もあります。
いわゆる未解決の47項目にしても、JR東海がちゃんと説明すれば、解決する話です。
本来なら、これで問題解決に繋がるはずなんですが、
どうしてか知りませんが、昨年末辺りからJR東海やテレビ静岡、静岡県の自民党から
川勝氏の発言に対する揚げ足取りのような批判キャンペーンが繰り広げられてしまい、
その結果が川勝氏の辞任劇に繋がった感は否めません。
裏にあるのは、川勝氏の辞職表明後に長野県等の工事の進捗遅れが報道されたように、
JR東海の工事の遅れを静岡県というより川勝氏に全て押し付けて、
自分達の責任を回避するためなのでしょう。
だから川勝氏との間で工事を進展させるわけにはいかず、
辞めてもらわなければ都合が悪かったと予想できます。
まぁ、邪推はそれぐらいにしておいて、リニア問題が進展するのは間違いありませんが、
それはもう川勝氏を始めとする静岡県庁が筋道を付けたからであって、
川勝氏が辞めたからではありません。

③補償の問題に関して
そもそも、これだけ細かい問題指摘になってるのは補償の範囲を策定するためであって…
東日本大震災で東電の幹部が刑事責任を逃れたことは記憶に新しいと思われます。
なぜなのか? それは予測可能性があったかどうかが問題になったからです。
つまり、実際に賠償責任が生じた場合に、JR東海が支払いに応じるか否かは、
予測可能性=事前の問題提議が必要不可欠だと言うことです。
加えて言えば、この間に熱海市伊豆山の土石流災害が起こり、
行政が盛り土を把握しながらも撤去に至らなかったことが問題視されました。
実際に2019年の台風19号でJR東海の資材置き場が流されており、
同様の懸念を抱くのは無理からぬことと言えましょう。
既に毎年のように何十年に一度の災害が起きており、
予想外の災害でしたでは済まされない問題になっています。
「予測可能性はなかった」と言い逃れできないように、
しっかりと保障の範囲を明確にしておく必要があります。


最後に、愛知県知事が裏切られたと怒るのは当然と言えますが、
逆に静岡県民からすれば、愛知県知事が期待を裏切っていたのも事実です。
リニア建設促進期成同盟会に中立的判断を期待した面はあったと思います。
しかし、実際は静岡空港新駅の提言をした山梨県知事や、
JR東海にさらなる協議を促した長野県知事と異なり、何もしないばかりか…
一連の発言を見ていると、JR東海と同じ立場で、
問題解決に全く動かなかったことが見て取れます。
問題を解決すべき会長の立場でありながら、静岡県の立場を考慮せず、
全く解決に動かなかったことは、リーダーとして期待外れだったと言わざるを得ません。

国土交通省はリニア全線開通すれば、静岡県の新幹線停車駅を1.5倍にできると示しましたが、
逆に言えば、JR東海はこれに関して公式回答をしていません。
加えて、物理的能力としては停車駅を1.5倍にできたとしても、
経営的に1.5倍にして成り立つかは全くの別問題でもあり、JR東海の考え次第です。
結局、静岡県はリニア開通による経済的メリットどころか、デメリットでしか感じられず、
新幹線衰退の不安を払しょくできていないのが、
リニア問題を前向きに捉えられない最大の理由だと考えられます。

仮に東京-名古屋間の部分開業が成立し、その10年後に大阪までの全線開通したと仮定すると、
新幹線への影響は、のぞみは大阪に乗り換えなしで行く必要から削減できず、
東京‐名古屋間のひかり・こだまはリニア開通で減少となり、
逆に名古屋‐大阪間はリニア・新幹線双方の客が乗り入れるので増加となるでしょう。
つまり、部分開業のみでは、静岡県の新幹線停車駅は増える所か減る公算が高くなります。
その状態を10年も続ければ地域経済はどうなってしまうのか。
少し考えれば分ることでしょう。

●池田清彦氏がリニア新幹線に私見「建設費の回収はほぼ不可能」トンネルばかりの景観を懸念
もっとも、そのリニア自体が成功するかどうかは不透明な感じもします。
JR東海の大規模災害に備えた東海道以外のルート建設は分かるのですが、
リニアが大規模災害に強いかと言われると、そうでもありません。
最大の問題は「電力」でしょう。
リニアの仕組みとして電気を流さないと磁力は発生せず、動かすことができません。
その電力も、本当かどうか知りませんが、新幹線の4倍という報道もあります…
ほぼトンネルばかりの景観の問題、トンネルを掘るための工事費を考えれば、
一体リニアの乗車料金はいくらなら採算が取れるのでしょうか?
最初から静岡県を通過するのはトンネル10キロ程度で、駅も作らないわけですから、
そもそもルート変更して静岡県を通過させなければ良かったのに、、
当初の計画を突き通して、無理ばかり生じさせているJR東海の責任は本当にないのでしょうか?

川勝氏が言いたかったのは、今から12年もかかる工事計画を含めて、
JR東海のリニア計画の行き詰まりを見せているということであり、
このまま国民がこれを見過ごしてしまうと、
将来的に大変な負債を抱えることになるのは目に見えています。
その点をJR東海は明らかにすべきですし、
推進派の大村知事らは国民への説得に乗り出すべきでしょう。
黙って公共工事に従う時代は終わったんですよ。
国民・住民にその必要性を理解してもらうことが重要なんです。
リニアの必要性をしっかりと説明できるんですか? できるなら、ちゃんとしてください。


◆ニュースネタ 鈴木康友氏は「やります」、大村慎一氏は「有言実行」 共に「オール静岡」でリニアは「推進」
後任を決める静岡県知事選挙は、
元浜松市長の鈴木康友氏と、総務官僚で副知事を務めた大村氏の一騎打ちになる公算です。

問題は、自民党がどう動くかです。
鈴木康友氏は旧民主党出身ですが、自民党・菅元総理とも近く、
前回の県知事選挙では一時期自民党の候補として浮上していました(現職市長だったので固辞)。
ただ、今回は連合がいち早く支援を表明。
その後、後継者候補に指名されていた渡辺周氏が出馬を見合わせるなど、
立憲民主党や国民民主党はそのまま鈴木氏支援で一本化されると思われます。
一方の大村氏は静岡市を中心とする政財界のバックアップがあると言われており、
自民党がどちらの候補を支援するかが注目を集めています。

リニア問題に関して言えば、2人とも川勝氏と言っていることは変わっておらず、
劇的に話が進むというよりは、段階的に話が進んでいくと予想されます。
最終的にはどちらの方が交渉力が高いのか、ということになるでしょう。

あとは県西部の支援を受けた鈴木氏、県中部の支援を受けた大村氏ということで、
県東部の票がどう動くかが一つの注目点です。
今年、県東部の裾野市にトヨタの実験都市「ウーブン・シティ」が正式に始まるなど、県東部の重要性は相対的に増しています。
川勝県政下で富士宮市に富士山世界文化遺産センターもオープンしており、
熱海市や伊豆の観光地としての重要性も高まっています。
リニア開通後も静岡県が存在感を出すためには、観光地としての優位性を示す必要があり、
玄関口である県東部の開発は今後の県政の課題になってくると思われます。


◆ニュースネタ 裏金の多さは自民党「3位」なのに、萩生田氏の処分が軽いのはナゼ? 「処分の線引き」をめぐるミステリー
明らかに萩生田氏の処分から逆算された感はありますよねぇ…
普通に考えて、岸田政権でも政権中枢にいた萩生田氏と松野氏が、
安倍氏死後のキックバック再開について何も知らなかったとは思えません。
勿論、二人を出し抜いてやろうと思って、こっそり再開させた可能性もありますが、
キックバックの金額の大きさからして、そういうこともなさそうですし…
二人が何も知らなかったとは思えません。
なのに、一方は離党勧告でこちらは職務停止のみ…そりゃ納得いかないでしょう。
茶番という感じが本当にします。

結局、臭いものに蓋をしただけで、全容解明とは程遠いものだっただけに、
有権者がこのことを記憶に留め、選挙によって結果を示す他に方法はないでしょう。

◆ニュースネタ 水原一平元通訳に衝撃の新事実 大谷翔平から盗んだのは24億5000万円以上、銀行詐欺容疑で訴追【一部追記】
本当に6億円で済んでいるわけもなく…
しかし、これだけの被害をどうやって隠蔽していたのか、
会計責任者も気づくだろうと思っていたら、こんな記事が。
●水原一平容疑者「大谷選手は病気だ」、会計士らの口座確認を再三阻止…「監視望まず」などと説明
こんな言い分が通ってしまうぐらいに、
水原氏は大谷選手の私生活に対しても絶大な力を持っていたということなのでしょう。
それだけ大谷選手が信頼していた証なのでしょうが…
もっとも、お金が入用になる移籍・結婚という節目で、
相手に言われるまで全く気付かなかったというのは、あまりに無頓着すぎるようにも思えます。

前回も書きましたが、アメリカは夫婦別産制が基本で、
特に大谷選手のように高年俸であれば、万が一のためにも結婚前に自身の固有財産を把握しておくことは、
当たり前の作業だと思いますし、それを大谷選手自身がやらずとも、
会計責任者等が把握しておくべき事柄だと思うのですが…
大谷選手自身がその必要性はないと断ったのか、
それとも結婚自体がスタッフにも秘密で、固有財産の把握中に件の事件が露見したのでしょうか…
正確な被害額が把握できたということは、ようやく財産状況をチェックできたということなので、
二度とこういうことが起こらないように、
少なくともシーズンオフには大谷選手自身がチェックしてもらいたいですね。

大谷選手自身は無実とはいえ、ファンの支払ったお金が水谷氏を通じて、
違法なお金として消えてしまったことは、やはり複雑な思いを抱かれるでしょうから、
その点はしっかりと反省すべきだと思いますし、
必要があれば、再度会見を開き、自身の英語で説明すべき事柄だと考えます。
今のままだとお金に無頓着な印象は消えないので、怪しい寄付や投資の話がわんさか集まりかねず、
第二第三の被害が起こりかねません…

●「土下座して謝れ!」と非難が殺到した里崎智也による「大谷翔平批判」のキワドい中身
この程度で土下座を求められるなら、自分も土下座しとかないといけないか…
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でもやっぱり結婚前でさえ、資産状況を把握してないのは普通はありえないと思います。
まぁ、大谷選手が普通でないというのは分かるのですが…(苦笑)
それはそれで危機意識が足らず、今後の資金管理に不安を残すことになるので、
その点はやはり改善を求められるのは間違いありません。
「財布の紐は奥さんが~」というのも夫婦共有財産の日本人的感覚に過ぎず、
やはり夫婦別産制を基本とするアメリカ人の同調を得られるとは思わないので、
個人で管理している姿勢を見せることが大事なのは変わらないと思います。

他にも芸能人でコメンテーターを槍玉に挙げている人がいるらしく…
誰とは言いませんが、単純に性格が悪いんだろうなとしか思えないので
今後、彼らのブラックジョークは単なる嫌味にしか聞こえず、
個人的に二度と笑うことはないだろうなとは思います。
客観的に見て、大谷選手サイドの会見では潔白の証拠不十分だった感は否めず、
そこに疑問を挟むことがそんなに悪い事とは思えません。
こういう言い方は悪いですが、だから水原氏に騙されたのでは…
個人の信用を重視し過ぎるあまりに、システム的欠陥を見逃す、日本でよくある話です。

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