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「親ガチャ」の概念に見る「政治」とは何か?

最近、「親ガチャ」なる言葉が流行ってるそうですが…
自分が上手くいってないことを親の教育や躾、経済力のせいにするという意味ですかね?
言い訳を探しているだけでしょうから、まともに考える必要もないのかもしれませんが、
たぶん親も「息子ガチャ」に失敗したと思ってますし、
親もまた「親ガチャ」に失敗してたと思ってるんじゃないでしょうか?

理解できないのは、どうして自分が上手くいかない理由を「自己責任」的に求めるのか?
自分の努力不足や親の経済力不足が原因なのか? そういうことじゃないんですよ。
もっと世の中には本人の努力と関係ない環境的要因が多くあり、
自分や家族の力だけではどうしようもない不条理な問題はいくらでもあるわけです。
それを解決しようというのが「政治」です。

よく揶揄される「みんな政治が悪いんだ!」「みんな社会が悪いんだ!」というのは、
間違っておらず、むしろ正しいのです。
それを自分達が責任を取りたくないから、既得権益をそのままにして守りたいから、
「自己責任」に押し付けて、政治の無関心さを誘ってるに過ぎません。
「自己責任」ではどうしようもないから「政治」で解決するんです。
「政治」の多くの問題は、「あちらが立てばこちらが立たず」という問題ばかり、
そのバランス感をどう取るかが「政治」の上手さなわけです。

「ガチャ」に喩えるなら、ガチャ確率や排出率の設定、
満足いく結果にならなかった時の代替措置を用意することが「政治」です。
人々の不満を解決していくのが「政治」なわけです。
何も難しく考える必要はありません。
遠慮なく政治に「詫び石よこせ」って言えばいいんですよ。

もっとも、現実的に人々の不満を「政治」に反映させられるかどうか、
そういうシステムが用意されてる社会かどうかは、それぞれの国によるのですが…
まぁ、日本も担保されてないから京王線のような事件が起こるんでしょうねぇ…


◆ニュースネタ 比例代表制の問題点~ドント式の妙~
現在の選挙では、候補者を選ぶ「小選挙区制(区割りが相対的に小さいから」と、
政党を選ぶ「比例代表制」とで成り立っています。
一般的に小選挙区制は1選挙区で1人しか受からないので、大政党に有利と言われ、
比例代表制は得票数で議席が配分されるため、少数政党でも議席が取れると言われてきました。
でも、実際にはそんなことありません。
なぜなら、日本では「ドント式」という計算に基づいて議席配分されるからです。

●wikiよりドント式の計算方法
ここの計算において、A党を単独与党として1500票と仮定し、
B・C・D党を野党連合として、700+400+400=1500票と仮定して計算してみます。
①A党1500、②A党750、②B党700、④A党500、⑤C党400、
⑤D党 400、⑦A党375、⑧B党350、⑨A党300、⑩A党250
結果、A党は6議席、B党は2議席、C党は1議席、D党は1議席となります。
…あれれ? 得票数は与党と野党連合とで同じなのに、議席数は与党の方が多い?

つまり、ドント式の計算においては、/1、/2、/3…と計算していくため、
分母が大きい程に有利に数字が出やすい傾向になり、
少数野党で連携を組んだところで分母が小さい以上、不利に数字が出ます。
政党の数が多ければ多い程に、端数となる「死に票」が多くなりますから、
その分を巨大政党が上回れば、やや有利に働くということです。

個人的にこれは盲点でした。
前回の選挙を受けて自分も野党連合で選挙に臨むべきで、
主導権争いは小選挙区ではなく比例代表で決めれば良いと提唱したものの、
ドント式の計算方法では少数政党の連合より単独多数政党の方が有利になっちゃいます。

つまり、今のドント式計算方法を続ける限りは、
少数野党連合は理論的に不利となり、
二大政党制でなければ政権交代は起こりにくいことになります。
圧倒的に数の多い巨大政党の方が有利な選挙制度なわけです。

現状で野党連合を成功させるためには、
一時議論に挙がった「比例の統一名簿」を実現するしかありません。
小選挙区だけでなく、比例代表も一本化する必要がある、
それが今回の選挙で分かったことです。
しかし、実際にそれが可能かどうか、
選挙区で候補者を出す・出さないの話ではありませんからね。

そこまで身を切る覚悟があるかどうか、それとも再び二大政党制を目指すのか、
いずれにせよ、そのことを国民も理解し、強力な野党を育てていくことが必要だと考えます。


◆ニュースネタ 立憲民主・枝野幸男代表が辞意、衆院選結果の不振踏まえ決断 進退表明へ
日本はまた健全な野党を作るのに失敗ましたか…
今回の選挙結果からすれば、辞任は致し方なしに見えますが、
この辞任劇を引き起こしたのが労働者団体組織である「連合」というのが引っかかる。

そもそも、選挙に負けた理由は「連合」の裏切りですからね。
本来、民主党勢が強かった愛知で敗北したのも自動車総連の裏切りでしょ?
「連合」からすれば、最初に裏切ったのは共産党と共闘した立憲なのでしょうが、
連合が民意を無視した既得権益組織と化したから民主党政権は失敗したんでしょ?

どうして「連合」がバラバラなのか。
「連合」というのは、言うなれば、合議制の部族組織です。
自動車総連や電力総連など、各労働者団体を束ねるのが「連合」です。
しかし、これらは相互連携しているわけではなく、緩やかな繋がりに過ぎず、
「連合」自身が力を持っているわけではなく、
役職を出すような個別の労働者団体が力を持っているわけです。
ですから、例えば、脱原発を掲げたとしても、
それに深く関係する電力総連が反対すれば、
他の労働者団体が賛成であっても、電力総連に遠慮して何も言わないわけです。
安全保障理事会でそれぞれの国が拒否権を持っているようなものです。
そりゃ何も決まらないし、決められないでしょ?
その延長戦にあったのが旧・民主党ですから、
支持してくれる労働者団体に配慮する故に、民主党はバラバラだったんです。

それを立憲民主党という「排除」された人々が一から政党を作り、
希望の党や国民民主党よりも国民的に人気があったため、
「連合」の注文を枝野代表を中心とする執行部がいなしていたわけです。
加えて、「あいつらとは違う」と自称していた共産党との連携に走ったため、
「連合」の方が怒り、水面下で協力関係が崩れて裏切りに遭ったということです。
しかし、このまま「連合」に配慮した体制に一新されてしまえば、
旧・民主党が復活するだけ、各労働者団体に配慮してバラバラに動き、
民意をろくに掴むことのできない万年野党の出来上がりですよ…

今後、誰が代表になるのか分かりませんが、
これまでよりも「連合」の意向を配慮せざるを得ないのは間違いないでしょう。
そうなると、共産党との野党共闘は打ち切り、
国民民主党との合併に乗り出すことになり、
スッタモンダでまたバラバラになることは確実。
各議員はさっさと国政は諦めて、地方行政で実績上げた方がいいですよ?

ちょっと党を立て直せる未来が見えてこないです。
やろうとしても、その度に「連合」がしゃしゃり出てきてひっかき回すだけ。
政権交代を可能にさせる戦略もろくに持ってない癖に文句ばかり言うなよ…

●「トヨタですら危ない」中国の激安EVが日本の自動車産業を潰しかねない"これだけの理由"
自動車総連がどういう事情で裏切ったのか分かりませんが…
日本もガソリン車からの脱却を宣言してますから、
今後10年、自動車業界がリストラされる未来は確定的です。
そういう意味で自民党に擦り寄ったなら家畜同然ですし、
単に共産党嫌いで裏切ったのなら未来も見れない馬鹿です。

かといって、CO2削減を無視してガソリン車を作り続けることもできませんし、
そもそも作ったとしても輸出はできず、国内で消費しかできませんから、
誰がどう喚こうとも、電気自動車や水素自動車への切り替えは進めなくてはなりません。
となれば、業種の転換を進めていくしかありません。
今後の需要等を考えれば、大型の機械ロボットですかねぇ。
自動車産業から機械ロボットの組み立てに移行できるよう準備するべきじゃないですか。
どうせ滅ぶ運命ならば。

●フェミ色の薄い維新の圧勝だった 野党共闘が負けた選挙後に私たちが一番恐れていること
確かに… 自分を含めた報道の視点は全て「男性側」から見た結論です。
女性の視点から見れば、立憲と共産のほぼ一択であったのにも関わらず、
自民党が快勝し、維新が躍進する理由は何なのか、正直ちょっと分かりません。
一応簡単にデータを漁ってみました。
 ●今回の選挙の静岡県の投票率一覧
 ●第46回衆議院議員総選挙における年齢別投票率(2012年の政権交代選挙)
前者を分析するに、浜松や静岡・富士といった都市部ほど男女の投票率の差は少なく、
逆に田舎であればあるほど、男性の方が投票率が高い傾向にあります。
また、後者を分析するに、若い女性は若い男性よりも投票率が高い傾向にあり、
逆に高齢になればなるほど、女性よりも男性の方が投票率が高くなる傾向にあります。
つまり、以上のことを分析するに、男女平等の意識が高まり、
女性の高学歴化が進んだ若い世代ほど、女性の選挙への関心は高くなり、
逆に「女性が政治に口を出すなんてもってのほか」と言われてきた高齢世代ほど、
選挙への関心を失っていることが分かります。

以上のことから個人的に思うのは、単純に女性は知識が足りないだけ、ということです。
各政党がどういう特色を持つのか、残念ながらテレビは教えてくれません。
なんとなく自民党が女性に抑圧的なことは分かっても、
創価学会の婦人部の女友達に勧められたら、その通りに入れてしまうかもしれません。
公明党は壊れたブレーキで自民党にぶら下がってるだけの中身スッカスカの政党です。
バックは言わずと知れた創価学会。
立憲民主党は、民主党を支配していた労働者組織の連合から脱却しようとしたけど失敗。
共産党は実質社会主義政党にまで軟化してます。逆に新聞赤旗が言論の自由を守ってます。
維新は橋下・吉村人気で成り上がってきたため、議員の質がスッカスカで、放置してます。
国民民主党は連合の都合だけで残されています。
れいわ新選組は党首の発言に科学的根拠がないことが多いです。
NHK云々は知りません。なんか党名コロコロ変えて、何やってるかも分かりません。
政党の特徴はそんな所。

あと知っておくべきことは、政治家が「前向きに取り組む」という時はやりません。
政治家がやる時は勝手にしゃべりまくる話題だけです。
話を切る時は興味がない話題だということです。
そんだけ分かっていれば、日本の政治なんて簡単なもんですよ。良くも悪くも馬鹿正直だから。

●「自民苦戦?」テレビの出口調査が大外れだった訳
そういう要素はあると思いますね。
まぁ、どちらかというと、予想の難しい比例代表の方を読み違えたんだと思いますが。
静岡5区で吉川氏が比例復活できたのも、立憲が強かった愛知県を自民党が取り、
受かる候補がいなかったからですし、そっちの予想を大外しした印象です。

●麻生氏も一時浮上!岸田氏「幹事長人事」の舞台裏
まぁ、想像通り。そして茂木氏に対する見解も噂通り。
普通に考えて、国民受けするタイプではありませんなぁ…

●リベラル派の声、ツイッターで広がらぬ理由は 保守派のほうがマメ?
マメというか知りませんが、ネトウヨは頑固で粘着質なような…
考え方を変えることを知らないからネトウヨやってるだけに見えます。
リベラル派は批判精神が基本ですから、
現実の肯定と否定を絶えず繰り返しているわけですから、物分かりがいいのよ。
そんな偏見(苦笑)

●最高裁国民審査、全員信任 夫婦同姓「合憲」4判事は不信任7%超
まぁ、自分も考えなかったわけではないです。
私も実際に判例解説を紹介しましたしね。
だけど、合憲判断が法律的に間違っているわけでもありません。
最終的には民意=国会が決めることだという考え方ですから、
厳密にはイエスともノーとも言ってないわけですから、
それをもって選択的夫婦別姓に反対だと決めつけることはできません。
あくまで彼らは普通の法解釈に従ったわけですから、×ではないでしょ。

逆に信任投票であれば、反対意見を述べた判事に入れようかと思いますが、
不信任投票という性質上、やっぱりそれだけで不信任とはできません。
ほら、物分かりいでしょ(苦笑)


◆アニメの話 『月とライカと吸血姫』
アニメ1話を見た時は「どうして旧ソ連(っぽい国)が舞台?」と思いましたが、
先日の選挙で自民党が共産党批判をしているのを見ていると、
「ああ、日本人は共産主義を知らないのか」という結論に至りました。
そんな共産主義を忘れた日本人に、共産主義とは何かを思い出させてくれるアニメです。

内容的にはそれほど重苦しくはなく、有人宇宙飛行を目指すソ連(っぽい国)で、
犬の次に人間に近く丈夫な存在ということで、吸血鬼が飛行士に選ばれてるお話です。
シリアスな話ではあるものの、共産主義的重苦しさはなく、
所々に国家目標と失敗の隠蔽、思想教育の取り締まりといった、
共産主義国家的エピソードが挟まれている感じで、
小難しくなくスッと共産主義の空気に触れることができます。
共産主義とは何か、漠然としたイメージは伝わると思います。

●田原総一朗「“若者の政治離れ”風向き変わるか 衆院選で見えた変化」
こんな東西冷戦時代のエピソードでさえ、現代の私達には新しい。
驚くのは読売新聞で巨人オーナーとして有名だった渡邊恒雄氏ら、
いわゆる現在の保守派の論客も、元は学生運動で共産主義の立場に居たことです。
学生にとっては共産主義こそトレンドだった時期があったということです。
まぁ、話を見てわかるように、実態を知らなかった故に憧れていただけですから、
共産主義の実態は後の赤軍事件等で知ることになるわけですが…
その反動で共産主義嫌いになってるのは、
単に若かりし頃の汚点を消したいだけのように思えます。

だから、自然と共産主義的腐敗が蔓延していても、それに気づかないんです。
例えば、旅行に出かける時にどう考えますか?
どこに行きたいかで考えますか? どこに行くべきかで考えますか?
自由主義国は原則自由です。他人に迷惑をかけない限りは自由な意思で行えます。
でも共産主義国は原則不自由。何かをするのには指導者層の許可が必要なわけです。
例えば、失敗をした時にどうしますか?
速やかに失敗を報告して対処しますか? それとも、バレないように隠蔽しますか?
自由を判断するには情報が必要です。それが都合悪い情報でも、それを活かすことが必要です。
でも共産主義国ではミスは死を意味します。ミスは計画上、ありえないからです。
ミスしないように計画しているものに、ミスがあるわけないだろう? そういう理論です。
例えば、出世を目指している人が意に反する仕事を押し付けられたらどうしますか?
自由主義は競争原理が基本、その仕事が嫌なら他に転職すればいいんです。
でも社会主義国では指導者層に目を付けられたら失脚してしまうので、
意に反する命令でも粛々とそれに従わざるを得ません。

はっきり言って日本人の頭の中の半分くらいは共産主義に毒されています。
共産主義的な言動や行動をしていながら、
「共産」という言葉だけに反応して批判することの何とも滑稽なことか。
そんなことしてる暇があるなら、共産主義的思考から脱却しなさいよ。
「自由とは何か?」憲法改正を考えているなら、それぐらいの基本は勉強しときましょうよ。

閑話休題。
そんなこんなで日本人が忘れがちな「共産主義」の雰囲気を味わうためにも、
『月とライカと吸血姫』を見るのはいかがでしょうか?

他のアニメだと、完全なギャグアニメの『吸血鬼すぐ死ぬ』、
日本のパクリアニメである中国産ロボットアニメ『闘神機ジーズフレーム』が注目。
後者の中国産アニメは、このシーンはどのアニメのパクリだと考えるのが楽しみ(苦笑)
キャラ絵や動きとかは中国産も負けてない、むしろ上かもしれませんが、
背景やモブキャラ、キャラの複雑な表情等はまだまだ差があるなと感じます。

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