日本は身も心も「中国化」してしまうのか
衆議院総選挙の結果は、自民党が一部議席を減らしたものの、
自公政権で絶対安定多数を確保して政権を維持したのに対して、
野党第一党の立憲民主党は議席減で敗北しました。
結果的に政権批判票は維新の会に回って大幅躍進し、
自公+維新の改憲勢力が2/3を上回ることになりました。
勝者は公明と維新の会に国民民主党。自民はトントン。敗者は立憲です。
●衆議院選挙2021特設サイト(NHK)
個別に結果を見て行くと分かるのが、
「小選挙区で自民が負け、比例代表で自民が勝った」ということです。
前回の衆議院選挙と比べると、
自民党が小選挙区で189(-29)に対して比例代表で72(+6)。
立憲の前回の結果を希望の党と合算した形で計算すると、
立憲民主党が小選挙区で57(前回が18+18なので+21)、
比例代表で39(前回が37+32なので-30)。
国民民主党が小選挙区で6、比例代表で5取っていますが、足しても比例は赤字。
つまり、野党共闘による候補の一本化は相当程度効果があり、
自民党の候補を苦しめて、実際に成果を挙げたものの、
比例代表では各党バラバラになったため、互いに票を食い合ったということです。
例えば、自民党にお灸を据えたいだけの保守派の人なら、
小選挙区は野党統一候補に入れて、比例では自民党に入れたり、
共産党支持者の人なら、小選挙区は野党統一候補に、比例では共産党に入れたのでしょう。
共産党との連携を嫌う労働者団体の「連合」は、
小選挙区では野党統一候補に入れたものの、比例では国民民主党に入れたため、
結果的に立憲民主党が無党派層に支持を広げられず、比例代表で損をしたのでしょう。
結果的に言えば、野党共闘は無党派層の支持を集められたとは言えず、
小選挙区では野党統一候補に流れたものの、
比例では自民党やれいわ等にバラバラに分散した結果、
自民党の比例復活当選が相次ぎ、全体として見ると与党の大勝に繋がったと言えます。
だから開票当初の報道では自民党が低めに出て、「誰も勝ちなし」という評価だったのが、
一夜明けると自民党が比例で挽回したため、「立憲の敗北」になったわけです。
●【衆院選】全議席確定 自民259議席で単独過半数、与党が絶対安定多数に
自民党は岸田政権へ移行しての追い風狙いは不発に終わり、
甘利幹事長らが小選挙区で敗北する憂き目にあったものの、
単独過半数を超える259議席を確保しました。
…なんつーか、感覚で言えば、最高裁判事の国民審査?
×を付けたい議員だけを落としたという感覚に見えます。
まぁ、比例復活があるので、全く意味ないんですけどね…
衆議院は拘束名簿方式なので、予め提出された名簿順が上なら受かります。
今回も小選挙区で落ちた甘利氏が比例関東ブロックで復活当選し、
比例関東ブロックに「受かりやすいから」という理由で回された河村氏の息子が落ちたわけです。
落選運動がどうして意味がないのか? 単に選挙制度がそうなってるからです。
そして、それを決めているのは政権与党である自民党なわけです。
立憲民主党は伸び悩んだどころか、議席減という結果に。
逆に国民民主党は議席を伸ばしていますから、「連合」に裏切られた結果でしょう。
少なくとも共産党との野党共闘を進めてきた枝野代表ら執行部は総退陣となり、
国民民主党との合併を見越した陣容に変わってくると思われます。
数的にはまだ立憲民主党の方が多いですが、実質的に国民民主党に吸収合併され、
旧民主党のような「連合いいなり政党」が再び誕生すると予想できます。
では労働者組織である「連合」が国民の意志を反映しているかと言えばそうではなく、
脱原発やクリーンエネルギーの転換に完全に舵を切れないのは、
連合の電力総連の影響と言われており、国民の意識と明らかに乖離しています。
「連合」の中身は実質バラバラなので、またバラバラな弱い野党が生まれるだけですね。
「毒を以て毒を制す」という言い方は適切ではありませんが、
共産党の力を借りて「連合」色を弱めようとした結果、
「連合」に切られて選挙で負けるという散々な結果になってしまいました。
そういう意味では自民党の「共産党批判」は功を奏したと言えます。
まだ日本人は「共産主義」という言葉にアレルギーがあるということでしょう。
実質、日本の社会構造は共産主義そのものだというのに、
それに気づかない辺りは心の底まで洗脳された結果だと言えます。
政治的に見る「共産主義」は、「指導者」と「労働者」の分離なわけで、
成り上がった「指導者」層が絶対的な権利を持ち続け、
多くの「労働者」を搾取し続けるという、経済の共産主義と真逆の特徴を持ちます。
今の日本もそれは一緒で、いわゆる「勝ち組」と言われる富裕層や既得権益者が、
「負け組」と呼ばれる労働者層を支配するという階級社会になっています。
この選挙結果から言えば、「負け組」は「勝ち組」のおこぼれを狙うだけの、
勝ち組ならぬ「家畜組」になりたいということなのでしょう。
おこぼれくださいブヒー。
選挙協力をした共産党は議席こそ守れましたが、今後に大きな課題を残しました。
政権交代に加わるなら、やはり「共産党」という名前を捨てざるを得ず、
逆に、共産党支持層は野党であることを望んでいる可能性もあります。
共産党という名前を捨ててまで政権交代に挑むのか、
それとも共産党という形に拘って独自路線の野党で突き進むのか。
旧社会党が政権交代の狭間で右往左往し、滅びの歴史を歩んだことを考えれば、
独自路線を支持する気持ちも分からなくもありません。
今の共産党に求められているものは何なのか、再考する必要があります。
もっとも選挙協力をした立憲民主党が崩壊しかねないだけに、
独自路線に戻らざるを得なくなり、共産党のチャレンジもこれで終わりそうです…
維新の会は自民党批判と立憲+共産批判を受けて大幅躍進となりました。
「自民党にお灸を据えたいけど、共産党には抵抗感がある」という人を、
上手く引き付けた形です。
地方自治で実績を積み、国政進出するという流れは今後も続くと予想され、
維新の会のやり方自体は間違っていないと思います。
ただ、毎度言われてることですが、議員の質が伴わない…
こういった新党ブーム的に間隙を突く第三極の政党は過去にもありましたが、
「一歩進んで二歩下がる」を繰り返して長続きしません。
思い切って政権交代を狙う野党勢力の中心に行くのか、
そのまま自民党の補完勢力として、おこぼれを狙いにいくのか…
少なくとも2025年の大阪万博が終わるまでは、今の路線が続くのは確実で、
自民党の政権運営を楽にすることに一役買うのは間違いありません。
選挙が終わっての当面の焦点は、辞意を申し出た甘利幹事長の後任です。
この人事で自民党内の権力構造の変化が見えてきます。
安倍・麻生氏らに配慮した人事にするのか、岸田氏の独自路線を打ち出せるのか。
選挙の評価的には「一応の勝利」を挙げただけに、
自民党内の主導権がどう動くか注目が集まります。
岸田派から幹事長を選べるようなら、見直しますけど…無理だろうなぁ…
一方の野党は壊滅状態に陥ると目されます。
野党の中心になってきた「野党共闘」は事実上の失敗となり、
労働者団体の「連合」を中心とする再合併民主党と少数政党に分裂、
次の選挙でも受け皿になれず、50人規模まで減らす可能性があります。
野党の弱体化に拍車がかかり、向こう10年は政権交代が起こらないでしょう。
そうなってくると、維新の会に倣った地域政党が再び台頭する可能性があります。
今回選挙の体制が整わなかった東京都のファーストの会や、
元埼玉県知事の上田新党構想といった、
地域政党ブームがやってくるかもしれません。
立憲民主党の弱さは希望の党の合併騒動という国政の狭間で誕生した経緯から、
地方組織の弱さが以前から指摘されてきました。
逆に今度は立憲の議員が地方へ実績を積みに行くことも増えてくるでしょうから、
次に政権交代が狙えるのは、少なくとも5年先、
10年くらい見越して地方行政力を磨くべきでしょうね。
岸田総理にどれぐらい欲があるのか分かりませんが、
このまま野党を壊滅に追い込みたいなら、来年7月の参議院選挙に合せて、
衆参同時選挙を行うべきでしょうね。
その頃には冬の再発が予想される新型コロナも、一段落付いているでしょうし、
野党は放っておいてもこのまま勝手に自滅していくでしょうから、
対抗馬自体が相対的に弱くなり、落選運動さえも成功しなくなります。
勝ち放題の美味しい選挙になる可能性が高いでしょう。
逆に言えば、そうならないように野党には一致団結して欲しい所ですが…
まぁ、この選挙結果からすれば無理でしょう…
逆に裏切られた「連合」を完全に切り、国民政党に生まれ変わるなら話は別ですが、
多くの議員は「連合」を切れずに国民民主党に流れ、
野党議員であることを甘んじて受け入れるでしょうね…
個人的に一番懸念しているのは、与野党ともに対中国政策に真剣みがないことです。
自民党の総裁選でも対中国は話題になりましたが、
誰も台湾問題には触れず、敵基地迎撃能力とか机上の空論を述べるのみです。
そんなものあっても、中国が本気で撃ってきたら対応できません。
あくまで北朝鮮の旧式の軍隊を想定した理論でしかありません(現時点は不明)。
台湾は西側諸国のIT産地で、CPU開発やGPU、マザーボードやメモリ、
パソコンの中身の大部分は台湾製の製品でできています。
仮に台湾が中国に併合されてしまえば、世界のコンピュータは中国産になります。
さらに日本にとっては、尖閣諸島問題があります。
尖閣諸島の領有権を主張したのは台湾政府が先であり、
中国は「台湾は中国のものだから尖閣諸島も中国のもの」ということです。
つまり、中国が台湾を併合した先は、尖閣諸島の併合も意味し、
さらには太平洋を貫くために沖縄に狙いを定めてくるでしょう。
台湾の危機は日本にとって今そこにある危機です。
そして第三次世界大戦が最も起こり得る可能性が高い火薬庫です。
勿論、立憲・共産の政権でそこまで踏み込んだ対応を期待してません。
しかし、今の自民党がそこまで台湾政策に踏み込むとも思えません。
やはり政府を預かる身としては、中国と余計な摩擦を抱えて、
経済や軍事力の脅威に晒されることを恐れるでしょう。
結果として、慎重に対応した結果、台湾と尖閣諸島を失うことになりかねません。
そうなると、個人的に唯一の解決策と思ったのが、
政権交代が起こって自民党が下野し、
保守派の人気取りのために対中国政策の強化を打ち出して台湾に接近し、
日本の台湾防衛の世論を喚起する可能性でした。
旧民主党が世論の移り変わりに弱いことは分かっていることなので、
仮にそれが中国との戦争に繋がる道であったとしても、
世論の高まりを抑えられずに対中国政策を強化せざるを得なくなったでしょう。
今回の選挙結果で野党が崩れたことによって、
自民党は対中国政策を過激化する必要がなくなるので、
日和見的姿勢を崩さないでしょう。
結果として、台湾・尖閣諸島を指をくわえて見ているだけで終わり、
戦争の脅しに屈して九州を割譲、無事に中国の支配下に組み込まれて終わるでしょう。
まぁ、元より今の中国が日本に価値を見出してないのは明らかなので、
米軍の司令部ごと核攻撃されて終わりという可能性の方が高いと思いますけどね。
日本にとって台湾を失うということは、そういうことです。
なに、全く気にすることはないですよ。
飼い主が日本の既得権力者から中国共産党に変わるだけのことです。
共産主義的政治構造には慣れているでしょ? 全く疑問に思ってないでしょ?
指導者層が自民党ら既得権力者から中国共産党に変わるだけのことですよ。
自分達の財産が保証されたいなら、中国共産党に媚びを売れば済む話です。
みんなで中国の家畜になりましょうブヒー。
…
……
………死にたい。猛烈に死にたいわ…
◆ニュースネタ 【速報】自民党 甘利幹事長の後任に茂木外相の起用内定
うーん… 適材適所って何だろうか(苦笑)
旧竹下派所属ですが、安倍政権時から重用されていることから、
今回も安倍・麻生氏に配慮した人選にしか思えませんね…
本人としてはバランスを取っているつもりなんでしょうが…
自派閥の林氏や小野寺氏ではダメだったのか。まだまだ遠慮が見られます。
しかし、茂木さんか…頭が良くて政策通ですが、それを鼻にかける所が…
官僚からのウケが一番悪い人と聞いたことがあります。
そんな人が幹事長とか大丈夫なのかね?
圧迫面接とかになったりしません?
◆ニュースネタ 対決継続 細野氏と吉川氏、一夜明け街頭あいさつ 衆院静岡5区
選挙結果では細野氏がダブルスコアの差を付けてトップ当選。
しかし、2位の吉川氏が比例復活当選を果たして、両者当選と相成りました。
あれだけ大差で負けながら比例復活しちゃうんだから、凄いですよねぇ…
ある意味、今回の選挙を象徴する一幕でした。
細野氏としては吉川氏を比例復活させずに勝利することが理想でしたが、
そうはならなかったことで、5区の公認問題はさらに難しい局面になります。
後任の幹事長が茂木氏となれば、より一層難しくなるんじゃないですかね…
まぁ、予想通り、次の選挙の鉄砲玉として国替えになるのではないでしょうか。
静岡5区から、さよなら、細野議員。
しかし、吉川氏は自民党支持層の5割以上を細野氏に取られてたけど、大丈夫なんかな…
裏切った人達がまたどの面下げて吉川氏を応援するのか楽しみですなwww
◆ニュースネタ 日本がずっと「停滞」から抜けられない4つの要因
概ね同意です。
ただ、②の最低賃金の上昇が失業に繋がらないかどうかは、
一般的にはそう思うものの、日本の企業風土を考えると難しいかなと。
まだ労働者の能力の価値を正しく認識できていないように思えますから。
今回の選挙でも「成長と分配」がテーマになっていましたが、
野党は法人税の増税や金融課税等で再分配することが予想できましたが、
自民党の再分配の原資が最後まで分かりませんでした。
岸田総理は「成長なくして分配なし」と言ってましたが、
現実は「成長がないから分配もない」わけで、
「成長」させる手段として「賃上げ」で消費力を上げる議論をしているのに、
どうやって「成長」させるのかがサッパリ分かりません。
それが「アベノミクス」なのでしょうが、粉飾決算以外に成功してます?
3本目の矢の成長戦略はどこに行ったのか。ないじゃん、「成長戦略」なんて。
そこを見せろと言っているのに、「成長無くして分配なし」は意味不明です。
意味不明なこと言っても誤魔化せちゃうんだから、選挙ってチョロいよね。
「検討します」と言えば、検討してくれると思ってるのってピュア過ぎでしょ。
政治家という生き物は基本的に喋りたがりだから、自分がしたい政策は饒舌に語り、
やる気のない政策は返事だけして誤魔化すのよ。
みんなピュア過ぎでしょ?
◆ニュースネタ “アベノマスク”など8000万枚超 配布されず110億円相当が・・・
麻生さん、マスコミに経済観念がないと怒るなら、こっちを怒りなさいよ(苦笑)
仕入れるも余剰在庫で管理費だけが積み重なっていく…一般企業ではありえません。
当然、仕入れ時に在庫管理費用も想定しているからです。
なんで、そうならないのか。人気取りのために速く配布しようと急いだ結果です。
だから経済観念なしに集めて、ウケが悪いとなるとあっさり放置しちゃう。
それだけのことでしょ、これ。いかに政治家が経済観念ゼロなのかが分かります。
一部で擁護する声もありますが、当時の安倍政権の言い分としては、
「アベノマスクでマスクを大量供給したから、市販マスクの価格が下がった」なので、
市場に供給されて役に立ったというストーリーだったんですよ。
倉庫に眠らせておいて市場価格に影響するなんて初めて聴きました。
凄いですね。もはや魔法ですね。
◆ニュースネタ 新型コロナ対策
急に寒くなったから、感染拡大が始まるかと思いきや…
その後、なんだかんだで日中の気温は戻っちゃいましたね。
朝夜は寒さを感じますが、日中は汗ばむほどの陽気です。
●第6波は「年明け」か ワクチン3回目の備え「日本は遅れている」と専門家が懸念
●新型コロナ「ニューデルタプラス」出現 第6波は12月~1月が要注意
イギリスや韓国では感染拡大が広がりつつあり…
今までのケースだと遅れて感染が拡大する傾向にありますが、どうなることやら。
やはり気温が下がり始める11月中旬から要警戒でしょう。
いつの間にか感染拡大が止まったのはワクチンのおかげだという論調になってますが…
感染予防効果もいつのまにか8か月に拡大解釈されてるし。
感染予防効果はせいぜい1ヶ月、重症化防止効果が6カ月ほどという話だったはず。
なんかいつのまにか書き換えられてるんですけど、何なのコレ。
個人的には収束の時期は来年夏ぐらいかなと予測していますが、
こればかりはウイルスの変化次第なので、どうなりますかね。