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日本はIOCに分断されて殺されるのか

IOCの中では東京オリンピックの開催と国内有観客試合は確定しているようです。
海外メディアの対応は分かりませんが、選手ほど厳しい制限はないと予想できます。
事実上、IOCがオリンピックのために日本を『殺し』に来てるのは間違いありません。

発端は反発を呼んだこの発言です。
●東京五輪、緊急事態宣言下でも開催とIOCのコーツ氏
「宣言が出ていようと出ていまいと、われわれが取っているすべての対策で安全な大会は可能だ」
この発言に関しては、当然のように批判されています。例えば、
●橋下徹氏 コーツ氏“緊急事態でも五輪開催”発言に「特権階級丸出し」
●【記者の目】波紋呼びそうなコーツ氏発言なぜ? 緊急事態宣言への解釈に差
要はコーツ氏が何を言いたかったと言えば…
「日本の緊急事態宣言は欧米のロックダウンのような強力なものではない。
 実際に大相撲やプロ野球・Jリーグ等も観客を入れているではないか。
 ワクチン接種が進まない現状でも有観客試合をやっているのだから、
 ワクチン接種が進むことが期待できる五輪が有観客試合なのは当然だろう」
ということです。
これでもう日本は無観客試合という選択肢が取れなくなりました。
また、IOCや日本がこれ以上の感染症対策をやるつもりもないのでしょう。
現状で十分だと思っちゃってるわけですから。

実際、観客数を半分以下にしているとはいえ、
スポーツ興行が感染拡大にどう影響しているかは分かりません。
確かに会場内の気流チェック等は行っていますが、観客の追跡調査は聞いたことがありません。
仮にプロ野球を見に行った人が後日感染したとしても、
それだけアクティブな人は他にも外食しているでしょうから、
感染経路としてはそちらの責任にされる可能性があります。
現状では観客が感染するかどうかは分かっていないのが現状です。

観客を入れるにしても、諸外国の『ワクチンパスポート』のような試みはできず、
仮にやったとしても、観客は高齢者と子どもだけというアンバランスさ。
観客を直前直後の2週間を隔離するわけにもいきませんし、
実際上は、何のチェックもなしに「観客は感染しない」という建前で行われるでしょう。
しかし、実際はワクチン接種していても発症はせずとも感染はしますし、
ましてや2回の接種が完了するとは限らないので、発症確率も半分程度でしかない。
子どもたちが家に帰れば、ワクチン接種を受けていない両親と寝食を共にするわけで…
家庭内感染が一気に広がってしまう可能性は高いと想像できます。

観客の人達が地元に帰れば、東京を中心とする感染地域からの帰還になるので、
当然、地元の人達からすれば警戒対象にならざるを得ません。
楽しみであるはずの五輪観戦がもはや『五輪感染』になりかねず、
コロナ感染拡大を警戒する人との間でより深刻な分断を引き起こしていくことでしょう。


加えて、より深刻になりそうなのが追随せざるを得ないスポーツ界です。
●東京五輪、直前の「優先接種」に日本選手から不評と疑念の声
一般の人からすれば、簡単な運動や筋トレはともかくとして、
団体スポーツ等は自粛せざるを得ない状況になっています。
それにも関わらずスポーツ選手は自粛をしなくてもよいわけで、
加えてワクチン接種も優先的に受けられるでは、
「身近なスター」として尊敬されてきたスポーツ選手像が崩れてしまいます。

今までの日本は学生スポーツに始まりピラミッド式に選手育成ができてましたから、
オリンピックに出場する選手といえども、
エリートではなく「共にスポーツを嗜んだ仲間」という感覚でしたが、
それがこのようなエリート扱い、特権階級的な扱いが強まってしまうと、
仲間感覚が失われてしまい、別の宇宙の出来事のような他人事感がでてきてしまいます。
コロナ禍で気軽にスポーツができない状況は五輪後も続きますから、
スポーツをすることができる環境の人とできない環境の人との溝は深まるばかり…
結果として、スポーツの底辺人口が大幅に減り、ピラミッド式が成立せず、
中国や韓国のようにエリート式の育成方法に変わらざるを得なくなり、
スポーツ選手そのものが特権階級化し、庶民との隔絶感が大きくなるでしょう。

真っ先にその影響を受けそうなのが社会人スポーツです。
今まではスポーツが尊敬されてきたからこそ、リストラ禍でも存続できましたが、
スポーツが自分達とは違う特別なものになってしまえば、
「会社の金で勝手なことをやってる奴ら」と妬まれることは必至です。
スポーツが尊敬され無くなれば、クラブを抱える企業のイメージも低下してしまい、
スポーツクラブは害悪にしかならないようになってしまうでしょう。
これによってオリンピックを支えているアマチュアスポーツが壊滅し、
結果として政府によるエリート強化に移らざるをえなくなり、
上記のような分断の歴史を歩むことになってしまいます。


東京オリンピックの強硬開催で失うものは多いです。
まともな感染症対策が行われないまま感染拡大して人々の命が失われ、
スポーツ選手や海外メディアが帰国後に感染を広げれば批判され、日本も侮蔑され、
日本人がスポーツ界に抱いていた尊敬・親しみやすさが失われ、
底辺からボトムアップ式に作られてきたスポーツ界が崩壊し、
エリート育成による特権階級的なスポーツ界に移行せざるを得ず、
人々のスポーツを巡る分断は決定的なものとなるでしょう。
昔、アントニオ猪木氏らが『スポーツ平和党』という政党を作りましたが、
今も『スポーツ=平和』という構図に疑問はありませんが、
戦前の日本や今後の日本では逆に違和感を持つことになるでしょう。
『スポーツ=国威発揚や特権階級の遊び』でしかないからです。
スポーツが身近なものだった時代は終わろうとしています。

こうなると、どんな美談が生まれたとしても、心に届きません。
映画館で恋愛映画を見に来たのに、スピーカーから流れるのはホラー・スプラッタ音では、
恋愛映画が頭に入ってくるわけないじゃないですか…
しかも、そこでは実際に一人ずつ観客が死んでるんですよ…
さながら古代ローマのコロッセウム。
同じ人間と見ていなかったから剣闘士という見世物にできたんです。
つまり、IOCや日本政府も一緒。同じ人間として見ていないんですよ…

もうここまで来ると、菅政権をぶっつぶすしか方法はありません。
菅政権がぶっつぶれれば、自民党内でも強硬開催は無理だと思い知りますから、
東京オリンピックの開催が回避される可能性は出てきます。
もはやバブルを含めたまともな感染症対策を打つ気配さえも無くなってしまったので、
東京オリンピックがまともな大会になることは期待できません。
もはやオリンピックの開催は不可能だと思い知らせるしか方法はないんです。
日本の感染症対策とスポーツ界の瀬戸際は今この時です。


◆ニュースネタ 高橋内閣官房参与、緊急事態宣言は「屁みたい」再びツイッターで問題投稿
どういう意図で発言したのか分かりませんが…
これは先のIOCコーツ氏の発言のフォローなんですかね?
「緊急事態宣言といえども大したことないから、五輪は開けるよ」という意味なのか。

しかし、それを一評論家が好き勝手言うならともかく、
国民に緊急事態宣言に伴う自粛をお願いしている立場の政府側の人間が、
それを言ってしまうのは国民をバカにしているのと一緒のことです。
国民の努力によって欧米のロックダウン並みの自粛を行ってきたのに、
それを小ばかにするような発言をしてしまえば、
何のために自粛をしているのか分からなくなってしまいます。
こういった政府の驕った態度が見られるようになったことが、
国民の自粛疲れに繋がっているのでしょうね… 守るのがバカらしくなる。


◆ニュースネタ LGBT「生物学上、種の保存に背く」簗和生衆院議員、自民党会合で発言
まぁ、本気で言ってるから失言ではないんでしょうけど…
その前にLGBとTを一色端にするのはそろそろ止めません?
性的少数者としては一緒かもしれませんが、LGBは趣味嗜好であり、
Tは病気と表現するには失言めいてますが、体と心の不一致であって、
避けようと思って避けられるものではありません。

婚姻制度が子孫繁栄を目的としているならば、
LGBがその目的に反していることは間違いありません。
しかし、それでは動物と同じですから、社会性を持つ人間としては、
婚姻制度が子を産むための制度だけではないことも確かでしょう。
そういう観点からすれば、LGBTを差別する必要はないとも考えられます。

また、実際上、日本における婚姻制度は大きなメリットであり、
遺産相続の面でも変わってきますから、
婚姻制度に特別なメリットを与えていること自体が差別とも言えます。
LGBTだけでなく単身者も含めて、婚姻者との制度的差別をなくしていくことも、
今後の課題として挙がってくるのは間違いありません。

いずれにせよ、現状維持のままではもういかないわけで、
婚姻制度全体を考え直す時期に来ていることは間違いありません。

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