« 避けた方が無難な話題 | メイン | 緊急事態宣言の再延長 »

「五輪担当大臣」とは何か?

大方の予想通り、JOC会長の後任には橋本聖子オリンピック担当大臣が就任しました。
…普通に考えてさ、組織委員会の会長と国務大臣のどちらが仕事してると思いますか?
一般的には国務大臣だと思うでしょうに…
今回の人事で見えてきたのは、非常設の「国務大臣」が形だけのものであることです。

常設の「国務大臣」はいわゆる有名所です。財務大臣・外務大臣・総務大臣・厚生労働大臣等々。
必ず大臣を設置しなければならない大臣です。管轄する省庁を持っています。
一方の非常設のものには「内閣府特命担当大臣」があり、
金融担当、沖縄及び北方対策担当、消費者および食品安全担当の3つが常設とされますが、
それ以外は総理大臣が自由に設置することができます。
加えて、「内閣の担当大臣」(個人的に調べるまで詳しく知りませんでした)があり、
今回の五輪担当大臣のような短期的な政策はこちらに分類されます。
もっとも、内閣府特命担当大臣の方にクールジャパンやマイナンバーもあったりと、
正確に線引きできるわけではないようです。
イメージ的には外務大臣のように担当省庁を持つ大臣が常設の大臣で、
それ以外は「内閣府特命担当大臣」という肩書になり、
それぞれ金融担当だとかマインナンバー制度担当だとか、五輪担当等を割り振ってる形です。
今回の橋本大臣の辞任で言えば、厳密には内閣府特命担当大臣(男女共同参画)を辞め、
そこに担当されていた五輪担当も辞めることになった、というのが正確でしょう。

話を元に戻しまして、今回のことで分かったのは、
こういった「内閣府特命担当大臣」や「内閣の担当大臣」が何をしているかです。
五輪担当大臣と言っても、オリンピックを取り仕切っているわけではないということです。
オリンピックを取り仕切っているのは、開催都市である東京都であり、オリンピック委員会です。
どちらの方が重要だったのかと言えば、今回のことで明らかでしょう。
言わば、五輪担当大臣は内閣の中の広報担当的ポジションでしかなかったという話です。

こう考えていくと、各担当大臣も何をやっているのか分かりません。
「クールジャパン担当」「マイナンバー制度担当」「規制改革担当」
「原子力防災担当」「孤独・孤立対策担当」等々。
言わば、看板だけ掲げている状態、スローガンのようにしか見えず、
それ以上の意味を持っていないのではないかと思えてきます。
そうでなければ、幾つも担当を兼任できたりしませんよ…
例えば、有名な河野太郎大臣は、
沖縄及び北方対策と規制改革の内閣府特命担当大臣であり、
内閣の担当大臣として、行政改革・国家公務員制度・新型コロナウイルスワクチン接種担当を兼務しています。
最も多いのが、井上信治大臣は、
消費者及び食費安全・クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策の内閣府特命担当大臣で、
内閣の担当大臣として、大阪万博の担当もしています。
国会を見ていても、河野大臣はともかく、井上大臣は… 正直見る機会が…
色々と看板を掲げているものの、その実、成果を出せているかどうかよく分かりません。
特にクールジャパン戦略なんていつまで続けているのか…全然成功してないじゃん…

様々な担当大臣を置いて、「やってる感」をアピールするのも結構なことですが、
日本の唯一の行政府なわけですから、しっかりとした結果もアピールして欲しいです。


◆ニュースネタ 東京オリンピック関連のニュース
●五輪中止と不安をただ煽るようじゃ日本も終わりだよ
招致に関わったオジサン達は二言目には「前向きに」と言うけれど、
具体的に何の根拠を持ってコロナ禍でもオリンピックができると考えているのか?
ワクチンにしても、スポーツ選手は各国で優先接種対象ではありませんし、
IOCもワクチン接種を推奨はしているものの、必須ではありません。
つまり、現状ではワクチン接種していなくても、
オリンピックに参加できるという見解なわけですから、
既にワクチン接種を根拠にしているオジサン達は論理が破綻してます。

そして、何度も言うように、
ワクチン接種したからといって感染症対策をしなくて良くなるわけではありません。
引き続き、外出時のマスクは必須ですし、飛沫感染対策は続ける必要があります。
ワクチンの効果が無症状感染者の感染力も低下させるのかは分かっておらず、
ワクチン接種すれば、変わらずにスポーツができると考えるのは、やはり愚かです。


●カンニング竹山 東京五輪 森会長後任人事なんて今どうでもいい話
やや悲観的な見方ではありますが、
後任人事よりもコロナ禍でどうやって五輪をやるのかという点には同意。
指摘の通り、オリンピックを開催する妙案はそう簡単に出ないでしょうが、
どれだけ経費をかければ対策が打てるのか等々、
具体的な議論をマスコミを通じて国民に開示してもらいたい所ですね。
それで開催は不可能となれば、納得するしかないでしょう。

現時点では、やはり観客を入れての開催は難しいと思われます。
特に海外から観戦客を受け入れるのは無理があるでしょう。
さすがに無観客試合では味気ないものがあるのだけに、
各国のスタジアムを中継して臨場感を演出してみたり、
ARやVRのための選手目線の映像を残すことで、
後に自分がオリンピックに参加しているような体感を与えられるような、
そういった創意工夫がなされれば、新しいオリンピックの可能性が出てくると思いますが、
そんな金も時間も、発想の柔らかさもないでしょうね…
分からないなら分からないで、国民から発想を募集してみてはいかが?


●島根知事の聖火リレー中止発言 自民・竹下氏「不用意で注意する」
●橋本氏は「男みたいな性格、ハグ当たり前」自民・竹下氏
●島根県知事に「注意する」発言の竹下亘とは何者?「実は遠ざけられていた男」
はいはい、老害老害(苦笑)
昨年は健康問題もありましたし、潔く引退してはいかがでしょう?
世の中の空気と違うのは、島根県知事ではなく、ご自身の方では?

島根県知事も言い過ぎた面は否めません。
島根県内での聖火リレーの取り止めは自身の判断の範囲内でしょうが、
東京オリンピックの開催の是非には言及すべきではなかったでしょう。
質問されてもスルーするべき話でした。県知事の判断ではないですから。
まぁ、それを何の権限もない一国会議員が注意しようというのもアレですけど。
政治的な親ならともかく、そういうわけじゃありませんからねぇ…
島根を地盤とする「竹下」の苗字だけで張った見栄としか思えません。

それで口が滑らかになったのか知りませんが、
ようやく「女性の会長で再スタート」となったところで水を差す発言…
政治の世界にとっては、「男のような女」は褒め言葉かもしれませんが、
それって政治の世界が男の世界だと言ってるのと同じですからね?
それがもう時代の感覚にそぐわないのよ…
だから女性の国会議員が増えないんですよ…


◆ニュースネタ マイナンバー、中国で流出か 長妻氏指摘、年金機構は否定
やっぱり大問題だったじゃないか…
この不祥事は2018年に発覚済みでしたが、当時は中国企業への再委託は問題であるものの、
再委託された情報が断片的な情報のみだったので、情報流出はないということでしたが…
●データ入力 別の中国系企業に委託 年金機構「時間限られていた」
●年金情報中国に流出で発覚…!IT公共事業の「ブラックな実態」

実際はマイナンバーを含めて個人情報が紐づけされて流出してしまっているようです。
年金機構は否定しているようですが、メールの記載情報が正しいと認めているので、
流出した情報が正しいかどうかは別としても、
中国である程度のリスト化されていること自体は間違いないようです。

委託元が再委託先の中国企業からクラッキングされていた可能性も否定できませんが、
そうでないとするならば、再委託した情報が断片的でなかった可能性があります。
または簡単に類推可能な状態で渡されていた可能性もあります。
名前ないし並び順が同じだったため、後に断片的な情報が再結合されてしまったとか…
もし、それらが正しい情報であるならば、マイナンバー制度が破綻する大問題であり、
バカらしい話ですが、日本でマイナンバー情報が統合されるよりも先に、
中国で統合されたマイナンバー情報が見られることになるかもしれません(苦笑)
いずれにせよ、2018年当時の国会答弁は結果的に嘘だったことになり、
調査が不十分だったことは間違いありません。
最悪、番号を振り直すしかないでしょうに… 徹底した調査が求められます。

また、コロナ禍によって飲食店・観光業に打撃になっていますし、
在宅ワークも推奨しているのですから、
こういう事務処理のキーボード打ち作業はもっと国内に卸してもいいと思います。
それ自体がいわば「公共事業」になるでしょ?
やはり情報漏洩対策は必要ではありますが、
業者に委託して再委託で中国企業に運ばれるよりも何倍もマシでしょうに。


◆ニュースネタ 校則との戦い⇒TPOとの戦い
●「制服着ない自由、認めて」中1生徒の訴え コロナ禍で、私服選択に広がりも
まぁ、正直に言えば、お好きにしていいと思います。
ただ、戦う対象が変わるだけで、根本的解決にはならないことには注意です。
そもそも、何で「制服を着ない自由」を求めるのか?
どうしても着たい服があるのか? 制服が煩わしいのか?
指定された服を押し付けられるのが苦痛なのか?
よく制服を自由化しても、その自由を謳歌できるのは最初だけで、
すぐに「制服っぽい私服」に収束していくと聞きます。それは何故でしょう?

制服との戦いは校則と戦えばいいだけです。
しかし、その後に待っているのは、TPOとの戦いです。
TPOは社会概念との戦いです。この壁は想像以上に大きいです。

TPOとは「時・場所・場合」に応じた服装をしろという社会的圧力です。
例えば、結婚式の時にジャージやスパッツで行く人はいませんし、
葬式の時に派手なパーティドレスを着ていく人もいないでしょう。
「TPOに応じた服装を」分かるようで分からない表現です。
学校に行くのも、本当に自由で良いというわけではなく、
パンクファッションや露出の多い服装はTPOに即してるとは言えず、
多くの同級生や周囲の大人達から奇異の目で見られることになります。
いわゆる「同調圧力」というもので、校則のように拘束されてはいなけど、
事実上、行動を拘束しているものが社会にはあるわけです。

こう見ると、TPOさえも大人達からの社会的圧力に感じられるでしょうが、
逆に若者からの「同調圧力」もまた存在します。
例えば、デートをする時に、どういう服装をしていくのか?
やはりこれも真の意味で「自由」ではありません。
流行に則った服装、今年はこの色で決まりだとか、
服装の組合せだとか、やっぱりこちらにもある程度のルール、決まりがあります。
どこの誰が決めたわけでもない「流行」の形に縛られ、
やれデートに相応しくない服装だとか決めつけてしまいます。
やっぱり若者も大人達と同じようなことをしているわけです。

結論から言えば、制服を自由化した所で、何かが劇的に変わるわけでもありません。
校則と戦うかTPOと戦うかの違いだけで、TPOに即さない服装は排斥されます。
それは「社会的常識(悪く言えば固定観念)」という言葉で括られ、
戦う対象は教師や親以外の社会全体に広がります。
結局、人間は社会で生活する以上、真に「自由」とはなりえないわけです。
まぁ、個人的にはTPOさえもどうでもいいと思っちゃうんですけどね(苦笑)

まぁ、制服が自由化に向かう傾向は分からなくもないです。
ぶっちゃけ、最も制服の恩恵を感じるのが「冠婚葬祭」ですからね…
とりわけ葬式の格好で頭を悩ますことがないというのは大きなメリットです。
裏を返せば、それだけ葬式に接する頻度が減ったということでしょう。
長寿化は勿論のこと、社会の規模が小さくなり、
葬式の参加・不参加のラインも大きく下がりました。
それだけに制服のメリットが感じられないのでしょう。

良くも悪くも分かりやすいのよ。制服は「学生」というレッテルであり身分証明だから。
学生服で少しふざけていても犯罪と大事になりませんが、
私服で同じことをしたら通報されてもおかしくありません。
大人社会でファミレスの制服とかそういうのがなくならないのも、同じこと。
店員という分かりやすい身分証明ができるからです。

そこまで学生に考えるのは難しいと思いますが、
どうして「制服」が社会の中で必要とされているのかも考えて欲しいです。
学生の頃は制服を息苦しく感じても、
学生が終わってみると懐かしい思い出に変わってるんだから、人間とは分からんもんです。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)