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スポーツ置き去りの政治五輪

●森喜朗会長が辞意 12日表明へ 女性蔑視発言で引責
森会長と政府は小池都知事のことを「女狐め!」と罵ってるでしょうなぁ…
また小池都知事のヘイトが溜まりました(苦笑)
まぁ、根本的には、森会長が総理時代に溜めていた国民のヘイトが原因ですけど。
側近達のように面倒を見たり、食事を奢ったりと大判振る舞いしておけば、
国民や報道陣からも庇ってもらえたのでしょうが…
当時の善行が足らなかったようです(苦笑)

風向きが変わったのは、やはり10日にあったIOCの態度豹変でしょう。
こちら
思った以上の国際世論の反発を喰らい、巻き込まれることを恐れたのか、
続投に対して厳しい見方がIOCで広がりました。

それに便乗したのが、小池東京都知事。
こちら
発言報道当日は軽い皮肉程度だったものが、一転して厳しいものに変わり、
ついには4者会談への参加に出席しないと表明しました。
察するに、この4者会談は森会長の続投を支持するための会談だったはずで、
もう一度、謝罪する機会を作った上で、IOCが続投へのお墨付きを与え、
事態の沈静化を狙う予定だったのでしょう。
そこに小池都知事は乗らないよと明言したわけです。
一人でも不満を漏らせば、森会長の再スタートは切れないわけですから、
事実上、これで進退が行き詰まったとさえ、言えます。
森会長の続投路線だった政府からすれば、「またあの女狐が…」という感じでしょう。
まぁ、でも今回、被害を受けるのは小池都知事と仲のいい二階幹事長も含まれるわけで、
失言を含めて、泣きっ面に蜂といったところでしょう。
2人の関係に変化をもたらしかねないだけに、若干気になる所ではあります。
…そういうことするから、男社会の中で信頼されないんだろうなぁ…

もっとも、この流れを呼び込んだのは、世論の強い反発であったことに間違いありません。
とりわけボランティア参加への再考などは、
東京都とIOCに与えたショックは大きくなかったと予想されます。
ボランティア活動は無報酬の活動ですから、支えているのはモチベーションのみ、
そのモチベーションがなくなってしまえば、
労働のように報酬目当てで我慢して働くこともできず、活動が終わってしまいます。
そういう意味でも、森会長がオリンピック精神を汚す発言をしたことで、
そのモチベーションを大いに損なわれた以上は、この流れも自然の道理でしょう。

加えて、国際的には女性差別に対して厳しい視線が向けられているだけでなく、
コロナ禍でのオリンピック開催に懐疑的な意見が増えている影響もあったでしょう。
そういった懐疑論に対してポジティブな反論をできなかったことが、
IOCが態度を変えざるを得なかった最大の要因とも言えます。
IOC自身も選手のワクチン接種に拘りを見せず、事実上のゼロ回答状態でしたから、
日本だけでなく、IOC自身も答えを持っていなかったことが伺えます。
言わば、森会長に恩義はあるものの、自身の無能さを指摘されないように、
スケープゴートにせざるを得なかったという面もあると思います。


ただ、問題は森会長が辞任して済む問題ではありません。
森会長が辞任してもコロナ禍がなくなるわけでもありませんから、
コロナが沈静化しない状態でも、オリンピックを開けるかどうかについて、
日本だけでなく国際的にもポジティブなメッセージを送らなければなりません。
そういう意味でも、後任は世界的にアピール力のある人が適任です。
ボランティア辞退を申し出た人にしても、
単純に森会長が辞めたから戻るというわけでもないでしょうし、
しっかりとしたコロナ対策を訴える必要があります。

先にバイデン大統領が五輪参加は「科学的見地に基づいて」と発言したことからも、
この問題は既にスポーツ界だけで完結する段階ではなくなっています。
開催都市の東京都、開催国の日本政府、
オリンピック委員会のIOCとJOCに加え、
WHOなど科学的に安全な五輪と保障してもらえる体制作りが必要となります。
各方面のトップがそれだけの指導力を発揮できるのかどうか、
困難な局面は変わらずに続いていくことは間違いありません。


しかし…相変わらずスポーツ選手は完全置き去り状態なのが何とも言えず…
森会長が辞任を決意した背景も、
オリンピック精神に反したことに対する反省ではなく、
あくまで政治的に立ち行かなかったという理由でしかありませんからねぇ…
小池都知事の行動も含めて、いずれも番外戦術、会議外での駆け引きでしかなく、
後任の選定を含めてブラックボックスに包まれている印象は否めません。

事態はそんなに甘くないんですよ?
国民はオリンピックにスポーツの祭典という理想を夢見るのに対して、
政府やJOCは国威発揚・経済イベントという現実に拘りを見せており、
そのギャップが埋まる様相は全くありません。
一体、誰のためのオリンピックなのかが分からなくなっている以上、
大会の成功は難しいのではないでしょうか。
根本的にオリンピックがスポーツ選手にとって必要なのか否か?
国威発揚にしかなっておらず、スポーツの発展に寄与できているのか否か?
もう一度、検討し直した方がいいんじゃないですかね…
一連の流れの方がオリンピック精神を汚しているように思えてなりません。


◆ニュースネタ 菅首相と長男が牛耳る総務省権益 違法接待疑惑でわかった「平民宰相」「たたき上げ」の大ウソ
少なくとも、菅総理の長男が偶然に東北新社に勤めていて、
偶然に東北新社の接待役として総務省を接待した、というわけではないようです。

菅総理が総務大臣時代に秘書として総務省へ入れて、
どういう経緯か知りませんが東北新社という会社へ行き、
総務省の幹部官僚を接待したというのは、どうにも違和感を禁じ得ません。
確かに「私人」という立場ではありますが、
安倍総理夫人の森友学園問題と同じ雰囲気を感じます。

日本も韓国のように一族がやらかす国になっちゃったんですかね…
それだけ総理大臣に権力が集中するようになったということか。
国会の監視能力が著しく下がっているということでしょう。
もうデジタル化するなら、国会も完全デジタル化すれば、
距離の問題は解消されますから、参議院は各都道府県の首長が勤めれば十分でしょうし、
衆議院も行政府以外の人間は必要なく、
監視機能は国民がネット参加してすれば十分でしょう。
そう考えると、国会議員は100人も要らないですよ。
デジタル化するってのは、そういうことじゃないのかね?


◆ニュースネタ 知らぬ間に敗訴、差し押さえ 原告が虚偽主張で裁判所だます
なかなか珍しい判決ですね… 裁判所が詐欺に遭うって(苦笑)
そんな見え見えな嘘に騙されるなよと思っちゃいますが、
そういう性善説でやってきたことの限界が出ちゃってるんでしょうね。

もっとも、裁判所が詐欺に利用されるのもこれが初めてではなく、
オレオレ詐欺の中で裁判所を騙る「ハガキ送りつけ詐欺」がありましたが、
ハガキはそりゃ嘘だろと分かるものの、
中には本当に裁判所に提訴し、書留封筒を無視した末に敗訴してしまった話も聞きます。
裁判所が悪用されるケースもあるということですし、
今後、詐欺グループがそこに目を付けてくる可能性はあります。

裁判所としては国民の信頼を失わないように、
このような利己的・詐欺的な裁判が行われないように、監視の目を強くする必要があります。
一方で監視を強くし過ぎると、裁判をするためのハードルが上がってしまい、
国民から遠いし司法がさらに遠ざかりかねません。
2つの難しい課題に挑戦しつつ、国民から信頼される司法を作る必要があると思います。

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