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2020年は人類のターニングポイント…になるはず?

今年を振り返ると、新型コロナウイルスに振り回された一年だったと言えると思います。
昨年の今頃はまだ新型コロナの影はなく、正月明けに中国で感染症が流行り出した程度の認識でしたが、
そこから感染があっという間に世界中に拡大し、
今度はイギリスと南アフリカで変異種が登場するなど、
地球環境問題と同様に、一国の出来事が一国の問題で済まされない時代になっていることを痛感させられます。

日本も新型コロナウイルスの影響をモロに受け、様々な問題が噴出してきましたが…
ただ…ね…コロナが発生する前から既に色々と限界だったんですよ…
外食産業はもう消費税増税の影響を受けていましたし、
中国を始めとする外国人頼みの観光政策にしても、労働者軽視のブラックな職業環境も、
アナログな飲みニケーションな男社会文化も限界に来てました。
それが新型コロナウイルスという壁にぶつかって、あふれ出したという形でしょう。
今まで溜った膿がぶわっと噴き出してきたように思えます。

しかし、予想通り、人間はそう簡単に変わることができず、
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」「対岸の火事」というのは相変わらずで、
コロナの第二波・第三波と、収まっては元の生活様式へ、そして再度自粛を繰り返しています。
もう元には戻れない覚悟をすべきなのに、変わらずに戻ろうとする…
そういう意味では2020年は始まりに過ぎず、
2021年・2022年と新しい社会が構想されていく時代になることでしょう。
そこで人間が変われるか・変われないかが問われてくるように思えます。


とりわけ、このコロナ騒動で幾つか限界が見えた分野があります。
①外食産業、②テレビ芸能業界、③スポーツ、④政治です。
①外食産業の苦境は言うまでもありませんが、今後も悪化が予想されます。
今年、新型コロナウイルス以外で世界を騒がせたのが「蝗害」です。
サバクトビバッタは世代交代を繰り返しながら、今も東アフリカで大繁殖してるようです。
地球環境の悪化と共に食糧事情は不安定になる一方で、
新型コロナウイルスでも貿易が完全に止まることがなかったのは不幸中の幸いでしたが、
今後、食料が安定的に補給できる保証はありません。
それでいながら、大量生産・大量廃棄を続けているわけですから、
結果的に①外食産業は完全になくなるということはないものの、大きく数を減らすことになるでしょう。

②テレビ芸能業界で言えば、今年は大物芸能人の自殺が多くありました。
実際に、彼らが何を思って死んでいったのかは分かりませんが、
ある種の閉塞感に潰されてしまった感は否めません。
緊急事態宣言時にはリモートを徹底していましたが、
同じような感染状況になっている今は、視聴者に自粛を呼びかけつつも、
自分達は感染症対策を徹底しておらず、あまり説得力のない状態になっています。
番組内容も紋切り型の同じような番組が多く、独自の面白さを追求することがなくなりました。
そういう所が、Youtubeの動画配信やアマゾンプライム等の独自番組に、
視聴者を奪われている要因のように思えます。
最も変わることを強いられているテレビ業界が全く変わっていないことが、
ある種のテレビの限界を感じさせられる事態になっています。

③スポーツは東京五輪の延期が象徴的でしたが、リアルイベントの難しさがありました。
かつては高校野球やプロ野球が、
阪神淡路大震災や東日本大震災を乗り越える勇気を与えたものですが、
それらは「もう終わった災害」であったのに対し、新型コロナは「まだ続いている災害」でした。
スポーツ業界が幾ら「スポーツの力で勇気づける」と言ったところで、
心持だけでは解決しない問題に対しては、無力であることを露呈するばかりか、
プロ野球やJリーグでは感染拡大を招きかねない事態を起こすなど、
スポーツ興行の難しさが目立つ1年でした。
自分も心情的に今年はスポーツを全く楽しめず、野球を見た記憶も数える程度です。
先日のNHK杯で優勝した羽生選手が「北京五輪(次回冬季五輪)は今は全く考えられない」と、
軽率な発言をしないよう努めていたのが印象的で、
スポーツの限界=ささやかな勇気を与えられても、根本的な何かは変わらないもどかしさ、
そういうものを感じる一年だったように思います。
逆にプロ野球を始め、Jリーグ・相撲界は、
スポーツを見せることで何かを変えられると驕り過ぎているのではないかとも思います。
もっと謙虚に、かつ、その「ささやかな勇気」を大事にすることが、
ポストコロナ後のスポーツ業界に必要なことのように思えます。
スポーツ興行というお金のやり取りに拘り過ぎたんですよ…

④政治の衰退はもはや言うまでもないでしょう。
日本の政治は「忖度(そんたく)」に慣れ過ぎてしまったんでしょうね。
平時はそれでよくても、緊急時にトップに決断力がなければ、みんなコケる、
それを痛感する1年だったように思えます。
中国・ロシアとの外交にしてもそう。外国は「忖度」してくれないんですよ…当たり前だけど。
なのに、日本は「忖度」を期待して相手に尽くしてしまう…でも何も進まない。
政治家の平和ボケを感じる1年でしたね…本当に。詳しくは後述しますが。


逆に今後期待される分野は、バーチャルや拡張現実といったVR・AR技術でしょう。
数多くのリアルイベントが中止になる中、バーチャル技術を使ったネット有料配信など、
新しいイベントの形が模索される1年となりました。
今は「サービスを提供する側」だけがVRやARといった技術を使っていますが、
将来的には「サービスを受ける側」もVRやAR化され、
アニメの『ソードアートオンライン』のような別世界をも構成するような
技術革新を遂げていくのは間違いないように思えます。

そうなると、上記の①~④の分野は間違いなく衰退するでしょう。
①外食業界は必要な食事だけを賄えれば良く、
楽しみとしての食事はバーチャル空間で満足する可能性があります。
②テレビ業界はもっと顕著で、受動的なコミュニケーションでしかないものが、
双方向的なコミュニケーションに変わることで、娯楽の価値が1段階下がることでしょう。
ただ番組ノウハウやトーク術といった技術は持っているので、
媒体を変えて成功する可能性は大いにありえます。
③スポーツ業界も、自分自身が一流アスリートの感覚を味わえることも可能なわけで、
「見るスポーツ」から「やるスポーツ」に楽しみ方が変わるかもしれません。
④政治は誰もが国会議員のように、自分の興味ある分野の話し合いに加われるようになるので、
国会の権能は議論に参加する国民で十分になってくることでしょう。
結果的に残るのは最小限の行政機関のみで、国会議員の存在意義自体がなくなることでしょう。
話をコロナ対策に戻しますが、政治の世界で顕著だったのは、
専門家の厳しい基準を、政治家がわざと希釈=曖昧化させて、
科学による客観的判断ではなく、政治家の主観的判断に貶めていたことです。
これはそういうことがなくなるという意味です。
国民は専門家から直に話を聞き、客観的判断で政治決定がなされるようになるということです。
そこに割り込んでくる政治家はもう不要なわけです。

おそらく、この全体的な流れは2~3年のうちに定まってくることでしょう。
新型コロナの終息は、やはり当初予想された通りで、2年以上先、2022年以降でしょう。
私達は今までの現実的な生き方と将来的なバーチャルな生き方の狭間の中で、
新しい社会がどうあるべきか、真剣に議論していくべきだと思います。
そういう意味で、2020年という年は、
将来、歴史の教科書に掲載されるような大転換の始まりになるように思えます。


◆ニュースネタ 新型コロナウイルス関連ニュース
●「たいした熱じゃないから…」PCR検査断った立憲・羽田雄一郎参院議員の悲劇
(※記事の執筆時に詳細の発表はなかったので、PCR検査を断ったかどうかは定かではありません。
 少なくとも国会内の診療所ではPCR検査ができないことは確かっぽいですが。)
細かい感染の経緯はまだ明らかになっていませんが、
重症化していなくとも急激に悪化して死に至るという報告が正しかったことが証明されました…
羽田議員以外にも、無症状で一時隔離で宿泊していた人が急激に悪化して死亡した例がありましたからね…
無症状や軽症であっても、決して油断できないということを身をもって示す形となりました。
これで国会議員も本気で危機意識を持って欲しいと思いますが…

●二階幹事長〝会食〟そのものを否定「8人で会っただけ」「飯を食うために集まったんじゃない」
●石川県知事、クラスター確認翌日に90人超と会食…アクリル板設置なし「問題ない」
羽田議員が急死する前の出来事・発言ではありますが… 呆れる認識です。
よく知りませんが、政治家の先生方は料亭とかを喫茶店感覚で利用してるのでしょうか?
もし、本当に飲み食いしていないなら、場所代に幾ら払ってるの?
それとも飲み食いしていないから払ってもいないというのですか? 全く理解できません。

●年末年始「コロナ難民」寮閉鎖、都内学生行き場なく
一方、帰省するにも帰省できない学生もいるわけで… 政治家は本当に自由ですね。
こういう時に地元の政治家が何をしていたかが伝わってしまうわけですけど…
そんないい加減な人達が取り仕切る場所に誰が残ろうと思うのですか。郷土愛もなくなりますよ。

●「コロナワクチンに期待しすぎてはいけない」免疫学者が断言する厳しい現実
ワクチンの有効性を訴える人もいますが、正直、何とも言えません。
だって結果が分かるのは1年~2年先のことですから…現時点では判断できません。
個人的に気になっているのが、新しいワクチンであること、mRNAの詳細です。
詳しいことが分かっていない現時点では、ワクチンを打ちたくないという気持ちの方が強いですね…
最終的には感染死亡リスクとワクチンのリスクとの比較考量になるのでしょうが、
医療崩壊レベルに追い込まれてしまえば、アメリカのようにワクチンのリスクとか言ってられないのでしょうねぇ…
日本の政治家にそういうシビアな判断ができるとは、とても思えませんけどね…
とりあえずワクチン打てとしか言えないんじゃないですかね。自分達は打たない癖に。

変異種の大規模感染はまだ伝わってきていませんが、報道では感染力が1.7倍とあるので、
東京では1日1500人程度まで膨らむということなんですかねぇ…
もう緊急事態宣言を出しちゃって良いと思いますけど…
それより心配なのは南アフリカ型。
こちらは若年人口が多いアフリカらしく、子どもへの感染力も強いようで、
若年層の重症化が心配されます。

今はPCR検査が求められる余りに、逆に批判される事態にもなっていますが
(検査結果は一種の指標であるが、陰性であれば絶対に安心というわけでもないので、両方正解)、
今がどういう状況で、何を必要としているかが問題です。
今回の第三波の始まりはインフルエンザ同様に一般化した故の感染拡大だったので、
感染する可能性の方が高いわけですから、PCR検査の重要性は相対的に低かったのですが、
12月に入ってからは変異種の拡大可能性が出てきてしまったので、
変異種の感染を抑えるために、PCR検査とウイルスの遺伝子検査が必要なように思えます。


◆政治ネタ 今の政治家に足りないもの
●村上春樹氏インタビュー、首相が紙に書いたことを読むだけの日本は最悪
その通りなんですよねぇ…
安倍総理を国会招致した夜に菅総理も記者会見していましたが、
下を向いてボソボソしゃべるだけなので、何を言っているのか全く頭に入らず、
後でニュースサイトで確認しようと思ったものの、ほとんど記事になってねぇ…
記事にするほどの内容ではなかったのか、それとも記者の方も頭に入ってこなかったのか(苦笑)
官房長官時代からそうだったので、全く期待してませんでしたが、
ここまで酷いとは… もう棒読みですもんね。
今時、読み上げソフトの方がまだ感情がこもってるよ(苦笑)
もう総理大臣が声を出すんじゃなくて、『弦巻マキ』辺りに読ませたらいかがでしょう?

話を戻しまして、政治家に必要な要素は幾つかあると思うんですよ。
①現状分析、②理想像、③戦略、④表現。

まず、政治の出発点は①現状分析です。何が問題で何が必要とされているのか。
今のコロナ禍でもっとも問題なのは何か。医療崩壊する恐れです。
そこに感染力の強い変異種が発見された。さぁ、どうするのか、という話です。
専門家からの分析を受け入れながら、①現状分析をすること、それが大事です。
それにも関わらず、日本学術会議等の耳に痛いことを言ってくる人間は遠ざけ、
自分と近い意見の人間ばかりを集めてしまえば、
①現状分析が十分にできるわけはないのです。

次に、②理想像。①の問題点をどう乗り越えた未来を創るのか、それが大事です。
ワクチンでコロナを撲滅できるのかどうか。
コロナの脅威とワクチンの副作用の恐れ、どちらか脅威なのか。
コロナを撲滅した社会はどうあるべきなのか。
五輪まで間に合わせられるのかどうか、また、そこまでして五輪を開く価値があるのか否か。
脱炭素社会やガソリン車ゼロにしてもそう。
日本にとってそれは必要に迫られてのことなのか、それともそこに価値があるのか否か。
まだ価値を見いだせていないのだとしたら、どう価値を見出すのか。
遅れている日本の環境技術をステップアップさせる準備があるのかどうか、
ビジョンを示す必要があります。

そして、最も大事なのが③戦略。②をどうやって実現させるのか。
新型コロナという誰もが正解の分からない事態に直面して、どうやって③戦略を立てるのか。
台湾のように科学的データに忠実に従うのか、
中国のように国家権力によって住民を統制するのか、
ヨーロッパのように法律に従って行動制限を強制するのか、
何に従って③戦略を立てるかです。
一般的には、科学、法律、宗教、兵法(用兵術)でしょう。
兵法に従うなら、備えあれば憂いなし、
できるだけ最悪の事態に備え、先手先手で手を打つべきでしょう。
トラブル時に何に基づいて③戦略的判断を下すのか。それが政治家の資質です。
その観点からすれば、今の日本はあまりに場当たり的、
流されるままにフニャフニャの判断で国民に安易にお願いしてるに過ぎないでしょう。

最後に④表現。それをどうやって表すかです。
政治家であれば言葉で伝えることです。
それにも関わらず、淡々と紙に書いてある文章を下を向きながら喋られても…
そりゃ伝わってきません。
今がどういう事態なのか、国民はどうするべきなのか、
それを真摯に話さなければ誰にも伝わりません。
…まぁ、もう遅いですけどね。信用を完全に失っちゃってますし…
旧・民主党政権以上に手遅れ。


判断に迷ったら、情報を隠さないことです。
隠そうとするから、おかしなことになるんですよ…
情報を開示して、政府としてはこう考えているから、こういう対策を打つ、
そう明確に国民に示していれば、ここまでコロナ対策で顰蹙を買うことはなかったはずです。
まず、情報は隠せ、そういうことをするから正常な判断ができないんです。

そして、何に従って動くのか。科学なのか、法律なのか、宗教・哲学なのか。
ないんですよ、日本の政治家にはそういうものが。
私利私欲以下の「気分」でしかない。
どちらが自分にとって都合が良さそうかな~という「気分」でしかない。
そちらの方が得だから、そちらを選択する、という断固としたものがない。
曖昧に適当に決めちゃっているから、政策が180度、変わっちゃうわけです。

結論から言えば、政治家として当たり前の素質を持ち合わせていない、
今の日本の政府は無能と言わざるを得ません。
上司の太鼓持ちをしていれば、大臣にもなれて議員の座は安泰、
その程度のことしか考えていないから、こういう緊急事態に対応できない。
政治家の信条がどこにあるのか、もう一目瞭然じゃないですか。
国民を見ていない、見ようともしない。自分達の都合だけで政策を決定する。
そんなんだから的外れな政策ばかりになっちゃうんですよ…
議員のバッジを守りたいのならば、
自分が何に従って政治を行うのかをはっきりさせなさい。
それができれば、政治家に戻ることができますよ…

…何で今更、こんな当たり前のことを言わないといけないのか。
国民に危機を煽って憲法改正を試みる割に、最も平和ボケしたのはお前らの方でしたね…


◆ニュースネタ ファミマ「お母さん食堂」の名前変えたいと女子高校生が署名活動
言いたいことは分からなくもない。だけど、それって意味あるのかなぁ…
逆に『サラリーマン川柳』なんてものがありますが、それには文句言わないの?
男は外で上司にペコペコしながら耐え忍んで働くのが美徳とされることには文句言わないの?
別にメーカーは「一般的イメージ」として言葉を使っているだけで、
そこに「男はこうあれ、女はこうあれ」と言っているわけではないでしょう。
そう思っているのは、思わされているのは、あなたの心と周りの大人の言動のせいでは?

学生のうちはそういうのが許せないという気持ちも分かりますが、
形のないものをそれは違うと叩くことに意味があるとは思えません。
宗教は世界中で信じられていますが、神の姿はそうじゃないと語る意味があるでしょうか?
現世のうちに誰も神を見たことがないのであれば、
神はこうあるべきと考えることにあまり意味はありません。
自分にとって神がどういう存在なのかが問題なのではないでしょうか。

自分も男は外で働き、女性は家事をするという旧時代的な考えは必要ないとは思います。
だけど、それは別にそうであっても構わない。夫婦によって形は変わるわけです。
それを「こうあるべき」「こうではいけない」と言うことに意味はありません。
夫婦にとって、互いがどういう存在であるかが重要なんです。
どちらかが家事をしなければいけないのであれば、どう分担をするのかです。
「お母さん食堂」と象徴されるように、料理を押し付けられるのが嫌ならば、
パートナーに料理をしてもらうために、あなたが何をするかが大切だと思います。

逆に言えば、若い人がそんなつまらないことを考えてしまう男女の閉塞感が気になります。
本来なら、あるがままを見つめるだけでいいならば、
そもそも男女の役割分担など考えもしないはずなのに、
それを考えさせられるということは、女性が差別されているという意識、
自分が女として差別されているという意識があるということです。
自分に差別意識が生まれる原因は何なのかを考える必要があるでしょう。
それは、おそらくファミリーマートではないでしょう。
もっと身近なもののはずです。
そこに気付くことが、たぶん「大人になる」ことの意味だと思います。


最後になりましたが、コロナ禍の2020年も終わり。
来年もまだコロナ禍は続くと予想できるので、
より健康に気を付けて生きていきたいものです。
初詣を年内にお願いするという変な呼びかけもありましたが、
そういう形式ばった正月慣習をするのではなく、
あるがままを受け入れたお正月を過ごしてもらいたいと思います。
よいお年を~

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