日本学術会議の委員の任命拒否⇒香港の不当逮捕
菅総理大臣の「(政策に反対する幹部は)異動してもらう」という発言、
河野行革担当大臣の「法律は理由にならない」という発言からして、
自らの改革に反対するものは、例え法律に反していても罰するという態度が伺えます。
自分が改革派なのだから正しいと思い込んでいる節があり、
改革の方向性は一緒でも手段に異論があっただけでも反対派として処される、
そういう極端な性格を持っているのが菅内閣です。
一方で、口下手で政策論争は上手くないことから、
口の達者な学者らは嫌いなのでしょう。
それが今回、伺える結果になったように思います。
つまり、今後、何が起こっていくかと言えば…、
①日本学術会議の委員の任命拒否によって、煩い学者は排除する姿勢を示して圧迫
②違法な行政行為をしても、学者に異論を挟めなくする
③令状主義を逸脱した行為を正当化する
(ex五輪の犯罪対策等を理由に、緊急逮捕の要件を大幅緩和。令状なしの逮捕可能に)
④香港のように不当逮捕が相次ぎ、反対派を圧力によって鎮圧していく
気付いたら、私もあなたも牢屋の中でした…っていうのが、菅内閣のオチ。
そこまで内閣が続くかは分かりませんが、何もしなければ間違いなくそうなるでしょう。
●菅政権による日本学術会議への人事介入は近代社会の破壊行為。著述家が官邸前で単身抗議のハンストを始めたワケ
ここで止めないと、民主主義が崩壊するという意見は同じです。
日本学術会議は、一般国民からすれば分かり難いですが、
総理大臣の諮問会議とはワケが違う学者の国際団体ですから、
例えるなら、弁護士は法務省、医師は厚生労働省が認可を出しているものの、
だからといって法務省や厚生労働省に管理されているわけではなく、
日弁連や日本医師会が自律的に会員の処分等を行っています。
要はそこに口を出していると考えてみてください。
日弁連や医師会に入ることに口を出しているという話です。
仮に日本学術会議の委員が問題が起こしたとしても
総理大臣が委員を罷免するわけではありません。
政府が直接的に管理運営しているわけではないのですから、当然のことです。
この場合の『任命権』は天皇の国事行為と同様に形式的なものと解釈できます。
●「杉田官房副長官、和泉補佐官に政権批判した学者を外せと言われた」学術会議問題を前川喜平氏語る
前川氏が指摘するように、論文の盗用があったなどの、
具体的な拒否理由がなければ、拒否はできないと解釈できます。
明らかに不適切であるという理由を付けない限りは、拒否できないでしょう。
法学部の学生でも簡単に分かるようなことを、堂々と行ってしまう。
そこにこの政権の逸脱性を感じます。
「改革の為なら法律も関係ない」、そこがこの政権の恐ろしさです…
自分も来年には牢屋で強制労働させられてるかもしれませんなぁ…
●学術会議の新会員任命見送り、学問の自由と関係ない=菅首相
これは酷い… 言い訳にもなってない言い訳です。
つまり、漫然と自民党を支持し続けるのはダメだから、
他の政党に入れるのが正しいということでしょうか?(笑)
「特に理由はない。何となく拒否した」という話なら、どうして6人だけ?
日本学術会議の在り方に問題定義をしたいなら、全員拒否するのが筋、
特定の6人を狙い撃ちした理由は全く説明できていません。
しかし、政治家は相変わらず『学問の自由』という概念を理解していない。
学問の自由は、歴史的に西欧で大学自治の元で発展した歴史があるわけで、
学問の自由を保障する上で、大学の自治は必要不可欠な要素。
にも関わらず、歴史的にも日本の政治家は大学の自治を軽視しがち…
今回もそこに口を挟んでくるということは、
学問の自由を政治家が全く理解していないという証拠です。
今回のことからもそれがよく分かります。
学者の自治権を侵害してるから、それは学問の自由の問題なんですよ?
もし、日本学術会議の在り方に問題があるというのならば、
年間10億円の予算をカットしたり、廃止をすればいい話。
それは学問の自由の話ではなく、行政機構の話です。
そちらが本問なのに、わざわざ迂遠な一部学者の排除を行うのは、
嫌がらせ目的以外の何ものでもないでしょう。
もっとも、日本学術会議を廃止できない理由は簡単に分かります。
日本学術会議を国として支えることによって、
学問や科学技術の発展に寄与しているという国際的証明になるわけで、
それを廃止するということは、国際的信用を大きく落とすことに繋がります。
言うなれば、学者のお墨付きを得るために、
日本学術会議を政府が必要としているわけです。
別に学者を単純に庇護しているだけではないのです。
そこの勘違いが今回の驕った行動に繋がっているのでしょう。
逆の構図に当たるのが米軍基地でしょうね。
アメリカに庇護してもらっているのだから、卑屈になって当然という思い込み。
アメリカにとっても戦略的重要性があるから基地を置いているわけで、
その重要性がなくなれば撤退してますよ。
その戦略的重要性をアピールして、より良い条件を勝ち取ることが、
小国の生きる道でしょうに…
そりゃ卑屈になってたら、搾り取られるだけ搾り取られるだけですよ…
●学術会議会員の任命「推薦通りの義務なし」内部文書公開
あまりにも強引すぎる卑屈な解釈ですなぁ…
「推薦通りに任命する義務まではない」とは言えるかもしれませんが、
そうなると、日本学術会議側が拒否された委員の再任命を求めることも可能ですから、
任命請求と任命拒否が延々と続くことになってしまいます。
その間に日本学術会議が機能しなかった場合に誰が責任を負うことになるのか?
それは任命を拒否した方でしょう。
正当な理由なく拒否してるのですから当然です。
法律的に「義務があるとまでは言えない」と、
「拒否することができる」の間には、大きな違いがあります。
「義務があるとまでは言えない」は詭弁です。実生活で通用しません。
総理大臣が任命をしなければ、日本学術会議が回らなくなってしまうのですから、
それは事実上、やらなければならない行為です。
私達は常に義務で行動をしていますか?
そうじゃないでしょ。ほとんどが義務外の行為です。
義務がないことでも社会のためにしなければならないことがあるでしょ?
菅総理がやっていることは、縦割り行政のパワハラそのもの。
法律の初学者でも分かるようなことを強引に推し進める政府、
そしてそれを批判せずに擁護する自民党は、どうしようもない法律オンチです。
そもそも法律用語も良く知らない法務大臣が再就任してるんですから、
どうしようもない法律無視です。法治国家とは名ばかりです…
●菅政権ばかりか、日本学術会議も「学問の自由」を守れていない現実
タイトル的に政権擁護の記事にも見えますが、
政権批判は当然という前提の記事なので、批判がコンパクトです。
学者の弾圧が国民的弾圧に繋がる理由が分かりにくいかもしれませんが、
要は口うるさい人がいなくなると、人は頭に乗るということです。
課していた枷(法律や世論)がなくなると、とんでもないことをしでかすのが世の常。
安全弁を取り外す恐ろしさがそこにはあります。
◆ニュースネタ Go To イートでポイント荒稼ぎ、1品だけ注文「トリキの錬金術」
酷過ぎる… 客のモラルもそうですが、制度を作った奴が酷過ぎる。
おそらく外食を1000円未満で済ませるという感覚がないんでしょうね…
だから、そもそも、最低金額を設定しなかったのでしょう。
そこまで庶民のことが分からないのか、コイツらは…
もう制度的欠陥が分かったのだから、さっさと修正すればいいのに。
ポイントだけむしり取られて終わりですよ、これ。
もっとも、自分は旅行も外食をほとんどしないので、
今回のGoToキャンペーンは完全に対象外で、使う気も起きませんが…
一体、誰のための制度だったのでしょうか。欠陥だらけで酷過ぎる。
◆政治ネタ 岸田氏、大宏池会構想実現に意欲
菅総理が転ぶと相対的に喜びそうなのが岸田氏。
まぁ、それぐらいしかチャンスがない状況なわけですけど…
菅総理が地銀再編という麻生財務大臣の担当分野に割り込んで来たので、
両者の関係を疑問に思う観測が強くなってきました。
少なくとも、現時点で地銀再編において、
菅総理と麻生大臣が一致した意見を持っているとは言えず、
仮にこれを強行的に進めて行けば、両者が対立する可能性もあります。
もし、麻生大臣が自分が蔑ろにされていると感じれば、
一度は切った岸田氏に乗り換える可能性はゼロではありません。
早期の解散総選挙という麻生大臣の目論見も外れてしまったわけですし、
麻生大臣が岸田氏に接近する可能性はあるように思えます。
前回の統一地方選挙では二階派に辛酸を舐めさせられたわけですし
(まぁ、客観的には麻生氏の自業自得でしたが)、
古賀氏との怨恨を忘れて、実を取る可能性は考えられるでしょう。
岸田氏がこのタイミングで大宏池会構想を言い出したのも、
そこら辺が視野に入っているからだと思いますが、
前回の総裁選はそういう甘い読みが自分の首を絞めてしまっただけに、
成功するかどうかは全くの別問題と言わざるを得ません。
◆ニュースネタ トランプ氏が退院へ 米国民に「コロナ恐れるな」
あなたが受けた医療体制を国民全員に提供できるなら、そうでしょうね…
おそらく現実がそうではないから死者が相次いでるのではないでしょうか?
しかし、発症した可能性があるにも関わらず、
これほど早く退院して良かったんでしょうか?
他の人に感染させるリスクはあるのか、ないのか。
大統領が特別扱いされたとなれば、感染患者の隔離政策も上手くいかないと思います。
誰もが「治ったから俺も退院させろ」となっちゃうんじゃないでしょうか。
とんでもない例外を作ってしまったように思えます。
●焦点:トランプ氏が頼った簡易検査の罠 ホワイトハウスさらに感染者も
日本のPCR検査にも同様のことが言えますが、
あくまで検査時に「陽性か否か」が分かるに過ぎないわけで、
検査当時は陰性であっても、検査の翌日に感染することだってありますから、
陰性であることは何の証明にもなりません。
陰性証明書なんてナンセンス。
ましてや、それで感染予防できるわけもないわけです。