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政治的停滞(むしろ悪化)

9日に行われた日中韓三ヶ国のサミットは、
北朝鮮の非核化を求め、三ヶ国間の経済協力を進めるという、
基本的な姿勢のみを大枠で合意するという予想通りのアバウトな結果となりました。

良く言えば、停滞していた日中韓の三ヶ国関係が再起動し、
北朝鮮の非核化というゴールが同じことを確認し、
未来志向で三ヶ国の経済発展を掲げたことで意味はありますが…
悪く言えば、北朝鮮対応に明確なズレがあり、
領土問題等を完全に棚上げせざるを得ない隙間風も吹きます。
まぁ、経済問題で言えば、それでも構わないとは思うのですが、
蒸し返すのは韓国なわけで…棚上げになってるのかな、とも。
もっとも日本も怒られるのが分かってて靖国参拝するのもどうかと思いますが…

注目された北朝鮮問題に関して言えば、
中国が主張したであろう段階的な制裁緩和に屈しなかった点は評価できますが、
かといって日本の圧力維持が効果を発揮し続けるとも思えない。
疲弊が限界を超えれば開き直っちゃいますからね。死なば諸共って…

三ヶ国で北朝鮮情勢に話し合う姿勢を見せることも重要ですが、
実質、中国を通じて北朝鮮にダダ洩れなわけで、
結論の出ない議論に意味があるのかなとも思うわけで…
最終的にはこれといった進展のなかった三ヶ国会談だったように思えます。

そして…だから秋まで総理に居座るつもりでいるなよ(苦笑)


◆ニュースネタ トランプ大統領がイラン核合意を正式に破棄
トランプ大統領の怒りも全く分からないわけではないですが…

実際に現在中東を騒がせているシリア問題においても、
ロシアと共にアサド政権を積極的に支援しているのはイランですし、
中東地域で積極的にシーア派を支援することによって、
政治情勢を悪化させ、イスラエルを危機に遭わせているという意味では、
核を持とうが持つまいが、イランがテロ支援国家であることに変わりなく、
アメリカが忌々しいと思うのは無理からぬことなのですが…
でも、そうやって短期を起こして良いものか?と。

それこそアメリカの合意破棄を理由にして、
イランが核開発を再開する可能性も否定できず
(現時点ではフランス等の諸外国が冷静なので大丈夫でしょうが)、
そうなってしまえば、イスラエルが正式に核保有を表明するだけでなく、
サウジアラビアやトルコも核保有を目指すでしょうし、
中東の軍事バランスが一気に崩壊します。
東アジア以上に核の連鎖が起こりやすいのは間違いありません。

日本にとって最大の問題は、アメリカがこれを押し付けてくるかどうかでしょう。
これまではイランとアメリカが一触即発の危険な状態になっても、
日本がそれを押し付けられることなく、中東では中立的な立場を維持し、
結果として石油の安定供給に繋げてきました。

それが日本にもイラン制裁を押し付けてくるとどうなるか…
「最高レベルの経済制裁」という言葉に不安を隠せません。
北朝鮮に対する「最大限の圧力」と同じではないのか?
北朝鮮問題では協力してやってるんだから、イラン問題にも協力しろ、
そうしないとシェールオイルも輸出しないぞ?、そう言われかねません。
完全な恫喝外交なのですが、日本にそれを弾くだけの外交力があるのか否か?
「お友達の頼みだから断れないな~」では困ります。
というか、いつまで首相やるつもりなの?
秋以降は完全にないのに外交予定なんて組むなよ(w


◆ニュースネタ 加計学園問題で柳瀬元総理秘書官を参考人招致
表向きには矛盾点のない良くできたシナリオだと思いました。
だからこそ変に不自然…あなたは総理秘書官としてそれで良かったの?
少なくとも、社会人失格な人が官僚やってて、
日米の鉄鋼輸入制限交渉をやってて良いのでしょうか?
鉄鋼業界はアポイント取って会いに行った方が良いんじゃね?
時間が合えさえすれば拒否せずに会ってくれますよ、きっと(苦笑)
今回の参考人招致の発言が本当ならば、
柳瀬氏は総理の威を借りて、業者等と会っておきながら、
総理に報告するまでもないと勝手に判断しているわけで、
総理も面会者も騙していたことになるんですが…それで良いの?
それとも、加計学園側から賄賂でも貰っていたから言えなかったの?
それぐらいしか総理に報告しなかった理由が思いつきません(苦笑)

分からないのは、何故、『加計学園関係者』なら会うのか、
そして『加計学園関係者』に会ったことを総理に報告しなかったのかです。
柳瀬氏の答弁で特徴的なのは、
他人の肩書は覚えていても、個人名は覚えていないことです。
誤魔化しているのか、本当に認識してなかったのか分かりませんが、
元東大教授と会ったことを隠す必要もないと思うので、後者なのでしょう。
そうだとすれば、〇〇からのアポイントで会ったのではなく、
『加計学園関係者』からのアポイントだから会ったのでしょう。
そこら辺を国会で追及されると「アポイントメントがあれば誰でも会う」としてますが、
だからといって、誰ても総理秘書官にアポイントメントを取れるわけもなく、
当然、総理秘書官の仕事は面会希望者の対応だけではないので、
そのために時間を割いたのは間違いないわけで、
「たまたま会った人の中に加計学園関係者がいた」というのは通用しません。
『加計学園関係者』との面会だから時間を融通して会っていたわけでしょ?
明らかに「特別な配慮」、明らかな「加計ありき」。納得できるわけもない。
一部報道では面会は加計学園関係者が設定し、
そこで今治市と愛媛県が同席するのが望ましいと要望したのは官邸側だそうで、
あまりにも『加計学園関係者』と会った理由が弱すぎと思います。

加えて、備忘録で問題になっている面会以外にも、
加計学園関係者と2度会っている事実が明らかにされ、
最初のきっかけは安倍総理の別荘だと言うわけです。
安倍総理と加計理事長の親しい関係なのはよく知っているのにも関わらず、
『加計学園関係者』と会ったことを報告しないのは理解できません。
総理の紹介で会った客人と、総理の知らない所で会っていて、
会った事実を報告せず、柳瀬氏だけでなくそれを誰も総理に報告しない、
安倍総理が知ったのは事業主体が決まるその瞬間とか、信じられない。
どんなサプライズパーティだよ(苦笑)
何でそんな勝手なことすんの?
勝手に会って、勝手なことした結果、安倍総理は友達優遇と批判されてるわけですよ?
お前が、総理秘書官として勝手にとった行動が、安倍総理の汚点になってんだよ?
本当に分かってんの? ありえないでしょ。

どう考えても腑に落ちません。
愛媛県の備忘録で加計学園関係者が語ったように、
安倍総理と加計理事長との間で獣医学部新設の話が出来上がっていたとしか思えません。

国家戦略特区の話の中で端も端にあったはずの獣医学部新設が、
いつのまにか岩盤規制の象徴に祭り上げられ、
国家戦略特区の中核に来たのは何故なのか? どう考えても不自然。
安倍総理の意向、指示があったとしか思えません。


◆ニュースネタ 森友・加計学園問題の本質は何なのか?
シリアに北朝鮮、イランと世界的な外交問題が浮上する中で、
日本ではいつまで森友・加計学園問題を引っ張るのかと嫌になりますが…
その点だけは安倍総理支持者の人と立場は一緒です。
ただ、攻める側の野党や朝日・毎日新聞に問題があるのではなく、
守る側の政府・自民党に問題があると思っている点で違っていますが。

問題発覚当初にも言及してますが、
森友学園問題も加計学園問題も、その問題自体は大きくはないんです。
森友学園問題は、近畿財務局が国有地の売却先を探していた所、
森友学園が手を挙げて売却交渉を進めていたけれど、
近畿財務局が交渉相手の信頼性に疑問を持ったことで一旦暗礁に乗り上げるも、
森友学園側が安倍昭恵夫人の名誉校長等を説得材料に使い出して、
終いには夫人付秘書官からの問い合わせの影響があったのか否か、
財務省理財局が積極的に売却を進めるように指示し、
近畿財務局は渋々と進めていった結果、格安の値引き販売となり、
財務省はこの事実を隠していたものの、後日露見することとなり、
問題終息のためにあれやこれやで隠ぺい工作を図った結果、改ざん等になった話。

結局、問題なのは不当な8億円の値引きであり、
そこに安倍昭恵名誉校長という肩書が利用されたのは間違いありません。
財務省が過剰に忖度した結果が森友学園問題の実態で、
政府が「忖度」を否定してしまったからおかしなことになったわけです。
さっさと忖度を認めて、8億円の値引きは不当として関係者を処分していれば、
こんな大事にはならんかったわけです。


加計学園問題は、獣医学部開設を望んだ加計理事長が、
安倍総理に相談を持ち掛けたのが発端なのは、もう間違いないでしょう。
安倍総理が再三説明しているように構造改革特区時代にはいずれも不可、
民主党政権時代に岡山戦局の江田五月議員らを中心に前進し始めるも、
当時は「加計学園」にネームバリューがなかったのか、
愛媛県とタッグを組んだ加計学園は相手にしてもらえませんでした。
しかし、安倍政権になって国家戦略特区に名前を変え、
愛媛県が事業者を募集するという形で進めたところ話が進展し、
途中で京都府と京都産業大が立候補するという誤算があったものの、
そこを地域性や開学の時期を区切ったりしてシャットアウト、
無事に愛媛県で決まり、予定調和で加計学園が事業主体に選ばれたという話。

結局、問題なのは京都府と京都産業大のタッグを締め出したことです。
友達からの要請であれ何であれ、獣医学部の開設という方針が決まったのであれば、
友達だけを優遇するのではなく、他の希望者も平等に取り扱うべきです。
それが審査の結果でどちらかを選ぶのではなく、
立候補基準そのものを厳しくすることで、候補者を締め出した、そこが問題です。
だから「加計ありき」、加計理事長のための獣医学部新設だった、
と非難されるのはそこが最大の理由です。

そこは行政的手続き的な問題ですが、もう一つ問題なのは安倍総理の収賄疑惑です。
本当に加計理事長のお願いだけで進めていたのならば道義的責任に止まりますが、
加計理事長とは会食・ゴルフと何度も行っているわけで、
仮にそこで「おごってもらった」ことがあれば、収賄の可能性が生まれます。
善意で進めようが何だろうが、そこに金銭が絡んでしまえば「賄賂」です。
その認識を欠いていた安倍総理は明らかに軽率ですし、
そこが森友学園問題とは違い、ベールに包み隠されている理由でしょう。
ただ、それを証明することは難しいので、
とぼけようと思えばとぼけられたと思うのですが…
「常に割り勘。金銭のやり取りは一切なかった」と言えばいいのに、
それが言えないのは、常日頃から奢る・奢られるをやってたからでしょう。
政治家として致命的なほどに金銭感覚がルーズすぎ。


まとめれば、森友学園問題は財務省という行政の問題、
加計学園問題は安倍総理の金銭感覚のルーズさという個人的問題に行きつきます。
早期に一連の問題の不手際を認めた上で、
財務省関係者の処分、不適切な交際の謝罪をしていれば、
安倍総理の首をかける必要性もなかったはずです。
それが「全てでたらめだ」と批判へのゼロ解答、
批判は許さないという安倍政権の姿勢が、嘘と虚勢で問題を固めてしまい、
森友・加計学園問題を実態よりも大きくしてしまったと言えましょう。

菅官房長官の口癖である「~という批判はあたらない」「全く問題ない」、
政権批判に対してはゼロ解答、批判材料も一切与えないという強硬姿勢、
それが安倍政権前半にはマスコミ批判の封じ込めという形で成功しましたが、
安倍政権後半には嘘と虚飾にまみれてマスコミの批判の槍玉になったわけです。
安倍政権になってから「アベノミクス」「特定秘密保護法」「安保法制」等々、
批判の材料は多くありましたが、どれも専門的で分りづらかったものの、
それが森友・加計学園問題を発端とする数々の不祥事、
その極めつけの財務省事務次官のセクハラ問題と、
国民から見て分かりやすい方向に転んだことが今の転落を招いたように思えます。

この問題を大きくしてしまったのは、
独断専行で野党を無視した安倍政権の驕りであり、
相も変わらず野党との協調路線を進められないようでは、
この問題が終息することはありえないと言えましょう。
また、こんな簡単な話も説明できず、野党との協調もできない安倍政権が、
さらに難しい話である北朝鮮問題等の外交を議論できるのかどうか、
とても国会論戦に耐えられるものになるとは思えません。
安倍政権が国民と国会を軽視して、議論を軽んじている以上は、
どんな簡単な話も、どんな難しい話をしても、無駄と言わざるを得ません。

(国民の生活実態を)見ザル、
(問題の一番大事な点を)言わザル、
(国民・野党の批判を)聞かザル。

それが安倍政権の本質です。


◆ニュースネタ 財務省セクハラ問題 一言多い麻生財務大臣
「役所に対して品位を傷つけたということで処分した」
前回はさらっと流してしまいましたが、
つまり、セクハラで処分したというわけではない、ということですよね?
セクハラ罪がないからセクハラで処分できないというのはおかしく、
実際に品位罪なんてないのに、品位を傷つけたとして処分しているわけで…
財務省の調査でセクハラの認定をしたのだから、
セクハラで処分するのが当然だと思うんですが… どういう頭してんの?

それでいて追加の調査や処分を行わないって…
福田元事務次官が実際に裁判を起こすのかは分かりませんが、
起こしたら結果を待って追加処分を行えば良いし、
起こさないのなら、期間を区切って訴訟意思を再確認した上で、
裁判を起こさないのならセクハラを事実上認めたことで追加処分すれば良い。
その際に、福田元事務次官の謝罪会見は必要不可欠だと思いますが。

というか、財務省の品位を傷つけておきながら、謝罪会見なしでいいの?
福田元事務次官に一番こけにされてるのは、財務省ってオチじゃねぇのか?


「どの組織だって改ざんはありうる話」
それを問題起こした当事者のトップが言ったら終わりでしょ?
神戸製鋼の社長が「他の会社だって改ざんはありうる」と言ってしまったら、
袋叩きに遭うことぐらいは分かりますよね?
あなたがそれを言って非難されないとお思いですか?
え〇いから大丈夫なんですか、フーン、そうですか。

「麻生財務大臣のリーダーシップで~」財務省の問題解決が図られるわけがない。
こんなんリーダーシップで反論封じて、隠ぺいするだけじゃねぇか。
これは完全に野党の方が正しい。
麻生財務大臣が辞めない限り、問題の徹底調査なんて、できるわけもない。


◆プロ野球ネタ 台風の目になりそうなオリックスを支える山本由伸投手
まぁ、なんつーか、衝撃的でしたよね~
それまでも「オリックスに粋のいい若手がいる」とは聞いてましたが、
正直「期待の若手」程度の認識で、ここまで凄い投手だとは思いませんでした。

やはり山本投手を有名にしたのは、5月1日の埼玉西武戦ですよね。
最速154キロのストレートに140キロ台後半のカットボール。
「オリエンタルエクスプレス」として名をはせた郭太源を彷彿とさせます。
それでいてフォークもありと… 高卒2年目と思えない完成度。
宮崎県の都城高校からドラフト4位で入団するなど、
全国的には無名の部類で、そこまで騒がれなかったと記憶しています。

他にもオリックスには大卒2年目の黒木投手(当時ドラフト2位)もいて、
150キロを超えるストレートをバンバン投げてきますし、
守護神の増井投手を含めたリリーフ3枚はかなり強力。

先発陣では新外国人投手のアルバース投手が安定してますし、
打線が安定して来れば、かなり怖い存在になることは間違いないです。
現時点では埼玉西武が首位を快走していますが、
ウルフ・菊池雄星投手の離脱は正直痛く、
交流戦前・交流戦の期間を5割ぐらいでやり過ごしながら、
夏場に再度エンジンを踏む展開にしたいところです。
最終的には、西武・SB・オリックスの3強になりそうな雰囲気ですね。

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