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星野くんの二塁打

道徳の教材としてポピュラーだったらしいですが、自分は読んだことありませんでした。
概要
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180413-00000011-sasahi-soci
詳細
http://e-freetext.net/hoshinokun_niruida.txt

作者が何を書きたかったのか知りませんが、
この話は現在の野球論からすれば、完全に破綻してます。
2-2と同点の9回裏の攻撃、ノーアウト1塁で監督の思い付き通りに送りバントしても、
守る側からすればランナー1人返っただけでサヨナラ負けになるので、
1アウト2塁で4番打者を敬遠して併殺を取りにいくので、1アウト1・2塁になります。
性格的に併殺を怖がりそうな監督なので、たぶんこの状況でも送りバントを選択、
2アウト2・3塁にして相手のミスを期待するという消極的な采配にならざるを得ません。
1アウト1・2塁でヒッティングを選択するならば、
5番打者と3番打者の打力比較になるでしょうが、
この監督は「杉本(4番打者)に打たせる」としか言及しておらず、
作中でも本来鍵を握るはずの5番打者が全く登場してません。

結果、この場面での送りバントは「愚策」と言えます。
監督の思惑通り「杉本(4番打者)に打たせる」ためには、
星野君に三振か四球を指示する以外にありえなくなります。

おそらく作者は、明確に間違った指示でも従わなければならないという、
近畿財務局職員や加計学園や愛知教育委員会に対する文科省の対応を題材にしているわけではない、
そういう意図をもって書かれたものではないと思われますが、
それならば舞台設定を「9回裏1-2のビハインド展開」にすべき。
敢えてそうやって置き換えて読んでみれば、
正誤の判断が付かない状況で、自分の判断に従うか、監督の判断に委ねるか、
という話になってくるだろうと思われます。

まぁ、でも、それで悩むのも日本人ぐらいだと思います。
プレイヤーの直感を信じるのか、監督の作戦を重視するのかと問われれば、
アメリカ人ならほぼ100%プレイヤーの直感の方を重視するでしょう。
シーズンの長いプロスポーツならまだしも、
学生スポーツは学生がやるものですから、学生の自主性を重んじるべきだからです。
日本の学生野球は軍隊なわけではないんですから、
そもそも、そこを同一視してしまう日本人の感覚がおかしい。
学生スポーツは学生のためのスポーツなんですよ。
その当たり前の理解が日本人には足りていない。

勿論、軍隊では「統制」「運用の安定性」が重視されるため、
星野君の勝手な判断は結果論では済まされず、許されないことになります。

そういう意味では、長らく道徳の教材としてこれが用いられてきたのは、
日本人が物事を考える上で「重点」を履き違えて考えがちだということでしょう。
学生スポーツでは何を重視するのか、軍隊では何を重視するのか。
それを同じ共通項で考えていること自体に無理がある。
言わば「話の前提」を取っ払っちゃって、一色単に考えていることが問題なのです。

結論として『星野君の二塁打』の監督はありえません。
まず、論理的にもありえない、
次に、学生の自主性を無視する点でもありえない、
最終的に目的・前提を履き違えている点でもありえません。


◆政治ネタ 窮地に立つ安倍政権 訪米は支持率回復に繋がるのか?
国内的には、財務省改ざん事件を含めた森友学園問題、
柳瀬元秘書官の証言が嘘っぽい加計学園問題、
管理能力が皆無の防衛省日報問題の三重苦に加えて、
厚生労働省の裁量労働制の恣意的なデータ作成、
自民党議員の要請によって行われた文科省の問い合わせ問題といった、
5つの政府と官僚の問題が浮上して、窮地に立たされている安倍政権ですが、
得意の外交で失点を取り戻すべく、訪米に期待しているようですが…本当に大丈夫?

象徴的なのが先日の鉄鋼の輸入制限問題。
日本政府は外されるものと思っていたようですが、
結果的にはほぼ『詐欺師』呼ばわりされて輸入制限の解除ならず。
大方の見方と同じく、二国間貿易のためのディール、
さらに言えば、TPP11を強行したことに対する当てつけの面もあるでしょうが、
気になるのはトランプ政権が1年を経過して、
ティラーソン国務長官を始め、外交メンバーをガラリと変えたことです。

それまで政治経験がなかったトランプ大統領にとって外交は未知の領域だったこともあって、
自らが主導するよりは国務省を中心に任せ気味だった印象が強く、
その意味でも北朝鮮情勢に対して安倍総理に意見を聴くなど、
トランプ政権1年目の外交は「受け身」の印象が強かったです。

その結果、あまり成果をもたらさなかったと考えたのか、外交メンバーをガラっと替え、
北朝鮮問題では自ら対話に応じる姿勢を見せ、
中国との貿易摩擦に対しては鉄鋼の輸入制限等を仕掛け、
シリアで化学兵器が使われた疑いが強まると、すぐさまにミサイル攻撃と、
ここ最近はトランプ大統領が自ら主導して「攻め」の外交を見せています。

つまり、そういう意味では、もう安倍総理はティラーソン国務長官らのように、
「用済み」となった可能性も否定できません。
北朝鮮外交は俺がやるから黙っていてくれ、そう言われかねないと思います。
万が一、まだ安倍総理が外交面では自分の方に一日の長があって、
トランプ大統領に対して「こうするべきだ」みたいなことを言おうものなら、
「You are Fired!」と即座に三下り半を付けられてもおかしくありません。

そういう意味でも、このタイミングの訪米はトランプ大統領の外交スタンスを見極められず、
安倍総理が「地雷」を踏む可能性は高いように思われます。
その「地雷」を回避するためには、とんでもなくへりくだるしかない。
二国間のFTA交渉の開始を始め、アメリカの投資をさらに活発化させることや、
アメリカからさらに武器を買うことを約束したり、
北朝鮮外交は全面的にアメリカを支持するから、拉致問題も忘れずにね程度に抑える等、
日本の国益をこれでもかというぐらいに捨て去らないと成功は難しいと思われます。
つまり、会っても損しかないんですよね…

そもそも、「外交力」というのは国内の政治基盤が盤石であればこそ、
安定した政権で各国首脳に顔を覚えられてるからこそ成り立つわけで、
国内の政治基盤が危ういと見られれば、相手は容赦なく足元を見てきますよ。
それが外交です。友達付き合いじゃないんです。
加計理事長みたいに食事を奢ってくれたりしないんですよ?


その視点から国内に戻すと、各種問題が進展しない背景に、
自民党の次期政権の見通しが立ってないことも挙げられます。
仮に安倍政権がもう終わりだとなれば、
「本当の事を話して安倍政権を終わらせるから、次期政権ではよしなに」という密約も
生まれてきてもおかしくはありません。
リクルート事件が解明に結びついたのも、
そういう自民党内の政治力学が影響した点も少なからずあったように思えます。

では、安倍政権が終わったらどうなるのか。
石破政権なのか、岸田政権なのか、野田聖子政権なのか、野党連合政権なのか。
現時点ではどれも現実味がなく、決め手を欠きます。
決め手が生まれるとすれば、小泉進次郎氏が誰に与するか表明した時でしょうね。
自民党が揺れる時に小泉親子の発言権が増す、いやはや不思議なものです(苦笑)


◆ニュースネタ 財務省事務次官のセクハラ発言問題
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180416-00000071-zdn_mkt-bus_all
報道を否定すると、即罪に音声データまで出す用意周到ぶりを見せたのに、
それでもまだ否定するのか…
これで最終的に認めることになれば森友・加計と同じ流れじゃん。

セクハラ発言が本当なら、その事務次官が辞めれば済む話。
それをわざわざ財務省ぐるみで隠そうとするから傷口が広がる。
貴方達は改ざん問題が出てきた時に、何て言い訳してましたか?
「大阪地検特捜部の捜査があるので」そう言ってたじゃないですか。
それは関係者内で口裏合わせしたと取られかねないからでしょう?
これも同じじゃないですか。
その女性記者を呼び出して口裏合わせするとしか思えません。

日本ではまだまだ「セクハラを受けた」「MeToo」とはなりづらい。
「セクハラを受けた記者は名乗り出てください」これも立派なセクハラです。
事務次官だけじゃなく、財務省そのものがセクハラに加担して、どうすんの?
バカなの? アホなの? 女性の事を何だと思ってんの?
財務省改ざん事件以上に呆れると言いますか、
人としてちょっとおかしいと言わざるを得ません。
そんな当たり前の配慮もできないのですから、
国民のための仕事なんてできるわけがありません。
情けないです。


◆スポーツネタ サッカー日本代表・ハリル監督解任
自分はサッカーに詳しくないので、個人的評論は避けますが、
元日本代表のトルシエ監督と、通訳を務めたライターのダバディ氏のコラムは、
多いに頷けるところがありました。

成績不振を理由にするなら『W杯での勝利』という前提を話にしていないので不可解。
選手とのコミュニケーションの点ではメンバーが確定していない時点で議論しても無意味。
詰まる所、人気選手の本田選手や香川選手を外そうとしたから解任されたんでしょ?
結局、日本において「システム論」は通用しなかったということでしょうか。
そういう意味では個人主義というか、スター依存主義的傾向が強すぎる印象。
代表試合が多いサッカーでさえこれなんだから、
代表試合が少ない野球では言うまでもない。
「〇〇がいなかったから負けたんや!」というのはもう止めようよ。

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