« 2014年10月 | メイン | 2014年12月 »

2014年11月24日

自己保身選挙

安倍首相によって衆議院解散が行われ、選挙モードに突入しました。
当初は「消費税増税の先延ばしを問う」という大ボケをかまし、
誰もが「争点になるわけないだろ」と痛烈にツッコミを入れる馬鹿話でしたが、
なんとボケじゃなくて天然か、笑えねー、と本当になってしまいました(苦笑)
お題目は「アベノミクスの是非」にすり返られたようですが…
政治とカネの問題に蓋をし(説明責任を果たさずに立候補する人もいますし)、
沖縄の民意を完全に無視し、地方創生や女性の社会進出もそっちのけ、
民主党と約束した議員定数削減も反故にし、社会保障・年金も置き去り、
東北の復興支援も道半ばという中、税金だけが投入されることに…大義なし。

そもそも、勝敗ラインの設定が無茶苦茶で、安倍首相は与党過半数に設定…
さすがにそれは低すぎるということで、自民党は修正したようですが、
要はどんなに負けても負けにならない選挙をやるつもりだったようです。
人々が忙しく、寒い12月に選挙を行うことで、政治的無関心を誘い、
低投票率を背景に圧力団体や創価学会の組織票で勝つ、そういう腹積もりなのでしょう。
絶対に負けない選挙…というより負けを認めない選挙…自己保身の何ものでもありません。

とはいえ、選挙が実際に行われる以上は、有権者は投票行動に出なければなりません。
争点はアベノミクスを含めた安倍政権の是非を問う選挙となりそうです。
集団的自衛権の拡大、特定秘密保護法の制定、憲法改正の是非等々…
日本を明治憲法下に戻すような安倍政権の一連の流れをどう評価するのか。
これに関しては、人によって支持・不支持がはっきりと分かれてくると思うので、
特に説明することもないでしょうから、ここでは焦点のアベノミクスについて考えます。


◆ニュースネタ 「アベノミクス」
「アベノミクス」と言葉がやや独り歩きしている感があり、
結局、その実態とは何ぞや?ということが分かり辛く、それが第一の問題となります。
一言で言えば、「ええじゃないか」です(笑)
日銀の大規模な金融緩和によって、水道の蛇口を大きく開いて水を大量に流し込み、
こんなにお金が流し込まれているのだから、大丈夫だよと安心させることで、
人々に経済は大丈夫という「錯覚による期待」を先行して与える手法です。

これが科学における「理想状態」ならば、ホースの先から水が大量に出るわけですが、
実際にはそのホースは穴だらけだったり、中にゴミが詰まっていて流れにくかったり、
中にはホースを二股に分けて水流を横取りされていることも…
現実にはチョロチョロしか出ないじゃないか、というのが今の状況です。
せめて水流によって中のゴミ詰まりが取れるといいんですがね~(苦笑)

それが消費税増税の直撃を受けたのも無理からぬ話で、
「期待先行」でホースの先で水が出るのを楽しみにしていた人達に、
消費税という名の大日照りに遭ってしまえば、現実を嫌と言うほど痛感するというもの、
そんな「期待先行」は消費税という現実の前にあっという間に屈してしまいます。
要するにアベノミクスと消費税増税は水と油、
それを一緒にやろうとしたから無理がたたった、そういうことです。
…にも関わらず、1年半の消費税増税は決定事項だと安倍総理は言う。
1年半の間にアベノミクスが完遂されていると見通せているのか、
それとも、思いつきだけの時間稼ぎ工作か。まぁ、思いつきでしょうね(苦笑)


もし「アベノミクス」を完遂させるとするならば、今のやり方は逆に手ぬるいです。
成功には、外需の取り込みが重要になるので、国際的競争力を高めた大企業が、
日本経済を常にリードし続ける形を作らなければなりません。
それにはトヨタ自動車のような企業を一社でも多く、
企業合併と買収を重ねながら、より強い企業を作ることが必要になります。
今はアメリカの好景気によって「外需」の取り込みがなされたことで、
大企業の企業収益が改善しているわけですが、
これで満足しているようでは見通しも暗いと言わざるを得ません。

それらがもたらす結果は「格差の拡大」であることは容易に想像が付くわけで、
一部の巨大国際企業と淘汰された国内弱小企業とに分かれてしまいます。
安倍政権が行おうとしていた、法人税減税、残業代0、職務発明の企業特許化、
派遣法改正による労働者派遣雇い止めの拡大のおそれ、
いずれも大企業優遇政策ばかりで、労働者の働き方を根底から壊すものばかりです。
「アベノミクス」の先にあるものは何なのか、それを正確に把握する必要があります。

追加して言うのならば、「アベノミクスがまだ行き渡っていない」、あれは嘘です。
アベノミクスは中小企業や一般労働者の隅々にまで恩恵が行き渡ることはありません。
考えてみて下さい。日銀が垂れ流したお金はどこに行くんですか? 銀行ですよ。
銀行はどこにお金を出しますか? お金の匂いのするところ、お金持ちにでしょ?
つまり、最初から中小企業や貧乏人は救済の想定外であり、
別件で保護するしかないわけですが、それをやらずに消費税増税・解散とはね…


他に経済対策はないのかと考えると、財政再建・社会保障重視路線があります。
「アベノミクス」が期待先行・外需拡大を特徴とするならば、
こちらは安心先行・内需掘り起こしを特徴とすることになります。
そもそも、国民がお金を使えないのは何故なのか?
老後の不安、年金制度に対する不信、老人介護の問題、派遣を始めとする雇用不安…
そういった先々の心配が耐えないために、貯蓄をして自己防衛するしかありません。
ならば、逆に年金介護社会保障制度を充実させることによって、国民の不安を取り除き、
消費税増税によってそれらの財源を賄い、内需を根本的に立て直す、
それが民主党政権の消費税導入の端緒だったわけです。

しかし、それも政権交代によって、消費税増税分の使い道が曖昧となってしまい、
結局、3%増税、5%増税に引き続き、8%増税も焼け石に水ということに…
このまま曖昧なまま10%増税したところで、財政的にはたいした意味もなく終わり、
さらなる増税、20%以上まで段階的に上がっていく可能性があります。
消費税増税の使い道をしっかりと正すことなしに、再増税などあり得ませぬ。


もう日本は途上国ではありませんから、
1960年代のような一億総中流な高度経済成長の実現なんて、不可能です。
それを認識した上で、大企業優先で国際競争力を高めるのか、
ほどほどで良いから社会の安心を優先し、内需の掘り起こしを図るのか、
どちらの経済路線で進めるのかを国民は選ぶ必要があります。
前者ならば、アベノミクスに賛成。後者ならば、アベノミクスに反対。
まぁ、簡単に言えば、そういう話なわけです。


しかし、「アベノミクス」は道半ば、とは…
不信任決議を受けてもいないのに、衆議院を解散して道半ばで放り出したのは、
安倍総理の方だと思うのですが(^^;
矛盾だらけの経済対策…結局、この人は経済に無関心なのだと痛感させられます。
否が応でも、選挙で「勝利」を仕立て上げて、
集団的自衛権等の承認、憲法改正への流れを作りたいんでしょうねぇ…

2014年11月06日

1番ショート中島裕之

アスレチックスからFAになっている元・西武の中島裕之選手の動向が注目されています。
今日になって代理人の変更が報道され、
これまでの日本復帰路線からメジャー最優先の意向に変わったのかもしれませんが、
契約の難航が予想されるだけに、古巣の西武を始め、阪神らも獲得に名乗りを上げています。

そんな中で、ライオンズが「3番サード中島裕之」の方針を打ち出しているようですが、
個人的には最初からショートという選択肢を外す必要があるのかなと、疑問に思います。
将来的にはサードも視野に入れないといけないでしょうが、
今、ライオンズに不足しているのは「打てるショート」であり、「存在感ある野手」でしょう。
3番サードならば、浅村選手でも構わないわけで、
ショートという選択肢を最初から消さないで欲しいです。

その上で、1番起用を主張するのは、新しい「中島裕之」像を作るためです。
2年間のブランクがある中で、ライオンズに居た頃の「中島裕之」が再現されるかは分からず、
3番ショートでそのまま起用して不調に陥った場合、イメージギャップが大きくなります。
それが1番起用という新しい選択肢を与えれば、今までとは違うイメージを作ることができます。
加えて、来年のライオンズの下位打線は、内野手・ライトの若手が入る可能性が高く、
チームの中心選手である中島選手が1番にどかっと座っていれば、
出塁する意識が強まり、自然とチームバッティングに徹することができます。
入団会見で言い放った「バリー・ボンズ」から「デレク・ジーター」へ、
主砲としてではなく、チームを優勝に導くリーダーとして復帰して貰いたいと思っています。


◆プロ野球ネタ 日本シリーズはソフトバンクが4勝1敗で日本一に輝く
日本シリーズはソフトバンクホークスが初戦を落としたものの、
2戦目から4連勝を飾り、阪神タイガースを下して日本一に輝きました。
基本的に日本シリーズはパリーグ代表チームを応援することにしていますし、
今年は秋山監督の退任が決まっていただけに、やっぱりホークスの肩を持ってしまいました(^^;

ポイントとなったのは、やっぱり第2戦の武田投手のカーブでしょうね。
正直、初戦を落とし、2戦目の先発が武田投手ということで、連敗濃厚と見ていました。
シーズンでも武田投手は安定感がなかったですし、
クライマックスシリーズがもつれたための第2戦先発、普通なら5番手~6番手以降の投手です。
それが蓋を開けてみると、阪神打線が独特のカーブにきりきり舞い、
阪神打線の勢いを完全にとめただけでなく、第5戦の攝津投手もカーブを多めに交えるなど、
阪神打線対策として積極的に使われるようになりました。
細川捕手のナイスリードでしたね。
…日本一の決まった瞬間は…
まぁ、よくあるっちゃあるけど、審判が勇気を持って守備妨害取りましたね。
甲子園だったら…流れちゃったかもしれないなぁ、と思ったり(苦笑)


◆プロ野球ネタ ソフトバンクが松坂獲り???
ライオンズファンとしては複雑な気分になるニュースですね…
個人的にはメジャーでそのまま頑張って欲しいし、戻ってくるならばライオンズで、
それが無理なら、横浜でも巨人でも阪神でもロッテでも、どこでも構わないと思うものの、
ソフトバンクだけは… ライオンズ時代の思い出さえもぶち壊しになっちゃいそうで嫌です。

日本プロ野球における「松坂大輔」と言えば、
初期は対イチローのイメージ、後期は対ホークスのイメージです。
パリーグの覇権が徐々にホークスに移り変わっていく中、
そこに敢然と立ち向かっていったのが、松坂投手だった、そういうイメージです。
同じ松坂世代の杉内・和田・新垣投手との同級生対決、
そしてプレーオフの熱闘が忘れられない斉藤和巳投手とのエース対決…
数々の名勝負の相手はホークスだったわけで、その思い出は色あせずにいます。

それがソフトバンク入りとなってしまえば… 思い出さえもぶち壊れてしまうというか…
もう二度と「松坂大輔」が自分の意識上に上がってくることはなくなることでしょう。
頼むからソフトバンクにだけは行かないでくれ、
それが当時の活躍を知るライオンズファンの共通する思いでしょう。


◆プロ野球ネタ ゴールデンクラブ賞が発表
相変わらずのイメージ投票で理解不能。
日ハムの陽選手は例年なら文句なしでしょうが、今年はねぇ…
故障がちでDHでの出場も多く、守っていても精細を欠いていたわけで、
いかに記者がろくに試合も見ずに、イメージだけで選んでいるかが丸分かりな結果です。
柳田選手もイメージ先行な面が大きいものの、優勝・日本一効果として大目に見ますか。
キャッチャーもねぇ… まぁ、愚痴ばっかりになるから言わないよ(苦笑)

記者投票みたいな曖昧な人気投票するよりも、選手間投票で決めた方が公平じゃね???


◆政治ネタ 「政治とカネ」で揺れる国会
松島・元・法務大臣のうちわ問題に始まり、小渕・元・経産大臣の収支報告書疑惑、
後任となった宮沢経産大臣のSMバー支出問題等々、
連日のようにスキャンダルが飛び出し、空転状態の国会です。
これらの問題を受けて、泥試合を止めようと言っていた安倍総理でしたが、
民主党の枝野氏の献金問題を引き合いに出し始め、自ら泥を投げつける始末…アホか。

国会の質問は議員の質問であると同時に、国民の質問でもあるのだから、
それに対して政府が返答をせずに、誤魔化すとは何事か、
政治とカネの問題をこれ以上取り上げて欲しくないのならば、
国民が納得いくように説明するのが筋というものでしょう。
秘書が私的に行ったSMバーで領収書切るとか、一般的な感覚からしてあり得ないだろ。
それが「あり得る」のであるならば、どれだけ秘書と政治家が杜撰なのか、
政治家以前に一社会人として「あり得ない」話です。

しかし、松島・元・法務大臣のふてぶてしい辞任会見は忘れられない。
小渕氏と真逆、全く反省の色が伝わってきませんでしたね(苦笑)

こちらはスキャンダルではありませんが、後任の上川法務大臣の答弁も…
農水大臣が過去の役人時代に受け取った入院費が収賄に当たるとする話題において、
その前段階に「不起訴と起訴猶予」に関する確認答弁を求めたわけですが…
全くもって「的外れ」な答弁をしたあげくに、
質問した国会議員から答えを言われると、「その通りです」と発言…
いかにも自信なさそうな答弁で、専門外とはいえ、これで仕事が成り立つのかと…
当初の小渕・元・経産大臣の起用といい、
専門外の閣僚人事で仕事に支障を来たしているようでは、何のための大臣なのか。
「女性」というお飾りで良いということなんですかねぇ…
まぁ、色々と酷いもんですとしか言いようがない。


◆ニュースネタ 宮沢経産大臣のSMバー問題にみる「ポルノ」
民主党の女性議員がSMバーを「汚らわしいところ」と言ったことで、
逆に言い過ぎではないかという論調もあるようですが…
…個人的にはそういう反応が出てしまうこと事態がショックですね。
結局、「性」と「ポルノ」の区別が付いてなかったんだなとガッカリです。
児童ポルノ禁止法に反対していたのも、「性」の過剰規制に対してではなく、
「児童ポルノ」の禁止に対する反対だったのか、そう思わずにはいられません。

件のSMバーはポルノ施設というわけではなかったようですが、
私の感覚としては、SMは分類するのであれば「ポルノ」だと思われます。
現在では普通に「Sですか? Mですか?」と聞いてみたりして、
SMに対する抵抗度合いがかなり下がってきているとはいえ、
それでも安易な縄縛りや窒息プレイは死傷者を出しており、
野外露出は公然わいせつに他ならないわけで、
私達の生殖行為に必ずしも必要とは言えず、性的趣向の面が大きいでしょうに。
そういったことを考えると、「SMプレイ」は「ポルノ」だと思うわけで、
それに対して抵抗感を持つ一般女性がいても、何ら不思議ではありません。

極端な話、スカトロや死体姦淫が理解できますか?
それらに対して、投げかけてしまう言葉は何ですか?
その理解しがたい趣向に対する感覚が、「ポルノ」に対する嫌悪だと思われます。
「性」と「ポルノ」を理解せずに、「児童ポルノ」が語れるのか?
この報道を受けて、そういう反応があったこと自体が、
両者をごっちゃに考えている証拠であり、私が一番残念に思ったことです。