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2014年10月24日

プロ野球ドラフト会議

他人の人生を年々ショウビジネス化していくのは、個人的にどうかなと思わなくはないものの、
やっぱり興味を持ってしまうのがプロ野球のドラフト会議。
今年は目玉選手が相次いで故障・不調に悩まされたために「不作」と呼ばれる年でしたが、
結局、各球団平均5~6人は指名しており、しっかりと評価している感じはしましたね。
早々に1位指名を宣伝して回った西武を始め、各球団が競合を避けた感が強く、
結果的に競合したのは、早稲田大・有原投手と済美高校・安楽投手の2人だけでした。
そして、その交渉権を勝ち取ったのはまたしてもパリーグ。
有原投手が日ハム、安楽投手が楽天という結果に。
近年では阪神・藤浪投手以外、競合した場合はまずパリーグ球団ですねぇ…なんでだろ?

パッと指名を見た感じでは、各球団ともに補強ポイントは抑えており、
特に大外しした球団はなく、十分合格点を与えられる結果ではないでしょうか。
その中でも即戦力を中心に補強した横浜と、バランスの良い指名をした日ハム、
この2球団はチームの方針もあいまって、上手い補強をしたと思います。
いずれにせよ、1人でも多くの選手が1軍で活躍することを期待したいですね。


◆ライオンズネタ ドラフトの結果
珍しくドラフト1位を前橋育英高校の高橋光成投手を指名すると宣言し、
競合を嫌った球団の回避を誘うことに成功し、単独指名したのは作戦勝ちでしたね。
その後も補強ポイントを抑えた指名が目立ち、納得のドラフトだったのではないでしょうか。
ただ、個人的には事前報道にあったロッテ7位指名の健大高崎・脇本外野手を指名して欲しかった…
まぁ、外野は栗山・秋山選手をはじめ、坂田・熊代・大崎・木村・斉藤・石川選手ら、
数多くの選手がいるわけなので、必ずしも補強ポイントではありませんでしたが、
3拍子揃ったアスリート系の選手ですし、見送らずに指名して欲しかったです…

ドラフト1位指名の前橋育英・高橋光成投手は文句なしでしょう。
今年は甲子園未出場ながらも、昨年の実績を買われて高校日本代表のエースとして活躍、
ライオンズの好きなスライダー投手で、ボールに威力もある。
それで準地元の群馬出身ですから、指名せずにはいられなかったことでしょう。
今のライオンズは若い先発タイプ投手が少なく、相内誠投手と佐藤投手の2人ぐらい。
将来的にも岸投手→菊池雄星投手に続くエース候補と言ってよく、
楽しみな存在がチームに加わってくれました。

ドラフト2位は平成国際大・佐野投手。埼玉出身の即戦力左腕ですね。
こちらも以前から高く評価しており、順当な指名だったように思います。
今年は大学4年生投手に不調・怪我が多かった中で、
佐野投手は地方リーグながらも順当な結果を残し、怪我知らずの鉄腕。
無事是名馬也。即戦力リリーフとしての活躍が期待されます。

ドラフト3位は富士大・外崎内野手を指名。
外野は木村・斉藤・石川選手ら俊足揃いですが、内野手は金子侑選手ぐらいで、
その金子選手も送球難が原因でライトで起用される始末…
チームとして浅村選手の二塁を含めて三遊間が固定されていないだけに、
補強ポイントに合致した指名だと思います。
1学年先輩の山川選手も負けていられませんね。

4位の敦賀気比高校卒の玉村投手と佐賀工・山田内野手に関してはよく分からず。
玉村投手はどうして浪人状態だったのでしょうか? 明日の記事に出るのかな?
玉村投手が大成すれば、スカウトの眼力が物凄いことになりますね。
山田内野手は外崎選手と同じ趣旨での内野補強。
タイプ的に守備重視で永江選手と被るような印象を受けますが…どうなりますか。
育成選手では北海高校の戸川外野手を指名。こちらも情報なく、よく分かりません。
個人的には高校生の育成選手ってのはなぁ… 生活どうすんのとか思ってしまう。

結果としては、未来のエース・左腕リリーフ・手薄な内野手とポイントを抑えた指名でした。
派手さはなくとも、堅実な指名、第一印象的には評価して良いと思います。


◆ライオンズネタ 2015年に向けての戦力補強
ドラフト前に新外国人投手の郭シュンリン投手(22歳)を獲得しており、
ドラフトでは未来のエースの高橋光成投手、左腕リリーフの佐野投手、
俊足内野手の外崎選手らが来季に向けての戦力だと言えます。
それらを勘案して戦力分析をしてみます。

【先発投手】岸・牧田・菊池雄星・野上・十亀・郭(岡本洋介・西口・福倉・誠・佐藤・高橋光成)
岸投手以外の先発投手が今年不調だったとはいえ、実績のある4人は先発確定済み。
十亀投手は普通に投げれば、先発で1年間ローテを守ってくれるので、当然先発で。
新外国人の郭投手は、まず実際にプロ野球のレベルを感じてもらい、
交流選に入ったら2軍で調整し、本格的に戦力計算するのは後半戦から、ぐらいに。
他の先発6枚目の候補は、岡本洋介投手に西口投手。
2軍で結果を残し始めている福倉投手ら。
あとは高橋光成投手を含め、若い投手に頭角を現して来て欲しいところ。
先発は郭投手の加入によって、厚みを帯びたことは間違いありません。

【右リリーフ】増田・岡本篤志・岩尾・豊田・藤原・大石
8回のリリーフに定着した増田投手、実績十分な岡本篤志投手、
ビハインドの展開をロング可能で任せられる岩尾投手の3人は確定。
シーズン中盤に増田投手が、後半に岩尾投手が定着したのは大きいです。
問題は勝ちパターンの7回を安心して任せられる投手が不在なこと。
本来なら、大石投手が収まって欲しいのですが…さてさて、どうなりますやら。
他に外国人セットアッパーや2年目を迎える豊田投手、球威のある藤原投手が候補。

【左リリーフ】高橋朋・武隈・ウィリアムス・宮田・佐野
抑えは余程の外国人投手か大物FA投手が来ない限りは、高橋朋巳投手で文句なし。
問題はその前に投げる左のセットアッパー。
今年はウィリアムス投手が7回を投げていたものの、年々投球が不安定になっており、
今年はウィリアムス投手で引っくり返されるという試合が多かったです。
契約更新するかは分かりませんが、左投手は必要なので更新が安全でしょうか?
ビハインドの展開を任せるなら、武隈投手の安定感がピカイチ。
終盤は勝ちパターンでも起用されるようになっており、武隈投手がさらに成長してくれれば。
他には奪三振率の高い宮田投手、ルーキーの鉄腕・佐野投手が有力候補。

今シーズン中盤にかなり試合を犠牲にしてきたこともあり、リリーフの陣容は整いつつあります。
まだ選手層等はソフトバンク・日ハム・オリックスに敵いませんが、
世間で言われているほど、悪いピッチングスタッフだとは思えません。
問題はあと1枚、抑えの高橋朋投手と8回の増田投手に繋ぐ存在、
勝ちパターンを安心して任せられるリリーフが1枚出てくれば、磐石に近づきます。
それが新外国人投手なのか、ルーキーの佐野投手なのか、
復活を目指す大石投手なのか、それとも他の投手が大きく成長するのか…そこがポイントですね。
まぁ、でも、本当に郭投手の加入と佐野投手がドラフトで取れたことは大きいですよ。


【捕手】炭谷・森友哉、岡田・上本
FAで去就が注目されている炭谷選手は絶対に残留させなければなりません。
森友哉選手がいるとはいえ、捕手として全試合出場は無理、
リードで悩み、せっかくの打撃の良さが消えてしまいかねません。
炭谷選手は森選手の打撃に刺激を受け、森選手は炭谷選手の守備に刺激を受ける、
そうやって2人が切磋琢磨することがライオンズ復活の前提条件とも言えます。

炭谷選手がFA宣言して移籍を考えるにしても、どうしても打撃面がネックとなるだけに、
スムーズに移籍とレギュラー獲得が決まるかは少々疑問の残るところです。
宣言せずに残留して来年以降に可能性を残す方が、先々を考えれば得ではないでしょうか。
球団が森選手を正捕手に据えようとしていて、それが覆せないのか、
それとも炭谷選手が正捕手を磐石なものとして、森選手が他のポジションに移るのか、
双方にとって様子を見る意味でも、FAは先延ばしにした方が良いと思いますね。
球団はとにかく誠意を。ダメでもいいから複数年契約提示です。


【内野手】中村剛也・メヒア、浅村・外崎、山川・梅田、金子侑・林崎・永江
問題は固定されない一塁手以外の内野手ですよね。
中村剛也選手がサードを守れれば良いのですが、肘を痛めるケースが多いので無理かなと。
そして、浅村選手をセカンドで使うのか、サードで使うのか。
金子侑司選手はショートに戻れるのか、セカンドで使うのか、ライトで使うのか。
そこら辺があやふやなままにシーズンが終わってしまっただけに、
内野手を固定することが打線復活の鍵でしょう。

補強すべきはこの内野手で、ライオンズファンが思い浮かべるあの人物が最適です。
中島裕之選手、やはりライオンズにはこの選手が必要です。
ヤンキースにとってジーター選手がそこに居る選手であったように、
ライオンズにとって中島裕之選手はそこに居なければならない選手です。
試合終盤、僅差で負けている場合、誰が最も頼れますか?
キャプテンの栗山選手ですか? 出塁は期待できますが、一発は望み薄です。
主砲の中村剛也選手とメヒア選手ですか? 一発はあるものの、三振も多いです。
この選手でダメなら仕方ない、そう諦められる選手が今のライオンズにいるでしょうか?
そういう選手がいないから、肝心な試合を取れないんですよ。
それができるのは中島裕之選手以外にいない、そう思います。
ショートで全試合出場は難しいにしても、サードやDHで休みをいれながら使えば、
ベテランの渡辺直人選手や鬼崎選手、脇谷選手らもいるわけですから、
故障者を防止しながら、選手層を厚くして戦うことができます。
中島裕之選手を呼び戻すこと、それが来季に向けての最大の課題です。


【外野手】栗山・秋山、木村・斉藤・熊代・坂田・大崎・石川
外野手に関しては個々のレベルアップが必要なだけで、特に語らずともOKでしょう。
結局、レギュラーが決まらなかったライトの定位置を誰が掴むのか、
残り1枠を巡る熾烈な戦いを期待したいです。
赤田選手が日ハムを戦力外となったので、将来の指導者込みで獲得に動いてもいいかと。
代打要員も一つの課題で、森選手がレギュラーになれば、他に候補がいなくなりますし、
他の代打候補も坂田選手や大崎選手、上本選手といった左打者ばかり、
右打者は森本選手ぐらいしかいませんので、逆境に強い赤田選手は魅力的な代打かと思います。


まとめると、必要な戦力は3つ。
第一にチームの精神的主柱・中島裕之選手の復帰、
第二にチームの大黒柱である正捕手・炭谷選手の残留、
第三に7・8回を任せられる外国人セットアッパーの獲得、です。
それらが成し遂げられれば、お世辞抜きで優勝争いに絡める戦力になるはずです。

2014年10月22日

日本シリーズは虎vs鷹

プロ野球クライマックスシリーズが終わり、
セリーグはシーズン2位の阪神が4連勝で読売を下して、
パリーグはソフトバンクが3勝3敗+1で3位日ハムを下して、シリーズへ駒を進めました。
セリーグに関しては阪神の勢いが勝ったというか、読売の先発投手陣が酷過ぎた感が…
パリーグに関しては一進一退の攻防で見所も多かったように思えます。
日ハムもシーズン3位ではあったものの、後半は若手を積極的に起用し、
大谷投手だけではなく、上沢投手や白村投手、西川選手や中島選手ら、
若い力がクライマックスシリーズでも躍動し、互角以上の戦いを見せてくれました。
パリーグの実力伯仲を感じさせる熱い戦いでしたね。
他のパリーグ4球団も負けてられないと気が引き締まったのではないでしょうか。


明日はプロ野球ドラフト会議。
今年は「不作」と呼ばれていますが、故障者や不調な選手が多いだけに、
リスクを背負ってでも能力を買うか、リスクを回避して確実に指名するか、
そこが一つの注目点でしょうね。

ライオンズは前橋育英の高橋光成投手を1位指名すると公言、
まぁ、予想通りなので特に驚きはないです。
1位重複抽選を嫌って降りてくる球団をけん制するために、
敢えて1位指名を公言したのでしょうが、それが吉と出るか凶と出るか…

◆ライオンズネタ 2014年のライオンズを振り返る
スタートダッシュに躓き、5月の交流戦中に伊原監督が辞任、
田辺監督代行が就任して6・7月は盛り返すものの、8月に再度失速、
結局、一度も優勝争いはおろか、Aクラス争いにも絡めず、
なんとか最下位を免れての5位という散々な成績のシーズンになってしまいました。
私自身、更新する気力が萎えて、野球日記は停滞することに…
一応、試合チェックはしていたので、2014年のライオンズの感想をまとめます。


①フロントの失態 ~伊原監督就任+投手コーチ招聘失敗=補強怠慢~
2014年勝てなかった最大の理由は「チーム編成の失敗」でしょう。
伊原監督の采配を論じる前に、そもそも何で伊原監督を呼んだのか、そこが問題です。
私は就任当初から「時期尚早」として反対してきました。
今のチームは伊原前政権の2002年当時のような戦力の充実したチームではなく、
(当時2軍に中島・中村剛也・栗山選手が居ただけでも戦力の厚みが分かるでしょう)
浅村・秋山選手ら新たな若手を育てていけない時期でしたから、
用兵・作戦面重視の伊原監督を連れてくる意味が分かりませんでした。

察するに、フロントは伊原監督の「現有戦力の底上げで勝てる」という姿勢、
つまりは、「補強しなくても勝てる」という点を重視したように思われます。
当然そんな旨い話などあるわけなく、戦力がなかったから負けた、それに尽きます。
近年は2軍の人材さえも完全に食い尽くしていた状態で、
主力の故障者が出る度に負けが込んでしまい、あと一歩で勝てない選手層の薄さ…
戦力補強を怠った漬けが今年になって表面化したように思えます。


もう一つは伊原監督の采配の失敗にも繋がる「投手コーチ招聘の失敗」ですね。
一説では当初、OBの森繁和氏を招聘しようとしていたようですが、
中日で落合勢力が復権し、谷繁監督を支えるヘッドコーチとして迎えられたため、招聘失敗。
その代わりに呼んだのが清川コーチとは… 正直、落差ありすぎたかと…
仮に有力な投手コーチであれば、伊原監督も投手コーチに継投等を一任したでしょうが、
実際は伊原監督が先に口を挟んだのか、投手コーチが無能だったのか定かではありませんが、
伊原監督と清川コーチの関係は決して良かったとは言えず、
辞任前にフロントに投手コーチの交代を願い出て、チーフとブルペンを入れ替えるなど、
投手のやり繰りを巡って監督とコーチが対立していた面はあるかと思います。
田辺監督代行に代わってからも、投手陣が劇的に良くなったわけでもありませんし、
結果的に言えば、投手コーチの能力に問題があったようにも思えますね…


戦力補強も決して上手くいったとは言えず、
涌井投手と片岡選手がFAで流出したにも関わらず、相変わらずの補強ノータッチ。
唯一の望みであった外国人補強も、ヘルマン選手を切って獲得したランサム選手が大外れ、
レイノルズ投手は中盤に多少先発で活躍したもののやはり期待外れ、
ボウデン投手も不安定で勝ちゲームで使えるような投手ではありませんでした。
シーズン途中で獲得したメヒア選手が大活躍したのが唯一の救いで、
ドラフトで獲得した森・山川・岡田選手らも活躍して選手層は多少厚みを帯びたものの、
年々劣化する選手層の薄さに歯止めがかかっただけに過ぎず、補強の必要性は依然高いです。
ドラフトで選手を獲得する以上に、選手がFAで出て行ってしまうわけですから、
そこに歯止めをかけない限りは、厚い選手層を復活できるとは思えません。
「FA選手は基本無視」の方針を撤回し、補強すべき所は的確に補強して欲しいです。

②伊原監督の失態~開幕スタメン構想と時短練習による競争意識低下~
伊原監督は西武恒例の正月のトークショーにおいて開幕スタメン構想を発表しました。
 1(左)栗山、2(右)?、3(二)浅村、4(一)中村、
 5(指)坂田、6(三)ランサム、7(中)秋山、8(捕)炭谷、9(遊)金子侑
別に坂田選手以外は抜擢というわけでもなく、想定の範囲内のオーダーでしたが、
この発表から漏れた選手達はどう感じたのでしょうか?
見返してやると発奮したのか、それとも構想外として諦めたのか…

これに追い討ちをかけたのが、キャンプでの時短練習と実践練習の少なさで、
練習をしなければいけない若手の多い今のライオンズに対して、
ベテランが多かった黄金時代の時短練習を持ってきてもマッチしませんよ…
さらに紅白戦や練習試合といった実戦も少なく、
開幕スタメン構想外の選手が巻き返しアピールを狙ったとしても、その場さえない始末。
これでは競争意識が高まるわけがありません。

それを象徴するように、オープン戦は打撃不振が続き散々な結果に…
唯一明言しなかったライトのポジション争いのみが盛況だったのは大きな皮肉です。
また、オープン戦序盤にキャプテンの栗山選手が試合出場を志願し、それを認めたため、
伊原監督の「序盤は若手、後半の関東のオープン戦から主力合流」プランは崩れ、
監督と選手の間の調整に対する溝を感じさせる出来事もありました。
開幕しても打撃不振が続いたことを考えれば、
構想からキャンプ・オープン戦の一連の流れは失敗だったと言わざるを得ません。


投手陣において大きな失敗となったのは、二転三転した十亀投手の起用法です。
シーズン前から十亀投手の中継ぎ転向プランを掲げていましたが、
個人的にはこのプランに対しても違和感を感じていました。
ベテランの西口投手もリリーフに転向となり、
伊原監督の当初プランは岸・牧田・菊池雄星・野上・レイノルズ・岡本洋介投手、
全員上手く行けば、確かに先発投手は余るわけですが、
それ以外のメンバーの名前はなかなか出てこなかっただけに、
先発が足りなくなったらどうするのと不安視していました。
それに加え、昨年成功した十亀投手の投球スタイルが、
威力のあるストレートとカーブの緩急であったため、
リリーフでカーブを投げ切れるのかという不安も感じていました。

開幕してみると、その危惧は当たってしまい、
抑え候補のボウデン投手も期待外れだったことで、十亀投手が抑え起用され、
カーブを控えて結果が出なかったこともあり、
カーブを投げ出して成功するなど一定の変化もありましたが、
投球に劇的な変化は見られず、5月になると抑え失敗が続いて配置転換…
監督自らのプランをあっさりと反故にしてしまい、求心力を大きく低下させました。
加えて、調整期間も設けずに先発転向したため、転向当初こそ結果を残したものの、
7月になると股関節痛を訴えて離脱、結局、そのままシーズンを終えてしまいました。
本来なら、1年間ローテを守れる先発完投型投手、それを欠いたのは大きな痛手でした。
先発陣もレイノルズ投手と岡本洋介投手が大コケ、
先発投手が足りずに苦労したことは記憶に残っていることでしょう。


結局、投手・野手の両面において、伊原監督の主要プランは上手く行きませんでした。
いずれも戦力の厚みがあればこその用兵で、今のチームにそれは合致してませんでした。
競争意識を煽ることができないまま開幕を迎えてしまった上に、
真面目な秋山選手を言葉的に追い込む逆効果策で不調を長引かせてしまい、
また、全く使えなかった外国人選手を何度も使おうとして見切りが遅れてしまったりと、
細かな点も挙げれば、失敗のオンパレード…
やはり、それらは「戦力の見誤り」が主要原因だったように思えます。
伊原監督の起用で唯一当たったのは、ライトの競争作戦で、
木村選手と斉藤選手のシーズン中の活躍は、調子の上がらないチーム唯一の清涼剤でした…

③田辺監督代行の失態~緊急就任によるシーズン戦略性の欠如~
交流戦中盤に田辺コーチが監督代行に就任し、
それまで曖昧だった起用法を固定化させることで、チームを浮上に繋げました。
抑えは十亀投手が外されて以降、日替わりだったものの、左の高橋投手に固定し、
増田投手を8回のセットアッパーに回したことで、
勝ちパターンがようやく定まり、安定して戦えるようになりました。
打線でも2番に渡辺直人選手を固定し、1番秋山選手や9番金子侑選手の活躍、
途中加入のメヒア選手の活躍もあって、7月までは借金完済ペースで推移し、
監督交代効果は大きかったように思えます。
しかし、中村剛也選手と十亀投手を始めとして、怪我人が続出したこともあり、
8月に入ってからチームは大きく失速、最下位争いの5位に沈む結果となりました。

田辺監督代行の采配はオーソドックスでしたが、急遽監督に就任したこともあり、
シーズンを戦う上での戦略性がまるで見えてきませんでした。
まず、野手出身の監督らしく、続投させて後悔するよりも代えて後悔というスタンスで、
早めの継投を心がけていたようですが、あまりにも度が過ぎました。
好投していた先発投手を苦手とする左打者を迎えるからとスパッと交代させたり、
「もう代えるの?」という早すぎる継投がチームを蝕んだように思えます。
リリーフの軸である増田投手とウィリアムス投手は登板過多で一時離脱しましたし、
リリーフの登板過多の弊害でエース岸投手の長いイニングへの期待は膨らんでしまい、
肩の不安から何度か先発ローテを飛ばすことがありました。
登板するリリーフもなかなか結果が伴わないことが多く、
7・8月は先発好投するも、リリーフを投入して同点・逆転負けを喰らうシーンが多く、
早めの継投があまり実を結ばなかった印象が強いです。
ただ、若手を積極的に使ったこともあり、終盤は武隈投手と岩尾投手が安定、
リリーフ陣もある程度整備できたことは収穫ですが、チーム成績の犠牲も大きかったです…


野手に関して言えば、就任当初はオーダーを固定して戦っていましたが、
DHが使える試合でも中村剛也選手をサードで使ったり、
腰に不安のある渡辺直人選手をショートで使い続けたりと、
長いシーズンを考えた時に疑問符が付く起用法が多かったです。
結果、本来ならばオーダーを固定して戦わなければならない終盤の戦いにおいても、
故障者の関係もあって、オーダーは日替わりを強いられ、
打線の流れが定まらなかったことが得点力低下の最大の要因だったと思います。
怪我から復帰した浅村選手の起用法にしても、復帰当初は仕方ないにせよ、
役割を与えた方が結果を残す打者に対して6番起用を続けて調子が上がらず、
1番や3番に起用したのが8月後半から9月、あまりにも遅すぎました。
ルーキーの森友哉選手の抜擢したことは良かったものの、
それならば捕手としてだけでなく、ライトを守らせてみても面白かったと思います。
シーズン終盤には金子侑選手をライトで使ったりしていたわけですし、
早い段階から準備しておけば、森選手のライト起用も可能だった気がします。
捕手起用にしても、まだ3位の可能性が残る試合でも炭谷選手を外したて、
森選手や岡田選手を使ってみたりと、打てないならまだしも、
打撃で結果を残した翌日の試合でもスタメン落ちするなど、納得し難い起用もありました。
3位を狙いに行くのか、育成と割り切るのか、その方針が明確にならないまま、
シーズン終盤を迎えてしまい、中途半端な形に終わった印象を受けます。

シーズン終盤において、チームシーズン最多三振記録の更新が話題となり、
田辺監督代行が選手を批判するような発言が見受けられましたが、
その責任は選手にあるというよりも、首脳陣にあるように思えます。
三振する理由として考えられるのは、
 (1)ボール球に手を出す (2)初球から振れない (3)打席での集中力を欠く
だと思われますが、このうちの(2)(3)はチームの方針によるところが大きいです。
まず、シーズン序盤の伊原監督の下で、打撃を大きく制限したことにより、
調整不足もあいまって各打者の積極性が失われてたことで、三振が増えてしまいました。
逆に、田辺監督代行の下では自由に打たせることで、積極性が戻ったものの、
リリーフ投手陣の整備が遅れたことで思うように勝ち星が伸びず、
優勝争いからも3位争いからも転落したことで、打席での集中力が落ちました。
シーズン終盤は育成重視とも取れる起用法にシフトし、
各打者の打撃目標がさらにボヤけたものになってしまったように思えます。
そういった中で三振が増えてしまうのは致し方なく、
育成重視と割り切ったのなら、最多三振記録は全く気にすることなかったと思いますし、
逆に勝利重視でいたのなら、もっとチーム打撃を徹底させるべきでした。
とりわけメヒア選手はホームランの数が伸びるたびに、打撃内容が粗っぽくなり、
当初は見極めていた外角のボール球にも簡単に手を出す始末、
「タイトルがかかっているから」を免罪符としてお咎めなしでは他の選手へ示しが付きません。
中村剛也選手やメヒア選手がチーム打撃をするからこそ、
他の選手はよりチーム打撃を徹底せねばという気持ちが生まれるわけで、
例外扱いして雑な打撃を認めているようでは、チーム打撃など徹底できるわけもありません。


急遽、監督代行に就任したこともあって、
長いシーズンの戦い方、そしてチームとしてどう戦うのか、
それが曖昧なままにシーズンが終わってしまったことは無理からぬことではありますが、
正式に監督に就任した以上は、それらを疎かにして勝利を得ることはできないだけに、
いかにして田辺監督の野球の色を出していくか、
田辺監督の野球を選手やファンに理解させるか、がライオンズ復活の最大のポイントでしょう。


戦力面に関しては明日のドラフトが終わって以降に~

2014年10月08日

iSRAM

うっかり迂闊な事を書くと、捜査されかねない(苦笑)
ちなみに、あっちは「Islam」なので何の関係もありません。
メモリの話です、メモリ。つーか、そんな古いの使ってませんが(^^;

最近、どうも頻繁に強制シャットダウンがかかっちゃうようで…
何回かに一度、画面がグシャッとモザイクがかって再起動かかるから、
グラフィックカードの問題だとは思うのですが…
流用してきた一番古いパーツですし、ドライバも更新されずに古いままですからねぇ…
新しいグラフィックカードを買うか、AMDのAPUにするかで悩んでます。
なんだかんだでCPUもボトルネックになってますし、
新しいのにしようと思いつつも、予算の関係上、なかなか難しいのが悩みの種。

って、久々の更新誠にすいませんm(_ _)m
書いている最中に強制シャットダウンに遭って、飛んだことにしてしてください(爆)

ところで台風18号の影響ですが、自分の住んでいる場所はあまり影響ありませんでした。
15分ぐらい物凄い強風が吹いたと思ったら、すぐに晴れた… 時速85キロ???
しかし、東海道線の在来線の被害は甚大なようで、
興津駅付近のトンネル入り口でがけ崩れがあったらしく、
全線開通は20日予定で、台風19号次第ではさらに伸びる恐れがあるとか…
新幹線は通っているので、人の往来が滞ることはありませんが、
貨物とかどうするんですかねぇ?


先にストックしてあった分から掲載。
甲子園大会とか懐かしすぎる(^^;
近いうちに今シーズンのライオンズに関して書く予定。


◆過去のニュースネタ 盲導犬傷害事件に見る日本人の差別意識
盲導犬が何者かによって刺されて傷を負った事件の話は、
今や誰もが知るところで、そのことに対して怒りを感じるのは当然のことですが、
一方で何故にそのような事件が起きてしまうのかと考えると、
今の日本を取り巻く環境の危うさを感じずにはいられません。
この事件以外にも、ホームレス襲撃事件やヘイトスピーチの問題、
ありとあらゆる卑劣な差別意識に基づく事件に我々は怒りを感じながらも、
そういったものを許容ないしは黙認してしまう世相の存在を感じます。

これらの事件の原因は「自分と他人の差異」を認められず、蔑視してしまうことです。
必要なのは蔑視でも、可哀想だという憐憫や同情でもない。
必要なのは同感であり、自分も環境が変われば、同じ境遇になるという感覚です。
障害者の方に関して言えば、我々は死なないことはありえないし、
また、病気や怪我と一生無縁で過ごすことなどできないわけで、
そういった人生における苦しみといち早く向き合っている先駆者と考えられます。
障害者の方が健常者よりも劣っているわけではない。
健常者もいずれは老いたり、障害を持つわけです。
超高齢社会を向かえノーマライゼーションが叫ばれていますが、
今の障害者に対する待遇は、後に老人が向かえる待遇と同じなのであり、
そういった面で我々は人生の先輩として師を仰がねばなりません。

ホームレスに関して言えば、人生何が起きるか分からないということです。
順風満帆に見えた道であっても、一度の石ころに躓くだけで、
一気に転落していってしまい、そこからの脱出ができなくなることもあります。
様々な職業が起こり、滅びていく現代においては、
失業者の発生は当然の理であり、長期失業の結果、
ホームレスにならざるを得ないというのも、資本主義社会の弊害です。
それを本人だけの責任とし、「負け組」だと吠え散らかすことの何と恥ずかしいことか。
あなたよりさらに成功している人から見れば、あなたも「負け組」、
他人を見下して一時の快楽を得たとしても、現状は何も変わることがありません。
そんな社会の歪に気付かないままに、相手を見下すことは、
いずれその人も社会の歪に取り込まれ、相手に見下されて生きることになるのでしょう。

ヘイトスピーチに関して言えば、彼らの在日朝鮮・韓国人が優遇されているという批判は、
全くデタラメというわけではありませんが、それは待遇を受ける側の問題ではありません。
外交の基本は最恵国待遇、在日朝鮮・韓国人が優遇されているのであれば、
他の外国人の権利を引き上げるのが筋ですし、
日本人の生活保護等が薄いのであれば、政府にそれを要求するのは当然の権利です。
そうではなく、逆に相手を貶めて、日本から出て行けというのは何と無知蒙昧な振る舞いか。
ヘイトスピーチとデモの区別など容易、比較して下に見るか上に見るかの違いです。
30代の自分には在日朝鮮・韓国人に対する差別意識は表面化していませんでしたが、
自分の親の世代、50~60代では「チョン」と呼んだりして、
大人から子どもまで当然のように差別意識を持っていたようです。
そういった差別の歴史を顧みることなく、
そのような蔑視発言をすることの何と恥ずかしいことでしょうか。

イジメの問題もそうですが、こういった差別意識は親や大人から受け継ぐ面が大きいです。
今や世の中では体罰が悪いことのように扱われ、
「絶対に手を挙げてはならない」と思われていますが、
自分はやはり手を挙げてでも教えなければならないことは存在すると思っています。
その一つが「差別意識」、これはどこかで直さねば一生付いて回る不治の病です。
それこそ親や教師が手を挙げてでも、それを止めなければ、
差別の容認に繋がってしまい、イジメや悪戯、数々の事件を引き起こしかねません。

ただでさえ、「勝ち組」や「負け組」、貧富の格差や教育格差、
そういった格差の存在を是認する風潮が強まるにつれて、
優勢主義とも言えるエリートだけが存在すればいいような風潮が強まっていますが、
当然、下が存在しなくなれば、エリートの中でも階層が生まれるわけですから、
ピラミッドの頂点、最後の1人になり続けるまで、
我々は闘争を続け、相手を見下し、相手を蹴落としてでも伸し上がる社会になってしまいます。
競争だけを謳う社会は疲弊を生み、調和のみを謳う社会は怠慢を生む。
たった1人のための幸せでいいのか、より多くの人の幸せを願うのか、
そういった生きる上での、ごく当たり前のことから見つめ直していってもらいたいです。


◆高校野球ネタ タイブレーク導入の是非
甲子園大会開幕前に話題になったのが「タイブレーク導入」の検討でした。
まぁ、これに関しては答えが容易に出てしまうというか、
タイブレークは選手の保護が直接的な理由にはなり得ず、
主催者側の日程消化が最大の理由だと言うことができます。
もはや国民的行事にまで定着した高校野球を、
日程消化を理由に制度を改悪するのは問題でしょう。

仮にタイブレークが導入されたとすれば、
まだ発展途上にある高校生においては試合が完全に壊れてしまう恐れがあります。
一番怖いのが四球の連発。
常にピンチでスタートしますから、四球連発で試合が壊れる可能性が高いです。
また、当然点数が入りやすくなるわけですから、スコア的にも試合を壊してしまいます。
0-0の素晴らしい投手戦で来ていたものが、
延長タイブレークによって10-9とか、とんでもないスコアになったらどう思うか。
明らかにそれまでの9イニングまでとは別の試合ですよ。
打撃力のあるチームに優位な制度ですし、
延長再試合と比べても公平性が担保されない制度のように思えます。


◆高校野球ネタ 東海大四高・西嶋投手の超スローボール
甲子園大会で東海大四高の西嶋投手が球速表示されない超スローボールを投じて、
それを見た元アナウンサーがツイッター上で「なめている」と失言してしまい、
騒動になる騒ぎがあったようです。

これも答えは容易に出るわけで、明らかな「失言」でしょう。
これが、もし、緩い投球フォームでキャッチボールのように投げるのでしたら、
確かに「なめている」と言えないこともないでしょうが、
西嶋投手の場合は腕を上げるまでは同じ投球フォームで、
そこから山なり気味に超スローボールを投げるわけですから、明らかに異なります。
緩いフォームで緩い球は誰だって投げられます。
でも、普通のフォームで緩い球を投げることは至難の技です。
プロでも日ハム・多田野投手が超スローボールを投じたことがありましたが、
多田野投手の場合は明らかにフォームで分かってしまうわけで、完成度は低かったです。
それに比べても西嶋投手の超スローボールは完成度が高く、
ストライクと言ってもいいんじゃないかという高さに落ちることもあり、
素晴らしい球であったことは、球場の観客の完成から分かることです。
それを「なめてる」と失言してしまう辺りは、
己の見識のなさを暴露しただけだったように思えます。
ツイッター上とはいえ、一言の重さを感じますね。

そういう「なめてる」云々を言うならば、もっと他の部分があると思うんですがねぇ…
大差が付いた状況での余計な死球、当てても良いという態度の安易な内角攻め、
走者のスライディングとキャッチャーのブロック…
興奮しているとはいえ、アウトになってヘルメット叩きつける態度はどうかと…
肝心な部分は見過ごされ、どうでもいいところばかりがピックアップされてしまう、
正直、どこ見てんだ?と思っちゃいますね…