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ソチ五輪が閉幕

ロシアで行われていたソチオリンピックが閉幕を迎えました。
序盤は苦戦続きだった日本も、スノーボード勢の活躍もあって盛り返し、
終わってみれば、地元の長野五輪を除き、トップタイのメダル数を獲得するなど、
選手個々の活躍が光る大会となりました。

羽生結弦 男子フィギュア     金メダル
葛西紀明 ジャンプ男子ラージヒル 銀メダル
葛西紀明 ジャンプ男子団体    銅メダル
伊東大貴
竹内択
清水礼留飛
渡部暁斗 複合個人ノーマルヒル  銀メダル
平野歩夢 スノーボード男子HP   銀メダル
平岡卓  スノーボード男子HP   銅メダル
竹内智香 スノーボード女子大回転 銀メダル
小野塚彩那 フリースタイルスキー女子HP 銅メダル

スノーボード勢の活躍は多くの日本人にとっては意外だったものの、
世界ランキング上位だったり、大会上位を取るなど実績十分で、
十分にメダル圏内にいる実力者であったことが明らかになりました。
にもかかわらず、事前のマスコミ報道が皆無であったことを考えれば、
いかに偏向報道が強かったかということが分かります。
自分自身もそうですが、冬季スポーツに関してはまだまだ不勉強で、
それはマスコミもそう変わらなかった、その事実が明らかになりましたね…

そういう意味でも、高梨選手や浅田真央選手は、
マスコミの格好の餌食となってしまった印象を受けます。
特に浅田真央選手は『アスリート』というよりは『表現者』という印象で、
競い合うことに向いている性格とは思えないだけに、
過剰なメダルの期待が表現者としての彼女のスケートを潰した感があります。
それにしても、フリーの演技は感動しましたね。
それを見た日本の国民全員がメダルの有無を忘れる演技でした。
結果的には他の選手が得点を上回りましたが、どちらかというと、
浅田選手の高得点が上位陣のジャッジを引き上げさせた感があり、
客観的にもフリーの中で最も印象に残る演技だったことは間違いありません。

嬉しかったのはジャンプ競技の復活で、メダルを取れたことは朗報でした。
ただ、競技の内容を見ていると、ジャンプ個人では東欧勢の躍進が目立ち、
団体戦ではドイツとオーストリアが圧倒的な力を見せており、
複合競技もジャンプでの差が付かなくなっており、
クロスカントリーの重要性が増すなど、復活は道半ばな感もします。
こちらも継続的に海外遠征を続けるなど、
国と企業の積極的なバックアップが欠かせないように思えます。

スピードスケートに関してはショートトラックを含めて差が開く一方。
元々、戦前から難しい予想がされていただけに、
過去の実績だけで過剰報道されていた感があります。
こちらもかつてのジャンプ競技同様に根本的な立て直しが必要とされそうです。

それと印象的だったのは大会全般を通じての「ロシア色」の強さですね。
開幕時の記事にも書きましたが、ソチは黒海沿岸で、
中央アジアとヨーロッパに接する歴史的にも微妙な地域です。
そこでオリンピックを開催し、しかもロシア色を鮮明に打ち出すことで、
ロシアの中央アジアにおける政治的覇権を示した形となりました。
そう考えれば、日本もバカの一つ覚えのごとく「トウキョウオリンピック」と言わず、
「沖縄オリンピック」を開催するのも、真の領土的保全のように思えます。
まぁ、そういう頭が働かない点が、
受け売りだけで生きている国粋主義者共の限界なわけですが。
水泳の大会ぐらいは沖縄に持ってったらどうよ? 枡添知事、森善朗会長。


◆ニュースネタ 森善朗氏が浅田真央転倒コメントの余波
自民党の元総理で、今は政界を引退したものの、
2020年トウキョウオリンピックの大会組織委員会の会長も務める森善朗氏が、
フィギュア女子の浅田真央選手のショートプログラムの演技を見て、
「よく転ぶ」と発言して、波紋を呼びましたが、
発言の全容が伝わるにつれて容認論も聴こえてきましたが、
今度はアイスダンスのリード兄弟に対する発言や、
パラリンピックに関する問題発言が浮上しており、さらに波紋が広がっています。

私自身はどちらの発言も、元総理云々や個人の発言としてどうではなく、
大会組織委員会の会長として明らかに不適切であると思いますが、
ある意味では、その発言が今の自民党の体質そのものを現している気がします。
一言で言うと、「外国人蔑視」「障害者蔑視」、さらには「貧乏人蔑視」です。
彼らの中ではそれらは「日本人」ではないのでしょう。
リード兄弟の母親は日本人ですから、属人主義の日本では間違いなく「日本人」、
それをあんな言い方をするわけですから、純血主義のこだわりを強く感じます。

自民党の「日本人」観はきわめて限定的であると言え、
古くは「一億総中流」と言ったり、「単一民族国家」と臆面もなく言っていました。
実際の労働市場の状況も知らずに、
平気に最低賃金の撤廃を言ったり、非正規雇用の緩和、生活保護の打ち切り等々、
正社員になれない人間は日本人に非ず、無職は日本人に非ず、そう言わんばかりです。

そういった心無い発言の数々、近年の外交音痴ぷりを見ていると、
やはり、「二世・三世議員」だなと思ってしまいます。
他人の気持ちを考えないと言うか、考えようともしないと言うか、
外交は常に他国・相手があるのに、それを全く見ようとしないし、
見ている対象の生活をしっかりと見ないから「蔑視」に繋がる。
まぁ、正直、人としての程度の浅さを感じずにはいられません。

もっとも、そんな人間を簡単に支持してしまう国民も、同じ穴の狢なのかもしれませんが。

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