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プロ野球フレッシュオールスター

昨日、18日は秋田でフレッシュオールスター(2軍選手のオールスター)が行われ、
オールイースタンが7-1でオールウエスタンに勝利しました。
まぁ、結果自体は、イースタンが7球団、ウエスタンが5球団という不均衡を考えれば、
近年の傾向通りだと思うものの、パリーグの選手の活躍が光る試合だったと思います。

表彰選手だけ取っても、MVPにロッテの加藤翔平外野手、
優秀選手にロッテの木村雄太投手、日ハムの上沢直之投手と石川慎吾外野手、
ウエスタンからはソフトバンクの東浜巨投手が選ばれるなど、全てパリーグの選手でした。
唯一、ウエスタンでタイムリーを打ったのが、阪神・西田選手でしたが、
全体的にパリーグの選手が目立つ試合だったことは確かだと思います。

MVPを獲得した加藤翔平外野手は先制2ランホームランを放つなど3安打の活躍で、
ロッテの外野陣は角中選手を筆頭に、清田・岡田・荻野・伊志嶺選手と粒揃いですが、
角中選手以外はレギュラー固定というわけではなく、
長打も足もアピールできる加藤翔平選手は1軍で活躍できる可能性を秘めています。
実際にデビューでいきなりホームランを放つなど、結果を残しており、
きっかけさえ掴めれば、一気にブレイクする可能性がありそうですね。
木村投手も、先発左腕では古谷投手が、リリーフ左腕では松永投手と服部投手が頑張ってますが、
最初に期待されていたのは木村投手だったわけで、
先発の層はそう厚くないだけに、チャンスはあるはずです。
例年、夏場に失速しがちなロッテですが、若手の勢いがあれば、優勝争いに絡んできそうです。

現在4位の日ハムもチームの課題ははっきりしていて、
大谷選手が二刀流で打者としても先発としてもチーム内に占める比重が高くなる一方、
先発登板の前後は打者として出場できず、先発では中6日で固定できないなど、
どうしても1週間の中に空白期間ができてしまい、
そこを埋める外野手・先発投手がなかなか出てきていないのが現状です。
そのチームの課題を埋めるべく、石川選手と上沢投手という2人の若武者が出てきてくれ、
彼らの活躍次第では優勝争いに絡んでくる可能性が出てきそうです。

やや失速気味なソフトバンクにしても、攝津投手以外の先発投手の不安定さがネックで、
特に寺原投手とパディーヤ投手は故障がちで、何度も戦線離脱しており、
そういう意味では安定感のある先発投手は是が非でも欲しいところです。
そこに東浜投手が加わってくれば、自力のあるチームなだけの上位進出も可能です。
リリーフでは星野大地投手が結果を残してきていますし、
本番のオールスターに選ばれている千賀投手とともに、飛躍が期待される投手です。

一方、賞に絡む活躍はできなかったものの、西武の中崎・増田投手と金子選手も良い活躍でした。
特に金子選手は1適時打1四球2盗塁と足でアピールし、
2塁・3塁への盗塁を悠々決めるなど、快速をアピールしてくれました。
ロッテの木村投手が地元だったこともあり、譲る形となってしまいましたが、
本来であれば金子選手が選ばれていても全然おかしくなかったと思いますね。
片岡選手が怪我をしている現在、走れる選手はヘルマン・浅村・秋山選手らがいますが、
走れば確実にセーフになるという絶対的な足を持っているのは金子選手だけです。
最近はやや打撃で脆さを見せているだけに、これを機に再びアピールしていけば、
ライオンズの繋ぎの野球に金子選手の足という武器を加えることができるでしょう。
また、増田投手も前日に2イニングを投げたことは関係なしの圧巻の投球で、
打者3人にバッティングをさせず、詰まらせたフライに打ち取るなど、格の違いを見せました。
後半戦は外国人投手2人に繋ぐセットアッパーとしての活躍が期待されており、
防御率0点台のトリプル0が完成する日もそう遠くはなさそうです。

パリーグの中ではややオリックスのみが出遅れている形ですが、
戦力はあるチームなだけに、勢いに乗ると手が付けられず、まだまだ巻き返しは可能です。
前半戦は3・4月に西武が貯金独り占め、5月にロッテが好調で首位浮上、
交流戦になってソフトバンクやオリックスが勝ち星を伸ばし、
交流戦明けになると、楽天が好調で西武と日ハムが持ち直しの動きを見せるなど、
めまぐるしいほどに日々の順位が変わっていました。
後半戦も同様の形になると予想され、ファンとしてはやきもきした日々が続きそうです(^^;


◆ニュースネタ 婚外子の相続分、最高裁で違憲判決なるか?
…というニュースが話題になっています。
簡単に説明すれば、遺言なしに相続が行われた場合、
民法の規定では、相続における「子」は、結婚した女性との子ども(嫡出子)と、
結婚していない女性と設けた子どものうち、認知した子ども(非嫡出子)がいて、
非嫡出子は嫡出子の相続分の半分として、法定相続分が定められています。
これを巡る争いが最高裁で行われており、これまでは全て合憲として、
嫡出子と非嫡出子の相続分の違いは差別ではないとしてきましたが、
家族のあり方が変わる中で、判例変更となるかどうか注目されています。

ちなみに、法定相続分は、配偶者(妻・夫)と子ども達では配偶者が半分、
その半分を子ども達の中で分割するので、
仮に配偶者1人、嫡出子1人、非嫡出子2人なら、
妻1/2、嫡出子1/4、非嫡出子1/8ずつ、ということになります。
子どもがおらず、その子ども(孫以下)もいない場合は(いれば代襲相続)、
両親が生きていれば、妻2/3、両親1/3の配分となり、
両親も既に亡くなっており、兄姉弟妹がいるならば、妻3/4、兄姉弟妹1/4です。
勿論、遺言が残されていれば、遺留分を除けば、遺言の通りに相続されますので、
嫡出子だろうが非嫡出子だろうが、法定相続分は関係なくなります。

報道は、概ね、非嫡出子に同情的で、差別撤廃の立場で報道しているようです。
個人的にはその見方自体は悪くないと思います。
ただ、民法というのは、最初から差別的な法律であることを忘れてはいけません。
民法は私有財産を絶対とする法律ですから、持つべきものの味方、持たざるものの敵です。
例えば、民法においては借家人の地位はとても低く、
貸主の意に反すれば簡単に借家人の地位を失ってしまいます。
勿論、それでは現実的に不都合を生じやすいので、借地借家法で借家人を保護したり、
裁判所の判断によって救済を与えているのが現実です。
今の日本国憲法下の平等教育を受けてきた我々からすれば、
民法典そのものが極めて差別的な法律であると感じられることでしょう。


そういった観点から言えば、非嫡出子の相続分の差別は極めて不合理だとは言えません。
結局、民法の相続は何を「保護」しているのか、が問題なわけです。
つまり、民法が味方する「持てる者」、それは一般的には「婚姻関係にある者」のことで、
法律上の妻やその子どもが保護されるのは当たり前のことで、
むしろ、本来保護されないところを半分だけ与えてあげている、そう取ることができます。
まぁ、それではあまりにも不合理過ぎるので、そういう言い方はしていないでしょうが、
明治時代の起草当時からすれば、そういう考え方もあっただろうと思われます。
上記の「ちなみに」のところで法定相続分を列挙しましたが、
それでは配偶者が半分、子どもがその半分を折半というのも、正しい割合なのでしょうか?
これは夫が亡くなった場合なら、「内助の功」があるので正しいように思えますが、
これが妻が亡くなった場合で、夫は家庭を顧みず他に女を作っていた場合で、
家計は専ら妻が支えていた状況で、夫が半分、子どもが残りは折半は正しい割合でしょうか?
他にも個別のケースを見ていけば、
配偶者よりも子や両親、兄妹が優先される場合は当然あるでしょうし、
どこまでいっても「差別」と感じられる法定相続分は存在します。

では、何故、非嫡出子の相続分ばかりが問題となり、他が問題とならないのか、
それは「遺言」制度があるからです。
個々の問題は当事者において「遺言」で解決してください、民法はそういうスタイルです。
ですから、基本的に非嫡出子も「遺言」によって保護されてください、という話です。
ただ、得てして非嫡出子は「厄介者」扱いされることが多く、
遺言者からしても煙たい存在である場合も少なくないので、遺言でも保護されず、
家族内からも差別的な扱いを受けることが少なくありません。
そこで法律上の相続分の請求「遺留分」として、
法定相続分の半分の半分、1/4以下(個別のケースで変化)を請求することができます。
問題となってくるとすれば、この割合が多いか少ないかになるでしょうね。


(以下、3段落は本件ニュースとは別のやや難しい話になるので、読み飛ばしても可。)
また、この問題を別の観点から言えば、ニュースでは「婚外子」と言われていますが、
法律的に正確なのは「非嫡出子」であって、つまりは「夫が認知した子ども」です。
では、「妻が産んだ婚姻関係にない子ども」はどうなるかと言えば、
現行の法律では代理出産は認められていませんので、
基本的に女性がお腹を痛めて出産することは間違いないので、親子関係は当然に確定し、
嫡出子・非嫡出子の問題は出てこないため、当然に相続人になると考えられます。
つまり、妻が若い頃に密かに出産し、その子どもを認知した父親、
もしくは普通養子(特別養子の場合は相続人から外れます)に出していた場合は、
婚姻関係にない妻の子どもは法定相続人となり、婚内子と同じ相続分となります。
状況的には非嫡出子とほど同様のケースなのに、差異が出るのは不合理にも思えてきます。

加えて、実子に限らず、養子も嫡出子と同じ立場になります。
これを血縁関係のない子どもだって満額相続できるのに、
血縁関係にあるが母親が婚姻関係にない子どもの相続分は半分なのをおかしいと思うか、
それとも「家族」という枠組みの維持が大事なのだから、
養子といえども相続できるのを当たり前と考えるのか、見方によって変わるでしょう。
別に血縁関係にあるはずの非嫡出子であっても、養子とするのは何ら問題がないわけで、
平和裏に解決できるのであれば、非嫡出子を養子とすればいいだけの話にもなります。
また、協議離婚だろうが離婚調停だろうが、離婚が成立してしまえば、
母親が再婚することによる「婚姻準正」によって「嫡出子」の身分を取得することになり、
相続分が増えることになります。
一方で前妻の子は、一旦得た「嫡出子」の身分を失うことはないので、
家族構成が変わらない限りは、相続分は同じということになります。
それも不均衡と言えば、不均衡かもしれません。

民法の意図からすれば、相続における保護対象は「婚姻関係の下の家族」だったわけで、
これだけ結婚・離婚・内縁関係が増えてきますと、保護対象を絞りきれなくなります。
昔であれば、「女帝」のようなイメージの、不特定多数の男達と子どもを作り、
その相続が問題になるケースなど考えもしませんでしたが、
現在であれば、そういうケースを完全に否定し切ることはできません。
これに、もし「代理出産」を認めることになれば、家族関係はさらに複雑化することになり、
母親の親子関係さえも特定されないケースが出てきてしまいます。
そこまで行けば、完全に法律の想定外の事実ということになるわけで、
いずれにせよ、現在の民法の家族制度が現実に適合していないという批判は免れません。
一方で、その制度趣旨からすれば、これらのケースは本来否定されるべき事柄であり、
「嫡出子」「非嫡出子」という区別の方法自体に問題があり、
区別するのであれば、婚姻関係にある父母の子であるか否か、になってきましょう。
日本の家族制度、婚姻制度を大事にするのであれば、
上に例を挙げたように、嫡出子であろうとも相続分が半分になるケースも想定されるべきです。
事の正否は、結婚制度をどう考えるかで変わってくるでしょうが、
少なくとも判断基準が「嫡出子」「非嫡出子」で可能となる時代は終わった気がします。


(以下、上記内容のまとめ)
結論としては、問題は「何に法律上の保護を与えるか」ということで、
今の民法は「婚姻制度(結婚)に基づく家族」に対して大きな保護を与えており、
それが非嫡出子(婚外子)の法定相続分の「区別(合理的差別)」に繋がっていました。
それを改めるということは、「婚姻制度」の利益が揺らぐことにもなりかねず、
非嫡出子の差別がなくなれば、今度は内縁の妻の相続が問題となるでしょうし
(内縁の妻は離婚時の財産分与は可能も、法定相続の対象にはならない)、
そうなれば、もはや結婚のメリットは存在しないと言っても過言ではありません。

一方で現実が婚姻制度の下を離れている事実も見過ごすことはできず、
結婚・離婚・再婚が頻繁になってきており、婚姻届を出さない事実婚も増えており、
どの家族に、誰に保護を与えるべきなのかを一律に判断できなくなってきています。
実際に同居している家族が大事なのだとすれば、
事実上破綻している婚姻関係に縛られる必要はないと思いますし、
逆に非嫡出子や内縁の妻に相続を認めてしまえば、今度は「離婚」が機能しなくなります。
財産分与の手間を考えれば、離婚せずに事実婚状態を続けた方が楽だからです。
あちらを立てばこちらが立たず、この問題が敢えて放置されてきたのも、
そういった理由があったからでしょうが、
まだ放置を続けるのか、一歩踏み込んで婚姻制度全体を考え直すのか、
難しい判断に迫られていることは事実です。

こうして結婚・離婚が有名無実化してくれば、
「代理出産」の問題、「婚姻年齢」の問題、「近親婚」の問題、
果ては欧米で流行の「同性婚」の問題など、いくらでも差別的な取り扱いは出てきます。
それらをどこまで許容でき、どこまで法律上の保護を与えるべきなのか、
全ての問題を踏み込んで考えると、難しい判断を迫られていると言わざるを得ません。
当然、最高裁が判断を下す時は、そこまで考えなければならないわけで、
実際にどういう決定が下されるか分かりませんが、
国民全体・マスコミは婚姻制度全体についてもっと考えるべき時期に来ていると思います。

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