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センバツ高校野球が開幕

今年は85回目の記念大会ということで、出場校は例年より多く、36校となっています。
例年だとプロ野球開幕前に球春到来を感じさせる風物詩ですが、
今年の場合はWBCがあったため、それほど楽しみという感じはありませんでしたが、
徐々に盛り上がっていくことを期待したいです。

開会式の選手宣誓は非常に上手くまとまっていて良かったのですが、
文部科学大臣のスピーチは話題がコロコロ変わり、全く要領を得ず、
国会答弁と勘違いしているかのような所信表明演説にはウンザリしました。
東京五輪招致やいじめ・体罰問題、それらの繋がりが全く無く、意味不明でサッパリ…
そういう話は他でやれよといった感じです。
全くお祝いのスピーチという雰囲気はなく、
不祥事があって校長先生が全校生徒の前で説教している雰囲気に近かったですね…


【大会1日目】
第1試合は敦賀気比が初回のビッグイニングで11-2で沖縄尚学に勝利、
第2試合は岩国商が履正社に1-0で完封勝利、
第3試合は常葉菊川が9-5で春江工に勝利しました。

第3試合では静岡県の常葉菊川が出場したので応援していましたが、
第1試合で同じ福井代表の敦賀気比が大勝していたこともあり、
春江工も手強そうだなと思っていましたが、実際に前半は春江工ペース、
坪田投手のカーブに手を焼き、打っても外野定位置付近までしか飛ばない、
これは中盤後半勝負だろうなと見ていたら、徐々にストライク・ボールがはっきりし、
真ん中にボールが集め始めたことで、長打攻勢で得点を積み重ねての勝利となりました。
森下監督が復帰したことで、打線は持ち前のフルスイングを取り戻し、
ややオーバースイングにも見えましたが、最後までしっかり振り切る姿勢は好感が持てました。
とはいえ、まだ春で投手のスタミナがそれほどないからこそ捉えられたわけで、
この先を考えれば、フライよりもライナー性の打球を打つことを心がけて欲しいです。

選手個人では春江工の2年生捕手の栗原選手が楽しみな存在だと感じました。
高校生の捕手としては強肩ですし、前半のリードは悪く無かったです。
打撃はそれほど目立ちませんでしたが、チームでは4番を打っていますし、
来年に向けての成長が楽しみな選手です。


【大会2日目】
第1試合は遠軽がいわき海星に3-0で勝利、
第2試合は鳴門が宇都宮商に2-1で勝利、
第3試合は聖光学院が益田翔陽に8-0で大勝、
第4試合は盛岡大付が安田学園に4-3でサヨナラ勝ちしました。

この日の第3試合以外は投手戦を軸とする接戦となったものの、
最終的には甲子園経験メンバーがいる鳴門と盛岡大付が競り勝った形です。
遠軽は初出場だったものの、近年はあと一歩で負けて準優勝に終わるなど、
届きそうで届かなかっただけで、実力自体はあるチームなので順当な結果でしょう。


【大会3日目】
第1試合は初出場の尚志館が大和広陵に2-1で逆転勝利、
第2試合は北照が菰野に7-0で大勝、
第3試合は浦和学院が粘る土佐を振り切って4-0で勝利しました。

第1試合では大和広陵が逃げ切りそうな雰囲気でしたが、
尚志館が最後の最後でよく粘り勝ちました。
大和広陵の2年生エース兼4番の立田投手はストレートが最速143キロで、
右打者の懐にも回転の良いストレートが投げられる好投手で、
縦のカーブも良く、素材の良さを感じさせてくれました。
ただ、まだ原石といった感じで、下半身を上手く使えておらず、
ストレートは腕が振り切れずに高めに浮くことが多く、
その分だけ詰まらせてもヒットになってしまい、そこが逆転負けに繋がりました。
まだ2年の春ですから、下半身を中心にしっかりと鍛えていけば、
バランスのいいピッチャーに育っていくと思います。

第3試合は残念ながら最終回しかチェックすることができず。
印象としては土佐が粘り強く戦っていた感じでしたが、最後に突き放されましたね。
浦和学院の2年生エースの小島投手は先輩の須永投手を彷彿させる感じですが、
まだ2年生ですので、さらに力感が出てくると楽しみです。
それにしても、今年の甲子園大会は2年生に好素材が多い印象です。


【大会4日目】
第1試合は仙台育英が創成館に7-2で勝利、
第2試合は早稲田実業が龍谷大平安に4-2で逆転勝利、
第3試合は高知が関西に5-1で勝利しました。

第1試合では神宮大会を制した優勝候補の仙台育英が登場。
鋭いスイングでライナー性の長打を連発し、打線の強力さが目立ちました。
驚いたのは4番上林選手の2打席目のタイムリーで、
スライダーがベース手前でワンバウンドしたのにも関わらず、
ゴルフのスイングのように当てて外野の定位置前まで飛ばし、
深めに守っていた外野手が捕れずにタイムリーになる珍打?がありました。
投手力は突出しているわけではないものの、鈴木投手も馬場投手も好投手で、
優勝候補の一角であることは間違いなさそうです。

第2試合と第3試合は中盤まで主導権を握られながらも、
接戦のままに試合終盤に突入しての逆転勝利という試合でした。
自分の予想としては負けた側が勝つと見ていただけに、
この2試合連続の逆転負けは野球の怖さを思い知らされましたね。
試合の主導権を握り損なうと流れが一気に傾いてしまうということなのでしょう。
それにしても、第3試合の終わり方は悔いが残りますね…
4点差で2アウト3塁、ワンバウンドの球で飛び出すような状況ではないのですが…
侍ジャパンの内川選手の走塁と同じような心理状況でしょうか。
つくづく走塁は難しいと感じます。


◆プロ野球ネタ 侍ジャパン敗退の様々な理由
私個人としては「捕手のリード」「大振りとなった打線」「山本監督の采配」を挙げましたが、
他にスポーツ紙では「決勝ラウンド進出という目標達成によるモチベーション低下」
「山本監督・東尾コーチらと若い選手との意思疎通のなさ」などが挙げられているようです。

それらには頷くところも多いのですが、「投手起用が一定しなかった」というのはどうでしょうか。
確かに、抑え候補の浅尾投手がメンバーを外れ、エースと期待した田中投手が不調で、
戦いながら投手陣を再編せざるを得ず、結果的にそうなってしまったことは確かですが、
ただ、それは短期決戦ではよくあることで、それは一切言い訳にならないはずです。
スポニチの記事(こちら)で、
「起用法が見えないし、中途半端に投げたくない」と言った投手は誰でしょうか?
そんなことを言う選手は短期決戦に必要ありません。二度と国際大会に出ないでください。癌です。

最近は短期決戦の日本シリーズでも、先発・中継ぎ・抑えと起用法を固定するケースが多く、
なかなか役割を超えた投手起用が見られなくなっており、
上記のようなバカなこだわりを持つ投手がいることこそが、日本のぬるま湯体質を明らかにしています。
最近の日本シリーズでのスクランブル登板というと、2008年西武の岸・石井一久・涌井投手ら、
2011年ソフトバンクの攝津投手の抑え起用ぐらいでしょう。
西武は渡辺監督、ソフトバンクは秋山監督、いずれも黄金時代の西武出身の監督で、
当時は調子の良い先発投手を大胆に次ぎ込むことが普通だったんですがねぇ…
改めて戦術レベルの低下を嘆くとともに、低くなった選手の意識に呆れ返ってしまいます。


「統一球」に関しては問題があると思うものの、WBC公認球との違いは難しい問題です。
メーカーの問題はどうしようもない壁ですし、仮にそれを乗り越えて同じボールを使ったとしても、
日本の自然環境とアメリカの自然環境は大きく異なるわけですから、
違和感はどこまでいっても消えないと思われます。
それよりはストライクゾーンでしょうか。
実際に試合を見ていても、昔ほど外に広いと感じなくなってきました。
かなり審判による個人差が大きい印象で、ストライクゾーンを広くする必然性はなさそうです。


◆ライオンズネタ オープン戦の結果
まずは週末のオープン戦3試合の結果から。

【22日金曜日 3-5 横浜戦】
開幕投手が決まっている岸投手は7回無失点と安心のピッチング、
開幕に向けて順調に仕上がったという感じです。
問題は2番手のサファテ投手で、エラーでランナーを出した後の四球が…
その後に登板したウィリアムス投手と長田投手も打たれてしまい、
大石投手の抑えテストができなくなってしまいました。
もうサファテ投手は2軍スタートでいいと思います。つーか、何で投げさせたの?
長田投手とウィリアムス投手はやってもらわないと困るだけに、
残り試合で1度登板させて不安を無くしたいところですね。

打線は6回まで藤井投手に抑えられるなど、元気がなかったものの、
7回に帰ってきた炭谷選手のタイムリーなど3点を取ることができました。
好材料は炭谷選手が2安打と結果を残し、
スピリー選手も口火を切る2ベースなど2安打を放って結果を残したことでしょう。
逆に不安要素は、1番の金子選手が結果を残せておらず、打線の巡りが悪いことと、
浅村選手の当たりが止まっていることでしょう。
再び1・2番が低調となっているだけに、浅村・秋山選手に戻すのか、
秋山選手だけを上げるのか、もう一度考え直した方がいいかもしれません。

【23日土曜日 3-4 横浜戦】
22日の試合以上に内容の無い試合で… 開幕が心配になってきてしまいます。
先発の菊池雄星投手はストレートの走りが悪かったようで、5回4失点で降板に。
レフトに不慣れなスピリー選手の拙い守備もあったので、3失点は許容範囲ですが、
4失点目がワイルドピッチによる失点だったというのが印象悪かったですね。
ピンチでもう少し粘れていたら、評価されていたと思うのですが。
もう一度、ピンチでの投球を見直し、開幕までに修正してもらいたいです。
岡本篤志・坂元・長田投手のリリーフ陣はぼちぼち。この3人は開幕1軍でしょう。
抑えの大石投手はランナーを出したものの、代打の中村紀洋選手を打ち取り、
開幕1軍と抑え切符を手中にしつつあるように思えます。

打線は初回の2得点以降は、2安打に抑えられてしまい、3点止まり。
22日の試合に続いて栗山選手がスタメン落ち、
7回に代打で登場してタイムリーヒットを放つも、すぐ代走で交代、
足の違和感か何かで大事を取っているのでしょうか?<左太腿痛で大事を取ってとのこと
仮に栗山選手がスタメン出場できないとなれば戦力的に厳しいだけに、不安要素です。
また、金子選手と浅村選手の状態も相変わらず。
片岡選手は粘れるようになり、四球をよく取るようになりましたが、
ヒットはあまり打てていないだけに、1・2番に元気がない状態です。
1・2番を中心にどう打線を立て直すのか、大きな懸念材料です。

【24日日曜日 5-3 横浜戦】
WBCから戻った牧田投手が先発で5回を投げ、
涌井投手が4回を投げ、それぞれ失点したものの、内容は良かったので、
特に調整期間を設けることなく、そのまま先発ローテに入りそうです。
先発の牧田投手は順調すぎて球数が5回61球と少なすぎたのが懸念材料ぐらいで、
投げるスタミナが戻っているならば、心配ないでしょう。
涌井投手は味方のエラー絡みで2点を失ったものの、ズルズル行きませんでしたし、
ストライク先行で投げられていたようなので、こちらも心配はいらなそうです。

心配していた打線は16安打を放ち、最後の最後で調子を取り戻しました。
相変わらず四球でランナーを出してくれる投手には強いようです。
逆に制球の良いタイプには手こずるだけに、そこはシーズンに向けての課題ですね。
今日の試合では随所に今年のライオンズが目指すべき野球が見られ、
2回裏1アウト1・3塁での場面では片岡選手がセーフティスクイズを成功させ、
3回裏ノーアウト1・2塁の場面では金子選手がスリーバント(失敗に終わる)、
3回裏1アウト1・2塁の場面ではヘルマン選手と大崎選手がダブルスチール成功、
5回裏1アウト1塁で永江選手がヒットエンドランを決めるヒットを放つなど、
随所で足を絡めた攻撃を見せてくれました。
チームとしてもセンターを中心のバッティングが多く見られるなど、
繋ぎの野球を体現することができていたように思います。


次に、キャンプ・オープン戦で見られた課題ごとの結論を記しておきます。

【先発ローテ争い】
順に、岸・菊池雄星・十亀・野上・牧田・涌井投手の6人で決定打と思われます。
2カード目の先発順は分かりませんが、野上投手と涌井投手は似たタイプですので、
牧田投手を真ん中に挟んだ方がローテに変化が生まれると思われます。
これにより、ベテランの石井一久投手がローテを外れることとなりますが、
いつでも交代可能ですから、若い3投手は春先からしっかりと結果を残して欲しいです。

【守護神争い】
大石投手で確定でしょう。
本命視されていたサファテ投手は球速のわりに打ち返されることが多く不安定に。
ただ、大石投手がそのままスンナリと固定されればいいのですが、
まだフルシーズン1軍で戦ったことがないだけに、
サファテ投手やシコースキー投手、ルーキーの増田投手との入れ替えも考えられます。

【二遊間争い】
ショートは永江選手、セカンドは片岡選手でスタートするのは間違いなさそうです。
ただ、ショートの永江選手はまだ高卒2年目、経験不足から来る壁もあるでしょうし、
片岡選手は手術明けでまだ万全ではないだけに、流動的な要素は多いです。
交流戦を考えれば、打撃の良い浅村選手が二遊間を守る必要性が出てきますし、
ルーキーの金子選手もセカンドでの出場機会は十分考えられます。

【4番の穴】
中村剛也選手の復帰が遅れており、早くとも交流戦明け、
現実的にはオールスター明けが復帰時期だと予想されます。
その間の4番打者はオーティズ選手で確定した感があります。

【外国人枠争い】
ウィリアムス投手とオーティズ・ヘルマン選手の3人は確定。
現時点は強打者が不足していますので、もう1人はスピリー選手だと思われますが、
リリーフに計算違いが出てきた場合はサファテ投手との入れ替えも考えられます。

【1・2番をどうするか】
今日の試合では片岡・秋山選手の1・2番を組んで打線が繋がりましたが、
同時に3番浅村選手が4打数4安打1四球と大当たりだったことも見逃せず、
依然として1・2番は流動的な要素を抱えています。

数字は正確ではないものの、自分なりに1・2番候補のオープン戦の成績を計算したところ、
ヘルマン選手が出塁率.442 4盗塁、
秋山選手が出塁率.361 1盗塁、永江選手が出塁率.354で盗塁なし、
金子選手が出塁率.342 5盗塁、片岡選手が出塁率.333で盗塁なし、
浅村選手が出塁率.328 4盗塁というのが手持ちの集計です
(数字の漏れがあると思われるので、正確な数字ではありません)。
ただ、統一球導入後は先頭打者が出塁しても、得点に結びつきにくい傾向があり、
1番打者には出塁率だけでなく、ノーアウト1塁ではなくノーアウト2塁にできる要素、
盗塁成功率の高さや長打率も求めらるようになっています。

この中で長打が圧倒的に多いのが秋山選手で、2ベース・3ベースも狙えます。
長打は少ないものの盗塁で2塁を狙えるのがヘルマン選手と金子選手。
出塁率はそこそこも、長打も盗塁も狙えるのが浅村選手となります。
片岡選手は怪我の再発の危険性からオープン戦での盗塁はなく、
持ち前の足がどれだけ戻っているのか、まだ分からない面があり、評価ができません。
以前よりもボールをよく見るようになったことで、四球が飛躍的に増えており、
そういう意味では2番打者としての起用は十分考えられます。

この中で欠かすことができないのは秋山選手で、クリーンナップの起用も考えられますが、
最も期待できる栗山選手の前のチャンスメークを任せたいところです。
積極的に打つタイプというよりも、配球を読んでじっくり打つタイプですので、
1番よりも2番向きだと思いますが、場合によっては1番起用もありでしょう。
片岡選手の場合は足が使えるかどうかが大きなポイントで、
積極的に走れるなら1番打者に最適ですが、そうでないなら2番か7番でしょう。
浅村選手は役割を与えた方が結果を残すタイプなので、どの打順で使うにせよ、
明確にビジョンを与えた方がいいと思われます。
浅村選手自身は1番打者のビジョンを持っているので、その意味では最適、
3番打者のビジョンは中島選手で持っていることが今日の好結果に繋がったのかも。
6番や7番で使う場合は首脳陣が明確なビジョンを与えてあげて欲しいです。
個人的にはやはり浅村・秋山選手の1・2番が推しで、
次点で秋山・片岡選手の1・2番、片岡・秋山選手、金子・秋山選手の1・2番と続きます。

【先発】岸、菊池雄星、十亀、野上、牧田、涌井(石井一久)
【右リ】長田、岡本篤志、坂元、岡本洋介
【左リ】ウィリアムス
【抑え】大石、(サファテ、シコースキー、増田)
【捕手】炭谷、上本、星孝典
【一塁】オーティズ、浅村
【二塁】片岡、金子
【三塁】ヘルマン、山崎
【遊撃】永江
【外野】栗山、秋山、スピリー、大崎、坂田、熊代
1(一)浅村、2(中)秋山、3(左)栗山、4(指)オーティズ、
5(三)ヘルマン、6(右)スピリー、7(二)片岡、8(捕)炭谷、9(遊)永江

戦力的には整いましたが、左のリリーフが手薄になってます。
松永投手が肩痛で遅れている影響がモロに出ています。
小石投手や宮田投手、中崎投手、先発候補の武隈投手、ルーキーの高橋投手ら、
左腕投手の台頭が待たれます。

打順は1・2番とともに7番打者をどうするかが課題で、
打力を考えれば、浅村選手を下げたくなりますが、
後ろを打つ炭谷選手はバント・エンドランが上手なので、
勝負強さと足を使える選手を置くのがベターでしょう。


パリーグのライバル球団に関しては開幕直前に詳しく分析しますが、
やはりソフトバンクが一枚抜けている印象があります。
戦力補強はしたものの、まだチームとしてのまとまりがない楽天とオリックス、
若手が伸び悩んでいてベテラン頼みの日ハムとロッテに分けられると思います。
ソフトバンク以外は戦力が揃っているとは言えないので、
戦力が整うまでにソフトバンクに走られないよう混戦に持ち込めるかがポイントでしょう。

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