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WBCはドミニカ共和国が優勝

ワールドベースボールクラシックの決勝戦が行われ、
ドミニカ共和国が3-0でプエルトリコ代表を下し、8戦全勝で優勝を決めました。
ドミニカは優勝候補の大本命と言われ続けてきただけに、
その本命チームの優勝によってWBCは国際大会として箔が付く可能性が高いでしょう。
興行的にはアメリカが2次ラウンドで敗退した誤算が大きく、空席も目立ちましたが、
結果としては主催者側も納得という形で終わったように思います。
優勝したドミニカ共和国の皆様、優勝おめでとうございます。
日本はまだWBCでドミニカと対戦したことがないだけに、
次回大会こそはディフェンディングチャンピオンを破っての優勝となるように、
日本プロ野球のレベルアップを祈りたいです。

ドミニカ優勝関連の記事では、こちら
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130320-00013354-toyo-soci&p=1
この優勝でドミニカの野球熱がさらに高まり、
野球とともに教育水準の向上が図られることを期待したいですね。


◆プロ野球ネタ 緻密な日本野球の再生の鍵となる「埼玉西武ライオンズ」
敗因分析は先日の分析に間違いはないようなので、そちらをご覧いただくとして、
情緒的な面を言えば、一番最初に書いた「情けない」という感想であったのが悲しいです。
負けて「悔しい」という気持ちが微塵も沸いてこないんですもん。
試合終了後に内川選手がベンチで涙していましたが、
以前のWBCで韓国に負けてイチロー選手が吼えたように、
どれだけの選手が悔しさを表現したのか。
また、試合中にどれだけ必死でひたむきなプレーを見せてくれたのか。
負けても溜飲が下がるような場面がなかっただけに、何の感慨も抱けませんでした。
あの試合を思い返すと、アメリカ代表を全く笑えませんよね…

スポーツ紙上では早くも次のWBCに向けての話題も出ていますが、
昨日も書いたように、緻密な日本野球を取り戻すためには、
埼玉西武ライオンズが頑張っていかないとダメでしょう。
統一球導入後の堕落した野球では国際試合に対抗できないのが明らかになったわけですし、
ボールに左右されない日本の緻密な野球の形を再度追及していかないとなりません。

その要になるべき選手は炭谷銀仁朗選手であることは間違いないです。
今回の侍ジャパンにも召集され、試合にはオランダとの順位決定戦ぐらいしか出れませんでしたが、
その中でストライクゾーンや外国人打者への攻め方といった国際試合の違いを認識したことでしょう。
考えて見ますと、野村監督に師事した名捕手とえいば、
ヤクルト・古田捕手、阪神・矢野捕手らがいたものの、
ヤクルトも阪神もFAで獲得したキャッチャーが後釜に座ることになり、その系譜が途切れており、
森監督に師事した伊東捕手が細川捕手を育て、伊東監督となってからは炭谷捕手を育てており、
その流れの中で代表クラスの捕手まで育ってきたのが炭谷捕手であり、
12球団の中で唯一の名捕手の系譜の中にいる若手捕手だと言えます。
まだまだ打撃は物足りなく、守備でもワンバウンドの処理には課題を抱えていますが、
炭谷選手が日本を代表する捕手に育つことが次回以降のWBCに繋がっていくように思います。
日本の緻密な野球の伝統を受け継ぐ名捕手へ、炭谷選手の成長が日本野球復活の鍵です。

そういう視点から西武ライオンズという球団を見ていきますと、
80年代後半から90年代前半の黄金時代からメンバーが総入れ替えとなり、
その歴史の中で親会社の不祥事による身売り騒動や首脳陣や編成部の入れ替えもあったものの、
常勝西武の伝統は少なからず引き継がれ、未だに多くの可能性を秘めた球団だと言えます。
現状、日本唯一の大砲である中村剛也選手を始め、高い盗塁技術を持った片岡選手、
今大会でもアンダースローで沸かせた牧田投手、多彩な変化球で引き出しの多い涌井投手ら、
日本の緻密な野球の復活に欠かせない能力を持った選手が数多くいます。
指導法にしても、土井正博元コーチの当てるのではなくしっかりとスイングする指導が定着しており、
後述する盗塁に対する考え方、送りバントの精度など、高いレベルにあります。
もっとも、近年は守備の拙さやいぶし銀と呼ばれる繋ぎの打者の欠如が課題となっていましたが、
守備では昨年から奈良原コーチが就任して強化に乗り出しており、
黄金時代の辻選手のようないぶし銀の系譜も2軍に高木浩之打撃コーチが就任したことが、
繋ぎの野球の真髄の復活となれば、日本の緻密な野球を体現することができるでしょう。
今大会で地に落ちた日本の緻密な野球を復活させるためにも、
炭谷選手を中心に、若いライオンズの選手がさらなる成長をすることを期待したいです。

…と、書き終えたところで、親会社の西武HDの心配なニュースが飛び込んできました。
大株主となっているアメリカ投資ファンド会社のサーベラスが、
西武秩父線の廃線を含むリストラ策を提案し、これを西武HD側が拒絶、
サーベラス側が敵対的TOBを表明するなど、対立が激化しているようです。
もし、サーベラス側が主導権を握ることとなれば、
球団の資産価値を認めてきた後藤社長の退任を始め、球団身売り騒動が再燃する可能性もあります。
株価が好調なうちに再上場する方がサーベラス側にも得だと思うんですが…
開幕前に懸念材料が解消されることを祈りたいです。


◆プロ野球ネタ WBC準決勝でのダブルスチールに関して
WBC準決勝8回1アウト1・2塁、阿部選手の打席での盗塁死に関してですが、
その後の報道等によれば、出ていたサインは「ダブルスチール」で、
走るタイミングは2塁走者に任せる形だったようです。
ですから、山本監督の「走れたら」ではなく、「走れ」のサインで、
いつ走るかは選手任せといった形だったようです。
そうなると、やはり2塁ランナーの動きを見ていなかった内川選手が悪いのですが、
走者を見ていたとしても、戻りきれずに捕手からの牽制死となっていた可能性もあるので、
内川選手ばかりを責めることもできません。

野球のセオリーから外れていることには異論がなく、
2点差という状況で左打者の阿部選手、
右打者ではないので、相手捕手のモリーナ選手から3塁は死角にならず、しかも鉄砲肩、
2塁走者の井端選手は決して俊足とは言えず、相手の隙を付いたとしても成功確率は低いです。、
もし、成功したとしても1アウト2・3塁、ヒット1本で同点となる可能性が生まれるも、
それならば1アウト1・2塁で同点になる可能性がないかと言えば、そうでもなく、
右中間が極端に広い球場なので、左打者の阿部選手が引っ張れば1塁走者も十分還れます。
カウントによってはランエンドヒットもかけられますし、
わざわざ盗塁というリスクを背負うこともなかったはずです。

唯一、考えられるとすれば、阿部選手がその前の打席で左投手のセデーニョ投手に全く合わず、
チャンスで空振り三振に倒れていたので、同じタイプのロメロ投手にも期待薄と感じ、
犠牲フライかレフト方向への単打を期待した場合でしょうか。
それでも、阿部選手の打席では1点しか入らないわけで、2点差で取るリスクではありませんし、
あれだけ阿部選手のチームだと言っておきながら、
最後の最後は全く信頼していなかったということになってしまいます。

最も傷ついた選手は1塁ランナーの内川選手で、
次がスタートを切りきれなかった2塁ランナーの井端選手ですが、
そんなサインを出され、信頼してもらえなかった打者の阿部選手も傷ついたことでしょう。
総合的に見て、リスクが高すぎる作戦だったのは間違いなく、
ベンチの「思いつき」で野球をやってしまったということでしょうね。


そもそもですが、侍ジャパンに見られた「隙があったら走る」という姿勢は、
私個人の盗塁観からすれば、「盗塁」として認めていません。
それはメジャーや近年の日本で見られる点差が付いた状態での盗塁は記録しないのと同じで、
単なる進塁行為に過ぎないとみなしています。
真の「盗塁」とは、「走れる状況で走る」ことで、
どんなに警戒されていても走って次の塁を奪う高尚な行為です。
そういった考え方からすれば、侍ジャパンの盗塁はセコイ行為にすぎず、
名前を「鼠小僧ジャパン」に改めた方がいいんじゃないの?、とさえ思います。
そんな考え方をしているから、盗塁王は打撃三部門より下に見られるんですよ。

つまり、「盗塁」というのは走れる状況が常に限定されていて、
負けている展開では1点差、同点、勝っている展開でも1~2点差の状況です。
試合前半で成功確率が8割以上ならば、2~3点の間でも走っても構いませんが、
それ以外の状況ではデメリットがメリットを上回ってしまいます。
2点差以上負けている状況では、盗塁したランナーを還しても追いつかないので、
ランナーを貯めることが大事になってきますし、
勝っている展開でも、一か八かの盗塁が失敗してしまえば、流れが相手に行ってしまいます。
ペナントレースでの数字を見ていると、俊足ランナーの盗塁成功率は平均7~8割、
キャッチャーの盗塁阻止率は3~4割ぐらいで、
ヒット・四球で出塁する確率よりも、盗塁の方が、数字上、成功しやすいのですが、
実際の盗塁数はホームラン並みに少ない、それは何故でしょうか?
それはやはり失敗のリスクが高いからでしょう。
野球の鉄則としてキャッチャーに打たせるなと言われますが、
盗塁阻止はそれと同じで、相手バッテリーを乗せてしまう可能性が高くなります。

具体的に走れる状況を提示しますと、
例えばノーアウト1塁の状況では100%の自信がない限りは走ってはならず、
1アウト1塁なら80%の確率で走ってもよくなり、
2アウト1塁で打者が2ストライクと追い込まれている状況ならば、
打順によっては盗塁が失敗しても走るべき状況が生まれます。
打席に立っているのが1番打者や主軸を打つ打者で、
次の回の先頭打者から始めた方が得である場合などです。
ただ、同じ状況であっても、フルカウントになれば1塁走者はスタートを切れるので、
長打力のある打者の場合は慌ててスタートを切らずにカウントを整える選択もあります。

また、盗塁の姿勢を見せていれば、相手投手はクイックをしなければならず、
コントロールの乱れを期待できますし、配球的に緩い球や落ちる球が使いにくくなります。
ですから、敢えて「走らない」のも盗塁を利用した作戦です。
件の1アウト1・2塁の状況であれば、
国際大会ということで相手の走力を正確に把握しているとは言い難いだけに、
2塁ランナーが走る姿勢を見せるだけでも、打者のアシストになった可能性があります。
プエルトリコの投手陣はテンポが速かったですし、
前半から出塁して警戒させるだけでも展開は違っていたでしょうね。

最終的には首脳陣の「盗塁」に対する状況判断の悪さが足を引っ張った感は否めません。
もう一度、日本の緻密な野球を取り戻すためにも、
「盗塁ができる状況」を正しく把握して欲しいです。


◆ライオンズネタ オープン戦の結果
【19日火曜日 7-5 巨人戦】
先発の十亀投手は5回1失点で粘り強く投げていたものの、
6回に3安打を集中され、押し出し四球を含む3失点で降板、
後続の投手も打たれて合計5失点となってしまいました。
それでも5回までは課題の立ち上がりやランナーを出してからの粘り強い投球が見られ、
昨年よりも先発投手としてワンランクアップしたことは感じられます。
あとは勝てる投手となれるかどうか。先発ローテ入りの可能性は高いでしょう。

打線は地方球場ということで、若手中心のオーダーとなりましたが、
9番永江選手が復活の2安打を放つなど活躍し、11安打7得点を挙げました。
レギュラー捕手は炭谷銀仁朗選手で決まりでしょうが、
上本選手も星孝典選手も打撃で結果を残しているだけに、
もし炭谷選手が打撃で苦労するようなら簡単に代えられてしまう可能性もあります。
チーム内の競争が激化していますね。
ただ、外野手争いに関してはもう少しアピールをして欲しいところ、
残り1枠のライトはまだ決め手を欠くという状況ですね。
心配なのは片岡選手が痛みを訴えて途中交代したこと、長引かないといいのですが…


【20日水曜日 1-3 巨人戦】
先発の野上投手は5回無失点の好投も、6回に2本塁打を浴びて逆転を許してしまいました。
球数が80球と少し多めに推移していただけに、一番キツイ回となってしまったようです。
能力的には十分先発を任せられることは分かっただけに、
あとは終盤まで試合をきっちり作ることができる色々な意味でのスタミナが必要ですね。
そこを課題として開幕まで調整していって欲しいです。開幕2カード目の先発は確定でしょう。
心配なのはサファテ投手で、2アウトから連打を食らって1失点、
良い時と悪い時とがはっきりしていて、計算できない状況です。
抑え投手としてはちょっと怖いかなという感じがしてしまいます。
残りのオープン戦3試合で大石投手の抑えテストを行い、その結果次第となるでしょうね。

打線は相手先発の宮国投手に抑えられ、犠牲フライによる1点止まりでした。
それでも9番の永江選手が連日の2安打を放つなど、レギュラー獲得へ向けて結果を残しています。
これまではレフト方向へ流してのヒットが多かったのですが、今日はライトへ引っ張ってのヒット、
打撃練習を嫌いと言わずに、もっと自信を持って臨んでいってもらいたいです。
ただ、自慢の守備の方で2試合連続でミスがあったようなので、
守備を売りとする選手なだけに、その点はしっかりと反省してもらいたいです。

打順の方は片岡選手の欠場により、1番セカンド金子・2番センター秋山選手で、
6番ライトでスピリー選手が入るオーダーを組みました。
仮に片岡選手が開幕に間に合わず、サファテ投手が1軍枠から外れるようなら、
今日のオーダーの形になりそうですね。
ただ、ルーキーの金子選手に一時の勢いがなくなっているだけに、
残りの試合で1番打者としてきっちりアピールできるかどうか、その点に注目したいです。


明日はオープン戦が組まれていない練習日で、そこからWBC組が1軍に合流するようです。
残りは3試合で金曜日のみ横浜スタジアムで、土日は西武ドーム、
特に日曜日は天気が懸念されているだけに、ドーム開催は嬉しいですね。
金曜は開幕投手の岸投手で、土曜は菊池雄星投手、7イニングと予想され、
長田・ウィリアムス投手を繋いで大石投手の最終テストが行われると思われます。
日曜日は微妙ですが、石井一久投手を2軍登板に回し、
牧田投手と涌井投手に1試合任せて先発テストをするかもしれません。
となると、サファテ投手が開幕1軍から漏れる可能性が強くなってきました。
あとは炭谷選手の調整ですが、打順がよく回るように2番打者で使ってもいいかと。
最終戦はベストオーダーで行くでしょうが、
金曜・土曜は実戦から離れている炭谷選手にできるだけ打席を回してあげて欲しいです。

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