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侍ジャパン、準決勝で敗退

ワールドベースボールクラシックの決勝ラウンドが行われ、
マスコミが3連覇へと囃し立てる中、準決勝でプエルトリコに1-3で敗退し、
侍ジャパンのWBCが終了してしまいました。
…まぁ、なんつーか… 一言で言えば、「情けない」試合でしたねぇ…

勝敗を分けたポイントはいくつかあると思うのですが、
1つ目はキャッチャーの差、
2つ目は中田選手のすり足打法放棄を認めたことによる打線の淡白化、
3つ目は最後まで一貫性のなかった山本監督の采配、でしょう。

1つ目のキャッチャーの差ですが、プエルトリコも4番キャッチャーのモリーナ選手で、
攻守に渡ってチームを引っ張る中心選手ということで、
侍ジャパンの4番キャッチャーでキャプテンの阿部選手とは共通する点が多くありました。
攻撃面でモリーナ選手が機能したとは言いづらいのですが、
守りでは、焦る日本の打者にストライクからボールになる変化球を振らせるなど、
チームの中心線主として引っ張り、見事にチームを勝利に導いていました。
それに対して、阿部選手は、致命的な一発となった7回の2ランホームランの場面では、
確かに能見投手のチェンジアップが真ん中に行ってしまった完全な失投だったものの、
阿部選手の構えている位置も真ん中付近で、リードの意図が全く見えませんでした。
前回も能見投手は1イニング目は完璧だったものの、2イニング目から乱れ始めており、
先頭打者に打たれたヒットも高めに抜け気味となったストレートで、
ホームランを打たれる前のシーンもコントロールが甘く、
あわやのファールも食らっており、非常に危ない雰囲気が満載でした。
それにも関わらず、バントやエンドランを警戒してなのか、
簡単にストライクを取りに行こうとしてしまうあやふやなリード、ぶっちゃけ、ありえません。
バッテリーが一発に対する警戒を完全に怠っていたと言わざるを得ません。
他にも涌井投手がピンチで登板した場面、セオリー通り行けばいいのに、
裏をかいてのストレートを打たれて満塁としてしまったり、
リードの意図が理解できない場面が多く見られました。
大会を通じて、阿部選手のリードは味方投手を十分信頼していないように見えてしまい、
データを重視し過ぎたり、裏をかこうとしたりして、リードがバラバラに見えました。

2つ目はオランダ戦以降の打線の調整方法です。
今日の準決勝では各打者が粘る場面がほとんど見られない淡白な打撃が多く、
最後はボール球の変化球を振って三振に終わるという日本らしくない攻撃が目立ちました。
その中でも顕著だったのは中田選手の打ち上げるバッティングで、長打狙いが裏目に出ましたね。
一方のプエルトリコの打者は、イメージと裏腹に大きなフライを打ち上げることは少なく、
ほとんどが外野定位置前のライナー性の打球によるヒットで、
日本のやりたかった野球をプエルトリコにやられてしまった感じです。
打線が淡白になった最大の要因は、オランダ戦のチームメイトのホームラン量産で業を煮やした
中田選手の求めに応じて、すり足打法ではなく、足を上げるフォームを容認したことでしょう。
それによってチームの方針が貫徹されなくなり、オランダ戦でのドームランを引き締めるどころか、
個人主義なバッティングを容認する結果となって、チーム打撃が崩壊してしまいました。
今日の試合に臨むに辺り、それが最大の懸念材料だったわけですが…
残念ながら、東京ドームでの「勘違い」が尾を引いてしまったように見えました。

3つ目は山本監督がどういう野球をやりたかったのか、最後まで見えてこなかった点です。
最初は堅実に送りバントで送る作戦を取っていましたが、失敗も多かったことで貫徹されず、
東京ドームに移ってからは華々しい花火攻撃となったことで、さらにカラーを失ってしまいました。
それなら、それで5回裏のノーアウト1塁の場面、
糸井選手に送ると見せかけてバスターしても良かったはずですし、
どうしても送りバントで進めたいのならスリーバントしても良かったはず、
追い込まれたらヒッティングとは中途半端もいいところです。
チームとしてバントをきっちりやる野球なのか、打者によって攻撃パターンを臨機応変に変えるのか、
打者任せに打たせていくのか、ランナーを動かしてかき回すのか、最後まで一定しませんでした。
継投にしても無難な継投に終始した印象が強く、
今日の試合でも打たれてからピッチャーを代えるという最悪の継投で流れを失ってしまいました。
打たれる前に代える攻めの継投や、敢えて打たれた投手に任せるような信頼感の継投が全くなく、
バタバタとピッチャーを後手後手に代えていく印象しかなかったですね。
例えば、9回はビハインドでも牧田投手を投げさせても良かったですし、
負けたら終わりなのですから、田中投手のブルペン待機も十分考えられたはずなのに、
とても今日しかない戦いをしているようには見えませんでした。
山本監督の采配で唯一のヒットと言えるのがオランダ戦での鳥谷選手の1番起用で、
それ以外の面は残念ながら采配が上手く行ったようには見えませんでした。

もう一つ、全くもって理解しがたいのが、8回1アウト1・2塁阿部選手の打席での盗塁失敗ですよね。
1塁ランナーの内川選手は盗塁のように2塁を目指すも、
2塁ランナーの井端選手は一度スタートを切りかけた後に帰塁、内川選手が挟まれてタッチアウト。
これにより反撃ムードが完全に萎み、阿部選手も凡退して反撃の機会を失ってしまいました。
普通に考えて、この場面でダブルスチールはあり得ないですし、
仮に台湾戦での鳥谷選手の盗塁で味をしめたのなら、2塁ランナーに代走を送っているはず、
万が一にもダブルスチールだったとしても、この場面の主要目標は2塁ランナーの進塁で、
1塁ランナーは最悪挟まれてアウトになっても良いわけで、
前の2塁ランナーの動きを必ず見ていなければならず、2塁ベース手前まで見ないのはどうかと…
試合後の山本監督の話によれば、「ダブルスチールしてもいいというサイン」だったそうですが、
それこそ「中途半端でありえない」サインだと言えましょう。
何ですか? 成功したらベンチの作戦で、失敗したら選手の責任だとでも言うのですか?
そういう選手任せの中途半端さであやふやな態度が致命的なミスを呼び込んだと言えましょう。
こういった状況判断の狂いが出てしまう辺りも日本の野球らしくないですし、
下手に走者を動かそうとする辺りも、采配に狂いがあったと言わざるを得ません。
台湾戦の鳥谷選手の盗塁を褒める論調を多く見かけましたが、
こういったリスクを伴うだけに、やはりあり得ないセオリーを外れた作戦だったと思います。


そんなわけで、本来の侍ジャパンの野球をすれば、決して負けなかった試合ではあったものの、
これが一発勝負の怖さで、一つの狂いが多くの狂いを生んでしまったように思います。
ただ、第1回・2回で日本が言ったように、勝ったチームが強いわけですから、
残念ながら今年の日本はプエルトリコよりも弱かったことは確かです。
それでも最低限の目標は達成できたわけですし、
侍ジャパンのメンバーにはプレッシャーの中で激闘を繰り広げ、お疲れ様でしたと言いたいです。
負けはしたものの、頑張った選手達は暖かく迎えたいですね。

……
………と、最初は思ったものの、温かい論調が多すぎるので、敢えて厳しく接しようかと(^^;
日本の野球レベルが4年前より下がったのは間違いありません。その事実はしっかりと認識すべきです。
一番悪いのは統一球がメジャー球に近いと喜んで導入した野球機構ですが、
安易な戦い方に転落した各球団・選手にも責任がありますね。
結局、当初の懸念どおり、戦い方を変えなかったのは西武だけという惨状で、
それも中島選手のメジャー行きと中村選手の欠場でどうなりますか…
スモールベースボールへの転換必要でしょうが、
それでもコツコツ当てるのではなく、しっかりとしたスイングで振り抜くこと、
ボール球を追いかけずに後ろの打者にしっかりと回すこと、
バント・エンドランをきっちりと決めること、走塁は状況判断を第一とすること、
キャッチャーは対角線リードを基本とすること、これらの伝統はしっかり守って欲しいです。


◆プロ野球 WBCに見る日本プロ野球の課題
今大会を通じて明らかになった課題は大きく分けると2つあり、
1つ目は「統一球導入による戦術レベルの低下」、
2つ目は「送りバントに対する技術軽視」で、
1つ目を細分化すると、「投手レベルの低下」「捕手リードの安直化」「博打走塁の弊害」です。

1つ目の「統一球導入による戦術レベルの低下」ですが、
これに関しては導入初年度から日本の投手レベルの低下を懸念していました。
先日のオランダ戦の順位決定戦のところでも書きましたが、
今のプロ野球は外角にしっかりと投げきれば大丈夫という風潮が強いように思えます。
敢えて内角を攻めるまでもなく、一発はないから外角一辺倒で抑えられるということです。
まぁ、要するに昔の野球ゲームですね(苦笑)
しかし、日本人選手にはそれで抑えられても、
リーチの長い外国人選手はそこにバットが届いてしまう、だから国際大会で打たれてしまうわけです。
おまけにその外角の勝負球もストライクゾーンで十分なので、ボールにする緻密さも低下、
さらに日本投手陣の武器であったフォークボールの落差も統一球では低下したことで、
主力がスライダー投手ばかりになったことも、リーチの長い外国人打者に苦戦した要因だと思います。

また、統一球は投手だけでなく、野手陣のレベル低下も招いていると思います。
最もレベルが下がったのがキャッチャーで、
外角中心のリードでも十分抑えることができるようになったことで、配球レベルが下がり、
さらにフォークボールの重要性低下によって、ワンバウンドの処理技術が下がってしまいました。
リーチの長い外国人選手に対してはもっと内角を突かないといけないのに、
長打を恐れるあまりに投げきれない場面が目立ち、外角一辺倒になりがちでした。

攻撃面では得点力が下がったことで、送りバント等の緻密な野球が増えましたが、
同時に積極的な盗塁や博打走塁が増えてきていることも確かです。
普通にやっても点数が取れないのなら、一か八かでランナーを動かして点数を取る、
そういう野球が統一球導入後は増えました。
一昨年前にソフトバンクが場面に関係なく走りまくって盗塁を稼ぎまくり、
そのことを批判したこともありましたが、あまりにも盗塁死のリスクを軽視しすぎています。
走ってアウトになってもいい場面、一か八か走れる場面、100%でない限り走ってはいけない場面と、
それぞれあるはずなのに、全てが一か八かの盗塁になっている印象さえ受けます。
先日の台湾戦の鳥谷選手の9回2アウトからの盗塁にしても、成功してたから賞賛されたわけで、
古くからのライオンズファンは覚えていると思いますが、
9回2アウトでA・カブレラ選手の打席で、松井稼頭央選手が盗塁を試みてアウトで敗戦となり、
その後、しばらくの間、松井稼頭央選手が盗塁イップス気味になったことがありました。
自由に走っていい俊足の選手であっても、走る場面を間違えると大変なことになるということです。
その日の勝敗だけでなく、その後の戦い方にも影響してしまうわけです。
そういった走塁面の状況判断が、以前よりも低下している印象を受けます。

野球の国際化に対応するために導入した飛ばない「統一球」ですが、
時間短縮の広いストライクゾーンの導入もあいまって、投手に過保護な状況になっています。
それが日本野球の「ガラパゴス化」を招きつつあるのではないでしょうか。
そういった危惧を今回のWBCを通じて強く感じましたね。
少なくとも、ストライクゾーンは少し狭くする必要があり、
ボールの見直し、反発係数を代えるのではなく、縫い目を少し変えてフォークを投げやすくするなど、
投手絶対有利な状況が是正されるような対策を施す必要があると思います。


もう一つは統一球とは関係なく、全体的に送りバント技術が低下している感じがします。
バントが代名詞だった高校野球でも、バントしないチームが増えてきており、
正しいバントの姿勢が伝わりにくい状況になっているように思えます。
今回のWBCでも角中・松井稼頭央・糸井選手らがバントを失敗する場面があり、
安心してみていられたのは鳥谷選手ぐらいで、日本野球の緻密さに危惧を感じました。
バントを失敗する選手と成功する選手の差は明らかで、
ボールに対して手だけ動かす選手は失敗し、体を動かす選手は成功する、その差だけです。
バントを構えるときはヘッド(先端部分)を斜め上にするのが基本姿勢で、
その基本姿勢を崩さずに平行に体を動かせば成功し、
小手先だけでバントをしようとして、バットのヘッドが下がってしまうとファール・フライになります。
勿論、その基本は選手も分かっているのでしょうが、打球の角度や転がす強さを気にする余り、
バットを手元に引いてバントしてしまったり、ボールを手で追っかけてバントしたりと、
基本を忘れてしまったバントをプロ野球や高校野球でも数多く見かけます。
もう一度、バントの基本に立ち返って小技の重要性を再認識してもらいたいですね。

今大会で最も活躍した選手は中日の井端選手なのは間違いなく、
井端選手は送りバントを始めとして、
際どい球をカットしてファールにする技術、右方向へ打ってランナーを進める技術に長けるなど、
日本の緻密な野球の体現者とも言える選手です。
そういう選手こそが国際舞台でも安定した活躍を見せることができるのですから、
豪快なメジャーの野球に憧れるだけでなく、
日本の野球の長所を再認識し、技術の伝承・習得を行っていって欲しいです。
日本人がいくら筋トレしても、ロッテのGG佐藤選手のようになるだけなんですから、
日本人に合った技術をもっと大事にして欲しいと思います。


課題の解決方法は色々と考えられるでしょうが、
個人的には持論である外国人枠の完全撤廃を訴えたいです。
投手のレベルが高い日本と打者のレベルが高いキューバが組めば、
日本の野球は、より一層、上のレベルを目指せることでしょう。
日本の野球が完全なガラバゴス化してしまう前に、
メジャーに負けない開かれた日本球界を作り、レベルの研鑽に励んで欲しいです。


◆ライオンズネタ WBC準決勝で涌井投手が登板 & オープン戦の結果 & レギュラー争い
侍ジャパンには涌井・牧田・炭谷選手の3選手が参加していますが、
決勝ラウンドで出番があったのは涌井投手だけでした。
その涌井投手ですが、結果は0/3で1安打を浴びたものの、
ストレートの球威が戻り、スピードも140キロ中盤をマーク、
カット気味のスライダーのコントロールも戻るなど、状態的には非常に良かったと思います。
もう少し内角シュートで攻めたり、緩いスラーブを投げる勇気があれば、打ち取れてたと思います。
日本に帰国後に問題となるのは、先発調整もそうですが、先日の週刊誌の報道による処分ですよね。
巨人の杉内投手は罰金で済むようですが、涌井投手は昨年も同じようなことがあり、
その時は1ヶ月以上戦線を離れさせられただけに、そういったペナルティがないことを祈ります。
順調に行けば、開幕2カードの登板は難しくとも、その後はローテ入りすると思われます。


さて、話を国内に戻し、それぞれのオープン戦の結果を簡単に振り返っておきます。

【14日 木曜日 5-3 中日戦】
関東地方は肌寒い陽気で、その影響を受けたのか、先発の野上投手は制球に苦しみ、
6回途中まで投げて5四球と大荒れだったものの、
要所を締める投球で3失点に止め、なんとか試合を作ってくれました。
今季はここまで少し制球に苦しんでいる場面が見られ、その点では不安が残るものの、
先発投手として大事なことは試合を作ることなので、評価的には悪くないでしょう。

問題は抑え投手で、サファテ投手が先頭打者にヒットを許すと、
四球を与えて傷口を広げてしまうなど、再び不安定なピッチングに。
結果的に無失点に抑えたものの、1試合ごとに危なっかしい内容が付きまといます。
一方の9回に登板した大石投手は、先頭打者に四球を出したものの、
しっかりと後続を打ちとって無失点ピッチング。
先頭打者に四球を与えたのは良くないことですが、大事なのはランナーを出した後で、
打たれた後に四球でランナーを溜めてしまう方が悪いわけで、
その点でも大石投手の方が好結果だったと言えます。

【15日 金曜日 2-1 中日戦】
開幕投手候補の岸投手はランナーを出しながらであったものの5回無失点ピッチング、
内容的にもまずまずで、開幕に向けて順調さをアピールしてくれました。
他にも涌井投手や牧田投手の名前が挙がっていますが、
起用法や時差を考慮すれば開幕登板は難しいだけに、岸投手で決まりだと言えそうです。
2番手の坂元投手は好調さをアピールする三者凡退で、
右リリーフの開幕1軍を巡る争いが激しくなってきました。
抑え候補の大石投手は連投テストが行われ、
平田・大島選手らを打ち取る三者凡退のナイスピッチング。
特に平田選手とはストレートとフルスイングの真っ向勝負で熱い戦いだったようです。
このまま行くと、大石投手が抑えになりそうな感じですが、
一度抑えに据えたのなら、失敗があろうが抑えで使い続けてもらいたいです。

打線は14日に引き続き、1番金子・2番片岡・3番栗山・4番ヘルマン・5番秋山選手という流れ、
ヘルマン選手を4番に使うなら、栗山選手を使った方がと思うものの、
外国人枠や有事に備えての4番テストなのでしょう。
加えて、秋山選手の5番テストの意味合いもあるように思います。
14日の試合ではその秋山選手と7番起用の浅村選手が適時打を放つなど結果を残し、
15日の試合では二遊間争いを繰り広げる金子選手と片岡選手が3安打と猛アピールしました。
片岡選手はまだ手首の不安があるようなので、どういう起用法になるか分かりませんが、
その存在感は今のチームに不可欠なだけに、少なくとも1軍に置くのは間違いありません。
無理をさせずに様子を見ながらの出場になるのか、強行出場となるのか、
今後の浅村・永江・金子選手らの働き次第でしょうね。

【16日 土曜日 0-2 巨人戦】
先発の菊池雄星投手は先頭打者への四球と暴投によって1点を失ってしまったものの、
その後も3四球を与えるなど、余計な四球は多かったものの、
ストレートは常時140キロ後半をマークするなど、内容的には非常に良かったようです。
これで開幕カード2戦目の先発は決定的だと言えそうです。
今年こそ二桁勝利を挙げてもらいたいですね。
リリーフ陣では坂元投手が好調さをアピールしており、
岡本篤志投手らもうかうかしていられない状況になってきました。
抑え候補のサファテ投手はエラーによるランナーを出しただけの無失点ピッチングとし、
開幕1軍へ向けて踏み止まった形です。
仮に、好調さを買って大石投手を抑えに据えたとしても、
サファテ投手を8回のセットアッパーとして起用する可能性もあるので、
開幕1軍に向けて今後もアピールを続けていって欲しいですね。

攻撃面では散発の4安打に終わり、久々の完封負けを喫してしまいました。
個人的見解を言えば、ヘルマン選手の1番はやっぱり合わないように思います。
盗塁の多さや出塁率の高さを考えれば、1番に最適のバッターなのですが、
どちらかと言えば、ボールをじっくり見ていくタイプなので、それほど脅威を与えません。
1番打者には1球でも多く投げさせるしぶとさが求められがちですが、
一発勝負の高校野球や国際大会でならそれは当てはまりますが、
毎日試合が続くプロ野球には当てはまらないと思われます。
それよりは、先発投手自身も自分の調子が分からない手探りな立ち上がりを、
積極的に狙い打っていくバッターの方が、プロ野球では1番に向いていると思います。
しぶとい打者はランナーを置いた状況や、後ろに怖い打者がいると生きるわけで、
そういう打者は2番・3番に置くべきでしょう。

【17日 日曜日 3-1 阪神戦】
先発の石井一久投手はランナーを出しながらも要所を締める投球で5回1失点の好投でした。
前回は味方のミスがあったとはいえ、大量失点しただけに心配していましたが、
これで開幕カード3戦目の先発に間に合いそうな感じですね。
リリーフで登板した岡本洋平・岡本篤志・ウィリアムス・サファテ投手は1安打投球で、
ややピークは過ぎたものの、オープン戦で12球団最高打率を誇る阪神打線を封じたのは、
一つの自信になると思われます。
2番手の岡本洋平投手は連続四球にワイルドピッチと大荒れでしたが、
無失点で凌げたことは自信になるでしょう。
抑えテストのサファテ投手も結果を残し、大石投手との争いは最後まで続きそうです。

打線は今日の打順が現時点での渡辺監督の理想のオーダーだと思われます。
 1(右)金子、2(二)片岡、3(左)栗山、4(指)オーティズ、
 5(三)ヘルマン、6(中)秋山、7(一)浅村、8(捕)炭谷、9(遊)永江
以前、片岡選手を上位打線に置く理由として、
後ろの栗山・中島選手らが直球系統の球を狙いやすくなるためと語っていましたが、
この打順はそれを重ねたものだと言えます。
1番に俊足で積極性のある金子選手を据え、直球系統に強い片岡選手を2番に、
5番のヘルマン選手が再び足を使うことができるので、秋山・浅村選手をアシストでき、
浅村選手も隙があれば走るだけの脚力があるので、
炭谷・永江選手でもエンドラン等の足を使った攻撃をすることができます。
急造ながらも、16・17日の試合で金子選手がライトで無難な守備を見せたことで、
この足を使ったオーダーが完成したと言えます。
…まぁ、もっとも、あくまで「理想」なわけですが… それは後述。


次に、ここまでのキャンプ・オープン戦の結果を想定してのポジション争いは…
【先発】 岸、菊池雄星、石井一久、牧田、十亀、野上
【2週目以降】特に問題がなければ、石井一久投手を一旦抹消して涌井投手と入れ替え
【中継ぎ】ウィリアムス、長田、岡本篤志、坂元、岡本洋介、小石
【抑え】 大石、サファテ
【捕手】炭谷、上本、星孝典
【一塁】オーティズ、浅村
【二塁】片岡、山崎
【三塁】ヘルマン、金子
【遊撃】永江
【外野】栗山、秋山、スピリー、大崎、坂田、熊代
あとは外国人枠の争いと、右の外野手を中心に誰が生き残るか、でしょう。

外国人枠の争いは、ウィリアムス・ヘルマン・オーティズ選手の3人が確定、
残りはサファテ投手とスピリー選手の争いですが、サファテ投手が一歩リードですかね。
ただ、1・2番タイプの繋ぎの打者が多い一方、
ランナーを還す主軸打者の不足が打順編成に苦慮している最大の理由なだけに、
他のライト候補、坂田選手や大崎選手の結果次第では逆転1軍もありえますが、
金子選手のライトという選択肢が出てきたことで、
スピリー選手は2軍スタートで始まる可能性が高いと思われます。

二遊間争いは決定ではないものの、ショート永江・セカンド片岡選手で行きそうです。
ただ、永江選手は一時打撃を復活させたものの、ここ数試合はいまひとつで、
残りのオープン戦での本番モードの投手にどれだけ対応できるかがポイントとなりそうです。
片岡選手は万全な状態ではなく、不安を抱えながらのプレーになっているだけに、
本人の自覚症状次第では控えに回る可能性もあります。
心配なのは守備・走塁で頭から飛び込むことに不安があることで、
守備ではダイビングキャッチができず、走塁では頭から戻れないためにリード不足となるので、
そういった不安が解消されない以上、片岡選手のセカンドは確定とはならないでしょう。
交流戦や中村選手の復帰後には、とりあえずファーストに入っている浅村選手が、
オーティズ選手に弾き出される形となるので、セカンド争いに再参戦する可能性がありそうです。
ショートは守備範囲的に問題はないものの、スローイングに不安を抱えているだけに、
難しい面があると言わざるを得ず、
それよりも浅村選手にはセカンドで日本一の選手になってもらいたいです。

打順で問題なのは、先に指摘したように、金子・片岡・永江選手ら1・2番タイプが多いのに対し、
ランナーを還せる打者が少ないということでしょう。
ヘルマン・浅村・秋山選手らも、本来は1・2番タイプではあるのですが、
長打力と勝負強さを秘めているだけに、他の打順でも起用が可能となり、
それが彼らに5~7番を打たせる打順編成が続いている理由だと思われます。
昨年までのように中島・中村選手がいれば、1・2番でも使えるのですが、
今のチーム事情からすると、ランナーを還す役割を期待せざるを得ません。

とはいえ、スモールベースボールに必須なのは先頭打者の出塁で、
近年、1・2番の出塁率の悪いチームが優勝した例はありません。
ルーキーの金子選手と復活を期す片岡選手の1・2番が機能すればいいのですが、
客観的に見て、経験の浅いルーキーと病み上がりでブランクのある選手では、
どこまで計算できるのか分からない面があります。
この1・2番コンビが機能しない場合は、昨年の浅村・秋山選手の1・2番に戻したり、
浅村・片岡、浅村・金子、片岡・秋山、金子・秋山、秋山・片岡といったように、
新しい1・2番のケースも想定することも必要だと思われます。
現状では3番栗山・4番オーティズ・5番ヘルマン選手は固定でいいとして、
その前後を残り試合でどう固めていくかが最大の問題でしょう。

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