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自公の圧勝、民主党の大惨敗で政権交代へ

16日に衆議院議員総選挙が行われ、結果は自民党と公明党の圧勝で、
自民党が単独過半数以上の294議席を占め、公明党も31議席と伸ばし、
連立が濃厚な自公政権で2/3以上の議席を占めることとなり、
仮に参議院で法案が否決されても、衆議院で再可決することが可能となりました。
事前の予測報道でも自公に優位な数字が出ていましたが、
近年の選挙と同じく、より過激な結果が出た形です。
まぁ、勝ち馬効果(バンドワゴン効果)って奴ですかね。

投票率は59.32%と伸び悩み、
前回の平成21年の政権選択選挙や平成17年の郵政選挙には遠く届かず、
戦後の総選挙では過去最低だった平成8年を下回る過去最低の数字となりました。
投票率の低さが、農協や経団連といった支持母体を持つ自民党の強さに繋がり、
公明党=創価学会の支援もあって反民主党政権の批判票をも取り込むことになり、
さらに無党派層が民主党・維新の会・みんなの党などに割れたことで、
自公の大勝、民主党の大惨敗となったのでしょう。


今回の選挙で言えることは、主に2点あります。
1つは「二大政党制は定着していなかった」ということでしょう。
民主党が大惨敗を喫したのは、政権運営の拙さによる批判票が主ではありますが、
それにしてはあまりにも負けすぎました。
自民党が農協や経団連といった有力な固定支持層を持つのに対して、
民主党は連合ぐらい、その連合自体も労働組合の組織力低下の憂き目に遭っています。
結局、民主党を政権与党まで押し上げたのは、浮動的な無党派層の支持によるもので、
それが移動して失われたことが、今回の大惨敗に繋がったように思われます。
つまり、一時は政権与党となった民主党でしたが、その支持層は脆弱で、
自民党のような固定支持層を作ることができなかった、そういうことだと思われます。
今後、民主党が新たに固定支持層を発掘することができれば復権もありえますが、
現状のままで無党派層頼みになってしまうと、復権は叶わず、
しばらくは自公政権を軸に、少数政党が乱立する形にならざるを得ないでしょう。

もう1つ言えるのは「日本人の国際感覚の無さ」でしょう。
民主党がマニフェストを破ることになったのは、ある意味で当然の流れです。
政権発足直後の鳩山由紀夫首相による「二酸化炭素25%削減」の国際公約や、
「東アジア共同体」構想は、今考えると非常に可愛いものでした。
その後、日本が取り巻く環境は一変することになります。
2010年にはギリシャ経済危機が起こり、財政問題に対する国際的圧力が強まり、
2011年には東日本大震災が起こり、原発事故によって二酸化炭素削減は露と消え、
今年に入ってからは韓国・中国との領土問題の緊張が高まるなど、
政権発足当時とは180度変わったとも言える国際状況になっています。
とりわけ、民主党は政策的にヨーロッパ諸国の影響を強く受けており、
ギリシャ経済危機によるヨーロッパの方針転換の影響は少なくなかったと思われます。
そういった国際的変化を受けて、民主党政権も変化せざるを得なかったのですが、
国民はまったくそれを理解しようとはせずに、
国内的世論に訴えるような強硬路線に惹かれるばかりで、
タカ派の自民党・安倍総裁や維新の会の石原代表の主張に同調することとなりました。
相変わらずの島国精神というか、周囲の見えて無さには辟易します。
日本人に中国や北朝鮮の国内向けな政治姿勢を笑う資格はありませんよね…


今後の展望に関してですが、自民党と公明党が連立を組むのは間違いないでしょう。
来年には参議院選挙がありますから、創価学会の支援は必要不可欠です。
一方で安倍氏の悲願である憲法改正を行うには、まず両議院の2/3以上の賛成が必要で、
衆議院は公明党もしくは維新の会と連携すれば通りますが、
参議院では難しいだけに、参議院選挙での勝利か維新の会の躍進が必要となります。
そういう意味では、表面的に公明党と全面協力をしながらも、
憲法改正等のタカ派路線では維新の会との連携をチラつかせ、
公明党を揺さぶる形になってくると思われます。
選挙結果を受けての石破幹事長のTV発言には、そういう意思がありありと出ていましたね。

一方で、第三極として躍進した維新の会ですが、
早くから大阪維新の会は公明党との選挙協力をしていたこともあって、
創価学会の影響力の強い関西では強い力をもったものの、全国的には伸び悩みました。
今後、どう動くか分かりませんが、自公政権との距離関係が難しくなっており、
そこが軋轢の火種となってしまいそうです。
早速、大阪市長の橋下氏は首相指名で1回目から自民党・安倍氏に入れると明言し、
それを伝え聞いた石原代表はこれに強く反発しています。
石原代表としては首相を目指すために国政復帰したのに、
協力関係にある橋下氏の行動は理解しがたいところがあるでしょう。
橋下氏は自公政権に擦り寄る形に、一方の石原代表は対抗勢力の結集を目指す形となり、
両者は非常に微妙な関係とならざるを得ず、噂される協議離婚の日も遠くはなさそうです。

大惨敗を喫した民主党は、再建を図ることになりますが、見通しは明るくないです。
歴史的大敗で執行部は責任を取らざるを得ず、
閣僚ら有力議員も落選や比例での復活当選が相次ぎ、党内影響力の低下は必至です。
そうなると、参議院の輿石幹事長らが力を持つことになるでしょうが、
そうなってしまうと民主党の再編は見込めません。
新しいリーダーを擁立し、根本から出直す体制ができるかどうかです。
そういう意味では、現執行部にいるものの、
主流派ではない政策調査会長の細野氏の動向は注目です。
選挙結果を受けての細野氏がTVで発言した「自民党は国家優先、民主党は社会から」は、
まさに正しく、民主党は人民を見た政治ができるように、再建を図って欲しいです。
政権を知ったことで、国民に改めて説明できることも増えたことでしょう。
今後の建て直しを期待したいです。

それ以外では、第三局として躍進したみんなの党の動向も一つの注目点です。
政策重視である渡辺代表の姿勢は共感を呼ぶところですが、
実際にどういう形で政策を実現して行くのかは、分かりづらい面があります。
維新の会と協調路線を取るかと思えばそうでもなく、今後の動きに注目です。

負けた政党の中では、社民党が存亡の危機に立たされています。
80年代以前は東西冷戦もあって共産党の違いも明確で、
冷戦終結後は政権与党に加わることで、実現可能な社会主義を追求してきましたが、
今では完全に野党化してしまい、共産党との違いを見出せなくなってきています。
実現可能な社会主義という点でも、民主党がそれを担っている面は否定できず、
そういう意味でも完全に色を見失っているように思えます。
個人的には社民党は既に限界を迎えていると言わざるを得ず、
民主党と合併し、民主党の中で女性色を発揮して行く方が良いように思えます。
独自色にこだわるあまりに滅びてしまわないように、
社民党の主張そのものには大事な要素もあるわけですし、
こちらの建て直しにも注目したいです。


◆プロ野球ネタ パリーグの鍵を握る3外国人~ラヘア・スピルボーグス・ジョーンズ~
今年のパリーグは外国人補強で積極的な動きが目立っています。
ソフトバンクはカブスでオールスターに出場したブライアン・ラヘア選手を、
西武はロッキーズで活躍したライアン・スピルボーグス選手を、
楽天はメジャー通算434本塁打で10年連続GGのアンドリュー・ジョーンズ選手を、
それぞれ獲得しました。

ソフトバンクも楽天も投手力は高く、打線補強が優勝争いのポイントで、
西武はFA移籍濃厚な中島選手の穴と前半戦出遅れ必至な中村選手の穴を埋める選手が必要で、
それぞれの補強ポイントに合致した外国人選手の獲得となりました。
来季のパリーグは、この3チームにオリックスを加えた4チームの争いになると予想され、
新しい3人の外国人選手は来季のパリーグを占うものになるでしょう。

その3球団が最初に獲得に名乗りを上げたのは、ブライアン・ラヘア選手でした。
現役バリバリのメジャーリーガーで、実績はそう多くないものの、
今年はカブスで前半戦に4番を打つなど活躍してメジャーのオールスターに出場、
後半戦はほとんど打てず、レギュラーを奪われる形となりましたが、
.259 16本塁打をマークしています。
マイナー時代から長打力には定評があり、打撃面での期待は非常に大きいです。
守備には難があるようですが、ソフトバンクは外野ではなく、
ファーストでの起用を予定しているようなので、その点は心配要らないでしょう。
ただ、左投手への弱さは明らかで、右に.289打っているものの、左は.098、
扇風機と化す可能性もあって一長一短の選手ですが、
右のペーニャ選手と共に一発の脅威はあるだけに、打線の核となり得る選手です。

ラヘア選手の獲得競争に敗れた西武は、ライアン・スピルボーグス選手を獲得しました。
ロッキーズ時代は準レギュラー・レギュラーとして活躍し、
2010年には.279 10本塁打をマーク、
2011年に成績を落とし、今年はレンジャーズ傘下の3Aで.288 9本塁打、
ここ2年は好成績といっていませんが、選球眼が良い中距離打者タイプで、
阪神のマートン選手のように化ける可能性を秘めています。
それ以上に西武にとって魅力的なのが守備力で、
レギュラー候補はほぼ決まっており、中村選手が復帰すればDHも埋まるため、
空いているポジションはライトぐらい。
ライトはある程度の守備力を要求されるポジションですから、
メジャー時代もライトを守っており、守備に不安がないのは大きいです。
年俸も他2人が3億円以上にもかかわらず、6000万円と実績のわりに格安、
チーム事情に合った補強になったと思います。

同じくラヘア選手の獲得競争に敗れた楽天は、そのまま大物選手獲りを継続し、
日本球界では過去最高の実績を持つアンドリュー・ジョーンズ選手を獲得しました。
メジャーを代表する外野手だった選手で、2005年には51本塁打を放つなど活躍、
通算434本塁打と10年連続のゴールドグラブの実績は圧倒的です。
ただ、近年は衰えが顕著で、今年はヤンキースで.197 14本塁打と精細を欠き、
DHでの起用も増えており、攻守に渡って衰えが見られることも確かです。
長打力はあるものの、打率・得点圏打率が低く、主軸としては不安が大きいのですが、
楽天入団にむけて本人のやる気が強く感じられたので、
再起できれば、非常に大きな補強になるように思います。

予想では、ラヘア選手が4番か5番でファースト、
スピルボーグス選手は5番ライト、ジョーンズ選手は4番レフトで起用されそうで、
彼らの活躍がパリーグの優勝争いの動向を決めそうな感じです。
来季はメジャー実績のある3選手の活躍に注目したいですね。


◆ライオンズネタ サファテ投手とスピルボーグス選手の加入によるチーム編成
ウィリアムス投手とヘルマン・オーティズ選手の3外国人選手は無事に残留し、
シコースキー投手を再獲得し、サファテ投手とスピルボーグス選手を獲得したことで、
来季にむけてのチーム編成はほぼ固まったと言っていいと思います。
あとはFAでメジャー挑戦をしている中島選手の動向がどうなるか。
最有力だと思っていたダイヤモンドバックスが撤退してしまい、
あとはアスレチックスの本気度次第という感じですので、少々心配しています。
ただ、昨年のヤンキースの不利な条件でも本人は受け入れるつもりでしたから、
余程のことがない限りはメジャー移籍が決まるとは思っていますが…

そんなこんなで、改めて来季のチーム編成をチェックしてみますと…

[右先発] 岸・牧田・涌井、野上or十亀、平野・岡本洋介・岩尾、相内
[左先発] 菊池雄星、武隈・小石、佐藤勇
[ベテラン]石井一久・西口
[右中継] 長田・岡本篤志、山本・田中・藤原・松下
[左中継] ウィリアムス、松永・高橋・中崎・宮田
[抑え]  十亀or野上、シコースキー・サファテ、増田・大石

[捕手]  炭谷、上本、星孝典・武山・岳野・中田
[一塁]  中村・オーティズ
[二塁]  浅村・山崎、水口
[三塁]  ヘルマン、林崎・美沢
[遊撃]  (中島)、片岡、永江、金子
[外野手] 栗山・秋山、スピルボーグス、大崎・熊代、
     米野・高山・木村、斉藤・石川・田代・星秀和・坂田

リリーフの補強と右の外野手の補強と、
補強ポイントをしっかりと抑えることができ、チームの戦力は厚くなりました。
ただ、問題は「外国人枠」で、日本人選手扱いのシコースキー投手は良くとも、
サファテ・ウィリアムス投手、オーティズ・ヘルマン・スピルボーグス選手と、
5人の外国人選手が4つの枠を争うこととなり、必ず1人漏れることになります。

そういう意味では、新たに獲得した2人の外国人選手は「保険」的要素を持ちます。
来季に向けての不安要素の1つは、「抑え」です。
涌井投手の先発再転向によって、再び押えを探さなければいけなくなり、
先発陣が順調なら溢れ出される来季2年目の十亀投手、
3年目の飛躍を目指す大石投手、ルーキーの増田投手が候補となりますが、
3人とも抑えの実績がないだけに、流動的な要素が強いです。
できれば日本人投手で固定したいものの、できなかった場合を想定し、
実績のあるシコースキー投手とサファテ投手を獲得したのだと思います。

もう1つの不安要素は、「中村選手の復帰時期」です。
中島選手のFA移籍は非常に痛いのですが、シーズン終盤は栗山選手を骨折で欠き、
中島選手も腰痛等で出たり出なかったりの中で戦っていたので、
栗山選手や片岡選手が帰ってきてくれることを考えれば、何とかできます。
ただ、もう一人の軸である中村選手の不在は、相手への威圧感を弱めてしまい、
戦力的に非常に痛手となります。
開幕スタメンは既に絶望的で、問題は中村選手がいつ戻ってこれるのか。
交流戦前なのか、交流戦終了後なのか、オールスター明けなのか、
それによって打線の雰囲気はガラッと変わってきます。
そういった見通しが効かない状況で獲得したのがスピルボーグス選手で、
中村選手が不在なら、繋ぎの打撃と機動力で1点を取る野球を、
中村選手が復帰したら、外野を守れる選手を、
その条件に当てはまったのがスピルボーグス選手です。
打線を考えれば、カーター選手でも構わないと思いましたが、
中村選手が復帰した場合、守る場所がなくなってしまうだけに、
その点ではスピルボーグス選手の方が使い勝手がいいです。

そのどちらを優先するかは非常に難しいところですが、
最悪の場合は、やはり「抑え」優先とならざるを得ないでしょう。
ただ、抑えの理想はチームの勝敗を託すことができる日本人投手なので、
キャンプ・オープン戦では大石投手と増田投手を積極的に試し、
そこで実績を残せば、公式戦でいきなり抑え起用するという抜擢もあり得るでしょう。
特に増田投手はルーキーで、怖いもの知らずな面がありますから、抜擢は十分あります。
そうならなかった場合は、敗戦処理から実績を積み上げて行かざるを得ず、
先発陣が順調に行けば十亀投手を起用することもできますが、
そうならない場合はサファテ投手に頼らざるを得ない気がします。
開幕時は投手が好調で、接戦が多くなりますから、
やはり比重は打力よりも投手力になってくると思います。

抑えに目処が立てば、打線の強化に動くことができます。
スピルボーグス選手はライトでの起用の可能性が高く、守備力の詳細は分かりませんが、
映像でのプレー等を見ていると、大崎選手と同等かそれ以上の力はあり、
決して守れない選手ではないと思われます。
そうなると、外野手争いは栗山・秋山・スピルボーグス選手で確定してしまいますが、
中村剛也選手の不在でDHが空きますので、それまでにアピールすることができます。
大崎選手や坂田選手は打撃面でレギュラーを争い、
熊代選手や斉藤選手は走塁と守備を含めた総合力でレギュラー争いを繰り広げ、
スピルボーグス選手らを脅かすような選手へと成長してもらいたいです。
個人的にスピルボーグス選手には.290(出塁率.350)10本 70打点を期待していますが、
この数字は日本人選手でも十分達成可能ですから、
負けじと結果を残し、高いレベルの競争をしてもらいたいですね。

[先発] 岸・菊池雄星・牧田・涌井・石井一久・野上 (西口・小石・武隈)
[中継] 長田・十亀・岡本篤志、ウィリアムス・松永・高橋
[抑え] 大石 or 増田、サファテ or シコースキー
1(二)浅村、2(中)秋山、3(左)栗山、4(一)オーティズ、5(右)スピルボーグス、
6(三)ヘルマン、7(指)大崎・坂田・熊代・斉藤、8(捕)炭谷、9(遊)片岡・永江

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