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思而不学則殆

孔子の『論語』の一節に、
「学んで思わざれば則ちくらく、思うて学ばざれば則ちあやうし」があります。
意味は、「学んでも考えなければ物事ははっきりとせず、
考えても学ばなければ独断に陥って危険である」というものです。

学生時代はむしろ前段の部分を意識することが多かったのですが、
卒業後はむしろ後段の部分を意識させられることが多いです。
学校を出た後だと、一度学んだことを再度学ぶという機会もなく、
ついつい自分の考えだけで物事を判断しそうになってしまいます。

そうならないように、反対意見にも耳を傾け、
できるだけアンテナを広げて構えているつもりですが、そう上手くは行かず、
最近は自分の意見と世間の考えの乖離を少しずつ感じることもあります。
独善的になっていないか、常に自分を戒める日々ですね。
自分としては、あくまでオーソドックスな考え方の延長戦上にしかないと思ってるのですが…
むしろ、世間の方が「思而不学則殆」なのかなと思うことも…
難しい問題ですね。最終的には常日頃から一人一人が気をつけるしかないということでしょうか。


◆ニュースネタ NTT西日本サービス『光もっともっと割』
NTT西日本が既存契約者のフレッツ光料金も値下げするということで、
「光もっともっと割」というサービスを始めたようなのですが、よく分かりません。

申し込めば利用料金が安くなる一方、解約金も存在し、
1年目は31500円、2年目は21000円、3年目は10500円
(マンションタイプは、11025円、7350円、3675円)、
4年目以降も3年目と同額なら分かるのですが、
4年目は再び31500円、5年目は21000円と解約金が跳ね上がる仕組み、
3年ごとの更新で7年目以降は一律になるようなのですが…
解約金発生条件も分かりづらく、
3年ごとの更新月に解約を申し込めば、解約金は発生しないようなのですが…

なんだか、「結局、それって値下げなの?」と釈然としないものがあります。
まぁ、仮に解約金が発生しても、2年以上の契約なら得になりそうですが。


◆ニュースネタ 敦賀原発2号機の下に活断層
1000年の間に活動したことのある地層と言われても…
それで地震が起きると言われても、正直ピンと来ないと言いますか、
それじゃ1万年前に活動した断層は完全に安全なのかというと疑問もありますし、
活断層の定義がコロコロ変わってしまうだけに、信憑性が微妙です。

そもそも、プレートテクトニクス論で行けば、
プレート境界面で地震が起こることは説明することができ、
フォッサマグナ付近(新潟県西部・長野県・静岡県東部)の地震は分かりますが、
安定した日本海プレートに乗っているはずの福井県で地震が起こる理由が不明です。
実際、それほど地震が起きないところで、
1948年に福井地震が起きた歴史がありますが、福井市付近の内陸型地震で、
原発のある敦賀方面の影響はさほど大きくなく、
福島原発のような海溝型地震による津波は起こっていません。

確かに、新規に原発を作る上で、
活断層の上に立地していない方が望ましいのは間違いありません。
ただ、既存の原発の場合は、既に建物が立っているわけですから、
その建物の有効利用という点もありますし、
実際に廃炉にする上でも20年以上の年月がかかってしまうわけですから、
活断層の存在だけで決めるというのは合理的ではありません。
その活断層が実際に地震を引き起こしうるのか、
その地震は100年以内にどれぐらいの確率で起こり、
どれくらいの規模の地震で、原発施設はそれに耐えうるのか、
それらを検証した上でなければ、是非を論じることはできないと思います。

活断層の上に原発があるのは危険かもしれないというのは分かりますが、
それならば原発以外の施設なら建ててもいいのかという問題もあります。
学校等の大型集合施設を建設したり、道路・トンネルを作ったり…
地震列島の日本ですから、探していけばいくらでも活断層は見つかりそうなものです。
それらに全て反応していたら、何も建設できませんし、どこにも住めません。
あまりに神経質に対応しすぎるのは、いかがなものかと考えます。


◆プロ野球 日ハムが逆転入団に繋げた資料を公開。「球界の詐欺師」は日ハム?
『チキンな詐欺師』に提示した資料が公開されたわけですが…
これを見ると、日ハムの方が『詐欺師』と思えてきますね(苦笑)
これで騙されてしまう大谷一家はよほど騙されやすいか、
両親が日ハムの指名を幸いとして国内を強行に薦めたかのどちらかでしょう。
よく作り込まれてはいますが、学術的には一切意味を持たない、
まさに詐欺師のための資料だと言えましょう。

結局、決め手となるのは韓国球界の実例なのでしょうが、
そもそも、韓国球界の例がそのまま当てはまるかどうかに疑問があります。
韓国の高校野球と日本の高校野球のレベルが同じなのかどうか、
その検証をせずに、提示された例を受け入れることはできないはずです。

韓国の高校生が日本の野球界でどのレベルに位置するのかは分かりませんが、
韓国の高校を経て日本プロ野球入りしたのは、私が記憶している限りだと、
中日の「宋相勲」選手だけだと思います。
ただ、日本の高校野球を経た選手では、
ソフトバンクの「金無英」投手、広島の「申成鉉」選手がいます。
2人と同じく宋選手も中学卒業と同時に日本の高校へ留学しましたが、怪我もあって2年で帰国、
韓国の高校へ通い、中日のドラフト指名を受けて入団した形です。
当初は投手として指名されましたが、結果が出ずに野手にコンバートされました。
この中で最も活躍しているのはソフトバンクの金無英投手ですが、
大学・独立リーグと経由しているので、高校生のレベルとしては図れません。
現在のところ、韓国の高校生から日本のプロ野球に挑戦して成功した選手は、
残念ながら見当たらないように思います。

その事実だけをもって韓国の高校野球のレベルが日本よりも下だとは言いませんが、
日ハムの資料が日本の高校生がメジャーに挑戦するのは得ではないと言っているように、
必ずしも同一に語ることができないのは間違いありません。

つまり、日ハムの資料は、本来検討すべき事柄がごっそり抜け落ちていて、
統計資料を用いるのに大切な指標(グラフの目盛り)が適切であるのかの検証を怠り、
具体例が例として用いるのに適切かどうかが全く検討されていません。
正に自分たちに都合の良いように作られた「騙すため」の資料にすぎないということです。
勿論、一つの参考資料にはなるでしょうが、
それをもって物事を決断できるような具体的資料だと言うことはできません。

そういう意味では、この資料だけで騙されたとは到底思えず、
大谷一家は日ハムの指名の時点で裏切り、「敵」として立ちはだかったのでしょうね。
そう考えると、誰も自身のメジャー行きを応援してくれなかった鳥詐選手は哀れですね…


ただ、日ハムの「騙し」はこれだけでは終わらず、
「二刀流」の話にしても、大方の予想通りで野手コンバートのための布石でしょう。
そうでなければ、ショートなんて言いませんよ。スローイングが違いますから。
投手に近いという意味では外野手にするはず。
そうしないということは、投手として使う気はさらさらないのでしょう。
160キロを触れ込みに客寄せパンダとして投手で1~2年使い、
結果が出ないことを理由にコンバート、そういう腹積もりだと思われます。
そうやって完全な野手となってしまえば、メジャー行きも簡単ではなくなり、
イチロー選手のような伝説的な選手にでも成長しない限り、ポスティング移籍は難しく
若くしてのメジャー挑戦も夢として消えてしまうことでしょう。
それを察せない辺りが若いというか、大人の意地悪さというか…


◆ライオンズネタ ドラフトの新入団選手を発表。ドラ2・相内は欠席。
埼玉西武ライオンズの新人選手発表会が行われ、合わせて背番号も発表となり、
ドラフト1位の増田達至投手は背番号14、
ドラフト3位の金子侑司内野手は背番号2、
ドラフト4位の高橋朋己投手は背番号43、
ドラフト5位の佐藤勇投手は背番号63、
育成選手の水口大地選手は背番号123となりました。

個人的には増田投手が19、高橋投手が26かなと予想していたので、
そこは見事に外れてしまいました(^^;
となると、サファテ投手が19を付けるのでしょうか?
でも、ライアン選手がロッキーズ時代に19を付けていたから、
日本では野村克也氏ぐらいしかイメージがない野手の19が誕生するかも?
シコースキー投手が50で、サファテ投手が26かな。
相内投手に予定していた41を剥奪し、サファテ投手に41というのもありえそうです。

その暴走のドラフト2位・相内誠投手ですが、正式契約が越年となりそうな雰囲気です。
まぁ、分からなくもないのですが…
彼の謹慎生活が実際どういうものなのかにもよります。
一般的なイメージ通りに、部屋に篭っている謹慎生活では全く意味がないかと…
彼の場合は、気の緩み、プロ入りが決まって甘えたことに原因があるのですから、
そんな謹慎生活では反省とはならず、より一層だらけるだけでしょう。

むしろ、罰走として外を延々と走らせる方が意味があります。
現在の教習所通いの禁止は当然として、入団後数年も禁止させて、
野球にストイックに打ち込ませる環境を作るべきでしょう。
新人合同自主トレに間に合わないのは、プロのスタートとして致命的ですから、
せめてそれに間に合うような契約体制を取って欲しいです。
それができないようなら、彼にプロ生活をスタートさせることができないわけで、
ドラフトで指名した責任を果たしていないように思います。
直接的責任はないものの、間接的責任はあるわけですから、
彼が一人の野球人として成長していけるようにしてもらいたいです。


◆ニュースネタ 集団的自衛権について考える
本題に入る前に、もう東西冷戦の終結から20年以上経つんですね…
今の10代や20代前半の人は東西冷戦を知らないわけで、
20世紀の歴史を整理してからでないと、集団的自衛権は理解できないでしょう。

20世紀の歴史は「2度の世界大戦」と「冷戦」がキーワードになっています。
まず、第1次世界大戦は、19世紀からの西欧列強による植民地獲得戦争が激化し、
新興国のドイツとイタリア、先行していたイギリス・フランスとが、
アフリカを中心に細かい衝突が続き、それがバルカン半島での事件で爆発しました。
この戦争で戦場となったヨーロッパは大きな被害を受けたことで、アメリカが台頭し、
長引く戦争で帝政ロシアが倒れ、共産主義国家のソビエト連邦が成立し、
敗戦国のドイツが莫大な賠償金を背負い込んだことが第2次世界大戦の原因となりました。
次に、第2次世界大戦は台頭したアメリカ発の世界恐慌によって経済が低迷し、
多くの植民地を持つ国家は経済のブロック化で凌いだものの、
敗戦国のドイツを始めとする国々はこれに耐えられず、
軍事力による植民地獲得政策に転換となり、ファシズムの台頭を呼びました。
誤解されがちですが、ファシズムはイデオロギー的には反共産主義で、
世界恐慌によって資本主義の限界が叫ばれたことで、
台頭したであろう共産主義を力で押さえつける必要性があったということでしょう。
第1次世界大戦後のシベリア出兵に象徴されるように、
世界の主要国にとって多かれ少なかれ共産主義勢力は警戒する「敵」であったわけですが、
軍事力を全面に出すファシズム諸国に対抗するために、
敵対していた資本主義陣営と共産主義陣営が協力することになり、
結果としてソビエト連邦を中心とする共産主義勢力が世界的に認められることになりました。

終戦当初の1945~49年の間は、依然としてファシズムに対する警戒感が強く、
日本を統治していたアメリカも日本を非軍事国家にするつもりでいました。
しかし、中国の実権を握ると目されていた蒋介石が率いる中国国民党政府が敗走となり、
毛沢東が率いる中国共産党の中華人民共和国が成立したことで、
アメリカはファシズム戦争の処理から対共産主義戦争に大きく舵を切り直すことになりました。
その代理戦争となったのが1950年代の朝鮮戦争であり、1970年代のベトナム戦争で、
朝鮮戦争を契機にして日本でも自衛隊が作られることになったわけです。

東西冷戦を一言で言えば、「見えない戦争」です。
資本主義陣営と共産主義陣営が互いに情報を管理し、相手の情報を容易に知ることができません。
知らないことによる想像力が脅威へと変わり、
核開発もあいまって対立と恐怖だけが深まっていくことになったわけです。
東西冷戦は際限のない軍事競争が続くことになり、ソ連とアメリカが経済的に行き詰まりを見せ、
敗戦国であった日本やドイツの経済的台頭、植民地から独立した多くの国々の台頭もあり、
両者が雪解けの方向へ歩み始めたことで、情報の行き来が進むことになり、
より行き詰っていた共産主義陣営が内部崩壊を起こし、東西冷戦は終結となりました。

以上の歴史から分かることは、日本国憲法はファシズム戦争の処理として非軍事で作られましたが、
その後の東西冷戦によってアメリカの方針が転換となり、
自衛隊の設立といった軍事化へ舵を切りなおすことになったわけです。
自民党が主張する集団的自衛権の行使も、アジアにおける資本主義陣営の防波堤として、
同盟国の立場を強めたいアメリカの要望によるところが大きいです。
ただ、その原因となった東西冷戦そのものが終わってしまったわけで、
今のアメリカにそこまで軍事的同盟を強める必要性はないわけです。
一時的に対テロ戦争を押し進めたブッシュ政権によって圧力は強まりましたが、
アメリカ国内でも対テロ戦争の評価が分かれる中で、
民主党のオバマ政権下ではそういった圧力も感じなくなっています。
勿論、対北朝鮮・対中国という警戒すべき国があるので、
日本からの完全撤退は考えにくいことではありますが。

そう考えると、今の集団的自衛権の行使の議論は、20世紀の残滓のようなものだと言えます。
ただ、一方で、東西冷戦終結によって国連がイニシアチブを取れるようになったことで、
国連決議に基づく軍事部隊の派遣が増えていることも事実です。
日本の世界における地位の向上によって、自衛隊の海外派兵の機会が増えていることも確かで、
武器使用条件の緩和等、海外派兵をどうするべきか考える必要もあります。
逆に、平和憲法こそが日本が尊敬される理由だと考えるのならば、
戦争には関わらずに国際的中立を守り、停戦後の治安維持で力を発揮するというのも一つの考えです。
日本が国際社会において、どういう立場でありたいのか、
積極的貢献か、中立の維持か、そこが考える主なポイントでしょうね。

具体例として考えておきたいのが、中東問題、イスラエルとパレスチナの対立ですね。
先日のニュースでパレスチナ国家が国連で認められることになり、
アメリカやイスラエルが反対に回りましたが、日本は賛成に回ったと報道されました。
中東問題に関して言えば、アメリカと日本の国益は完全に対立しています。
もし、第5次中東戦争が起きたならば、日本はどういう立場に立つべきなのか?
同盟国として国益に反してでもアメリカとともにイスラエルに味方するのか、
それとも中立を維持して和平を推し進める立場に回るのか、
どちらを選択するのかを、真剣に考えておかなければならないでしょう。

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