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オールスターは2勝1敗でセの勝ち

1・2戦はパリーグが4安打しか放てなかったものの、3戦目には打線が繋がっての快勝。
最後にパリーグが意地を見せた形となりました。
3戦を通してみると、パリーグの方が若い選手が多く、
直球勝負にこだわったために損をしたかなという印象がありました。
打撃陣も完全にストレート狙いで振り回していた印象があっただけに、
1・2戦でもう少し勝負にこだわる姿勢も見せて欲しかった気もします。
単にストレートを投げて、振り回しているだけだと、面白みが欠けますから。
真剣勝負の中でこそ、真っ向勝負が生きるわけで、そこら辺が1・2戦は空回りしていた感がありました。

それにしても、日ハムの陽選手の活躍にはびっくりしました。
正直、オールスター前はファン投票で選出されながらも、
個人的評価としては出場さえも微妙な選手といった感じでしたが、
シーズン中でもなかった1番抜擢で先頭打者ホームランを放ったり、
3戦目には3ランホームランを含む3安打の活躍でMVPを獲ったりと、
平謝りするしかない活躍には驚かされました。
今までは糸井選手の守備と肩、田中選手の足、中田選手の長打力と、
チームメイトに特徴ある選手がいただけに、埋もれがちではありましたが、
このオールスターの活躍で三拍子揃ったところを見せてくれただけに、
今後の陽選手の活躍に注目したいですね。

ライオンズ勢では3戦目に登板した岸投手が2イニングをノーヒットに抑えて敢闘賞を受賞。
カーブも投げましたが、勝負どころはストレートで押し、ポップフライに打ち取れていましたから、
内容的にも良かったと思います。後半戦も活躍を期待したいですね。
中島選手はヒットを放ち、好守備もありましたが、中村選手はノーヒットで結果を残せず。
怪我の回復状況が心配ですが、打撃の調子もあまり良くないようで、
打球に角度が付いていなかったのが不安材料です。
もう少し調子を上げてくれないと、DHを任せることが割に合わなくなってしまうかと。
今の状態なら、カーター選手を使いたくなってしまいますね。
このオールスター休みで状態が良くなったことを期待したいところです。


◆プロ野球 選手会が2013年WBCの不参加を決議
このままなし崩し的に参加になると思いきや、選手会がストップをかけました。
WBCに対する国民の期待は大きいですから、選手会も勇気が必要だったと思いますよ。
よくここでストップをかけました。
WBCに参加しないのは残念ではありますが、
改めてWBCという大会の意義を考える契機としたいものです。

問題となっている点はニュースで解説されているので、既にお分かりだと思いますが、
簡単に言えば、日本はWBCインクという会社の平社員ということです。
平社員の日本がいくら頑張って利益を挙げても、給料として回ってくる取り分は一定で、
取締役クラスで副収入ガッポガッポなメジャーリーグ選手会が大半を持っていく、という構図です。
当たり前ですが、別にWBCという会社を作っているわけではありませんから、
放映権料等はともかくとして、各国のグッズ収益まで一度取られてしまう構図は、
労働者の悲劇としか言いようのない悲しい構図であり、スポーツ興行として明らかに不当です。

最初からこれらの問題点は分かっており、参加の是非が問題となりましたが、
初のプロ野球の国際大会ということで、参加を前提としながら、
大会で結果を残すことで、改善点を改めていこうということで第1回大会に参加となりました。
そこから2大会連続優勝という結果を残し、改善点を要望したものの完全無視、
球団側のNPBは国際大会という魅力から折れてしまったものの、
選手会は頑なに改善点を要望し続けている、そういう経緯となっています。

WBCに問題があるにせよ、野球の国際大会なので参加するべきという意見もありますが、
かといって、WBCが真に国別NO1を決める国際大会なのかといえば、そうではなく、
日本で言えば、かつてオフシーズンに行われたプロ野球オールスター東西対抗程度の位置づけで、
日本や韓国・台湾・キューバといった国以外にとっては、
国別のオールスターお祭り騒ぎ程度の大会にすぎないわけです。
そんな大会に利益ばかりを吸い取られてまで参加する価値があるのか、
誇りをかけるだけの意義があるのか、疑わしい面もあります。

それでも日本が優勝したWBCの興奮は忘れられないわけで、
その点が参加を簡単に見送れない最大の障害となってしまっています。
今回の不参加決議でアメリカの野球知識人から大会の見直しの話が出てくればいいのですが…
そうなってこない以上は、不参加という名のストライキは已む無しといった感じでしょうね。

問題はプロ野球選手会以外が一枚岩になれるかどうか。
日本人メジャーリーガーが仮に召集されてもNOと言えるかどうか。
アマチュアとの混合チームで参加となれば、梯子を外された感は残ってしまい、
プロ野球選手会が不参加を表明した意味がなくなってしまいます。
今後の注目点はそこになってくるでしょうね。


◆地方政治ネタ 静岡県で浜岡原発再稼動の住民投票条例設置を申請
原発再稼動問題が各地で話題になっていますが、
静岡県では再稼動の是非を住民が決する条例を制定する動きがあり、
その署名が集め終わり、秋の県議会で審議される流れとなりました。

原発再稼動を住民が決するという話は分からなくもないのですが、
それじゃ誰が真に投票権を持つのかと考えると微妙な感じを受けます。
署名率が最も高かった函南町は県東部地域ですから、
浜岡原発を所有する中部電力管轄外の東京電力管内地域で、
署名数が最多だった富士市も同様に中部電力管轄外です。
浜岡原発が立地する御前崎市の署名率は3.89%で、
函南町の16%等と比べると、明らかに署名率が下がっています。

つまり、同じ静岡県民だとしても、立場は少なくとも3つに分かれるわけです。
1つは浜岡原発のある御前崎市周辺の住民で、
原発が立地することによる補助金や原発関連の職場が多く、
電力の恩恵に加えて、原発立地による恩恵を少なからず受ける地域の住民です。
次に、富士川以西の静岡県中・西部地域の住民で、
中部電力管内に位置するので、浜岡原発の生み出す電力の恩恵は受けるものの、
それ以外の恩恵は受けず、原発事故の際には直接的リスクを背負う地域の住民です。
最後に、富士川以東の静岡県東部・伊豆地域の住民で、
ここは東京電力管内に位置するので、浜岡原発の生み出す電力の恩恵は受けず、
原発事故が起こった際には間接的な影響を受ける地域の住民です。

人口は2番目の住民が一番多いので、
仮に静岡県で住民投票をしたとしても、必ずしも不合理な結果が出るとは思えませんが、
もし2番目の住民の関心が低く、投票率が低迷してしまい、
一番関心が薄そうな3番目の地域の住民が奇跡的な投票率の高さを見せたとしたら、
その結果は果たして住民の真意を反映していると言えるでしょうか?
同じ静岡県民といっても、その当事者としての関係度合いは大きく異なっており、
県全体で住民投票をすることが適切かどうかはかなり疑わしいです。

それでも、地方自治の基本は住民自治ですので、
住民が重要な施策の決定に関わることは悪いことではありません。
でも、仮に御前崎市でも同じような住民投票条例を制定したとして、
静岡県で行われた住民投票は再稼動に反対、
一方の御前崎市で行われた住民投票は再稼動に賛成、となったら、どうするんでしょうか?
どちらも地方自治体の住民の意思決定なわけですが、
より近い住民は御前崎市民なわけで、地方自治の精神からすれば、
そちらの方が優先されると考えるべきでしょう。

そうであるならば、静岡県で住民投票を行う意味がどこにあるのでしょうか?
これが住民投票の限界のように思えます。
公共の福祉に関するもので、その利害関係が大きく異なるケース、
これを単純な多数決で決めることは難しいように思えます。
政策決定プロセスに住民が関わること自体は良いことですが、
それを単純に投票によって決するというのは向いていないと言わざるを得ません。
住民が自分の立場を超えて、相手の立場を考えた総合的な判断が真にできるのか否か、
現時点では難しいでしょうね…

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