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パリーグ順位予想

昨年はソフトバンクの独走という形で終わりましたが、
今年はそのソフトバンクから和田・杉内・ホールトン投手の3人が抜け、
2位の日ハムからはエースのダルビッシュ投手が抜け、
3位の西武からは帆足投手が移籍するなど、
上位チームの戦力流出が目立ち、上位と下位の差がぐっと縮まりそうです。

それでも、このキャンプ・オープン戦を見ていると、
ソフトバンクの投手層の厚さはさすがで、
新加入の帆足・ペニー・ピント投手はやや調整に不安を残しているものの、
昨年の経験を生かして山田・岩崎投手が大きく成長し、
故障等で苦しんだ新垣・大隣投手が復活するなど、投手力に衰えが見られません。
日ハムは先発陣の穴埋めはできなかったものの、
若手が成長し、スレッジ選手が復帰した打線は強力になりました。
西武も新外国人のヘルマン選手とゴンザレス投手が戦力として機能しそうで、
中島選手が残留したことで計算も立ちやすくなり、チーム強化が進みました。

この昨年の上位3チームに、オフから積極的に補強したオリックスが加わり、
4チームが戦力的に一歩リードしている感があります。
ロッテは打線の補強が進まず、楽天も戦力の底上げが進んでおらず、
現時点では苦しい感じがありますが、
シーズン中の補強次第では上位進出は十分可能だと思われます。

それでは各チームの戦力を再分析し、順位予想をしてみようかと思います。


◆福岡ソフトバンクホークス
前述のように、和田・杉内・ホールトン投手と先発3枚が抜けたものの、
帆足投手をFAで獲得し、大リーガーのペニー投手とピント投手を補強し、
また、若い山田投手や岩崎投手が主力としての意識を強く持つようになるなど、
若手の成長も進んでおり、リーグ屈指の投手力は変わっていません。

ただ、補強した先発3人の調整が順調だったとは言い難く、
ペニー・ピント投手はスタミナ面の不安を残していることから、
リリーフにかかる負担が大きくなるだろうと思われますが、
馬原投手が怪我をしたこともあって、リリーフ陣は再構成中で、
抑えはファルケンボーグ投手で問題ないものの、
中継ぎの森福投手以外は明確に定まっておらず、
日本復帰の岡島投手を含めてどう再構成するのか、注目が集まります。

打線は、川崎選手の抜けたショートに明石選手が入り、
1番本多・2番明石・3番内川選手と1~3番は確定しているものの、
4番として期待したペーニャ選手は三振が多くて粗く、
カブレラ・小久保・松中・多村選手といったベテランも調子が上がらず、
オープン戦では得点能力が低かったこともあって、4番以降が流動的です。
とはいえ、昨年も故障者が出ながらも選手をやりくりして勝っていましたから、
投打に渡って依然流動的な戦力をいかに当てはめていくのか、
秋山監督の手腕次第といった感じでしょうね。

スタートダッシュは難しいものの、戦力は十分あることから、
じわじわと力を発揮し、今年も優勝争いに絡んできそうです。


◆北海道日本ハムファイターズ
絶対的エースだったダルビッシュ投手の抜けた穴は大きく、
2年目の斎藤投手の成長に期待したものの、ここまでは期待とは程遠く、
吉川・中村勝・乾・土屋投手といった若い投手も十分アピールできず、
先発陣の底上げは思うようになりませんでした。
それでも武田勝・ケッペル・ウルフ投手といった先発陣は健在で、
リリーフの武田久・増井・宮西・谷元投手らも順調に来ており、
エース不在というハンデはあるものの、駒は揃っています。

打線は中田・陽選手といった若手が伸び、スレッジ選手が復帰したことで、
2番に稲葉選手を起用するなど、積極的な打順構成が可能となり、
オープン戦は繋がりのある打線で高い得点力を誇りました。
元々、点数の取り方が上手い打線でしたし、
調子に乗ると手がつけられない強力打線となりそうです。
打線のポイントは4番の中田選手、
昨年は好不調の波が激しく、勝負どころの8・9月に調子を落とした結果、
追走していたソフトバンクに引き離されることになりましたから、
中田選手がどれだけ成績を安定させられるかに注目が集まります。

ダルビッシュ投手が抜けたとはいえ、
他チームと比べると投手力が上位であることは変わりありませんが、
勝負所で勝てるエースがいないことはシーズン終盤に響いてきそうです。
そのためにもシーズン前半にしっかりと貯金を固め、
リードを保ったまま逃げ切りを図りたいところ。
オープン戦を好調で終えただけに、まずはスタートダッシュでしょう。


◆埼玉西武ライオンズ
先発では帆足投手が抜けたものの、
涌井・岸・牧田・西口・石井一久・菊池雄星・十亀・大石・小石投手と駒は豊富。
ただ、ベテランの西口・石井一久投手以外の調整は順調とは言い難く、
涌井投手は不用意な四球が多かったことで、開幕投手太鼓判とまでは行かず、
岸投手は故障で出遅れ、ギリギリ間に合ったかどうかの調整段階、
牧田投手は逆球が多く、昨年の先発時の感覚が完全には戻っていない感じです。
調整には不安が残るものの、涌井・岸投手ともにボール自体は良いだけに、
昨年のように二桁投手を逃すという展開は考えづらく、
時間が経つにつれて力を発揮してきそうです。

課題だったリリーフ陣は好調そのもので、抑えのゴンザレス投手が安定しており、
セットアッパーとして期待する岡本篤志投手も昨年後半の好調を維持、
中村マイケル投手も巨人時代の不振が嘘のような好投を見せ、
ベテラン左腕の星野投手や新加入のウィリアムス投手も結果を残し、
野上・松永・武隈投手といった若手もアピールするなど、リリーフの層は一気に厚くなりました。
昨年の開幕1軍メンバーに期待込みで菊池投手や大石投手が入ったのに対し、
今年は好投していたウィリアムス投手や
オープン戦では無失点と結果を残していたルーキー小石投手までが開幕1軍を逃すなど、
投手を働き場所に当てはめるのではなく、働き場所を投手が勝ち取る形になるなど、
昨年までのソフトバンクや日ハムのような良い競争循環になりつつあります。

打線は中島選手が残留したことが大きく、栗山・中島・中村選手と実績ある打者が名前を揃えます。
新外国人のヘルマン選手がシュアな打撃と足で1番打者に定着したことで、
昨年は片岡選手の怪我によって減らした盗塁数の穴埋めが図れそうです。
その片岡選手も2軍戦で復帰を果たしており、早い段階での1軍合流が予想され、
長打力だけでなく、機動力の面でもリーグ屈指の打線となりそうです。
課題は中村選手の後を打つ5番打者、
昨年はフェルナンデス選手が8月後半以降に好調だったことが最下位からの逆転3位に繋がりましたから、
抜けたフェルナンデス選手に代わる5番打者がポイントとなります。
新外国人のカーター選手は怪我で早々に離脱となってしまったため、
広島からトレードで嶋選手を獲得、オープン戦で結果を残したことで5番定着となりましたが、
シーズンになってからも勝負強い打撃を見せられるかどうか注目が集まります。
片岡選手復帰後には2番を打つ予定の栗山選手が5番に入る可能性もあり、
5番打者のやり繰りが打線のポイントとなりそうです。

総じて優勝する戦力は十分揃っており、
抜けた戦力よりも加入した戦力の方が大きいことは間違いないです。
唯一の不安は先発投手陣の調整のみ、
球界的にも菊池雄星投手には頑張ってもらわないといけないだけに、若い力の台頭が待たれます。


◆オリックスバファローズ
打線には李大浩選手と高橋信二選手が、
投手陣にはミンチェ投手と井川投手が加わり、
ドラフトでも社会人中心の即戦力補強をするなど、
積極的な補強で優勝争いをする戦力を一気に整えてきました。

投手陣は金子・中山・西・寺原・フィガロ・マクレーン投手と6枚揃い、
リリーフも岸田・平野・ミンチェ投手と3枚揃い、
課題だった左のリリーフにも新人の海田投手が加わるなど、戦力は整っています。
ただ、オリックスは隔年傾向が強く、チームの好不調の波も大きい欠点があり、
オープン戦でも金子投手以外は好不調がはっきりしていて、
昨年のような活躍を期待できるかどうか分かりません。
加えて、エースの金子投手も故障がちで、無事に1年投げられるか不安が残ります。

打線は昨年まで坂口・後藤・T-岡田選手と左打者に偏りがありましたが、
今年は右の李大浩・高橋信二選手が加わったことでバランスが良くなりました。
ただ、オープン戦では李大浩選手の後の5番に期待したT-岡田選手が不振で、
5番打者が流動的になってしまったのは不安材料です。
また、李大浩選手が打っていたオープン戦序盤は得点力が高かったものの、
中盤以降に湿りがちになると得点力も落ち込んでしまっただけに、
打線の方も好不調の波の不安が残ります。
注目の李大浩選手は4番としてしばらく機能すると思いますが、
過去の韓国スラッガーの例からすると、シーズン序盤は打つものの、
研究されてくると変化球に苦しむところがあり、
シーズン後半でも結果を残せることができるかどうか注目が集まります。

優勝するための戦力は揃ったものの、チーム全体の好不調の波の大きさが気がかり。
計算できるとは言い難く、今年も順位の上下が激しいスリリングなシーズンになりそうです。


◆東北楽天ゴールデンイーグルス
投手陣は岩隈投手が抜けた穴を、若手の底上げで対応しようとしたものの成功せず。
キャンプ・オープン戦では下柳投手や加藤大輔投手、上園投手など、
他球団を戦力外となった「復活組」の活躍が目立ったことは、チームとして微妙なところ。
先発陣が苦しいことに変わりないだけに、若手の台頭が待たれます。

先発に不安はあるものの、リリーフ陣はラズナー・青山・片山投手ともに順調で、
駒自体は揃っていますから、先行逃げ切りの展開にしたいところです。

打線も戦力外にした山崎武司選手の穴は埋められておらず、
4番候補だったガルシア選手が怪我、
移籍のフェルナンデス選手や新外国人のテレーロ選手も安定しているとは言い難く、
松井稼頭央選手や岩村選手といったメジャー復帰組も怪我で欠くなど、
中軸の不安は解消されていません。
それでも大久保コーチの猛練習の成果なのか、牧田選手ら若い打者が成長しつつあります。
ただ、その効果がすぐに出るのか、半年後に出るのか、1年以上先か、
打線強化に即効性はないだけに、しばらくは我慢が必要となりそうです。

戦力的な不安は大きいものの、田中投手というエースがいるのは強み。
前半はなんとか離されないようにしながら戦力を整え、
シーズン後半に勝負をかけたいところです。


◆千葉ロッテマリーンズ
ドラフトで補強した3人の新人投手はいずれも戦力で、
藤岡投手は先発の軸として、中後投手は左のワンポイントとして、
益田投手は右のセットアッパーとしての働きが期待できそう。
若い成瀬・唐川・藤岡投手の3本柱は魅力的で、総じて投手力は高いです。
ただ、グライシンガー投手に対する期待が過度なところがあり、
セットアッパーのロサ投手の不調も気がかりです。

期待の大きい投手陣に比べ、昨年最下位の最大の理由であった打線強化は不十分で、
ヤクルト戦力外のホワイトセル選手と復帰のサブロー選手の中軸では不安の残るところ。
レギュラー不在だったショートに根元選手が定着したことは明るい材料ですが、
得点力向上とまではいっていません。
中堅の今江選手や大松選手が打線を引っ張っていくようにならないと、厳しいかと。
おそらくシーズン途中に外国人打者を補強する展開になってくると思われるので、
その打者次第ではないでしょうか。
かつてのボーリック選手のように救世主となる外国人打者獲得が待たれます。


以上の戦力分析から、優勝争いは西武とソフトバンクが中心となり、
次いでオリックスと日ハム、以下、ロッテ、楽天と続くと予想します。

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