中島の交渉は決裂、西武残留へ
埼玉西武ライオンズからポスティングシステムを利用し、
落札球団のヤンキースと交渉していた中島選手の西武残留が決定したようです。
落札球団が決まった時から心配はしていましたし、
途中経過から伝わってきた今季の1/4の年俸8000万円以下という低条件から、
残留した方がいいのではないかと思っていたのですが…
いざ交渉決裂となると、複雑な気分です…
それに拍車をかけているのが交渉決裂のタイミングです。
交渉期限は7日の朝まででしたから、少なくとも今夜までは交渉が続くと思っていたのですが、
昨晩に中島選手が代理人と交渉するために渡米したとの報道があった後、
翌朝すぐに交渉決裂報道ですから、中島選手は代理人と直接話すことができたのか、
その上での納得しての交渉断念なのか、疑問の残るところです。
報道があっただけで、実際に渡米したのが何時なのかは分かっていないのですが、
代理人と直接話し合ったのであれば、ギリギリまで交渉すると思われるので、
その前に交渉が打ち切られて締まったのではないかと不安になります。
まぁ、例え、引き続き交渉していたとしても、
ヤンキースの提示する条件は変わらなかったでしょうから、結果は変わらなかったかもしれませんが、
少しは釈然としない気持ちも薄まったのかなという気もします。
今回の交渉決裂に関しては致し方なかったように思えます。
球団が決まる前から年俸が半分になる可能性は考えていましたが、
実際はそれ以上の低評価、1/3を超える1/4近い完全な控え選手評価…
メジャー挑戦はお金ではない、「夢」だと言うかもしれませんが、
その「夢」は人それぞれであり、裸一貫でやりたいなら、プロ野球を経ずに渡米すべきですし、
最高峰の舞台、メジャーリーグでやりたい夢であるのなら、良い契約条件を求めるべきです。
アメリカは競争社会・実力社会と言われますが、実際は「契約社会」です。
良い契約条件を手にした選手から使われていくわけですから、
今回の中島選手の契約の場合、開幕メジャーの保証はなく、下手するとマイナーの招待選手並み、
仮にオープン戦で結果を残したとしても、ジーター・Aロッド選手らが万全なら試合に出ることはおろか、
ベンチ入りも他のポジションの選手を優先する可能性が高かったでしょう。
そうなると、マイナーで外野を含めた複数ポジションに挑戦しながら、
(契約優先度の)「順番に」出番を待ち、出番が来たとしても故障者が出ない限りはベンチ…
良くてマイナーを行ったり来たり。最悪、1年はマイナー漬けにされたことでしょう。
アメリカの野球を体験したいというなら、マイナーで野球を学ぶことも大事だと思いますが、
メジャーで野球をやりたいというなら、条件的には決して良くはありません。
選手として脂の乗った時期に、マイナーで干されてしまうというのはマイナスでしょう。
メジャーで試合に出たいのならば、1年待ってFAで自由に交渉した方が良い条件を取れるかもしれません。
ただ、忘れてはならないのは、控え選手評価のヤンキースが落札球団となった事実です。
日本人内野手はこれといった成功例がなく、外野手の青木選手でさえ、中島選手と変わらない評価、
メジャーリーグの日本人野手を見る目がシビアになっていることは間違いありません。
仮に、来年、海外FAでメジャー挑戦を表明したところで、好条件を提示する球団がるかどうか…
もっと日本で圧倒的な数字を残したり、複数ポジションを守れることをアピールしないことには、
メジャー挑戦の足がかりさえ掴めなくなる可能性もあります。
中島選手ならトリプル3、ホームラン30本は必要とされないでしょうから、
3割3分で首位打者争いをし、100打点、30盗塁以上をマークし、
守備ではショートだけでなく、セカンドや外野を守れることをアピールすると幅が増すかもしれません。
いずれにせよ、現状のままなら来年も厳しい評価に曝されてしまうでしょうから、
今年しっかりとした成績を残し、昨年のうちに入札しておけば良かったと思わせるような活躍をしてもらいたいですね。
◆ライオンズネタ 中島選手の残留による影響
ライオンズファンとしては中島選手の残留は嬉しいですし、
これで打線の心配が吹き飛ぶ形になって良かったのですが、
ただ、それで万々歳かというとそういうわけでもなく…
問題は中島選手の今後に対する気持ちと、後継と目されていた浅村選手のポジションです。
まず、中島選手は今後どうするのか。
自由契約でのメジャー挑戦というような形は取らず、ライオンズでプレーするようですが、
来年オフに海外FA権を行使して再びメジャー挑戦を目指すのか、
それともメジャーへの夢は一時封印して、ライオンズで切磋琢磨するのか、
来年球団に残るのかどうかが気になる所です。
もし、メジャー挑戦するなら、変わらずにショート一本なのか、
それともセカンドや外野にも挑戦するのか、それによって起用法も変わってきます。
中島選手の起用法が固まらないことには、後継と目されている浅村選手の起用法も定まらず、
本来ならショートを予定されていましたが、
昨年同様にファースト・セカンド・ライト・レフトとポジションが定まらなくなる可能性も。
浅村選手の今後を考えれば、できるだけポジションを固定したいので、
内野なら内野と決めたいところなのですが…
流動的になった2人のポジションをどうするのか、頭を悩ますところです。
次に、浅村選手のポジションを決める上で問題なのが片岡選手の状態です。
肩の手術を行い、リハビリ中の片岡選手ですが、
新外国人選手としてセカンドも守れるヘルマン選手を獲得したことを考えますと、
開幕には間に合わない可能性が高く、肩の復調具合が心配になってきます。
もし早期復帰を果たしたとしても、肩の痛みが完全に消えるのかどうか。
もしもセカンドのようにショートスローが多く、
肩の稼動範囲が狭くて負担が大きくなるようなポジションが無理だというなら、
ショートや外野コンバートも視野に入れなければなりませんし、
片岡選手がセカンドを守れないという状況が長く続くのであれば、
浅村選手をセカンドで使い続けた方がいいと思いますし、
短期的な時間でしかないなら、別のポジションで固定して使った方が良いように思います。
そうなってくると、ファーストが無難でしょうか。
チーム的には外野を守ってくれると便利なんだけれども、
内野から外野へ、外野から内野へ戻るケースはあまりないですからねぇ…
中日の荒木選手ぐらいしか浮かんでこない。
そもそも二遊間の選手が余ることの方が珍しいですから、
なかなかそういったケースが生まれなかったこともあるのでしょうが…
嬉しい悩みということでしょうか。
中島選手の残留を受けての野手陣容を考え直してみますと…
1番 レフト 栗山
2番 セカンド 片岡or原
3番 ショート 中島
4番 サード 中村剛也
5番 ファースト 浅村
6番 DH クリス・カーター(対右)、ヘルマン(対左)
7番 ライト 坂田or大崎(対右)、高山or佐藤友亮(対左)
8番 キャッチャー炭谷
9番 センター 秋山or斉藤
上位打線の1~4番が昨シーズンとほぼ変わらないので、
これだけで打線の安定感が出てきました。
浅村選手を外野に回せば、ファースト・DHがさらに有効に使えますが、
前述のように固定して使いたいので基本ファーストで。交流戦は外野あるかも。
これで外国人選手は少なくとも1人機能してくれれば良いことになり、
かなり計算が立つようになりました。
それでも外野が1枠以上空いている状況に変わりはなく、
年齢的にも坂田・大崎・高山選手の3人は勝負所だと思うので、
レギュラー取りに向けて頑張ってもらいたいです。
熊代選手は以前書いたように期待が高いので、
スイッチ転向を成功させるためにも2軍で実戦中心で、シーズン終盤に期待してます。
他にも高卒3年目の石川選手やルーキーの田代選手もいるだけに、
外野の中堅・ベテラン選手は今年しかチャンスがないつもりで頑張らないと。
浅村選手に話を戻しますと、正直、中島選手が抜けることを想定したオーダーで、
ショートを守って主軸を打つのは厳しいかなと思っていました。
浅村選手も下半身を使う打撃フォームですし、
負担の大きいショートでは今シーズンのように疲れが出てしまう可能性があったからです。
でも、中島選手が残留となったことで、打撃の方にある程度集中できますので、
来年は打撃の方での主力選手入りしてもらいたく、5番起用としました。
目標は2割8分10本70打点以上、3割15本80打点以上で満点です。
話が変わって、ソフトバンクの移籍した帆足投手のFA補償ですが、
戦力的には中島選手の残留で充当され、
ポスティング分が消え、年俸分が圧し掛かってくるので、金銭補償が大ですね。
これでリストから外れた松中選手を指名したら、優勝に向けて本気だと思いますが、
昨年の流れからしてそれは「ありえない」だけに、金銭補償でしょうね。
右の外野手が足りないだけに多村選手もいいのですが、松中選手と同じ理由でなさそう。
あとリストを外れてそうな選手だと江川選手が微妙なところですが、
それなら金銭を選びそうな感じもするので、やっぱり金銭補償が濃厚かと思われます。