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プロ野球は後半戦へ

オールスターゲームは、第1戦がセリーグ、第2戦と第3戦がパリーグ勝利となり、
第2戦で中村剛也選手がMVPを獲得したことで、
ライオンズファンの鬱屈した思いも多少解消されたかなという感じです。
試合自体は特にコメントないのですが、2点だけ気になったことがあります。

1つは賞の分かりにくさ。
MVPは例年通りで分かるのですが、「敢闘賞」の基準や、
「スカイアクティブテクノロジー賞」の基準がサッパリ分かりません。
今の表彰基準だと投手が圧倒的に不利なだけに、投手・野手で分けるのも一つの手かと思いますが、
単純にスポンサー不足から、こうなっちゃったんでしょうね…

もう1つは、ファン投票1位・2位だったダルビッシュ投手と田中投手が1イニングしか投げなかったことです。
前半戦の最終戦に登板したため、3戦目になることは分かりますし、
後半戦が早いチームでは明日から、全てのチームが明後日から開始されることを考えれば、
後半戦に影響を与えたくないという監督の配慮は分かるのですが、
それじゃ何でファン投票1位で選ばれたのかと考えれば、やっぱりファンが見たいからでしょう。
その投手を1イニングだけで引っ込めてしまうというのは違和感を感じました。
これでは投手をファン投票で選ぶ必要なんかないじゃないですか。投げない投手を選ぶの?
もう一度オールスターの意味合いを考え直す必要があるように思います。
NPBの収益不足を補うために3試合もオールスターを開催するわけですが、
それなら1試合はシーズンオフに行っていた東西対抗や出身地別チーム分けとかの特殊試合を行ってもいいような…
例えば、今年なら、東北楽天+東北出身者VSその他みたいなショー的なものもありかと思います。
1試合ぐらいはそういうお遊び的なものをやってもいいんじゃないでしょうか。
3試合まともにやるのは正直厳しいものがあります。

それと、冗談交じりの会話だったので、あまり厳しくはツッコミませんが、
シーズン序盤に牧田投手が東北楽天・山崎選手にランナーなしでクイックで投げて、
「1年目の癖にプロの礼儀がなっていない」という趣旨の批判をされたことがありましたが、
これが高卒1年目の松坂大輔投手のようなオーバースローの本格派投手なら同じことを思いますが、
タイミングを外してなんぼのアンダースロー投手で、かつ、大卒社会人出身の投手に対して、
杓子定規に当てはめてしまうのは、やはりおかしいように思います。
アンダースローのような変則投手は1軍で通用しないとなれば見切りは早いわけで、
大卒社会人と即戦力で獲得した投手が戦力にならなければ、当然次の年はありません。
ライオンズは育成選手を取っておらず、大量解雇がないので、
比較的長めに見てくれる球団ではありますが、もし故障等でもあれば解雇が早まることもあります。
実績のある山崎選手や小久保選手にはある程度来年が保証されていますが、
実績のない大卒社会人出身の選手は来年は保証されていないわけですから、
文句を言うのはちょっと違うように思えます。
タイミングを微妙に外すのが牧田投手の持ち味なのですから、それを生かす技術は当然認められるべきでしょう。


◆ライオンズの話 前半戦のライオンズを振り返る
もう明日から後半戦スタートなので、振り返られるのは今日だけということで。
未だに不調の原因を断定できないので、時系列で前半戦を振り返りながら、整理しようと思います。

まず開幕カードの日ハム戦は、今では信じられないことですが、
今年絶好調のダルビッシュ投手を打ち崩すなど、打線爆発で2連勝スタートと最高の滑り出しでした。
しかし、2カード目のソフトバンク戦で、昨年終盤と同じような負け方、
つまりはリリーフ投手が打ち込まれて逆転負けを喫するパターンで負け越してから歯車が狂いました。
3カード目のロッテ戦で2試合連続完封を喫するなど、打線が極度の不振に陥り、得点力が激減、
4連敗1勝引き分け挟んでの5連敗と連敗ペースになり、5月5日まで打線の不振に苦しみました。
原因は震災の影響で途中帰国したフェルナンデス選手とブラウン選手の大ブレーキ、
片岡・中島・中村選手といった主力のブレーキ、
好調の浅村選手と栗山選手だけが頼りという非常に苦しい打線でした。

それでも5月5日以降は、片岡・中島・中村選手といった主軸の調子が戻り始め、
交流戦前半は打線が好調だったこともあって、一時は5割復帰も果たしました。
そんな好調時にも負ける試合はリリーフの失敗という展開が多く、
故障離脱のシコースキー投手の穴を、藤田太陽投手やグラマン投手、岡本篤志投手らが埋められず、
好調の許銘傑投手を交流戦期間に後ろに回すことで何とか持ちこたえていた状態でした。
そしてDHなしの試合を中心に、少しずつ打線の巡りが悪くなり、
片岡選手らが調子を落とすと再び打線は低迷、
交流戦後半は投打が噛み合わず、負けが込んでいきました。

その打開策として、リーグ戦再開後に、牧田投手を抑えに回してリリーフの強化を図り、
打線では1番固定だった片岡選手を2番に下げ、浅村選手や栗山選手を1番に起用するなど梃入れ、
最初の2カードはそれなりに効果を発揮したものの、
3カード目と4カード目の日ハム・ソフトバンクの上位対決で5連敗を喫したことで、
再び投打の歯車は狂い始め、7月はここまで6連敗3連勝9連敗と大幅に負け越し、
借金15の最下位に低迷している状態です。

リーグ戦再開後は後ろが安定したものの、
先発投手が手薄になった、というよりも、先発投手がだらしなくなりました。
エースの涌井投手が交流戦終盤から不調に陥り、全く勝てなくなり、
打線の援護で1勝したものの、あとは負け続きで登録抹消と散々。
左のエースの帆足投手は交流戦後半に肩痛で離脱し、リーグ戦再開後に復帰を果たすものの、
肩痛の影響からかコントロールとボールのキレが良くなく、試合を作ることができず、
ここ2試合でようやく復調のきっかけを掴んだといったところ。
岸投手は怪我で出遅れ、5月中旬に1軍復帰を果たしたものの、
80球ぐらいで打ち込まれることが多かったためになかなか勝てず、
ここ2試合でようやく本来の岸投手のピッチングができてきたという状態。
それなら、ベテランの石井一久投手と西口投手はどうかというと、
試合は作ってくれてはいるものの、ピシャリと抑えるタイプではないので、
投打が噛み合わない試合ではなかなか勝てずという状況。
菊池雄星投手がプロ初勝利を挙げるなど明るいニュースもありましたが、
平野投手を含めて、新しい軸となる先発投手はまだ育っておらず、
今は先発が物足りない状態です。

リリーフは牧田投手と許銘傑投手が後ろに回ったことで、8回まで行けばという感じになりましたが、
リーグ戦再開後はそこまで繋がらない展開が多かったです。
その前を投げる投手、特に左の星野投手や江草投手がもう少し頑張らないと。
若い木村投手がアピールしているだけに、勝ちパターンに加わってくればという感じです。

打線に関して言えば、主力選手の不調、片岡選手の不調・離脱が響いてはいますが、
原選手や浅村・秋山・熊代選手といった若い選手が頑張っていますし、大きな穴にはなっていません。
問題は外国人選手の不調でしょう。
ブラウン選手は戦力にならず、フェルナンデス選手は好不調の波が非常に激しい。
フェルナンデス選手が打っていると、比較的打線も得点力が上がるのですが、
打っていないと同じ凡退の繰り返しで打線がなかなか繋がってくれません。
新外国人選手としてマルハーン選手を獲得しましたが、起爆剤となるかどうか。
もしダメならば、外国人選手を切り捨てて、
小技や機動力を使える若手を抜擢し、ランナーを確実に進めて1点を取る野球に切り替える必要があります。
ホームランで得点できれば楽なのですが、今はホームランが出ないと勝てないチームになってしまっています。
1点を確実に取っていく堅実な野球が改めて求められているように思えます。

こうやってまとめていくと、戦力的には先発投手の問題が大きいです。
連敗しないためにはエースの涌井投手の復活が必要不可欠です。
帆足投手と岸投手は故障の影響が少なくなってきただけに、後半戦は期待できそうですから、
涌井投手が相手のエースを負かすことができるかどうかが一つの鍵です。
あとは若い先発投手が出てくるかどうか。平野投手や菊池雄星投手、大石投手らの飛躍を期待したいところ。

精神的な面では勝負弱い打線が問題です。
それでも4番の中村選手はホームランを量産していますし、3番中島選手も打点王争いをしています。
数字的には悪くないだけに、その後ろを打つ打者がどれだけランナーを返せるかが鍵でしょう。
5番のフェルナンデス選手の復調、もしくはマルハーン選手の活躍、
そこがなんとかなれば得点力も回復してくるように思えます。
多少成績は落としてはいるものの、中島選手が良い打者であることは変わりないですし、
中村選手がホームランを打っていることも間違いないわけで、
2人を生かせるような打線にすることが必要だと思えます。

後半戦のスタートは分の悪いロッテからなだけに、ここで今までのお返しをして、
後半戦の逆襲へと繋げて行きたい所ですね。


◆マンガの話 『魔法少女まどかマギカ』
アニメで話題になった『魔法少女まどかマギカ』のコミック版を読みました。
なるほど、ガンダムがそれまでのロボット物がスーパーロボットアニメと称されるのに対して、
リアルロボットアニメと呼ばれるように、「リアル魔法少女アニメ」とも言うべきものだったんですね。
まぁ、ストーリー全体としては永井豪アニメの方が近いのかもしれないけれど。
そういう意味じゃスーパーもリアルもあまり区別する意味合い自体はないのですが。

似たような話はわりと昔からあって、
例えばRPGゲームとかで勇者が魔王を倒した後にどうなるのかを現実的に考えてみると、
同じような話が思いつきます。
まぁ、ぶっちゃけ勇者は迫害されますわな。ジャンヌダルクのように。
国王にとって平和になった後の勇者は魔王の次に脅威となる人物なわけで、
勇者に決してハッピーエンドが訪れることはありません。
大人しく軍門に下るのか、果て無き逃走を繰り返すのか、逆に魔王となって反逆するか。
そういった話はわりとよく見かけます。

凄いのはそれを魔法少女モノに持ってきた勇気です。
ある種、メルヘンの塊、現実臭さを完全に超越した世界に、
そういったシリアスな展開を持ち運ぶことは、無謀なことで、大きな自己矛盾を孕んでいます。
『魔法少女リリカルなのは』のヒットもそうなのですが、
魔法少女モノが子ども向けアニメとしてではなく、
大きな大人向け(^^;になったことが、この蛮勇が受け入れられる土壌になったのかなと思います。

まぁ、アレだ。
前にTVでピノキオの最終回が惨殺だったけれども、読者の反感にあって、
死んだピノキオが復活し、今の私達が知っているような人間になるハッピーエンドになったと放送されてましたが、
一昔前の子ども向けアニメとしてしか受け止められていなかったとすれば、
同じように認められないような話だったんじゃないかなぁと思います。
そういうところにアニメを巡る環境の変化とかを感じたりしますね。

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