終戦から65年
ですか…
この間に、戦争の悲惨さ、言わば「被害者の記憶」というのは広く語り継がれてきたのですが、
一方ではお国のために死んで来いと若者を送り出した大人たち、
非国民と批難して戦争反対の機運を奪っていった文壇や国民、
戦争を仕掛けた中国・東南アジアは勿論、戦争に動員された植民地の人々といった、
言わば「加害者の記憶」には蓋をされて、語られぬままここまで来たのは残念でなりません。
お国のために死んで来いと教えた先生たちは、
戦争が終わった子どもたちにどう教えていったのか、どう戦時中の悔恨を消化していったのか、
戦争をしないというのは勿論ではありますが、
他にも人間性を失わせるような出来事は幾らでもあるわけですし、
そういったことも後世に伝えていって欲しかったなとも思います。
これだけ年月が経つと、生き残っている人たちは戦時中は子ども・学生だった人達が中心ですし、
今はもう消えていった記憶なのかもしれませんね…
世界では南アフリカのアパルトヘイトや韓国における朝鮮戦争の実態調査など、
敢えて痛みを伴う記憶を人々で共有することによって、
和解を図り、後世へと生かしていく「真実和解委員会」が行われているだけに、
今更ながら、失敗したかなという気がしないでもないです。
子どもたちのコメントを聞いていても、戦争の悲惨さという言葉は出てきても、
残酷なことをしたという言葉はなかなか聞こえてこないことに、少なからず残念な気持ちになります。
だから、未だに太平洋戦争は侵略戦争ではなかった、
陰謀だとかいう話を真顔で言う人間が出てきちゃうのでしょうね。
戦後に太平洋戦争の意味を日本人自身が十分に問えなかったことの歪みを感じます。
明治維新の歪みが太平洋戦争を生んだように、
この過去に蓋をした歪みが後世に悪影響を与えていかないように、
私たちは常に想像力を働かせ、失われた戦争の記憶を生かしていかないといけませんね。
◆高校野球 甲子園大会
それにしても今年は得点が随分と入りますね…
投手が例年ほどは良くなく、強風の影響もあるからなのか、打球がよく伸びます。
阪神タイガースは所謂「飛ぶボール」を使い出したそうですが、
甲子園大会でのボールはどうなっているんでしょうかね。
数年前にはプロで使っていた「飛ぶボール」が大量に流れて、
随分と長打が出るような話が出ていましたが…
金属バットも2000年頃でしたっけ、随分と飛ぶようになって規格を変更したりしてますが、
バットとボールといった道具の面をもう一度考え直した方がいいような気がします。
打った瞬間、レフトフライと思った打球が外野手の頭を抜けていたり、
スタンドインしているようだと、ちょっと高校野球としては大味過ぎるのではないかと。
今大会では鋭いピッチャーライナーが投手を直撃したケースが2例以上はあったと思いますし、
地方の練習試合では死者も出たケースがあったと記憶していますから、
投手の生命を守るためにも、道具の再考を高野連には是非ともしてもらいたいです。
これまでの試合の中では、聖光学院と広陵の試合は素晴らしかったですね。
聖光の2年生右腕・歳内投手と、広陵の長身右腕・有原投手との投げ合い、
バックの守備もしっかりと守り、真の投手戦という試合でした。
6回表に2アウト1・2塁から広陵の2年生4番丸子選手がセンター前にヒットを放つも、
センター根本選手からワンバウンドの好返球が返ってきてホームタッチアウト。
7回裏に聖光学院は1アウト1塁からエンドランを成功させて1・3塁とし、
2アウトとなったものの、2塁盗塁後に三振振り逃げで3塁ランナーホームイン。
虎の子の1点を歳内投手が守りきり、聖光学院が勝利しました。
2年生右腕の歳内投手は素晴らしいピッチングでしたね。
上から投げ下ろすオーバースローで、前足の踏み込みがしっかりしており、
理想的で力強い投球フォーム、140キロ前後のストレートに力と角度があり、
変化球は縦に落ちるスプリットを軸に、ゴロを打たせて捕るピッチングを見せました。
春から夏にかけて大きく伸びた投手ということなので、今後の成長も楽しみです。
センバツでも好投した有原投手は187センチという長身を利用した
身体を傾けて投げ下ろす投球フォームで、140キロ中盤の角度あるストレートは魅力的でした。
右打者へのカーブ、左打者へのチェンジアップも良かったですし、
春の時よりも総合力が増し、素晴らしいピッチャーになった感じがします。
もう少し下半身を使ってくれると、さらにスゴイ投手になりそうです。
今年の高校生投手では一番かもしれません。
唯一、高校生でドラフト1位の可能性がある投手かと。
でも本人は早大進学希望だとか。故障しないように頑張って欲しいです。