« 大久保コーチ解任 | メイン | 暑くて »

MVPは片岡選手

プロ野球オールスターゲーム第2戦が行われ、結果は5-5の引き分け。
MVPには4安打1盗塁と結果を残した埼玉西武ライオンズの片岡選手が選ばれました。
いやー、最後、青木選手が打ったらどうしようかと思いましたけどね(^^;
シコースキー投手がよく抑えてくれました。さすがのストッパー。

試合はホームランが3本飛び出し、接戦になるなど見ていて面白い試合だったと思います。
まぁ、ただ、今日もセリーグの方が若干優勢だったかなぁ、と。
交流戦の東野投手しか知らないパリーグファンからすれば、
随分とバランスが悪いなというのが率直な感想、ぶっちゃけ悪すぎた感じがしました。

今日はライオンズ勢は大活躍とは言わないまでも、首位を走るチームらしい活躍。
涌井投手が小笠原選手にタイムリーを打たれたものの、外角のストレート中心で、
変化球は追い込んでからチェンジアップを投げたぐらいでしたが、よく抑えました。
打たれた時はもっと変化球を投げろよと思いましたが(^^;、結果は上々でしょう。
シコースキー投手も青木選手が追い込まれた後はヒット狙いでファールにする中、
最後は内角高めストレートで空振り三振、非常に素晴らしい対決でした。
打者では中島選手が代打の1打席だけだったものの、
低めの難しいストレートを右中間に運ぶ中島選手らしい2ベースを見せ、
片岡選手が打撃面の成長を見せ付ける2ベース2本とヒット2本の計4安打の大活躍。
盗塁は1個だけでしたが、2塁ベースカバーががら空きと見るや一気に2塁を陥れるなど、
随所で走塁センスの高さも見せており、非常に素晴らしい活躍だったと思います。
片岡選手の今までのイメージは、足と守備という感じでしたが、
今回のオールスターでの活躍でシュアながらもパンチ力ある打撃がアピールできたかと思います。
今回のMVPで名実ともにパリーグの顔の一人になった気がしますね。


◆デーブ大久保コーチの解任騒動 大久保コーチだけが悪者なのか?
今のところは日刊スポーツの記事が一番分かりやすそうですね。
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20100724-657394.html
東スポや夕刊フジにも出ているようですが、
情報ソースとしての信頼度が分からないので判断しかねる面もありますが、要約すると、
菊池雄星投手はアーリーワークや罰金制度といった大久保コーチ発案の練習法に反対的で、
アーリーワークが半ば強制的になされていたこと、
罰金は大久保コーチや工藤投手らが開く食事会に還元されていたものの、
そこで悪口などが出ていたため、雄星投手は数回参加しただけで参加を止めたところ、
大久保コーチに「工藤さんの顔を潰す気か」みたいなことを言われたこと、
そんなことがあって対立が表面化していった模様です。

事件となったのは以下のようなあらまし。
球団側がこの食事会のことで大久保コーチを注意したところ、
雄星投手が球団にちくったと思った大久保コーチが雄星投手の胸倉を掴んで怒った、とのこと…
胸倉を掴んだのは事実みたいですね。暴行したかは分かりませんが。
そうなると、原因となった食事会への不参加もおそらく本当のことなのでしょう。

文化放送では菊池雄星投手の動向が毎日放送されていますが、
その中で幾つか気になっていたことがありました。
1つは雄星投手がアーリーワークに積極的ではなかったこと、これは間違いなさそうです。
アーリーワークへ参加していたこともありましたが、
「工藤投手に誘われて」という表現が常に付いていました。
その点には以前から違和感を感じていました。
もう1つは3・4月にはキャッチボールの相手が工藤投手ばかりだったのに、
6月頃から急に工藤投手の名前を聞かなくなり、若い先輩投手と組むことが多くなったことです。
その頃は工藤投手が実践登板し始めの頃でしたから、
調整段階が違うせいかなと思ってたんですが、必ずしもそうではなさそうですね。

以上のことから推察するに、やっぱり雄星投手はアーリーワークに積極的ではなく、
工藤投手との関係も少しこじれるような出来事があったように思われます。
そう考えていくと、誰が悪いのかと考えると迷う面が出てきます。
どちらの立場も分かるっつーか… 大久保コーチにも同情する面が出てくるように思います。


(1)アーリーワークに関して
大久保コーチの立場からすると、工藤投手がアーリーワークに参加しながらも、
それより若い選手が何の理由もなくアーリーワークに参加しないことは信じられなかったでしょう。
アーリーワークは練習の前に行う自主練習です。ですから基本的に参加は自由。
ですが、練習する必要がないとも思える大ベテラン投手が朝からグラウンドで汗を流しているのに、
練習する必要がある未熟な若手選手が寝てるということが、許されるでしょうか。
これが衰えを隠せない工藤投手だから話が分かりにくくなりますが、
例えば、中村剛也選手がアーリーワークに積極的に参加しているとしたら、どうでしょうか。
1軍主力選手が朝から練習しているのに、若い選手は寝てる。
こんなことでは1軍レギュラーになれるわけないです。抜けませんよ。
大久保コーチからすれば、片岡・栗山・中島・中村選手らがアーリーワークに参加し、
必死に練習をしてきたことを知っていますから、
まだ本気になっていない2軍選手を歯がゆく思うことも多かったことでしょう。
こんなことでは1軍には上がれないぞという思いが、
大ベテラン投手の参加による半強制的なアーリーワークに繋がったと思われます。

一方、若手選手の立場からすれば、「自由参加なら別にいいんじゃね」といったところでしょう。
もう少し肯定的に解せば、大ベテランの工藤投手と若手選手では練習メニューが異なっていて、
また、工藤投手は練習に手を抜いたとしても許されるが、若手選手は許されない、
だから、若手選手の方が相対的に負担が大きく、毎日参加する余裕がないのかもしれません。
加えて、アーリーワークを加えた練習量の多さが、結果的に故障者を多く生むことになり、
体が痛くとも言い出せない雰囲気が故障者続出を促進させ、
6月には野手が足りなくなりピッチャーが外野を守る状況になるなど、
怪我をしては元も子もないという状況が生まれたことも事実です。
若い選手の立場からすれば、練習量が多すぎるという愚痴も分からなくもないです。

まぁ、ただ、アラウンド30の自分からすると、
大ベテラン選手が練習しておきながら、若い選手が何もしないというのも違和感を感じます。
いきなり猛練習をしろなどと言いませんが、
最低でもグラウンドに顔を出して、グラウンド整備するなり、
軽く体を動かすぐらいはすべきじゃないのかと思います。
体の状態がいいなら、1軍を目指して必死に練習するべきでしょう。
実際、アーリーワークがどの程度の練習を強いられていたのか分からないので判断できませんが、
練習内容は各自に任されていたのだとすれば、不参加というのはやや理解できない面があります。
一言で言えば、「このゆとりが」ってことなんでしょうが(苦笑)


(2)罰金制度とその罰金を元手に開く食事会に関して
罰金制度自体は別に野球界では珍しいことではありません。
広岡監督や森監督など、所謂「管理野球」と呼ばれた頃は罰金のオンパレードでした。
遅刻とかは可愛いものでしょう。
バント失敗とかチームプレーのミスにも罰金が課されていたこともあったようです。
その罰金を食事会として還元する方法もそんなに珍しくはないでしょう。
食事会に罰金を払った選手は参加できず、一部の選手のみしか参加できないというならば、
恣意的に流用していると言わざるを得ませんが、今回はそういった感じではなさそうです。

大久保コーチからすれば、所謂「飲みにケーション」で、
楽しく話をしながら、本音をぶつけ合うことを意図していたのでしょう。
ただ、今の若い選手はあまり食事・飲酒に積極的ではなく、
昔のように「飲みにケーション」が機能しなかったことは容易に想像できます。

そもそも、どうして「飲みにケーション」が重視されたかには、それなりに理由があります。
昔の選手はライバルチームの選手は勿論のこと、自軍の選手であっても、
変化球の投げ方や技術的な指導をすることはなかったようです。
自軍の選手といってもライバルには変わりないわけで、
例えベテランでもおいそれと若い選手に指導することはありませんでした。
では若い選手はどうするかと言えば、まず目で盗む、
ベテラン選手の練習をじっと見て、それを真似をし、自分なりに技術を掴むことです。
もう一つがベテラン選手と飲みに行くことです。
実際は飲みに行っても野球の話はほとんどしなかったそうです。
けれど、酔っ払ってくると、ふとした時に野球の技術論の話になり、
そのちょっとしたものから得るものが大きかったと、
工藤投手が昔ラジオで話していたことを記憶しています。

今の選手は、他球団の選手であっても気軽に球種を教え合い、
ベテラン選手が若手選手を教えることが珍しくなくなっており、そういう意味では恵まれています。
ですから、別に「飲みにケーション」を行う必要もないといえばないです。
だけど、そうやって人付き合いにも努力しながら技術を習得してきたことを、
大久保コーチや工藤投手は分かってもらいたいのではないでしょうか。
まぁ、実際は飲み食いしたいだけでしょうが(笑)


そうやって考えていくと、果たして大久保コーチだけが悪いのかというと迷いが生じます。
勿論、ちくったと決め付けて、胸倉を掴んで怒りを見せたことは問題です。
それは擁護しようがないことでしょう。
でも、そこに至るまでの過程には、どうも世代間のギャップのようなものを感じます。
菊池雄星投手に関して言えば、あまりにも真面目で頑固すぎるように思えます。
野球の技術習得に貪欲になるのは良いことですが、その上で人間関係はとても重要です。
工藤投手に弟子入りしたのなら、師匠に教えてもらう見返りとして、
師匠の世話をするのが筋というものでしょう。
アーリーワークに付き合う、食事会が嫌でも参加する、それが弟子として成すべきことです。
不合理なことと言えば、それまでですが、別に工藤投手は雄星投手に教える必要はないのですから、
教えてもらえるよう努力するのは弟子としての仁義だと言えましょう。
勿論、我慢の限度というものはありますが、
1年も経ってないのに、1軍登板も果たしてないのに若造が、
それが一般社会の通常の感覚のように思われます。

菊池雄星投手に対して言いたいのは、「高潔な」人物を目指すのが全てなのか、ということです。
食事会でその場にいない人の悪口が出た、嫌だな、その気持ちは分かります。
でも悪口を言ったとしても、真に嫌っているかは分かりません。
嫌な面を認識しながらも付き合っているかもしれないじゃないですか。
嫌な面に目を瞑ったり、目を逸らす考え方は、真の「高潔な」人物とは言えません。
良いものばかりから学ぼうとするのではなく、悪いものからも学び取ってみなさい。
両方が学べた時に、真の理解に達する、私はそう思います。
今の雄星投手はまだ若く、物事の表層しか見ていないように思えます。
裏を知った上で、見出した答え、それが真実の理解です。
俗世間から身を離れて修行するような「高潔さ」を目指すのではなく、
俗世間の中で物事を学び取り、理解できるような真の高潔さを目指してもらいたいです。

ちなみに、俺が裏を知ったのは、エロゲとエロ漫画です(笑)

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)