男子フィギュアで初のメダル獲得
バンクーバー五輪は、スピードスケート男子500Mで長島圭一郎選手が銀メダル、
加藤条治選手が銅メダルを獲得し、
男子フィギュアスケートで高橋大輔選手が銅メダルに輝きました。
メダル獲得、本当におめでとうございます!
男子フィギュアはショートプログラムで好スタートを切ったこともあり、
メダルの期待感が強かったのですが、
グループトップのエバン・ライサチェック選手が完璧な滑りを見せて高得点をマーク、
後ろの選手に大きなプレッシャーがかかる中で、
織田信成選手が転倒と靴紐が切れるアクシデントでメダル争いから脱落、
メダルは高橋大輔選手次第という状況でしたが、
最初に4回転ジャンプに失敗して転倒したものの、後は持ち直して素晴らしい滑り、
ミスを取り返す滑りで銅メダルに滑り込んだといった感じでしたね。
プレッシャーがかかる中で果敢に挑戦していき、
失敗しながらも後の演技でしっかりと取り返す、見事な滑りでしたね。
連覇のかかっていたロシアのプルシェンコ選手はライサチェック選手に及ばず銀メダル。
ショートプログラムもそうでしたが、ややジャンプが不恰好だったこともあり、
今回の結果は妥当なところだったと思います。
ショートもフリーもライサチェック選手の滑りが一番綺麗でしたよ。
高橋選手が金に届かなかったのは残念ですが、納得の銅メダルかと思います。
◆ネタバレ感想 『id -Rebirth Session-』
レビューでも書いたように、プレイヤーを誤解させる文章が多すぎましたねぇ…
つーか、露骨過ぎる。多くのプレイヤーが「ふざけんな!」とツッコミを入れたのではなかろうか(^^;
一番分かりやすいのは、Cルート(トゥルールート、前へと一歩歩み出る)で明かされる
主人公の持つロケットの中身が猫の写真だったということでしょう… ふざけんな!(苦笑)
シナリオ冒頭で桜が主人公のことをロリと断定した写真は、
親戚の子の美代ちゃんが猫を抱えている写真だったらしい… 俺は主人公を殴りたい!
目前で交通事故に遭ったのもその猫。妹など最初からいなかったってのは、あんまりだ。
他にも誤解されやすいのは、Aルートにおける佐伯が見た案内人の正体。
一見すると、川岸だったように思えますが、
文章が区切れていて、空へ呟くように川岸の名を挙げていることを考えると、
別に川岸である必要はなくなるわけで、やはり片瀬幸雄だったとするのが妥当な見解でしょう。
これは絶対誤解するであろうというのが、Cルートにおける主人公が教会から一人逃走後のモノローグ。
何度文章を読み返してみても、桜の視点としか読めないし、
そう思わせるように文章が仕立て上げられているわけだけれども、
Cルートで明らかにされる真相とは矛盾してしまうし、
岩谷とのやり取りで「そっちの方が自然」と言われ、
謎解き前に桜のブローチを付けている雫がそのことを口にすることを考えれば、
あれは桜の視点ではなく、雫の視点だったということになります。
そう思ってシルエットを見てみると、蝶のブローチは付けているものの、
髪の長さはそれほど長くないということで、雫だったのかということが分かるかと。
変だなとは思ったものの、真相分かるまで分かるわけ無いよねぇ。
別にその前に雫と佐伯が二人っきりで会話している場面なんてないし、
久世にオナニーを見られたぐらいであまりにもビクビクしすぎだし。
ここら辺からも、シナリオライターの意地悪さが目に付いちゃいます。
これでミスリードを誘うのはさすがに露骨すぎますよ。雫はすぐにブローチ外しちゃうしな~
Cルートはまだいいとしても、Aルート(離脱組)とBルート(残留組)は真相が明らかにされないだけに、
多少考察らしきもの(というか矛盾点の指摘)をしておこうかと思います。
●Aルート●
Aルートは強引な結末ではあったものの、
主人公の探偵(というよりはボディガード?)としての働きは良かったんじゃないかなと思います。
真実の探求者というよりは正義の味方、泥を被って場を収めようとしたのは1つ面白い結末でした。
まぁ、探偵としては謎解きが全くされてないだけに、全く評価できませんけど(^^;
ただ、Aルートは深く考察していくと矛盾点が大きすぎてサッパリです。
真相が明らかにされない辻(偽)の殺人犯と、佐伯の殺人犯が誰なのかが問題となります。
Aルートのシナリオの流れからすれば、桜が両方の犯人であると読むことができ、
おそらくライターさんもそのつもりで書いたのでしょうが、
細部を見ると矛盾点が多く、桜犯人説は実際的に弱いように思えてきます。
辻(偽)の刃物の凶器である短剣は桜が護身用に持ち出したものなので、桜犯人説が有力なのですが、
地図や時間軸を整理していくと、桜がCルートのように辻(偽)の生存を知る機会が存在しません。
殺人現場は集落跡の森近く(地図上の南西)、崖下は地図上の南地点、
久世・桜・雫が狼煙の準備をしていたであろう地点は北の岬(教会が北の地点であるため)と思われるので、
方向的に全く逆である集落跡方面に桜が行く機会は記述されてないんですよね。
唯一Cルートのような展開になりえたのは、死体発見その日、教会に残った午前なのですが、
果たしてその間に森を抜けて崖下まで行き、辻(偽)を発見し、森の中で待ち伏せするような時間があったのか。
ちょっと強引過ぎる展開のように思えます。
辻(偽)の犯人を桜とするならば、もう少し桜の行動に空白を持たせるべきだったように思います。
佐伯の殺人犯が桜であるとするのは、記述不足というよりも合理的ではありません。
まずは桜が紛失した拳銃の行方が問題になります。
仮に桜がそのまま隠し持っていたとするならば、睡眠薬を飲んだことからして全て自作自演となるわけですが、
ベッドから起こす時に布団は取るわけで、背中に背負った士郎がそれを気づかないとするのは強引過ぎます。
もはやキャラクター性を無視したシナリオ展開と言わざるを得ないでしょう。
加えて、そもそも桜が佐伯を殺す動機がありません。
桜が拳銃を行使する動機は辻(偽)殺しが発覚したか、兄絡み・士郎絡みしか考えられないのですが、
佐伯は昼の時点では辻(偽)殺しの犯人を知らず、片瀬幸雄が犯人だと知りえても、
「綾瀬桜」としかその時点では認識していないし、例えそれを察せたとしても、追求する機会が存在しない。
桜が拳銃を隠し持つ理由が皆無であるため、説得力が全くないのです。
Bルートのように多少なりとも士郎に不信感があれば話しは別ですが、Aルートはベッタリですから、
桜が拳銃を主人公に返さない理由が弱すぎます。
仮に、Cルートのように辻(偽)殺しの犯人が桜で、佐伯を疑っていたと考えたとしても、
少なくとも自ら睡眠薬を飲む必要性は全くないし、むしろ拳銃を紛失する機会を作るだけなだけに、
桜による自作自演を肯定することは合理的ではありません。
となると、拳銃は誰が盗ったのか、睡眠薬は誰が混入したのかが問題となります。
あの時点で一番銃を欲しそうなのは佐伯ぐらいなので、個人的には佐伯説を採ります。
でなければ、睡眠薬の投与と拳銃の窃盗は別人物であったとするか。
例えば、突飛な行動を取る鏡子が睡眠薬を投与し、拳銃を盗ったのは片瀬幸雄と考えてみたり。
希沙もあり得ますが、少なくとも昼の時点で窃盗する動機がないので、やや強引な読み取りとなってしまいます。
佐伯殺害現場からの考察で疑問なのは、拳銃が落ちている点です。
拳銃が現場に落ちていたことは、犯人にとっての拳銃使用は佐伯殺害のみが目的であることを示しており、
昼の時点ではその動機を持たない人物が犯行を行うには無理があります。
拳銃を盗んだのが桜・希沙・佐伯以外である場合は、拳銃を当然投げ捨てる必要があるので、
桜や希沙がそれを気づかないとするのは難しいと考えられます。
桜は拳銃を隠すことができず(えっ?女性には一見すると分からない隠し場所があるって?暴発したらどうすんの)、
希沙は拳銃を盗む動機をそもそも持たない。
そう考えていくと、拳銃は佐伯が持っていたとしか考えられなくなります。
それでは、桜が佐伯から拳銃を奪うことができたのではないかと考えますが、それも非常に考えづらいです。
Bルートの主人公推測のような拳銃を受け取りに来ましたは全く通用しないし、
そもそもBルートにおいても佐伯の性格を考えればそれに応じるとは思えず、何の説得力を持ち得ません。
桜が拳銃を強奪しえたとすれば、寝ている時に奪ったぐらいでしょうが、
それに気づかないというのも変だし、睡眠薬を投与したとするならば、起き上がったことを説明できません。
あり得るとすれば、睡眠薬を投与して眠っている隙に拳銃を取り返し、起きて拳銃を探している所を撃ったとなりますが、
そこまでいくと描写不足というよりは妄想の類にしかなってきません。
つーか、そもそも桜が犯人だとすれば、あの現場状況は一体何なのか。
仮に桜が佐伯に殺意を持っていたとするならば、見張り時に狙った方が確実だし、疑惑は及ばないはずです。
衝動的な犯行だったとすれば、睡眠薬を投与する意味はないし、そもそも拳銃を盗んだのが佐伯だと知るわけもない。
以上の理由から佐伯殺害を桜の仕業とするのは、合理性を欠くように思えます。
桜が犯人でないとすれば、第三者説が有力となり、
佐伯を殺害する動機や投げ入れらた小石のことを考えれば、片瀬幸雄以外に犯人はあり得ないでしょう。
そうなると拳銃の所持が問題になってきますが、片瀬幸雄なら予め用意できる立場にあったでしょうから、
佐伯が拳銃を持っていたのにも関わらず、拳銃で撃たれたことに対して驚きを感じたのは不思議ではありません。
Cルートにおいて、片瀬幸雄が雫に対して佐伯と知り合いであることを仄めかす発言しているのが何を指すのか、
実際に島へ渡る前に面識があったのか、それともAルートにおける正体バレを意味するのか分かりませんが、
仮に後者であるならば、片瀬幸雄が佐伯の死を望んでいた可能性は高いように思えます。
まぁ、でもCルートではあんなに桜を庇うようなことをしていたにも関わらず、
Aルートでは桜に罪を着せようとする行動には明確な矛盾を感じちゃうんですよね。
でもキャラクターの一貫性がなく、ライターの手で左右されていることを考えると、
それでも矛盾はないのかなとも思ったり。
つーか、片瀬幸雄の性格がよく分からないし。結局は主人公による推測だけだから。
桜を庇う気だったのか、鏡子のように面白かったからが理由なのかよく分からないし。
また、希沙の2つ目の証言である「就寝前に佐伯が奥の鍵を開けていた」は嘘の可能性が高いです。
理由は士郎への想いに気づき始めたことによる桜への嫉妬心。
希沙の2つ目の証言が本当だとすれば、佐伯は鍵を閉めなかったことになり、その理由が分かりません。
鍵を閉めるのが普通なのだから、開けておいたとするには理由が必要となりますが、その理由はもはや妄想の域。
やっぱり、桜は犯人ではなく、第三者(片瀬幸雄)が犯人であるとするのが妥当のように思えます。
それにも関わらず、桜が犯人のようにシナリオが展開されてしまうのは、一体何なのでしょうか。
主人公が勘違いしたバッドエンド的なものなのか、それとも単なるシナリオの矛盾点なのか。
それがはっきりとしないので、何とも言えないところです。
個人的には桜が主人公に黙っていることはあっても、嘘を付いていることはないと思うんですが…
主人公を含めて、他のキャラは冗談に交えて嘘を入れてるけれど、桜にはほとんど見られないですし。
あとはエンディングでのニュース速報「生存者十名以外にも死者が『二名』」。
死者は蒲生・辻(偽)・佐伯の3名のはずなのに2名。これが何を表すのかよく分かりません。
単純に蒲生の遺体が紛失し、見つからないためなのか、
黒幕である片瀬幸雄による情報操作で総勢12名とされたのか、
それとも辻(偽)の身元が不明でカウントされていないのか、よく分かりません。
『』が意図的に付けられている以上、何らかの意味を持つのでしょうが、
その意味を明らかにすることは難しいです。
個人的には辻(偽)ノーカウント説を推したいところ。
●Bルート●
Bルートは、正義の味方の無力感を現したシナリオというのは分かるのですが、
主人公の手を離れた所で物語が進行することが多く、物語が全く掴めません。
テーマは良いと思うんですけど、内容が杜撰に思えちゃうんですよねぇ…
1つ目の謎が、佐伯の紗江に対する脅迫とその後の行動。
辻(偽)の遺体発見現場が中庭だと言ったのは単なるブラフで、犯人に対する引っ掛けだったと思われますが、
その後の行動がよく分かりません。
そして、同じような時間帯に教会で佐伯が殺されるという謎展開。
久世と雫は佐伯の外出を知らないようにも思えますし、佐伯の行動が全く掴めない。
脅迫はどういう順番で行っていたのか、教会にいつ戻ったのか。描写不足でサッパリ。
施設に現れた佐伯は幸雄の変装とかいうオチじゃないよね? それとも夢オチ?
2つ目の謎が、鏡子の独白における被害者の数。
島の人数は総勢13人と言いながら、被害者は4人としている。
崖下の辻(本人)は含めないはずなので、蒲生・辻(偽)・佐伯の3人が正解であるべき。
ひょっとして桜か紗江が既に死んでる的な超展開かと思ったものの、単純にシナリオの間違いなのでしょうか?
3つ目の謎が平林の逃走劇。
協会側に流した嘘情報とは何だったのか。
久世が桜を怪しんでいることから、桜関連ではないかと思いますが… 施設側が桜を匿ってるとか?
そして、仮面に終われる際のモノローグ、
「ここにはいるはずのない、同じ世界には既に属していないはずの、失われたあの子の笑顔。」の意味。
辻(偽)を「あの子」とするのは無理があるので、桜か紗江が候補になりますが…
それとも、単に平林の過去に関する描写なのでしょうか。他では全く出てきませんが。
まさか、この期に及んで猫とか言わないよな?
でも桜も紗江も生きているような感じで話は展開するし、全くもって意味不明なセリフ。
Bルートの一連の流れを簡単に整理しておくと、
辻(偽)の遺体が発見される→佐伯が教会で殺害される→桜が消える
→平林が逃走する→平林が鏡子に殺される(過剰正当防衛)→教会襲撃事件が発生(氷室父・岩谷・鏡子?)
→久世が死亡、岩谷が死亡したと思われる→氷室父が雫をレイプ、雫が自決、希沙が発見後、主人公達が発見
→主人公が倒れ、桜と紗江が崖下の洞窟へと運ぶ→教会で紗江と別れる→主人公が地下へ置き去りに
→氷室父と希沙が交戦、希沙の刃物が氷室父を刺し殺し、氷室父のハンマーが何故か紗江を直撃。氷室父と紗江死亡
→ここからはよく分からない→桜が自決。希沙が火の中へ。主人公のみが救助されるエンド
紗江は死ぬ状況にないんですが、描写(内部から)からするとハンマーが当たったと読めます。
何で当たったのかはよく分かりませんが。希沙を庇うような、2人の間に割って入る描写が欲しかった。
鏡子の消息が終盤以降サッパリ掴めなくなる。紗江と並ぶBルートのヒロインクラスだったはずでは?
最後の謎はエンディングでの女物のブローチ。
おそらく桜のブローチのことなんだろうけれど、「真新しい」という表現がよく分かりません。
兄から貰ったブローチだとするならば、新しいわけはないんですが…
そこに何か意味を見出すとするならば、桜は最初から存在しない人間という超展開ぐらいでしょうか。
それはさすがに無茶苦茶に思えるんだけれども… Bルートは殺し合うだけで意味が分かりません。
Aルートとは異なり、桜が辻(偽)を殺した可能性は高いと考えられますが、
佐伯殺害はよく分かりません。
Bルートでは拳銃の持ち主が佐伯であることは間違いありませんが、
主人公が予測したように佐伯が桜に拳銃を返すことがありえるでしょうか?
少なくとも、返還期日が1日と言っていた状況で、その日の夕方・夜でもない時点で、
返還相手ではない桜に安易に拳銃を渡すような不用心な性格だとはとても思えないのですが。
キャラクター性を崩壊させすぎるため、Bルートでも桜犯人説は採れないです。
考えられるのは、片瀬幸雄犯人説で、桜は犯人を追うために教会を後にし、
その後に黒幕の正体が片瀬幸雄であることを知り、
一人で決着を付けるために、主人公を地下へ置き去りにしたと考えるのが分かりやすいように思えます。
桜は途中で黒幕の正体が兄であることを知り、主人公に兄のことを勘付かれないために、
主人公の問いをごまかし続けたと考えるのが分かりやすいのではないかと思います。
まぁ、いずれにせよ、無茶苦茶なシナリオです。
ただ単にライターがプレイヤーに対して桜を黒幕っぽく見せたかっただけじゃねーのかと問い質したい。
●Cルート●
全体的にはいいと思うんだけれども、やや腑に落ちない点もいくつかないことはなかったり。
第1に佐伯と桜の密会の顛末。
佐伯は片瀬幸雄の名前を聞いて動揺し、その理由を隠したが、身分を隠す必要があったのかがよくわからない。
佐伯からすれば、主人公が佐伯の正体を知っており、主人公と行動を共にしている桜がそれを知っていても不思議ではないし、
主人公の依頼人が桜であることを知っていて、その目的も人探しであることも知っているならば、
桜が片瀬幸雄のことを尋ねてきても何ら不思議はないし、必ずしも身分を隠す必要を感じません。
佐伯が慎重な性格で、身分を隠すことを選択したとするならば、分かるものの、
そうなると、Bルートで桜に拳銃を簡単に手渡したとする主人公の推論は的外れと言わざるを得ない。
キャラの一貫性を取るならば、やはりBルートの佐伯殺害の犯人は桜ではない可能性が強まってきます。
第2の主人公逃走後のモノローグ、第3のロケットの中身は最初に触れたので省略。
それぞれの答えは、桜のブローチを付けた雫、猫がファイナルアンサー。
「ちなみに、写真の中で彼女……じょびさんの妹を抱えていたのは、親戚の子で名前は美代ちゃんという」
猫のファイナルアンサーはロケットの中身を見せた後のこの文章です。
第4の点として、桜の犯行供述。
辻(偽)を崖下で発見した際には、仮面の服装を一度登場させる演出が必要だったように思います。
Bルートでそれは分かりますが、Cルートは正解ルートなだけに、ちゃんと種明かしして欲しかったです。
あと、佐伯傷害事件時のトランシーバートリックは無茶苦茶だと思いました。
辻(偽)の供述を疑問視しており、犯行に及ぶ気のなかった桜がわざわざそこまで用意周到なことするとは思えません。
それに日頃からトランシーバーを3つ持ち歩いていたわけではないのだから、
犯行のためにわざわざ施設へ出向き、トランシーバーを取りに行くリスクが何ら考えられてません。
現実的に桜がトランシーバートリックを取るのは無理があると言わざるを得ないです。
それならば伏線として、紗江との密会を用意しておくとかするべきだったように思います。
むしろ、片瀬幸雄がトランシーバートリックを用意したとした方が腑に落ちたことでしょう。
というか、トランシーバートリックって別に要らないよね? すげー細かいことですし。
第5の点として、社での謎解きにおける掘り起こした後が何を意味するのかが分かりません。
主人公は氷室父が掘り起こしたと考え、中身はもうないことを覚悟していたようですが、
実際はそうでなかったわけですから、一体誰が掘り起こしたのでしょうか?
考えるに、当初は地図と鍵があっただけで、レポート用紙は入れられていなかったのではないでしょうか?
片瀬幸雄がその計画の全容を主人公と桜に伝えるために入れたと考えるのが妥当のように思えます。
もし、仮に、最初から「Rebirth Session」が入れられていたとすれば、
第2回の参加者である鏡子は計画の全貌を知り得た可能性がありますから、
それが追加されたことを示すために、掘り起こした後という記述があったのだと考えます。
第6の点として、Aルートではあんなにも拳銃の使用にこだわっていたにも関わらず、
Cルートでは久世だけでなく、紗江までもが簡単に使えているのは矛盾を感じてしまいます。
つーか、普通に誰でも使えそうじゃないか…
使いこなせないことを理由にするならば、Aルートの桜も同じなわけで、
撃ち方を知っているのと正確に撃てるのは同じ意味ではないから、やはりAルートの推論は変です。
個人的にはやっぱりAルートの推論は間違っているように思えます。
第7の点として、島の位置。
3時間で陸地に行けるって何じゃそりゃ。行きは6時間以上かかったのに。
同じコースを辿る必要性はないものの、陸地から3時間程度の距離で絶海の孤島となるんですかね?
第8の点として、紗江バッドエンド(紗江が発砲して致命傷を与えるパターン)の意味。
あれは片瀬幸雄が引き続きバーを続けているのか、
それとも今度は主人公がバーをやり、役目を引き継いでいることを意味するのか、どちらかなのか。
いずれにせよ、エンド前のやり取りを完全無視になっちゃったため、
バッドエンドならもう少し早い段階で幕引きした方が良かったように思います。
第9の点として、鏡子とのやり取りで選択肢がなかったのは演出上の不満が残ります。
いい場面だっただけに、選択肢を作ってゲーム性を広げて欲しかったです。
何で紗江のところでは選択肢があって、こちらではないのか。納得いかないです。
普通、逆じゃないか? むしろ、紗江の方は要らないっしょ。
Cルートでは鏡子にやたら殺される点も納得といえば納得。
主人公が桜を庇おうとすると偽善だと看做されて殺されるのか。
最後も同じ状況ではありますが、覚悟(意識)が違ったというところで納得しておきましょう。
第10の点として、結局、片瀬幸雄が何をしたかったのかよく分からない。
まぁ、狂人の考えを理解したいとは思いませんが。その人となりが分からなかったのは残念です。
Cルートにおける幸雄が桜を庇うような行動も、あくまで主人公の推論にすぎず、
実際のところ、幸雄の意思がどうだったのかまでは分かりません。
鏡子と同様に事件の混乱を目的としていたとも取れますし… 性格が掴めないだけに、何とも言えません。
AルートやBルートでは桜放置どころか、窮地に陥らせるようなことしてるのは何なのだろうか。
ライターの気紛れが生んだようなキャラクターと理解するしかないんですかね(苦笑)
最後に、エピローグにおける桜の罰の軽さが気になった人もいることでしょう。
おそらく、罪状は傷害一犯だけだと思われます。
佐伯の傷害事件は殺人未遂にも取れますが、そこは佐伯が考慮したのでしょう。
辻(偽)殺害を自供したかどうかは分かりませんが、おそらく自供していると思われますが、
辻(偽)の正体が明らかになっていない段階では、
桜が殺したのは既に死んでいる辻を殺したとしか考えられず、殺人罪の不能犯としかならない、
といった感じではないでしょうか。
いずれにせよ、1年で仮釈放ですから、殺人罪の既遂は問われてないはずです。
結構細かい点が多かったものの、AルートやBルートの考察に影響する点も多かったので、
それぞれ簡単に言及してみることにしました。
●「Rebirth Session」計画のまとめ●
Cルートで明かされる真相「Rebirth Session」計画を簡単にまとめておきます。
「Rebirth Session」計画とは、自ら死を望む人間の、その奥底に眠った生存本能を引き出し、
生き残った人間を『選ばれた人間』として認め、新たに勝ち得た生の前途を祝福するプログロム、とのこと。
自殺志願者から自殺という選択肢を奪うような環境に押し込み、人間らしさ(野生)を取り戻すという計画だが、
その実は、長谷川秀吾による作為的ヒーローごっこ。
事件を意図的に誘発させ、推理・糾弾をしてヒーロー感覚を味わうだけの自己満足計画だったと言える。
5年前の第1回、1人死亡のみ 失敗と断定される
3年前の第2回、6人死亡 人間狩状態で推理要素が少なく失敗。鏡子がこれに参加。
1年前の第3回、10人死亡 片瀬幸雄と辻(偽)が生存。川岸や長谷川秀吾は死亡。
肯定的な見解としては、真相が明かされる直前の希沙と久世の会話でしょうか。
現代人の感覚の麻痺から失われていく生きる気力を再確認するというもの。
でもやり方が酷いのは言うまでもなく、結論としては希沙が締めたように「結果は結果で、過程は過程。」、
本人の意志次第なので、結果と過程は区別すべきでしょう。
結局はやっぱり殺人計画であり、ヒーローごっこにすぎないのでしょうが、
そういった生きる感覚の再確認という気持ちは多くの人間が共通に抱えている点だと思います。
エピローグで希沙が語ったように、自殺を考える人間は視野が狭いことが多いだけに、
近くにあるものを遠くから眺めることが、生きる意味の再確認に繋がることは往々としてあると思われます。
まぁ、逆に無人島に押し込められる方が視野狭くなるんじゃね?とか思わなくもないけれど。
そういう意味では、無人島に押し込められることで視野が狭くなり、
事件を経る過程で視野が少しずつ広くなり、視野が狭くなって殺人に興じるモノは淘汰されていき、
生き残った人間は無人島を脱出することで視野が広くなったと「錯覚できる」ということでしょうかね。
やっぱり自分探しの旅の方が建設的に思えるがなぁ。まぁ、それも本人次第の面は大きいけれども。
否定的な見解としては、主人公の正義観念の葛藤でしょう。
父である長谷川秀吾がやりたかったのは作為的なヒーローごっこ。
正義の考え方は色々とあると思いますが、本作品の正義観念はオーソドックスな自然法論。
自然状態(人間の理想状態。平和的状態、自己保存の社会等様々な見解あり)がまずあり、
そこから様々な理由(例えば人間の私利私欲、悪徳とか)を経て戦争状態に至り、
戦争状態を正すために社会的正義が必要となる考え方です。
いわゆる自然的正義ってものも勿論あるのだけれども、
ここで問題となっているのは社会的正義、悪徳を正すための正義です。
何を悪徳とするかの問題は残りますが、悪徳があるから社会的正義が必要となるのは言うまでもなく、
ならば、逆に考えて、社会的正義は悪徳を必要とするのか、というのが本作品の問いです。
ヒーローは「大多数の秩序維持者」か「崇高なる破壊者」のいずれかであると思われます。
ヒーローの圧倒的多くは「大多数の秩序維持者」であるのは間違いないです。だって、その方が簡単だから。
「崇高なる破壊者」、例えば緒田信長やナポレオンのような人物は、誰でもなれるわけではなく、
圧倒的なカリスマ性と人々を惹きつける理念、それを実現しうる組織を統率することが必要となります。
それらを維持し続けることは難しいだけに「崇高なる破壊者」になることは極めて難しいです。
それらが1つでも欠ければ、ただの夢想家かテロリストにすぎなくなります。
話を戻して、ヒーローの多くは「大多数の秩序維持者」であるのならば、
秩序を乱すものがいなければ、ヒーローもただの人です。
それじゃヒーローになりたい自己顕示欲の強い者はどうするかというと… 自作自演じゃないかというお話。
消防団員が自分で火を付けたなんて話はよくニュースで聴きますよね。そんな感じでしょう。
主人公はそんな自己顕示欲を満たすためだけに推理している自分に気づき、嫌悪しますが、
氷室父の一件や鏡子と平林の一件で再び考えを改め、再び推理を再開します。
主人公がどういった心境に至り、どのような結論に至ったかは
プレイヤーの感じるところが答えになるのでしょうが、
自分なりに答えを言えば、「振り幅」の問題だと思います。
自己顕示欲が全くないというのは表現する意欲を奪いかねず、
自己顕示欲の塊であるというのは他者を貶める態度に繋がってくる。
0か100ではダメで、その間をいかにコントロールするかが人間だと私は見ます。
長谷川士郎の思考で言えば、彼の拙かった点は自己顕示欲の存在を否定していた点にあり、
自己顕示欲を認めながらも、その調整を図ることが「人間らしさ」だと言えるのではないでしょうか。
自殺に関して言えば、自殺という0か100の選択肢そのものがダメであり、
自殺という選択肢を取るだとか、死を恐れないだとか、そういう極端さがダメということ。
最後の鏡子の場面で、士郎は死を恐れる心を持ちながらも、桜を庇うという選択をした、
0と100の間を揺れ動きながら決断したことが正解だったのということではないでしょうか。
言葉にするのは難しいですけれども、そんな感じではないかな~と思ったりします。
●各キャラクターの人物像●
長谷川士郎
我らが主人公、男には容赦ないが女には甘い(笑) まぁ、でも平林を撃つのは正解だと思う(^^;
欠点は早漏。Hシーンの尺が短すぎ。
嘘か本当か分からないセリフでプレイヤーを悩ませるのは勘弁して欲しい。
普通写真見て「妹」と言いながら、それは猫のことだと思うか? 表現下手。
片瀬桜
ヒロインなのに、A・Bルートでは黒幕にされちゃう可哀想な子。
主人公に心酔、ほとんど盲目的な愛。
黒幕にするならヤンデレっぽくすれば良かったのに。それか平林レイプ後に男連中抹殺とか。
それぐらい黒くもできたけれど、基本的に白い普通の良い子だけど、早とちりで大変なことに!
雨宮希沙
準ヒロイン格。性格の変化は一番わかりやすく、精神面の成長が著しい。
照れると可愛い最萌えヒロイン。
ところで岬の猫に餌付けしているシーンがあるが、あの島には猫一匹しかいないの?
それはそれでおかしいと思うのだけれども。全くもって意味不明のシーンだった。
プレイヤーは誰も希沙を疑ってないだろうし、要らないシーンだったと思う。
橘雫
どう見てもヤラレキャラと思わせながら、作中では意外と活躍し、Bルート以外は生存する意外さ。
精神思考は士郎と似ている感じ。
昔、苛められていた時に、傷害事件を起こした過去あり。
金松由花が声なのに病まないなんて、何と勿体無いことか!
つーか、結局、本番ないんだよね。オナニーとレズプレイのみって…
氷室紗江
何か秘密を抱えてそうなのに、その秘密は最後まで明かされないという何じゃそりゃヒロイン。
20歳以上としつこく強調するものの、ポジション的にはただのロリ。だけど基本的に頭は良い。
本当にコナ●君なのかもと思わなくもない。
猫を怖がっていたものの、エピローグでは平気になってきた模様。
こちらも本番なし。スクール水着姿だけでお預けなんて、とんでもない!
西園寺鏡子
行動理由がよく分からなく、全般的にあまり掘り下げられない可哀想な女性キャラ。
名前は偽名で、第2回の参加者で、その時に恋人(らしき人)に庇われて命を救われ、
それを恨みに思いながらも、主催者らへの復讐目的で参加した模様。
当初から事件の黒幕っぽい印象を見せるものの、あからさますぎて違うなとプレイヤーに思わせながらも、
簡単に殺されてしまう辺りが全く読めない。わりと気紛れ。
基本的に事件に関して鏡子は動いていないように思われる。ただ敵意を向けられると容赦なくボウガンの刑。
案内人の存在は知らないと思われる。
Hシーンはわりと優遇されてるっぽいが、最後のアレは平林ざまぁと思う一方、
股間を思わず押さえちゃうのは男の性か、あのCGはイラネ。
しかし、ホント何でもありのキャラだったな。
辻美輪子(偽)
正体は第3回の生存者で、片瀬幸雄と並ぶ黒幕の一人。
性格は幸雄以上によく分からない。そもそもどういう計画だったんだろうか?
辻(偽)が実行犯になるつもりだったのか… 幸雄同様にかく乱だけが目的だったのか不明。
黒幕でたいしたことしてないのに早々に殺されちゃうヤラレキャラ。
佐伯義男
元刑事で、後輩の川岸の消息を求めて参加。
川岸はやはり第3回で途中で殺されてしまっているっぽい。片瀬幸雄のことをどの程度知ってるのかは不明。
事実を知りすぎた故に殺されちゃうというパターンが多く、
そういう意味では桜に刺されたのは死亡フラグ回避と見ることもできる。
佐伯が生き残れるのは桜のおかげ? 実はマゾ。
久世裕也
身分は研修医だが、余命を知らされて自殺を検討するも、やっぱり生きようと思い直す普通の人。
メガネは何か企んでいると思わせながらも、実は普通の人というパターンに当てはまっちゃった。
何をしているのかは分からないけれども指示だけは出すリーダー的には嫌な感じなものの、
他の人間が従っているのがよく分からない。
基本的に自己中心的で、誰も信頼していないんだけど、要領がいい。
エピローグではやっぱり死んでるんだろうか。悪いキャラでもなかったけれど、良いキャラでもなかったな。
岩谷淳二
基本的にいい奴なんだけれども、希沙を庇う故に殺されることが多い可哀想な人。
過去に傷害事件を起こし、人を殺してしまった模様。
悪い奴ではないんだけれども、あれだけ自分の理想を押し付けられちゃうとねぇ… 引くよね、わりと。
追っかける故に逃げられちゃう情熱暴走型。薬は精神薬を持っていたっぽい。
氷室雄大
悪党。過去は会社の重役っぽかったものの、不倫発覚を恐れるあまりに脅迫で社会的信用を失い転落。
娘の紗江の目を恐れながらも、力で抑え付けようとする典型的なダメオヤジ。
持っていた薬は媚薬、そのわりにあまり活用しなかった気もする。
虎視眈々と機会を伺い、手段を選ばない悪党型。
平林進
小悪党。やることなすこと小さいが暴走しやすく、思考回路が自己中心的。
典型的なストーカー。ヌコ殺し。ストーカー殺人の経歴がありそうな感じもするが詳細不明。
薬は利尿剤を持っていたっぽく、下半身が先に動くユーザーフレンドリーなキャラであるものの、
陵辱シーンがスキップモードの本作では活躍の機会も少ない。
とにかく思考が気持ち悪すぎるのが難点。桜レイプシーンのCGは好きなんだけれど、平林がキモイ。
あそこを桜視点で描いてたらエロかったのに。
最後に噛み切られる辺りはざまぁと思うものの、男としては股間を思わず抑えたくなってしまう。
蒲生昭三
小難しいこと言いながら、さっさと自殺してしまう脇役。
特に思うところは何もない。
片瀬幸雄
黒幕。性格は久世に似てるっぽいけれども、よく分からない。
第3回に参加する以前の職業も分からない。
元々は妹想いの兄だったっぽいが、作中では桜を助けたり貶めたりしてよく分からない行動を取る。
一貫性のないシナリオライターに動かされっぱなしのキャラ。