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アジアシリーズ制覇

アジアシリーズ決勝は0-0で迎えた9回裏に、
佐藤友亮選手のタイムリー2ベースで1点を取った埼玉西武ライオンズが
サヨナラ勝ちして、アジアシリーズ制覇を遂げました。
これで日本は4大会連続のアジアシリーズ制覇、なんとか面目躍如ですね。
今回は嬉しさよりもホッとした感じが強かったです。
勝って当たり前と思われている勝負ほど辛いものはないっすね。
故障者がかなり多かったけれども、何とか勝てて良かったです。

試合の方は先発・涌井投手が毎回先頭打者を出す苦しい立ち上がりだったものの、
後続を打ちとって無失点で凌ぐと、中盤はスイスイ、
2番手以降のリリーフ投手陣も好投を見せ、相手打線に点数を許しませんでした。
しかし埼玉西武ライオンズ打線も相手先発のアルバラード投手をはじめ、
統一ライオンズの投手陣を打ち崩せず、ランナー出すものの後が続かず無得点、
ここまで打ちあぐねると思っていなかっただけに、
「もしかすると…」ということも考えられましたが、
最後は佐藤友亮選手のバットと石井義人選手の好走塁によって勝利、辛勝でしたね。

勝敗を分けたのは、石井義人選手の走塁でしょう。
ニュースでサヨナラの部分が報道されていたので見ましたが、
佐藤友亮選手の打球は左中間を抜いていたのかと思いきや、抜いていない打球でした。
3塁までは当然行ける打球でしたが、本塁を狙うのは通常あり得ない打球、
それが色々な条件が重なったのを見越して、一気にホームへ、
87年日本シリーズで見せた伝説の走塁…とまではいきませんが、
それに近いものを見せ、サヨナラ勝ちへと繋げました。
最後の最後で日本野球が育ててきた隙のない走塁が発揮された形となりましたね。

ただ、そこまで無得点で行ってしまったというのがそもそも…
実際に映像で見ていないので分かりませんが、相手投手が圧倒的に良かったとは聞きませんし、
どうも初対決のデータのない投手に対する弱さが目立った感じがします。
今シーズンの交流戦でもあまり対戦したことがなかった投手に対しては成績が悪かったですし、
まだまだチームとしての課題が大きいように思えました。
中島選手のような対応力の高い打者がまだ少なく、
中村選手のようにツボにはまった時は大きい打者が多い傾向があります。
どれだけの選手を一流レベルに近づけられるか、それが来季以降の課題ですね。

でも同時に韓国・台湾・中国の野球レベルの向上も見逃せないと思います。
中国は大敗したものの、数年前まではほとんど野球をやっていなかったことを考えれば、
単独チームで試合に出られるようになったのは成長の証だと言えます。
パワーに関しては韓国・台湾チームの方が上ではないかと思えることも多いですし、
日本もうかうかしていられませんよね。
WBCの予選も油断ならない状況になってきているかと。
韓国だけでなく台湾チームも要警戒です。

気になるのはアジアシリーズの今後ですよね。
何やら今年はスポンサーのコナミが撤退し、冠なしの開催故に色々と目立ってなかったらしく…
プレーする日本一球団のやる気は勿論ですが、
どうもマスコミも国民もイマイチ関心度合いが低いような気も…
かくいう私も、日本シリーズであれだけの熱戦を見せられた後だっただけに、
アジアシリーズはどうにも気合が入りませんでした。
昨年・今年と日本が勝って当然という状況が崩れつつあるだけに、
来年以降に日本が優勝できないとなった時こそが、
アジアシリーズの本当のスタートになりそうですね。


◆プロ野球 埼玉西武ライオンズのアジアシリーズにおける収穫
一部では「罰ゲーム」と揶揄されるアジアシリーズですが、
まだ発展途上の埼玉西武ライオンズにとっては収穫のあるシリーズだったと思います。

まず何よりもほとんどデータのない投手と対戦できたこと、これは一つの収穫です。
知らない相手にどうやって点数を取っていくか、
打者では中島・GG佐藤選手以外、国際舞台の経験が全く無かったわけですし、
(佐藤友亮選手は大学時代に経験してるか。他はアマチュアでもあまりないような…)
そういった国内リーグ戦では得られない経験をしたことは大きかったと思います。
リーグ優勝・日本一に輝き、選手たちには大きな自信となりましたが、
若いチームなだけに来季に向けて慢心も怖いところ、
それがこのシリーズで思うように打たせてもらえなかったことで、
まだまだ確実性を上げていかなければならないということが身に染みて分かったことでしょう。
このアジアシリーズでの苦戦を来季以降へと繋げていってもらいたいです。

投手陣では日本シリーズであまり登板のなかった中継ぎ陣が良い形で終われたのが収穫です。
日本シリーズでは勝利を優先し、信頼できる投手から登板させるということで、
先発投手を積極的に使い、星野・グラマン投手以外はあまり出番がなく、
もしこのまま終わっていたら、来季に向けてモヤモヤ感が残っていたかもしれません。
それがこのアジアシリーズでシーズンを支えたリリーフ投手が登板し、
しかも全員無失点で終えたことで、そのモヤモヤも吹っ飛んだことでしょう。
日本シリーズが激戦続きだっただけに、
シーズン通りに戦って、勝利を収められたことが大きいと思います。

個人では銀仁朗選手と赤田選手の活躍が目立ちました。
銀仁朗選手は予選の3試合フル出場を果たし、決勝も終盤代打されるまで出場し続け、
決勝進出の決め手となった最少失点をリードで支え、、
加えて打撃の方でも打率.500をマークするなど、攻守にチームを引っ張りました。
驚きは打撃ですよね。シーズン・日本シリーズとさっぱりだったのに(^^;
他の選手が苦労する中、堂々の.500。
データのないアジアシリーズなだけに、8番でシーズン1割台という成績から、
相手投手がアウトを計算して投げていたというのもあるでしょうが、
それでもこれだけ際立った成績を残せたことは大きいと思います。
銀仁朗選手はまだ打撃フォームが固まっておらず、自信が持てていなかったと思います。
それがこのアジアシリーズで一つの方向性が定まり、
これからのオフに今のフォームを固めていくことに集中できますから、
このアジアシリーズの好結果は銀仁朗選手にとって大きいことでしょう。
大会全体を見れば、銀仁朗選手がMVP、
チャンスでそのまま打席に立って欲しかったなぁ… ナベ、空気読め(笑)

赤田選手はクライマックスシリーズ・日本シリーズに続いての好結果。
シーズンは故障などもあって不本意な成績に終わってしまいましたが、
ポストシーズンに入ってからバットの方も振れるようになり、
赤田選手らしいバッティングができるようになってきたと思います。
これまでは度重なる故障で精彩を欠き、レギュラーから降格していただけに、
改めて復活・健在ぶりをアピールしてくれましたよね。
来季、赤田選手が再びセンターのレギュラーをダッシュする、
そういった頼もしさを感じるポストシーズンの活躍だったと思います。

残念だったのはそれ以外の若手選手がいまひとつだったこと。
苦戦続きだったこともあり、思ったよりも若手選手を試すことができませんでした。
本当なら、原選手や大崎選手、松永投手辺りにもっと活躍の場を与えたかったのですが…
初戦の韓国戦の敗戦で後がなくなったことで、試す余裕がなくなっちゃいましたね。
チャンスが与えられた中では大島選手がいまひとつの結果に。
清水選手の新加入で一番危うくなるのは大島選手なわけですし、
このシリーズでアピールしてもらいたかったのですが…
今オフ・来春と必死にアピールをして、1軍メンバーで活躍することを期待したいです。

なにはともあれ、これで今年のプロ野球も終わり。
来年はWBCもあるので、選手の皆さんは大変だと思いますが、
激闘の疲れを癒し、来季を更に良いものとしてもらいたいですね。
今年は多くの感動をもらいました。本当にありがとうございました。
来年は今年以上に内容のある野球を期待していますよ(*^^*)

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