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日本一の次はアジア一へ

日本一に輝き、ようやく一息付けると思ったら、
もう13日からアジアシリーズ突入ですか。
他のアジアチームからすれば、日本は待たせていることになるわけですが…
ちょっと日程的に厳しすぎないですか? もはや何かの罰ゲームかと(苦笑)
日本シリーズの戦いで疲れ果てたチームがどう戦うのか、
非常に心配なのですが、来季以降期待する若手選手も多く出てくるでしょうし、
彼らの頑張りで、アジアシリーズ制覇を成し遂げてもらいたいです。

予想通り、中島選手や細川選手など、故障者はアジアシリーズ欠場のようです。
加えて、西口・石井一久投手らベテランも欠場だとか。
ボカチカ選手とキニー投手も帰国したようですし、外国人はグラマン・許銘傑投手の2人ですか。
中村・後藤武敏選手らはどうなんですかね? 万全ではなさそうですけど…
結構打線が大変なことになりそうなので、出てくれるのかなぁ。
意外とやり繰りが大変なのが辛いところ。

捕手は銀仁朗選手、一・三塁は石井義人・平尾・中村剛也選手、二塁は片岡選手、
ショートは来季1軍定着を目指す原選手ですかね。
外野は、栗山・赤田・佐藤友亮・松坂健太・大崎選手らか。
来季以降ののことを考えると、
シリーズ出番のなかった松坂選手にチャンスを与えて欲しいです。
無理をさせないことを考えると、こんなスタメンでしょうか。
 1(二)片岡、2(中)赤田、3(左)栗山、4(指)中村、5(一)石井義人、
 6(三)平尾、7(右)松坂健太、8(捕)銀仁朗、9(遊)原
無理をさせないとなると、こういうオーダーかなぁ、と。
戦力的に厳しい感はありますね。

それ以上に大変なのが先発投手。
出場すると思われる主力投手は、涌井・岸・帆足投手の3人。
しかし13日初戦の韓国戦に登板できそうなのは中4日の帆足投手ぐらい。
決勝に涌井投手を取っておき、できれば岸投手もリリーフで使いたい、
そう考えると、初戦の韓国戦は捨てるしかないような気も。中5日なら…
ちなみに韓国代表のSKワイバーンズには、
北京五輪で日本を抑えた左腕投手がいるそうです。おいおい(^^;
それが万全で来るのは勘弁。初戦は日程的に厳しいなぁ、ホント。
先発投手は、初戦・平野投手、2戦目・帆足投手、
3戦目・木村投手、決勝・涌井投手と予想します。
もう2位狙いで決勝で勝つことに賭けるしかないっす。日程厳しすぎだよ。

ちなみにアジアシリーズ出場チームのうち、3チームがライオンズ。
天津ライオンズ、統一ライオンズ、埼玉西武ライオンズみたいです。
ややこしい(^^; SKワイバーンズが強敵っすね。
何とか打ち崩して、日本代表の仇を取りたいです。


◆プロ野球日本シリーズの結果について
試合内容を見ていると、基本的に今年の日本シリーズは、
「投手がよく頑張ったシリーズ」だと言えますよね。
埼玉西武の涌井・岸投手ら先発陣の好投、
越智・西村投手ら巨人中継ぎ陣の好投も勿論そうですが、
それ以外のピッチャーも、大沼・岡本真也・西口投手ら失点した投手も、
それほど内容が悪かったというわけでもなく、
たまたま結果が悪かっただけのように映りました。
明らかに悪かったなというのは第4戦先発の巨人・グライシンガー投手ぐらい。
自滅した第6戦の高橋尚成投手だって、ライオンズ打線が打ち気に来ていたら、
全く逆の結果になっていたかもしれませんしね。
そういう意味では攻略が必然だったのはグライシンガー投手のみで、
両チームのバッテリーがよく相手打線を研究し、抑えていたシリーズだと思います。
人によっては「貧打戦」に映ったかもしれませんが、
そうでなかったことは試合を見ていた多くの野球ファンが分かっていたことでしょう。
投手が抑え、それをどう打者が打つか、一流同士の対決が見られたからこそ、
この日本シリーズは熱く、面白い戦いになったのでしょう。
そこがまず今年の日本シリーズの面白さの基本にあったと思います。

その上で考えるに、本来はホームランを始めとする長打で得点する両チームの打線が、
どうやって相手投手から1点を奪うのか、それが明暗を分けたように思います。
結局、巨人は最後まで動けませんでした。
やりたい放題できたのは第5戦の9回のみ、
足で突破口を開けたのは同じく第5戦の7回のラミレス選手の2ベースぐらい。
1番鈴木選手が日本シリーズ優秀選手賞を取る活躍を見せたものの、
結果的に鈴木選手の出塁はなかなか点数に絡みませんでした。
送りバントで確実に進めてクリーンアップに、そういう野球も大事なのですが、
それで点数が取れない時にどうするのか、結局王道野球に徹し、動けませんでした。
第5戦の阿部選手の2ベースなど、巨人側の打球はあと一歩フェンスを越えず、
長打の面でも7試合連続ホームランをマークした埼玉西武とは差が生じました。
そのフェンスを越えるか超えないかの僅かな差は何なのか、
相手投手の気持ちなのか、打者の思い切りの良さの違いなのか、
巨人が王道野球で勝つにはフェンスを越えなければいけなかった、
あの僅か数センチの差が巨人打線の敗因でしょうね。
その数センチの差の原因は何だったのか、上記のように色々と要因はあると思いますが、
私はキャッチャーのリードにあったんじゃないか、そう思っています。

巨人打線が何故打てなかったのか。
戦犯となった李選手の不振、本調子ではなかったラミレス選手の打撃、
故障したとはいえ、なかなか後ろに繋ぐことができなかった小笠原選手、
それらの原因は第1戦・第4戦にあったと思います。
涌井投手も岸投手もストレートが球速表示以上に速く、
涌井投手は多彩な変化球、岸投手はカーブ・チェンジアップの緩急と落差で勝負するなど、
良いピッチャーであったことは間違いありません。
ただ、それ以上に彼ら2人の武器となっているのはピッチングの上手さです。
涌井投手はスライダー系・シュートの横の揺さぶりに加え、
キレのあるストレートとフォーク・チェンジアップという縦の揺さぶりや、
カーブ系・チェンジアップでの緩急と、変幻自在の投球術をしてきます。
そういった投球パターンの豊富さが涌井投手の大きな武器になっています。
第1戦、立ち上がりに涌井投手はストレート中心で組み立て、
ストレートが走っているとジャイアンツ打線に知らしめると、
今度はカーブ系を中心とした変化球勝負、打者の打ち気を外す投球で巨人打線を封じ込めました。
ストレートを待つカウントでもストレートが来ない、
変化球を待っていたらストレートが来た、
そういった上手い投球術に巨人打線に狂いが生じたんじゃないですかね。
第2戦のラミレス選手のサヨナラアーチ、第3戦の勝利により、
やや本来の打撃を取り戻しつつあったジャイアンツでしたが、
そこに岸投手が立ちはだかり、再び狂いが生じました。
内外角を攻め込んでくるキレのあるストレート、
カーブ・チェンジアップの落差と緩急で再び狙い球を外され、
第6戦でも狙い球は外されることが多く、狙っていても打ち損じることが多かったです。
ライオンズ投手陣の頑張りが勿論ありますが、
ジャイアンツ打線が狙い球を絞れず、涌井・岸投手のストレートの「幻影」に惑わされ、
頭の中でどこか別の球が来るんじゃないかと思っていた分だけ、
ホームラン性の打球がフェンスを越えなかった、そんなように見えました。

一方のライオンズ打線は1~3戦の巨人バッテリーの内角攻めに苦しみ、
なかなか本来のバッティングをすることができませんでしたが、
持ち味の思い切りの良さは全く失っていませんでした。
むしろ、打ってやろうという気概で打席に立ち、
それが凡打に終わってしまっていたわけですが、4戦目以降に効いてきたように思います。
典型的なケースが3戦目・4戦目の中村剛也選手のホームランでしょう。
1・2・3戦と内角を際どく攻められることが多く、
試合を見ていて「わざわざ内角高目を打ちに行かなくとも」と思うこともありました。
それでも自分のスタイルを貫き、積極的に打てるボールは打っていく、
相手のリードに左右されず、自分の打撃を貫くことでホームランにした、
そこが巨人打線との差であったように思います。
シリーズ全体を見れば、中村選手は内角攻めにやられたわけですが、
あの3本塁打は非常に価値がありましたし、
平尾選手を始めとする他の打者も同様に狙い球を絞ることで、
チーム全体で相手投手を攻略しようとする雰囲気が強かったと思います。
そこが今年のライオンズ打線の強さ、
凡打しようが何しようが、徹底的に狙いを絞り、自分の打撃をする、
ダメでも徹底していたらなベンチは一切咎めない、
そういった渡辺監督・デーブ大久保コーチの一貫した姿勢が、
ここ一番の強さに現れた気がします。

そういう意味では、一見、巨人バッテリーは内角攻めで抑えたように見えるんですが、
あまりにも徹底しすぎたため、ライオンズ打線に迷いを生じさせることができませんでした。
弱点を突くというのは非常に有効な攻めですが、
打者も自分の弱点は知っているわけで、逆に読みやすいとも言えます。
そればかりか、あまりにも内角攻めを徹底しすぎたため、
投手の持っている本来の持ち味を消してしまったように思います。
上原・高橋尚投手らが初戦は好投するも、2戦目がダメだった理由や、
越智投手が1・2戦で疲れてしまった理由の一つに、あの内角攻めがあったと思います。
あれはあまりにも投手に酷なリードでした。
内角はぶつけてはいけないし、甘くなったら一発がある、
ギリギリの所を攻めなければいけないわけですから、かなり神経使いますよ。
そこを時には全球要求するリードを好リードと称するのか、
それはキャッチャーにとって良いリード、間違いのないリードであって、
投手にとって良いリードとは言いません。
投手にとって良いリードとは細川捕手が見せたように、
あるボールを印象付けて、他の球でカウントを稼ぐ、打ち取るリードです。
ライオンズの先発投手陣がフル回転できて、ジャイアンツはできなかった理由、
そこにはキャッチャーのリードが大きく影響したように思います。

加えて、大きかったのがライオンズの機動力、というか片岡選手の足ですよね。
ジャイアンツは鈴木選手の出塁がなかなか得点に絡みませんでしたが、
片岡選手の出塁・盗塁はライオンズの大きな得点源となりました。
何よりも凄いのが走ってくると分かっている状況でも盗塁を決める凄さですよ。
片岡選手はジャイアンツの鈴木選手やヤクルトの福地選手のような韋駄天ではありません。
直線を走らせれば、間違いなく2人の方が速いでしょう。
それでもシーズン50個、シリーズ5個の盗塁を決められたのは、
スタートを切る勇気があること、スライディングの速さにあります。
ベース前で全く失速しないから、際どい判定もセーフになるし、
スタートを思い切って切れるからこそ、アウトになりにくい。
たとえバッテリーがボール球に外したとしても、スタートさえ良ければ盗塁を決めている、
そこが片岡選手の足の素晴らしい所です。
結果的に片岡選手しか走りませんでしたので、足で十分かき回せたとは思いませんが、
片岡選手の与える足のプレッシャーは巨人バッテリーを大いに苦しめましたよね。
6・7戦と手負いの中島選手の稼いだ四球は片岡選手の足があってこそ、
足によるプレッシャーを与えたことが打線の繋がりを生み、
同時に行けるぞという勇気をチームに与えていたように思います。


そんなわけで、今年の日本シリーズの勝敗を分けたのは、
打線としての狙いの徹底と捕手のリードにあったように思います。
巨人は打線として狙い球を最後まで絞れなかったのに対し、
埼玉西武はチームで狙い球を絞って対処した、その差が得点に現れたのでしょう。
チームの方針なのか知りませんが、巨人側から伝わってくるベンチの狙いは、
全くの具体性に欠ける精神論的なものばかり、
勿論、それは外に出す情報がそれだけで、具体的な指示もあったのでしょうが、
試合を見ていてそれが実践さえていたようには見えませんでした。
一方の埼玉西武は第6戦に高橋尚投手の低めの球を捨てることによって、
四球を勝ち取るなど、チームとしての狙いが徹底されることが多かったです。
リードの差と打線の狙いの差、それが後になればなるほど出てきたように思います。
埼玉西武としては狙い通り、巨人の方は完全にはまっちゃったなという感じがします。
巨人が勝つためには第6戦を勝つしかなかったのかもしれません。

いずれにせよ、今年の日本シリーズはレベルが高く、
非常に見所の多い試合が続きました。
西武・巨人の両チームのファンだけでなく、他の野球ファンも魅了したのは間違いないでしょう。
自分たちもこういった舞台で、自分たちが応援する選手・チームをこの舞台へ、
きっと多くの人がそういったことを思ったのではないでしょうか。
これこそは日本プロ野球の最高峰の戦い、日本シリーズなんだなと思います。
自分の大好きなライオンズが日本一になったことも勿論嬉しいのですが、
それ以上に戦いが最高に面白かったことが、なによりも嬉しいです。
パリーグの代表として恥じない戦い、
プロ野球チームの代表として称えられるたたきができたことを最高に誇りに感じます。
素晴らしい日本シリーズでしたね。両軍の選手に拍手を送りたいです。

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