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西武の公式戦は終了

4日の試合で埼玉西武ライオンズは公式戦の全日程を終え、
クライマックスシリーズ第二ステージに向けての準備となりました。
パリーグの残り試合は楽天とソフトバンクの2試合のみ、
王監督最後の采配ながら、5位争いもかかっているだけに、この3連戦の結果に注目です。
1戦目は楽天が勝利。岩隈投手が防御率逆転トップ、単独での最高勝率受賞を決めた模様。
ソフトバンクは明日・明後日と意地を見せられるのか、気になるところです。

ライオンズの最終戦は、残念ながら楽天にサヨナラ負け。
逆転首位打者の可能性を狙った中島選手は5打数2安打で一歩及ばず…
1打席目はサードゴロ、2打席目はしぶとく運ぶセンター前タイムリーヒット、
3打席目は空振り三振、4打席目はライトへの同点ソロホームラン。
そうして迎えた5打席目は良い当たりも、ファーストライナーで併殺…
あと一歩だったんですが… 残念。
それでも一打席ごとに差はどれだけなのかとヤキモキしながら見たりと、
消化試合ながらも随分と楽しませていただきました。
久々の一発も見れましたし、首位打者は逃したけれども、良い挑戦だったんじゃないですかね。
勝負に徹してくれた楽天バッテリーに感謝。
…ただその陰で、ブラゼル選手が頭部死球交代、ボカチカ選手も死球交代と、
この時期にそれはないだろうというボールが何回かあっただけに、
逆の意味でハラハラさせられる場面もありましたが… そこは頼むよ、という感じでした…
話を戻して、来年は中島選手と栗山選手が首位打者争いできるように、
チーム内で切磋琢磨していってもらいたいです。

それにしても2年目の原拓也選手は面白い存在ですね。
打撃フォームを見ていると、大物狙いなのかヒット狙いなのか、やや中途半端ではありますが、
打席で結構粘ることができていますし、ツボにはまれば長打もあり、
守備もショート・セカンド・サードと堅実にこなす(フライは危なっかしいけど)など、
内野に割って入る可能性がある選手だと感じました。
今の内野はショート中島、サード中村、セカンド片岡と固まっているだけに、
そこに割って入るのは難しいと思いますが、
ショート原、サード中島、セカンド片岡、ファースト中村という場合もなくはないですし、
原選手を2番として使い、栗山選手を3番、4番を中島選手という打順も考えられますから、
チームの幅が広がるという意味では原選手の成長に期待したいです。
今年のフレッシュオールスターでもMVPを取りましたから、
きっと何かを持っている選手であるはず、来期に向けて更なる練習に取り組んで欲しいです。


◆今シーズンの埼玉西武ライオンズ
一昨日の話の続きです。
今日は打線・先発・リリーフと各分野ごとに見ていくことにします。

打線で大きかったのは片岡・栗山・中島選手の1・2・3番でしょう。
片岡選手は不動の1番打者として.287、50盗塁をマーク、
リードオフマンとしてチームを引っ張りました。
昨年に引き続きの盗塁王ですが、今年は警戒されながらの状況で走ることが多く、
相手の警戒をかいくぐっての盗塁は非常に価値がありました。
また、昨年はやや見切り発車気味にスタートを切ることがあり、
牽制に誘い出されてタッチアウトということも多かったんですが、
今年はそういったケースが少なくなりました。
盗塁の精度を高めての50盗塁は非常に価値があるように思います。

栗山選手は初のレギュラー完全定着ながらも、
.317 11本塁打、72打点という3番打者のような好成績をマークしながらも、
同時に犠打が22個、盗塁が17個と繋ぎ役としても活躍し、打線の流れを生みました。
前半戦は不慣れな2番打者ということで、なかなか思うような成績は上がらなかったのですが、
徐々に調子を上げていき、後半戦は一気に爆発し、目標の3割を大きく超える打率をマークしました。
左打者に対しても分の悪さを見せることがなく、
従来はレフト方向への打球が多かったものの、今季は2番ということで引っ張りの打球が増えるなど、
広角に打てる対応範囲の広い打者になったことで、打率も今までよりも良くなりました。
選球眼も抜群ですし、今のライオンズには欠かせない打者に成長しましたね。
ここ最近のライオンズは1・2番に苦労することが多かっただけに、
栗山選手の2番定着はライオンズ打線を確かなものにしたと言えるでしょう。
加えて、17盗塁と今年は足の方でもアピール。
福地選手がFA人的補償で球団を去り、機動力低下が心配されましたが、
栗山選手と中島選手が積極的に走るようになったことで、機動力は落ちませんでした。
ホームランの多さが目立つライオンズ打線ですが、シーズン序盤はそれほど打てるわけではありませんでした。
そういった時期に積極的に走ったことで、機動力に対する警戒感に繋がり、
打線の爆発力を作り上げていったように思います。
今後もその走る姿勢を貫いていってもらいたいです。
8・9月はやや走るケースが減っていただけに、そこが今後の短期決戦に向けての鍵でしょうね。

中島選手は首位打者争いを繰り広げるなど、.331 21本 81打点 25盗塁をマーク、
北京五輪出場の関係もあって目標のトリプルスリー達成はなりませんでしたが、
中島選手の存在感をチームの内外に示した飛躍の年になったように思います。
今季の成長はなんといっても、四球の多さ。
後ろの打者の問題もあるでしょうが、今年の中島選手は追い込まれても簡単に終わることがなく、
ファールで粘って四球を勝ち取るというケースが多々ありました。
それが打撃の調子の波を少なくすることに繋がり、高打率の要因になったのだと思います。
カブレラ・和田選手が抜けた代わりに、中村・GG佐藤選手といった長距離砲が活躍しましたが、
打線の中でもっともマークが厳しかったのは間違いなく中島選手でした。
昨年以上に厳しく攻められる中で、これだけの結果を残したことは高く評価したいです。
若いチームを中島選手が引っ張りましたよね。
MVP争いは、まず間違いなく、中村剛也選手との一騎打ちになるでしょうが、
シーズンを通しての貢献度を考えると、中島選手がMVPに相応しいかと。
そう思わせる存在感が出てきたのが今季の中島選手の成長の証なのでしょう。
完全にチームの主軸となりました。

この1・2・3番打者が1年を通して安定した成績を収めたことで、
後ろを打つブラゼル・GG佐藤・中村剛也・細川・ボカチカ・後藤武敏選手らといった
長打力を秘めた打者達にかかるプレッシャーを減らし、
常に一定の得点力をキープさせていたように思います。
彼らの存在がシーズン198発という強力打線を作り上げた要因だと思っています。


勿論、ホームランを量産した上記選手を含め、各選手が各時期に良い活躍を見せました。
前半戦を引っ張った功労者はGG佐藤選手。
中島選手とともに、ライオンズ打線を牽引してくれました。
7月辺りからやや失速をし、北京五輪では散々、帰ってきてからは故障と、
後半戦は良いところを見せられませんでしたが、早く故障を直し、
チームへ帰ってきてもらいたい選手です。
後半戦を引っ張ったのは46本塁打を放ち、ホームラン王決定の中村選手。
交流戦明けからホームランの量産ペースが上がり、
9月頭頃から5番に定着するようになり、勝負所でのタイムリーヒットが出だすなど、
一発屋だけに終わらない主軸としての活躍をしてくれるようになりました。
中村選手の成長がなければ、今の阪神のように危ない状況に追い込まれていたかもしれません。
後半戦の中村選手の活躍が優勝を確かなものとしてくれました。
27本塁打のブラゼル選手はシーズン序盤に爆発、
20本塁打のボカチカ選手は4月後半から交流戦前と8月の期間に爆発、
12本塁打の後藤武敏選手は交流戦明けから1軍に登場し、
主に8月に5番定着を果たし、後半戦のGG佐藤選手の打撃の穴を埋めてくれました。
各選手がそれぞれの時期に活躍したことで、チームの波をなくすことができました。
選手層の厚さが光る今シーズンのライオンズでしたね。

層の厚さという意味では、ベンチでチームを引っ張りながらも、
起用された所で結果を残したベテランの江藤選手と平尾選手、
規定打席未到達ながら.302をマークすなど完全復活の佐藤友亮選手、
故障があったもののシーズン終盤は好結果を残したキャプテン・赤田選手、
不慣れなファースト守備もこなした石井義人選手、
ブラゼル選手不在時には4番も打った大島選手、
レギュラー以外の選手も、起用された所で着実に結果を残してくれました。
若手ではオープン戦で好結果を残しながらもシーズンでは壁にぶつかり、
故障もあったものの.264と一定の成績を挙げた松坂健太選手、
北京五輪期間にショートを守った黒瀬選手、
控え捕手だったもののシーズンを通してベンチに入った銀仁朗選手など、
若い選手達もそれぞれの働きをしてくれました。
1・2・3番の安定感と、野手の層の厚さが、
今年のライオンズ打線の凄さだったように思います。


長くなったので、投手編は明日以降ということで。
今日はこの辺で。でわ。

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