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オープン戦終了

パリーグのオープン戦は今日にて終了。
20日木曜日にパリーグは開幕します。
今年は各チーム戦力が十分整わず、抜きん出たチームがありません。
それだけに大混戦になる可能性が高いです。
どうなるんだろうという期待と不安が半々… いやはや楽しみです。


◆プロ野球オープン戦 西武 8-1 ソフトバンク
オープン戦最終戦も白星で日程を終了。
まだセリーグの試合が残ってますが、
これで3年連続のオープン戦1位になる可能性が強いです。
あんまりオープン戦良すぎても、公式戦になるとその反動が出ないかと心配になりますが、
今のチームは若手中心で、オープン戦序盤からほぼフルメンバーでしたから、
まぁ、勝って当然かなと。逆に負ける方が危うい。
だけどパリーグだけで考えれば、今年は開幕が早く、
オープン戦の日程も早めだったことから、
早い段階でベテランの主力選手も顔を出してましたから、
そういう意味では例年のオープン戦とは少し違ったかなと思います。
客観的に見ても、打者においては西武の仕上がりが一番良かったですしね。
つーか、他の球団が酷すぎるというか、
今年もパリーグは投高打低なのは間違いないと思わせるオープン戦だったかと。


そんなオープン戦最終戦の先発は岸投手。
これまでは持ち前のボールの切れを欠き、不安定な投球が続いて、
首脳陣やファンをやきもきさせていましたが、
今日のピッチングはその不安を一掃する内容でした。
初回のストレートが素晴らしく、140前半の腕を振ったストレートで、
球速表示以上の威力ある直球で空振りを取るなど、完璧な内容でした。
2回以降はやや落としてコントロール重視で投げ、
両サイドにしっかりと投げ分けられたのは今日の収穫でしょう。
変化球は、前回カーブ頼みでストレートとの2択状態でしたが、
今日はスライダー中心の投球で、それにカウントを取るカーブを足し、
追い込んだらチェンジアップ・フォークと、バランスよく投げていました。
とりわけ、点差が付いた4回以降は変化球中心で、
多村選手をスライダーで、松中選手をチェンジアップ・フォークで打ち取るなど、
課題となっていたカーブ以外の変化球も効果的に使えてましたし、
シーズンに向けて全く問題はないと言えるでしょう。
1失点は難しいバウンドの内安打から始まり、
最後は1・2塁の場面でのショートへの弱いゴロでバウンドが合わずのエラーでしたから、
本来なら満塁で収まっていたでしょうから、全く危なげない投球だったと思います。

敢えて課題を挙げるならば、初回のストレートを1試合1シーズン続けることでしょうか。
切れ味抜群のストレートも初回のみでしたから、
もう少し速いストレートを続けてもらいたかったです。
特に変化球のテストが終わった終盤6回以降などは特に。
岸投手に期待するのはただの先発ローテ投手ではなく、
涌井投手と並ぶダブルエースとしての活躍ですから、
今の投球で満足はしてもらいたくないです。
昨年も感じていたことですが、岸投手は速球で押すパワー投手ではなく、
どちらかといえば涌井投手のように投球の上手さを持っている投手なので、
例え調子が悪くとも、前回のオープン戦登板のような投球であっても、
それなりに抑えちゃうと思います。
だけどそれで満足することなく、更なる高みを目指してもらいたいです。

これで先発投手陣の不安材料はなくなったと言っていいでしょう。
先発は、涌井・石井一久・岸・西口・キニー・帆足投手で決まり。
好投を続けていた大沼投手が先発陣から漏れてしまったのは残念。
まぁ、チャンスは必ず来ますから、その時の好投に期待しましょう。
先発陣を見てみると、松坂投手のような絶対的な存在はいないものの、
いずれの投手もピッチングの上手さを持っていて、
試合を作る投球のできる投手ばかりです。これだけ駒が揃ったのも久々。
今年は先発投手で苦しむということはなさそうですね。

リリーフ陣は、グラマン・小野寺・三井・岡本真也投手が勝ちパターン。
その他にも山岸投手が好投を続けているなど、中継ぎ陣もなかなか。
岩崎投手が1軍から漏れてしまったのは残念、
岡本投手の加入でリリーフ陣の競争も激しくなってます。
右に比べると、やや左のワンポイントが不足してるかなと思いますが、
星野投手の復活に期待することにしましょう。
投手陣での唯一の不安は、三井・岡本真也投手の調整が遅れ気味なこと、
計算できるベテラン投手なので大丈夫だとは思うのですが…少々心配です。
それでもグラマン・小野寺投手が昨年以上のものを見せてくれそうなので、
リリーフ陣の層の厚さを感じさせてくれます。


打撃陣は主軸を中心に元気そのもの。
3番中島選手はストレートを押し込んでライト右へ2ベース、
2打席目は追い込まれながら外角ストレートをライト前へ流し打ち、
3打席目は外角のスライダーを押しこんでのセンターへの大飛球と、
打撃の状態はかなり良くなってます。
評価したいのは2打席目のライト前ヒットですね。
こういう打撃ができるなら、去年のように三振を量産しないでしょうに(^^;
追い込まれてからの切り替えが上手くいけば、3割以上は楽に残せ、
首位打者争いをするまでになってくると思います。
パワーも昨年以上のものがあり、センターから右方向への押し込みが強くなった気がします。
そんな大振りしたように見えず、擦った感じにしか見えなくとも、
外野手の頭を越していったりしますし、見た目以上に腕の押し込みが強そうです。

4番ブラゼル選手はレフト前タイムリーと、
左中間突破の2点タイムリー2ベースと今日も勝負強い打撃を見せました。
課題の膝元の変化球ですが、2打席目にスライダー攻めを受けました。
初球は膝元ボールになるスライダーを空振り、
2球目は内角低めスライダーのストライクゾーンを空振り、
3球目は同じような内角低めスライダーをファール、
そして4球目の外角ストレートを左中間へ、という結果。
膝元の変化球を打ったわけではありませんが、
その球に惑わされなかったことは高く評価できます。
これで膝元を攻められてもファールで逃げていれば、
失投を捉えられるということですからね。
シーズンに入ると、徹底して膝元の変化球を投げてきたり、
胸元に際どいストレートを投げられるようになるでしょうが、
ブラゼル選手ならその厳しい攻めにも対応してくれそうです。
見た目以上に穴の少ない打撃に注目ですね。

5番GG佐藤選手は新垣投手の外角低めスライダーの見極めに苦慮してたものの、
4打席目にやや甘く入ったカーブを完璧に捉えてのレフト上段へのソロホームラン。
まだ切れのいい外角低めスライダーの見極めには若干の課題を残しますが、
昨年よりもしつこさが出てきてますし、
打球の勢いは日本人離れしていて、カブレラ選手に迫るほど。
今年はそのカブレラ選手以上の成績を期待したいです。

カブレラ・和田選手が抜けて心配された主軸ですが、
ブラゼル選手が予想以上に良かったことと、
GG佐藤選手が昨年のいい状態をキープしていることから、
昨年の主軸以上に働いてくれるのは間違いないと思います。
…名前だけ見ると、カブレラ・和田選手の主軸は強力ですが、
昨年はほとんど看板だけでしたからね~(苦笑) 今年の方が中身がある。
ブラゼル・GG佐藤選手の2人の状態がいいことで、
中島選手がホームランにこだわる必要がなくなりますから、
心配していたような中島選手への負担の一極集中はなくなりそうです。
主軸は昨年以上の成績を期待できそうですね。

売り出し中の松坂健太選手は外角ストレートを捉えるヒットで2安打と好結果。
外角の打ち方が上手いです。右にもよく飛んでいきますし、頼もしい。
昨年見たときはかなり粗っぽい打者というイメージでしたが、
このオープン戦を見る限りでは、確実性が増し、
大振りする打者から、鋭く振り抜ける打者に変わったように思います。
この調子なら、それなりの成績は残せるんじゃないでしょうか。
.270前後15本塁打前後は期待したい。
シーズンに入ると、外角低めの変化球の見極めや、
内角の速いストレートへの対応が一つ問題となってくるかと思います。
それでも今の向かっていくバッティングを忘れなければ大丈夫でしょう。
落ちる球はわりとよく見れているのが強みですかね。


ただ課題の1・2番になると… ちょっと頭が痛いです。
1番の片岡選手の状態がどうなのかちょっと判断しかねる所があります。
やはり慣れた2番でという声も聞かれますが、
どちらかというと積極的に打ちに行く打者なだけに、
制約の少ない1番打者の方が向いてるのかなぁとも思います。
ただ、まだちょっと自分を出し切れていないというか、
積極的に打ちに行って凡打すると思ったら、
ボールを見てしまって見逃し三振したりと、ちょっと中途半端。
まだ1番片岡のスタイルは確立していない感じです。
2番の時とは違い、何が何でも右方向へ打つ必要もないですし、
もっとセンターを中心に広角に打っていいと思うんですがねぇ。
片岡選手に関してはシーズンに入ってみないと分からないです。

2番の栗山選手はセンター前とライト前と2本の安打でアピール。
オープン戦序盤に比べますと、
段々と猫背が治ってきて、少しずつ背中が伸びてきてます。
この調子ならば開幕する頃には大丈夫かな~と思えてきました。
昨年までよりも長打は減るかもしれませんが、
その分、外野手の前に落とすヒットが増えてきそうです。
売り出し中の松坂健太選手と被る所があり、
守備位置の兼ね合いが出てきますが、現状の2番打者では一歩リードか。
つーか、期待していた赤田選手の状態が悪すぎる。どうしたんだろう…


打線は主軸はいいとして、1・2番の課題が克服されないのが大きな悩み。
1・2番の出塁率が上位進出の鍵となりそうです。
1・2番が固まれば間違いなく優勝なんだがなぁ… そこだけですね。
片岡・栗山選手の成長、赤田・佐藤友亮選手の復調に期待したいです。


守備はちょっと不安が残ります。
ショートの中島選手の守備は改善されてきてますが、まだ不十分かと。
今日唯一の失点は中島選手のタイムリーエラー。あの回はショートの守備練習。
最初の柴原選手の内安打は仕方ないでしょう。
あれは一か八かのプレー、待っていたら余裕でセーフなので突っ込んで正解。
ただ2つ目の山崎選手の弱いショートゴロは…
1アウト1・2塁で2塁フォースアウトも狙えたわけですし、
例えセーフでも満塁、点数は入ってません。
それを突っ込んで逸らして1点ですから… これはお粗末と言うしか。
基本は積極的なプレーでいいと思いますが、場面を考えて欲しかったです。
けどその後の川崎選手のショートゴロの処理は上手かったです。
それができてるなら、その前の2つの打球も処理できたと思うけど(笑)
それができたら名手。まだちょっと道のりがありますね(^^;
あと直して欲しいのはタッチの仕方。
8回に川崎選手の盗塁時のタッチはないだろうと思った。
思ったよりも滑らなかったことで、川崎選手の足がベース直前で止まったから、
タッチが後でもアウトにできましたが… ちょっとなぁと。
細川捕手がすげー迅速な送球を見せたわけですし、
それを台無しにするようなタッチにはちょっと脱力させられました。
タッチはあまり進歩してないだけに、開幕までに確認しといて欲しいです。

それとレフトの松坂健太選手の守備も少々怪しい感じ。
6回の松中選手のレフト線へのヒットの処理はお粗末過ぎました。
今年からファールゾーンが出っ張ったとはいえ、
あのクッションの処理ではファールゾーンが狭まった意味がない(苦笑)
2塁どころか3塁まで奪われそうになった守備は拙いというしかないです。
まぁ、経験でしょうね。送球に関してもそう。
脚力と元もとの肩の強さは間違いなくあるわけですし、
鍛えれば名手になるだけの可能性は持っているはずです。
色々と経験を積み重ねていき、走攻守三拍子揃った選手になって欲しいです。

その他のポジションではキャッチャーの細川選手が鉄壁、
ただオープン戦ではややミスもあったようなので、そこだけには注意。
ファーストのブラゼル選手は長身で、グラブ捌きもなかなか。
横の動きはまだ分かりませんが、カブレラ選手並みには守れそう。
セカンドの片岡選手は西武では名手の部類に入ると思うんですが、
オープン戦では中島選手以上にミスをしていただけに、ちょっと心配。
中島選手に守備位置の指摘をされるってのは…(^^;
まぁ、シーズンに入ってくれれば大丈夫でしょう。
サードの中村剛也選手はエラーをおかわり。ちょっと心配。
外野はボカチカ選手が脚力があってセンターとして期待。
でも守備の安心感は赤田選手の方が上なので、打撃の復調を頼む。
ライトのGG佐藤選手は強肩、守備力も向上で期待。
問題はレフト。松坂健太選手にしても栗山選手にしても不安あり。

球場が変わったのは西武ドームだけでなく、
福岡ドームのフェンスも変更となって、クッションが弾まなくなりましたから、
内外野ともに今年は守備陣が動かされることが多くなると思います。
それだけに内外野の動き、肩・中継プレーといったものが重要、
昨年のような拙い守備では接戦を勝てませんので、
積極的に行ってのミスは仕方ないにしても、
打球を最後まで諦めずに追っていったり、、
中継プレーやバックアップを怠らずにしっかりとやるといった、
基本的なことをしっかりとやってもらいたいです。
個々の守備力が問題になることは仕方ない。
チームでできる基本的なことをしっかりとやってもらいたいですね。


総合的に見ますと、オープン戦序盤で危惧していたよりも、
遥かに良い状態で仕上がったように思います。
新しい打線も4番にブラゼル選手が決まったことで、
ある程度の流れになってきましたし、
投手陣も概ね順調な仕上がりを見せています。
まだまだ課題は多いと思いますが、
一歩一歩チームとしてできあがっているのが伺えますので、
今季に対する期待が膨らんできそうですね。

しかし他球団のことながら、ソフトバンクの新垣投手はどうなんでしょう?
相変わらずボール自体はいいのに…
4暴投でしょう? そのうち、2暴投で1点ずつ献上ってのは…
昨年と変わってないとなってきちゃうわけで…
まぁ、セットを長く持っていたことで、
投球直前に審判に2度止められたりと可哀想な面もありましたが、
それにしたって、と思っちゃいます。
斉藤和巳・和田投手が出遅れているわけですから、
杉内投手と新垣投手にかかる期待は大きいはずなのですが…

それにしても今年のソフトバンクは怪我人が多いですね。
野手では小久保選手は勿論、本多選手と大村選手も開幕に間に合わない。
投手では斉藤和巳投手は勿論、和田投手も4月までは間に合わず、
抑えの馬原投手が意外と長引くようで6月頃という話も。
混戦パリーグとはいえ、ソフトバンクはなんだかんだでAクラスだろ、
と思っていましたが、これはひょっとするとひょっとするかも…
今年のパリーグはどこが優勝しても、
どこが最下位になってもおかしくなさそうです。

ソフトバンクを含めたパリーグの戦力分析はまた明日以降に。

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