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西武の「栄養費」問題2

どうやら思ってた以上に大変なことになりそうですなぁ…
今回の件は朝日が嗅ぎ付けた模様。他と比べても詳しい記事のオンパレードです。
 支払い時期は04年春から05年10月
 貰ったとされる早大野球部選手の父親の話
 早大野球部監督の話
以上のことから、報じられた時点で選手は特定されていた模様です。

東京ガスの投手であるB選手は予想通りでした。
04年春からの支払いはこの選手だったんでしょう。
おそらく高校卒業後、社会人入りする際にお金が支払われたのだと思います。
まぁ、「囲い込み」の噂は全くないわけではありませんでしたし。
太田社長が06年夏に知ったとされているのを事実だと考えれば、
春の時点で自由枠候補に名前が挙がりながらも、それ以降は名前が聞かれず、
夏以降は獲得断念に近い形となったことの説明も行きます。
その選手の入団姿勢が、特定球団のみ→12球団OK→某球団のみと変わったのも合点のいく所。
んー、でもそうなるとその後に手を付けた某球団も関係しているのでしょうか…?
今年のオフにまたドラフト指名が可能になるわけですが…
西武は勿論指名できないでしょうが、その某球団は指名するんですかねぇ?
こうなってくると、昨年指名された時点で入団しておけば良かったのに、と思えますね。

A選手は全くの予想外でした。
こちらは既に入団していると思っていましたから…
どうやら早稲田の現役3年生野手の模様です。
加えて、特待制度があることから私学の系列高校出身の選手だと思われます。
また中学時代に目に留まったということから考えて、
発掘したスカウトは昨オフ解雇された有名スカウトで、
おそらく関西からの野球留学者だったのでしょう。
でもって、早稲田に斡旋したということは、葉留彦スカウト部長が関わっている可能性大。
鈴木葉留彦スカウト部長の首が飛ぶのは決定的な感じです。

それにしてもA選手の件は大問題ですよね。
A選手の父親の話から、いわゆる「囲い込み」の実態が明らかにされました。
「囲い込み」というのは、プロ球団が選手を早い段階で目を付け、
その後の進路先の面倒を見て、他球団に邪魔されないように選手を獲得することです。
一番多いのが高校から大学のケース。
高校生の時点で指名候補に名前が挙がる有力選手でも、進学等を理由にすればドラフト指名はできません。
そこでその選手に進学を進め、その世話をすることで(一般的に金銭が絡むかは不明)、
他球団の手出しができないように結びつきを強め、
卒業時に希望枠を始めとするドラフトでその選手を獲得するという手法です。
B選手は社会人でしたが、同様のケースだと考えられます。
(高校時にドラフト1位確約も社会人入り、希望枠候補に名前が挙がるも発覚で断念)
あ、そうそう、昔のプリンスホテルと西武の関係もこれに当てはまりますよね。
高校時にドラフトにかかりそうな有力選手を系列であるプリンスホテル野球部に入れ、
そこから他球団に極力手出しをされないようにして獲得するという手法です。

以前あった「栄養費」問題では、タクシー代・食事代としか言われず、
ドラフトで横行していた所謂「囲い込み」の実態は明らかにされませんでした。
それが今回、「囲い込み」の一例が露見してしまったわけで…
この二選手のみ、西武球団のみの問題として片付けることは不可能になってしまいました。
金銭が絡んだかどうかは別問題としても、
プロ球団が進路先を斡旋しているケースはよく聞きます。
金銭が絡んでるかは分かりませんが、昔のダイエーと九州共立大の関係が一つの例です。
(ソフトバンクが親会社になって以降、共立大からの指名はなくなりましたから、
 関係があったのは根本氏の影響があった頃までと思われます。今はクリーンでしょう)

ここからは完全に憶測となりますが、今回の問題は根深いもののように思います。
A選手の父親が簡単にこう言ったということは、
他にも例があったか、そういうものだという認識があったのでしょう。
金銭が絡んでいるかは定かではないものの、
高校の野球留学の影にはプロ野球球団の「囲い込み」の影響があり、
大学・社会人チームとプロ野球球団との密接な結び付きが明らかになりつつあります。
これを支えているのが、「希望枠」を中心とする現行のドラフト制度なのですが、
仮に完全ウェーバー制を導入したとしても、
指名拒否が相次げばこういった例はなくならないわけで、
プロ野球界とアマチュア野球界との関係に再び大きなヒビを入れかねません。
今回は選手の親へのアプローチでしたが、学校そのものにアプローチすることも可能でしょう。
例えば、その学校のOBが出身校に寄付するだけでも、この関係が成立する余地はあります。
OB等の援助の大きい私大野球部では裏金どころか、堂々と出すことも可能に。
今や中学生どころか、小学生まで目を付け始めているとも聞きますし…
有望な野球選手の斡旋狂想曲は止まることを知らないように思えます。

やや話が逸れてきたので、今回の件に話を戻しますと、
B選手はまだしも、A選手は高校の時点でドラフト1位クラスだったかは疑問が残ります。
その選手に関するスポーツ紙の記事はありますが、
ドラフト指名候補ではあっても、上位候補だったとは正直思えません。
一場投手クラスのバリバリの目玉選手ならまだしも、
A選手に学費として1000万を払うというのは…普通では考えられないことです。
そう考えると、契約金から差し引く契約の話は納得いく話です。
そうなると、奨学金のような形の斡旋がこれだけだとは到底思えなくなります。
希望枠を始めとするドラフト上位選手だけでなく、
下位選手にもこういったことが行われていた可能性が考えられます。
こういった契約で西武に入団した選手がいるでしょうし、
他球団でも同じようなことをした選手がいるのは容易に想像できることです。
…う~、問題が大きくなってきたなぁ…
…ただ、そこまで世間が反応し切るとも思えませんが…

これで今年のドラフトの出入り禁止はほぼ決定的。
スカウト部長を始めとする関わったスカウト陣も辞めなければならないでしょう。
受け取った選手の側は、アマチュア球界の判断次第でしょうか。
あとは内部調査の結果、現役選手に波及するかどうか、
他球団の囲い込みの実態の暴露まで繋がるかどうか、そこを注視していきたいです。
しかし、まぁ、バカやっちゃいましたねぇ…
まさか囲い込みが露見される日が来るとは思いもよりませんでした。

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