>>孫氏 三国時代・孫氏の勢力は、曹操、劉備政権とは事情が異なる。 孫堅・孫策・孫権と、3代かかって勢力が固まったためと言えるが、 それよりも、勢力の維持を江南各郡の名家に頼っていたことが非常に大きな意味を持っていた。 劉備政権のように、流浪の結果として古参・荊州組・益州組という不安定な形が出来上がったのではなく、 孫策が江南に拠点を置いたときからの重鎮であるので、 孫権以後の君主にとっては、非常に扱いにくい存在だったと思われる。 更に、孫策の代には中原から流出してきた人材が豊富になったのだが、 隆盛とともに、一種の派閥を形成するようになり、これも後年大きな障害となっていった。 文化・軍事等の面では、長江を絶対的な境界線とするだけでなく、輸送、行軍、連絡網として最大限に活用し、 中原として文化を完成させた魏や、僻地に苦しめられた蜀とは一線を画している。 この江南の文化は、晋以後の中国文化に大きな影響を与えることになる。 この点でも、孫氏は評価して良いだろう。 その一方で異民族である山越に苦しめられていいるが、それは魏・蜀にも言える事なので割愛。 孫一族で特筆すべきは、末期の、さながら人間関係の地獄絵図ともいえる凋落振りであろう。 司馬一族という有力者に乗っ取られた魏や、君主が骨抜きにされた蜀よりも性質が悪く、 巻き込まれた人間は、数え上げるときりが無い。 この当りは三国志演義では全く触れられないので、是非とも正史を見ておきたいところである。 以下、一族の人物について。 孫堅 孫策 孫権 孫登 孫和 孫覇 孫亮 孫休 孫皓 孫静 孫翊 孫匡 孫韶 戻る |
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